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総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回

2025-03-31一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料総合資源エネルギー調査会 電力・ガス基本政策小委員会 第87回 資料

議事録

総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会 第 87 回電力・ガス基本政策小委員会 日時 令和7年3月 31 日(月)17:00~18:32 場所 オンライン開催 ○小柳室長 定刻となりましたので、ただいまより総合資源エネルギー調査会第 87 回電力・ガス基 本政策委員会を開催します。 委員及びオブザーバーの皆様方におかれましては、ご多忙のところご参加いただき誠に ありがとうございます。 本日の小委員会についてもオンラインでの開催とさせていただきます。ウェブでの中継 も行っておりましてそちらでの傍聴も可能となっておりますのでよろしくお願いいたしま す。 武田委員におかれましてはご欠席の連絡を頂いております。本日ご出席いただいており ます本委員の方の数は定足数を満たしております。それでは以降の議事進行は山内委員長 にお願いいたします。 〇山内委員長 はい、山内でございます。よろしくお願いいたします。 お手元の議事次第に従って進みますけれども、今日の議題が 5 つありまして、まず 1 つ 目が沖縄エリアの料金規制問題、それから 2 つ目が電力システム改革の検証、3 つ目が需 給関係で、4 つ目が電力データ活用の問題、それから 5 つ目が電力分野のサイバーセキュ リティの関係であります。 じゃあ早速ですね、1 番目の議題に入ります。沖縄エリアの高圧部門における料金規制 等の解除についてであります。事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお 願いいたします。 〇小柳室長 はい、それでは事務局から資料 3 の 1 に基づいてご説明をさせていただきます。 2 ページをご覧ください。前回のこの小委員会においてですね、沖縄エリアの高圧部門 における料金規制等に関して議論していただきました。沖縄エリアにおける新電力シェア ですけれども、高圧部門で 12.2%に達しているということで、ほかのエリアと比較しても 遜色ない数字に達しているということで、料金規制等を解除する方針について議論いただ いたということでございます。その後ですね、沖縄エリアの高圧部門における料金規制等 の解除を行うことに関する懸念の有無と解除を行う場合にどのような措置を講ずることが 必要かについて、電力ガス取引監視等委員会に意見を聞くこととしておりました。3 月 10 日付でですね、経産大臣から監視塔委員会委員長に意見聴取を行ったところですね、3 月 21 日付で回答があったということでございます。本日はですね、この回答内容を踏まえま して沖縄エリアの高圧部門における料金規制等の解除について再度ご議論いただきたいと いうことでございます。 4 ページ目ご覧ください。資料 3 の 2 としてですね、監視等委からいただいた意見とい うのを付けておりますけれども、その一部抜粋でございます。1 つ目のぽつですけれど も、沖縄電力の高圧部門の販売量ベースの新電力シェアは沖縄以外の供給区域と比較して も遜色ない水準になっていると。令和 2 年 7 月に内外無差別の卸売等のコミットメントを 表明するなど現時点で適正な卸取引環境が整備されていると。こうした現状を踏まえれ ば、以下の点に留意しつつ料金規制等を解除することは差し支えないと考えると。 その留意すべき点ですけれども、2 つ目のぽつのところですが、料金規制等の解除され たあと三年間はですね、合理的でない値上げが行われないように特別な事後監視を実施す るということ。2 点目ですけれども、沖縄エリアというのは系統がほかの地域から独立し ていることとか、卸電力取引所を通じた取引も不可能であるといったことを踏まえると、 卸取引における競争が働きにくい環境にあるということも踏まえまして、沖縄電力株式会 社がすでにコミットメントを表明している内外無差別の卸売に今後も積極的に取り組む意 思があることを確認するなど、料金規制等の解除後も適正な卸取引環境が維持されると確 認することが必要であると、こういったご意見をいただいたということでございます。 これを踏まえまして 5 ページ目ご覧いただきますと、沖縄電力さんにですね、監視等委 の意見についてお考えを確認したということでございます。その結果、以下の内容の回答 が得られたということでございます。1つ目のぽつですけれども、監視等委員会が実施す る特別な事後監視について事後監視の趣旨を踏まえて適切に対応して行くということ。2 点目ですけれども、電力の安定供給を前提に最大限の効率化に取り組み電気料金水準の維 持に努めていくということ。内外無差別の卸売に関しては令和 2 年 7 月に内外無差別の卸 売等のコミットメント表明しているところですけれども、これについて適切に対応して行 くというこの 3 点の回答いただいているということでございます。 6 ページ目行っていただきまして、監視等委からいただいた意見とですね、沖縄電力さ んからいただいた表明を踏まえると、ほかのエリアと同様に沖縄エリアの高圧部門におけ る料金規制等を解除しても差し支えないのではないかというふうに考えてございます。そ の場合は監視等委からいただいた意見もありましたけれども、解除後 3 年間は特別な事後 監視を実施するということ、需要家への周知を十分に行ったりですね、いろいろ約款の変 更なんかも必要になりますので、令和 8 年 4 月 1 日を目処に料金規制等を解除することと してはどうかということが事務局の提案でございます。この点について議論いただければ と思います。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。 前回議論していただいて、沖縄の高圧の関係ですけれども、監視委からもご意見いただ いて沖縄電力のコミットメントがあって、事務局の今の 6 ページのところでですね、高圧 部門における料金規制等を解除して差し支えない。ただし解除後 3 年間は監視等委による 特別な事後監視をするということであります。 これについていかがでしょう。ご意見ご質問あればですね、例によって会議チャットで こちらにお知らせいただきたいと思います。どなたいらっしゃいますかですかね。監視委 の新川オブザーバーからご発言ご希望あります。よろしくお願いいたします。 〇新川オブザーバー はい、ありがとうございます。資料に記載されている通り、本件に関しては、3 月 10 日 付で経済産業大臣から当委員会に対して意見聴取がございまして、3 月 21 日の委員会にて 回答案を審議の上、同日経済産業大臣に回答を提出したところでございます。その意見回 答も踏まえて沖縄電力株式会社からはこの度改めて内外無差別の卸売に係る意思表明をい ただいたものと認識をしております。沖縄の高圧部門における料金規制等を解除するか否 かは経済産業大臣の判断ではありますが、当委員会では沖縄電力株式会社も含めた旧一般 電気事業者等各社から 2020 年 7 月に受領している内外無差別な卸売等のコミットメント に沿って各エリアで内外無差別性が担保されているかといったことを毎年フォローアップ において確認しており、今後も引き続き沖縄エリアを含めて確認してまいりたいと考えて おります。仮に料金規制等の解除を行う場合に、解除後三年間は沖縄電力株式会社の高圧 部門の小売料金の水準について、合理的でない値上げが行われないよう、監視の詳細につ いては当委員会において検討を行った上で、特別な事後監視を実施してまいりたいと考え ております。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。 他にご発言のご希望いかがでしょう。村松委員どうぞ。 〇村松委員 はい、村松です。検討プロセスに私も関わっておりますし、今回の結論に対して異論は ございません。1 点だけすみません。先に確認しておくべきだったんですけども、今回こ の沖縄電力において、高圧規制料金解除になって、ほかの全エリアと平仄が取れた形にな ったと理解しておるんですが、ほかのエリアでは標準メニューというのが旧一電から提供 されており、価格交渉や新電力のメニュー作成で参照されているという理解ですが、この 点は沖縄電力のエリアに関しましても今後同じ運用がなされるという整理でよろしいでし ょうか。すみません、念のため確認させてください。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。他にご質問ご意見でございますか。 それでは事務局、今の点いかがでしょうか。 〇小柳室長 はい、同じようにですね、沖縄電力株式会社のエリアにおいても、そういった基本料金 メニューというのがお示しされていくことになるんじゃないかというふうに考えてござい ます。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。村松委員、よろしいですか。 〇村松委員 はい、結構です。ありがとうございます。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。 それでは、今ご質問に対してはですね、お答えいただきまして、特に付け加えるコメン トとか事務局ありますか。よろしゅうございますか。 はい、ありがとうございます。それでは、資料 3 でご議論をいただきました、沖縄エリ アの料金規制等の解除について、事務局のご提案を皆さんでご確認いただいたということ だと思います。ありがとうございました。それではですね、その方針に従って進めていた だければというふうに思います。 議題の 2 に移ります。議題 2 はですね、電力システム改革の検証についてであります。 これについても事務局からお願いしたいと思います。 〇小柳室長 はい、資料4をご覧ください。