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総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回

2025-12-11一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 資料

資料1

総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 (第49回) ――― 議 事 次 第 ――― 1.日時:令和7年12月11日(月) 10:00~12:00 2.場所:経済産業省本館 17 階 第1特別会議室 (一部オンライン) 3.議題 更なる省エネ・非化石転換・DRの促進に向けた政策について ――― 配布資料 一覧 ――― ○議事次第 ○委員名簿 ○オブザーバー名簿 ○議事の取り扱い等について ○事務局資料 更なる省エネ・非化石転換・DR の促進に向けた政策について ○事務局資料 デジタル・AI 技術による省エネ・生産性向上に向けた手引き(デジタル省エネ手 引き) ○参考資料 1 意見書(一般財団法人日本エネルギー経済研究所理事長 寺澤委員) ○参考資料 2 意見書(東京大学大学院情報理工学系研究科教授 江崎委員)

資料2

省エネルギー小委員会 委員名簿(第 49 回) (委員長) さいとう きよし 齋藤 潔 早稲田大学基幹理工学部機械科学・航空宇宙学科教授 (委員) あ お き ゆ か こ 青木 裕佳子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・ 相談員協会環境委員会 副委員長 あまの は る こ 天野 晴子 いわた 日本女子大学家政学部家政経済学科教授 と も こ 磐田 朋子 いわふね ゆ システム理工学部環境システム学科教授 み こ 岩船 由美子 東京大学生産技術研究所特任教授 え さ き ひろし 江崎 浩 き ひ ろ こ ば 東京大学大学院情報理工学系研究科教授 木場 弘子 こば や し フリーキャスター・千葉大学客員教授 ひろゆき 小林 洋行 東京都環境局気候変動対策部長 さ さ き し ん や 佐々木信也 し む ら 志村 幸美 たなか 東京理科大学工学部機械工学科教授 ゆき み か な 株式会社三菱 UFJ 銀行サステナブルビジネス部上席調査 役 こ 田中 加奈子 アセットマネジメントOne株式会社シニア・サステナビリテ ィ・サイエンティスト つ え みつひろ 津江 光洋 東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻教授 つ る さ き たか ひろ 鶴崎 敬大 てら ざ わ 株式会社住環境計画研究所研究所長 たつや 寺澤 達也 はやし やすひろ 林 泰弘 一般財団法人日本エネルギー経済研究所理事長 早稲田大学大学院先進理工学研究科教授 まつは し りゅう じ 松橋 隆 治 や の 東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授 ゆ う じ 矢野 裕児 流通経済大学流通情報学部教授

資料3

議事の取扱い等について(案) 総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー 小委員会の議事の取扱い等については、以下によるものとする。 1.本委員会は、原則として公開する。 2.配布資料は、原則として公開する。 3.議事録については、原則として会議終了後1ヶ月以内に作成し、公開す る。 4.個別の事情に応じて、会議又は資料を非公開にするかどうかについての 判断は、委員長に一任するものとする。

