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A.2020年の新型コロナウイルス感染症の影響による名目GDP成長率(2020年)は-3.3%。
出典: 内閣府『令和7年度 経済財政白書(全体版)』2025年7月公表
面においても、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」と回答した企業は1割強であった。また、同様に新型コロナウイルス感染症の感染拡大により▲3.3%の名目GDP成長率となった2020年についても、賃金を引き下げたと回答した企業の割合は2%程度であった。このように、大幅なマイナス成長となった時期においても、企業が賃金を引き下げる例は限定的であり、賃金の下方硬直性の存在を示唆するものと言える。 第2-2-17図 賃金を引き下げた企業の割合 経済成長率が大幅にマイナスの年でも、賃金を引き下げた企業は最大で10%程度 (%) (%) -8 14 -6 1人平均賃金を引き下げた・ -4 引き下げる企業の割合(目盛右) 名目成長率(逆目盛) -2 12 0 10 2 8 4 6 6 4 8 2 0 1999 01 03 05 07 09 11 13 15 17 19 21 23 24 (年) (備考)厚生労働省「賃金引上げ等の実態に関する調査」、内閣府「国民経済計算」により作成。 (賃金の下方硬直性は、過去よりも緩和されているが、依然として存在) 一方、この調査の対象は「1人平均賃金」であり、個々の労働者について下方硬直性が働いているかどうかは、同調査からは確認できない。そこで、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の調査票情報を用いて30、個々のフルタイム労働者の所定内給与でみた賃金上昇率の分布とその変化を確認する(第2-2-18図(1))。まず、2016年以降、マクロ的な平均賃金の上昇率が高まるにつれて、賃金上昇率の分布も徐々に右(プラス)側に移動していることが分かる。同時に、下方硬直性、すなわち、賃金上昇率の分布が0以上に偏る現象も確認される。仮に下方硬直性が存在しない場合、こうした分布は基本的に左右対称になると考えられるが、実際の分布(密度関数の形状)をみると、いずれの年も左右非対称となっており、0の右側(賃金が増加)は確率密度が緩やかに低下しているのに対し、0の左側(賃金が減少)は急速に低下しており、左右非対称になっている。このことは、下方硬直性がなければ賃金上昇率がマイナスとなっていたであろう労働者の賃金上昇率が、下方硬直性の存在により0(近傍)に据え置かれていることを示している。また、平均的賃金上昇率が高まり、分布が全体的に右側にシフトした2024年においても、一定程度緩和したものの、0% 30 神林(2011)の手法に基づき、性別・学歴・年齢・勤続年数の情報を用いて、ある年と翌年の個票から、同一事業所に勤務する同一の労働者であると考えられるサンプルを抽出(同論文では「疑似パネル」と呼んでいる。)した。詳細は、付注2-6を参照。 24C