資料4なんですけれども、電力システム改革の検証結果 と今後の方向性ということで 1 月の電ガ小委において議論いただいたものでございます。 その時の議論を踏まえてですね、いくつか修正を反映した上で、2 月にパブリックコメン トにふしたということでございます。 それで今回その中身なんですけれども、大きく変えているところはないんですが、今ほ ど議論いただきました沖縄電力の件ですね、少し中身を反映しているということでござい ます。 24 ページをご覧ください。画面では黄色く塗っているところですけれども、経過措置料 金の現状と今後の検討課題を求めたこの部分についてですね、沖縄電力のエリアにおいて 高圧の影響が進んできているといったことであるとか、監視等委からいただいた意見とか ですね、沖縄電力さんから表明いただいたものとかも踏まえながら、高圧の経過措置料金 を 2026 年 4 月1日を目途に解除していくこととしてどうかということで盛り込ませてい ただいたということでございます。 その他についてはですね、これまでずっと 1 年間議論いただいたことを反映していると いうことでございます。改めてのご説明は割愛させていただきますけれども、もし差し支 えなければこれについて、この会議の場で決定して行きたいというふうに思ってございま す。私からは以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。 それではですね、事務局の説明に対してご質問、ご意見のある方はチャット欄で、これ も同じようにお名前と発言希望ということでこちらにお知らせいただければと思います。 いかがでございましょう。 システム改革の検証については、何度も議論してきて、沖縄の件ですね、これを大きく変 更したということであります。いかがでございましょうか。いらっしゃいますか。 村松委員どうぞ、ご発言ください。 〇村松委員 はい、ありがとうございます。ここまでですね、検証結果並びに今後の方向性の取りま とめですね、長期間にわたって本当にありがとうございました。有識者の方々に意見を広 くヒアリングする形で多面的な検討がなされたと思います。 また、パブコメでもですね、多くのご意見を寄せてくださった皆様方に感謝しておりま す。この取りまとめに従ってですね、今後はこの先の制度面での実行段階への推進に移し ているわけですけれども、その中でですね、やはりお願いしておきたい事項をいくつか申 し上げたいと思います。 今回の議論を踏まえてですね、今後の実行策が検討されているわけですけども、相当深 い議論や意見だしがなされている課題とございますので、そちらについては、ここまでの 検討、有識者のご意見を踏まえた形で進めていただければと思います。ただですね、中に はまだ今後の具体策っていうのが十分議論がされていない、これから、というものもござ います。例えば小売の供給力確保義務の話だったりだと思うんですが、こういったものは ですね、きちんと課題と目指すゴールを丁寧に踏まえた形での議論というのを進めていた だければと思います。事業者の方々の声を聞いて頂ければと考えております。 それからですね、現在行われております制度や市場についての見直しを盛り上げており ましたけれども、まだ効果の評価というのができていない項目もあるかと思いますので、 これらについてのですね、短期的にはなかなか評価が出せないものもあると思いますが、 ご検討進めていただければと思います。これらの実行策にあたってはですね、国民の皆様 のご理解が非常に重要なものが多く含まれております。事業者並びに国とも一緒になって ですね、情報発信、理解を求めることでですね、事業環境が構築整備されていて、今回の 検討が十分になされることを希望しております。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。その他、発言のご希望いらっしゃいますか。 今後についてもいただきましたので事務局でコメントお願いいたします。 〇小柳室長 今いただいたコメントについてですけれども、今後ですね、制度の具体化の検討の場を ですね、新たに設置しまして、しっかり丁寧に議論を進めていきたいと思っていますし、 色んな新しい制度を検討するに際してはですね、現状の制度との関係なんかも見ていくこ とになると思いますので、ご指摘踏まえてしっかり検討したいと思います。また、国民の 方々の理解ということも指摘いただきましたけれども、これ 1 月に議論いただいた際にも 多くの先生方から意見いただいたことになりましたので、この検証結果の中でもそういっ た国民の理解とかそういったところも一部入れさせていただいたということでございます ので、そういったことも含めてしっかり検討して行きたいなというふうに思ってございま す。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。この件についてはですね、今回の沖縄の関係で修正が 入って、パブリックコメントからですね、修正頂くとかありますので、その部分を修正し たところであります。1 月 27 日の委員会で座長のわたくしに一任いただいているというと ころでございます。ですから、改めてですね、本日ご提示頂いたので、最終的な取りまと めさせていただければと思いますが、異存ございませんでしょうかね。 はい、ありがとうございます。特に異存はないということ、そういうふうに考えまし て、これで電力システム改革の検証の取りまとめとさせていただきます。1 年以上にわた って議論いただきまして本当にありがとうございました。 それでは続きまして議題の 3 であります。議題の 3 は、今年の冬、今冬の電力需給およ び 2025 年度の需給見通しについてであります。これも事務局からお願いいたします。 〇筑紫課長 電力基盤整備課長の筑紫からご説明差し上げたいと思います。 まず 2 ページ目開けていただいてですね、資料の中身ですけれども、まず今座長からも ご紹介ありました、この冬の振り返りをさせていただきたいと思います。その上で、2025 年度ですね供給計画がすべての事業者から提出され、広域機関において取りまとめ作業完 了しておりますので、2025 年度の電力需給見通しについてもご報告したいというふうに思 います。その上でですね、今後の電力需給運用についてということで、去年の夏秋冬にか けてですね、いろいろな暫定措置を打ってきていますけれども、結果・効果を確認すると ともにですね、今後の進め方などについてご報告が出来ればということでございます。 資料に沿ってご説明したいと思います。まず 3 ページを開けていただければと思いま す。この冬のですね、最大電力需要ですけれども、3 月の一部エリアの十年に一度の厳冬 を想定した電力需要、いわゆるH1ですけれども、これを超過するようなケースはなかっ たということでございます。夏の場合はですね、9 月一部でいくつかのエリアでそういっ たものが見られましたけれども、3 月の一部を除き、そういったものは見られなかったと いうことでございます。 それから 6 ページですけれども、この冬と昨冬のですね、供給力と需要の比較というこ とで、この冬はですね、需給状況は比較的安定的に推移したと言ってよろしいかと思いま す。主な要因がいくつかありますけれども、需要面で先ほどご紹介した通りH1を超過す ることがなかったということと、供給面でも昨年から今年の冬にかけて、新設電源の稼働 や原子力発電所の再稼動等が影響したというふうに見る事ができるかなと思います。右下 の方にですね、それぞれのエリアと再稼働した原子力発電所または新設の電源について紹 介をしております。 続きまして 8 ページ、2025 年度の需給についてであります。今回ですね、まずは夏です けれども、2025 年度の夏についてはですね、H1で想定した時について、安定供給に最低 限必要な予備率 3%を確保できる見通しということになってございます。右下のところにで すね、今回あらためてお示しする見通し、予備率の見通しが入っておりますけれども、一 番低い 8 月の東エリアでも 8.7%が確保できる見通しということであります。他方で、昨年 の夏もございましたけれども、非常に気温が高い日がですね、どこかのタイミングで来る と、それに対して供給側でしっかり全部ラインナップが揃っていればいいんですけれど も、必ずしもそうじゃない計画外停止の電源がある可能性もあるわけですので、引き続き ですね、全体としての需給は予断を許さないというような発想で、しっかり構えていく必 要があるかなというふうに思っております。 それから 10 ページ開けていただきまして、今度は冬でございます。冬についてもです ね、安定供給に最低限必要な予備率 3%を確保できる見通しということでございます。この 部分についてはですね、元々前回お示しした時に左側の方の図の 2 月の九州が 3.2%と非常 に低い数字だったのですけれども、補修その他もろもろの調整の結果ですね、最新は右側 でございまして、一番低いのは 1 月の東エリアおよび中部エリアですね。5.4%というのが 最も低い数字ということであります。この数字でもですね、予備率 3%は確保できていると いうことでございます。 さらに 12 ページですけれども、今申し上げたのは供給計画に織り込まれているもので すけれども、一部のですね、折り込まれていないけれども順調にいけばですね、実際には 電力の供給ができるという要素もいくつかございます。あらかじめ定められたルールでこ ういう時に織り込む、こういう時に織り込まないというのが、定められているんですけれ ども、例えば新設火力の試運転分というのがございます。安定運転のためにですね、必要 な燃焼試験等の制限はございますけれども、実機検証のときのトラブルがなければ実需給 断面では追加供給力となり得るということでございます。それから女川 2 号についてはで すね、運転継続に向けて長期施設管理計画の認可申請中であるため 8 月以降は計上されて いないということでございますけれども、今後蓋然性が高まった段階で供給力として計上 されていく予定でございます。以上がですね、今後の見通しということでございまして、 18 ページ以降ですね、今後の運用のところについてご紹介します。 