資料4

更なる省エネ・非化石転換・DRの促進 に向けた政策について 2025年12月11日 資源エネルギー庁 1 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 2 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 3 世界全体の最終エネルギー消費の推移 • 世界全体の最終エネルギー消費(石油換算トン)は、2010年以降、増加傾向にある。 石油換算百万トン • 他方、同期間において、日本やEUでは最終エネルギー消費は減少。 10,000 年平均変化率 9,000 その他 +1.1%/年 8,000 ASEAN +2.6%/年 7,000 6,000 EU27 -1.1%/年 日本 -1.7%/年 インド +3.9%/年 2,000 米国 +0.2%/年 1,000 中国 +3.0%/年 5,000 4,000 3,000 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 出典:IEA (2025). “World Energy Balances”より、(一財)日本エネルギー経済研究所作成。 4 世界全体のエネルギー効率の推移 • 世界全体のエネルギー効率は改善傾向。 • エネルギー価格が高騰した2022年、特に欧州では8.3%と大幅な改善が見られた。 GDPあたり一次エネルギー消費量(石油換算トン/1,000ドル、2020年価格、為替レートベース) インド 0.45 0.4 中国 0.35 ASEAN 0.3 世界 0.25 0.2 米国 0.15 EU27 0.1 日本 0.05 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 出典:IEA (2025). “World Energy Balances”より、(一財)日本エネルギー経済研究所作成。 5 世界全体のエネルギー効率(2023年) • GDPあたりの一次エネルギー消費量であらわす2023年の日本のエネルギー効率 は、世界平均の半分以下。 GDPあたり一次エネルギー消費量(石油換算トン/1,000ドル、2020年価格、為替レート換算) 0.4 0.318 0.3 0.226 0.2 0.145 0.1 0.047 0.059 0.071 0.073 0.227 0.25 0.253 0.156 0.158 0.086 0.09 0 注:火力発電と比較して太陽光・風力発電の一次エネルギー換算係数は小さいことから、電源構成に占める後者の割合が大きい国に有利となる点には留意。 出典:IEA (2025). “World Energy Balances”より、(一財)日本エネルギー経済研究所作成。 6 日本の徹底した省エネの推進 • 日本の最終エネルギー消費量は減少傾向であり、エネルギー消費効率は年々改善。 (原油換算万kL) 最終エネルギー消費量・エネルギー消費効率の推移 (GDP:486兆円) 100% 60,000 (2000年度=100%) 最終エネルギー消費量(左軸) 95% 88% 50,000 100% エネルギー消費効率(右軸) 90% 77% (GDP:558兆円) 80% 70% 70% 63% 40,000 50% 30,000 60% 50% 40% 20,0004.09億kL 4.10億kL 3.79億kL 10,000 3.49億kL 3.12億kL 2.97億kL 30% 2.8億kL 20% 10% 0 0% (年度) ※エネルギー消費効率について、2000年度の効率を1とし、各年の効率を指数化 出典:総合エネルギー統計(2023年度確報値)、GDP統計を基に資源エネルギー庁作成。 7 第7次エネルギー基本計画を踏まえた省エネ施策の全体像 目 標 方 向 性 ⚫ 2040年に向けて、まずは2030年度エネルギー需給見通し等で示した具体的施策を着実に実行。 ⚫ その上で、 施策の進捗状況などを確認しながら、技術革新の水準や、国際情勢、DXやGXの進展 状況などを総合的に踏まえ、必要な施策の更なる具体化や見直しに取り組んでいく。 ⚫ 今後、需要サイドの取組として、徹底した省エネルギーに加え、電化や非化石転換が占める割合も 今まで以上に大きくなる。 ⚫ 脱炭素化等に伴うコスト上昇を最大限抑制するべく、経済合理的な対策から優先して導入。 徹底した省エネ 電化・非化石転換 ⚫ 経済活動を低下させるこ となく省エネを進める。 ⚫ 電化を進めつつ、電化が困難な分野を中心に、天 然ガスなどへの燃料転換や、水素等やCCUSなどの 活用を進める。 ⚫ DXやGXの進展による電力需要増加への対応 (データセンター等) ⚫ 更なる省エネのため、非連続的な技術開発・取組 強化。 ⚫ 多くの中小企業や家庭にとって脱炭素の取組の 「第一歩」は省エネ。省エネを契機として脱炭素 を促進。 支援 ⚫ エネルギー多消費産業を中心として、抜本的な製 造プロセス転換のため、設備投資やサプライ チェーンの構築等を計画的に進める。 ⚫ ディマンドレスポンス(DR)の促進と一体的に 進めていく。 設備更新支援、省エネ診断、技術開発支援、人材育成、支援体制の構築 等 規制と支援を一体的に取り組む トップランナー制度、目標設定、定期報告、情報開示、遵守基準の設定 等 規制 8 2030年度ミックスにおける省エネ目標 ⚫ 経済成長等を前提に想定した2030年度の最終エネルギー需要に対し、徹底した省エネ対策を実 施することで、そこから原油換算で6,200万kl程度の削減を見込んでいる。 省エネ対策 2013年度 3.64億kl 2023年度 2.97億kl 家庭 0.52億kl ①経済成長 (1.4%/年) 運輸 0.84億kl 業務 0.65億kl 産業 1.60億kl ※人口 0.6%減 旅客輸送量 2%減 家庭 0.44億kl 運輸 0.72億kl 業務 0.46億kl 産業 1.35億kl 2030年度 2.80億kl程度 (対策後) ②徹底した省エネ対策 6,200万kl程度削減 家庭 0.3億kl程度 運輸 0.6億kl程度 業務 0.5億kl程度 産業 1.4億kl程度 出典:資源エネルギー庁「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」、「総合エネルギー統計(2023年度 確報値)」をもとに作成。 産業部門 • • • • • • 低炭素工業炉の導入 産業用モータ・インバータの導入 化学 - 化学の省エネプロセス技術の導入 産業用照明の導入 産業用ヒートポンプの導入 徹底的なエネルギー管理の実施 等 業務部門 • • • • • 建築物の省エネルギー化(新築) 機器の省エネ性能向上 徹底的なエネルギー管理 高効率照明の導入 建築物の省エネルギー化(改修) 等 運輸部門 • 燃費改善、次世代自動車の普及 • その他の運輸部門対策 - トラック輸送の効率化 - エコドライブの推進 - 鉄道のエネルギー消費効率向上 等 家庭部門 • • • • • • 高効率給湯器の導入 住宅の省エネルギー化(新築) 徹底的なエネルギー管理 高効率照明の導入 機器の省エネ性能向上 住宅の省エネルギー化(改修) 等 9 2030年度ミックスと部門別の進捗状況 最終エネルギー消費量(百万kL) 1,235 135 140 463 72 60 2030 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 転換 340 289 165 116 147 70 224 190 146 104 80 56 2030 84 運輸 209 677 2023 30 922 2022 44 2021 53 2020 家庭 235 2019 50 2018 46 2017 58 2016 業務 2015 168 280 2014 産業 297 2013 363 エネルギー起源CO2排出量(百万t-CO2) 出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」(2023年度確報)、 「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」をもとに経産省作成 10 最終エネルギー消費増減の動向 • 2022年度の最終エネルギー消費量は3.06億kL。2013年度からの減少分5,700万kLのうち、活動量 要因 が2,500万kL、省エネ対策導⼊効果を含む原単位要因が1,500万kL。 • 省エネ対策によるエネルギー消費減を進めるも、2020年度以降の減少は活動量等の要因が最も⼤き い。 出典:総合エネルギー統計 2022年度確報、令和4年度(2022年度)におけるエネルギー需給実績(確報)をもとに経産省作成。 11 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 12 令和7年度補正予算案における省エネ支援パッケージ 1.省エネ・非化石転換設備の導入支援 • 令和5年度補正予算から、省エネ・非化石転換設備更新に対して3年間で7,000億円規模の予算により、複数年の投 資計画に切れ目なく支援することとしており、その最終年度として、以下取組みを強化して継続【675億円】(国 庫債務負担行為含め総額2,450億円) ① 設備単位型の強化(GXⅢ類型の創設:メーカー強化枠とトップ性能枠) − 省エネ効果の高い機器の更なる普及拡大に向けて、新たな類型(GXⅢ類型)を創設し、従来の支援水準を大き く上回る省エネ設備(トップ性能枠)等への支援を強化(補助率増加や新設への支援対象拡大等を措置)。 事 業 者 向 け ② サプライチェーンでの連携強化 − サプライチェーンの上流から下流の複数企業が協力して、それぞれの省エネ計画を作成し、一定の水準に達した場合に、 当該計画に基づく設備更新を支援するなど、サプライチェーンでの取組みへの支援を強化。 ③ 水素対応設備の導入促進 − 水素対応設備については、新設や改造も補助対象として加えるとともに、更新については更新前設備との併用を 認める。 2.省エネ診断 • 工場・事業場のエネルギー消費量等の見える化等を行い、改善提案を行う省エネ診断により、省エネの取組みを行 う中小企業の裾野を広げる。引き続き、省エネ・地域パートナーシップにより地域の金融機関・省エネ支援機関と 連携し、中小企業の省エネ診断の活用を促進するとともに、以下の取組みにより強化【33億円】 − 改善提案の実現にむけて、ソリューションを提案できる企業とのマッチングプラットフォームを創設。 3.省エネ住宅支援 家 庭 向 け • 住宅のヒートポンプ給湯機や家庭用燃料電池等の高効率給湯器の導入において、高性能な給湯器(昼間の余剰再エ ネ電気を活用できる機種やより性能の高い機種等)に対して集中的に支援【570億円】。 • また、設置スペース等の都合からヒートポンプ給湯機等の導入が難しい既存賃貸集合住宅向けに、小型の省エネ型 給湯器(エコジョーズ等)導入の支援を実施【35億円】。 • これらの措置を、住宅の省エネ効果の高い断熱窓への改修支援【1,125億円、環境省】、長期優良住宅・ZEH水準 住宅の新築・住宅の省エネリフォーム等への支援【1,300億円、国交省】、ZEH水準を大きく上回る省エネ性能を 13 有する住宅支援【750億円、環境省】と合わせて、3省連携でワンストップ対応で実施予定。 事業者向け 1.省エネ・非化石転換設備の導入支援 14 【国庫債務負担行為含め総額 2,450億円】 省エネ・非化石転換補助金 ※令和7年度補正予算案額:675億円 ⚫ エネルギーコスト高対応と、カーボンニュートラルに向けた対応を同時に進めていくため、工場全体の省エネ (Ⅰ)、製造プロセスの電化・燃料転換(Ⅱ)、リストから選択する機器への更新(Ⅲ)、エネルギーマネジメ ントシステムの導入(Ⅳ)の4つの類型で、企業の投資を後押し。 ⚫ 令和7年度補正より、GXⅢ類型を創設するとともに、サプライチェーンで連携した取組等への支援を強化する。 (Ⅰ) 工場・ 事業場型 • 工場・事業場全体で⼤幅な省エネを図る取組みに対し て補助 • 補助率:1/2(中小)1/3(大) 等 • 補助上限額:15億円 等 ※サプライチェーン連携枠を創設 (Ⅱ) 電化・ 脱炭素 燃転型 • 電化や、より低炭素な燃料への転換を伴う機器への更 新を補助 • 補助率:1/2 等 • 補助上限額:3億円 等 【平釜】 【立釜】 ※複数の釜を連結して排熱再利用 • 従来、平釜を個別に熱して塩を製造していたところ、連結型の立釜に更新。 • 釜の排熱を、他の釜の熱源に再利用できるよう、事業場全体の設備・設計を見直し。 3年で37.1%の省エネを実現予定。 【誘導加熱式】※電気を使用 【キュポラ式】※コークスを使用 ※水素対応設備への改造等を補助対象に追加 (Ⅲ) 設備 単位型 (Ⅳ) EMS型 • リストから選択する機器への更新を補助 • 補助率:1/3 等 • 補助上限額:1億円 等 【業務用給湯器】 【高効率空調】 【産業用モータ】 ※トップ性能枠では、新設も対象に追加(GXⅢ類型創設) • EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導⼊を補助 • 補助率:1/2(中小)1/3(大) • 補助上限額:1億円 【見える化システムによるロス検出】 【AIによる省エネ最適運転】 15 省エネ・非化石転換補助金の成果と課題 ⚫ 省エネ・非化石転換補助金による直接的な効果は、平成24年度から令和5年度までの累計で年間約 315万kl、ストックで2,189万klの省エネを達成(令和5年度補正採択事業平均燃料単価(10.7 万円)を参考とすれば、年間3,370億円、ストックで2.3兆円の削減。累計補助額3,338億円に対し て⼤きな効果)。 ⚫ これまで大きな効果を生み出して来た一方で、新たな省エネ効果の増加量は減少傾向。①競争力強化 による省エネ設備の普及加速や、②従来の省エネ性能の向上に比べて更なる高みを目指すメーカーを 強力に支援する必要。 省エネ・非化石転換補助金による省エネ効果(実績) [万kl] 年度毎に積み上がる 省エネ効果が減少傾向 省エネ効果の 加速が必要 16 ※執行団体の報告書等により資源エネルギー庁作成 令和7年度補正の強化① GXⅢ類型の創設 • 光熱費等の高騰が進む中で、更なる省エネ対策を進めるためには、これまでの支援策に加えて、 ①メーカーに対して、省エネ設備の普及拡大に向けた企業の成長へのコミットを促すとともに ②既存の省エネ水準を大きく超える設備の導入促進が重要であり、 GXⅢ類型を創設し、これらに取り組む企業への支援を強化する。 (GXⅢ類型:メーカー強化枠) • 現行Ⅲ類型補助対象設備のうち、 GX要件(次期GXリーグへの参加、企業の成長(例:コスト競争力の向上、海外 市場の獲得)に対する今後の方針を定める等、詳細は今後発表)にコミットするメーカーが製造する設備について は、これまでの予算枠(エネ特予算)とは別枠(GX予算)にて、上限額等を増額した上で、支援を行うこととする。 ※従来のⅢ類型に登録された設備は令和7年度補正予算額(エネ特)100億円を活用して公募・採択を実施。GXⅢ 類型(メーカー強化枠)に登録された設備については、令和7年度補正予算額(GX予算)550億円の一部(250 億円程度を想定)を活用して、公募・採択を実施。 (GXⅢ類型:トップ性能枠) • 従来支援対象としてきた省エネ水準を大きく超える省エネ性能を有する設備については、①設備更新における補 助率を強化するとともに、②これまで支援対象ではなかった新設についても補助対象とする。 • なお、GXⅢ類型(トップ性能枠)の対象は、第三者委員会(執行団体が設置)の意見も確認の上で対象設備を決 めることとし、例えば、「高い省エネ性能及び波及効果(省エネ導入ポテンシャル)が期待され」 、かつ、「普 及が初期の段階(普及率が低い)」であり、今後導入を加速すべき設備であることといった視点で選定する。な お、普及率に係る情報を入手するため、Ⅲ類型の指定設備の登録時にメーカーは販売情報を提出することとする。 17 (参考)GXⅢ類型(メーカー強化枠)の対象設備となるための 登録を行うメーカーの要件 ・現在、経済産業省において、GXリーグにおけるサプライチェーンでの取組のあり方に関する 研究会において、GXリーグの見直し(次期GXリーグ)の検討が行われており、参画企業に 求めるコミットメントの内容について検討が進んでいるところ。(令和7年度内とりまとめ 予定) ・GXⅢ類型(メーカー強化枠)の対象設備となるための登録を行うメーカーの要件について は、当該コミットをベースとしつつ、次期GXリーグに不参加の企業については、相当の取組 みを求めること、といった内容を求める予定。 ・また、次期GXリーグへの参加等に加えて、企業の成長に係る今後の方針(例:コスト競争 力の向上、海外市場の獲得)の策定及び取組み状況に係る報告(販売数・売上高、対象設備 の価格、市場占有率、関連投資額、海外展開状況等)について求めることを想定。 ※報告については、年度末に1回、3年間程度求めることを想定。 ※要件の詳細については、今後変更の可能性があり、公募時に詳細は公表する。 18 GXⅢ類型(トップ性能枠)の事例想定 事例① 産業用モーター • 現在、産業用モーターのトップランナー水準はIE3以上であるが、IE4やIE5のモー ターも商品化されており、今後普及の加速を図る必要。現在、IE4とIE5の普及 は限定的であり、GXⅢ類型でイニシャルコスト低減による国内市場の拡大を促進 し、メーカーの設備投資を促すことで海外市場への拡大も視野に入れた産業競争 力の強化を検討。 事例② 産業用ヒートポンプ • 現在、産業用ヒートポンプは、設置スペース・稼働方法などの課題や、特に中・ 高温帯についてはコスト等の観点から、普及率は低調となっている状況。設置 スペース等の課題は、新設や増設時にクリアしやすい点も考慮し、中・高温帯の 産業用ヒートポンプについてGXⅢ類型に指定する予定。新設も補助対象とし つつ、普及拡⼤を検討。 事例③ 産業用空調 • 産業用空調の更なる効率化に向けて、例えば、デジタル・AI技術を活用し、日 中の熱負荷を予想しながら、需要最適な運転をする機能の具備等が進みつ つあり、高効率化に加えて、こうした新たな技術の観点も踏まえ、GXⅢ類型へ の指定を検討。 ※上記は事例のイメージであり、対象設備については、間接補助事業者の公募時に公表する。 19 (参考)GXⅢ類型の創設について 事業区分 GX予算 エネ特 GXⅢ類型(GX設備単位型) 現行Ⅲ型 メーカー強化枠 トップ性能枠 (設備単位型) 以下の要件(案)を全て満たす設備。 ①「大きな省エネ性能及び波及効果(省エ ネ導入ポテンシャル)が期待され」、か つ、「普及が初期の段階(普及率が低 い)」であると第三者委員会が認めた設 備 補助対象 設備 現行Ⅲ型補助対象設備のうちGX要件 (※1)を満たしたメーカーが製造す る設備 (※3) 省エネ効果の高い 特定の設備 ②GX要件(※1)を満たしたメーカーが製 造する設備。 (※3) 新設/更新 新設・更新 更新 更新 1/3 1/3 3億円 1億円 中小 企業 補助率 大企業 補助金限度額 新設 1/5 更新 1/2 3億円 中小 補助対象 企業 経費 大企業 設備費 設備費(※2) ※1:メーカーに対するGX要件は①次期GXリーグへの参加、②企業の成長(例:コスト競争力の向上、海外市場の獲得)につながる今後 の方針の策定等、③必要な人材の確保に向けた取組(例:継続的な賃上げ)を進めること、を課すことを想定。 ※2:Ⅲ類型にインバーターの具備も補助対象にする。 ※3:設備更新を行うユーザー側にはGX要件へのコミットは求めない。 ※詳細については、今後変更の可能性があり、公募時に詳細は公表する。 20 令和7年度補正の強化② サプライチェーン連携による省エネ ⚫ 欧州を中心としたサプライチェーン上の脱炭素要請や、金融市場からのScope3も含めた 企業のサステナビリティ情報の開示要請を背景に、サプライヤーとの脱炭素に向けた連携 強化に向けた動きが加速しつつある。 ⚫ 中小企業が行える脱炭素の取組は、①太陽光発電の導入か、②省エネが中心であり、今後、 例えば、下流の大企業が上流の中小企業に知見等を共有するなど、サプライチェーン連携 による具体的な省エネ対策の実施が期待される。 <サプライチェーンにおける省エネ連携イメージ> フェーズ1:意識醸成 (サミットの開催等) フェーズ2:チームアップ (取組計画の作成等) フェーズ3:改善の実行 (省エネ・非化石転換設備更新・運用改善等) 親会社 A社 省エネ・脱炭素の重要性を、 サプライヤー全体で認識共有。 脱炭素に向けた意識を醸成。 C社 B社 少数グループによる勉強会等を開催 し、それぞれの取組計画を作成するな ど、具体的なアクションに向けて準備 計画等に従って、 設備更新・運用改善を実現 <国の支援①(検討中)> <国の支援②(補正予算で措置)> ○意識醸成・チームアップに向けた取組みをサポート ○それぞれが作成した省エネ計画に基づく設備更新を支援 21 サプライチェーン連携による取組事例(1) トヨタ(自動車大手) 福井鋲螺(自動車中堅) FUJI(機械) <活動背景・目標> <活動背景・目標> <活動背景・目標> • 脱炭素動向を背景に、2050年カーボン ニュートラルに向けて自社・サプライヤーと もに各目標を設定して、サプライヤー支援 活動を2021年より開始。 • 欧州規制や取引先の脱炭素取組等 を背景に、2030年までにカーボン ニュートラルを目標として、サプライヤーと の“対話”を重視した“寄り添い活動” を行う。 • 2050年までにScope3のCO2排出量を 80%削減していくことを目標に活動。 <意識醸成> • 関係サプライヤーに対して、勉強会などを 通じてカーボンニュートラルについての基 礎知識や取り組む必要性を共有すると 共に、伴走支援のスキームを説明。 <チームアップ> • その上で希望するサプライヤーに対して、 伴走支援として定型活動をベースに体 制づくりからトヨタ生産方式をもとにした エネルギーの無駄を取り除く方法などの 個社支援を実施。 • これまで90社の支援を実施。 説明会の様子 <チームアップ> • サプライヤー先に実際に訪問し、省エ ネ診断による現状把握やデータ解析 を行い、省エネ改善取組を提案。 • 支援先は令和7年度で5社まで拡大。 金融機関(福井銀行)とも連携しな がら進めている。 <改善の実行> • 実行への伴走支援やフォローも実施。 具体的な設備更新等に繋がっている。 <意識醸成> • Tier1を中心としたサプライチェーン全体の説明 会を開催し、脱炭素に取り組む必要性を説明 し、CO2排出量の算定と削減目標の設定を 依頼。 <チームアップ> • 算定を促すにあたっては、 全体説明会だけで は実施に至らない企業も多く、個別の意見交 換会を複数回実施。 • また、省エネ診断の活用も推奨。算定を実施し た企業に対しては、診断費用の補助を検討。 • 排出量のデータ算定を実施した企業は 2024年度は約20社。2025年度は約40 社、2026年度は約60社まで増やしていくこ とを想定。 全体説明会の様子 22 サプライチェーン連携による取組事例(2) 中国地域GX・サプライチェーン・サミット(中国経済産業局×マツダ株式会社) • 2025年11月26日に、マツダがサプライチェーンにおけるカーボンニュートラルを推進してい くため、サプライヤー企業を対象に省エネ推進の重要性や方向性を共有する場として、「中国 地域GX・サプライチェーン・サミット」を中国経済産業局と連携し開催。 ※44社のサプライヤーが参加。その他、省エネ支援機関や地域の金融機関、自治体等も参加。 <サミットの様子> 議事 開会挨拶 省エネ政策の動向 ○資源エネルギー庁より、脱炭素・省エネの動向や取り組む 必要性、省エネ政策を紹介。 中国地域の取組状況 ○中国経済産業局より、サミット開催目的や中国地域の省エ ネ取組状況を説明。 マツダのサプライチェーンにおけるカーボン ニュートラルに向けた取組 ○マツダより、今後の目標や省エネ推進に向けたサプライヤ との進め方や支援内容などを説明。地域と連携してサプライ ヤーと一緒に推進していくことを示した。 省エネルギー相談会 ○サプライヤー企業が省エネの進め方を相談する場。省エネ 支援機関より各社に寄り添った支援策を紹介。 ↑省エネルギー相談会の様子 <参加者からのコメント> サプライヤー企業: ・マツダ様がここまでやっているのだから、もっと我々も省 エネを真剣に考えないといけない。 ・中小企業向けでも実行可能な支援内容を支援機関から伺え て、予想していなかったので嬉しい誤算だった。 金融機関: ・サミットの様子を話せば/見せれば、中国地方全体の省エ ネへの動き(熱量)が伝わり、行内への意見も通しやすくなる。 23 (参考)サプライチェーン連携枠の創設について 事業区分 補助対象設備 申請要件 GX予算 Ⅰ型(工場・事業場型) 中小企業 一般枠 投資促進枠 先進枠 先進性が認められた設備 変更なし サプライチェーン(SC) 連携枠 オーダーメイド設備又はⅢ型指定設備の組み合わせ※設備単位で省エネ効果をみたす 変更なし <SC連携事業の申請要件> 以下の全てを満たす者 ①SC上の4者以上で申請 ②GX要件へのコミット 変更なし ・以下のいずれかをクリア ①省エネ率+非化石率 ・省エネ率+非化石率 ・以下のいずれかをクリア ・以下のいずれかをクリア :7%以上 :1者あたり 5%以上 ①省エネ率+非化石率 ①省エネ率+非化石率 30%以上 ②省エネ量+非化石量 ・上記に加えて、省エネ目標・ 工場・事業場単 10%以上 ②省エネ量+非化石量 1,000kl以 :500kl以上 計画の作成・公表(目標は一 位 ②省エネ量+非化石量 上 ③原単位改善率:5%以上 般枠の効果) 省エネ要件 700kl以上 ③原単位改善率 15%以上 ・上記に加えて、省エネ目 ※補助金交付を受けない幹事企 ③原単位改善率7%以上 標・計画の作成・公表(目標 業は含めない は一般枠の効果) 設備単位 - オーダーメイド設備を含め設備単位で10%以上 新設/更新 中小 企業 更新 更新 2/3 更新 大企業 更新 1/2 補助率 補助金限度額 補助対象 経費 中小 企業 大企業 単年度 :15億円(20億円) 複数年度:30億円(40億円) 連携事業:30億円(40億円) 1/2 1/2 1/2 1/3 対象外 1/3 単年度 :15億円(20億円) 複数年度:20億円(30億円) 連携事業:30億円(40億円) 単年度 :15億円(20億円) 複数年度:20億円(30億円) 設計費・設備費・工事費 ※詳細については、今後変更の可能性があり、公募時に詳細は公表する。 24 (参考)中小企業に対する脱炭素要請の高まり ⚫ 取引先から排出量計測・カーボンニュートラルへの協力を要請された中小企業の割合が 2020年から2022年のわずか2年間で倍増するなど、脱炭素に向けた波が徐々に顕在化。 ⚫ 脱炭素化に向けた取組に関する協力要請のうち、「省エネ」は最も回答割合が高い。 我が国中小企業が取引先からCN要請を受けた割合 取引先等からの脱炭素化に向けた協力要請の内容 ✓ 取引先から排出量計測・CNへの協力を要請された割合: 2020年7.7% ⇒ 2022年15.4%へ倍増 (55万社程度と推計される) 20 15.4% 15 10 7.7% 5 0 2020年 2022年 出典:2023年版「中小企業白書」より抜粋。 出典:2025年7月「中小企業白書」より抜粋。 25 (参考)中小企業のカーボンニュートラル対策と省エネ • 製造業・非製造業ともに、中小企業のカーボンニュートラル対策の検討・実施が徐々に拡大。 具体的な方策として、省エネのための設備導入、業務プロセスの改善などの省エネ対策を検 討・実施という回答が多数。多くの中小企業にとって、省エネはGXの第一歩。 • ただし、実際に省エネ対策を実施した事業者はまだ限定的。 中小企業のCNの影響の方策の実施・検討状況 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 49.8 47.2 55.8 55.9 76.5 79.9 58.5 60.2 81.6 実施・検討している具体的な方策(上位5つの選択肢) 1. 自社のCO2排出量の測定 5.6% 9.7% 2. 太陽光などの自家発電設備 の導入 5.9% 8.9% 3. 業務プロセスの改善を 通じた省エネ 3.9% 10.9% 10.9 9.2 8.4 20.8 19.5 17.3 15.3 12.6 10.8 10.0 15.7 13.3 4.太陽光設備等以外の 省エネ設備 (建物・車両等)導入 4.4% 8.9% 2021 2023 2025 2021 2023 2025 2021 2023 2025 5. 自社のCO2排出量の削減目 標の設定 29.3 33.3 26.9 28.8 全体 既に実施 製造業 検討している 25.8 26.5 非製造業 実施も検討もしていない 4.3% 実施 6.4% 検討 出典:商工中金「中小企業のカーボンニュートラルに関する意識調査(2025年7月)」をもとに作成。 26 令和7年度補正の強化③ 水素対応設備等への支援強化 • 一部メーカーにおいて、追加的なカスタマイズで水素対応に変更できる都市ガス設備など 将来的に水素に対応できる設備(水素Ready設備)や導入時点で水素を使用できる設備 (以下「水素対応設備」という。)の導入が開始している。 ※ 水素対応へのカスタマイズに必要な設備は①混合設備、②水素圧縮機、③脱硝設備等。 • 水素対応設備は試験的に導入するケースやエネルギー情勢を踏まえた燃料転換を念頭に置 いた運用が想定されるため、新設や更新時の併用、改造についても支援が必要。 GX予算 Ⅱ型 (電化・脱炭素燃転型) ・電化及びより低炭素な燃料への転換が伴う設備 ・電化及びより低炭素な燃料への転換に伴う、水素対応への改造にかかる費用を補助(付随して設 置する設備費・工事費を含む。) ・水素対応設備の新設や併用を認める ・水素対応設備については10%以上の混焼率で実稼働させること 新設・更新 事業区分 補助対象 設備 新設/更新 中小企業 補助率 大企業 1/5(新設)、1/2(更新・改造) 3億円 (電化の場合5億円) 補助金限度額 補助対象 経費 中小 企業 設備費・工事費 大企業 設備費・工事費 ※水素対応のための改造に限り工事費を含む ※詳細については、今後変更の可能性があり、公募時に詳細は公表する。 27 事業者向け 2.省エネ診断 28 省エネ診断によるこれまでの実績 • 2019~2023年度の省エネ診断において、受診事業者が省エネ診断の内容をすべ て実施した場合の省エネ効果は、平均で13%。(※ 省エネルギーセンター実施分) 製造業 A社 • 空気圧縮機の低圧運転 卸売業・小売業 B社 • 冷凍設備の温度設定適正化 • エアブローのパルス化(on・offを繰 • デマンド監視で最大電力削減 返し、エア使用量削減) コストを238万円/年 削減 エネルギー使用量を21.4%削減 ※省エネ診断の提案をすべて実施した場合 製造業 C社 • 空調屋内機フィルターの清掃 • 配管の漏れの改善 • 配管の保温による熱損失の低減 • エアノズルの小径化によるコンプ レッサの電力使用量の削減 • 予熱時間短縮による生産設備の運 転時間短縮 コストを426.5万円/年 エネルギー使用量を26.8%削減 ※省エネ診断の提案をすべて実施した場合 • ショーケースのカーテン設置 コストを97.5万円/年 エネルギー使用量を38.5%削減 ※省エネ診断の提案をすべて実施した場合 福祉施設 D社 • 換気量の適正化による空調負荷軽減 • 空調設備の更新 • デマンド管理装置活用による最大電力の 低減 コストを978万円/年 エネルギー使用量を37.2%削減 ※省エネ診断の提案をすべて実施した場合 29 省エネ診断の課題 • 省エネ診断を実施後、約17%の中小企業等が投資改善の提案を「実施したいができない」と 回答。