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A.2015年の欧州の企業価値(S&P Europe 350)に占める無形資産の割合(2015年)は71%。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
第2章 イノベーションによって変化する世界の貿易構造と経済成長の道筋 第3節 無形資産と経済成長 本節では、イノベーションがもたらす経済成長の道筋を示すものとして、企業が競争を優位に進めていく上で、無形資産(定義と詳細については後述する)への投資がいかに重要であるのかを見ていく。今後、市場規模の拡大が見込まれる先端産業は、技術的なイノベーションによって生み出された産業であり、特に情報技術分野において、市場で独占的な地位を築いているいわゆるプラットフォーム企業の競争優位が研究開発をはじめとした無形資産への投資によって形成されていることなどを鑑みても、その詳細を議論することは重要である。以下では、今後の拡大が見込まれている先端技術産業での無形資産投資の重要性、プラットフォーム企業の利益動向に見られる無形資産投資の役割、イノベーションを促進するための金融制度の重要性、主要国における無形資産投資の比較、無形資産投資を促進する要因としてのオープン・イノベーションの重要性について議論していく。 1. 先端技術産業の市場規模拡大から示唆される無形資産投資の重要性 企業などが行う投資は、概念的には主に二つに分類される。一つ目は有形資産投資であり、その名称が示唆するとおり機械設備や工場などの構築物といった実物的な生産設備への投資がそれに当たる。二つ目は無形資産投資であり、主に研究開発(Research & Development:R&D)への投資などがあり、計測や可視化をすることは困難であるものの生産活動に重要な影響を与える投資である。 Elsten and Hill (2017) によれば、米国の代表的な株価指数であるS&P500に採用されている企業の市場価値を要因分解すると、2015年時点で84%が無形資産であり、欧州のS&P Europe350に採用されている企業の市場価値は71%が無形資産としている一方で、我が国の日経225に採用されている企業を含め、アジア諸国では企業価値に占める無形資産の割合が比較的低い(第II-2-3-1図)。以下に見るとおり、新興技術 第II-2-3-1図 各国の企業価値に占める無形資産と有形資産の割合 日本の企業価値(日経225)の要因分解(2015年) 無形資産, 31 有形資産, 69 米国の企業価値(S&P500)の要因分解(2015年) 有形資産, 16 無形資産, 84 欧州の企業価値(S&P Europe 350)の要因分解(2015年) 有形資産, 29 無形資産, 71 中国の企業価値(上海深川 CSI300)の要因分解(2015年) 有形資産, 65 無形資産, 35 350 2022 White Paper on International Economy and Trade