19 ページを見ていただきまして、電力需給運用の課題と今冬における暫定対策というこ とでございます。昨夏以降ですね、電力需給運用において週間予備率が低下する等の課題 があったという中で、この委員会でもご議論いただいてですね、いくつか暫定対策を打っ て来たところでございます。暫定対策の効果を確認しましたので、それをご報告するとと もに、基本的にはですね、安定的に推移しているということもありまして、早急に検討課 題があるということでもないですので、2025 年度以降もですね、当面は現状の暫定対策を 継続するということでいかがかということでございます。19 ページ下のところの図、検討 課題ということで、予備率の算定の考え方、これ調整力の調達なんかの状況を踏まえてし っかりどういうふうに算定するのかという話ですし、次の揚水発電の余力活用のところ は、一般送配電事業者がですね、確保してない時の短期対策あるいは揚水事業者が定める 余力活用の範囲についての考え方です。それからひとつ飛ばしまして 4 番目、追加供給力 対策の実施順位、こういうところについてですね、対応を講じてきたところですので、そ の結果ということでございます。 21 ページをご覧いただきますと、まず暫定対策①ということで調整力調達の断面ですけ れども、週間予備率 1 月から 3 月の推移を確認させていただくと、特にこういった対策の 実施回数が多い東北エリア、中部エリア、だいたい 1%あるいは 2%の上昇が確認できたと いうことでございます。 それから、23 ページですけれども、揚水発電の余力活用ですね、こちらについても、暫 定対策②の効果ということで、下のところの数字ですね、約半数の 81 コマで調整力が未 充足であったということでございますけれども、そういったことを分析しております。そ れから 24 ページ暫定対策④はですね、今回冬は比較的需給が安定しておりましたので、 発動指令電源含め、発動の回数は揚水発電機の運用切替だけでありましたが、26 ページご 覧頂きましてですね、この委員会 10 月の時の資料ですけれども、もともとありましたで すね、発動指令電源ですとか、増出力・ピークモード運転、予備率 8%の時に発動するとい うことになっていましたけれども、これをですね、5%の時に発動するという形に変えてで すね、揚水発電機の運用切替、余力活用電源の追加起動といった措置をより早く発動する と、そういった整理に変えているところでございますけれども、こういった措置を引き続 き続けていくということでございます。 28 ページですけれども、月別需給のバランスについて、精緻に分析しているという話で す。現状の供給計画では、月の前後半のですね需要変動等を考慮して指定断面、月間前半 後半のうちの一つということですけれども、その中でですね、需給バランスを確認するこ ととしております。他方でですね、昨今の状況を踏まえますと、供給計画において確認し ていない、未確認の断面でですね、需給が厳しくなったケースというのがありまして、東 京エリアであれば昨年の 6 月 7 月の前半ということなんですけれども、より詳細に需給バ ランスを見ていかないと適切な対応策という観点では改善の余地があるということではな いかと思います。従いまして、全ての月をですね、前半後半に細分化しまして、これまで 未確認だった断面においてもですね、需給バランスの確認をしっかりするという対応を 2026 年度の供給計画の対応から目指して検討して行きたいというふうに思います。 29 ページですけれども、そういった形でですね、前後半に細分化された上での需給バラ ンスを確認する方向で検討を進めていきたいというふうに思います。 最後 31 ページでございますけれども、マッチングの関係です。この委員会で取り上げ たのは結構前になってしまいますけれども、発電事業者がですね、設備を休廃止する際に ついては、それまで相対契約等でその電源を買っていた事業者おられるのでしょうけれど も、ほかの小売電気事業者に対しても、その供給力を調達する機会を提供するという観点 から、電力広域機関が運用するですね、発電情報掲示板に設備情報を掲載しまして、小売 電気事業者とのマッチングを行うということになっております。このマッチングなんです けれども、やむを得ず実施が不可能な場合はですね、個別にその理由を確認した上で判断 するということにもともとなっていたわけですけれども、マッチングの実施を不要とする ケースというのがいくつか具体的にイメージされるような展開になっておりますので、そ の点についてですね、以下のようなケースについて、資源エネルギー庁と協議の上マッチ ングの省略を可能としてはどうかということでございます。具体的なパターンとして、左 側の下の方の図に 2 つ例が挙げられておりますけれども、非効率石炭火力の休廃止あるい は同一の場所でリプレイスまたは脱炭素化改修を予定している電源についての休廃止、そ の他これに類する事情ということでですね、こういった点についてはマッチングの省略を 可能としてはどうかということでございます。ご説明は以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。ということで、今冬の電力需給、それから 25 年度の 需給見通しについてご説明いただきました。今年の冬はね、安定的に推移したということ で、幸か不幸か課長がテレビに出ることもなかったんですけれども、これについてです ね、ご意見ご質問ございましたら、チャット欄で発言の希望等を書いてお知らせいただけ ればと思います。いかがでございましょう。牛窪委員、どうぞ。 〇牛窪委員 はい、牛窪でございます。聞こえておりますでしょうか。 〇山内委員長 大丈夫です。 〇牛窪委員 はい、ご説明ありがとうございます。 とりあえず 25 年度の夏冬とも、確か一番低くなる所が 1.4 だったと思いますけれど も、一応 3%をかなりマージンを確保してですね、予備率が上がっているということで一安 心だということですけども、ご説明にもありました通り昨今の温暖化の影響も一部あると 思いますけど、異常気象もね、やっぱりわが国でも多発しておりますし、もちろん発電所 のトラブル等もありますから、油断はできないということはご指摘の通りだと思います。 また予備率の数字ですけれども、事業者の皆様方例えば発電所の検査のタイミングを決定 する上でも重要な参考資料となり得るものだと思いますので、引き続き精緻化、いろいろ 今日もご説明ありますけれども精緻化をしていくことが重要だと思います。その上で例え ば今後、変動電源が増加していくわけで、キロワットアワーベースで供給力がどの程度確 保できるかっていう予見が一層難しくなると思います。そうした場合ですね、なかなか難 しいかと思いますけれども、例えば低位とか高位といったシナリオ毎に変動電源の発電量 をある程度想定して、そのシナリオ毎に例えば予備率を算出してみると、そうしたことを 行うとですね、例えば事業者の皆様が安定供給に向けて火力や原子力といった電源をどの 程度確保しておけば大丈夫なのかという意思決定の一助にもなるのではないかなと思った 次第でございます。以上でございます。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。 他にいらっしゃいますか。後でまたご発言いただくとして、今送配電網協議会山本オブ ザーバーから、ご発言の希望が出ております。どうぞご発言ください。 〇山本オブザーバー ありがとうございます。送配電網協議会の山本でございます。 28 ページにあります、月別の需給バランスの精緻化に向けた検討について発言させてい ただきます。今後の電力需給対策として精緻化に向けた対応を検討していくことに異論は ございませんので、一般送配電事業者としましても協力して参りたいと考えておりますけ れども、一方で供給計画の様式改正については、一般配電事業者だけでなく発電事業者や 小売電気事業者などすべての事業者に影響するものと認識しております。また細分化する ことによりまして、例えば相対的にお盆やゴールデンウィークの特異日の影響が大きくな ることなど課題もあると思いますので、具体的な需要・供給力の想定方法を整理した上 で、各事業者のシステム対応等の準備期間を確保いただくことにも留意いただきつつ、広 域機関や各事業者と十分議論調整いただきながら進めていただきますよう、お願い申し上 げます。私からは以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。 それでは、次は、監視等委員会の新川オブザーバー、どうぞご発言ください。 〇新川オブザーバー 新川でございます。ありがとうございます。 今冬において広域予備率が安定していたのは、スライド 16 に記載されている電力需給 運用における暫定対策の効果があったのではないかと認識しております。今冬は、全国で 見れば暖冬という状況であったということでございますが、そのような状況でも、スライ ドに示されているように需要が高い日というのは、一定程度存在していたと認識しており ます。このような需要が高い日においても、広域予備率が安定していたのは、本年度から 運用が始まった容量市場とか、あと運転再開、再稼働した発電所がある事に加えまして、 調整力の計上方法の見直しや監視等委にて整理を行った揚水発電の TSO 運用への切り替え 等の暫定対策の効果があったと理解しております。監視等委としては、調整力、供給力の 運用が適切に行われるという観点も含めて、引き続き適切に監視を行って参りたいと考え ております。以上でございます。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。 皆藤委員が手を挙げていらっしゃいます、どうぞご発言ください。 〇皆藤委員 はい、ありがとうございます。資料のご説明ありがとうございました。 企業活動を行う上では、安定した供給の確保というのは非常に重要なものです。その中で 予備率や需給バランスの精緻化、こういったものをしっかり取り組んでいただけるという のは非常にありがたいと思っております。 その中で今回のご説明と直接関係ありませんが、需要側の省エネを促進する「省エネ非 化石転換補助金」の公募が本日から始ました。