理由として、投資額が多大であること、回収年数が長いこと、詳細情報が無いこと等 が挙げられている。 • 例えば、リース会社等を活用すれば、初期費用を抑えつつ光熱費削減等に繋がるケースもあ り、診断後の中小企業等に対して、必要なソリューションを繋げる仕組みの強化が必要。 投資による改善(回収5年以下) 「実施したいができない」の理由(件) 実施予定なし 実施済み 23% 33% 250 200 実施したいが 150 できない 実施を検討中 15% 212 100 29% 投資による改善(回収5年以上) 50 67 120 86 28 43 47 24 調 整 方 法 が 不 明 専 門 技 術 者 が い な い 保 守 面 を 検 討 中 設 備 が 管 理 範 囲 外 5 12 補 助 金 不 採 用 今 後 検 討 予 定 0 実施予定なし 22% 実施済み 37% 実施したいがで きない 19% 実施を検討中 22% 詳 細 情 報 が 無 い 投 資 額 多 大 回 収 年 数 が 長 い ※令和4年度に省エネ診断を受診した事業所へのフォローアップアンケート調査結 果より(省エネセンター調べ) そ の 他 30 省エネ診断 令和7年度補正予算案額:33億円 「具体的に何をやればよいか分からない」との中小企業の声も多いことから、専門家による省エネ診断への支援を実 施。令和7年度補正では、改善提案の実現に向けて、ソリューションを提供する企業とのマッチングプラットフォー ムを創設。加えて、進捗状況のフォローアップを強化(取組が進んでない企業に対しては伴走支援を紹介など)。 ①事前アンケート・面談 ウォーク スルー 診断 • 専門家が、工場のエネルギー管 理者等と面談。設備の仕様や、 普段の設備の使い方を確認。 ①事前調査 IT診断 • 工場内をまわり、エネル ギーの使い方を確認。 ②機器設置・計測 • 事業者の希望や課題 等を確認し、計測の 規模や、期間等を決 定。 ③提案 伴走支援 • 同日中に、省エネ運用改善を提案。 • 後日、専門家が、工場でできる省 エネの余地をまとめた資料を作成 し、中小企業に提案・説明を実施。 • 診断受診後に、 希望する企業に対 して、改善の実行 に向けた継続的な 省エネ支援を実施。 ②ウォークスルー • 事前調査に基づき 計測機器を設置。 ③見える化・分析 ④提案 • エネルギー使用状況を可 視化し、省エネポイント を特定、改善方法を検討 • データに基づく提案を まとめた資料作成。 • よりきめ細やかな省エ ネ提案を実施。 • 具体的には、設備 更新の補助金申請 サポートや、省エ ネ改善計画の作成 等を支援。 マッチング プラットフォー ム 新設 ①支援内容を登録 ①任意で診断結果を登録 中小企業 +α 支援情報の提供に役立つ 情報の登録 (予算や想定スケジュールなど) 診断結果等 (匿名で登録) ソリュー ション ✓ 設備更新における資金支援(融 資)やリースの提案 ✓ 設備更新にあたっての補助金申請 サポート ✓ 運用改善サポート ✓ エネルギー管理 改善取組や登録の 未実施企業には フォローアップも 実施 ②支援企業と ソリューション情報を通知 等 ③中小企業が選択した 支援企業に通知、相談へ マッチング 支援企業 ・リース会社 ・メーカー ・金融機関 ・パートナー機関 等 31 家庭向け 3.省エネ住宅支援 32 家庭部門のCO2排出量及びエネルギー消費量において 給湯が占める割合 家庭のCO2排出量の内訳 家庭のエネルギー消費量の内訳 冷房 <ガス給湯機をお使いの家庭の試算> その他設 備 26% 照明 世帯あたり 3.8t-CO2/年 4.2% 暖房 16% 冷房 7% 動力・照明他 暖房 34.2% 24.2% 2023年度 28,006MJ/ 世帯 換気 5% 13% 給湯 33% ※[日本ガス石油機器工業会試算値] 4人家族、6地域(東京地区など)、都市ガス用給湯機をお使いの家庭 「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」(国交省他がWEB公 開している住宅エネルギー 算出プログラム)により算出した、上記ケースにおけるエネルギー量(一次エネ ルギー消費量)をベースに、 都市ガスの場合のCO2排出量を試算 厨房 給湯 9.7% 27.7% 家庭のCO2排出量、 エネルギー消費量の 3割程度が給湯起因 出典:エネルギー白書2025より作成。 出典:第40回省エネ小委員会 リンナイプレゼン資料より作成。 33 (参考)高効率給湯器導入支援事業の効果 補助事業が創設された2022年度以降、高効率給湯器(エコキュート、ハイブリッド、エ ネファーム)の、従来型ガス給湯器に対する年間出荷台数の割合は上昇傾向。補助金の支 援も活用して普及が加速。 3,000,000 60% 2,500,000 50% 2,000,000 40% 1,500,000 30% 1,000,000 20% 500,000 10% 0 0% 高効率給湯器 従来型ガス給湯器 エコジョーズ 高効率給湯器割合 高効率給湯器割合=高効率給湯器/従来型ガス給湯器 34 (参考)高効率給湯器メーカーの国内外での動向 ◼ 国内で開発した技術を海外に展開するなど、海外での投資の動きが見られる。 ◼ 給湯や暖房に活用されるヒートポンプ技術は、⼤きな省エネ効果を持ち、世界的に市場が拡⼤していく見込みで、 日本メーカーも世界のエネルギー消費削減への貢献を目指している。 ◼ また、ハイブリット給湯機を開発し、高効率給湯器市場に新規参⼊したメーカーもでてきているなど、新たな投 資の好循環が生まれつつある。企業ヒアリングによると、設備投資で約6,100億円、研究開発で約2,900億円 の投資が実施。(※2024年度実績額+2025年度計画額。一部空調等に関するものを含む。)。 企業名 パナソニック (ヒートポンプ) 国内外での動向 • 2018年よりチェコで欧州向けの家庭 用ヒートポンプ式温水暖房機の生産 を開始。 • 2023年に、2025年度までに450億 円を投資し、生産能力を増強すること を発表。 • 2025年8月に新棟完成・本格稼働を 開始し、生産能力は約4.7倍に。 • 北米向けに日本国内で生産した機器 を輸出・販売する想定で事業を拡⼤。 今後、日本国内の設備増強等を目的 とした投資を検討。 • ⼤洋州でも同様に事業拡⼤の検討を 進める。 • 技術開発の拠点である日本国内工場 では、海外輸出分も含めた更なる生産 能力増強を検討中。 企業名 ダイキン工業 (ヒートポンプ) 三菱電機 (ヒートポンプ) パロマ (ハイブリッド) 国内外での動向 • 2006年から欧州市場進出、2019年から ヒートポンプ式暖房でシェア1位に。 • 2022年に400億円強を投資し、ポーラン ドにヒートポンプ式暖房機の新工場設立を 決定。 • 2016年に欧州・トルコ向けの生産拠点と して、トルコ西部に工場設立。 • 2021年に同工場の生産能力強化のため の投資を発表。 • 2022年には、同工場への130億円の追 加投資を発表し、合計で150億円の投資 に(新工場建設を含む)。 • 2025年9月に、ハイブリット給湯機市場 に新規参⼊。 • 小型化に特化した本製品により、これまで 導入が困難であった集合住宅への高効率 給湯器の普及加速が期待される。 35 高効率給湯器の導⼊支援の概要 【令和7年度補正予算案額 570億円】 ⚫ 家庭での最大のエネルギー消費源である給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行い、その 普及拡大を図ることで、家庭部門におけるエネルギー消費量の削減に貢献する。 ⚫ 令和7年度補正予算では、一定程度の普及が進んできたことを踏まえ、①補助額を引き下げつつ、 更なる支援台数の増加・加速を目指すとともに 、②要件を見直し、高機能製品(DR機能の具備 など)へのシフトを目指す。 ヒートポンプ給湯機 (エコキュート) ハイブリッド給湯機 家庭用燃料電池 (エネファーム) エネルギー源 電気 電気・ガス ガス 価格 (機器・工事費) 55万円程度 57万円程度 139万円程度 主な補助額 10万円/台程度 12万円/台程度 17万円/台程度 商品イメージ 出所:三菱電機 追加措置 出所:リンナイ 出所:アイシン 蓄熱暖房機*1、電気温水器を撤去する場合 +4万円(蓄熱暖房機) +2万円(電気温水器) *1:蓄熱レンガを電気で温め、 放熱することで部屋を暖める器具。 36 既存賃貸集合住宅の省エネ化支援の概要 【令和7年度補正予算案額35億円】 ⚫ 家庭で最⼤のエネルギー消費源である給湯分野について、小型の省エネ型給湯器の導入支援を行 うことで、家庭部門におけるエネルギー消費量の削減に貢献する。 ⚫ 既存賃貸集合住宅においては、オーナーテナント問題(機器導入コスト負担者はオーナーだが、光熱 費削減効果の享受者は借主であり、省エネ設備への更新が進みにくいこと)や、設置スペースの制約 (住戸面積が小さいため、エコキュート等の高効率給湯器の導入が困難であること)などから、賃貸 集合住宅に限り、潜熱回収型給湯器(エコジョーズ等の小型の省エネ型給湯器)の導⼊を 支援する。 エコジョーズ/エコフィール (潜熱回収型給湯器) エネルギー源 都市ガス/LP/石油 特徴 従来型のガス給湯器では捨てられていた排気ガスの熱を再利 用することで、より少ないガスの燃焼でお湯を沸き上げるもの。 価格 (機器・工事費) 20~40万円程度 補助額 追い焚き機能なし:5万円/台 ※ 追い焚き機能あり:7万円/台 ※ ※ 工事内容によって追加の補助(+3万円) 出所:ノーリツ 37 住宅省エネキャンペーンにおける3省連携(新築・リフォーム) 令和7年度補正予算案 ・先進的窓リノベ2026事業(環境省) ・給湯省エネ2026事業(経済産業省) ・賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省) ・みらいエコ住宅2026事業(国土交通省・環境省) 1,125億円 570億円 35億円 2,050億円 目的 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上に資する措置や高 効率給湯器の導入など、新築住宅の省エネ化や、既存住宅の省エネリフォームへの支援を強化することが必要。 国土交通省、経済産業省及び環境省は、3省の連携により、「省エネ住宅の新築を支援する補助制度」、「既存住宅の省エネリ フォームを支援する補助制度」のそれぞれについて、各事業を組み合わせて利用すること(併用)を可能とする。 対象 みらいエコ住宅2026事業 補助額 ( )は1~4地域 対象世帯 対象住宅 すべての世帯 GX志向型住宅 110万円/戸 (125万円/戸) 長期優良住宅 最大95万円/戸 (100万円/戸) ZEH水準住宅 最大55万円/戸 子育て世帯等※ + (60万円/戸) ※ 「18歳未満の子を有する世帯(子育て世帯)」又は「夫婦のいずれかが39歳以下の世帯(若者夫婦世帯)」 蓄電池を設置する場合の補助事業 補助概要 補助率 DR※1に対応したリソース導入 拡大支援事業(仮)※2 DRに活用可能な家庭用等 蓄電システムの導入を支援 3/10 ※1ディマンド・リスポンスの略称。電力需要を制御することで、電力需給バランスを調整する仕組み。 ※2別途申請の必要有。蓄電システムに係る契約または受発注及び支払いは交付決定前の着手不可。 + 既存住宅の省エネリフォームにおける3省連携 ○以下の各事業を組み合わせて利用する場合には、ワンストップの一括申請の実施を予定している。 工事内容 1)高断熱窓の設置 ①省エネ 改修 高効率給湯器の設置 2)給湯器 既存賃貸集合住宅における エコジョーズ等取替 補助対象 先進的窓リノベ2026事業 高性能の断熱窓 最大100万円/戸 給湯省エネ2026事業 高効率給湯器 最大17万円/台 エコジョーズ/エコフィー ル 最大10万円/台 賃貸集合給湯省エネ2026事業 3)開口部・躯体等の省エネ改修工事 ②その他のリフォーム工事※ 補助額 既存住宅の省エネ改修 みらいエコ住宅2026事業 住宅の子育て対応改修など 最大100万円/戸 ※ 省エネ改修とあわせて行うリフォーム工事に限る。 38 断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業 (経済産業省・国土交通省連携事業) 【令和7年度補正予算(案) 112,500百万円】 くらし関連分野のGXを加速させるため、断熱窓への改修による即効性の高いリフォームを推進します。 • 2050年ネット・ゼロの実現や2030年度の温室効果ガス削減目標の達成に貢献するため、断熱性能の高い窓の 導入を支援し、住宅の脱炭素化と「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現に貢献する。 1. 事業目的 • 先進的な断熱窓の導入加速により、価格低減による産業競争力強化・経済成長と温室効果ガスの排出削減を共 に実現する。 4. 補助事業対象の例 2. 事業内容 住宅における熱の出入りの大半は窓等の開口部で発生しているにもかかわ らず、日本の住宅の7割は単板ガラスの窓のみによって構成されていること から、窓の断熱改修による住宅の省エネ・省CO2化のポテンシャルは大きい。 このため、本事業では、くらし関連分野のGXを加速させるため、既存住宅等 における断熱窓への改修に対して補助を行う。 • 補助額:工事内容に応じて定額 • 対 象:住宅及び一部の非住宅建築物における、窓(ガラス・サッシ) の断熱改修工事(内窓設置、外窓交換、ガラス交換)等 • 要 件:熱貫流率(Uw値)1.9以下など、建材トップランナー制度 2030年目標水準値を超えるもの、その他の要件※を満たすもの等 内窓設置 内窓 外窓交換 既存の サッシ 【現状】 日本の住宅の7割は 単板ガラス窓のみ ※要件の一例(企業の規模等による) 製造事業者が当事業の実施によって得られる収益の一部を基に自社の成長等を図っていくこと 等についてコミットすること。 すべての窓が 二重サッシ又は 複層ガラス窓 (約18%) 単板ガラスのみ (二重サッシ又は 複層ガラス窓な 3. 事業スキーム し)(約67%) ■事業形態 間接補助事業 ■補助対象 住宅の所有者、民間事業者及び団体等 ■実施期間 令和7年度 お問合せ先: お問合せ先: 環境省 地球環境局 ガラス交換 出典:R5住宅・土地統計調査を基に 環境省作成 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室/住宅・建築物脱炭素化事業推進室 住宅の熱の出 入りの7割は 開口部から 一部の窓が 二重サッシ又は 複層ガラス窓 (約16%) 参照:(一社)日本建材・住宅設備産業協会省エネルギー建 材普及促進センター「省エネ建材で、快適な家、健康な家」 電話:0570-028-341 39 みらいエコ住宅2026事業(Мe住宅2026)の概要 令和7年度補正予算案:2,050億円 ※GX経済移行債を含む。 1 制度の目的 ○ 2050年カーボンニュートラルの実現に寄与する良質なストック形成を図るため、「ZEH水準住宅」や「長期優良住宅」の新築、特に高い省エネ性能 等を有する「GX志向型住宅」の新築及び省エネ改修等への支援を実施し、物価高の影響を受けやすい住宅分野の省エネ投資の下支えを行う。 2 補助対象 補正予算案の閣議決定日(令和7年11月28日)以降に、工事着手したもの(新築の場合は基礎工事に着手、リフォームの場合はリフォーム工事に着手)に限る。 既存住宅※9のリフォーム※10 住宅※1,2の新築(注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅) 対象世帯 すべての世帯 子育て世帯 または 若者夫婦世帯 補助額 対象住宅 ( )は1~4地域 GX志向型住宅※3 110万円/戸(125万円/戸) 長期優良住宅※3,4 75万円/戸(80万円/戸) 古家の除却を行う場合※5 35万円/戸(40万円/戸) 55万円/戸(60万円/戸) 古家の除却を行う場合※5 断熱性能 一次エネルギー 消費量の削減率 再エネを除く 再エネを含む 高度エネルギーマネジメント 平成4年基準を満た さないもの 95万円/戸(100万円/戸) ZEH水準住宅※3,4 各対象住宅の要件 対象住宅※11 GX志向型住宅※6 長期優良住宅・ZEH水準住宅 等級6以上 等級5以上 20%以上(一次エネ等級6以 上) 35%以上(一次エネ等級8) 原則100%以上※7 HEMS※8の設置等 ※1:対象となる住戸の床面積は50㎡以上240㎡以下とする。 ※2:以下の住宅は、原則対象外とする。 ① 「土砂災害特別警戒区域」、「急傾斜地崩壊危険区域」又は「地すべり防止区域」に立地する住宅 ② 「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災 害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域又は浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、3戸以上の開発 又は1戸若しくは2戸で規模1,000㎡超の開発によるもので、都市再生特別措置法に基づき立地を適正なものとす るために行われた市町村長の勧告に従わなかった旨の公表に係る住宅 ③ 「市街化調整区域」のうち、「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域 における浸水想定高さ3m以上の区域に限る。)」に立地する住宅 ④ 「市街化調整区域以外の区域」のうち、「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸 水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域に限る。)」かつ「災害危険区域」に立地する住宅 ※3:「GX志向型住宅」は環境省において実施、「長期優良住宅」及び「ZEH水準住宅」は国土交通省において実施。 ※4:賃貸住宅の場合、子育て世帯等に配慮した安全性・防犯性を高めるための技術基準に適合することが必要。 ※5:住宅の新築にあわせ、建替前に居住していた住宅など建築主(その親族を含む)が所有する住宅を除却する場合。 ※6:建築事業者がGXの促進に対する協力について表明等(温室効果ガスの排出削減のための取組の実施、省エネ性 能を満たす住宅の供給割合の増加など)することとする。 ※7:戸建住宅、共同住宅の別に応じて、基準値はそれぞれ下表のとおりとする。 【戸建住宅(立地)】 【共同住宅(階数)】 右記以外の地域 寒冷地 又は 低日射地域 都市部狭小地等 又は 多雪地域 1~3 4・5 6以上 100%以上 75%以上 要件なし 75%以上 50%以上 要件なし ※8:他の機器との接続が可能な規格に適合することが必要。(接続の是非は居住者の判断) 平成11年基準を満 たさないもの 改修工事 補助上限額※12 平成28年基準相当に達する改修 上限:100万円/戸 平成11年基準相当に達する改修 上限: 50万円/戸 平成28年基準相当に達する改修 上限: 80万円/戸 平成11年基準相当に達する改修 上限: 40万円/戸 補助対象工事 必須工事 開口部、外壁、屋根・天井又は床の断熱改修、 エコ住宅設備の設置の組合せ※13 附帯工事※14 子育て対応改修、バリアフリー改修等 ※9:賃貸住宅や、買取再販事業者が扱う住宅も対象に含まれる。 ※10:「先進的窓リノベ事業」、「給湯省エネ事業」及び「賃貸給湯省エネ事業」(これらを総称して「連携事業」という。)と のワンストップ対応の実施を予定している。 ※11:「平成4年基準を満たさないもの」とは平成3年以前に建築された住宅など、「平成11年基準を満たさないもの」とは 平成10年以前に建築された住宅などが該当する。 ※12:補助額はリフォーム工事の内容に応じて定める額を合算した額。 ※13:「『リフォーム前の省エネ性能』と『リフォーム後の省エネ性能』に応じた改修部位や設備の組合せ」をあらかじめ指 定・公表する。 ※14:補助対象となるのは必須工事を行う場合に限る。なお、連携事業は必須工事とみなす。 必須工事のパターン(例) 平成28年基準相当水準▼ 改修工事内容例① ▼平成11年基準相当水準 窓、外壁、床の断熱改修 高効率エアコン、高効率給 湯器の設置 等 改修工事内容例② 窓、天井、床の断熱改修 ▼平成4年基準を満たさない住宅 40 41 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 42 更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 (1) 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 • 地域の金融機関等と連携し、中小企業等の潜在的な省エネニーズを掘り起こすため、令和6年度から省エ ネ・地域パートナーシップを開始。来年度も継続しつつ、表彰制度創設など強化策を実施。 (2) デジタル・AI技術の導入促進 • デジタル・AI技術による省エネ・生産性向上に向けた手引き(デジタル省エネ手引き)(案)を作成。 中小企業等に対して検討のきっかけを与えることを目的に、導入事例を紹介するとともに、検討に向け たポイントの例を紹介。 (3)住宅・建築物の残された課題への強化策 • GX予算も活用し、省エネ性能の高い住宅・建築物の普及促進に向けて一定の環境整備を進めてきた。残 る課題を整理しつつ、必要な支援策の検討を進める。 (4)先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 • 今後、更なる省エネ推進のためには、先進技術開発の強化が鍵。現在、NEDOプロジェクト(脱炭素 PG)により高効率機器等のイノベーション開発等を支援。実証を踏まえて実用化段階に入る技術が増え つつある中で、開発で終わらせず普及まで繋げる一体的的な支援のあり方を検討。 43 (参考) 令和8年度に向けて支援の強化を検討する事項 • 第48回の省エネルギー小委員会で議論した支援の強化事項について、当初予算等も活 用しつつ、対策の実施について継続して検討する。 2040に向けた旗印 (官民での認識一致を目指す) ・エネルギー基本計画・温対計画を踏まえた必要な施策の具体化、見直し ・2040を意識したソフトな基準づくり ーZEH定義の見直し、給湯器の省エネ・非化石エネルギー転換目安 ・省エネ・非化石エネルギー転換技術戦略の改訂(DRを含む) 目標の前倒し、引き上げ 実現に向けた誘導 市場の拡大(普及中期~) 市場の創出(普及初期) ・先進的設備の導入支援 -導入補助(先進枠、脱炭素燃転型) -ZEB未評価技術の実証 ・GX市場創造 ーGX価値の川下への移転、公共調達の活用 ・DRの普及・拡大に向けた実証支援 ースマートメーターを活用したDR実証 【今後の検討の視点(例)】 ・デジタル・AIによるシステムでの省エネ ・先進設備の需要創出支援 技術開発(シーズを生み出す) ・脱炭素PG等の開発事業 -FS調査から実用開発まで支援 【今後の検討の視点(例)】 ・スタートアップの巻き込み【済】 ・普及までの連続性の確保 <支援措置> 気づきを与える ・省エネ診断 ・省エネ・地域パートナーシップ 【今後の検討の視点(例)】 ・専門人材の確保 ・連携の強化 ー金融機関、リース会社、メーカー 等の接続 ・助言内容の拡大(燃料転換等) ・設備の導入支援 -導入補助(一般枠、設備型等) -高効率給湯器補助金、ZEH改修事業等 【今後の検討の視点(例)】 ・中小企業の投資拡大 ・サプライチェーンにおける連携 ・設備新設時の支援【補正で実施】 <誘導規制、情報開示等> ・中長期計画の活用 -屋根置き太陽光の設置余地 ・トップランナー制度の各基準見直し ・情報開示の促進(自己目標スキームの活用) -エネルギー供給事業者の消費者向け取組 ーデータセンターの効率化 ・DRready要件の設定 44 (1) 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 45 省エネ・地域パートナーシップ • 中小企業等の潜在的なニーズを掘り起こし、取組を更に促すため、地域の金融機関や省 エネ支援機関とともに、2024年7月に「省エネ・地域パートナーシップ」を立ち上げ。 (2025年10月末時点で、208の金融機関、68の省エネ支援機関が参加。) 国及び省エネ・地域パートナーシップ事務局の取組(例) パートナー機関(金融機関、省エネ支援機関)に期待される取組(例) パートナー機関による省エネ支援の活動を後押し(以下の情報提供等) 地域の身近な支援者として、中小企業等の省エネを後押し ✓ 省エネをめぐる政策動向、省エネ設備導入補助等の公的支援策 ✓ 中小企業等からの省エネ相談への丁寧な対応 ✓ 中小企業等で省エネを進める際の着眼点 ✓ 省エネ支援策に関する助言・発信、ニーズに合った支援策の検討 ✓ 地域におけるベストプラクティス ✓ パートナー機関自身の、省エネに関する提案力の向上 ✓ 金融機関の担当者向けのドアノックツール ✓ 地域で省エネ助言等を行う人材を増やすための取組 46 パートナー金融機関の取組状況 ⚫ 省エネ・地域パートナーシップを創設した令和6年度と比較して、令和7年度はより多く の金融機関で省エネに係る取組が強化される見込み。 ⚫ 一方で、パートナー機関のなかでも温度差が見られるため、横展開を図る仕組みが必要。 ◼ 令和6年度の活動報告の主な内容 ◼ 令和7年度の主な取組方針・活動計画 (パートナーシップを通じた体制の変化等) • 2割未満の金融機関が支店・営業店への 研修を実施 • 1割未満の金融機関が支店・営業店への インセンティブ付けを実施 (今後の取組方針) • 5割の金融機関が支店・営業店への研修 を実施 • 4割の金融機関が支店・営業店へのイン センティブ付けを実施(80機関は支店・ 営業店の業績評価や表彰制度に反映、16 機関は個人の業績評価や表彰制度に反 映) (省エネ支援機関との連携) • 3割の金融機関が連携を行い、連携を通 じた活動を実施 - 例. 連携を通じて省エネセミナーを開催 し、省エネ診断・補助金紹介の実施 (省エネ支援機関との連携) • 7割強の金融機関が連携を想定し、何ら かの活動を計画している - 連携の第一歩として、行員の方々の知識 を深める研修・勉強会の実施 - ネクストステップとして顧客への同行訪 問を実施 ※事務局で取組報告の内容を元に回答内容を類型し、整理した上で集計を実施。令和6年度と令和7年度は同じ設問による回答ではな かったためあくまでも参考比較 47 省エネ・地域パートナーシップ 地域ブロック会議 ⚫ パートナー金融機関とパートナー省エネ支援機関の連携を深める場(地域ブロック会 議)を全国各地で開催。 ⚫ 地域ブロック会議ではパートナー機関同士が交流する場を創出し、互いの取組の理解を 通じて連携強化をはかり、地域の省エネ支援体制の強化に繋げる。 北海道局 開催時期:10/15(水) 主な議題: ①パートナー省エネ支援機関の取組 紹介②参加者間での意見交換 近畿局・中部局 近畿局 開催時期:9/11(木) 主な議題:①金融機関の先進 事例紹介②ワークショップ 開催時期:12/1(月) 主な議題: ①先進事例の紹介②パネ ルディスカッション 東北局 開催時期:5/30(金) 主な議題: ①金融機関の先進事例紹介②参 加者間での意見交換 中国局 開催時期:9/16(火) 主な議題: ①金融機関の先進事例紹介②パ ネルディスカッション 関東局 開催時期:11/12(水) 主な議題: ①先進企業の事例紹介② パートナー機関の連携事 例紹介 沖縄局 開催時期:11/19(水) 主な議題: ①省エネ診断の事例紹介②参加 者間での意見交換 中部局 九州局 開催時期:11/7(金) 主な議題: ①金融機関の先進事例紹介② パートナー省エネ支援機関の取 組紹介 四国局 開催時期:9/4(木) 主な議題: ①パートナー省エネ支援 機関の取組紹介②参加者 間でのの意見交換 開催時期:8/26(火) 主な議題: ①省エネ診断の事例紹介②パート ナー省エネ支援機関の取組紹介 提供元: Bing © GeoNames, Microsoft, Zenrin 48 地域ブロック会議 近畿(2025年9月11日実施) 時間 内容 13:00~13:10 開会挨拶・趣旨説明 金融機関の先進事例紹介 13:10~14:10 ○静岡銀行:同行が開発した「しずおかGXサポート」排出量算定ツールの普及を通 じて地域の省エネ・脱炭素の働きかけや顧客への省エネ支援の実例を紹介。 ○三島信用金庫:自治体との連携を通じた地域の脱炭素の推進や省エネ診断を有効 活用した顧客への省エネ支援事例を紹介。特徴的な取組として、省エネ診断を通じ て金庫内の人材育成も実施。 (ネットワーキングの様子) 省エネ・非化石転換補助金・省エネ診断の説明 14:10~14:35 ○補助金執行団体:顧客へ活用を促していただけるよう省エネ・非化石転換補助 金・省エネ診断の概要や手続き等について説明。 14:45~15:25 ○名刺交換会及びパートナー省エネ支援機関の取組を紹介する個別説明会を実施。 15:25~16:35 ○パートナー金融機関・パートナー省エネ支援機関・行政等関係機関が1グループと なり、仮想企業に対してできる省エネ提案を検討。 ネットワーキング ワークショップ (ワークショップの様子) 参加機関:パートナー金融機関 20機関、パートナー省エネ支援機関 13機関、その他 6機関(自治体等) (参加した金融機関からのコメント) ✓ 同じ金融機関の先進事例は当庫としても今後の方向性を決めていく上で参考になった。 ✓ 省エネ・非化石転換補助金の説明の仕方がわかりやすく、お客様に説明する際の勉強になった。 ✓ 他の金融機関、省エネ支援機関、自治体と同じテーマでワークショップを実施したことで、各 機関によって回答や見方が異なることが分かり、大変勉強になった。 49 省エネ・地域パートナーシップの更なる発展に向けた検討内容 ① 省エネ大賞金融機関部門の枠組の新設 ⚫ 省エネ・地域パートナーシップの立ち上げ以降、パートナー金融機関の省エネ支援に 対する意識変化や、各地で好事例が見られるようになった。そこで、優れた取組を行 うパートナー金融機関を省エネ大賞(省エネセンター)で表彰できるように枠組の新 設を検討中。 ② 伴走支援事業の推進に向けた取組 ⚫ 令和7年度は、金融機関から紹介を受けて省エネ診断を受診した事業者が増加。今後、 受診しただけで終わらず、改善活動に着実に繋げることが課題。省エネ診断後のフォ ローとして用意している伴走支援事業へ繋げていくことが重要であり、金融機関とも 連携し、伴走支援機関の活用や、診断結果の実現を促すための体制構築について検討 する。 ③ 研修制度の充実 ⚫ 脱炭素・省エネの分野について、金融機関の営業担当者が十分な知見を高めることが 中小企業等の取組を促す上で重要。そこで、知識向上を支援するため、金融機関向け のEラーニング講座を開設するなど、効率的に学べる環境整備等について検討。 ⚫ 加えて、省エネ支援機関においても、診断員の高齢化が進んでおり、専門人材の確保 が必要。省エネ診断員となり得る潜在層(エネルギー管理士等)が必要な知識を身につけるため の研修を充実させるため、オンライン研修を実施するとともに、現地での経験を模擬的に蓄積させ るためのVR研修等の実施を検討する。 50 (2)デジタル・AI技術の導入促進 51 デジタル・AI技術による省エネ・生産性向上に向けた手引き (デジタル省エネ手引き)(案)を作成 ⚫ 第48回までの省エネルギー小委員会において、デジタル・AI技術の導入の必要性等につい て議論し、今後、事例を収集の上で、デジタル技術活用に向けたガイダンスを策定するこ ととした。 ⚫ これを踏まえ、企業等がデジタル・AI技術の利用拡大に向けた検討のきっかけをつくるこ とを目的に、 1. デジタル利活用に関心を持つために必要な情報 - 今、導入を検討すべき理由 - 期待される効果 2. デジタル技術の導入を進めるためのポイントの例 3. 事例集 をまとめた、「デジタル・AI技術による省エネ・生産性向上に向けた手引き(デジタル省 エネ手引き)」の案を作成。 ※次ページ以降に手引きの概要を掲載。詳細は別紙を参照。 ⚫ これらの公表に向けて、委員からのコメント等をいただきたい。 52 手引きのポイント 1. ~デジタル技術の導⼊の必要性~ 1. 近年、電気料金などのエネルギーコストが急騰し、省エネは重要な経営課題となっている。 2. 機器のエネルギー使用効率化の停滞により、今後の省エネ改善が鈍化するという声もある。 3. 国内製造業のスマートファクトリーの取組状況を見ると、デジタル化は必ずしも進んでいない。 4. 世界的にもデジタル活用によるエネルギー最適化に注目が集まりつつある。 1.電気料金の高騰 電気料金単価 (円/kWh) 40 2.”As is “だと省エネの取組が鈍化する可能性 “To be”を含めた検討が必要 電灯平均単価(家庭用) 電力平均単価(産業用) 30 20 10 0 約83%上昇 (2010年度比) 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 年度 3.国内製造業のデジタル化の必要性 4.世界的にもデジタルによる省エネに注目が集まる IEAレポート「Energy and AI」では、産業分 野におけるエネルギー最適化のためのAI活用が 述べられている。 中国でも、工業分野において「省エネ3.0時 代に入り、デジタル化・システム化・一体化 で効率化を推進する」と述べられている。 53 手引きのポイント 1. ~デジタル利活用による省エネの効果(1)~ • 省エネのみならず、生産性向上等と一体的な取組が可能。 -生産性の向上を目的とした取組が省エネにつながり、省エネによる取組が生産性向上 等に繋がることも珍しくない。 • 「省エネ」や「生産性向上」といった複数観点からの効果を意識することで、取組推進 にあたっての投資対効果が高まる。 54 手引きのポイント 1. ~デジタル利活用による省エネの効果(2)~ ⚫ 「見える化」「データ分析」「制御自動化」のそれぞれの段階で、有益な効果を生み出し ている事例が存在(詳細は事例集に掲載)。 55 事例①:見える化におけるデジタル活用 ⚫ 人手で実施していた電気設備等の巡回点検を、デジタル技術(センサー等)を活用し、よ り細かな粒度/新規データの取得により、過剰な電力・資材消費を削減。 56 事例②:データ分析におけるデジタル活用 ⚫ AIの活用によって、設備立ち上げ時間や生産ロス時間等を最適化(改善箇所の候補とその 要因の更なる深掘りを実施)。分析の属人化も解消(ノウハウがない職員も改善可能)。 57 事例③:デジタル活用による自動制御の高度化 ⚫ AIの活用により化学プラントに設置された蒸留塔の環境の制御自動化を実現、大幅な省エ ネ効果を発揮。 58 手引きのポイント 1. ~デジタル利活用による省エネの効果(3)~ ⚫ デジタル活用の範囲を、個別設備だけでなく、「ユーティリティー設備連携」「生産設 備・生産計画連携」「工場等の連携」「サプライチェーンの連携」と範囲を広げることで、 効果の拡大が可能。 ⚫ “デジタル利活用の段階”と“デジタル利活用の範囲”のそれぞれの領域毎に事例を整理(詳 細は別紙参照。)。 ⚫ 加えて、AIの導入により、「自動化の工程拡大」や「自動制御の高度化」等が可能となる。 AI導入による更なる高度化 自動化: AIによって自動化できる工程の拡大 自動化の深化: 処理できる情報を増やし、正確な評 価・制御を高度化 等 “デジタル利活用の範囲”を広げ効果を拡大 個別設備 見える化 ユーティリティ連携 連続的プロセス の連携 生産性設備連携 サプライチェーン連携 工場連携 データ分析 制御自動化 “デジタル利活用の段階”を上げることで、 それぞれの効果を得る 59 手引きのポイント 2. ~導⼊に向けた検討の視点(1) 検討の流れ~ ⚫ 検討の流れと、それぞれにおけるポイントの例を示す。 60 手引きのポイント 2. ~導⼊に向けた検討の視点(2)エネルギーと生産管理の両部門の旗振り役等~ ⚫ 単一部署に閉じず、多面的な目標、問題解決が求められるため、トップダウンでの推進が望ましい。 ⚫ また、エネルギー管理と生産管理両者の“旗振り役”の参画が重要。 ◼ 単一部署の管掌内での検討では、改善の制約条件が多く効果が限定的になる。エネマネ部門、生産計 画・設備稼働の管理部門のような、生産の両輪の巻き込みが重要。 ◼ また、エネルギー管理/生産管理両者を所管し、目標等の調整に対する権限を持つ経営層(役員・拠点長 61 等)やDX推進部署等のメンバーを”旗振り役”として任命・参画させることが重要。 手引きのポイント 2. ~導⼊に向けた検討の視点(3) あるべき姿の検討~ ⚫ まずはあるべき姿を設計し、そこに向けて施策展開の計画を進める。初手から大規模な投 資が困難な場合はスモールスタートで取組みはじめ、その後あるべき姿を見据えて拡大す る。”AS IS” から” TO BE”を意識した取組の加速が重要。 “To be” 62 手引きのポイント 3. ~事例の詳細~ ⚫ 調査した事例の内容と効果の詳細について示す。 63 今後の取組の方向性 (1)支援策を活用したデジタル・AI技術の導入促進 • 作成した手引き(デジタル省エネ手引き)も活用しつつ、デジタル・AI技術導入の 加速を図るため、例えば、省エネ・非化石転換補助金の「(Ⅳ)エネルギー需要最 適化型(エネルギーマネジメントシステムの導入支援)」と一体的に周知を行って いくこととしてはどうか。 • 加えて、サプライチェーンによるデジタル連携の促進や、メーカー・コンサル企業 等から中小企業に対して導入を促す体制の構築、といった観点で、追加的に必要な 取組はあるか。 (2)手引きのアップデート • 上記の支援策等により、デジタル・AI技術を活用する事例を増やし、今回作成する 手引きのアップデート等を実施してはどうか。 • 具体的には、業務用ビルや流通に関する事例の拡充や、中小企業向けの手引きの作 成等も検討するべきではないか。また、サイバーセキュリティーに関する措置につ いても追加を検討してはどうか。 (3)制度の見直し • 上記の支援策等による普及状況を踏まえつつ、省エネ・非化石転換法における定期 報告に、デジタル・AI利活用の導入状況等について報告させるなど、制度的な措置 の可能性を検討することとしてはどうか。 64 (3) 住宅・建築物の残された課題への強化策 65 住宅・建築物の省エネ目標について 【第7次エネルギー基本計画(抜粋)】 ➢ 2050年にストック平均でのZEH・ZEB基準の省エネ性能(※1)(※2)の確保を 目指し、 ➢ これに至る2030年以降に新築される住宅・建築物はZEH・ZEB基準の水準の省エネ 性能(※1)の確保を目指す。 ➢ 規制・制度の在り方については、こうした目標と整合するよう、住宅・建築物におけ る省エネルギー基準の段階的な水準の引上げを遅くとも2030年度までに実施する。 ※1 標準的な住宅と比較して、20%の省エネ(ZEB(事務所)は40%削減)。 ※2 ストック平均でZEH水準を確保するためには、既築住宅の省エネ改修やZEH水 準を上回る住宅の普及拡大に取り組む必要。 66 2025/11/17 第12回GX実現に向けた 専門家ワーキンググループ資料より 67 2025/11/17 第12回GX実現に向けた 専門家ワーキンググループ資料より 68 2025/11/17 第12回GX実現に向けた 専門家ワーキンググループ資料より 69 更なる住宅支援策の実施に向けて(案) ◼ 2023年度の新築戸建住宅において、ZEH水準の省エネ性能を満たす割合は約46%と推計され、今 後更なる加速が必要であるが、遅くとも2030年以降に新築される住宅はZEH水準の省エネ性能の確 保を目指す。 ◼ 2050年に向けては、ストック平均でZEH水準の省エネ性能を目指すため、 ①新築住宅についてZEH水準を⼤きく超える水準の住宅(GX ZEH)の普及 ②既築住宅の省エネ改修による底上げ の強化が必要であり、①の新築については、関連予算・制度一体で令和7年度の取組を継続・強化し つつ、②の既存住宅については、部分改修※を促進しつ、加えて、例えば、築古の住宅をスケルトン改 修する際等に⼤幅な省エネ性能の向上※を促進する支援策を強化する必要がある。 ※ 断熱性能の向上や、高効率省エネルギー機器への更新 ZEH水準の省エネ住宅の普及状況 100%(目標) 省エネ基準等の 100% 段階的な引き上げを実施 80% 37% 40% 14% (省エネ性能) ●GX ZEH水準 (定義新設) ※2025年に省エネ基準義務化 ※2030年までに新設住宅のZEH水準の 省エネ性能確保を目指す 60% 20% 「ZEH水準超える省エネ住宅の普及」と「改修の促進」が必要 BEI 0.75 46% ○ZEH水準(目標) BEI 0.8 BEI 0.85 25% BEI 0.9 ○現行法定基準 ー2016年基準 0% 2019 2020 BEI 0.7/0.65 2022 2023 新築住宅のZEH水準の省エネ性能への適合率推計 出典)建築着工統計調査やアンケート調査等に基づく国土交通省推計値 ストック平均でZEH水準の 省エネ性能を確保するため にはZEH水準を大きく超え るストックの増加が必要 2030 ○法定基準以下 ー1999年基準 ー1992年基準 ー1980年基準 BEI 1.0 グラフはイメージ ※脱炭素社会に向けた住宅・建築物の 省エネ対策等のあり方検討会を参照 【断熱改修+新築】 BEI 1.0以上 【高効率省エネルギー 【断熱改修+滅失】 機器への更新】 (ストック戸数) 70 更なる建築物支援策の実施に向けて(案) ◼ 2023年度の新築建築物において、ZEB水準の省エネ性能を満たす割合は約37%と推計され、今後 更なる加速が必要であるが、遅くとも2030年以降に新築される建築物はZEB水準の省エネ性能の確 保を目指す。 ◼ 一方で、①病院や商業施設などZEB化が進みにくい建築物(ZEB化困難ビル)があり、また、②既 存建築物の改修については、例えば、テナントビルなどは一度に全体改修を実施しにくく、ZEB改修 が進んでいないこと、加えて、③ZEB化を進めるために鍵となる新たな技術(未評価技術)について、 各技術の定義や、性能を評価するために必要となる試験規格等、評価する上で必要な情報が整理 されておらずZEB認証に活用されていないなどの課題がある。 ◼ こうした課題に対して、追加的に支援と制度の一体的な措置を講じて、更なる促進を進めていく必要が ある。 ZEB水準の省エネ建築物の普及状況 用途毎に新築ZEB化比率が異なる 既築改修によるZEB化は途上 100%(目標) 60.8% 840 671 35.1% 377 26% 34% 37% 2019年度 2022年度 2023年度 新築 既築 16.8% 11.4% 10.9% 4.5% 34 41 26 9 75 ZEBプランナー設計受注実績 2030年度 新築建築物のZEB水準の省エネ性能への適合率推計 用途毎の新築建築物におけるZEB化比率の推計(2023年度) 出典)建築着工統計調査やアンケート調査等に基づく国土交通省推計値 出所)建築物着工統計調査、 一般社団法人住宅性能評価・表示協会公表データより経済産業省推計値 71 (4) 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 72 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 ⚫ 現在、NEDOにおいて、提案公募型による、省エネに資する技術開発・社会実装支援プログラム(脱炭素PG)を 実施している。 開発段階に合わせたフェーズ毎の支援を行ってきたが、2040年に向けた先進技術の実用化・普 及の加速のため、GX予算も活用しながら取組の強化を検討。 ⚫ 具体的には、①GX予算も活用して、事業スキームや運用を改良することで間口を拡大するとともに(一方でス テージゲート審査は強化)、②事業の進捗に応じて事業計画(投資・実施体制の計画等)の作成・経営者のコ ミット等を求め、また、③実用化に成功した技術については、省エネ・非化石転換補助金の支援対象リストに掲 載するなど、初期需要創出まで、シームレスな支援環境の強化を検討する。 ①GX予算も活用して、事業スキームや運用を改良することで間口を拡大 ②事業の進捗に応じて事業計画(投資・実施体制の計画等)の作成・経営者のコミット 初期需要創出 ・省エネ・非化石転換補助金により、 ユーザー企業の設備導入を支援 ・このため、NEDOと補助金執行団体が 開発中の技術情報の共有等連携を図 り、NEDOからの推薦等を実施 ・GXⅢ類型を活用することで、新設も 含めて導入の加速が可能 想定事例 ○140度以上の高温産業用ヒートポンプ ○データセンターに係る省エネ技術 ○半導体製造に関連する技術 脱炭素PGのスキーム図 省エネ・非化石転換補助金 73 脱炭素PGの成果例(低温廃熱発電) 捨てられていた低温廃熱を高効率で回収し、発電 事業者:㈱馬渕工業所、フェーズ:実用化開発~実証開発 、支援時期:2020年度~2025年度 (研究の背景) • 工場等では利用されずに空気中に排出される熱エネルギーが多く存在。 • 200℃未満の低温廃熱は、工場等産業廃熱の7割を占めるともいわれ、この有効活用はエネルギーの効率的 利用に有効。ただし、低温のためエネルギー密度が小さく、回収・利用を低コストで実施することが課題。 (本テーマの成果) ⚫ 200℃未満の低温の工場廃熱を高効率に回収して発電するシステムを開発。耐久性・信頼性の向上や発電効 率の向上、自動制御やWebによる監視も合わせて構築し、高効率・低価格な発電システムを実現。 ⚫ リチウムイオン電池と連携して充放電できる制御システムの確立にも成功(デマンドコントロールも可能)。 系統電源喪失時にもオフグリッド電源として、BCP対策やレジリエンス性の向上にも貢献する成果となった。 ⚫ 2040年度で13万kL/年(原油換算)以上の省エネ効果量が出ると推計。 → 本製品を省エネ・非化石転換補助金と連動させることで、初期需要の拡大を目指 すことが可能。 74 事業化時の発電システム外観 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 75 4.一連の制度改正に向けた状況 ①データセンターの効率化に向けた取組 ②屋根設置太陽光発電の導入促進 ③沖縄における火力発電専用設備の新設基準 ④ガス温水機器のトップランナー基準 ⑤GX ZEHの新設(ZEHの新定義) ⑥建築物のライフサイクルカーボン評価を促進する制度の検討 76 データセンター業のエネルギー使用の更なる効率化に向けた規制 • データセンター(DC)の最大限立地のため、電源の確保と共に、DC自身の更なるエネル ギーの使用の効率化を促すべく、事業者が満たすべき効率を設定する等、省エネ・非化石 転換法上の追加措置を講じる予定。 • 2025年10月~11月にパブリックコメントを実施済で、2026年4月1日から施行予定。 現行措置 DC業に関する追加措置 DC業が満たすべきエネルギー効率の提示 全 業種 共通 • エネルギー消費原単位の改善 (中長期で1%/年) • 目標達成のための中長期計画 及び実績に係る定期報告の提 出 ※年度のエネルギー使用量が原油換算 1500kl以上の事業者が対象 DC 業 • ベンチマーク制度の一環で、 2030年度を目標年度として、 事業者平均のエネルギー効率 基準(PUE)を1.4以下とす る。 ※DC業の年度のエネルギー使用量が原油 換算1500kl以上かつDCの建物・付帯設備 のエネルギー管理権限を持つ事業者が対 象 追加 措置 ① • 2029年度以降に新設するDCについて、稼働して2年経過後に満たすべ きエネルギー効率基準(PUE)を1.3以下とする。 ※当該基準を満たさない場合、合理化計画の作成を指示。指示に従わない場合は、その旨 の公表や指示に従うべき旨の命令を行い、従わなければ罰金を科す。報告を行わなかった 場合や虚偽の報告を行った場合も罰金を科す。 DC業の目標・取組方針・実績を可視化 追加 措置 ② • DC業の定期報告等の内容を拡充し、DC事業者にその一部の開示を求め る。(2025年度以降に新設されたDCの名称やPUE等) • 国は公表状況のフォローアップを行い、集計レベルの情報を公表。 ※公表は、先進的な取組が社会から評価され業界内で広がることで、取組全体の高度化・ 底上げを図ることが目的。 追加 措置 ③ テナント型DCもPUE算定の対象に追加 • DCのIT機器のみのエネルギー管理権限を有するホスティング・クラウ ド(テナント型)DC事業者も、その専有部分における付帯設備の運用 権限(例:温度設定) 及びPUE効率化に係る責務を有するとして、現行 ベンチマーク制度及び追加措置①②の対象とする。 77 4.一連の制度改正に向けた状況 ①データセンターの効率化に向けた取組 ②屋根設置太陽光発電の導入促進 ③沖縄における火力発電専用設備の新設基準 ④ガス温水機器のトップランナー基準 ⑤GX ZEHの新設(ZEHの新定義) ⑥建築物のライフサイクルカーボン評価を促進する制度の検討 78 工場等における屋根設置太陽光発電の導入促進 • 工場等の非化石エネルギーへの転換に当たり、導入余地が比較的大きい屋根設置太陽光の 導入検討を促すべく、省エネ・非化石転換法で求める定期報告内容等を拡充する。 • 屋根設置太陽光発電として、軽量性・柔軟性を確保しやすいペロブスカイト太陽電池をは じめとした次世代太陽電池も有力な手段。報告を通じ、事業者による次世代太陽電池も含 めた屋根設置太陽光の設置余地の把握と導入の検討を促す。 • 2025年10月~11月にパブリックコメントを実施済で、2026年4月1日から施行予定。 中長期 計画 定期 報告 • 一定規模以上のエネルギーを使用する事業者※を対象に、屋根設置太陽光発電設備の設置に関する定性的な目標(例:新た に屋根設置太陽光発電設備を設置する時期の目途)の提出を求める。(2026年度提出分~) ※年度のエネルギー使用量が原油換算1500kl以上の事業者が対象 • 一定規模以上のエネルギーを使用する事業者※を対象に、工場等における屋根設置太陽光発電設備を設置できる屋根面積 (耐震基準・積載荷重・他法令の定めによって設置を認められない場所等を踏まえた面積)、そのうち既に設備を設置済及 び設置予定の面積・出力等の報告を求める。(2027年度提出分~) ※年度のエネルギー使用量が原油換算1500kl以上の事業者が対象 (参考)現行省エネ法に基づく中長期計画及び定期報告の概要 (参考)日本企業のペロブスカイト太陽電池に関する主な取組 79 4.一連の制度改正に向けた状況 ①データセンターの効率化に向けた取組 ②屋根設置太陽光発電の導入促進 ③沖縄における火力発電専用設備の新設基準 ④ガス温水機器のトップランナー基準 ⑤GX ZEHの新設(ZEHの新定義) ⑥建築物のライフサイクルカーボン評価を促進する制度の検討 80 沖縄における火力発電専用設備の新設基準 • 沖縄エリアは連系線のない小規模単独系統であり、予備力を多く持つ必要。そのため、再エ ネ電源のバックアップの観点から機動性が良く、慣性力を持ち、経済性の高い、ピーク・予 備力電源としての火力発電が必要。 • 沖縄エリアにおける火力発電専用設備の新設基準について、2025年9月の工場等判断基準 WGにてご賛同いただいた。 • 2025年10月~11月にパブリックコメントを実施済で、2026年4月1日から施行予定。 令和7年度第3回工場WG資料より 81 4.一連の制度改正に向けた状況 ①データセンターの効率化に向けた取組 ②屋根設置太陽光発電の導入促進 ③沖縄における火力発電専用設備の新設基準 ④ガス温水機器のトップランナー基準 ⑤GX ZEHの新設(ZEHの新定義) ⑥建築物のライフサイクルカーボン評価を促進する制度の検討 82 ガス温水機器の2028年度基準の告示改正について • ガス温水機器の2028年度基準について、2025年4月のガス・石油機器判断基準WGにて とりまとめ。現在、告示の改正作業中。 • 2025年12月以降に改正告示案のパブリックコメントを実施し、2026年4月目途で公布・ 施行予定。 第48回省エネ小委資料より 83 4.一連の制度改正に向けた状況 ①データセンターの効率化に向けた取組 ②屋根設置太陽光発電の導入促進 ③沖縄における火力発電専用設備の新設基準 ④ガス温水機器のトップランナー基準 ⑤GX ZEHの新設(ZEHの新定義) ⑥建築物のライフサイクルカーボン評価を促進する制度の検討 84 「GX ZEH」及び「GX ZEH-M」の定義について • 新築住宅の省エネ性能について、遅くとも2030年度までに省エネ基準(義務基準)が現行のZEH水準に引き 上げられる予定。 • 2050年目標として「ストック平均で現行ZEH水準の省エネ性能を確保」とされているところ、省エネ性能牽引の担 い手であるZEHは、今後より高い省エネ性能を掲げることが期待される。同時に、ゼロ・エネルギー化を進めていく 観点から、自家消費型太陽光発電の促進も期待。 • これらの観点からZEHの定義を見直すこととし、新しい定義を2025年9月26日に公表済。 • 2027年4月1日の運用開始(予定)に向けて、Q&A集の作成や認知度向上に向けた周知等を行っていく。 定義見直しのポイント 省エネ 性能 現行定義 新定義 断熱性能 断熱性能の基準を引き上げ 共通 断熱等級5 断熱等級6 一次エネルギー 消費量削減率 省エネ率の基準を引き上げ 共通 20% 35% 再エネ自家消費促進のため、戸建のエネマネ 設備、蓄電池の設置を必須化 戸建 ― 高度エネマネ・蓄電池 集合 ― ― (省エネのみ) 設備要件 『ZEH』:100% Nearly ZEH:75% GX ZEH+:115% GX ZEH:100% Nearly GX ZEH:75% 『ZEH-M』:100% Nearly ZEH-M:75% ZEH-M Ready:50% GX ZEH-M+:115% GX ZEH-M:100% Nearly GX ZEH-M:75% GX ZEH-M Ready:50% 戸建 多雪地域(積雪100cm以上) 都市部狭小地 多雪地域(積雪100cm以上) 都市部狭小地 集合 ― 多雪地域(積雪100cm以上) 高層(6層)以上 戸建 再エネ要件 (省エネ率+再エネ率) 再エネ普及促進のため、省エネ率と再エネ率が 共に高水準となる上位シリーズを追加 集合 Oriented(再エネ無し) 適用要件 気象条件や建築地特有の制約等について、 利用実態を踏まえた見直し ※現行定義:新規取得は 2028 年 3 月まで可能。 85 4.一連の制度改正に向けた状況 ①データセンターの効率化に向けた取組 ②屋根設置太陽光発電の導入促進 ③沖縄における火力発電専用設備の新設基準 ④ガス温水機器のトップランナー基準 ⑤GX ZEHの新設(ZEHの新定義) ⑥建築物のライフサイクルカーボン評価を促進する制度の検討 86 建築物のライフサイクルカーボン の算定・評価等を促進する制 度に関する検討会 中間とりまとめ案参考資料より 87 第48回省エネ小委より 88 89 89 90 90 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 91 省エネ法定期報告情報の開示制度 • 近年、サステナビリティ投資やその関連情報の開示が進展しているところ、特定事業者等か らの開示宣言に基づき、省エネ法に基づく定期報告書の情報を開示する制度を令和5年度か ら開始。 • 定期報告書の情報を開示できる枠組みを提供することで、企業は既にある報告書ベースのた め負担感なく参画でき、投資家など読み手においては一覧性を持って評価しやすくするツー ルとして有効活用が期待できる他、開示する企業のみならず、ステークホルダーの判断やエ ネルギーサービスの発展に寄与することが期待できる。 • 令和7年度は2,344者が参加を宣言(令和6年度は1,695者)。 • このうち8月までに参加宣言する等した2,054者(令和7年度報告分)は、11月に速報版※𝟏 として経産省HPで公表済※2。確報版は、事業者から提出される定期報告の内容に不備がな いか確認の上、令和8年3月末頃に公表予定。 ※1 令和7年度8月31日までに参加宣言し、期限内に省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム(EEGS)にて省エネ法定期報告をした事業者 ※2 速報版における個社の情報は、特定事業者等が令和7年度に提出した国による確認前の定期報告書の内容を反映したもの。 【開示事業者数が多い5業種】 中分類 開示事業者数 業界内の開示割合 16 化学工業 196者 27.6%(N=711者) 31 輸送用機械器具製造業 181者 28.3%(N=640者) 09 食料品製造業 149者 17.0%(N=876者) 22 鉄鋼業 129者 40.3%(N=320者) 18 プラスチック製品製造業(別掲を除く) 112者 25.1%(N=447者) ※業界ごとのNは令和7年7月末時点での特定事業者指定状況を反映したもの 92 BIツールを活用した開示シートの公表例 • 令和7年度からはPDFでなく、BIツール(PowerBI)による公表とすることで、視覚的に見やすく、また、 ユーザーからのニーズに応じて必要な情報を柔軟に取得できるように変更を行った。これにより、事業者 の取組状況をより直感的にわかりやすく把握することが可能となった。 • BIツールによる公表例は下記の通り。 また、業種別の傾向や閲覧事業者の業界内の立ち位置等が分かる資料として、次頁にあるファクトシート を公表している。 URL:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/disclosure/kaijisheet_sokuhou.html 93 (参考) PowerBIの業界毎の見せ方 • 資源エネルギー庁HPにて、省エネ法定期報告・中長期計画書の項目について、業種別(産業分類上の 中分類及び細分類)に分析・集計し、業種別にみた省エネの進展、事業者自らの省エネ取組状況の立 ち位置状況把握などに活用いただくため、令和6年度まではPDFやEXCELで公表を行ってきた。 • 令和7年度より「省エネ定期報告ファクトシート」や「個社別確認ツール」をPowerBIで公表を行っている。 • 事業者の情報を入力することによって、同一業種における立ち位置を分かりやすく認識することができる。省 エネ効果が高い計画や非化石転換への計画事例を把握していただくことにより、さらなる省エネ取組み に繋がることを期待する。 【中分類・細分類毎のファクトシート(PDF)】 【中分類・細分類毎のファクトシート(BIツール)】 URL:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/factory/analysis/ 94 1.省エネ・非化石転換の最近の動向 2.令和7年度補正予算案における支援パッケージ 3.更なる支援策の強化に向けた今後の方向性 - 省エネ・地域パートナーシップの継続と強化 - デジタル・AI技術の導入促進 - 住宅・建築物の残された課題への強化策 - 先端技術開発とその実用化に向けた支援策の強化 4.一連の制度改正に向けた状況 5.省エネ法定期報告情報の開示制度 6.DER推進戦略ワーキンググループの設置 95 分散型エネルギー推進戦略WGの検討範囲について ⚫ 分散型エネルギー源に関する施策は、供給側リソース(系統・再エネ併設蓄電池)と需要側リソース (DR・家庭用蓄電池等)の双方において取組を進めてきた。 ⚫ 一方、需要側リソースと供給側リソースいう違いはあるものの、サイバーセキュリティやビジネスモデルの確立 など共通する課題も多い。また、再エネ大量導入に必要となるフレキシビリティの提供という共通の価値を 有している。 ⚫ このため、本WGでは、「需要側リソース」と「供給側リソース」の個別課題について検討を進めることに加え て、分散型エネルギーリソース(DER)全体として見た場合に、電力システムの社会コスト最適化の観 点で、どのようなリソース配分が最適かという点も含めた、総合的な検討を行う。 ※再生可能エネルギー導入促進や系統接続に関する論点など他の小委員会やWG等の所掌に属する案件は本WGの議論の対象外。 需要側 供給側 運 用 ○アグリゲーター ○DR/VPP リ ソ ー ス ・家庭用・業務産業用蓄電池 ・コジェネ ・HP給湯機 ・電力データ ・ハイブリッド給湯機 個 別 課 題 ・DR実績把握・リテラシー醸成 ・DRready対象機器の拡大、 DRready要件の策定 ・需給調整市場における機器個別計測の取扱い 共 通 課 題 ○HEMS/MEMS/ BEMS/FEMS ○CEMS ○マイクログリッド 等 ○アグリゲーター ○蓄電事業者 ・系統用蓄電池 ・再エネ併設蓄電池 ・LDES 等 ・価格競争に陥り、安全性や持続可能性が損なわれるリスク ・多数接続申込みへの対応(接続ルールの見直し等) ・DERを活用した収益モデルの検討 ・サイバーセキュリティリスクへの対応 ・フレキシビリティを確保するために最適なリソース配分 導入見通しを踏まえた分散型エネルギー政策の方向性の検討 96 本日御議論いただきたい事項 ⚫ これまで委員のご指摘等も踏まえて実施してきた支援策の強化や制度改正について、 順次、執行等を開始することとなる。執行面等において留意すべきことがあるか。ま た、これまでの状況変化等を踏まえて、更なる強化策として考えられることはあるか。 ⚫ 第7次エネルギー基本計画を踏まえれば、更なる施策の具体化等の検討も必要。一連 の制度改正や支援策の強化が進む中で、追加的に実施すべきことをどのように検討し ていくか。例えば、業界等からのヒアリングをしつつ、分野毎の課題を改めて深掘り すべきか。 ⚫ 特に、非化石転換等は技術開発動向等も踏まえつつ施策の検討が必要であり、短期・ 中長期に分けて、エネルギー需要側に対策を進めるべき施策を検討すべきではないか。 ⚫ 加えて、日本のエネルギー効率は世界的に見ても高い水準にあり、日本の強みとして 位置づけられる分野。グローバルな視点で考えた場合に、日本としてどのような取組 を強化すべきか。国際的に活躍する企業等からヒアリングを行い、成長の加速等に向 けた現状と課題を整理等することはどうか。 97

