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A.国内企業物価、輸入物価は2017年以降、前年比プラスで推移
出典: 内閣府『平成30年度 経済財政白書(全体版)』2018年8月公表
国内企業物価、輸入物価は2017年以降、前年比プラスで推移
第1章 景気回復の現状と課題 ●企業物価や企業向けサービス価格も緩やかに上昇 企業間の取引価格の動向を示す指標には、企業物価や企業向けサービス価格がある。このうち、企業物価についてみると、原油や非鉄金属、建設需要を背景とした鋼材などの価格上昇により、2017年以降、国内企業物価、輸入物価ともに前年比プラスで推移している(第1-2-21図(1))。また、需要段階別にみると素原材料価格が2017年に入り前年比プラスとなり、その動きが中間財、最終財にも徐々に波及しつつある(第1-2-21図(2))。 企業物価の最終財のうち、最終的に消費者が購入することとなる消費財と消費者物価(生鮮食品を除く財)は相関が高いが、企業物価の消費財が上昇しても消費者物価に全て転嫁されるとは限らない(第1-2-21図(3))。企業物価の消費財が変化する際の消費者物価(生鮮食品を除く財)の弾性値をみると、デフレ期に入る以前(ここでは1990年~1998年の期間で分析。以下、本章において同じ。)は1を超えていたものの、2013年以降は0.5程度となっている(第1-2-21図(4))。このことから、デフレ期に入る以前と比べると転嫁されにくい状況であるものの、関係性は維持されており、企業物価の消費財の上昇が消費者物価を一定程度押し上げていると考えられる。ただし、小売業の販売価格判断DIと仕入価格判断DIとの差をみると、デフレ期に入る以前に比べデフレ期以降はその差が大きく、2010年代半ば以降は差が縮まっているものの、依然として小売段階で転嫁されにくい状況が続いている(第1-2-21図(5))。デフレ脱却に向けては企業段階で消費財まで転嫁される動きのみならず、こうした消費者が直面する小売段階での価格転嫁がスムーズに行われるかどうかも重要な要素である。価格転嫁がスムーズに行われるためには、消費者の所得が高まることが重要であり、持続的な物価上昇の実現のためには、雇用・所得環境のさらなる改善など経済の好循環の強化が不可欠である。 また、企業向けサービス価格の動向について国際運輸を除くベースで見ると、2013年後半以降、前年比プラスで推移している(付図1-10)。こうした背景には、人件費の上昇により、労働者派遣サービス、宿泊サービス等の諸サービスや道路貨物輸送等の運輸・郵便、事務所賃貸等の不動産がプラスに寄与していることが関係している。引き続き人手不足感は高まっており、今後も人件費の上昇により企業向けサービス価格の押上げが続くと見込まれる。 68