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A.2010年の2010年代の賃金の下方硬直性を経験した人の割合は9-10%。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
近傍の左側(マイナス領域)で急速に確率密度が低下し、分布が左右非対称となるという構 造自体は維持されている。 続いて、賃金の下方硬直性の度合いを定量的に確認するために、下方硬直性の影響を受け ていると考えられる労働者の割合を推計する。まず、先行研究を踏まえつつ、下方硬直性の 影響を受けている労働者として、賃金上昇率が+0.1%~▲0.1%の間に入る労働者と定義す る31。例えば、下方硬直性がなければ賃金上昇率が▲2%になるはずであったところ、下方 硬直性の存在により0%近傍に賃金上昇率が据え置かれた場合、下方硬直性の影響を受けて いると言える32。このような労働者がどの程度存在するか、下方硬直性の度合いを測る一 つの指標となる。そこで、所定内給与を用いて、賃金の下方硬直性を経験した労働者の比率 を時系列で確認すると(第2-2-18図(2))、2010年代はおおむね9~10%で推移して いたが、2020年代以降、労働者全体に占める下方硬直性を経験した人の割合は低下し、2024 年には5%程度となっている。ただし、名目賃金上昇率が全体的に上昇している中にあって は、賃金上昇率が0近傍にいる労働者の割合自体が低下していることから、その点を加味し て、「賃金上昇率が+0.1%以下の労働者のうち、下方硬直性を経験した労働者」の割合を計 算すると、2010年代は25~30%程度であったもの、2024年では20%程度となっており、賃 金上昇率が0%近傍以下であった労働者に限定しても、下方硬直性の度合いは相応に低下し ていることが分かる。 第2-2-18図 賃金上昇率の分布と下方硬直性 賃金上昇率が全体的に高まっている中でも、引き続き賃金の下方硬直性がみられる (1)所定内給与上昇率の分布 ①2016年 ②2018年 (%) (%) 15 15 12 12 9 9 6 6 3 3 0 0 -40 -20 0 20 40 60 -40 -20 0 20 40 60 (前年比、%) (前年比、%) 31 下方硬直性についての先行研究では、賃金上昇率が0%である労働者を下方硬直性の影響を受けた労働 者と定義している例が多い。本稿でもその整理に倣っているが、賃金データに若干のブレがある可能性 などを考慮し、プラスマイナス0.1%のバッファーを取った。 32 ただし、賃金上昇率が0%近傍である人が「下方硬直性の有無に関係なく賃金上昇率が0%近傍だっ た」のか、「下方硬直性の存在により賃金上昇率が0%近傍に押し上げられた」のかを区別することは 困難であり、推計値の水準が一定程度上振れている可能性には留意が必要。 241