中小企業の設備投資比率と税制利用の相関を分析し、税制優遇が設備投資の積極化に寄与している可能性を示唆している。
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小企業がこれらを利用している場合を1、そうでない場合を0とする税制利用ダミーを設定した。税制利用の有無について、設備投資比率の違いをみたものが第3-2-28図(2)であるが、当期純利益率のいずれのタイルにおいても、税制利用企業においては、税制利用のない企業に比べて設備投資比率が高い傾向にあることが分かる。こうした変数からなる中小企業の設備投資関数の推計結果(第3-2-29図)をみると、第一に、資本コストが統計的に有意に設備投資比率の低下につながっているなど、おおむね理論と整合的な結果となっていること26が分かる。第二に、現預金比率については、係数はマイナスで、かつ統計的に有意となっており、中小企業において現預金を保有していることは、結果的として、少なくとも設備投資のインセンティブにつながっているわけではない可能性を示唆している。第三に、税制利用ダミーの係数は、プラスかつ有意となっており、税制の利用は、設備投資の積極化に寄与している可能性を示している。第3-2-28図 中小企業の当期純利益率、税制利用の有無と設備投資比率 コロナ禍前後の推移をみると、いずれの利益率区分の中小企業も設備投資比率は低下 (1) 当期純利益率の区分別にみた設備投資比率 (%) 0.4 ※いずれも該当企業の中央値 0.3 利益率上位10-25% 0.2 上位25-50% 0.1 0 -0.1 下位10-25% -0.2 下位25-50% 2018 19 20 21 22 (年度) (2) 税制利用の有無と設備投資比率 (%) 12 10 8 6 税制利用あり 4 2 0 -2 税制利用なし -4 10%点 25%点 50%点 75%点 90%点 (備考) 中小企業庁「中小企業実態基本調査」の調査票情報を独自集計し作成。個人企業、現預金ゼロ以下、現預金比率100%超、総資産マイナス、有利子負債マイナス、売上高ゼロの企業は除外。(1)、(2)共に全産業。(2)では、「設備投資を実施した」と回答した企業を対象に、設備投資比率=(設備投資-減価償却費)/総資産として計算。中小企業投資促進税制または中小企業経営強化税制を利用した企業を「税制利用あり」、いずれも利用していない企業を「税制利用なし」と定義。らみると、実質的な設備投資補助金となる。中小企業経営強化税制は、認定を受けた経営力向上計画に基づき、対象設備の取得や製作等をした場合に、即時償却又は取得価額の10%の税額控除(資本金の額等が3,000万円超の法人は7%)が選択適用できるもの。26 ただし、当期純利益率については、係数は正である一方、本推計では統計的に有意とはなっていない。399