資料5

デジタル・AI技術による 省エネ・生産性向上に向けた手引き (デジタル省エネ手引き) (案) 2025年12月 資源エネルギー庁 省エネルギー課 0 はじめに 背景と目的 【背景】 ◼ 我が国では、化石燃料への過度な依存から脱却し、エネルギー危機にも耐え得る需給構造への転換を進めるため、徹底した省エネ ルギーに向けた取組を進めてきた。 ◼ 直近ではエネルギー価格の急騰も発生しており、国内事業者にとっても省エネの取組は以前にも増して重要となっている状況である。 ◼ 今後、省エネルギーの取組を進めていくにあたり、AIを含むデジタル技術も活用し、これまでに到達できなかった更なるエネルギー利用の 最適化の実現可能性についても、着目することが重要である。 【目的】 ◼ 工場等において、デジタル・AI利活用の検討および導入に向けた取組を促進するため、企業等の検討のきっかけをつくることを目的と している。 ◼ このため、「デジタル利活用に関心」を持つために必要な情報(導入が必要な理由、どういった効果が期待されるか)を整理した上 で、「デジタル技術の導入を進めるためのポイントの例」を示した。また、最後には、「事例集」を付け、最新の技術による省エネ効果と、 それに伴って生じる生産性向上等の効果について掲載しており、これらの情報を一助として、各企業がデジタル・AI技術の導入に向け た検討を進めることを期待する。 1 はじめに 要約 ◼ 近年、電気料金などのエネルギーコストが急騰し、省エネは重要な経営課題となっている。また、機器のエネルギー使用効率化の停 滞により、今後の省エネ改善が鈍化するという声もある。そのような中、国内製造業のスマートファクトリ-の取組状況を見ると、デジ タル化は必ずしも進展していない状況がある。しかし、世界的にもデジタル活用によるエネルギー最適化に注目が集まりつつある。 ◼ デジタル利活用は省エネにつながるだけでなく、生産性向上や現場課題解決といった効果も期待出来る。 ◼ デジタル利活用は、「見える化」、「データ分析」、「制御自動化」の段階があるが、それぞれの段階で有益な効果を生み出している事 例が存在している。 ◼ また、デジタル利活用の範囲を、個別設備だけでなく、「ユーティリティー設備連携」「生産設備・生産計画連携」「工場等の連携」「サ プライチェーンの連携」と範囲を広げることで、効果の拡大が可能である。加えて、AIの導入により、「自動化の工程拡大」や「自動制 御の高度化」等が可能となる。 ◼ デジタルの導入に向けては検討すべきポイントがいくつか存在する。 ◼ 例えば、デジタル導入のチームビルディングを行う場合、単一部署に閉じず、多面的な目標、問題解決が求められるため、トップダウン での推進が望ましい。また、エネルギー管理と生産管理両者の“旗振り役”の参画が重要である。 ◼ また、デジタル利活用の取組の目的を明確にし、効率化や省エネの効果を得るために何をどこまで実施すべきか検討する必要がある。 まずはあるべき姿を検討し、そこに向けて施策展開の計画を進めることが重要である。一方で、初手から大規模な投資が困難な場合 は、スモールスタートで取組はじめ、その後あるべき姿を見据えて拡大することも重要である。 ◼ デジタル利活用を行う際には、事例を参考にすることが有効である。 2 はじめに 構成 章構成 対応ページ 概要 1.デジタル技術の活用に関心を持つ(デジタル利活用による省エネの必要性と有効性) 1. なぜ今導入の検討が必要なのか P5 ✓事業環境上の必要性、これまでの省エネとの違いについて 2. デジタル技術の利活用により期待される効果 P11 ✓どのような技術がどのような効果につながるのか、その整理について 1. 導入検討の流れ P24 ✓デジタル利活用の検討をどのように進めるのかの概論 2. 検討フローにおけるポイントの例 P29 ー ①DX推進チームビルディング P30 ✓検討を始めるにあたってのチームビルディングと必要なメンバーについて ②コンセプト設計 P33 ✓コンセプトを作りはじめる際には、まず中長期的な画を描く必要がある ③PoC(概念実証)の実施 P37 ✓実証の設計においては、意思決定に繋がる結果を得られるかどうかが重要 ④詳細化・実装 P39 ✓実装およびその後の活用に際しては随所にポイントがある ⑤効果検証と展開検討 P42 ✓デジタル利活用はやりっぱなしではなく、継続した改善・展開が求められる 2.デジタル技術の導入を進めるためのポイント 3.事例集 事例集 P45 3 1.デジタル技術の活用に関心を持つ (デジタル利活用による省エネの必要性と有効性) 4 1.1 なぜ今導入の検討が必要なのか 5 1.1 なぜ今導入の検討が必要なのか 近年、電気料金などのエネルギーコストが急騰しており、各事業者において省エネは 重要な経営課題となっている ◼ 燃料輸入価格の高騰などを原因として、電気料金単価は増加傾向にある。2010年度と比較して2024年度の 電気料金単価は、約83%上昇した。 電気料金平均単価の推移 電灯平均単価(家庭用) 電力平均単価(産業用) 40 30 電気料金単価 (円/kWh) 20 約83%上昇 (2010年度比) 10 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 年度 【参考】電気料金平均単価の推移(2010年度以降) 6 1.1 なぜ今導入の検討が必要なのか 省エネの取組は一定の成果をあげてきたが、機器のエネルギー使用効率化の停滞により、 今後の省エネ改善が鈍化するという声もある(“As-Is”から“To-Be”へ) ◼ 「将来の電力需給シナリオに関する検討会(電力広域的運営推進機関)」における電力中央研究所の推計では、 2050年度までの省エネが徐々に鈍化していくと想定されている。 ◼ 省エネが鈍化する要因の1つとして、これまで省エネに寄与してきた機器自体のエネルギー使用効率向上のペースが緩 やかになってきているといった予測もある。そのため、従来の取組の継続(“As-Is”)だけでは同程度の省エネ効果を生 み出せない可能性があり、抜本的な改革(“To-Be”)を含めた検討が求められる。 全国のエネルギー消費原単位の推移(※省エネ=エネルギー消費原単位の減少) ※各部門のエネルギー消費原単位の推移は、上からHigh(破線)・Mid(実線)・Low(破線)シナリオの場合の想定値。定義は以下の通り • High :技術進展が停滞し、購買力の低下により高効率機器への買い替えが進まないシナリオ • Mid :2020~50年において、ここ30年間と同程度の省エネが進展するシナリオ • Low :技術革新や、高効率機器への買い替えにより、省エネが更に進展するシナリオ 出所:電力中央研究所「2050年度までの全国の長期電力需要想定ー追加的要素(産業構造変化)の暫定試算結果ー」 より作成 ※引用元の図に対して、矢印(青・ピンク)を追記 7 1.1 なぜ今導入の検討が必要なのか デジタル化は省エネ鈍化回避に有効と思われる方策の一つ。ただ、国内製造業のスマートファ クトリーの取組状況を見ると、デジタル化は必ずしも進んでいない ◼ 企業の活動をデジタル化することで、省エネ効果 ※1が期待できる。 ◼ 一方で、6割以上の企業がスマートファクトリーに取り組んでいないと回答。工場のデジタル化 ※2は進んでいないと言える。 国内製造業のデジタル化の進捗状況 デジタル化による省エネ 【見える化による省エネ】 センサー・IoT技術により、設備稼働やエネルギー 使用の状況をリアルタイムに見える化 →エネルギー使用の無駄発見に繋がる 【データ分析による省エネ】 デ ジ タ ル 化 生 産 活 動 省エネ効果※1 【制御自動化による省エネ】 最適化した生産計画や設備稼働をMESや FEMSと連動させ、制御を自動化 →効率的なエネルギー使用を常時達成 省エネ以外の 効果 管 理 ・ 事 務 AIが見える化したデータを分析し生産計画や 設備稼働を最適化 →エネルギー使用を削減 品質向上、技術継承等の様々な効果が 期待できる 経営やバックオフィス業務へのデジタル活用により、人件費等のコスト 削減や業務効率化、経営判断の迅速化・高度化が可能 ※1:エネルギー削減を主目的とせずとも、効率化に取り組むことで副次的に省エネに つながる場合も含む 500億円~ 1,000億円未満 16% 1,000億円~ 3,000億円未満 20% 9% 71% 3,000億円~ 5,000億円未満 23% 10% 68% 5,000億円~ 7,500億円未満 25% 12% 63% 7,500億円~ 1兆円未満 25% 12% 63% 1兆円以上 29% 9% 61% 9% 76% モデル工場を設定し、スマートファクトリーに取り組んでいる モデル工場での取り組みが完了し、他工場への展開を進めている 取り組んでいない ※2:スマートファクトリーのような大幅な省エネに資するデジタル化 出所:アビームコンサルティング「製造DXレポート第1回 日本のスマートファクトリーの 現在課題と対応への処方」より作成 8 1.1 なぜ今導入の検討が必要なのか 世界的にもデジタル活用によるエネルギー最適化に注目が集まりつつある。中国においても、 工業分野でデジタル活用による省エネを推進する動きが見られる ◼ IEAレポート「Energy and AI」では、産業分野におけるエネルギー最適化のためのAI活用が述べられている。生産プロセスの デジタル化により省エネが可能であり、品質管理や予知保全も副次的に省エネに寄与すると説明されている。 ◼ 中国でも、工業分野において「省エネ3.0時代に入り、デジタル化・システム化・一体化で効率化を推進する」と 述べられている。 産業分野でのエネルギー最適化のためのAI活用方法 中国の工業分野におけるデジタルを活用した省エネ推進 ◼ 省エネを主目的とした生産プロセス最適化に加え、AIによる品質管理 や予知保全も副次的に省エネに寄与すると説明されている 省エネ1.0時代 浪費の防止による効率向上 省エネ2.0時代 性能の優れた機器・設備の導入による 効率向上 省エネ3.0時代 デジタル化、システム化、一体化による※ 効率向上 ◼ AIによる生産性と省エネの向上には、生産プロセスのデジタル化 (=センサーによる設備稼働データの収集とデータ整備)が鍵と 説明されている IEA「Energy and AI」で紹介されている海外事例 取組内容 Siemens • デジタルツイン • 100種類以上のAI エアランゲン(独) • AIを活用したエコデザイン Schneider • 機械学習による 無錫(中国) エネルギー効率最適化 • CO2追跡プラットフォーム 効果 • エネルギー使用量を42%削減 • 労働生産性を69%向上 • 市場投入までの時間を40%短縮 等 • エネルギー使用量を25%削減 • Scope1,2のネットゼロ達成 出所:IEA「Energy and AI」、WEF「Global Lighthouse Network: The Mindset Shifts Driving Impact and Scale in Digital Transformation」より作成 等 ※デジタル化…紙などのアナログ媒体をデジタルデータに置き換えること システム化…マニュアルやITの導入により、人によらず一定の成果を出せる仕 組みにすること 一体化 …複数のシステム・プロセス・データを横断的に結びつけ、組織全 体全体で最適化すること 出所:第17回日中省エネルギー・環境総合フォーラム省エネルギー分科会 国家発 展改革委員会エネルギー研究所「中国工業分野における省エネ·炭素削減の先進 技術の応用」より作成 9 1.1 なぜ今導入の検討が必要なのか 属人的ノウハウや設備性能に依存しがちな従来の省エネに対し、デジタル利活用により、 分析の高度化、効果拡大に繋がる。省人化なども併せて生産性向上にも繋げることも可能 従来の省エネ オペレーションの 変更による 無駄削減 【範囲が限定的・人手依存】 【属人的】 高効率な設備の 導入・更新 効果の発現 現場社員が効率化余地に気づいた箇所を都度人手で 改善する 属人的なノウハウをもとにエネルギー効率を改善する 【省エネ】 【対象が限定的】 主に設備単体を効率化する 【不十分な効率化】 設備のポテンシャルを引き出し切れていないが、 一定の効率化は可能 【タイミングが限定的】 設備更新時のみ省エネ効果が向上する デジタル利活用による効果拡大のポイント 【省コスト】 【省人化】 【任意のタイミング】 設備更新が不要なため、任意のタイミングでデジタル技術導入・情報分析が可能 【見える化の範囲・粒度拡大】 見える化により、人では認識できなかった範囲まで 詳細にエネルギー使用状況を把握可能 【常時】 IoT技術の活用により、設備稼働を常に監視。 分析結果に基づいて、即時対応が可能 【人的な誤差・ミスの排除】 人が作業することによる不正確性や非合理性が なくなる 【機器連携】 他の機器の運転と連携させることで、更なる 効率運転が可能 【脱属人化】 分析の高度化 • 正確性の向上 • 情報の相関関係が 見つかる 等 【・・・】 10 1.2 デジタル技術の利活用により期待される効果 11 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出 省エネのみならず、生産性向上等と一体的な取組が可能 ◼ 「取組のきっかけ」と「デジタル活用の内容」、「得られる効果」はそれぞれ1対1対応ではなく、生産性の向上を 目的とした取組が、省エネにつながるということも珍しくなく、またその逆も同様。 ◼ 「省エネ」や「生産性向上」といった複数観点からの効果を意識することで、取組推進にあたっての投資対効果が高まる。 デジタル利活用によって期待する効果 取組のきっかけ 脱炭素のための 活動が 求められている デジタル利活用 期待効果 省エネ効果 必要な取組を選択・実行 ▪無駄な稼働を発見・削減 ➡ 電気料金を1000万削減、 プラント全体で1~2%削減等 エネルギーの 高騰対策が必要 見える化 ▪契約量の見直しによるコスト削容減 生産性向上・現場課題解決 生産性向上による 競争力強化が必要 データ分析 ▪日常業務の工数削減 ➡ 工数7割減/ 代替の達成 生産切替1/3削減 等 顧客から毎年のように 無駄削減・効率化が 求められている 制御自動化 ▪歩留まり/収率改善 ▪投入資源の節約 ➡ 100万円分の薬液使用削減 ※後述する事例において実際に得られた効果の例 12 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出 “デジタル利活用の段階”は大きく3つ(「見える化」「データ分析」「制御自動化」)に分けられ、 取組を進めることで、効果拡大のポイントも広がっていく ◼ P9で整理したデジタル利活用による効果拡大のポイントの該当項目が増加していく。 デジタル 利活用の段階 見える化 データ分析 制御 自動化 デジタル利活用による効果拡大のポイント 説明 任意の タイミング データの取得、一元管理を、 デジタル技術で自動化する (分析・対応は人力、別 sol. ) データを基にした分析(課題 特定、検査等)をデジタル 技術で自動化する (分析を受けた対応は人力、 別sol.) 機器の制御、もしくは生 産・稼働計画の策定、各 種パラメータの設定等のア クションを自動化する ●※1 見える化の 範囲・粒度拡大 常時 人的な誤差・ ミスの排除 機器連携 ● ● ー ー ●※2 ● ● ー ●※2 ● ● ● ※1:個別の導入内容によっては稼働停止等の必要があり導入時期を選ぶ ※2:必要なデータ取得が前提 13 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出 「見える化」「データ分析」「制御自動化」のそれぞれの段階で、有益な効果を生み出している 事例が存在 ◼ 事例としては、“デジタル技術”の一部としてAIが取り入れられている事例も合わせて次項以降で紹介 ※デジタル利活用のうち、AI活用要素はP19~P21にて詳述 デジタル 利活用の段階 事例 効果拡大のポイント 適用場面(一例) 発生効果(一例) 【常時】 広大な工場の監視 巡回点検工数70%減 見える化 事例① (製造業・ プラント) 【見える化の範囲・ 粒度拡大】 系統別電力消費の監視 無駄の特定・排除 電力料金1400万円減 工場内の“省エネできる ポイント”診断 不具合箇所の特定 特定設備エネルギー70%減 エネルギー効率を悪化させて いる挙動解析 具体的な改善活動により 10~20%の省エネ実現 データ分析 事例② (製造業・ 機械装置) 制御自動化 事例③ (製造業・ プラント) 【人的な誤差・ ミスの排除】 【機器連携】 【人的な誤差・ ミスの排除】 相互に関係しあう工程の 蒸気圧コントロール ユーティリティの利用減 消費エネルギー40%減 人力制御の工数100%減 14 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出|事例① 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例①:巡回点検より細かな粒度/新規データの取得により、過剰な電力・資材消費を削減 導入先 デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 導入したデジタル技術 紙製品(紙器)製造工場(ユーティリティ) Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 人手により1日~数日に1回の頻度で電気設備、廃水処理等のユーティリ ティの巡回点検として確認・記録。点検結果以上のデータ活用はなし 後付けセンサにより毎分1回の頻度で各種データを取得・一覧化できるようにした。 ▪設備系統ごとの消費電力、温湿度:生産計画と照らし合わせることで無駄な電力消 費を削減 ▪廃水処理装置のpH値:中和液の投入量(計画)を見直して無駄な資材消費を削減 系統a 設備a-1 設備a-2 系統a 設備a-1 センサ 設備a-2 設備b-1 センサ 設備b-2 センサ 設 備 系統b 設備b-1 設備b-2 分電盤 異常の 有無 管 理 ・ 制 御 系統b センサ 廃水処理 巡回点検 ・目視確認 異常の 有無 手入力 “点検結果” 分析活用は なし センサ 分電盤 自動取得 +無線通信 省エネ効果 効 果 無線IoTセンサの導入 廃水処理 系統ごとの 電力消費 各所の 温湿度 廃水処理装置の pH値 無駄の 発見 電力消費・廃水 pHの見える化 人手での分析 “稼働データ” 生産性向上・現場課題解決 消費エネルギー削減:特定エリアで約1400万円を削減 点検の工数・費用削減:約3500万円(70%)を削減 消費電力のデータを従来より細かいメッシュで見ることで、不要な設備の稼働状 況等をあぶりだす。 各種機器のメータ数値の確認のために巡回していた工数を削減。人間による操 作等が必要な工程のみを残す。 その他、資材の過剰な利用や、契約電気容量の最適化が可能 その他、各種分析の起点となる取組であるといえる(データ取得) 15 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出|事例② 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例②:学習済みAIの活用によって、改善箇所の候補とその要因が分析可能 導入先 デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 機械、樹脂成型品製造工場(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 消費電力量、設備稼働のデータは取得。生産計画ー実績の確認、総消費 エネルギー量の監視等、操業管理の面からはデータを活用 ※コスト分析、省エネ検討においては未活用 システムが事前に学習済みの“省エネ視点”の分析を実施。AIによって省エネポテンシャル が大きい(対処をすれば効果が見込める)ポイントを抽出し提示する ▪インプットデータの追加:本事例では下図の”5視点”の分析のために、既存データ+生産量 データを取得し分析に活用。示されたポイントの分析により特定設備の不具合を発見した ※同一仕様の複数設備 ※同一仕様の複数設備 加熱炉A 設備① 加熱炉B 設 備 電源 管 理 ・ 制 御 消費電力量 (時間単位) 加熱炉A 設備① 加熱炉B 電源 設備稼働データ 消費電力量 (時間単位) 設備稼働データ +生産量データ 操業管理の面からは データを活用 “省エネ5視点”による 省エネ効果の確認 ❶ 設備立上時間ロス ❷ 設備立下時間ロス ❸ ユーティリティ時間ロス ❹ 原単位 ❺ 生産ロス時間割合 上記5点について、各所のエネルギーロス を自動算出、ランキング化ロスの要因と して考えられる要素や想定効果までAI が分析・提示する ❶ 設備立上時間ロス:生産設備立上時の生産外時間 ❷ 設備立下時間ロス:生産設備立下時の生産外時間 ❸ ユーティリティ時間ロス:設備が動いていない間の稼働時間 ❹ 原単位:生産量あたりの消費エネルギー量 ❺ 生産ロス時間割合: (生産計画ー実績の確認、 総消費エネルギー量の監視等) 省エネ効果 効 果 取得データの自動加工、省エネポテンシャルのAI分析システム 生産性向上・現場課題解決 消費エネルギー削減:特定ラインの10~20%削減 省エネ分析の属人化解消 「一般的に確認すべきポイント」をAIがチェックすることで、見える化から一歩 踏み込んだ改善箇所の提示が可能。「改善箇所」の一例として、エネルギー 消費に影響する故障・不具合等の検知も可能 基本的な分析はAIが実施することから、ノウハウがなくてもある程度の分析 が実施可能。継続的な改善の取組が可能になる 16 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出|事例③ 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例③:AIの活用により蒸留塔の環境の制御自動化を実現、大幅な省エネ効果を発揮 導入先 デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 化学プラント(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 本件における調節バルブの制御(制御値の入力)はデジタル化が難しく、人 間が15分に一度確認、調整する形で対応していた。その結果、急な変化へ の対応遅れや、人間特有の入力のクセから、無駄なエネルギー消費が発生。 AIベース(強化学習)のアプローチでデジタル化・自動化に成功。高頻度の 調整、AIによる思い切った制御値の入力により、温度・圧力等が目標値から 大きく離れない制御が可能に。過剰であったエネルギー消費の削減に成功 蒸留塔 設備 調節弁 設 備 蒸留塔 制御のデジタル化が難しいため、人間が15分に 一度の頻度で制御 制御対象(例:温度、圧力、、) 管 理 ・ 制 御 15分に一度の制御だと、 外乱等への対応が遅れる 人間の感覚では、下限値を気にし て目標近傍への制御が慎重になる 目標値 下限値 15分 15分 ※グラフ等はイメージ 15分 設備 調節弁 蒸気を一部フィードバックし 加熱等に活用 従来のデジタル制御とは異なる、 機械学習(AI)ベースのアプローチで デジタル制御を実現 AIを活用した調節 弁制御の自動化 制御対象(例:温度、圧力、、) 時間 システムによる高頻度な調整 →オーバーシュートを抑えられる 学習データによる制御値設定 →思い切った値の設定により高速 で収束させられる 目標値 下限値 15分 省エネ効果 効 果 強化学習に基づくAI制御システム ※グラフ等はイメージ 時間 過剰なエネルギー消費の削減 生産性向上・現場課題解決 消費エネルギー削減:特定設備で約40%の削減 現場の操業負荷軽減 品質の安定化 AIによる最 適 な制御 により、 工 程内で の 廃熱循 環を最大化 す ることで 、 ユーティリティの蒸気使用量を削減する 自動化工程の範囲を広げるこ とで、現場でかかっていた工数を 削減する 自 動 化 によ る 高 頻 度 、 最 適 な 制御により、品質の安定も追 及することが可能になる 17 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出 “デジタル利活用の範囲”を広げていくことで、最適化の範囲が広がり、より大きな効果を得る ことが可能となる ◼ 従来の省エネにおいては、ユーティリティ系、もしくは生産設備系など、それぞれの機能の中で稼働を最適化することが多 く、個別最適の色が強かった。デジタル利活用により連携範囲を広げることで、生産プロセスや機能をまたいだ全体最適 を目指すことが可能になり、より大きな効果を得られる可能性が高まる。 事業者内・部門内 デジタル 利活用の 範囲 事業者間 a. 個別設備 b-1. ユーティリティ 設備連携 b-2. 生産設備・ 生産計画連携 b-3. 工場・需要家間 連携 c. サプライチェーン 連携 ユーティリティ/生産設備単体 の最適化 ユーティリティ内での複数設 備連携、稼働最適化 生産設備の稼働、生産計 画を巻き込んだ最適化 事業者間、拠点間で情報を 連携し各種計画・設備稼働 を最適化 物理的・システム的にも離れ たSCの上下流企業の情報 連携、全体最適化 各種工場 動力プラント制御自律化・最適化 化学プラント 生産設備制御パラメータ最適化、 生産計画最適化 工業団地 工業団地内全体でのエネルギー 活用最適化・操業最適化 自動車・機械SC AI主導型サプライチェーンプラット フォーム 石油化学プラント 蒸留塔バルブ制御自律化 範囲拡大 による 最適化の 広がり 事業者内・部門間 一設備から複数設備連動へ、 より大きなエネルギーの中で最適化 ユーティリティと生産計画・生産設備 一企業の生産計画という制約のない 稼働計画が連携した最適化 (工業団地内全体での)最適化 過去の受発注情報に縛られない、 最新情報に基づく最適化 製造業に限らない、 街区における需要家の最適化 汎用的であり、対象によらず 実施可能な事例 紙製品工場 無線センサによるユーティリティ稼 働見える化 機械系工場 機器稼働データをもとにした省エネ 改善ポイント提案 商業施設、特定街区 特定域内でのエネルギー供給、需 要調整最適化 18 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出 ”デジタル利活用の段階”×”デジタル利活用の範囲”で定義した領域で事例を整理 ※詳細は後段事例ページに記載 ◼ 「代表的事例」とは、利活用の内容が特徴的である事例であり、類似ソリューションの中で効果の多寡等を比較したも のではない。(効果の多寡は利活用先の状況に大きく依存するため、事例の数字比較には意味がない。) “デジタル利活用の範囲” b. 連続的プロセス a. 個別設備 “ デ ジ タ ル 利 活 用 の 段 階 ” b-1. ユーティリティ設備連携 c. SC連携 事例① 1: 見える化 個別設備機能の 問題のため省略 紙製品工場 無線センサによるユーティリティ稼 働見える化 事例①、②と効果・導入の要点が 同様のため省略 (複数社連携については事例⑨にて紹介) 事例② 機械系工場 機器稼働データをもとにした省エネ 改善ポイント提案 2: データ分析 事例③ 石油化学プラント 蒸留塔バルブ制御自律化 3: 制御自動化 b-2. 生産設備・生産計画連携 b-3. 工場・需要家間連携 事例④ 各種工場 動力プラント制御自律化・最適化 事例⑤ 化学プラント 生産設備制御パラメータ最適化、 生産計画最適化 樹脂プラント バッヂ生産計画最適化 事例⑥ 事例⑦ 工業団地 工業団地内全体でのエネルギー 活用最適化・操業最適化 事例⑨ 自動車・機械SC サプライチェーン全体の情報プラット フォーム+AIエージェント 事例⑧ 商業施設、特定街区 特定域内でのエネルギー供給、需 要調整最適化 19 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出_省エネDXにおけるAI活用 ”デジタル利活用の段階”×”デジタル利活用の範囲” に加えて、”AI活用による高度化” によって自動化の実現・深化やタスクの相乗効果を生みだし、生産性を向上させる ◼ 日銀による「AI導入が生産性に与える影響」の考察では、以下の4つのメカニズムで生産性を向上させるとしている。 ⚫ 自動化:人のタスクを取って代わる ⚫ 自動化の深化:既に自動化されたタスクの効率性向上 ⚫ タスクの相乗効果:限界生産性を引き上げる ⚫ 新たなタスク:AIを利用した新たなタスクの出現 AI導入による更なる高度化 自動化: AIによって自動化できる工程の拡大 自動化の深化: 処理できる情報を増やし、正確な評価・ 制御を高度化 等 “デジタル利活用の範囲”を広げ効果を拡大 連続的プロセス の連携 個別設備 見える化 ユーティリティ連携 生産性設備連携 サプライチェーン連携 工場連携 データ分析 制御自動化 “デジタル利活用の段階”を上げることで、 それぞれの効果を得る 出所:日銀「日銀レビュー AI導入が生産性に与える影響:概念整理と国際比較」より作成 20 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出_省エネDXにおけるAI活用 非AIのデジタル活用では、情報量が大きすぎる(処理時間が少なすぎる)場合、 情報のポテンシャルを生かしきれない場合がある。AIはその限界を超えるアプローチが可能 ◼ 従来のデジタル活用では、モデルを一定程度簡易化する必要があり、活用可能な情報量が限られていた。 ◼ 下記活用イメージはどれも非AIで一定の実装が可能であるが、AI活用により複雑な情報・条件に対応が可能。 従来手法の限界(一例としての状況) AI活用による高度化(一例) 大量のセンサの情報から異常検知をしたい が、個別の閾値設定が難しい ✓ 何が異常を指し示すかわからない状態であっても、収集したセンサの データをもとに自動で分類を生成することで、異常を指し示す可能性 のあるデータを絞り込め、分析がしやすくなる 複数センサ値を総合的に見た判断をしたい (数式に落とせない熟練者のノウハウを再 現したい) ✓ 「正解(異常なし)」、「不正解(異常あり)」のデータをそれぞれ集めて 学習させることで、複雑なデータの組み合わせからの判断を自動で実 施可能になる 画像・映像をインプットにできない (従来手法ではほとんどの情報を処理でき ず捨てることになる) ✓ “深層学習”のような高次元データの特徴量抽出に適した手法を使 うことで、上記のような学習・分析が実施可能になる 制約条件が複雑 後から変更が入る 制約条件が開発・運用中に変わり、生産 計画設計等のモデルが使えなくなることが 想定される ✓ 最適化計算をするための数理モデルを、機械学習で自動修正する。 もしくは都度高速で最適解を探索するような処理に変更をすることで 各種条件の変更に対応が可能になる 制限時間内に 処理できない 瞬時に変わる炉・蒸留塔などの環境変化 についていく制御が難しい (従来制御では対応しきれない) ✓ 制御対象の反応から学習を続けることで常に変化する環境に対応し た制御を可能にする。また、相反するような2つ以上の目標を適切な バランスで追うことも可能になる 参照する変数・ 情報が多すぎる 21 1.2 デジタル技術の利活用による効果創出_省エネDXにおけるAI活用 P15, 16で紹介した事例②、③においても、AIがデジタル利活用の実現そのものに寄与、もしく は効果をさらに高めるために用いられている 事例 事例② (P52にて紹介) 事例③ (P56にて紹介) AIの役割 実現内容のBefore/After AI なし ー(各種データ/定型処理でのグラフ表示等見える化のみ。分析はノウハウを 持つ熟練者が人力で実施する) AI あり 省エネ取組の効果があがりそうな工程・時間や、効率悪化を招いているポイ ントをAIが指摘。データ学習済みで導入するため専門知識なく活用可能 AI なし 制御対象が変化が激しい環境のため、PID制御等でのデジタル化が困難で あった。熟練者が定期的に操作することで現場負担になっていた。 AI あり 多量の自社データをもとにしたAIにより、各状況における制御内容を瞬時に 判断、非AI技術では難しかった自律制御を実現 提供機能 そのもの (省エネ診断) 自動制御が 難しい環境 への適用 出所:日銀「日銀レビュー AI導入が生産性に与える影響:概念整理と国際比較」より作成 AI導入による追加効果 (デジタル化からの追加) ・AIにより実現した利活用 ・データ起点で効率が悪化して いる設備・プロセスを発見。無 駄の排除や不具合発見のきっ かけとなる ・AIにより実現した利活用 ・人力制御と比較して、人間の 制御によるクセや不合理な判 断(過度に安全寄りの思考等) を排除し稼働を最適化 22 2.デジタル技術の導入を進めるためのポイント 23 2.1 導入検討の流れ 24 2.1 導入検討の流れ_”デジタル利活用”と”DX” “デジタル利活用”は企業の”DXの実現”の一部と位置づけられる ◼ DX全体の検討の流れは、戦略策定→課題の具体化→打ち手の具体化(実装)のサイクルで表現され、 トップダウンで推進する”DX戦略起点”の場合と、現場・管理部門の課題意識から展開される”個別課題起点”の双 方が存在。 ※DX戦略策定の背景には、経営ビジョン・中長期的なビジネスモデルの検討も必要となる。 “DXの実現”に向けた全体のサイクル 経営ビジョン ・ビジネス モデル 課題抽出・整理、 対策の具体化 DX戦略 (全社/特定拠点) (脱炭素、コスト削減、等) 個別課題起点の検討 拡大検討までを考えに入れ、 全体戦略を意識することが必要 DX戦略起点の検討 デジタル利活用 (課題解決のための) 課題、打ち手の具体化を早急 に進める必要があり、事例と効 果例を確認してターゲットを想定 していく 25 2.1 導入検討の流れ デジタル利活用の具体的な効果、導入時の課題・検討ポイントの例について紹介 ◼ DX推進の考え方については、既存の手引き(経済産業省が公開)で述べられている。 ※「中堅・中小企業等向け」とあるものの、大企業も含めた多くの企業に当てはまるポイントが記載されていると認識。 ◼ 課題を具体化して実際の取組を進める(その後戦略にFBする)ことに焦点を当ててポイントを紹介する。 “DXの実現”に向けた全体のサイクル 経済産業省「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」 DX推進全般における考え方、 重要なポイントについて解説 課題抽出・整理、 対策の具体化 DX戦略 経営ビジョン ・ビジネス モデル (全社/特定拠点) (脱炭素、コスト削減、 等) 「デジタル・AIによる省エネ・生産性向上 に向けた手引き」 デジタル利活用 (課題解決のための) 打ち手としてのデジタル利活用とその 効果、導入に際してのポイントを解説 26 2.1 導入検討の流れ ”DX”はビジネスモデル変革のツールでもあり、 経営ビジョン”To-Be”も想定しながら検討するこ とが重要 【検討のフローの例】 経営ビジョン 機会 リスク 【To-Beを描く】 ◆ 社会課題や顧客課題の変化やデータ活用やデジタル技術の進化が自社 ビジネスにもたらす影響(機会・リスク)等も踏まえ、DXの推進に向けた 経営ビジョンを策定する (下記は課題例) ➢ 多様化する顧客ニーズへ柔軟に対応。