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A.2022年の名目GDP3000ドルと輸送機械普及の関係は3000ドル。
経済産業省の2022年のデータによると、1人当たり名目GDPが3,000ドルを超えると輸送機械の普及が始まるとされています。モータリゼーション開始の基準となるGDP閾値を示す統計数値です。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
名目GDP3000ドルと輸送機械普及の関係
3000ドル
1人当たり名目GDPが3,000ドルを超えると輸送機械の普及が始まる。
長期の人口動態と経済成長 第1節 第I-3-1-7図 我が国の労働力人口比率(左上)、中間層所得割合(右上)、耐久財保有(左下) (人口比: %) 75 70 65 60 55 50 45 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 日本 (%) 50 45 40 35 30 25 1947 1950 1953 1956 1959 1962 1965 1968 1971 1974 1977 1980 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004 2007 2010 2013 2016 2019 上位20-80%の所得シェア。 上位10%の所得シェア (百世帯あたり:台) 300 250 200 150 一世帯につき一台 100 50 0 1960 1962 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 ルームエアコン カラーテレビ 乗用車 備考1:左上図において、「労働力人口」は15-64歳の人口、2025年以降は国際連合経済社会局の予測値。 備考2:右上図において「中間層」は所得の上位20-80%と定義しており、World Inequality Databaseにおいてデータが入手可能になるのは1980年以降。 資料:国際連合経済社会局、World Inequality Database、内閣府から作成。 た推移となっていた(同左上図)。中間層(所得の上位20-80%を占める層と定義173)が占める所得割合を見ると、データが入手可能になる1980年から2000年までは、中間層が占める所得割合が、上位10%といった高所得層が占める所得割合をすう勢的に上回っていた(同右上図)。そうした中間層の所得シェアの推移により、ルームエアコン、カラーテレビ、乗用車といった耐久財の保有は、1980年代にそれらが一世帯につき一台は平均的に見て保有される状況が達成されていた(同左下図)。 上述のような我が国での耐久財の普及の経験は計量的な面からも説明される。具体的には、下図(第I-3-1-8図)は、総務省「家計調査」の二人以上の世帯のうち勤労者世帯のデータを用いて、消費支出の可処分所得に対する弾性値(可処分所得の1%の変化に対して消費支出が変化する割合を示す値で、図中では赤字下線で示されている)を、世帯主の年齢階級別に示したものである。それを見ると、本節の分析では、資産保有等の動向は考慮に入れていないものの、29歳までや30-39歳といった年齢階級の消費支出の同弾性値は、60-69歳や70歳以上といった高齢層に比較して高いことが示されており、比較的に消費意欲が高いことが示唆されている。後述するとおり、我が国のように高齢化の進展が顕著である国では、購買力が高い高齢層の消費を意識した企業戦略が重要である一方で、消費意欲が高い若年層も念頭におくことも重要であり、ひいては、我が国で若年層の増加が耐久財需要を創出した経験を踏まえれば、海外での若年層の想定した戦略も重要であることが示唆されている。 また、輸送機械産業での経験則として、一人当たり名目GDPが3,000ドルを超え始めると、その国では自動車を始めとした輸送機械の本格的な普及を意味するモータリゼーションが始まるとされている174。それを踏まえて、本節で取り上げる各国の一人当たり名目GDPの推移を見ると(第I-3-1-9図)、米国は1960年にはモータリゼーションのラインを超えており、日本と中国はそれぞれ1973年と2008年に同ラインを超えた。人口の増加が顕著な国を見ると、インド 173 中間層の定義に関する議論については、例えば篠崎(2015)を参照。 174 一般的な経験則として言われているため厳密な根拠はないものの、例えば廣田・湊・土井(2002)では、アジア諸国のモータリゼーションの発展段階の一つとして、自家用乗用車が高所得者層から中間所得者層への普及を見せる段階があり、一人当たりGDPが1000ドル~3000ドルの間では保有水準は急上昇する段階であるとしている。 通商白書 2022 203 203