その中で、今年度からは、締切日が、一 次、二次、三次と、先を見通せるような公募の形にしていただきました。やはり需要家側 の省エネも非常に重要な中において、こういった補助施策を活用しやすくしていただいた ことは、非常に感謝しております。本旨と少しそれましたけど、私ども商工会議所でも、 こういった国の政策を通じて、需要側で必要な省エネの取り組みをしっかり進めてまいり たいと思っております。私からは以上です。ありがとうございます。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。次は原委員ですね。原委員ご発言ください。 〇原委員 ありがとうございます。私からは少々的外れかもしれませんけれども、8 ページ以降の 今後の見込みについてお伺いします。今後の見込みについて、再エネ電力の影響というの は見込まれているのでしょうか。エネルギー基本計画でも、再エネ電源の構成比が拡大し ております。一方、再エネ電力の調整に必要な火力発電、こちらは東日本エリアでの稼働 状況に非常に不安のある中でですね、今後の需給対策への影響があるのではないかと思っ ているのですが、いかがでしょうか。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。 委員の方他にいらっしゃいませんか。木村さんどうぞご発言ください。 〇木村オブザーバー はい、ありがとうございます。電気事業連合会の木村でございます。本日はですね、副 会長佐々木の代理で出席をさせて頂いております。 2025 年度の電力需給でございますが、安定供給に最低限必要な水準である予備率 3%確 保できているという、そういうご説明がございましたが、先ほど牛窪委員の方からもござ いましたとおり、異常気象による想定以上の需要の増加であったり設備の計画外停止によ る供給力の減少リスク、そういったこともやはり考慮しますと、やはり余裕のない状況と 認識してございます。さらには容量市場のメインオークション、それから追加オークショ ンを経ても、目標とする供給信頼度を充足しないエリアがあることや、非効率石炭の誘導 措置が廃止されるということで、実需給断面での供給力の不確実性が高まることも想定さ れるものと考えてございます。こうした中で、我々事業者としては引き続き不測の事態に 備えまして緊張感を持って設備保全に努めてまいりたいと考えてございます。以上でござ います。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。他にいらっしゃいますか。 それでは、事務局から、いくつかご意見ご指摘ありましたのでそれについてコメントい ただきたいと思います。ありがとうございます。 〇筑紫課長 ご指摘ありがとうございました。 まずですね、牛窪委員からご指摘あった予備率の見通しですね。おっしゃったとおり、 予備率の見通しは、タイミングに合わせてですね、検討してお出しをしているものでし て、足元は UE という計算方式を使っていますが、常に、おっしゃっているようないろん な事業者の動きにも影響していくという観点で、より精緻で必要な情報提供をできるよう な形で改善していくという余地というのがあると思いますので、広域機関でもいろんな検 討していますけれども、引き続きそういった中でですね、しっかり取り組んでいきたいと いうふうに思います。 それから、山本オブザーバー、新川オブザーバーからも、それぞれございましたけれど も、暫定対策あるいは需要供給力の想定の整理ですね、こういったものをそのシステム的 にも安定させながらしっかり進めていくということが非常に大事になってくると思います ので、この夏この冬というのがまた次ございますけれども、引き続きしっかりやっていく ということかと思います。 それから原委員からですねご指摘あった再エネの影響ですけれども、今のスライドで言 うと6ページですとか、あるいは 11 ページのところですね、それぞれの年の前の年との 比較のグラフがございます。再エネ自体はですね、着実に増えていっています。太陽光を 中心に増えていますけれども、実際にはこういったケースとか調整係数がかかってくる部 分もあって、それ以外のですね、火力とかそういったものも含めた影響の動きになってい くかなというふうに思ってまして、今後ですね再エネが少しずつさらに増えていくことに なるということだとすると、そこの稼働率なんかにも影響すると思うとですね、いろんな 影響が今後生じてくると思うので、そういった点もですね、これから具体的な制度の色々 検討ありますけど、そういった中でも活かして行きたいというふうに思います。事務局か らは以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。よろしゅうございますかね。ご指摘の点、事務局に確 認してご回答いただきましたが、あの何人かの委員の方から、暫定対応ですかね、暫定的 な対応についての効果が指摘されておりますので、そのご意見も踏まえましてですね、暫 定的な対応というのを継続していただくということが一つ重要で、それから今後も状況注 視しつつですね、引き続き議論が必要な事項については検討して頂くということでよろし いかというふうに思います。ありがとうございました。 4 番目の議題ですけど、電力データ活用。それとこれ関係してますので、議題の 5 の電 力のサイバーセキュリティ、これ合わせてご議論頂ければと思います。事務局からの資料 が 6 の 1、6 の 2、それから 7 ですね、小柳室長からご説明お願い致します。 〇小柳室長 はい、事務局からご説明いたします。 資料 6 の 1 の 2 ページ目ご覧ください。電力データの活用については、これまでもこの 委員会でも何度かご議論いただきましたけれども、令和 6 年度予算事業においてですね、 電力データの活用実証として能登半島地震であるとか奥能登豪雨により被災した石川県と 連携をしてですね、被災者支援等の自治体業務における電力データの活用に関する実証を 実施してきたということでございます。本日はですね、自治体防災業務における電力デー タ利活用マニュアルであるとか、電気事業法に基づく情報の提供に関する基本的な考え方 をまとめたガイドラインがあるんですけれども、これらマニュアルであるとかガイドライ ンですね、今回の実証の成果をしっかり反映して行きたいということでございます。 5 ページ目まで飛んでいただきますと、自治体向けのマニュアルについてはですね、 元々3 ぽつのところですが、いろんなデータのユースケースを反映しておりまして、自治 体においてこういったことに使えますよということを発信しているそうなんですけれど も、今回の実証を踏まえてですね、ユースケースの 5 から 9 を追加するということでござ います。 6 ページ目ご覧いただきますと、左側ですけれども、被害状況の可視化ということで、 電力データ、連続的なデータでもありますので、被災した時にですね、どこにどういう 方々がいらっしゃったのかとかですね、そこで大規模にあの電力の利用状況が落ちている ということであれば、そこで大きな被害が起きているのではないかということで被害状況 の可視化に使っていけるのではないかというユースケースの 5 です。右側ですけれども、 ユースケースの 6 ということで捜索活動の活用ということで、発災時点にですね、どうい った所にどう言った方々がいらっしゃったのかというのを、電力データを確認することで わかるということで、そこに人がいたところから優先的に捜索活動に使っていけるのでは ないかというのがユースケースの 6 です。 次のページ行っていただきまして、ユースケースの 7 ですけれども、被災者見守り業務 への活用ということで、被災者の方々がご自宅にいらっしゃるところですね優先的に回っ ていくのかということも含めて、見守り業務を効率的にやっていけるんじゃないかという ことです。ユースケースの 8 ですけれども、罹災証明の発行業務の活用ということで、発 災直後とか、なかなか必要な書類とかを集めることも難しいこともあると思いますけれど も、電力データからですね、そこに居住実態があったんだということを突合することで、 申請者であるとか窓口担当者の負担が軽減される可能性があるんじゃないかと、こういっ たことにも使えるんじゃないかということでございます。 次のページ行っていただきまして、ユースケースの 9 ですけれども、そのエリアのです ね、電力の使用量がどれぐらい発災前に戻っているかといったことを継続的にチェックし ていくことでですね、そのエリアの復旧状況であるとか復興状況を可視化できるのではな いかといったようなこういったユースケースを追加したとということでございます。9 ペ ージですけれども、ガイドラインの改正についてということですが、電力データの提供な んですけれども、災害対策活動が終了するまでの間データの提供を受けられるということ になっているわけですけれども、3 ぽつ目の所に書いてあるように、個人情報が含まれる ものでもありますので、自治体の方々からですね、あまり不必要にデータを使い続けるこ とは良くないんだ、回避したいんだということもありますし、自治体の方々が安心して電 力データを活用できるように活動終了時期の目安を明確にしてほしいといった声がありま したので、ここを明確化していこうということでございます。電気事業法第 34 条第 1 項 ですけれども、電気の安定供給の確保に支障が生じることにより国民の生命身体財産に重 大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処ということで、電力データ の提供することということになってございますので、例えばですね、下に書いてあります けれども、災害等に起因して停電が発生してからこの停電がすべて復旧するまで、もう一 つはですね、災害等に起因して停電が発生してからですね、災害対策本部が設置されてそ れを解散するまでと、このどちらか短い方までの間であれば、一つの目安としてですね、 電力データを使っていただくことは全く問題ないということでガイドライン上で明確化し てはどうかということを書いてございます。 