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A.2025年の足元2025年1-3月期の経常利益は29.3兆円。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
29.3兆円
足元2025年1-3月期の経常利益
第2節 我が国の企業行動における長期的な変化と課題 本章第1節においては、我が国の対外収支の長期的な動向を振り返るとともに、我が国企業がGVCに深く関与し、効率的な生産・供給体制を構築することにより、自由貿易体制の利益を享受してきたことを示した。一方、米国の第二次トランプ政権による通商政策は、その帰すうによっては、こうした自由貿易体制の存続を脅かすものであり、グローバルな経済活動によって成長してきた輸出製造業を始めとする我が国企業部門の活動を下押ししかねないリスクとなっている。第1章で確認したように、米国の関税措置に対しては、一部の業種・企業によっては、関税分を販売価格に転嫁するのではなく、企業内で吸収する動きもみられる。これは、我が国経済がバブル崩壊後、デフレに陥る中で、企業行動に染み付いてきたコストカット志向に後戻りしかねないリスクとも言える。重要なことは、関税措置の影響を注意深く分析して国内産業・経済への影響に対する万全の措置を講じることによりその影響を最小限に抑えるとともに、ようやく回り始めた賃金と物価の好循環を定着、維持し続けることである。こうした観点から、本節においては、過去30年以上の長期的な我が国企業の行動を振り返るとともに、この間、大企業がグローバル化の利益を最大限享受すべく急速に進めてきた生産拠点の移転など海外展開について、国内の生産性や賃金の向上に資するものであったのかを検証する。また、中小企業においては、世界金融危機など各種の危機を経験する中で、事業継続のための予備的な動機もあって、現預金を大きく積み上げてきた点を明らかにするとともに、こうした資金を国内投資・賃金に回していく必要性について論じる。1. 過去30年程度の企業行動の長期的な変化 ここでは、「法人企業統計」に基づき、我が国の企業部門全体について、長期的な企業行動の概観する1。(企業収益は大きく上昇する一方で、設備投資の伸びは緩慢なものにとどまる) まず、我が国企業の経常利益と設備投資について、我が国経済がデフレ的な状況に陥る前の時期からの長期的な動向を、「法人企業統計」から確認する(第3-2-1図)。企業が通常行っている全ての業務によって得られる利益である経常利益は、短期的には景気の拡大局面において増加し、後退局面において減少しているが、長期的な動向としては、バブル期以前の1985年4-6月期が5.3兆円であったのに対し、足元2025年1-3月期には29.3兆円と40年間で5倍以上に増加している。この間、国内における企業の生産的ストックである 1 ここでの記述は、内閣府政策統括官(経済財政分析担当)(2024)第3章第1節の内容に依拠している。 356