人口減少・高齢化による生活サービス提供機能の低下・喪失が懸念される中、デジタル化による維持・向上策が求められる。
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第1章 国土交通分野のデジタル化 第1節 直面する課題とデジタル化の役割 1. 暮らしを支える生活サービス提供機能の維持・向上(その1) 我が国では人口減少・少子高齢化が進行しているとともに、地域の足を支える乗合バスは、特に人口減少が進展する三大都市圏以 外で、輸送人員の減少、収支の悪化といった厳しい状況にある。このままの状況が続けば、暮らしを支える生活サービス提供機能の 低下・喪失のおそれがある。 デジタル化による生活サービス提供機能の維持・向上により、暮らしを支えていくことが求められる。 【(1)社会経済の課題その1】 ①人口減少の加速化と生活サービス 提供機能の低下・喪失のおそれ [2050年時点における市区町村の 人口規模別人口減少率の推計] 阪急指定都市等 30万~ 10万~30万 5万~10万 1万~5万 ~1万人 (人) 40 ▲ 7.1% 30 ▲ 19.8% 15.5% 20 ▲ 21.1% 26.8% 37.6% 51.2% 10 0 (%) 資料:国土交通省「メッシュ別将来人口推計 (2018年推計)」 ②地域の足の衰退と買物弱者の懸念その1 [乗合バスの輸送人員及び事業者の収支状況] (人) 110 100 90 80 70 60 50 2000 2005 2010 2015 2020 (年/%) 人口(三大都市圏) 人口(三大都市圏以外) 輸送人員(全国) 輸送人員(三大都市圏以外) 赤字率(全国) 107 93 80 73 65 53 40 資料)総務省「人口推計」、国土交通省「自動車輸送統計年報」等より国土交通省作成 ③都市における課題 我が国における少子高齢化の進行に伴い、高齢人口が増加する 地域での災害に対する脆弱性が懸念される中、高齢人口の将来推 計を都市規模別にを見ると、人口規模の大きい都市で高齢人口の増 加率が高い。 都市部において、地震時等に著しく危険な密集市街地が集中して おり、防災・居住環境上の課題を抱えており、都市部居住者の高齢 化に伴い、今後、地域防災力が低下することも懸念される。 【(2)デジタル化の役割】 ①次世代型の交通システムへの転換 デジタル技術を活用したAIオンデマンド交通は、需要に応じた効率的な 配車により、従来の公共交通網以外の出発地・目的地間の 乗客輸送を含めた柔軟な移動が可能となり、利便性向上による利用者の増加や効率的な公共交通網の維持などが期待される。 ②人口減少下でも持続可能で活力ある地域づくり(地域生活圏の形成) デジタル技術を活用することで、暮らしに必要なサービスが持続的に 提供される地域生活圏の形成や、生活サービスの効率化・自動化等 による、リアル空間の生活の質の維持・向上などが図られることが期待さ れる。 ③デジタル活用による新たなまちづくり 都市では、デジタル技術を活用し、混雑緩和に向けた都市空間再編や 防災面でのエリアマネジメントの高度化に取り組むことや、地方におけ る多様な暮らし方や働き方への支援を図ることが期待される。 4 口人口減少が小さくなる市区町村ほど人 口減少が高くなる傾向。 口人口10万人以上30万人未満の市区町 村に居住する人口についても約2 割減少することが見込まれている。 口人口減少の大波は、これまでの小規模都市のみならず、地方において日 常生活の中心的な役割を担う中規模 都市へ拡大することが見込まれ、暮 らしを支える中心的は生活サービス 提供機能の低下・喪失が懸念され る。 口輸送人員は、2000年度と比較して、三大 都市圏は2019年度まで増減があり、 2020年度はコロナ禍の影響により3割弱 減少。 地方圏における人口減少等に伴い、三大 都市圏以外では2000年度以降、輸送人員の減少傾向が続き、2019 年度には3割弱、2020年度にはコロナ禍 の影響もあって約5割減少。 口乗合バス事業者の収支については、コ ロナ禍以前は、約8割の事業者が赤字 であったが、コロナ禍で一層深刻化した。