多品種少量生産を可能にする生産計画 ビジネスモデル 強み 策定の自動化、最適化や、スマートファクトリー化の推進、等 弱み 【As-Isを認識する】 ◆ 経営ビジョンを実現するため、既存ビジネスモデルの強みと弱みを明確化 ( 提供価値、情報量、スピード、柔軟性、等の観点から) 事業プロセス 自社 ◆ ビジネスモデルの強化・改善に DXがどのように寄与するか認識する 他社 ◆ 多様な主体とデータや知恵などを共有し、企業間連携を進める 27 2.1 導入検討の流れ 取組を円滑に進める、もしくは効果を最大化するために気を付けるべきポイントが存在する。 以降のページでそれぞれのポイントの例について解説する 検討の流れ ①DX推進チーム ビルディング ②コンセプト設計 各フェーズでの主な検討ポイントの例 ・コンセプトを作れるチームビルディングはできているか? ・何をどこまで見える化、分析、自動化すると効率化や省エネの効果が 期待できそうか? ③PoC(概念実証) の実施 ・実証の設計・準備は十分か? ④詳細化・実装 ・継続したデジタル利活用のための土壌をはぐくんでいるか? ⑤効果検証と 展開検討 ・DX戦略、ビジョン策定のポイントに要素を還元できているか? 28 2.2 検討フローにおけるポイントの例 29 ①DX推進チームビルディング 30 2.2 検討フローにおけるポイント_ ①DX推進チームビルディング “トップダウンでの推進”と“主要な部署(エネルギーマネジメント系の部署と生産管理系の部 署)の参画”が重要 検討の流れ DX推進チーム ビルディング 1 コンセプトを作れるチームビルディングはできているか? デジタル利活用には、一定の投資が必要であることや、社内のデータを 部署横断的に利用すること、セキュリティに関する検討が必要であり、 トップダウンでの推進が望ましい。 ここでいう”トップダウンでの推進”としては以下の要素が挙げられる コンセプト設計 ポイントA 【トップダウンでの意思決定と エネマネ/生産管理両者の参画】 単一部署の管掌内での検討では、改善の 制約条件が多く効果が限定的になる。 エネマネ部門、生産計画・設備稼働の管理 部門および両者が抱える異なる目標を調整 可能な経営層の参画が必要。 • 全社のDX戦略を意識した施策の検討ができる ✓ 全社で課題としている経営の要素と、デジタル利活用による取組効果にリンクをとり、 より大きな活動に進めるための設計が必要 • 部署横断的な取組を推進し、関係者を適切にアサインできる PoC実施 ✓ 単一部署の扱える情報、設備の制約条件を前提とすると、限定的な効果しか得られない。 代表的な例においては、ユーティリティと生産設備全体での最適化をするためには、エネルギーマネジメン ト系の部署と生産管理系の部署が垣根を超えた検討をする必要がある • 全体最適を達成するために、個別部署・機能が持つ目標設定について適切な調整を行うことができる 詳細化・実装 (意思決定) ✓ 全体最適を達成するにあたっては、”生産効率を落としてエネルギー効率がよい運転をする”、”一時的に エネルギー効率を無視することで稼働計画が最適化でき全体で省エネになる”等の部署ごとの目標に反 する動きをする場面がある。トップのマネジメントで全体最適を目指せる評価体系に見直す必要がある “トップが指示をする”だけではなく、上記のような要素を十分に満たす形でトップ(もしくは権限を与えられている経 営層のメンバー)が関与していくことが、デジタル利活用の成功のカギとなる 展開検討 31 2.2 検討フローにおけるポイント_ポイントA_トップダウンでの意思決定とエネマネ/生産管理両者の参画 単一部署に閉じず、多面的な目標、問題解決が求められるため、トップダウンでの推進が望ま しい。また、エネルギー管理/生産管理両者の“旗振り役”の参画が重要。 ◼ 単一部署の管掌内での検討では、改善の制約条件が多く効果が限定的になる。エネマネ部門、生産計画・設備稼働の 管理部門のような、生産の両輪の巻き込みが重要。 ◼ また、エネルギー管理/生産管理両者を所管し、目標等の調整に対する権限を持つ経営層(役員・拠点長等)やDX推進 部署等のメンバーを”旗振り役”として任命・参画させることが重要。 エネルギー管理/生産管理両者を 調整可能な旗振り役が、 検討に十分関与することがカギ 経営層 DX推進部署等 検討のコア人材 旗振り役 推進役 技術担当 関連部署 〇 ー ー ー △ 〇 ー △ 〇 ー 〇 ー 〇 〇 ー ー 〇 〇 ※役職者を想定 情報システム部署 ー エネルギーマネジメント部署 ー 生産計画・管理部署 ー 外部ベンダー等 ー 業務理解・自分事化が課題 業務理解・自分事化が課題 関わりが深い部署のリーダー層 関わりが深い部署のリーダー層 〇 ※施策によるが検討に入りたい ー 32 ②コンセプト設計 33 2.2 検討フローにおけるポイント_ ②コンセプト設計 取組の目的を明確にし、効率化や省エネの効果を得るために何をどこまで実施すべきか検討 する。あるべき姿を設計し、必要があればスモールスタートで始めるのがポイント 検討の流れ DX推進チーム ビルディング コンセプト設計 PoC実施 詳細化・実装 (意思決定) 展開検討 2 何をどこまで見える化、分析、自動化すると効率化や省エネの効果が期待できそうか? 〇現場課題の洗い出し 省エネや生産性向上において普段抱えている 具体的な問題点を洗い出す 例)エネルギーコストが年々増加しているが、その内訳が 不明 〇取組の目的設定 上記の問題点を解決するために、「何を明らかにして、 例)工場のエネルギー使用量(電力、ガスなど)を可視化し、 コスト増加の要因を特定する 何を達成するか」を定める 〇ソリューションを導入すべき対象の特定 上記の目的を達成し効率化や省エネの効果を得る 例)見える化を行う場合、以下を検討する ために、何をどこまで見える化、分析、自動化すれば 範囲:ユーティリティ設備に加え生産設備も見える化する よいか検討する。(生産活動に関連する一連の設備 粒度:まずはライン全体のエネルギー使用量を見える化する 頻度:1時間に1回の頻度でデータ取得すれば、電力を 稼働状況やエネルギー消費量、歩留まり、等) 無駄に使用している時間帯を特定することができる ※必要な情報の範囲・粒度・頻度は明確にしておく 等 ポイントB 【まずは”あるべき姿”を設計する】 ポイントC 【スモールスタートで始めることも選択肢】 • 見える化、分析、自動化する対象を決定する際、最大 限効果を得るための中長期で目指す”あるべき姿”を設 計し、バックキャスト的に実施内容の検討を進める ※”あるべき姿”は取組主体の状況に合わせて設定 (例:To-Beの事業変革を目指す/現業の生産性向 上を目指す) • 予算が限られている、または何をどこまで取り組むべきか 不明な場合、まずは取組やすく確実に効果が見込める 範囲からスモールスタートで取組を始める 例)範囲を絞った見える化を実施する • 必要があれば適宜ソリューションベンダーへの相談や省 エネ診断等を活用し方針を検討してもらいたい 34 2.2 検討フローにおけるポイント_ポイントB_まずはあるべき姿を設計する、ポイントC_スモールスタートで始めることも選択肢 まずはあるべき姿を設計し、そこに向けて施策展開の計画を進める。初手から大規模な投資 が困難な場合はスモールスタートで取組はじめ、その後あるべき姿を見据えて拡大する。 ”AS IS” から” TO BE”を意識した取組の加速が重要 あるべき姿 • まずは最大限効果を得るための”あるべき姿”を設計する • 大規模な投資が可能な場合は、あるべき姿から逆算した展開の計 画を策定・推進する • 局所的な改善とは異なり、生産性の抜本的な向上など大きな効 果が期待できる 現在の デジタル活用 の状況 あるべき姿※ ※取組主体の状況に合わせて設定 (例:To-Beの事業変革を目指す/ 現業の生産性向上を目指す) スモールスタート • 予算に限りがある場合や何をどこまで取り組むべきか不明な場 合、取組やすく確実に効果が見込める範囲からスモールスター トで実施。成功体験を作り、勘所をおさえる • その後、さらなる効率化・省エネの効果拡大を目的に、取組を 拡大する。その際、闇雲に全てを見える化・分析・自動化する のではなく、あるべき姿を意識することが重要 35 2.2 検討フローにおけるポイント_ポイントC_スモールスタートで始めることも選択肢 (参考)見える化のスモールスタート例として、まずはユーティリティ設備のみの見える化や生産 量が多いライン、エネルギー使用量が明らかに多い設備のみの見える化があげられる ◼ 予算に限りがある場合や何をどこまで見える化すべきか不明な場合は、以下のパターン1~3のように スモールスタートで見える化を開始する。 ◼ 今後、温室効果ガスのScope3開示要求が強まることをふまえると、まずは小規模でも見える化に着手したい。 スモールスタートで見える化を始める場合の例 ユーティリティ設備 パターン1 まずはユーティリティ設備のみ見える化する ボイラー コンプレッサー 冷凍機 ・・・ 生産設備も見える化する 製品A 生産ライン 設備a-1 設備a-2 設備a-3 製品B 生産ライン 設備b-1 設備b-2 設備b-3 製品C 生産ライン 設備c-1 設備c-2 設備c-3 パターン2 まずは生産量が多い生産ラインのみを見える化する その他の生産ラインやユーティリティ設備も見える化する パターン3 エネルギー使用量が明らかに多そうな生産設備のみ (例:加熱炉)を見える化する 他の生産設備も見える化する 36 ③PoC (概念実証)の実施 37 2.2 検討フローにおけるポイント_ ③PoC (概念実証)の実施 PoC(概念実証)の実施においては、意思決定に繋がる結果が得られる設計になっているかの 確認が重要。効果面だけでなく、本格導入や展開に向けた課題確認も行う必要がある 検討の流れ DX推進チーム ビルディング 実証の設計・準備は十分か? コンセプト設計 PoC実施 準備・設計段階では、意思決定のためのゴール設計(成功条件の要素(KPI、定性評価含む)と合格ラ インを定義。観測項目と測定手法を確定。)が重要となる。 また、測定や実証にあたっての設備停止などの制約はスケジュールに大きな影響を与えるため、早期に 確認して計画に反映させる必要がある 実行・効果検証の段階では、上記ゴール設計に沿って短期的な取組課題への効果と、中長期的な目 的に合わせてスケーラビリティが確保できるか確認しつつ、オペレーション上の懸念点の洗い出しを十分 に行う。現場で使いにくい、使われないシステムとなる懸念をこの段階から認識・対応する 詳細化・実装 (意思決定) 展開検討 38 ④詳細化・実装 39 2.2 検討フローにおけるポイント_ ④詳細化・実装 ソリューションの種類と導入対象によってはスケジュール・必要な工数を事前に精査する必要が ある。また、導入したソリューションの継続活用の仕組み構築が必要 検討の流れ DX推進チーム ビルディング コンセプト設計 PoC実施 詳細化・実装 (意思決定) 展開検討 リスク・検討上の制約条件について理解しているか? 大きく5観点から検討すべき要素、リスクを洗い出し ※は特にヒアリング内で挙がった内容 〇プロジェクト管理 ーマイルストンと検証、導入作業期間は明確になっているか ※制御系に手を入れる場合は、点検期間等での実機テストが必要となるため時期を選ぶ ※AI活用において、自社データでモデルを構築する場合は既存データを活用可能かどうかで大きく スケジュールに影響する 〇目的と採算 ー活動のたてつけとコスト回収の考え方は整理できているか ※研究開発の位置づけだとコスト回収の目標より、課題解決可否が優先されるが、本格展開時に は大きな課題となりうる 〇データと技術 ー既存のシステムとのつなぎこみ要否、実施時のシステム的な安全確保は検討できているか ー設定した活動期間内で必要なデータ(モデル構築、安全性の検証、効果の検証)は集まるか 〇オペレーションと安全 ー現場に負荷がかかる作業、工程を事前に見積もれているか ※社内の調整によって現場協力が得られているか ーフェイルセーフ機能等、現場の安全への対策は十分にできているか 〇ガバナンスとセキュリティ ー取組の意義を浸透させ、継続的な活用をする準備ができているか ーデータセキュリティの確保、診断についていつだれが判断するか設計 できているか ポイントD ※展開検討と合わせて 【継続的な活用・改善の検討】 以前とは異なる運用となることから、少なから ず負荷がかかる現場の理解醸成とその前提と しての管理・評価指標の見直しが必要。 継続的な改善の取組が活用、効果発現の 維持を生む。 40 2.2 検討フローにおけるポイント_ ④詳細化・実装 (参考)システムの階層とそれぞれの機能 ◼ デジタル利活用の際には、Inputデータとしてどこからどういったデータを取るのか、Outputのデータをどこに流し込むのか、 既存のシステムとのつながりを意識することが必要。不必要なエラーの防止、セキュリティ上のリスクを発生させないために、 システム関連部署に適切な相談を入れることが必要。 機能 製造設備関連 企業間連携 SCプラットフォーム SCを通じた、生産状況、カーボンフットプリント、 その他トレサビ内容の記録、管理 経営管理 ERP 売上、コストその他経営管理全般の情報を 管理。受注データ等を取扱い 生産管理 (生産実行) MES 生産プロセスのリアルタイム管理。スケジュール、 指示内容、品質等の情報を取扱い 見える化 SCADA 各種見える化の取組に合わせた内容を管理。 各設備の稼働時間、生産量、、等 DCS 制御実行 製造 PLC 製造設備 制御値の連携を受け、変換等の処理を行い 設備に入力 製造拠点・事業所等のエネルギー供給関連 EMS (BEMS・FEMS) エネルギーの使用状況を管理・制御する。 確認の粒度は設計次第で変化 実際に製造を行う設備の層 41 ⑤効果検証と展開検討 42 2.2 検討フローにおけるポイント_ ⑤効果検証と展開検討 デジタル利活用は一度検討して完了ではない。より発展的な展開を進めるために各種機関か ら公開されている参考資料や、補助金・支援の仕組み等を活用してもらいたい 検討の流れ DX推進チーム ビルディング コンセプト設計 DX戦略、ビジョン策定のポイントに要素を還元できているか? “DX推進の手引き”で挙げられているポイントについて、PoCを通した導入可否判断、もしくは本格導入 の活動の結果を踏まえてフィードバックを入れつつ戦略を継続的に見直していく必要がある。 (以下のナンバリングは手引き中の番号) ①経営層による推進ができているか:検討体制がエネマネ部門と生産 部門等、異なるKPIを追っている部門をまたぐ必要が出てくる場合、部門 間の調整、新しいKPI設定に経営層の関与が必要 ②中長期的な視点:短期的な成果をもとに中長期の目標設定を更新 PoC実施 詳細化・実装 (意思決定) 展開検討 ポイントD ※前段と合わせて 【継続的な活用・改善の検討】 センサ類、情報技術(特にAI関連)の両 面で進化が続くため、一度の検討では 終わらずに継続的に改善の検討を回 す必要がある。 現場での継続活用に際しての懸念も 検討のサイクルを回す中でカバーする。 ⑤人材の育成、⑥継続的な改善:施策展開に際して導入主導メンバーの 育成および、現場での継続的な活用・改善を担う人材を育成する計画が必要 ⑦外部の協力:ベンダへの継続的な支援を要請するとともに、国や自治体の経済的な補助等で取組 を加速させる検討を実施する ポイントE 【ガイド類、補助金類の活用】 経済産業省のみではなく、多くの行政府、自治体がサ ポートの施策を展開している。ぜひ活用いただきたい。 例:各種省エネルギー投資促進補助金(資源エネル ギー庁)、各種省エネ診断の提供 等 43 2.2 検討フローにおけるポイント_ポイントD_継続的な活用・改善の検討 継続的な改善の取組が活用、効果発現の維持を生む ◼ 過去の最適解も、新しい技術体系(機器・情報技術)の中ではより効果的な活用方法が一般的になっている可能性があ る。下記ポイントと合わせて定期的に施策を見直す検討が求められる。 ◼ また、新規の施策導入で少なからず負荷がかかる現場の理解醸成と、その前提としての管理・評価指標の見直しも継続 的に必要。 デジタル利活用の 施策見直し、環境整備 デジタル施策の実施 施策実施の懸念解消 新しい技術の導入 各種機器や情報技術の進化を踏ま えて、過去に行った検討を最適化し ていく必要がある 現場の活用にかかる課題を洗い出し、 管理・評価指標の見直し等、抜本 的な環境整備を実施 44 3.事例集 45 3.事例集 デジタル利活用事例について、”デジタル利活用の段階”×”デジタル利活用の範囲”という軸で 整理。大まかな利活用の課題のステップと理解いただきたい ◼ 縦軸は技術的な適用の難易度が上がり、横軸はステークホルダーが増えることで意思決定の難易度が上がる 事例整理縦軸:デジタル利活用の段階 事例整理横軸:デジタル利活用の範囲 ✓ デジタルで「何をするのか」を軸として3つの領域を設定 ✓ 段階が進むと、情報活用や、対象設備・業務についての 深い知見やノウハウが必要になる ✓ その壁をデジタル技術、AIによって乗り越えていく事例を紹介 ✓ デジタルを「何に対して適用するのか」を軸として5つの領域を設定 ✓ 段階が進むと、関連する設備類やそれらを管理する人間・部署が 増え、導入・運用の意思決定が難しくなる ✓ その壁をデジタル技術、AIによって乗り越えていく事例を紹介 見える化 情報のデジタル化及び一覧化 b. データ 分析 制御 自動化 情報をもとに改善の必要性について 分析する (アクション提示なし) アクションの内容・結果について自動 で答えを出す 連 続 的 プ ロ セ ス a. 個別設備 単一種・単体設備に対する技術 ユーティリティ設備連携 複数ユーティリティの最適化 生産設備連携・生産 計画 生産設備連携もしくはユーティリティと の連携や生産計画の最適化 工場・需要家間連携 複数の工場間やその他エネルギーの 需要家間の調整を含む最適化 c. サプライチェーン連携 サプライチェーンの前後、全体をつない だ最適化 46 3.事例集 ”デジタル利活用の段階”×”デジタル利活用の範囲”で定義した領域ごとに代表的な事例を ピックアップ。詳細は以降の各事例ページに記載 ◼ 「代表的事例」とは、利活用の内容が特徴的である事例であり、類似ソリューションの中で効果の多寡等を比較したもの ではない(効果の多寡は利活用先の状況に大きく依存するため、事例の数字比較には意味がない) “デジタル利活用の範囲” b. 連続的プロセス a. 個別設備 “ デ ジ タ ル 利 活 用 の 段 階 ” b-1. ユーティリティ設備連携 c. SC連携 事例① 1: 見える化 個別設備機能の 問題のため省略 紙製品工場 無線センサによるユーティリティ稼 働見える化 事例①、②と効果・導入の要点が 同様のため省略 (複数社連携については事例⑨にて紹介) 事例② 機械系工場 機器稼働データをもとにした省エネ 改善ポイント提案 2: データ分析 事例③ 石油化学プラント 蒸留塔バルブ制御自律化 3: 制御自動化 b-2. 生産設備・生産計画連携 b-3. 工場・需要家間連携 事例④ 各種工場 動力プラント制御自律化・最適化 事例⑤ 化学プラント 生産設備制御パラメータ最適化、 生産計画最適化 樹脂プラント バッヂ生産計画最適化 事例⑥ 事例⑦ 工業団地 工業団地内全体でのエネルギー 活用最適化・操業最適化 事例⑨ 自動車・機械SC サプライチェーン全体の情報プラット フォーム+AIエージェント 事例⑧ 商業施設、特定街区 特定域内でのエネルギー供給、需 要調整最適化 47 事例① TOPPAN(TOPPANのソリューション導入) (1. 見える化×b-1. ユーティリティ) 48 事例① TOPPAN(TOPPANのソリューション導入) TOPPAN社は設備稼働・環境情報に関するデータ収集を自動化・IoT化する自社ソリューションを導入。 収集データを分析することで、過剰な電力消費、資材消費をあぶりだす ◼ 無駄、余剰がありそうだと認識されている比較的古い工場等において、分析をするためのデータがないことから、無駄の 特定や最適化に踏み切れないという状況を、比較的安価な後付け、無線センサの導入で解決した。 導入前の課題 導入内容 分析に足るデータがない デジタルデータの取得 データの一元管理 従前は取得できなかったデータや、メータ等は あるがデジタルで収集できなかった情報を後 付けセンサでデジタルデータ化 ネットワークを構築することで、各センサのデー タを一元管理する。本件の場合は無線ネッ トワークを利用 消費電力、投入資源等に無駄があり そうだとは認識しながらも、従前から手 に入る点検データでは十分な分析がで きなかった 主な効果 省エネ・省資源効果 【無駄な消費エネルギーの削減】 消費電力のデータを従来より細かいメッ シュで見ることで、不要な設備の稼働状 況等をあぶりだす。 その他、資材の過剰な利用や、契約電 気容量の最適化が可能 人手による点検コスト 工場内の巡回点検を外部に委託して おり、大きな工数・費用が掛かっていた。 点検結果の情報についても、上記のよ うに活用が難しいデータであった。 生産性向上・現場課題解決 【点検の工数・費用削減】 各種機器のメータ数値の確認のために 巡回していた工数を削減。人間による 操作等が必要な工程のみを残す。 その他、各種分析の起点となる取みで あるといえる(データ取得) 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 49 事例① TOPPAN(TOPPANのソリューション導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 巡回点検よりはるかに細かな粒度でのデータ取得により、過剰な電力・資材消費を確認 導入先 半導体関連製造工場(ユーティリティ) Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 人手により1日~数日に1回の頻度で電気設備、廃水処理等のユーティリティの巡回点検として 確認・記録。点検結果以上のデータ活用はなし 後付けセンサにより毎分1回の頻度で各種データを取得・一覧化できるようにした。 設備系統ごとの消費電力、温湿度:生産計画と照らし合わせることで無駄な電力消費を削減 廃水処理装置のpH値:中和液の投入量(計画)を見直して無駄な資材消費を削減 系統a デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 導入したデジタル技術 無線IoTセンサの導入 設備a-1 設備a-2 系統a 設備a-1 センサ 系統b 設 備 設備b-1 設備b-2 設備b-1 センサ センサ 分電盤 異常の有無 管 理 ・ 制 御 系統b センサ 廃水処理 巡回点検 ・目視確認 異常の有無 設備b-2 センサ 廃水処理 分電盤 系統ごとの 電力消費 設備a-2 各所の 温湿度 廃水処理装置の pH値 自動取得 +無線通信 無駄の発見 手入力 “点検結果” 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 分析活用 はなし 電力消費・ 廃水pHの 見える化 “稼働データ” 人手での 分析 50 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例① TOPPAN(TOPPANのソリューション導入) 見える化の結果様々な省エネ・省資材効果や生産性の向上効果を獲得 導入先 半導体関連製造工場(ユーティリティ) 導入したデジタル技術 IoTセンサ+無線ネットワークの導入 省エネ・省資源効果 ー約25% ー約1400万円 ー約26% ー約140万円 ー400万円 【消費電力量の削減】 【使用資材(中和液)の削減】 【契約容量(電力)の最適化】 特定の系統の消費電力量を約25%、年間 で約1400万円相当の削減 廃水処理設備に投入する中和液を約26%、 年間で約140万円の削減 電力の契約容量を見直し、工場全体の電 力コストを年間で約400万円削減 生産性向上・現場課題解決 ー70% ー3,500万円/年 【巡回点検の工数・費用削減】 巡回点検全体の工数、コストを約70%削減 ※工場全体の電気設備、廃水処理等のユーティリ ティ稼働状況をIoT化した結果としての効果 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 51 事例② 三菱電機(三菱電機のソリューション導入) (2. データ分析×b-2.生産設備・生産計画連携) 52 事例② 三菱電機(三菱電機のソリューション導入) 三菱電機は機器の稼働データから自動で省エネポテンシャルを分析する自社ソリューションを導入。 一定の専門性が必要な見える化後の分析を、AI活用により自動化している ◼ “見える化”で取得したデータを用いた改善活動は継続的に実施する必要があるが、ノウハウを持った人材の確保も、 分析をする工数の捻出も課題となる。AIによる分析自動化で省エネ活動を継続的に実施することが可能になる。 導入前の課題 導入内容 “見える化”の先の活用が難しい ローデータの加工・一覧化 AIを活用した省エネ診断 いろいろなデータ取得したはいいが、どの ように分析、活用するのかがわからない。 もしくは忙しくて検討、実施する工数が ない 各種センサ値をそのまま表示するのではなく、 分析がしやすい単位に自動で加工 (例:時間当たりの消費電力量→生産量あ たりの原単位データ) 学習済みのAIを用いた「無駄の分析」を導 入後すぐに利用可能※ 【無駄な消費エネルギーの削減】 ※自社データでのモデル構築等が不要という意味で あり、インプットデータの調整等の期間は必要 「一般的に確認すべきポイント」をAIが チェックすることで、見える化から一歩踏 み込んだ改善箇所の提示が可能。「改 善箇所」の一例として、エネルギー消費 に影響する故障・不具合等の検知も可 能 継続的な分析・削減活動 一時DXプロジェクトで改善を行ったとし ても、生産品の変化、機械の劣化等 で状況は変化するため、常に分析を行 う必要があるが、DX人材はそう簡単に 確保できない 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 主な効果 省エネ・省資源効果 生産性向上・現場課題解決 【省エネ分析の属人化解消】 基本的な分析はAIが実施することから、 ノウハウがなくてもある程度の分析が実 施可能。継続的な改善の取組が可能 になる 53 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例② 三菱電機(三菱電機のソリューション導入) “見える化”データの自動分析によって、改善箇所の確認、さらに不具合が判明 導入先 機械、樹脂成型品製造工場(製造設備・ユーティリティ) Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 消費電力量、設備稼働のデータは取得。生産計画ー実績の確認、総消費エネルギー量の監視 等、操業管理の面からはデータを活用 ※コスト分析、省エネ検討においては未活用 システムが事前に学習済みの“省エネ視点”の分析を実施。AIによって省エネポテンシャルが 大きい(対処をすれば効果が見込める)ポイントを抽出し提示する インプットデータの追加:本事例では下図の”5視点”の分析のために、既存データ+生産量データ を取得し分析に活用。示されたポイントの分析により特定設備の不具合を発見した 設備① デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 設 備 加熱炉A 加熱炉B ※同一仕様の複数設備 設備① 電源 消費電力量 (時間単位) 管 理 ・ 制 御 導入したデジタル技術 取得データの自動加工、省エネポテンシャルのAI分析システム 設備稼働データ 加熱炉A 加熱炉B 電源 消費電力量 (時間単位) ※同一仕様の複数設備 “省エネ5視点”による 省エネ効果の確認 設備稼働データ +生産量データ 上記5点について、各所のエネルギー ロスを自動算出、ランキング化 ロスの要因として考えられる要素や 想定効果までAIが分析・提示する 操業管理の面からはデータを活用 (生産計画ー実績の確認、総消費エネルギー量の監視等) 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 1. 2. 3. 4. 5. 設備立上時間ロス:生産設備立上時の生産外時間 設備立下時間ロス:生産設備立下時の生産外時間 ユーティリティ時間ロス:設備が動いていない間の稼働時間 原単位:生産量あたりの消費エネルギー量 生産ロス時間割合: 54 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例② 三菱電機(三菱電機のソリューション導入) “見える化”データの自動分析によって、改善箇所の確認、さらに不具合が判明 導入先 機械、樹脂成型品製造工場(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 取得データの自動加工、省エネポテンシャルのAI分析システム 省エネ・省資源効果 ー10~20% ー190トン/3年 【消費電力量の削減】 【CO2削減】 各適用先の消費電力量を約10%~20%削減 ・樹脂成形ライン :ー20% (主に加熱炉) ・金属加工設備 :ー20% ・プリント基板実装ライン :ー10% (主にリフロー炉) 食料品業種の企業において、工場全体での省エネ活動 により、省エネ法が求める基準を大きく超える成果を達成 ※本効果は三菱電機以外の企業でEcoAdviserを活用し 実現した効果 生産性向上・現場課題解決 ー90%(作業工数) 省エネ活動の標準化を支援 【省エネ分析の省人化実現】 【省エネ分析の属人化解消】 AIによる分析自動化により、省エネ分析作業の工数を 90%削減。また、分析内容の高度化も可能 省エネ分析のノウハウをAIが代替することで、特定の人員 に依存ぜず、継続的に省エネ活動することが可能 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 55 事例③ ENEOSマテリアル(横河デジタルのソリューション導入) (3. 制御自動化×a. 個別設備) 56 事例③ ENEOSマテリアル(横河デジタルのソリューション導入) ENEOSマテリアルは蒸留塔の運転制御においてAIを活用したバルブ制御を導入。人力制御からの 置き換えに成功するとともに、品質の安定化と省エネ生産の両立を実現 ◼ 工場内の製造装置、特に環境が大きく変わる中で安定した生産を続ける必要がある設備の制御に導入。 導入前の課題 導入内容 制御の自動化が難しい 運転制御のAIモデル構築 品質と省エネのバランスを取った自動化 従来の制御技術(PID、APC等)では対応で きない急激な環境の変化に対応するため、 過去の操業データから安全に操業できる自 動化モデルを構築 安定した品質での生産と、内部の排熱活用 を最大化することで省エネを実現するという 二つの目標をバランスよく達成するためのモデ ル調整を行い、人間が制御するよりも高品 質、省エネを実現 継続的にラインの自動化の取組を 進めていたが、環境変化が大き い・外乱が強い等の条件のある設 備は従来技術では自動化ができ なかった 人力制御が現場の負担に 熟練者による制御を15分に一度 の頻度で実施しており、現場での 負荷が大きい状態であった 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 主な効果 省エネ・省資源効果 【消費エネルギーの削減】 AIによる最適な制御により、工程 内での排熱利用を最大化すること で、ユーティリティの蒸気使用量を 削減する 生産性向上・現場課題解決 【現場の操業負荷軽減】 自動化工程の範囲を広げることで、 現場でかかっていた工数を削減する 【品質の安定化】 自動化による高頻度、最適な制 御により、品質の安定も追及するこ とが可能になる 57 事例③ ENEOSマテリアル(横河デジタルのソリューション導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 石油化学系プラントの蒸留塔において、排熱利用のコントロールにAI(強化学習)を活用。 従来実現が難しかった自動化に成功 導入先 化学プラント(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 強化学習に基づくAI制御システム Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 本件における調節バルブの制御(制御値の入力)は自動化が難しく、人間が15分に一度確認、 AIベース(強化学習)のアプローチで自動化に成功。高頻度の調整、AIによる思い切った制御値 調整する形で対応していた。その結果、急な変化への対応遅れや、人間特有の入力のクセから、 の入力により、温度・圧力等が目標値から大きく離れない制御が可能に。過剰であったエネル ギー消費の削減に成功 無駄なエネルギー消費が発生 蒸留塔 デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 設 備 設備 調節弁 蒸留塔 蒸気を一部フィードバックし 加熱等に活用 AIを活用した 調節弁制御の自動化 制御の自動化が難しいため、 人間が15分に一度の頻度で制御 管 理 ・ 制 御 制御対象(例:温度、圧力、、) 15分に一度の制御だと、外乱 等への対応が遅れる 人間の感覚では、下限値を気 にして目標近傍への制御が慎 重になる 目標値 下限値 15分 15分 15分 ※グラフ等はイメージ 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 設備 機械学習(AI)ベースのアプローチで 制御の自動化を実現 制御対象(例:温度、圧力、、) システムによる高頻度な調整 →オーバーシュートを抑えられる AIの経験による制御値設定 →思い切った値の設定により 高速で収束させられる 目標値 下限値 15分 時間 ※グラフ等はイメージ 時間 過剰なエネルギー消費の削減 58 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例③ ENEOSマテリアル(横河デジタルのソリューション導入) 制御自動化によるエネルギー削減と合わせて、現場の工数的・心理的負荷を削減 導入先 化学プラント(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 強化学習に基づくAI制御システム 省エネ・省資源効果 ー40% ー数千万円/年 【エネルギー消費量の削減】 蒸留塔全体で40%の蒸気使用量(≒エネルギー使用量)を削減 生産性向上・現場課題解決 ー100% ー73人日 【工数削減、他業務の阻害を防ぐ】 【品質の安定化】 現場の負荷になっていた、「15分に一度熟練 担当者が他作業を止めて調整する」工数の 削減 自動化による高頻度、最適な制御により、 品質の安定も実現 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 59 事例④ 製造業各社(アズビルのソリューション導入) (3. 