12 ページまでいっていただきまして、今後のスケジュールですけれども、4 月上旬から ガイドラインの改正のパブリックコメントを回収しまして、5 月下旬頃にガイドラインの 執行であるとか、マニュアルの公表をして行きたいということで進めたいと思ってござい ます。13 ページですね、これあくまでご参考ですけれども、以前にご報告しました、令和 6 年度補正予算で計上した電力データ活用支援等事業の 4 月上旬の公募開始に向けていろ いろ調整していますということ、ホームページを公開したということで、これあくまでご 参考情報ということでございます。資料 6 は以上です。 続きまして資料 7 に行っていただきまして、電力分野におけるサイバーセキュリティに ついてということでございます。2 ページ目ですけれども、電力システムは経済安全保障 の確保にも重要な基盤であるということもありますし、電力システム改革に伴っていろん なプレイヤーの方が参入しているわけですけれども、安定供給確保のためにもサイバーセ キュリティの確保が必要不可欠だということで、これまでも電力サブワーキングというも のの中でですね、有識者の方々であるとか、事業者、電力ISACみたいな方々に入って 頂いて、電力分野のサイバーセキュリティを取り巻く状況であるとか必要な対策について 検討を行ってきたとということでございます。今日はですね、今年度この電力サブワーキ ングで検討を進めてきた 3 点、サプライチェーンリスクに対するサイバーセキュリティの 確保、分散型電源のサイバーセキュリティ対策、電力システムにおけるサイバーセキュリ ティリスク点検ツール、この 3 点について、今年度の検討の結果を報告したいということ でございます。 4 ページを見ていただくと、右下に委員の方々の名前書いてますけれども、こういった 場で検討してきたということでございます。 7 ページ目まで飛んでいただきまして、サプライチェーンリスクに対するサイバーセキ ュリティの確保で、昨年度の電力サブワーキングでは、電力制御システムのサプライチェ ーンセキュリティ向上策に関する提言というのを公表したわけですけれども、この提言内 容を踏まえて、電力制御システムセキュリティガイドラインというのがあるんですが、こ れの中にですね、サプライチェーンリスクへの対応を反映するといった見直しが行われて きているということでございます。この電力制御システムセキュリティガイドラインなん ですけれども、電気事業者さんが満たすべき要件とか項目とかいうことが書いてあるんで すけれども、具体的にどういった対策を行えばいいのかといったことについては書いてい なくてですね、各事業者の中で検討し実施して行くという位置づけになっているわけです けれども、やっぱり対策を実効的にやっていくためにはですね、具体的にどういった対策 を行えばいいのかといったことをお示ししていることが重要だろうということでですね、 今年度の電力サブワーキングの中では具体的な対策手順を示しました、電力制御システム に関するサプライチェーンセキュリティ対策の手引きというものを作成したということで ございます。 この手引きのイメージなんですけど、12 ページを見ていただきますと、色々な対策項目 があるわけですけれども、その中で想定される対応フローを示したりだとか、13 ページ見 ていただきますと、対応フローのプロセスごとにですね、対策の手引きであるとか対策の グッドプラクティスをお示しすることで、こういった対応をとればサイバーセキュリティ しっかりとしていけるんだということをお示ししたというものでございます。電力制御シ ステムセキュリティガイドラインが改定されるタイミングでですね、これもしっかりを表 に出していきたいということだと思います。 続いて 14 ページですけれども、分散型電源のサイバーセキュリティ対策についてとい うことで、従来のサイバーセキュリティ対策について、大型の電源なんかを中心にやって きたわけですけれども、小規模の太陽光発電設備なんか踏み台にされていろんな事案が発 生しているといったことも言われてますので、今回の電力サブワーキングですね、小規模 太陽光発電設備を主なスコープとして、セキュリティ対策どうするべきかということを検 討してきたということでございます。50kW 未満の小さな小規模太陽光発電設備について は、現状電気事業法のサイバーセキュリティ対策は特に無いわけですけれども、そういっ た太陽光発電をですね、系統に連携する時には系統連系技術要件というものの中で、サイ バーセキュリティの対策が求められているということになっていますが、なかなか具体的 な対策が明らかになってないということもあってですね、実効的な対策が取られていない 可能性もあるんじゃないかということで思っております。あの小規模太陽光発電設備の設 置者ということになってきますと、数も多いですし小さな事業者の方もいらっしゃるとい う事ですし、設置者の方々それぞれにですねセキュリティ対策を求めていくっていうのは なかなか現実的じゃないんじゃないかなというふうなことも考えているということでござ います。3 つ目のぽつですけれども、具体的な方策の検討としてはですね、小規模太陽光 発電の制御設備 PCS とかに、そのものの中でしっかりセキュリティ対策をやっていくとそ ういった適切な対策が講じられている設備の利用を進めていくというのが基本的な考え方 として検討していくべきじゃないかというふうに思っています。 この点についてですね、JC-STARJC-STAR 制度というのが今検討されていまして、少し飛 んでいただいてですね、23 ページですけれども、あの独立行政法人の情報処理推進機構の 中で JC-STAR 制度というものが検討されているということでございます。これ右側の制度 の概要というところがありますけれども、その IoT 機器ごとに統一的な最低限の適合基準 なんかを満たしているといったことを、自己適合宣言をいたしまして、それを IPA で認定 をして、そのものがしっかりそういう要件を満たしているということであれば、この JCSTAR 星一つといったようなラベリングをして行くといったことを考えてございます。物に よってはですね、より高度な第三者認証なんかも踏まえた上で、星一つから星四つまでそ ういったものを作っていくとことを検討しているということでございます。15 ページにま た戻っていただきまして、2 つ目のぽつの 3 行目辺りですけれども、JC-STAR の星一つと いうのがですね、この 3 月下旬から開始しているということもありますので、今後その普 及状況なんかを踏まえながら、小規模太陽光の系統連携手続きにおけるサイバーセキュリ ティ対策の確認として、JC-STAR の星一つを取っていることを求めて行くといったことを 検討してはどうかということを書いているということでございます。その下ですけれど も、JC-STAR の星一つっていうのは、IoT 製品全般に関する統一的な最低限の基準という こともありますので、分散型電源固有の脅威の特性、PCS に必要な機能を考慮した PCS 独 自の星二つ以上の適合規準の整備についても併せて検討を進めていくこととしてはどうか といったことをここでは記載してございます。これが分散型電源に関することです。少し 飛んでいただきまして、29 ページですけれども、電力システムにおけるサイバーセキュリ ティリスク点検ツールということで、これも昨年度ですが、電力サブワーキングの中でで すね、サイバーセキュリティリスク点検ガイドであるとか、サイバーセキュリティ対策状 況可視化ツールというものを開発したわけでございます。それをですね、今年度から広域 運営機関が実施する電気事業者のセキュリティ自己診断の取り組みの中でですね、こうい った点検ガイドであるとか可視化ツールを使っていただきたいということで、広域機関と 連携して取り組んできているということでございます。33 ページに行っていただきます と、今後の取り組みの方向性ということで、1 つ目に申し上げたサプライチェーンリスク に対するサイバーセキュリティの確保についてはですね、先ほど申し上げた対策の手引き というのを、電力制御システムセキュリティガイドラインの改訂のタイミングに合わせて 公開するということで、事業者による活用を促進して行くということだと思っています し、今後必要に応じて手引き文書の内容をより改善して行くということだろうと思ってご ざいます。2 つ目の分散型電源のサイバーセキュリティ対策についてはですね、JC-STAR 制度の普及状況なんかを踏まえながら系統連系手続きにおけるサイバーセキュリティ対策 の確認としての活用について、官民で検討を進めることとしてはどうかというふうに思っ ております。3 つ目のサイバーセキュリティリスク点検ツールについてですけれども、引 き続きですね、広域機関が実施する電気事業者のセキュリティ更新の取り組みにおいて、 このツールを継続して活用していただいてですね、その回答データなんかを分析した上で より良いセキュリティ対策あるいはセキュリティ策を検討して行きたいということで考え てございます。私から以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。電力データ利活用の話とサイバーセキュリティであり ますが、電力データ活用の方は災害時の話ということでありまして、一方サイバーセキュ リティの方がマニュアルを加えていくということであります。それではこれについてです ね、ご意見ご質問をたまわりたいと思いますがいかがでしょうか。どなたかいらっしゃい ますか。松橋委員、どうぞ。 〇松橋委員 松橋でございます。資料 6 について 1 点、資料 7 について 2 点、ご質問させていただき ます。 資料 6 について電力データの活用のお話をいただきました。大変良い話であると思いま すし、近頃災害がいろんな意味で頻発しておりますので、このようなデータを活用するこ とでですね、レジリエンスですとか防災に少しでも活用されることは基本的にはいいこと ではないかというふうに考えております。 