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A.2015年の2015年の年功賃金を支持する人の割合は76.3%。
内閣府の2015年のデータによると、年功賃金を支持する人の割合は76.3%です。この数値は、日本における年功序列型の賃金体系に対する当時の支持傾向を示しています。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
2015年の年功賃金を支持する人の割合
76.3%
年功賃金を支持する人の割合(2015年)
(長期雇用を始めとする日本型雇用システムを支持する労働者は少なくない) それではなぜ、日本では一つの企業に長く勤める労働者が多く、転職率も上昇していないのだろうか。背景の一つには、長期雇用の慣行が依然として機能し続けていることが考えられる。本章第2節でも触れたとおり、日本の企業は、「日本型雇用システム」と呼ばれる、終身(長期)雇用や年功序列型賃金といった要素を中心とした雇用システム23を採用してきたとされ、こうしたシステムでは、従業員の技術習得インセンティブ付与、組織内の協力の促進、柔軟な対応の可能性といったメリットがある一方、多様な人材の活躍、イノベーションや生産性向上の観点からは、外部人材の登用が困難、思考が同質的になり画期的なイノベーションが生まれない、技術進歩が速い環境下ではスキルが陳腐化しやすいといったデメリットが指摘されてきた24。 一方で、日本型雇用システムが持つ様々な特性は、現在でも多くの日本企業で維持されていると考えられる。本章第2節でみたように、勤続年数に応じた賃金の上昇度合いが緩やかになるなど、年功賃金の度合いについては、従来と比べると幾分弱まっている面もあると考えられるが、長期雇用や年功賃金といった日本型雇用システムの特性自体は多くの企業で維持されていると推測される傍証として、例えば、リクルートワークス研究所が労働者に対して2024年に行った「Global Career Survey」の結果がある。これによると、「勤続年数の長さに応じて年収が上がってきた」という年功賃金に対応する質問に対する回答割合は全体の78%、また、「勤続10年以上(大学又は大学院卒業後10年未満の場合は退職経験なし)である」という終身雇用に対応する質問に対する回答は全体の61%を占めている(第2-3-15図(1))。 このように、企業側が、総じて日本型雇用システムを維持している傾向が根強い一方で、日本型雇用システムに対する労働者の受け止めに変化がないかを確認する25。労働政策研究・研修機構(JILPT)が定期的に行っている「勤労生活に関する調査」をみると(第2-3-15図(2))、1999年の調査開始以降、2015年調査まで、「終身雇用」や「年功賃金」に対する労働者の支持は高まっていることが分かる。例えば、終身雇用を支持する26と答えた人の割合は1999年の72.3%から2015年の87.9%に上昇し、これよりは低いものの、年功賃金を支持する人の割合も1999年の60.8%から2015年の76.3%に上昇していた。その後、最新の調査となる2021年では、終身雇用、年功賃金共に支持すると答えた人の比率は 23 鶴(2019)は、日本型(の)雇用システムの特徴として、長期雇用、後払い賃金、遅い昇進の三つを挙げている。また、勇上(2020)は、日本型雇用システムが備える慣行として、長期雇用、年功賃金、企業別労使関係の三つを挙げている。リクルートワークス研究所(2024)は、企業主導の人事異動やOJTによる育成等も日本型雇用の特徴として挙げている。 24 内閣府(2019)における整理に基づく。 25 鶴(2019)は、比較制度分析の観点から、労働者、企業(使用者)の双方がそれぞれ最適な戦略をとった結果として長期均衡が選好されると論じている。 26 「良いことだと思う」「どちらかと言えば良いことだと思う」と答えた人の合計。 272