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A.2019年の主要大学における経常支出の成長率(京都大学)は2.0%。
出典: 内閣府『第6期 科学技術・イノベーション基本計画』2021年3月公表
2.0%
主要大学における経常支出の成長率(京都大学)
(3)大学改革の促進と戦略的経営に向けた機能拡張 (a) 現状認識 大学は、多様な知の結節点であり、また、最大かつ最先端の知の基盤である。大学には、研究人材や研究施設・設備にとどまらず、各種のデータ基盤とその分析機能、産学連携のハブ機能、国際的な知のネットワークなど、有形・無形の知的資産が存在しており、学術の中心として、このポテンシャルを様々な形で最大限に活用してSociety 5.0 時代を牽引する役割が求められている。中でも、国立大学は、最先端の研究や融合分野の研究の推進、イノベーションの源泉の創出、自然科学と人文・社会科学が融合した総合知の確立、地域に求められる知の創造や人材育成、雇用創出など、様々な観点で極めて重要な役割を担っている。 これまで大学は、様々な教育研究の成果を社会に還元してきた一方で、大学名や偏差値など限られた物差しで社会から評価され、学生や研究者から選ばれることが多かった。そのような特定の価値観に縛られてきた結果、それぞれの大学の個性や達成すべきミッションが必ずしも明確ではなく、大学層の厚みが我が国における価値創造に十分に生かされていない。 また、海外に目を向けてみると、アジアの主要大学が研究、予算面で存在感を増しており、我が国は欧米のトップ大学はもとより、アジアの中でも存在感が低下している。実際にタイムズ・ハイヤー・エデュケーション誌における世界大学ランキングにランクインした大学数は、米国に次いで第2位であり、我が国は裾野の広い大学群を有する一方で、アジア大学ランキングのトップ50における日本の大学数は、2013年の11校から2020年の5校へと半減している。 特に我が国の国立大学については、2004年から法人化され、組織のトップが「経営」を実施できるよう環境整備が進められてきたが、国による管理や大学の経営裁量の小ささ、大学内部における横並びの慣習などにより、法人化当初に描いていた「競争的環境の中で、活力に富み、個性豊かな魅力ある国立大学」の実現へは道半ばとなっている。 一方で、2020年12月に閣議決定された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」において10兆円規模の大学ファンドの創設が盛り込まれた。インパクトの高い大胆な政策として、我が国の大学改革の大きなトリガーとなることが期待されている。 また、国立研究開発法人については、国家的又は国際的な要請に基づき、長期的なビジョンの下、民間では困難な基礎・基盤的研究のほか、実証試験、技術基準の策定に資する要素技術の開発、他機関への研究開発費の資金配分等幅広い責務を有している。その責務に確実に応える必要があるとともに、制度の改善や財源の多様化なども含め、財源基盤の強化が求められている。 【現状データ】(参考指標) ・国立大学法人の2007~2018年度の寄附金収入増加率の年平均:1.3% ・大学等及び国立研究開発法人における民間企業からの共同研究の受入額:882億円(2018年度) ・主要大学における2005~2019年度の経常支出の成長率(病院経費除く):東京大学(1.7%)、京都大学(2.0%)、大阪大学(1.7%)、東北大学(1.1%)、参考:スタンフォード大学(6.4%) (b) あるべき姿とその実現に向けた方向性 不確実性の高い社会を豊かな知識基盤を活用することで乗り切るため、今後、全ての大学が同一のあるべき姿を目指すのではなく、個々の強みを伸ばし、各大学にふさわしいミッションを明確化することで、多様 62