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A.2022年のアジア高度人材の就職機会提供支援目標は50000人。
経済産業省が2022年に設定した、アジア高度人材の日本企業・日系企業への就職機会提供支援の今後5年間の目標値は50000人です。この数値は、アジアの高度な人材に対する就職支援の目標規模を示しています。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
第2章 イノベーションによって変化する世界の貿易構造と経済成長の道筋 ●アジア未来投資イニシアティブ 2022年1月、経済産業省は、ASEANとともに未来志向の新たな投資を積極的に推進するための「アジア未来投資イニシアティブ(AJIF:ASIA-Japan Investing for the Future Initiative)」を発表した(第II-2-2-26図)。アジアのエネルギー・トランジションの加速を目指す取組として2021年5月に発表した「アジア・エネルギートランジション・イニシアティブ(AETI:Asia Energy Transition Initiative)」とともに日ASEAN経済関係を次のステージへ押し上げていくことを目指す取組である。(1)グローバル・サプライチェーンのハブとしての地域の魅力向上、(2)持続可能性を高め社会課題の解決につながるイノベーションの創出、(3)エネルギー・トランジションの加速という3つの未来像に向け、サプライチェーン、連結性、デジタル・イノベーション、人材、グリーン・脱炭素の5分野で協力を進めるため、予算措置のほか様々な支援策を講じていく。前述のアジアDX支援の強化のほか、アジア高度人材の日本企業・日系企業への就職機会提供支援(今後5年間で5万人)、等、アジア人材に選ばれる日本を目指す取組も進めていく。また、アジア有志国とのデータ連携を通じたサプライチェーンのアップグレード等にも取り組んでいく。 ●「暗黙知」への視点 “デジタル”、“スタートアップ”、“プラットフォーム”の切り口でグローバル経済、アジア経済を見ると、足下の日本企業の存在感は大きいとはいえない。意思決定に時間が掛かる、様々なレガシーの存在やシステムの成熟ゆえにかえってデジタル時代のイノベーションになじみにくいなどの指摘もよく聞かれる。日本国内のスタートアップエコシステムも好循環を実現しているとはいい難い。乗り越えるべき課題は多いといえるが、一方で、日本企業が築いてきたもの、日本の強みといえるものに光を当てていくことも必要ではないか。 後藤(2019)は、日本(企業)が持つ強みとして「暗黙知」の存在を挙げている。 暗黙知は、言語を超えた「直観」、実践の中で習得される「勘」や「コツ」などといったもので、デジタルやAIが追求する「形式知」とは異なる知の概念である。暗黙知は「言語化」が難しく「その人に属する」ゆえに共有(模倣や移転)が難しい。そうした暗黙知の蓄積と巧みなすり合わせの力によって「現場」で高い対応力を発揮するというやり方は、日本企業の競争力の源泉でもあった。後藤(同)は、アジア新興国に対する日本の経済協力事案の中で、インフラ整備等のハード面だけでなく、推奨作業手順や安全管理手法といった日本的経営から生まれたソフト面に関わる暗黙知のノウハウを相手国パートナーとの協働を通じて移転していたことに注目し、こうした総合的な管理能力は日本企業が強みを発揮する領域であると述べている188。伊藤(2021)も日系企業が製造業における優れた生産管理能力を活かし、先進工業国・課題先進国としての日本の経験を強みとしてアジアDXと協働することの意義を指摘する189。 暗黙知は「ほかに真似のできない」、「それゆえ選ば 第II-2-2-26図 アジア未来投資イニシアティブ 日ASEAN経済関係を次のステージへ:二つのイニシアティブ 1. ASEAN各国の実状と向き合い、実効的な解決策を提供す。 2. 民間のイノベーションを最大限活用し、持続可能な経済社会の基盤を創る。 3. 現地企業との協業などを通じ、日本と各国がパートナーとして地域の未来を共創していく。 ⇒ 3つの理念に基づき、未来志向の新たな投資(未来投資)を積極的に推進。 New Announcement アジア未来投資イニシアティブ AJIF ASIA-Japan Investing for the Future Initiative アジア・エネルギートランジション・イニシアティブ AETI Asia Energy Transition Initiative ※2021年5月公表済 日ASEANで共創する3つの未来像 グローバル・サプライチェーンのハブとしての地域の魅力向上 持続可能性を高め、社会課題の解決につながるイノベーションの創出 エネルギー・トランジションの加速 資料:経済産業省資料から作成。 188 後藤(2020) 189 伊藤(2021) 346 2022 White Paper on International Economy and Trade