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A.2018年の内閣府による2018年の企業の予想物価上昇率は2%前後。
内閣府の2018年のデータによると、企業の予想物価上昇率は物価安定目標と整合的な2%前後が定着しています。企業の予想物価上昇率(corporate_expected_inflation_rate_target)の数値は2%前後です。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
内閣府による2018年の企業の予想物価上昇率
2%前後
企業の予想物価上昇率は物価安定目標と整合的な2%前後が定着
が最も多くなり、+3%程度も2018年時点よりも増加している(第1-2-33図(2))。このように企業の予想物価上昇率は、物価安定目標と整合的な2%前後が着実に定着しているとみられる。ここで、経済的なショック等に対する企業の予想物価上昇率の耐性を考えるため、過去の各種イベント前後の状況を確認する47。2015年から2016年にかけては、中国など新興国経済の減速から、原油等資源価格の下落につながったこともあり、企業の中期的な予想物価上昇率は2014年の1%台半ばから1%程度に低下した。また、2020年のコロナ禍に際しては、国内外の経済活動が大幅に低下する下で、中期的な予想物価上昇率は、それまでの1%程度から0%台に低下することとなった(第1-2-33図(1))。こうした点を踏まえれば、大きな負の経済ショックが生じた場合には、企業の中期的な物価上昇率に対して下押し圧力が生じうると考えられる。今回の米国の関税措置が実体経済にどの程度の影響を及ぼすかには不確実性があるが、経済的な影響を乗り越え、中期的な予想物価上昇率が2%前後の水準で推移し続けるかどうかは、デフレに後戻りしない状況が確実なものと言えるかの一つの試金石であると言える。 次に、市場参加者の予想物価上昇率として、10年物の国債利回りと物価連動債利回りの差から計算されるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)をみると、2020年頃から上昇し、直近では1%台半ばとなっている。BEIについては、物価連動債の発行が少なく流動性が低いことから、流動性リスクプレミアムがあり、これらによりBEIが真の予想物価上昇率より低くなる傾向があるとされるが48、その点を考慮すれば、企業の予想物価上昇率とも近い動きとなっていると考えられる。また、ESPフォーキャスト調査によるエコノミストの2~6年後の中期的な予想物価上昇率をみると、同様に2020年以降徐々に高まり、1%台後半となっている。ここで、ESPフォーキャスト調査によるエコノミストの1年後の短期の予想物価上昇率をみると、2024年半ば時点の2%超から、直近では1%台半ばに低下している(第1-2-33図(3))。この点、エコノミストにおいては、米国の関税措置の実体経済への影響を通じて、短期的に物価上昇率に下押し圧力がかかることを想定している可能性がある。ただし、中期的な予想物価上昇率には大きな変調はみられておらず、引き続き2%付近に向けて緩やかに上昇する傾向を維持しているものと考えられる。 最後に、家計の予想物価上昇率について確認する。家計部門の予想物価上昇率については、①内閣府「消費動向調査」における「あなたの世帯で日ごろよく購入する品物の価格について、1年後どの程度になると思いますか」という質問に対する回答から加重平均により算出 47 企業の予想物価上昇率が把握できる統計は日銀短観のみであるが、本データは2014年以降しか存在しないため、2000年代後半の世界金融危機等の影響を確認することはできない。ただし、上述したように、販売価格判断DIは、世界金融危機時には大きくマイナス方向に低下したことから、経済ショックにより、企業の予想物価上昇率も下押しされたと推察される。 48 湯山・森平(2017)は、流動性リスクプレミアム等により、BEIは2005年から2014年の期間平均で0.4~0.7%ポイント程度、真の予想物価上昇率より低い可能性があるとしている。ただし、当時よりも物価連動債の流動性が高まっているとすると、かい離は同推計よりも縮小している可能性はある。 120