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A.2021年の産業用ロボット増加による雇用人口比率減少幅は0.2ポイント。
経済産業省の2021年のデータによると、産業用ロボットが1台増加することによる雇用人口比率の減少幅は0.2ポイントです。ロボット導入が雇用に与える影響を示す統計数値です。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
産業用ロボット増加による雇用人口比率減少幅
0.2ポイント
産業用ロボット1台増加による雇用人口比率減少幅
第2章 イノベーションによって変化する世界の貿易構造と経済成長の道筋 ロボット等の自動化技術等への投資がなされている可能性がうかがえる。一方で、オセアニアにおける設備投資については正の効果を示す結果となっており、労働補完的な設備投資がなされていることがうかがえる。また、統計的有意性が低い点に留意が必要だが、全体として研究開発投資に比べて設備投資の方が負の効果を示す結果が多く、なっており、設備投資が労働代替的な効果を持つ傾向が確認できる。 次に、産業別の結果を見ると、以下の通りとなっている(第II-2-1-15図)。 第II-2-1-15図 現地法人における設備投資や研究開発投資が1%増加した場合の現地法人における4年後の雇用の増加率(産業別) [表データ: 全産業(-5.105, -4.533), 食料品(16.843, 6.972), 繊維(-6.145, 6.101), 化学(-19.606, -34.758), 窯業・土石(40.802, 3.099), 鉄鋼(-27.200, -14.047), 非鉄金属(39.874, -32.517), 金属(2.979, -8.826), その他の製造業(-1.023, -24.719), 農林漁業(29.432, -22.573), 情報通信(-20.877, -69.453), 運輸(-2.440, -7.225), 卸売(-8.613, -0.986), 小売(-3.254, -96.231), サービス(-2.939, -24.683)] 備考1:「+」は有意水準10%での有意性、「*」は同5%、「**」は同1%、「***」は同0.1%。 備考2:分析方法については産業別分析と同様。 資料:令和3年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(ロボット・AI等の先端技術が労働生産性・グローバルバリューチェーンに及ぼす影響に関する調査)から作成。 上記の結果を見ると、全産業における設備投資や研究開発投資が雇用に与える影響は、いずれも負の効果を示す結果となっており、設備投資の方がより負の効果が大きい結果となっている。産業別に見ると、化学や鉄鋼、情報通信がいずれの投資についても雇用に負の効果を示す結果となっており、これらの産業は、技術投資に対する労働代替性が高いことが示唆される。一方で、食料品や農林漁業に関しては、設備投資に対して有意に雇用が増加する結果となっており、他産業に比べて設備投資においてベルトコンベヤー等の労働補完的な投資対象が多い可能性がうかがえる。これらから、技術関連投資が雇用に与える影響は、地域・産業によって労働代替や労働補完といった目的、また、その効果の程度についても異なる様子がうかがえる。 これまでも、技術が労働市場に与える影響については、労働のコンピュータ化の文脈で、2000年代前半より議論されてきた121。これまでの議論では、技術の導入によって定型業務を行う労働需要が減った一方で、非定型業務(解析的・経営的・サービス的作業)を行う労働需要が増加したことが報告されている。近年では、労働と資本が担うタスクやそれに要するスキルの観点から、産業用ロボットの導入による影響に関する実証研究が進められている(第II-2-1-16表)。 上述した先行研究によると、産業用ロボットの導入による雇用への影響は正の効果、負の効果の両面が示されている。例えば、労働者1000人あたり1台のロボットが増加することで、雇用人口比率が0.2ポイント減少し、賃金が0.42%減少する結果がある一方で、我が国における実証研究においては、ロボットの価格が1%低下することによって、ロボットの導入台数は1.54%増加し、さらに雇用も0.44%増加したことが示されており、ロボット導入によって事業が拡大する、または生産性が向上したことで雇用の増加につながったことが示唆されている。これらの結果を踏まえると、産業用ロボットの導入による雇用に与える効果を一意に結論付けることは難しい。 こうしたロボットが雇用に与える影響に関する実証分析にあたっては、地域によって異なる人手不足感や産業構造、各産業で行われるタスクの困難さや労働集約度、現状の労働生産性といった様々な要素を踏まえて分析していくことが重要だが、さらに近年の技術動向も踏まえながら労働市場への影響を捉えていくことが重要と言える。これまで、ロボットの導入とは多くの場合、製造業の直接製造プロセスに対する産業用ロボットの導入を意味してきた。言い換えれば、自動化が可能な工程を抽出して、産業用ロボットで労働を 121 Autor, Levy, and Murnane (2003), Brynjolfsson and Hitt (2003) 等。 320 20...