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A.2023年の設備投資が33年ぶりに100兆円を超えるは100兆円超。
出典: 内閣府『令和6年度 経済財政白書(全体版)』2024年8月公表
100兆円超
設備投資が33年ぶりに100兆円を超える
はじめに 我が国経済は、コロナ禍の影響から脱した後、企業収益が過去最高を更新し、設備投資も 33年ぶりに100兆円を超えるなど、企業部門が堅調さを維持しており、基調として緩やかな 回復が続いている。しかしながら、家計部門においては、名目賃金の伸びが物価上昇に未だ 追いついていないことから、個人消費は力強さを欠いた状態が続き、景気の回復力は弱い状 態が続いている。こうした状況の中、円安は歴史的な水準まで進み、これが輸入物価を通じ て国内物価を押上げることにより、家計の購買力の低下を通じて、消費が更に下押しされ る可能性がある。また、中小企業等にとっては、価格転嫁を行えなければ、原材料コストの 上昇を通じて収益が圧迫されるリスクがある。春季労使交渉において 33 年ぶりの賃上げ水 準が実現するなど、物価と賃金の好循環の実現が近づきつつある中で、持続的な賃上げと活 発な投資がけん引する民需主導の自律的な成長型経済に移行する千載一遇のチャンスを実現 できるか、日本経済は今まさに、その正念場にある。 本報告では、我が国経済の現状と課題の分析を通じて、今後必要となる政策の検討に資す ることを念頭に置いた議論を行っている。各章の構成は以下のとおりである。 第1章では、2024年年央までのマクロ経済の動向について、家計部門や企業部門、輸出 入、物価・賃金動向、金融資本市場等にわたり詳細に確認している。この中で、賃金上昇、 企業の価格転嫁、物価上昇の広がり、予想物価上昇率など物価の背景を丁寧に分析し、デフ レ脱却に向けた現在地を確認するとともに、デフレに後戻りしない経済構造の構築について 議論を行っている。財の物価については、企業の価格転嫁行動が変容する中で、かつてより も為替レートの変動の影響を受けやすくなっていることを示す。一方、サービスの物価につ いては、人件費の高い分野で、物価上昇率の高まりがみられるなど、物価と賃金の好循環に 向けた歩みは着実に進んでいることを確認し、中小企業等に賃上げの流れを一層広げるため にも、適正な価格転嫁の促進が引き続き重要であることを示す。あわせて、物価と賃金とが もに上昇することがノルムとして定着していく中にあって、公共サービス料金など各種の制 度もこれに対応し、変化していくことが重要であるとの視点も提示する。 第2章では、我が国経済の最大の構造問題の一つである人手不足を取り上げ、これによる 成長制約を乗り越えるための課題について、多面的な分析を行う。まず、企業の 人手不足感 の現状と背景、課題について確認するとともに、企業が人手不足への対応として強化してい る賃上げや省力化投資の現状及び課題等について分析する。この中で、省力化投資は生産性 の改善に着実につながる一方、新たな技術を扱うことのできる人材の育成・確保が重要であ ることを指摘する。次に、労働力の希少化が進む中で、セクター間の円滑な労働移動を通じ 1