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A.2023年の内閣官房による中小・小規模企業の雇用占有率は70%。
内閣官房が公表した2023年のデータによると、日本の中小・小規模企業の雇用占有率は70%です。この数値は、国内の雇用全体において中小・小規模企業が占める割合を示しています。
出典: 内閣官房『新しい資本主義 実行計画 2023改訂版』2023年6月公表
内閣官房による中小・小規模企業の雇用占有率
70%
中小・小規模企業の雇用占有率
スとドイツは1.34倍に上昇しているのに対して、日本は1.05倍1)。この間、企業は人に十分な投資を行わず、個人は十分な自己啓発を行わない状況が継続してきた。 GXやDX等の新たな潮流は、必要とされるスキルや労働需要を大きく変化させる。人生100年時代に入り就労期間が長期化する一方で、様々な産業の勃興・衰退のサイクルが短期間で進む中、誰もが生涯を通じて新たなスキルの獲得に努める必要がある。他方で、現実には、働く個人の多くが受け身の姿勢で現在の状況に安住しがちであるとの指摘もある。 この問題の背景には、年功賃金制等の戦後に形成された雇用システムがある。職務(ジョブ)やこれに要求されるスキルの基準も不明瞭なため、評価・賃金の客観性と透明性が十分確保されておらず、個人がどう頑張ったら報われるかが分かりにくいため、エンゲージメントが低いことに加え、転職しにくく、転職したとしても給料アップにつながりにくかった。また、やる気があっても、スキルアップや学ぶ機会へのアクセスの公平性が十分確保されていない。 人口減少による労働供給制約の中で、こうしたシステムを変革し、希望する個人が、雇用形態、年齢、性別、障害の有無を問わず、将来の労働市場の状況やその中での働き方の選択肢を把握しながら、生涯を通じて自らの生き方・働き方を選択でき、自らの意思で、企業内での昇任・昇給や企業外への転職による処遇改善、更にはスタートアップ等への労働移動機会の実現のために主体的に学び、報われる社会を作っていく必要がある。 企業側の変革も待ったなしである。企業が人への十分な投資を行っていない間に、諸外国との賃金格差は拡大し、先進諸国間のみならず、アジアにおける人材獲得競争でも劣後するようになっているおそれがある。グローバル市場で競争している業種・企業を中心に、人材獲得競争の観点からジョブ型の人事制度を導入する企業等も増えつつあるが、そのスピードは十分ではなく、人的資本こそ企業価値向上の鍵との認識の下、変化への対応を急ぎ、人への投資を抜本強化する必要がある。 こうした変革においては、働き手と企業の関係も、対等に「選び、選ばれる」関係へと変化する。一人ひとりが主役となって、キャリアは会社から与えられるものから、一人ひとりが自らの意思でキャリアを築き上げる時代へと、官民の連携の下、変えていく必要がある。 このため、リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化、の三位一体の労働市場改革を行い、客観性、透明性、公平性が確保される雇用システムへの転換を図ることが急務である。これにより、構造的に賃金が上昇する仕組みを作っていく。 また、構造的賃上げを行っていくためには、我が国の雇用とGDPの7割を占める地方、中小・小規模企業の対応も鍵となる。三位一体の労働市場改革と並行して、低生産性企業の生産性向上を図るとともに、本年3月15日の政労使の意見交換でも基本的な合意があったように、「中小・小規模企業の賃上げには労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠である」という考え方を社会全体で共有し、賃上げの原資を確保し、成長と“賃金上昇”の好循環を実現する価格転嫁対策を徹底する必要がある。 あわせて、こうした取組と生産性向上支援の取組を通じて、地域の人手不足対策や、働く個人が安心し暮らすことができる最低賃金の引上げを実現する。これらの改革に、官民を挙げて、大胆に取り組むことを通じて、国際的にも競争力のある労働市場を作っていく。 5