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A.2021年の中国のG20諸国の偶発債務(名目GDP比)は1.3%。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
コロナ禍からの正常化を見据えた世界経済の動向 第1節 2. コロナ禍の影響が残る政府債務 本章第2節で詳述するように、新型コロナウイルスの影響から経済回復を促していく中で、各国・地域の政府は積極的な経済対策を行ってきた。政府債務への影響という観点からは、それらの政策は主に二つの種類に分類される。 一つ目としては、予算として計上された政策規模が直接的に政府支出の増加を伴う政策である。具体的には、家計への現金給付や、失業保険額の上積み及び給付期間の延長などの政策がそれにあたる。これらの政策を行う場合には、政府は主に国債の当初予算額以上の発行といった手法によって調達した資金を用いるため、政府債務残高が増加する主な要因となる。下記の図(第I-2-1-10図)は2020年と2021年の政府債務 第I-2-1-10図 政府債務の変動要因 (名目GDP比:%) 30 20 10 0 -10 2020 2021 2020 2021 2020 2021 先進国 新興国 低所得開発途上国 ■利払費 ■政策要因 ■成長要因 ■ストック・フロー誤差 ■基礎的財政収支 ○政府債務の変動 備考:「ストック・フロー誤差」は救済措置による債務発生や為替レート変動による評価の変化。 資料:IMF Fiscal Monitor October 2021 から作成。 残高の名目GDPが変動した要因を表しており、特に先進国と新興国では政府支出の直接的な支出を伴う政策 が発動されたこともあり、「政策要因」が政府債務の主な増加要因であることが示されている。下記に述べる二つ目の種類の債務とは違い、直接的な支出は予算に従った政策執行となるため政策規模は不透明にはならない。 二つ目としては、政策の実施を決定した時には予算規模を決定するが、その発動が直ちに政府債務の増加にはつながらない政策である。具体的には、企業金融支援策の主な政策手段となる信用保証の付与がそれにあたる。信用保証の付与は、金融機関が企業に対して貸付を行う際に、仮に企業の返済が滞ることで貸倒れが発生したとしても、政府が企業にかわって貸付元本を金融機関に対して弁済するという仕組みである。この政策における特徴としては、企業が貸付の返済に窮することがなければ、信用保証のために見積もられた予算を執行する必要はないということである。換言すれば、企業倒産などが発生した場合に政府債務の負担が現実化するということであり、このような条件下で実現する債務は偶発債務と呼ばれる。 新型コロナウイルス対策において、政府の信用保証などの想定規模となる偶発債務の名目GDP比は、G20各国の中では、我が国を含め、ドイツ、フランス、イタリア、英国といった先進国で比較的高く、その中でも欧州諸国では、政策規模の大半が実行されている(第I-2-1-11図)。新型コロナウイルスの感染拡大から世界経済は回復期にあるが、その影響が時差を伴って企業金融に影響し、偶発債務の実現化という形で政府債務を増加する可能性には注意を要する。 第I-2-1-11図 新型コロナウイルス対策による政府の偶発債務規模 G20各国の偶発債務 (名目GDP比:%) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 日本 米国 カナダ ドイツ フランス イタリア 英国 中国 インド ブラジル ロシア 韓国 インドネシア アルゼンチン オーストラリア メキシコ サウジアラビア 南アフリカ トルコ 新型コロナウイルス対策による政府の偶発債務 (名目GDP比:%) 40 30 20 10 0 ドイツ フランス イタリア スペイン ベルギー オランダ 英国 チェコ ペルー トルコ ■実行分 ■未実行分 備考1:偶発債務には信用保証、公的機関が政府の代理として行う政策業務が含まれている。 備考2:左図と右図は、集計時点が異なるため、同一国でも偶発債務のGDP比の値が異なる場合がある。 備考3:米国はPaycheck Protection Programにおいて中小企業への貸出を行っているが、同施策は、企業の給与支払いを政府が実質的に負担する制度となっているため、政府による直接支出として分類されており、偶発債務としては分類されていない。 備考:右図において、オランダ、チェコ、トルコについては実行分のデータが不明。 資料:IMF Database of Fiscal Policy Response to COVID-19, IMF Fiscal Monitor October 2021 から作成。 通商白書 2022 101