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A.2023年の全産業における2023年度設備投資の実績は9.4%。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
設備投資の先行きについて、日銀短観の2025年度設備投資計画34をみると、2025年6月調査時点で全規模全産業では前年度比+8.7%となり、過去2年の同時期に比べると低い水準になっているものの、2023年度、2024年度の設備投資の実績が、それぞれ前年度比+9.4%、+6.9%と高い伸びが続いた後でも、2025年度計画では更なる増加が見込まれており、全体として、企業の投資意欲は引き続き堅調さが維持されていると言える(第1-1-25図(1))。米国の関税政策の影響が懸念される自動車産業においても、同時点で前年度比+10.4%となり、引き続き旺盛な投資意欲がみられており、米国の関税政策による影響が顕在化しているわけではない(第1-1-25図(2))。第1-1-25図 設備投資計画の動向 企業の設備投資意欲は、自動車等を含めて引き続き堅調 (1)全産業 (前年度比、%) 14 12 10 8 6 4 2 0 3月 6月 9月 12月 見込 実績 2023年度 9.4 2024年度 6.9 2025年度 (調査時点) (2)自動車 (前年度比、%) 14 12 10 8 6 4 2 0 3月 6月 9月 12月 見込 実績 2024年度 10.4 2023年度 7.8 2025年度 (調査時点) (備考)日本銀行「全国企業短期経済観測調査」により作成。(1)、(2)ともに全規模、設備投資額はソフトウェア・研究開発を含む(除く土地投資額)。2024年3月調査において、調査対象企業の見直しが実施されているため、(1)で2023年度のグラフが不連続となっている。ただし、米国の関税措置については、先述したように、今後の製造業を中心とした企業収益の悪化を通じた設備投資の下押しの可能性があるほか、政策の動向やこれに伴う経済の先行きに係る不確実性・不透明感の高まりにより、企業が設備投資を控える行動につながり得るという経路にも注意が必要である35。この点を確認するために、ここでは、Arbatli Saxegaard and others (2022) に基づき、経済産業研究所が公表している「政策不確実性指数」36を 34 金融機関、持社会社等を除く全産業、ソフトウェア・研究開発を含み、土地投資は除くベース。 35 設備投資は一般に個別性が高く、一旦投資を行うと、売却・処分時に価値が大きく低下する可能性があるという意味で「不可逆性」があるとされる。将来の不確実性が高い状況では、その時点で投資を実行するよりも、投資の実行を先送りする方が期待収益が高くなるため、理論上、不確実性が高い状況では、投資に下押し圧力がかかる可能性がある。 36 新聞記事のうち、「経済」、「景気」、「税制」、「日本銀行」、「不透明」などといった単語が含まれる記事件数を基に、政策を巡る不確実性や政策との関わりで高まる経済の先行き不透明性を定量化した指数。 43