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A.2024年の2024年春季労使交渉の賃上げ率は33年ぶり。
内閣府によると、2024年の春季労使交渉における賃上げ率は33年ぶりの高さとなりました。この数値は2024年の日本の労働環境における賃金上昇の動向を示すものです。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
2024年春季労使交渉の賃上げ率
33年ぶり
2024年の春季労使交渉における賃上げ率の高さ
はじめに 我が国経済は、2024年には名目GDPが初めて600兆円を超えるとともに、2025年の春季労使交渉における賃上げ率は、33年ぶりの高さとなった2024年を更上回る堅調な結果となるなど、近年にはない明るい動きが続いている。一方、個人消費については、食料品など身近な品目の物価上昇が続く中で、賃金・所得に比して回復力が弱いものにとどまっている。コロナ禍の2020年5月を谷とする現在の景気回復は、戦後3番目の長さに達し、成熟化した状態にあることを踏まえると、何らかの負のショックを機に景気の局面が変化する可能性には十分警戒が必要である。この点、2025年1月に発足した米国の第二次トランプ政権による広範な関税措置が、外面から我が国経済を直接的・間接的に下押しする大きなリスクとなっている。過去四半世紀にわたる賃金も物価も動かない凍りついた状況から脱し、賃金と物価の好循環が回り始め、定着しつつある中で、現在、我が国経済は、この逆風を乗り越え、コストカット型経済から脱却し、成長型経済への移行を確実なものとすることができるか否かの試練に直面していると言える。本報告では、我が国経済の現状と課題の分析を通じて、今後必要となる政策の検討に資することを念頭に置いた議論を行っている。各章の構成は以下のとおりである。 第1章では、2025年半ばまでのマクロ経済の動向等について、様々なデータを活用しつつ詳細にレビューする。具体的には、今回の景気回復局面について、輸出・製造業がけん引した過去2回の長期回復局面との違いを明らかにするとともに、米国の関税措置による我が国経済への影響に係るメカニズムを理論的に整理し、現時点において、輸出や生産、企業収益や雇用、設備投資、個人消費の各側面においてどういった影響が生じているのか、今後のリスクはどこにあるのかを点検する。また、企業の価格・賃金設定行動や経済主体の物価上昇に対する認識が着実に変容し、賃金と物価の好循環がようやく回り始めたことをデータで確認するとともに、その定着に向けたリスクと課題を議論する。あわせて、コロナ禍前後の我が国の財政状況をフロー・ストック両面から確認するとともに、近年活用されてきた中小企業等への投資補助金の実態等について新たなビッグデータを基に分析する。 第2章では、家計部門に注目し、持続的な賃金上昇が確立し、個人消費の回復がより力強いものとなるための課題について議論する。その中で、まず、本報告のための実施した内閣府の調査結果も踏まえ、賃金・所得の伸びに比して個人消費の回復が力強さを欠いている背景について、老後不安や物価上昇予想の高まりを介したメカニズムを含め多面的に検証する。また、賃金上昇が企業規模間、年齢間、産業間で広がりをみせているのかを確認しつつ、家計部門において、賃上げの実績に比べ、賃金上昇の実感が広がっていない背景を分析する。さらに、賃金上昇の持続性を占う意味で、過去、日本の賃金上昇を抑制してきた要因 1