その一方でこの電力データを見るっていうことはかなり強力なツールであって、つまり 全く電力が使用されていない、動かないとなりますと、何か人がいないか倒れているか何 かそういうリスクがある事ですから、危ないところを未然に察知するってことはいいんで すけども、他方で、人がいないか倒れているかっていうことですから、これが逆に悪用さ れますとですね、そこに人が侵入して何か盗難のような災害を誘発するという、それも当 然あり、また随分前から米国等でですねそのような実例があってですね、スマートグリッ ドなんかでリスクでございますので、防災時の電力データ活用に際してはどの時点まで使 っていいかというお話がありましたが同時に、どの範囲までの人に情報をオープンにする か、誰に伝えているか、不特定多数に伝えていないように確実に信頼がおける人の間でデ ータを共有していただいて、そして安全確保にきちんと使っていただくと。不特定多数の 方がくれぐれも見られないように気をつけていただくということが重要かなと思っており ます。これが 1 点です。 次に資料 7 につきまして、サイバーセキュリティの話があって、太陽光発電のようなも のにですね、サイバーセキュリティの機能を付加するというお話がございました。これも もちろん重要なことかと思いますが、その一方で、情報系の先生とお話をした際に、いわ ゆるスマートエネルギーネットワークで使われる通信方式自身がですね、かなり現状のも のが脆弱でハッキングされるリスクが非常に高いと聞いております。従いまして、機器だ けにサイバーセキュリティの機能を付加しても通信方式自身が脆弱でであればそれがどこ かでハッキングされる恐れは充分あるので、通信方式自身をですね、セキュリティを考え ていただくという必要があろうかと思います。この点についてもご見解をお願いします。 それから 3 番目にですね、JC-STAR の制度についてお話がありました。わたくし標準化 のですね、基本政策部会の方の部会長を務めておりまして、日本の標準をですね、世界に 広めていく、それから世界に負けないようにルール形成、標準等をですね持って行くとい うことが、経産省で言われているわけです。これをやっていくべきだと思います。基本的 にはいいことだと思いますが、この JC-STAR という制度が ISO や IEC のですね、国際的に 流通している標準と比べてどうなのか、きちんと合致しているかどうか、我が国だけので すね、そこだけで通用する、ガラパゴスのような標準になっていないかどうか、世界に通 用する標準としてきちんと訴えられるかどうか、この点が重要であるかと思っておりま す。ですので、この点をお伺いしたいと思います。以上でございます。 〇山内委員長 はい、ありがとうございました。c後ほどまとめて事務局からコメントいただきます。 次岩船委員どうぞ。 〇岩船委員 はい、ありがとうございます。松橋委員のご意見をごもっともと伺っておりまして、私 も標準化の方ですね、海外の制度と調和が取れるような仕組みというのをぜひ目指してい ただきたいと思います。それが資料 7 です。 資料 6 に関しまして、9 ページの整理なんですけれども、もちろん本当にプライバシー に配慮というのは非常に重要だと思うんですけれども、このp9 の整理だとデータの利用 可能な期間がかなりなくなるのではないかなという気もしました。目安ということなの で、その目安という言葉がどの程度強いニュアンスを含むのかはちょっと私わからないん ですけれども、例えばその 7 ページに示すようなですね、ユースケース 7・8 とあったと 思うんですけれども、この辺りは例えば在・不在情報を把握して見守り業務に使うとか、 あとは 8 の方は発災前の電力データから使用状況を推定してそれに戻っているか確認する みたいなですね、個のデータが必要で、かつ、住民がどんな風に暮らしているかっていう ことをまずは見守らなきゃいけないっていう上で、非常に業務の効率化につながると思う んですけれども、9 ページのですね、停電が復旧したらもう使えないっていう短い方のデ ータ利用期間とするとありますので、そうするとですね、停電がせいぜい 3 日とかであれ ば、3 日とかで解消した場合に、もうそこで使えなくなってしまう、そういう見守りみた いなものに使えないということになりますので、できれば災害対策本部が解散するまでっ ていうのを基本的なデフォルトにすることはできないのかなと思いました。ちょっと災害 対策本部が解散するまでが長すぎるのっていうケースもあるのかもしれないんですけど も、そこは少しあの使いかたに自由度があるように設定しておく必要があるのかと思いま した。せっかくのスマートメーターのデータなので、もちろんデータにアクセスできる利 用環境はかなり限定するとか、しっかり管理した上で、ぜひそちらの検討もお願いできれ ばと思いました。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。その次は秋元委員どうぞご発言ください。 〇秋元委員 はい、ご説明いただきましてありがとうございます。私も資料の 6 についてですけれど も、こういうふうにユースケースについて追加をいただいたというのは、大変いいことか なというふうに思います。いろいろこういうふうに使えるんだということですね、理解、 知ってもらって、さらにですね、その先にどういった使い方があるのかということをです ね、いろいろ考える上でもですね、こういったものを記載いただくということはとてもい いことかなというふうに思います。また、今回は災害時ということですけれども、災害時 以外でもですね、いろいろ考えを目指してですね、どういった風に使いうるのかというこ との課題意識とか、実際に使っていく方法とかですね、手法を考える上でもですね、とて も重要かなというふうに思いましたので、ありがとうございました。ガイドラインの改正 のところの時期については、私も若干今おっしゃられた岩船委員と同じような感触はもち まして、なるべく限定したいということは理解するものの少し短いかなという感じもあ り、もう少し工夫の余地がないのかな、これで充分活用しきれるのかなというところに関 しては、少し懸念を持ちましたけども、追加でご意見があれば教えていただければと思い ました。以上です。 〇山内委員長 はい、ありがとうございます。村松委員ですね、どうぞご発言ください。 〇村松委員 はい、村松です。ありがとうございます。私からは資料 7 のサイバーセキュリティにつ いてコメント申し上げたいと思います。サブワーキングで扱うべき内容なのか少し分かり かねるところではあるんですが、こういったサイバーセキュリティの取り組みはですね、 挙げて頂きましたように、中小規模の電力事業者であったり、例えば自由化の立場でネッ トワークに入ってくるということもありますので、サイバーセキュリティの対策を検討し なければならない人たちとは範囲が広がってきているんだと思っております。そうした時 に、これからはじめて取り組みますっていうのは方々からするとですね、ガイドラインや 手引きが様々あってですね、一体自分たちはどれに従ってどのような対応をして行くべき なのか、そもそも入口のところがよくわからないっていうようなことがあるケースが存在 すると思います。実際事業者の方からですね、少しそういったご相談を受けたこともござ いますので、この辺りはですね、こういったいろいろなガイドライン、区分によってもし くは扱われる事業内容によって適用すべきものが違ってくるということだと思うんです が、わかりやすく整理されて発信されることによって、より取り組みやすくなるのではな いかと、そのガイドライン間で扱いの違いがあるところはなぜ違うのかっていうようなと ころもですね、いただけると取り組みやすくなるんじゃないかというふうに感じました。 もう 1 つですね、サイバーセキュリティの中で点検ツール挙げていただいております。 これはやはりですね、今まであまり取り組みが充分でなかったようなところがツールの活 用によって強化すべき点というのを洗い出すという意味では非常に重要だと思います。た だのツールというのは、チェックリストはですね、扱いを間違えると、これだけできてい れば OK であるという機械的なチェックになりかねないというリスクもあるかと思いま す。この点は充分留意が必要だと思っておりますし、例えばですけれども、当事者・現場 でですね、チェックするだけに用いるのではなくて、モデルのように内部監査の部隊によ るチェック、外部の人からのチェック、またリスクのある項目が何なのか、そういった本 質的なリスクの見極めをした上で、こういったツールをうまく使っていただければと思い ますので、この辺ですね、効果を上げるためにツールを、ポイントを出すだけではなく て、どんな風な活用の仕方があるのかといったところも併せてですね、これだけ時間をか けて丁寧なものを作っていただいておりますので、効果を上げる働きかけというのも併せ て進めていただければと思います。以上です。 ◯山内委員長 はい、ありがとうございます。それでは原委員、ご発言ください。 ◯原委員 はい、ありがとうございます。私の方からは 2 点ございまして、まず資料 6 なのです が、こちらは自治体に、災害時に有効な電力データの利用の仕方について、マニュアルに より具体的に示すということは、いざという時の業務の迅速化につながると思いますの で、改正案が大変よろしいのではないかと思っております。ただし個人情報の保護に関し てですけれども、個人情報についての認識や対策というのがそれぞれの自治体によってだ いぶ違いがあると思いますので、電力データを利用する側にですね、情報漏洩対策とか目 的外使用といったことが起こらないように改めて取るべき事前対策などをお願いするとい った内容を盛り込んでいただけるとありがたいと思いました。 それから、資料 7 のサイバーセキュリティについてですが、こちらは JC-STAR 制度につ いて申し上げます。このようなラベリング制度は適合製品として認識しやすく、今後は消 費者が製品を選ぶ上でも大変わかりやすいと思っております。検討は急ぐべきかと思いま すけれども、安全性についてはやはり少々不安を感じております。と言いますのが、1 つ には、日々巧妙化するサイバー攻撃に対して次々とより高度なものが求められるようにな ってくるとも考えられますし、今太陽光の設置を新築住宅に義務づけたりしている自治体 が増えている中で PCS の安全基準を満たしていないようなものが設置されていくというこ とも考えられると思います。