制御自動化×b-1. ユーティリティ設備連携) 60 事例④製造業各社(アズビルのソリューション導入) アズビルは動力プラントの制御において、多変数・多制約条件のパラメータ設定を自動化できるモデルを 構築。そのモデルをAIによって随時更新することで、プラントに対して常に最適な制御を実施する ◼ 化学製品等の大規模プラント内の動力プラント等を対象に多変数の最適化を行うシステムを提供。 導入前の課題 導入内容 複雑な制約条件 多数の動力機器の最適運転 AIによるモデルの随時更新 動力プラント等の複雑なOutput(低圧 ~高圧蒸気+電力等)について、それ ぞれにかかる制約条件を満たすために、 安全寄り(過剰気味)の稼働をすること が多い 複数のユーティリティ機器(蒸気供給等)の最 適なパラメータ設定を、需要のバランス(電力、 各種蒸気等)や設備の機器制約をふまえて 最適化する ※直接操業に関わるパラメータ設定には、安 定操業の観点から多変数モデル予測制御 を利用する 導入当初に構築したモデルは、定期的にプラ ントの状況に合わせたメンテナンスを実施する 必要があるが、このモデル更新をAIで自動化 する 最適化の効果は時限的 一度最適化の活動を行っても、制約 条件の変化や、機器の劣化等により 特性が変わり、徐々に最適から離れた 制御になってしまう 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 主な効果 省エネ・省資源効果 【消費エネルギーの削減】 ユーティリティの稼働最適化により、 運用安定化のために持っていた余 剰を削減し、燃料消費等を削減す る 【削減効果の維持】 各種機器の劣化等、操業の条件 が変わり最適制御ができなくなるこ とを、AIによりモデルを更新すること で防止する 生産性向上・現場課題解決 ー (自動化実現による工数削減効果 はあり) 61 事例④製造業各社(アズビルのソリューション導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 動力プラントのボイラー制御値を、各種蒸気、電力の需要を勘案しながら自動で提案・設定 導入先 各種製造所の動力プラント(ユーティリティ) 導入したデジタル技術 動力プラントの制御値の自動調整 Before(デジタル未活用) 管理・制御:当初は人力による調整・設定 →熟練者が必要かつ、熟練度次第では非効率になりうる状況 効果の維持:ソリューション導入後も、劣化等による理想状態とのずれからの非効率が発生 ( ) 効 果 の 維 持 高圧蒸気 ボイラ① 中圧蒸気 設 備 管 理 ・ 制 御 数理モデルによるパラメータ値の設定により、多くの制約条件を守りつつ最適化(省エネ化)が可 能となる。制御にはあえてAIは使わず、説明性の確保できる数理モデルを利用。 また、AIの活用により時間が経つと変化する諸条件を反映した数理モデルへ自動更新すること で、常に最適制御が可能になり効果の維持が可能 高圧蒸気 ボイラ① デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト After(デジタル活用) ボイラ② ・・・ ボイラごとの制御値を 人力で検討、設定 中圧蒸気 低圧蒸気 ボイラ② 低圧蒸気 電力 ・・・ 電力 各種インフラごとの想定需要量を インプット(多くの制約条件) 数理モデルによる 制御値設定の自動化 人間が制御値を調整・設定 担当者のスキル次第で非効率になりうる。 ノウハウの継承が必要 プラント効率 設備の劣化、運転条件の変化等で 徐々に数理モデルが最適でなくなる “(効果の)維持”へ Input-Outputのデータは変えずに、特定 の 値 (消 費エネ ル ギー等 ) が 最小 に なる 制御値を数理モデルから自動計算 安定した効率を実現。モデルの改善により人間 以上の効率を出すことも可能 AIによる モデル更新の自動化 プラント効率 ※導入検討中 定期的なモデルの組みなおしが必要 (工数・コスト) 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 時間経過 AIにより設備の稼働データから特性変化を反映 した数理モデルへ自動更新→常に最適制御 時間経過 62 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例④製造業各社(アズビルのソリューション導入) エネルギー消費量を動力プラント全体で数パーセント削減。またAI活用により効果を持続 導入先 各種製造所の動力プラント(ユーティリティ) 導入したデジタル技術 動力プラントの制御値の自動調整 省エネ・省資源効果 ー2~3% ー0.5~3億円 削減効果の維持 【エネルギー消費量の削減】 【エネルギー消費量の削減(維持)】 多変数予測モデルによる、エネルギーコストを最 小化するパラメータ導出により、動力プラント全 体の消費エネルギーを2~3%※削減 設備の劣化等で特性が変化しても、常に最適 制御を可能にすることで左記効果を維持する ※絶対値としては非常に大きくなる ※特性変化に対応したモデル更新を人力で実施 →AIによる更新の技術が確立されつつある ※導入の検討・実証中 生産性向上・現場課題解決 ー(実証・改善中) 【パラメータ調整の工数削減】 パラメータ調整の自動化・効率化を実現し、 エンジニアの負担軽減やプロジェクト全体の 生産性向上を志向 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 63 事例⑤ 化学プラント(日立製作所のソリューション導入) (3. 制御自動化×b-2.生産設備・生産計画連携) 64 事例⑤化学プラント(日立製作所のソリューション導入) 日立製作所は、トレードオフの関係にある生産効率とエネルギー効率の最適バランスを追求す る新システムの検証を開始。全体最適となる生産計画の調整案を提供する ◼ 人力での生産計画立案時には諸制約条件と生産効率に視点が置かれているものの、事業所全体のエネルギー効率まで は考慮しきれていないケースにおいて、計画連携AIの導入で双方の観点も考慮した全体最適化の可能性を見出した。 ◼ 原料投入量と収率、エネルギー消費等に複雑な関係がある化学プラント等への導入はTSPlanner ※ による最適化の適 用可能性が高い領域の一つ。 ※日立製作所の提供する計画連携ソリューション(Team Synergy Planner) 導入前の課題 導入内容 生産管理とエネルギー管理のKPI が相反 生産量とエネルギーのモデル構築 生産計画とEMSの調整 原料投入、収率、エネルギー消費の関係を AIにより学習することで、最適化の計算が可 能なモデルを構築する 異なる目標を追っている組織間の計画につ いて、コスト等の統一的な指標をもとに調整 案を作成、提示する エネルギー管理部門は省エネを重視す る一方、生産管理部門は安定供給を 重視するため、EMSの省エネ効果が十 分引き出せていなかった 生産管理 部門 エネルギー管理部 門 KPIが 省エネ 安定供給 相反 電力平準化 計画策定が属人的 計画策定を熟練者が行い、部門間の 調整を知見と権限のある人間が行って おり、工数が必要であった 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 主な効果 省エネ・省資源効果 【消費エネルギー・消費資源量の 削減】 総合してコストが最低になるように、省エ ネと省資源のバランスをとることで、省コ ストの全体最適化が可能 生産性向上・現場課題解決 【計画策定、部門間調整の工数 削減】 従来は熟練者による計画策定および、 部門間の調整にも知見と権限のある人 間の工数が必要であったところを一定自 動化が可能 65 事例⑤化学プラント(日立製作所のソリューション導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 TSPlannerでは、これまで個別に策定されていた生産計画とエネルギー計画をAIにより統合。 2つの効率を最適に制御することで「全体最適」となる、新たな生産計画の調整案を提供する 導入先 化学プラント(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 生産計画とエネルギー計画の連携ソリューション(TSPlanner) After(デジタル活用) Before(デジタル未活用) 生産計画とエネルギー計画は独立して策定。 必要に応じて部門間の調整を人力で実施 デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 設 備 管 理 ・ 制 御 生産コスト+エネルギー調達コストの合計が最小となるよう、AIが生産計画とエネ ルギー計画双方の調整案を提示。 人が調整案をチェックしたうえで、生産指示・エネルギー供給指示を行う ユーティリティ設備 生産設備 ユーティリティ設備 運転指示 生産指示 調整された 運転指示 決定した生産計画から エネルギー需要量を 算出 エネルギー管理部門 生産設備 調整された 生産指示 生産コスト+エネルギーコストの 合計が最小となるよう 提示 提示 AIが調整案を提示 生産管理部門 エネルギー管理部門 両計画を インプット 生産管理部門 生産計画ありきで 運転計画を策定 インプット エネルギー需要量 制約条件 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容よりNRI作成 インプット 販売計画 制約条件 インプット エネルギー需要量 制約条件 インプット 販売計画 制約条件 66 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例⑤化学プラント(日立製作所のソリューション導入) 消費エネルギー・消費資源量の削減と計画策定・部門間調整の工数削減の可能性を 見出した 導入先 化学プラント(製造設備・ユーティリティ) 導入したデジタル技術 生産計画とエネルギー計画の連携ソリューション(TSPlanner) 省エネ・省資源効果 ー10% 【消費エネルギーの削減】 過去事例において、総合してコストが最低になるように生産計 画とエネルギー計画のバランスをとることで、エネルギー消費量 の改善を実現 生産性向上・現場課題解決 (実証・改善中) (実証・改善中) 【コスト削減】 AIにより高効率な計画を策定することで、設備稼働 コストの削減が期待される。 また、従来は熟練者による計画策定および、 部門間の調整にも知見と権限のある人間の工数が 必要であったところを一定自動化が可能 【安定操業・現場力向上】 システム化に伴う計画精度の向上・安定化や、技術 継承の簡素化、熟練者スキルの高付加価値業務へ の活用等が実現可能 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 67 事例⑥ 日本触媒(ALGO ARTISのソリューション導入) (3. 制御自動化×b-2.生産設備連携・生産計画) 68 事例⑥日本触媒(ALGO ARTISのソリューション導入) 日本触媒は生産計画を最適化するソリューションを導入。エネルギー、資材両面でロスが大き い生産切替の回数を減らすことで省エネ、省コストを実現する ◼ 一定頻度で生産切替を実施するプラント、工場での生産切替ロスを最小化するために導入 導入前の課題 導入内容 省エネ・省資源より安定供給を優 先した計画策定 制約条件を考慮した生産計画の策定アルゴリズム 多様な制約条件を守った計画策定が 必要であり、省エネを突き詰めるより、 欠品を起こさないような安全な計画を 優先せざるをえなかった 生産の現場、特に生産切替の行われる現場においては、各ラインの生産能力や、倉庫の容 量、出荷計画等の多様な制約条件を考慮した生産計画の策定が必要。アルゴリズムによる 自動策定を実現することで、最適化の精度をあげつつ、計画策定の省人化を実現 計画策定が属人的かつ工数を要 する 計画策定を熟練者が行う必要があり、 かつ十分な工数をかけて作成していた。 そのことから気軽に見直し等はできない 状況であった 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 主な効果 省エネ・省資源効果 【消費エネルギー・消費資源量の 削減】 消費エネルギーのロスや、生産物の廃棄 につながる生産切替の数を最小化する ことで、消費エネルギー、投入資源量、 廃棄物の処理コスト等を複合的に削減 可能 生産性向上・現場課題解決 【計画策定の工数削減/ 計画の 精緻化】 熟練者が工数をかけて計画策定してい たところを案出しまでは自動化、かつ作 成時間も大幅に短縮。 条件を変えての再検討も容易になり、 計画の精度が高まる。 69 事例⑥日本触媒(ALGO ARTISのソリューション導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 変化しうる制約条件に対応するために、アルゴリズムベースで生産計画を構築することを志向 導入先 化学製品製造(製造設備) Before(デジタル未活用) After(デジタル活用) 多くの制約条件をもとに、熟練者が生産計画(製造品・生産切替タイミング)を策 定(3か月分を作成するのに丸1日を要する) Input情報や制約条件はそのままで、生産切替(エネルギー、素材、工数にロスが 出る)の回数を最小化するような生産計画をアルゴリズムにより自動策定 (デジタル化による処理能力の向上で、検討要素を追加できる) 設 備 化学製品製造ライン① 化学製品製造ライン① 化学製品製造ライン② 化学製品製造ライン② 管 理 ・ 制 御 生産切替が発生する製造ライン ・・・ 生産切替が発生する製造ライン ・・・ デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 導入したデジタル技術 生産コストを最小化する生産計画策定アルゴリズム 生産計画・ 設備稼働計画 生産計画・ 設備稼働計画 納品を最優先に、安全よりの生産計画を策定 ※忙しい熟練者が対応のため細かい点のために何 度もやり直しは難しい 納品に問題がないことは前提に、各種ロスにつなが る生産切替の回数が最小になる生産計画を策定 ※自動生成のため条件を変えて試行も可能 各種制約条件(多様かつ変化あり) 各種制約条件(多様かつ変化あり) 受注・納品予定データ 受注・納品予定データ 熟練者が 1日かけて検討 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 各ラインの製造能力 在庫・倉庫の状況 出荷・配車の制約 AIにより30分で立案 (アルゴリズム処理) 各ラインの製造能力 在庫・倉庫の状況 出荷・配車の制約 70 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例⑥日本触媒(ALGO ARTISのソリューション導入) 切替回数削減にともない、環境負荷の低減に貢献。計画策定の工数、現場工数も大幅減 導入先 化学製品製造(製造設備) 導入したデジタル技術 生産コストを最小化する生産計画策定アルゴリズム 省エネ・省資源効果 ー約500t-CO2/年 【温室効果ガスの発生・消費資源量の削減】 生産切替に伴う設備停止時間の短縮がエネルギー使用 量の低減につながり、結果としてCO₂排出量削減を実現 ※さらに切替時に発生する廃棄物の削減と合わせて、 環境負荷の低減に貢献 生産性向上・現場課題解決 ー33% ー336人日/年 【現場の切替回数・切替作業工数削減】 エネルギー、消費資源のロスの元となる生産切替回数 を33%削減 切替に伴う現場作業も同割合にて削減される 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 -90% 計画精度向上 【計画策定工数削減】 熟練者による計画策定の工数が自動化により大幅 減(計画精査の工数が残存) 計画案を精査して、条件設定を変える等の分析をす る工数が生まれることにより、計画精度の向上が可能 に 71 事例⑦ 工業団地立地各社(東京ガスのソリューション導入) (3. 制御自動化×b-3. 工場・需要家間連携) 72 事例⑦工業団地立地各社(東京ガスのソリューション導入) 宇都宮の清原工業団地では、エネルギーセンターを運用する東京ガスの統括により、複数事業所の電 力・熱需要を集約。お互いに融通しあうことで全体としてのエネルギー最適化を図っている ◼ 大型の需要家同士が地域的に隣接している工業団地等を中心に展開。 導入前の課題 導入内容 省エネは各事業所での 取組のみに留まっていた 電力・熱供給を複数事業所で共有 各社のエネルギー利用計画をとりまとめ 大規模・高効率のコジェネシステムにより、複数 事業所向けに電力と熱を合わせて供給 エリア全体のエネルギー管理・最適制御を行う システム「SENEMSⓇ」を導入。エネルギー需要側 と供給側の稼働状況を見える化し、廃熱利用を 最大化している 各事業所が個別に電力・ガスを 調達。また、個社でコジェネシステ ムを導入する場合、小規模なも のに限られていた。 エネルギー需要家間の連携も行 われていない状況であった 主な効果 省エネ・省資源効果 【熱の相互融通】 各社の製造計画の情報をエネル ギーセンターが取得し、設備の稼働 調整をすることで、余剰熱を他社に 回す等の活用が可能 【共通コジェネシステムの採用】 立地企業が共通のコジェネシステム を利用することで大型で効率の良い 機種の選定が可能 【ピークシフトの調整】※未実施 各社の製造計画を調整することで、 電力・熱需要のピークが重なることを 避け、エネルギーセンター全体の出 力を落とし省エネを実現 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 73 事例⑦工業団地立地各社(東京ガスのソリューション導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 需要側から収集したデータをもとに蒸気供給余力を予測し、需要側に設備の推奨運転パター ンを提案することで、CGSから生じる廃熱蒸気を最大限活用し、省エネ・省CO2を達成 導入先 清原工業団地内の複数事業所(ユーティリティ) 導入したデジタル技術 Before(デジタル未活用) エリア全体のエネルギー管理・最適制御を行う「SENEMSⓇ」を導入 After(デジタル活用) エネルギーセンターにて複数事業所の生産状況・エネルギー使用状況を把握可能。各社の 各事業所が個別に電力・ガスを調達しており、事業所間でのエネルギー 設備稼働計画を調整することで、廃熱蒸気を最大限利用し省エネを実現。 融通ができていない 現在はデジタルデータをもとに人力で調整を行っているが 、将来的にはデジタル技術を 活用して調整の自動化を目指す デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト 電力会社 ガス会社 設 備 管 理 ・ 制 御 電力・ガス調達 電力会社 電力・ガス調達 ガス会社 個別の CGS + 工場A 個別の CGS + 電力・ガス調達 電力・熱供給を 共通化 大規模・ + 高効率な CGS エネルギーセンター 工場A 工場B 工場B 供給側・需要側を繋ぐシステムが無く、 データ収集・生産調整は行っていない 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 電力会社・ガス会社 SENEMSⓇ AIにより外気状況や エネルギー利用状況から 需給を予測 蒸気供給余力を 可視化 データ収集 蒸気使用効率が最大になる 運転パターンを提案 74 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 事例⑦工業団地立地各社(東京ガスのソリューション導入) 大規模・高効率なコジェネシステムの共有に加え、事業所間での設備稼働調整により 廃熱蒸気を最大限利用し、省エネを実現 導入先 清原工業団地内の複数事業所(ユーティリティ) 導入したデジタル技術 エリア全体のエネルギー管理・最適制御を行う「SENEMSⓇ」を導入 省エネ・省資源効果 ー2% ー約1,100 kL/年 ※原油換算 ー20% ー約11,500 kL/年 ※原油換算 (ー約2%) (ー約1,000 kL/年) ※原油換算 【熱の相互融通】 【共通コジェネシステムの採用】 【ピークシフトの調整】※未実施 3社7事業所合計で2%のエネルギー使用 量を削減 3社7事業所合計で20%※のエネルギー使 用量を削減 ※事業実施前の2015年度比 仮に実施した場合、3社7事業所合計で 約2%のエネルギー使用量を追加で削減でき る見込み 生産性向上・現場課題解決 【エネルギーの安定供給】 大型CGS等の分散型エネルギーシステムの活 用により、緊急時でも災害に強い都市ガス供 給が継続している限りエネルギー供給が可能 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 75 事例⑧ 街区内エネルギーセンター(CEMSソリューション※導入) (3. 制御自動化×b-3. 工場・需要家間連携) ※CEMSソリューションは北海道ガス・大成建設・富士電機3社での共同開発 76 事例⑧街区内エネルギーセンター(CEMSソリューション※1導入) 大成建設×北海道ガスは、新さっぽろ駅周辺街区に対して、エリア全体でエネルギー供給を最 適化するCEMSソリューションを提供。需要予測に基づき需給双方向で連携し、省エネを実現 ◼ 病院や大型複合商業施設など、エネルギー使用状況が異なる複数事業者が存在するエリアへの導入を想定。 導入前の課題※2 導入内容 需要側・供給側の連携が無い エネルギー需要の予測 需要側は独立して設備稼働計画を策 定。また実際の需要に合わせて自由に 各種設備を稼働させる。 供給側は、需要の変化に合わせて不足 のないように電気・熱を供給する。 街区にある施設のエネルギー使用実 〇需要側の制御 績や気象情報、建物の利用状況を エリア独自の快適性指標を設定し、利用者の 収集・分析し、エネルギー需要を予測 快適性を保ちつつエネルギー需要量を削減 〇供給側の制御 需要予測に基づきエネルギー供給機器の各設 定値を自動で調整し、効率的な運転を実現 ※2:上記は一般的なEMSでも想定さ れる課題である。本事例ではCEMS導 入を前提に街づくりを行ったため、導入 前に固有の課題があったわけではない 主な効果※3 需給双方向の連携 省エネ・省資源効果 【街区全体での需要量抑制】 利用者の快適性が保たれる範囲内で エネルギー需要量を削減する 【エネルギー供給設備の効率稼働】 需要予測に基づき、エネルギーセンター内設備 の運転を最適化。消費エネルギーを削減 【電気・熱の需要予測の乖離率を低減】 双方の需要量を正確に見積もることで、最適 な機器運用を実現。 生産性向上・現場課題解決 【エネルギー管理の省人化】 AIがエネルギー供給機器の運転計画を自動で 立案・制御するため、人手による管理の負担を 軽減可能 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 ※1:CEMSソリューションは、北海道ガス・ 大成建設・富士電機3社での共同開発 ※3:本事例は現在実証中のため、効果に ついては今後継続して検証される予定 77 ※1 事例⑧街区内エネルギーセンター(CEMSソリューション 導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 需要家からの提供情報や気象情報からAIがエネルギー需要を予測。需要予測に基づき、 エネルギー供給機器の各設定値を自動で調整し、効率的な運転を実現 導入先 新さっぽろ駅周辺街区 導入したデジタル技術 街区全体のエネルギー管理・最適制御を行うCEMS After(デジタル活用) Before(デジタル未活用※2) エネルギー使用の見える化しか行っておらず、需要家の要求に合わせて電気・熱の 供給を行っている エネルギー使用実績や気象状況等の情報をもとに、AIがエネルギー需要量を予測。 需要予測に基づき、エネルギー供給機器の各設定値を自動で調整し、効率的な ※2:CEMS導入を前提とした街づくりを行ったため、実際には上記のような状況は生じておらず、 運転を実現 上記はデジタル未活用の場合のイメージ デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト エネルギー 供給 設 備 エネルギー 供給 街区 エネルギーセンター 街区 エネルギーセンター 需給双方向制御によるさらなる省エネ エネルギー供給機器の 各設定値を自動で調整 管 理 ・ 制 御 エネルギー使用状況の 見える化 エネルギー使用状況の見える化のみに留まっており、 需要予測や、需要家との連携は行っていない 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 AI AIが高精度に需要を予測 →人手での予測と比較して 予実の乖離を低減 インプット 需要量を調整 エネルギー使用状況の 見える化 エネルギー使用の過去実績 気象状況 施設利用状況 ※1:CEMSソリューションは、北海道ガス・ 大成建設・富士電機3社での共同開発 78 ※1 事例⑧街区内エネルギーセンター(CEMSソリューション 導入) 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 エネルギー供給機器運転の効率化による省エネを実現 ※1:CEMSソリューションは、北海道ガス・大成建設・富士電機3社での共同開発 導入先 新さっぽろ駅周辺街区 導入したデジタル技術 街区全体のエネルギー管理・最適制御を行うクラウド型CEMS 省エネ効果※2※3 (ー24%)※4 (ー18%)※5 【エネルギーセンターのCO2排出量削減(省CO2モードによる試算)】 【エネルギーコストの削減 (省コストモードによる試算)】 オペレーターによる運転と比較して、CEMSが立案した最適運転計画は エネルギー供給時のCO2排出量を削減可能 オペレーターによる運転と比較して、CEMSが立案した最適運転計画は エネルギー供給のコストを削減可能 ※4:実績運転と実績負荷に対するAI最適運転計画(シミュレーション)との比較 ※5:実績運転と実績負荷に対するAI最適運転計画(シミュレーション)との比較 検証期間:2024年1月15日(月)~1月19日(金) ※2:上記期間でのオペレータの運用による実績データを用いて、CEMS機能の一部である最適運転計画による効果を試算した結果 出所 :佐々木茉莉,他9名「地方都市の脱炭素まちづくりを実現するスマートコミュニティに関する研究(第18報):実績負荷に対する熱源システムの最適運転計画の妥当性の評価, 日本建築学会大会学術講演集,2025年9月 生産性向上・現場課題解決※3 (実証中) 【エネルギー管理の省人化】 AIがエネルギー供給機器の運転計画を自動 で立案・制御するため、人手による管理の負 担を軽減可能 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 ※3:本事例は現在実証中のため、効果については今後継続して検証される予定 79 事例⑨ 製造各社(Blue Yonder (パナソニック)のソリューション導入) (3. 制御自動化×c. サプライチェーン連携) 80 事例⑨ 製造各社(Blue Yonder (パナソニック) のソリューション導入) 複数企業間でのサプライチェーン取引および協働業務を支援するプラットフォーム「Blue Yonder Network」を導入。自社だけでなく取引先企業の情報やデータを共有することで、サプライチェーン全体の 可視化範囲を拡大し、計画から実行までのプロセスを継続的に最適化 ◼ 企業間連携を含めたEnd-to-Endでのサプライチェーンの最適化を実現。 導入前の課題※ 導入内容 生産・物流計画と実態の乖離 サプライヤーや物流パートナーとのモノの情 報をリアルタイムで一元化 需給のバランスをふまえた最適な生産/物 流計画と実行 OEM等が核となり、サプライヤーや物流パート ナーとのモノの情報を共有できるような相互 協力の体制を作り上げる ・多階層サプライチェーンのコラボレーションを 実現する(予測、発注、キャパシティー、在 庫、調達、品質) ・リスク管理を高度化する サプライチェーン上の各社が自社製品の 需要量と、調達先の納品計画を踏まえ 生産計画を立案している。 しかし、急激な需要変動、災害等によ る生産、物流アクシデント等へのリアル タイムでの反映は難しく、各社がバッファ を持った管理等、生産、物流においてム リ・ムダ・ムラが随所に発生している 主な効果 Industry Networks Global Logistics Gateway Risk & Resilience Data 省エネ効果 【物流計画の最適化】 需要と供給をリアルタイムで管理すること で、生産計画・輸送計画を最適化し、 輸送・倉庫保管にかかるコスト、エネル ギーを最適化 【需給ミスマッチによるロスの削減】 需要の変化をリアルタイムで反映するこ とによる生産計画、在庫計画の最適化 計画 ソーシング 生産 輸送 在庫 リスク 多階層の コラボレーション 調達 自社/委託先 物流 アポイントメント 管理 需給調整 リスク管理 オーダー、ASN、QI、EDI、請求 契約管理 製造ライン キャパシティ 物流トラッキング 配送スケジュール調整・確認・納 品完了証明 ロットトラッキング シナリオ分析 在庫、オーダー、フォーキャスト、 キャパシティ 調達と入札 品質管理 テレマティクス、 IoTトラッキング クロスドッキング 生産性向上・現場課題解決 【生産性向上】 ネットワーク全体・各階層の制約を可視 化し、ボトルネックを迅速に特定・解消し て安定供給を実現 【納期遵守、納期回答の迅速化】 計画の最適化による納期管理の正確 性向上 BUYERS DC DC Mfg. / Co-Mfg. DC SUPPLIERS Tier 1 SUPPLIERS Tier 2 SUPPLIERS Tier N 81 事例⑨ 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 製造各社(Blue Yonder (パナソニック) のソリューション導入) サプライヤーや物流パートナーとのモノの情報をリアルタイムで一元化。社外・社内のスムーズな連携を実現 し、サプライチェーンの計画から実行までを継続的に最適化する体制を構築 導入先 メーカーとサプライヤー、物流パートナー 導入したデジタル技術 企業間サプライチェーン・ネットワーク基盤+AIエージェント After(デジタル活用) Before(デジタル未活用※) • • サプライヤーや物流パートナーとの連携がマニュアルベースで情報連携が遅い、また はつながっていない。 上記により、輸送中在庫を含む、完成品~部品までの在庫状況把握が不透明。 また、システムギャップによりプロセスとデータが分断。計画系と実行系の連携が不 足し、変化への対応力が低下。 ネットワークとインテリジェンス機能の提供により以下を実現 • • • • サプライヤーコラボレーション: サプライヤー・輸送業者と連携した需給マッチ 多階層の在庫管理: サプライヤー連携による管理 デジタルツインとコントロールタワー: オーダー、シップメント、SKU×拠点レベルの在庫管理 リスクアセスメント:リアルタイム監視、AI によるリスク評価 業界ネットワーク デ ジ タ ル 技 術 に よ り 改 善 し た ポ イ ン ト Excel file シ ス テ ム Email FTP EDI グローバルターミナルゲートウェイ ネットワークバックボーン グローバル物流ゲートウェイ 顧客ITシステム 企業間での受発注、生産、物流、在庫等の情報連携は 部分的な個別システム、Excel、電話・Eメール等でおこなっている バイヤー 情 報 連 携 リスクとレジリエンスデータ サプライチェーン各社の提供データと外部データ(天気・交通・災害情報等)を管理し、 インテリジェンス機能により各種計画策定(見直し)、問い合わせ回答をサポート サプライヤー 貨物 フォワーダー バイヤー Blue Yonder ネットワーク サプライヤー LSP・倉庫 ネットワーク オーダー 個社ごとに、生産・物流管理を実施 サプライチェーンのネットワーク化で リアルタイムに企業間情報を共有 キャリア運送業者 貨物フォワーダー LSP・倉庫 キャリア運送業者 82 事例⑨ 【見える化の範囲・粒度拡大】 【常時・即時】 【人的な誤差・ミスの排除】 【機器連携】 製造各社(Blue Yonder(パナソニック)のソリューション導入) 生産計画、物流計画の最適化により、輸送コスト、資産効率が改善 導入先 メーカーとサプライヤー、物流パートナー 導入したデジタル技術 企業間サプライチェーン・ネットワーク基盤+AIエージェント 省エネ効果 ー4% ー3.5% 【輸送・保管コストの削減】 【輸送コストの削減】 顧客側の必要なタイミング、生産実態に合わせ た輸送計画の調整により輸送・保管にかかるコス トを全体の4%削減 (薬品メーカー) 顧客側の必要なタイミング、生産実態に合わせ た輸送計画の調整により、インバウンド、アウトバ ウンド輸送にかかるコストを全体の3.5%削減 (電子機器メーカー) ※輸送コストのうち燃料は約20% 生産性向上・現場課題解決 【在庫保持コストの削減】 【資産効率の向上】 不要な倉庫の解約、業務効率向上 多階層の在庫管理実現。サイクルタイム短縮 【対前年度営業利益増加】 【サプライチェーンにおける真正性(由来)の証明】 フォーキャスト精度向上によるバックオーダーの削減 偽造品対策としてのチェーン・オブ・カストディ(取扱 履歴)管理 ※電子機器メーカーAでの実績 出所:各社のWebページ、ヒアリング内容より作成 【実績を基にした効果の推定値】 意思決定のスピードアップ 50-60% 意思決定精度の向上 20-30% 在庫削減 10-30% 計画と実行の効率の向上 25-50% リソース利用率の向上 15-40% 83

