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A.2022年の2050年までの東南アジアの年間投資必要額は1410億ドル。
経済産業省が2022年に示した、パリ協定の目標達成に向けた2050年までの東南アジアの年間投資必要額は1410億ドルです。目標達成に必要な東南アジア地域における年間の投資目標値を示しています。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
2050年までの東南アジアの年間投資必要額
1410億ドル
パリ協定の目標達成に向け2050年までの東南アジアの年間の投資必要額
第2章 世界経済の動向と中長期的な経済成長に向けた取組 あり、当該増加分を全て再生エネルギーで賄うといったアプローチは、アジア諸国にとって必ずしも現実的ではない171。また、カーボンニュートラル目標達成のためには、エネルギーの脱炭素化、各分野でのエネルギー効率の改善、土地の利用方法の変更等といった大規模な取組が求められる。ある試算では、パリ協定の目標達成のために2050年までの毎年東南アジアが必要とする投資額は約1,410億ドルに上る172。こうした資金需要を満たすためのファイナンスの拡充が求められるほか、アジアの実情を反映した多様なアプローチで脱炭素化への移行の取組(トランジション)を支援するプログラムが必要である。 ③ アジアの課題解決に向けた日本政府の取組 東南アジアやインド等、アジア新興諸国の諸課題の解決に向けて、日本としてもアジアのパートナーとしての役割を果たしていくことが求められている。経済の高付加価値化、産業の高度化への取組における技術面、人材面での協力や、環境問題や少子高齢化の問題等、日本が課題先進国として取り組んできた分野について、その経験を活かした協力、アジア諸国と類似したエネルギー構造を有する日本ならではのカーボンニュートラルに向けた支援等が挙げられる。また、デジタル技術の活用を通じてアジアの社会課題を解決する取組やアジアのサプライチェーンの強靭性を高める取組においてアジアとの連携を深めることは、日本の成長にとっても重要な意味を持つ。 経済産業省は、2021年5月、「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」を公表し、各国のカーボンニュートラルの実現のためのロードマップ策定支援や、現実的なエネルギートランジションに向けた1億ドル規模の先導的な事業展開(アンモニア混焼等によるゼロエミッション火力発電の推進等)、アジア版トランジションファイナンスに向けた検討、再生可能エネルギーやエネルギーマネジメントビジネスに関する官民一体となった協力の推進等、具体的な支援に取り組んでいる。また、2021年10月の日ASEAN首脳会談において日本から提唱した「日ASEAN気候変動アクション・アジェンダ2.0」に基づき、ASEAN地域の脱炭素社会への移行に向けた取組を推進している。日本政府は、このAETIや「日ASEAN気候変動アクション・アジェンダ2.0」を強化・具体化しつつ、ゼロエミッション技術の開発や水素インフラでの国際共同投資、共同資金調達、技術等の標準化、カーボンクレジット市場を含む「アジア・ゼロエミッション共同体構想」の実現を目指し、アジア諸国との連携を推進していく。このほか、本白書第II部第2章でも触れているように、アジアの社会課題解決と価値創造のためのDX事業支援にも取り組んでいる。2022年1月に公表した「アジア未来投資イニシアティブ(AJIF: ASIA-Japan Investing for the Future Initiative)」で示されているように、例えば、国内産業の育成によりサプライチェーンでより付加価値の高い分野を担うことや、新たな産業づくりに向けた基盤となるデジタル化等の技術・ノウハウ・人材を獲得・育成すること、デジタル化・電子化を通じて貿易手続コストを削減し貿易を拡大すること、サプライチェーン管理を高度化すること、社会課題の解決とサステナビリティを実現すること、高齢化が進んでいく中で高齢者等へのケアサービスや健康促進の取組を導入することといった課題に関するASEAN諸国の深い関心を踏まえ、サプライチェーン、連結性、デジタル・イノベーション、人材、グリーン・脱炭素の五つの分野で協力が実施されていく。こうした取組を通じて、日本とアジアが一体となって持続的な成長を実現していくことが期待される。 171 経済産業省(2022) 172 清水(2022)。試算はIRENA(International Renewable Energy Agency)による。 196 2022 White Paper on International Economy and Trade