33 ページに記載していただいております対策はぜひスピーデ ィーに進めていただくようお願いしたいと思いますけれども、同時に最終的に太陽光を設 置する事業者とか、IoT 家電などを購入する消費者に向けてのやはり情報提供や啓発とい うのをしっかりやって行く必要があるのではないかと思いました。以上です。 ◯山内委員長 はい、ありがとうございます。次は四元委員どうぞご発言ください。 ◯四元委員 四元です。短めに発言します。電力データの活用の期間ですね、あの資料 6 の 1 の 9 ペ ージのところですけれども、別にこの間に限るというわけではなくて、その都度の判断と いうのは可能だと思いますので、共通のデフォルトルールとして形見に設定するというこ とで私自身は事務局提案に賛成です。以上です。 ◯山内委員長 はい、ありがとうございます。他にいらっしゃいますかね。よろしいですか。 失礼しました、それでは協議会で山本委員が御発言ご希望ですね。山本オブザーバーど うぞご発言ください。 ◯山本オブザーバー はい、ありがとうございます。山本でございます。 資料 7 の電力分野のサイバーセキュリティについて発言させていただきます。サイバー セキュリティの確保は一義的には電気工作物を設置するものが技術基準に適合するように 維持しなければならないものでありまして、今回整理いただいた内容は、これを後押しす ることによって実効性を高めるものとして、賛同いたします。特に 24 ページ以降の分散 型電源のサイバーセキュリティ対策につきましては、小規模な太陽光発電設備など、これ については一般消費者が主な設置者でありまして自社による対策実施には限界があると思 いますので、資料に記載の通り、JC-STAR 制度を活用して製品側で対策を講じることはサ イバーセキュリティ確保の実効性を高める有効な方法であると考えております。多種多様 なプレイヤーが参入する中でも、電力の安定供給確保のためには、サイバーセキュリティ の確保が必要不可欠であり、一般送配電事業者としても可能な範囲で協力して行きたいと 考えておりますので、引き続き検討お願いいたします。私からは以上です。 JC-STAR ◯山内委員長 はい、ありがとうございます。 手元で把握しているご発言のご希望は以上ですが、いかがでしょう。よろしゅうござい ますかね。データ活用の検討、セキュリティの件、いろいろご意見いただきましたので、 これも事務局からコメントいただきたいと思います。 ◯小柳室長 はい、ありがとうございました。データの方に関して言うと松橋委員からですね、デー タを悪用されない様にといったようなご指摘がございましたけれども、資料の 10 ページ のところ、右上のところですけれども、基本的な考え方の 3 ぽつのところでですね、情報 の利用についていろいろ書いているところもあるんですけれども、自治体がデータ利用す る時は利用目的をエネ庁側でも把握する仕組みになっていたりですね、必要な範囲を超え て不必要にデータを利用することがないように指導したりといったことをやってますの で、目的外利用みたいなことに繋がらないようにしっかりチェックしていきたいなという ふうに思ってございます。 岩船先生、秋元先生から教えていただいたデータの利用期間の話ですけれども、1 つは この法律上の規定がですね、電気の安定供給の確保に支障が生じることによりというよう な制限があるということもありますので、少し固めの考え方にしているんですけれども、 目安を超える時にはですね、個別の事例に応じて適切な利用になるようにエネ庁とも相談 させていただきながらやっていくということかなというふうに思っていますので、1 つの 目安ということで、この範囲を超えてやることは絶対ダメだとそういうことではないのか なというふうに思ってございます。データの方はそれぐらいですかね。 セキュリティの方にきますと、松橋先生からご指摘いただいた通信の方の話ですけれど も、おそらくエコネットライトとかのことを指しておられるんだと思うんですけれども、 サイバーセキュリティの確保についてはですね、何か一つだけでやるというわけではなく て、通信方式であるとか機器ごとのセキュリティ対策とかそういった組み合わせで確保し ていくということだろうと思っていますので、通信のあり方も含めて、なかなか一概に答 えることは難しいですけれども、エコネットライトのところ担当している部署もですね、 しっかり共有して対応を考えていきたいなというふうに思ってございます。何人かの先生 方から JC-STAR の標準化とか海外との調和といったようなご指摘もいただきましたけれど も、制度自体を作るときはですね、国際規格との比較もしっかり検討しているというふう に聞いていますし、今後海外との制度調和なんかについてもしっかりやっていくというふ うに聞いていますので、そういったご指摘については担当課室とも共有をしたいなという ふうに思ってございます。 村松先生からはいくつか色々ツールであるとかガイドラインとか策定しているのは良い けれども、より実効的に使われるようにいろいろ工夫した方がいいんじゃないかというよ うなご指摘だったかなというふうに思っていますけれども、色々事業者ごとにですね、確 認いただく必要もありますし、ご指摘いただいたようなわかりやすい発信には努めていき たいなというふうに思っていますし、自己点検ツールについてもですね、そこでいろんな 情報が我々の方にも入ってくることになると思いますので、そういった結果も踏まえなが ら、より良いツールにしていくとか、より使い勝手の良いものに改善していくといったこ とをやっていきたいなというふうに思ってございます。 原委員からいただいたご指摘については、JC-STAR もですね、日々サイバーセキュリテ ィの攻撃が高度化していくっていうのはご指摘のとおりなんですけれども、何か1個やれ ばそれで完璧だということはないわけですけれども、今この瞬間なかなか手が回ってな い、手が打たれないところもありますので、まずはこういった JC-STAR みたいなラベリン グ制度を活用しながらですね、一歩進めていくということでやっていくのかなというふう に思っていますので、より一層サイバーセキュリティが高度化していくとかいったような ことがあればですね、それに応じてまた検討を深めていかなきゃいけないということであ ろうというふうに思ってございます。 すみません、ちょっと回答が漏れてるところあるかもしれませんけど、一旦事務局から は以上でございます。 ◯山内委員長 はい、ありがとうございました。よろしいでしょうかね。だいたいコメントあったかと 思いますが。 はい、よろしいですね。はい、それではありがとうございました。 それで今二つですね、データの活用実証事業の関係とそれからサイバーセキュリティで すけれども、まずデータ活用の件についてはですね、自治体向けのマニュアル、ガイドラ イン、この改正でありますけれども、大きな異論なかったというふうに思います。これこ れに気を付けてということがありましたけれども、それもご回答いただいたところであり ます。ですので、本日ご提示いただいたスケジュールに従って進めていただければという ふうに思います。 それからサーバーセキュリティについてはですね、今取組をご報告いただいたわけであ りますけれども、これも委員の意見を踏まえてですね、今後も取組を継続していただくと いうことでよろしいかと思います。 ということで、本日の議事は以上ということであります。今日もいろいろご熱心にご議 論いただきましてありがとうございました。事務局から何かありますか。連絡は特によろ しいですか。 はい、特に今日はですね、先ほども言いましたけれども、電力システム改革の検証につ いて、1 年以上議論していただきまして取りまとめることができたということです。この 点について皆さんに感謝申し上げたいと思います。 それでは、これをもちまして、第 87 回電力・ガス基本政策委員会を閉会とさせていた だきます。どうもありがとうございました。

資料1

資料1 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 第87回電力・ガス基本政策小委員会 令和7年3月31日 17:00~19:00 オ ン ラ イ ン 会 議 1. 議題 (1) 沖縄エリアの高圧部門における料金規制等の解除について (2) 電力システム改革の検証について (3) 今冬の電力需給及び 2025 年度の需給見通し・運用について (4) 電力データ活用の推進について (5) 電力分野のサイバーセキュリティについて 配付資料 一覧 資料1 議事次第 資料2 委員等名簿 資料3-1 沖縄エリアの高圧部門における料金規制等の解除について 資料3-2 沖縄電力株式会社の特定小売供給に係る供給義務等について(回答) 資料4 電力システム改革の検証結果と今後の方向性(案) 資料5 今冬の電力需給及び 2025 年度の需給見通し・運用について 資料6-1 電力データ活用の推進について 資料6-2 電気事業法第34条第1項の規定に基づく必要な情報の提供の求めに関する考え方(案) 資料7 電力分野のサイバーセキュリティについて 参考資料1 電力システム改革の検証結果と今後の方向性(案)に対する意見の募集の結果について 参考資料2 武田専門委員からの御意見

資料2

資料2 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 委員等名簿 ※五十音順、敬称略、◎は小委員長、○は小委員長代理 (委員) ○ 秋元 圭吾 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 システム研究グループ グループリーダー 岩船 由美子 東京大学生産技術研究所 牛窪 株式会社みずほ銀行 恭彦 教授 常務執行役員 大橋 弘 東京大学大学院経済学研究科 原 郁子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 理事・東日本支部 教授 支部長 松橋 隆治 東京大学大学院工学系研究科 松村 敏弘 東京大学社会科学研究所 村木 美貴 千葉大学大学院 工学研究科 建築・都市科学専攻 教授 村松 久美子 PwC Japan有限責任監査法人ディレクター 公認会計士 ◎ 山内 弘隆 四元 弘子 武蔵野大学経営学部 教授 教授 特任教授 森・濱田松本法律事務所 弁護士 (専門委員) 皆藤 寛 日本商工会議所 産業政策第二部 武田 孝治 一般社団法人日本経済団体連合会 資源・エネルギー対策委員会 課長 企画部会長 (オブザーバー) 大山 力 電力広域的運営推進機関 理事長 金本 良嗣 一般社団法人日本卸電力取引所 佐々木 敏春 電気事業連合会 新川 達也 電力・ガス取引監視等委員会 谷口 直行 株式会社エネット 早川 光毅 一般社団法人日本ガス協会 山本 竜太郎 送配電網協議会 理事長 副会長 事務局長 代表取締役社長 専務理事 理事・事務局長

