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A.2024年の小規模企業における賃金の下方硬直性は99人以下企業。
内閣府の2024年のデータによると、従業員99人以下の小規模企業において、下方硬直性を経験した労働者の比率が多いことが示されています。規模別の賃金動向に関する統計データです。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
小規模企業における賃金の下方硬直性
99人以下企業
99人以下の小規模企業において、下方硬直性を経験した労働者の比率が多い。
(3)時間当たり定期給与 (%) 15 12 9 6 3 0 -40 -20 0 20 40 60 (前年比、%) (4)時間当たり現金給与総額 (%) 15 12 9 6 3 0 -40 -20 0 20 40 60 (前年比、%) (備考) 1. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の調査票情報により作成。 2. 神林(2011)を参考に同一労働者の賃上げが観測された者を集計。Dickens et al.(2007)を参考に、賃金変動が35%以内の下落あるいは60%以内の上昇にとどまるサンプルのみを集計対象としている。2015年から2024年までのデータを用いて作成。 3. 公営事業所はサンプルから除外している。 (年齢別には60代、企業規模別には中小企業で下方硬直性の度合いが相対的に大きい) 次に、どのような労働者において、下方硬直性の度合いが高いのかを確認する(第2-2-20図)。年齢階級別にみると、年齢が上昇するほど、下方硬直性に直面する割合が緩やかに増えているが、特に60代で高くなっている。50代以下については、賃金カーブ上、定期昇給により賃金が上昇する傾向が強い年代であるため、負の経済ショック等に対応する観点から、企業が賃金上昇率を一定程度低下させるという調整が比較的容易であると考えられる(ショックがなければ3%賃金を引き上げる予定であったところ、2%にとどめる等)。一方、60代の場合は、定期昇給による賃金上昇が多いケースが考えられ、その際に、負の経済ショックに応じて賃金上昇率を引き下げる場合には、賃金の減額(ショックがなければ0%の賃金上昇率であったところ、上昇率を引き下げると▲1%となる等)を意味することとなり、労働者の抵抗感やモチベーション低下のリスク等から、下方硬直性が発生する蓋然性が高くなると考えられる。同様に、近年は、若年層において、相対的に賃金上昇率が高い状況にあることから、若年層の方が賃金の調整余地が大きく、下方硬直性の度合いが低くなっていると考えられる。 企業規模別でみると、99人以下の小規模企業において、下方硬直性を経験した労働者の比率が多く、企業規模が大きくなるにつれて、同比率が低下することが分かる。背景として、例えば、中小企業では人手不足がより厳しい中で、労働者の引き留めのために賃金を引き下げることが難しいという可能性のほか、大企業においては、中小企業に比べ、配置転換や役職手当の変更といった形で、賃金表自体の変更を行うことなく基本給を調整する手段が多く、これが大企業における下方硬直性の度合いを相対的に低めている可能性等が考えられる。 なお、男女別にみると、若干男性の方が下方硬直性を経験した比率が高いものの、大きな違いはない。また、産業別には多少のばらつきがあるものの、明確な傾向は見いだせない。 244