中小企業における設備投資やDX推進を通じた、労働生産性向上および成長実現の成功事例2選を紹介する。
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【重要な取組1】中小企業における事例1 労働生産性の向上 「大型設備投資によって付加価値を生み、郷土料理の市場を拡大する老舗企業」 【有限会社いろは堂】 設備投資 > 長野県長野市の有限会社いろは堂は、長野県の郷土食「おやき」を製造・販売する創業100年の老舗企業(従業員数130名)。県内6店舗、スーパー等で年間500万個を販売している。市場拡大を見込んでいたが、生産能力と人材確保に課題を抱えていた。 > 成長機会を捉えるため、同社は計画当時の年商の約2倍に当たる10億円を投じ、2022年に新工場「OYAKI FARM」を開業。最新設備導入で生産能力を1.5倍に強化し、製造担当者と一丸となって業務フローや動線を見直すことで業務効率化を実現。さらに、工場見学やカフェ併設など体験型施設として差別化を図り、幅広い世代に向けた「おやき文化の発信拠点」としての機能を持たせた。 > 売上高は新工場建設前と比較して175%に増加。想定を超える原材料価格高騰の影響を受けながらも、付加価値率を向上させ、かつ従業員の賃上げにも取り組んでいる。既存のおやきのイメージを覆す施設が反響を呼び、開業から1年で来場者は28万人を超え、おやき自体の知名度も上昇。他社から商品開発等の引き合いも急増している。 伊藤拓宗社長 新工場「OYAKI FARM(おやきファーム)」 「全社的な意識改革とDXの推進によって、成長を実現している企業」 【松本興産株式会社】 人材育成 > 埼玉県小鹿野町の松本興産株式会社は、1970年創業の金属加工メーカー(従業員数143名)。2007年に松本直樹社長が就任後、自動車業界を開拓して大きく成長。しかし、急成長で固定費が膨らみ、原価計算が不十分だったため低採算製品が発生。収益改善に取り組もうにも必要なデータや情報が紙やExcelで分散していた。コロナ禍による業績悪化で松本社長と経理担当の松本めぐみ取締役は危機感を抱き、社内の意識改革と収支構造の把握に着手した。 > 「お金を掛けずにできること」として、毎週の社内塾を開講。「風船会計」と命名した独自の手法で決算書や限界利益の考え方を従業員に教育。利益重視の意識が社内に浸透。営業の見積もりは勘と経験から原価積み上げ方式に統一され、赤字受注防止や価格転嫁が可能に。さらにDXを推進し、自社アプリを開発。検品業務のデジタル化で1,500時間削減、全社員が会計情報をリアルタイムで把握できる体制を構築。社員発案のアプリは70種類に及ぶ。 > 経営危機を脱して成長軌道に。財務の透明性を高めたことで、従業員が経営視点を持ち、社内に協力し合う文化が生まれた。 松本直樹 代表取締役(左) 松本めぐみ 取締役(右) 社内塾の様子 22