消費行動における異時点間の代替効果と所得効果の影響を分析し、年齢層別の消費意欲の差と高齢化による影響を解説している。
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(2) 消費を増やす・減らす場合の理由 ①消費を増やす理由 (グラフ) ②消費を減らす理由 (グラフ) (凡例) □その他 □今後景気が良くなり、収入が増えると思うから ■同じものを買うのであれば、来年買うよりも今買った方が得だから □必要なものは決まっており、物価は関係なく、値上がりしたものでも買うから □その他 □もう少しで待てば物価が下がると思うから □持っている資産や得られる所得の価値が目減りすることになるから ■景気が悪くなり、収入が減ると思うから □消費に回せるお金は決まっていて、節約しないといけないから (備考) 内閣府「家計の消費・貯蓄行動に関する調査」により作成。 以上の影響は、異時点間の代替効果と所得効果の合計であり、多くの家計では、所得効果による消費押下げが異時点間の代替効果による消費押上げ効果と同程度か、又は上回ることを示唆している。その上で、次に、異時点間の代替効果に絞った質問への回答結果を確認する。異時点間の代替効果は、特に、購入と同時に消費するサービスや、備蓄可能性が低く購入後短い期間で消費する必要がある非耐久財よりも、備蓄可能性が高い財や、購入してから一定期間の間、その財からの効用を継続して受け取ることができる耐久財で大きいと考えられている。こうした観点から、「物価の上昇が続いているのであれば、来年ではなく今、車や家電等の耐久財を買い替えた方が良い」という質問に対する回答を確認すると(第2-1-17図)、「強くそう思う」と「ややそう思う」と答えた割合(異時点間の代替効果が働いていると考えられる人の割合)は、全体平均では3割強となっている。年齢別にみると、20代で「強くそう思う」と「ややそう思う」と答えた割合は4割程度になっているのに対し、60代では25%程度と低くなっていることが分かる。前掲第2-1-12図でみたように、高齢者ほど適応的期待形成を通じて予想物価上昇率が高まりやすい状況にあることに加え、予想物価の上昇が異時点間の代替効果を通じて消費を押し上げるメカニズムが働きにくい状況にある。人口高齢化が進み、「家計調査」等に基づけば、消費支出全体のうちは60歳以上の高齢世帯が占める割合が20年度前の3割超から近年では4割超に増加しているという状況。 187