日本の外国人受入れ政策における戦略的方針の欠如と、将来の人口減少を見据えた中長期的な議論の必要性について述べている。
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目的とした在留資格であっても「特定技能」及び「育成就労」以外の在留資格や、就労を目的とした在留資格以外の在留資格に関しては、基本的に、外国人の受入れ上限数や通算在留期間の上限を設定していない13。 3 現状に対する課題等 日本におけるこれまでの外国人の受入れの在り方は、受け入れるべき外国人の対象・規模等についての検討等を踏まえた外国人受入れ戦略を立てた上での一貫した方針ではなく、その時々の課題等に対する対症療法的な受入れを行い、外国人の在留状況を管理しつつ(在留管理)、外国人との共生を図るという政策を基本としてきた。 そのため、将来的に確実に見込まれる人口減少を見据えて経済社会を支えるために外国人を受け入れることの積極的な必要性や許容性について戦略的に検討されてこず、また、外国人比率が高くなった場合を想定した社会への影響、社会との摩擦の観点からの在留外国人に関する量的マネジメントや在留外国人をめぐる諸制度の適正化の枠組みについての議論も行われてこなかった。すなわち、日本には、人手不足の対応のための特定技能制度及び育成就労制度を除き、現状、中長期的かつ多角的視野(日本の経済成長、労働市場、社会保障制度、行政サービス、治安等に対する影響等)に立った外国人の受入れに関する基本的な在り方を定めた統一的な方針が存在しない。 外国人比率が高くなればなるほど、外国人が日本の社会に与える影響は増し、それに伴う様々な課題が複合的に顕在化する可能性があり、外国人の受入れの在り方によって、出入国在留管理行政を始め様々な行政運営に求められる対応も異なってくると考えられる以上、将来的な在留外国人の増加が確実視される現在、政府において、中長期的に外国人が社会に与える影響や外国人に係る課題とどう向き合うかの精緻な議論を開始し、出入国在留管理庁における出入国及び在留管理に関する施策はもとより、それに限らない、政府全体としての外国人の受入れの基本的な在り方について検討を開始する時期に来ていると考えられる。 今後の外国人の受入れの基本的な在り方を検討するに当たっては、出入国及 13 外国人の受入れ上限数等に制限を設けた制度としては、例えば、ワーキングホリデー制度(二国・地域間の取決め等に基づき、各々の国・地域が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度)は国・地域ごとに年間の査証の発給枠(上限数)が決まっている場合があるほか、日系四世の受入れ制度(日系四世が受入れサポーターによる支援を受けながら、日本文化を習得する活動等を通じて日本に対する理解や関心を深め、日本と現地日系社会との架け橋になることを目的とした制度)は年間の受入れ上限数(4,000人)が決まっている。 4