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A.2018年の日本の無形資産投資における組織改革の割合は13%。
経済産業省のデータによると、2018年における日本の先進国の無形資産投資に占める組織改革の割合は13%です。この数値は、日本の無形資産投資における組織改革分野への投資配分実績を示しています。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
第2章 イノベーションによって変化する世界の貿易構造と経済成長の道筋 てを行うべきであるとの従来的な概念はクローズド・イノベーションと呼ばれる。 上述の無形資産投資の内訳において、オープン・イノベーションに関連すると考えられるのは、「組織改革」の項目であると考えられる(第II-2-3-15図)。オープン・イノベーションは、その定義として人材やアイデアを組織外へも広く求めることとしており、実際に企業などの組織がそうした行動をとるためには、組織文化としての柔軟性が必要である。それを踏まえると、組織改革の項目の推計には、企業によるコンサルティングへの支出が含まれており、組織の柔軟性の向上を含めた改革に積極的であるほどそうした支出が多くなり、組織内だけではなく組織外との交流が活性化されていることが考えられる。 また、オープン・イノベーションは労働生産性にも好影響を与えることを示唆する実証分析もある。下図は、研究による知見の積み上げ(研究ストック)の増加が、労働生産性にどれだけの影響を与えるのかを示したものである(第II-2-3-16図)。それによると、 研究ストックの労働生産性への影響は、自国の研究ストックが増えることよりも、外国の研究ストックが増えた方が労働生産性を改善させる効果が高いことが示されている。こうした結果は、労働生産性を向上させるためには、外国での知見の積み上げを活用すべきであることを示唆しており、また組織というミクロな視点だけではなく、国外で生み出されたアイデアを取り入れるといったマクロな視点でオープン・イノベーションが重要であることを示唆されているといえる。 上述のチェスブロウ(2004)によるオープン・イノベーションの定義によると、知的財産については、自組織が保有する知的財産を他組織に使用させることで収益を上げるだけではなく、他組織の知的財産について購入等を通して活用することも重要であることが述べられている。それを踏まえると、各国がいかにオープン・イノベーションについて積極的であるのかを計測する指標として、知的財産権使用料の受取と支払を合計した金額の経済規模に対する推移を見ることが有用であると考えられる。下図(第II-2-3-17図)は、それについて無形資産投資の詳細で取り上げた諸国について示したものである。これによると、米国以外の先進諸国では知的財産権使用料の資金フローの名目GDPはすう勢的に上昇しており、国家間というマクロな視点でオープン・イノベーションが浸透していると見ることもできる。 前述のとおり、オープン・イノベーションにおいては、自組織が保有する知的財産を他組織に使用させたり、他組織の知的財産を自組織において活用したりすることが重要であるところ、知的財産の権利帰属の不 第II-2-3-15図 先進国の無形資産投資に占める組織改革の割合 (無形資産投資に占める割合: %) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 -o-日本 -o-米国 -o-ドイツ -o-フランス -o-英国 資料:日本以外はINTAN-Invest、日本は独立行政法人経済産業研究所から作成。 第II-2-3-16図 研究ストックの労働生産性への影響 (生産性への影響: %) 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 自国での研究 外国の研究 研究ストックの10%の増加 備考:研究ストックの10%の増加が生産性(労働者一人あたりの実質GDP)に与える影響。 資料:IMF World Economic Outlook October 2021 から作成。 第II-2-3-17図 知的財産権使用料の資金フロー (名目GDP比: %) 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 -o-日本 -o-米国 -o-カナダ -o-ドイツ -o-フランス -o-英国 備考1:知的財産権使用料の資金フローは知的財産権使用料の受取と支払の合計。 備考2:国際収支統計の集計方法変更のため、2005年以降とそれよりも前のデータは厳密な接続ではない。 資料:UNCTADから作成。 360 2022 White Paper on International Economy and Trade