資料6

第 49 回省エネルギー小委員会への意見提出 令和7年 12 月 11 日 一般財団法人日本エネルギー経済研究所 理事長 寺澤 達也 残念ながら本日の会合に出席できないため、書面にて意見を提出します。 0.全体 これまでの議論を踏まえて着実に諸課題の実現に向けて動いていることを高 く評価します。その上で、省エネ等需要サイドの取組をさらに強化・深化して行 く上で今後取り組んで行くべき課題として以下意見を申し上げます。 1.グローバルな省エネ政策の展開とクレジットの創設・活用 これまでの省エネ政策はもっぱらドメスティックであったことは否めません。 しかしながら省エネ余地が大きいのはアジアなどの新興国であり、日本の高い 省エネ技術を活かし、新興国における省エネにもっと貢献して行くべきと考え ます。これは地球温暖化問題にも貢献しますし、日本産業の発展機会にもつなが ります。さらにパリ協定6条を活用して省エネに関連するクレジットを創設す れば、日本の脱炭素化実績にも貢献できます。AZEC(アジアゼロエミッション 共同体)の中でも日本としてもっと主導して行くべきと考えます。 こうした省エネに関連するクレジットは日本国内でももっと創設して行くべ きであり、来年度からスタートする GXETS におけるクレジット供給にも貢献 できると考えます。 2.AI の省エネ、AI による省エネ データセンターに省エネを求めて行くことは AI の省エネを進める第一歩とし て評価します。しかしながら、今の取組は PUE という冷却だけに着目した省エ ネにとどまっています。半導体やサーバーの効率化、電子から光子への転換など、 エレクトロニクスのハード面での省エネの推進と、情報処理の効率化というソ フト面での省エネの推進も極めて重要と考えます。こうした分野は日本企業に よる活躍も期待できるところです。 デジタル活用のための手引きを作成されていることは AI による省エネ推進の 第一歩として評価します。もっと良い事例を創出し、集めて行く上では、例えば 大規模事業所に対し、AI による省エネの取組について省エネ法に基づき報告を 求めて行くことも一案かと思います。AI による省エネの重要性についての企業 の気づきを高めますし、良い取組の発掘にもつながると思います。他方、中堅・ 1 中小企業にとっては手引きの内容は高度すぎるきらいがあります。中堅・中小企 業が AI による省エネを推進できるよう「伴走者」が必要だと思います。金融機 関によるサポートがこうした分野でも期待されるところです。 3.DER 2022 年の省エネ法改正の一つの柱が DR の推進だったと理解しています。こ れまで機器の DR Ready に取り組んできていると承知していますが、料金面で の対応、グリッドの運用改善、次世代スマートメーターの活用、補助対象の DR Ready 化の徹底に加え、分散型電源の活用を含め、DER の推進に包括的に取り 組む必要があると考えます。ワーキンググループの創設は前向きの動きと評価 しますが、ぜひこうした実効性のある包括的な取組の検討に期待したいところ です。 4.熱への着目 これまでの省エネ政策は熱へのフォーカスが相対的には弱かったように感じ ます。工場における低温廃熱の活用に加え、河川や地下などの温度差の活用をも っと進めるべきですし、タワーマンション単位での地域熱供給の実現など、熱に 焦点を当てた省エネをもっと進めて行くべきだと考えます。 5.開示 省エネ努力について企業による開示を進める方向には大賛成ですが、こうし た開示内容が金融資本市場の参加者によって活用されなければ意味がありませ ん。こうした市場の参加者の現場の声に耳を丁寧に傾け、 「市場に活用される開 示」を是非実現して欲しいと思います。 6.給湯 家庭におけるエネルギー消費のうち、動力・照明に次いで大きな割合を占める のが給湯だと理解しています。給湯の省エネ、脱炭素化に向けた取組については、 立ち止まることなく、不断の努力を重ねて欲しいと期待しています。 (以上) 2

資料7

2025 年 12 月 11 日(木) 東京大学 江崎 浩 省エネルギー小委員会 2025 年 12 月 11 日(木) 会合へのコメント 【大きな方針に関して】 (1) 「AS IS 」(基本構造は変更せず機器の更新と制御の高度化)から 「TO BE」(新しい 機器とシステム構成/構造への進化) の強化へ。 「先進技術の開発と普及」は、AS IS ではなく TO BE を狙う。 【注】P.51 の右側の図「As is だと省エネの取り組みの鈍化の可能性」を広く周知化 し、 「TO BE」に舵を切るという方針を明確化するべき。 (2) デジタル化(+AI)による 「片方向(Water Fall 型)の電力供給制御」から、 「双方向(BiDirectional 型)の供給側と需要側との間での DR(Demand Response)連携制御」へ (3) {常に申し上げておりますが}システムのデジタル化とオンライン化が、IT 部門と OT 部門の両部門での サイバーセキュリティ対策の実現が重要条件かつ必須となる ことを周知化・実現するべき。 総務省では、JC-STAR と同等の「技適(技術基準適合 証明)」を適用することになっている。 【LCA(Life Cycle Assessment)に関して】 P.84 以降で LCA(Life Cycle Assessment)の重要性が議論されています。 個別のシステ ムに関する Life Cycle での議論においては、サプライチェーンでの議論も併せて議論され るべきでさると考えます。 LCA をサプライチェーンと併せて、管理するための データの 収集と管理は、サプライチェーンの効率化に貢献する可能性を持つだけではなく、サプライ チェーンの脆弱性管理(セキュリティ対策)にも同時に貢献する可能性を持ちます。 つまり、 DX と GX を同時に実現するエネルギー基本計画の考え方と合致するものであると考えま す。DX の実現には、同時にサイバーセキュリティ対策が必須のものとなります。 サイバ ーセキュリティ対策の実現には、各組織とサプライチェーン/ネットワークの両方での、す べての機器の LCA が、エネルギーフットプリントの観点だけではなく、サイバーセキュリ ティ対策の観点が必要となり、この2つを一体化して実現する方向を目指すべきであると 考えます。 以上
総合資源エネルギー調査会 省エネルギー小委員会 第49回 議事録・配布資料全文 | PPPT