ファクトはAIによる自動抽出です。誤りが含まれる可能性があります。正確な情報は原資料をご確認ください。
A.2021年の2021年賃金上昇率▲0.1%未満の労働者割合は0.1%未満。
内閣府のデータによると、2021年における賃金上昇率が▲0.1%に満たなかった労働者の割合は0.1%未満です。この数値は同年の労働者の賃金変動状況を示す統計データに基づいています。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
2021年賃金上昇率▲0.1%未満の労働者割合
0.1%未満
2021年の賃金上昇率が▲0.1%に満たなかった労働者の割合
(コロナ禍でも下方硬直性に伴う賃金の上方硬直性が存在も、早期に解消した可能性) ここまで、賃金上昇率が高まり、賃金上昇率の分布が全体的に右方向にシフトした2020年代前半において、賃金の下方硬直性の度合いは弱まったと言える一方で、依然として、一定程度の下方硬直性がみられることを確認した。最後に、こうした下方硬直性に伴う「賃金の上方硬直性」について確認する。賃金の上方硬直性は、上述のとおり、賃金の下方硬直性が存在する下で、企業側が、下方硬直性による過去の超過払いを回収する、あるいは将来賃金の引下げが必要となる状況に備えるなどの理由から、賃金上昇率が低く抑えられるという現象である。実証的には、2000年代後半の世界金融危機時における下方硬直性が、その後の賃金の上方硬直性をもたらし、賃金上昇率を押し下げたと指摘されている35。この点に関し、2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大でも、大きな負の経済ショックが発生したが、この際に生じた下方硬直性は、賃金の上方硬直性をもたらしているのかを検証することとしたい。 ここでは、慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センター「日本家計パネル調査」の個票を用いる36。分析に先立って、2021年と2022年37の賃金上昇率の分布を比較すると(第2-2-21図(1))、特に2021年においては、2020年時点で賃金上昇率が▲0.1%に満たなかった労働者38(下方硬直性を経験しなかった人・破線)の方が、2020年時点で賃金上昇率が+0.1%~▲0.1%だった労働者(下方硬直性を経験した人・実線)よりも、賃金上昇率が高い傾向にあることが分かる。2022年についても、賃金上昇率の差は幾分か縮小したものの、特にゼロ近傍では、下方硬直性を経験した労働者の方が相対的に賃金の上昇率が低いようにみえる。 さらに、先行研究39を踏まえ、同パネルデータを基に、DID(差の差)分析の手法により、2020年における賃金の下方硬直性が、2021年及び2022年の賃金上昇率にどの程度影響を与えていたかを確認する。第2-2-21図(2)①は、2020年に下方硬直性を経験した労働者(処置群、定義は第2-2-21図(1)と同じ。)とそうでない労働者(対照群)で、2020年、及び2021年・22年平均の賃金上昇率がどの程度異なったかをみたものである。こ 35 平田・丸山・嶺山(2020)や、山本・黒田(2016)等。 36 ここまで用いてきた「賃金構造基本統計調査」に基づく疑似パネルは、飽くまで同調査で偶然2年連続サンプルに選ばれた労働者を属性データから類推したデータセットであるため、ある個人の賃金等の動向を一定期間にわたり観測するという本来のパネルデータの用法には不向きである。このため、2022年までの実績分しか利用可能ではないものの、パネルデータである「日本家計パネル調査」を用いている。 37 同パネルデータは2023年個票(2022年対象のデータ)が最新となっているため、2023年以降に上方硬直性が解消されたか否かは検証が難しい。 38 ただし、平均から2標準偏差以上マイナス方向に離れたサンプルは対照群から外している。DID分析は、処置群と対照群が処置の有無以外で同質であるという仮定を置くが、賃金上昇率が大幅にマイナスであったサンプルは、下方硬直性の有無に関係なく賃金上昇率がマイナスになっていた可能性が高いことから、同質性の仮定に反するためである。 39 平田・丸山・嶺山(2020) 246