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A.2024年の内閣府による2024年の物価上昇率目標は2%。
内閣府の2024年の政策目標において、2%の安定的な物価上昇率を早期に実現・定着させることが掲げられています。この目標値は、日本の物価安定に向けた取り組みを示す指標です。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
内閣府による2024年の物価上昇率目標
2%
2%の安定的な物価上昇率を早期に実現・定着させる
市場における需要の反応によっては、輸出・生産の減少を起点に内需が下押しされるリスクがある。くわえて、世界経済の下押しという間接的な経路から我が国輸出が下振れする可能性とともに、米国の通商政策の動向やその影響に対する不確実性が、製造業を中心に設備投資の先送り行動につながり得る点にも警戒が必要である。引き続き、関税措置の影響を注意深く分析し、国内産業・経済への影響に対する万全の措置を講じることにより、その影響を最小限に抑えることが重要である。 こうした米国の関税措置が、回り始め定着しつつある賃金と物価の好循環に与える影響にも注意が必要である。仮に、関税措置への対応として、輸出価格の引下げという動きが広がれば、短期的な利益の確保のために賃金や投資を抑制するというコストカット志向に回帰する可能性があり、留意が必要である。実際、過去の経済ショック時には、企業の販売価格設定行動が消極化し、経済主体の物価上昇予想も低下するという傾向もみられた。また、過去の経験に照らせば、負の経済ショックに伴うGDPギャップの悪化は、経済主体の賃金・物価上昇に対するノルムが確立しない中にあっては、経済を再びデフレに陥らせる蓋然性を高める要因となる。2%の安定的な物価上昇率を早期に実現・定着させ、経済主体の予想物価上昇率の安定化につなげること、中小企業の労務費等の価格転嫁・取引適正化を促進すること等も通じて、人件費比率の高いサービスを中心に賃金と物価の好循環を回し続けることが極めて重要であるといえる。 ●個人消費の力強い回復には安定的な物価上昇とこれを上回る持続的な賃金上昇等が不可欠 2024年に入り、33年ぶりの高さとなった賃上げの効果や財産所得の増加もあって、マクロの家計可処分所得において改善の動きが続き、家計の金融資産残高も拡大傾向が続く中にあっても、GDPの過半を占める個人消費の回復は、これらに比して緩やかなものにとどまっている。結果として、平均消費性向はコロナ禍で急速に低下した後も、コロナ禍前の水準に戻らず低下傾向を続けている。本報告のために実施した内閣府の調査からも、食料品を中心とした物価上昇が続く中で、家計において、潜在的には消費意欲が高い食費等を中心に節約行動をとっている姿が浮き彫りとなっている。 このように、所得等に比して個人消費の回復が力強さを欠く背景には、様々な要因が複合的に影響している。第一には、家計が賃金上昇を持続的なものと受け止めるに至っておらず、恒常所得の増加期待に乏しいことである。内閣府の調査からも、継続的な収入の増加は一時的なそれよりも消費の増加につながりやすいこと、そして、近年の賃上げの実績にもかかわらず、継続的な収入増加に対する家計の期待は必ずしも高くないことが確認される。このように賃上げの実感が広がらない背景には、バブル崩壊後に就職した多くの世代では就労開始時点での将来の賃金に対する期待値と比べて、実際の賃金が十分に上昇してこなかったことや、より若い世代では、近年の力強い賃上げの流れの中で、定期昇給もあいまって名目ベースの賃金上昇は堅調であっても、物価上昇を調整した実質ベースの賃金上昇は抑制さ 404