資料3

資料3ー1 沖縄エリアの高圧部門における 料金規制等の解除について 2025年3月31日 資源エネルギー庁 沖縄エリアの高圧部門における料金規制等に関するこれまでの議論 ⚫ 第86回本小委員会においては、沖縄エリアにおける新電力シェアは高圧部門で12.2%に達し、 本土と比較しても遜色ない水準に達していることを踏まえ、本土と同様に沖縄エリアの高圧部門 における料金規制等を解除する方針について御議論をいただいた。 ⚫ その際、ガス事業における指定旧供給区域等の指定の解除の例も参考に、需要家保護の観点か ら必要な措置を講ずることが適当と考えられることから、沖縄エリアの高圧部門における料金規制 等の解除を行うことに関する懸念の有無と、解除を行う場合にどのような措置を講ずることが必要か について、電力・ガス取引監視等委員会(以下「監視等委」という。)の意見を聴くこととした。 ⚫ これを踏まえ、2025年3月10日付けで経済産業大臣から電力・ガス取引監視等委員会委員長 に対して意見聴取を行ったところ、資料3-2のとおり、2025年3月21日付けで回答があった。 ⚫ 本日は、当該回答内容も踏まえ、沖縄エリアの高圧部門における料金規制等の解除について、再 度ご議論をいただきたい。 2 (参考)第86回本小委員会における委員・オブザーバーからの主な御意見 ✓ 沖縄エリアにおいて、他エリアと比べても、競争は一定程度進展していることが確認で きた。沖縄エリアは内外無差別も担保されてると評価されているエリアであるため、電 源アクセスの公平性は確保されているのではないかと考える。今回ご提示いただいた事 務局の案に賛同する。他方で、高圧部門の料金規制等の解除にあたっては、例えば規制 料金メニューを契約されてた需要家の方々に対してどういった影響が及ぶのか、解除後 にどういった選択肢があるのかということに関しては、十分周知をしていくなど、解除 後の競争環境の変化をしっかり見ていくことが重要だと考える。 ✓ 高圧の規制料金解除について、検討を開始されることについては賛成。気になってる点 としては、当初沖縄エリアを例外扱いしていた要因について、どのような進展、変化が あったのかといった点。実際の電源の調達状況や競争環境については、もう少し分析し た形でお示しいただいて、当初懸念していた事項が、今後、規制料金を解除しても、事 業環境として問題がないのかご確認いただきたい。電源調達方法が限られるという点、 沖縄電力からの卸売りや常時バックアップに頼らざるを得ない点は考慮すべきだと考え る。 3 監視等委の意見(沖縄電力株式会社の特定小売供給に係る供給義務等について(回答))より抜粋 ✓ 沖縄電力株式会社の指定旧供給区域の高圧部門の販売量ベースでの新電力シェアは、現 時点で沖縄以外の供給区域と比較しても遜色ない水準である。また、沖縄電力株式会社 は、令和2年7月に内外無差別の卸売等のコミットメントを表明するなど、その指定旧 供給区域において、現時点で適正な卸取引環境が整備されている。こうした現状を踏ま えれば、以下の点に留意しつつ、沖縄電力株式会社の指定旧供給区域における高圧部門 の料金規制等を解除することは差し支えないと考える。 ✓ 料金規制等の解除後に、他の小売電気事業者の撤退やその他の事情によって市場環境が 一時的に変化し、他の小売電気事業者等からの競争圧力が一定程度低下する可能性が否 定しきれないことから、委員会において、料金規制等の解除がされた後、3年間は、沖 縄電力株式会社の指定旧供給区域における高圧部門の小売料金の水準について、合理的 でない値上げが行われないよう、特別な事後監視を実施する。 ✓ 沖縄電力株式会社の指定旧供給区域においては、系統が他の地域から独立していること から広域融通の枠外であること、卸電力取引所を通じた電力取引も不可能であること等 から、卸取引における競争が働きにくい環境にあることを踏まえ、料金規制等の解除に 当たっては、例えば、沖縄電力株式会社が既にコミットメントを表明している内外無差 別な卸売に今後も積極的に取り組む意思があることを確認するなど、料金規制等の解除 後も適正な卸取引環境が維持されると確認することが必要である。 4 沖縄電力の表明 ⚫ 監視等委の意見の内容について、 2025年3月21日に経済産業省から沖縄電力に対して同社 の認識や意思表明の有無を確認したところ、以下のとおり文書での回答が得られたため、その内 容について報告をさせていただく。 ⚫ 電力・ガス取引監視等委員会が実施する特別な事後監視につきまして、弊社といたしましては、事 後監視の趣旨を踏まえ適切に対応してまいります。 ⚫ 引き続き電力の安定供給を前提に最大限の効率化に取り組み、電気料金水準の維持に努めてま いる所存です。 ⚫ 内外無差別な卸売に関しましては、弊社は、令和2年7月に内外無差別の卸売等のコミットメントを 表明しております。今後も審議会における議論の進展等を踏まえ必要に応じて見直しつつ、適切に 対応してまいります。 5 沖縄エリアの高圧部門における料金規制等の解除の方針 ⚫ 監視等委の意見と沖縄電力の表明を踏まえれば、料金規制等の解除後も適正な卸取引環境 が維持されると評価することができることから、本土と同様に沖縄エリアの高圧部門における料金 規制等を解除して差し支えないのではないか。 ⚫ ただし、監視等委の意見を踏まえ、料金規制等の解除後3年間は監視等委による特別な事後 監視を実施することとしてはどうか。 ⚫ その上で、需要家への周知を十分に行い、また、沖縄電力において必要な準備(特定小売供 給約款、離島等供給約款、最終保障供給約款の変更等)を行う時間を確保する観点から、令 和8年4月1日を目途に料金規制等を解除することとし、必要な準備を進めることとしてはどうか。 6 (参考)沖縄エリアにおける電力システム改革の状況 第86回 電力・ガス基本政策小委員会 (2025年2月28日) 資料4から抜粋 ⚫ 電力システム改革専門委員会報告書等において、沖縄電力の供給区域(以下「沖縄エリア」とい う。)における電力システム改革は、地域の特殊性を踏まえた改革を実施することとしている。 ⚫ 沖縄エリアにおける小売部門の自由化は、2000年(平成12年)3月に「電気の使用規模2万 kW以上、6万V電圧以上で受電する需要家」とされ、2004年(平成16年)4月に特別高圧 (2000kW以上)まで拡大された。 ※沖縄エリア以外のエリア(以下「本土」という。)においては、平成12年3月に特別高圧(2000kW以上)が、平成16年 4月に高圧(500kW以上。翌年4月から50kW以上。)が、完全自由化された。 ⚫ それ以降、上記の報告書等における整理も踏まえ、沖縄エリアでは高圧及び低圧部門における料 金規制が存置されている。 <電力システム改革の検討に当たって示された沖縄エリアにおける構造的な特殊性> ①広大な海域に島が点在しており、独立した小規模な電力系統が必要であること ②本土の電力系統と連系されておらず、広域融通の枠外であり、また卸電力取引所を通じた電力取引 も不可能であること ③電力需要が小さく、また地理的・地形的制約等から大規模な原子力発電や水力発電が困難であり、 火力発電に依存せざるを得ないこと 出典:第4回電力システム改革小委員会 制度設計WG(平成25年12月9日) 資料5-5から引用 7 (参考)沖縄エリアの現状と高圧部門における規制の在り方について 第86回 電力・ガス基本政策小委員会 (2025年2月28日) 資料4から抜粋 ⚫ 沖縄エリアにおける新電力シェアは高圧部門で12.2%に達し、本土と比較しても遜色ない水準 に達している。こうした現状に鑑みれば、本土と同様に沖縄エリアの高圧部門における料金規制 等を解除しても差し支えないのではないか。 ⚫ 他方で、高圧部門の料金規制等の解除に当たっては、小売料金の合理的ではない値上げが行 われていないか確認するなど、ガス事業における指定旧供給区域等の指定の解除の例も参考に、 需要家保護の観点から必要な措置を講ずることが適当と考えられる。このため、電力・ガス取引 監視等委員会に対して、沖縄エリアの高圧部門の料金規制等の解除を行うことに関する懸念 の有無と、解除を行う場合にどのような措置を講ずることが必要かについて、意見を聴くこととして はどうか。 [%] 45.0 供給区域別の新電力シェア(高圧) 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 40.0 35.0 東京 (31.0%) 30.0 東北 (23.4%) 25.0 中国 (19.3%) 北海道 (17.1%) 九州 (14.8%) 北陸 (14.6%) 関西 (14.4%) 中部 (13.8%) 沖縄 (12.2%) 四国 (11.7%) 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 ※シェアは各供給区域において、大手電力(旧一般電気事業者)以外の新電力の販売量を、供給区域内の全販売量で除したもの。 ※上記「新電力」には、供給区域外の大手電力を含まず、大手電力の子会社を含む。 (出所)電力取引報 8 (参考)各エリアにおける電力システム改革進展の経緯 第86回 電力・ガス基本政策小委員会 (2025年2月28日) 資料4から抜粋 ⚫ 沖縄エリアにおいては、構造的な特殊性を考慮し、本土とは異なる措置がなされてきた。 平成12年3月~ 平成16年4月~ 平成17年4月~ 特別 高圧 特別 高圧 特別 高圧 (工場等) 本 土 9 社 新電力参入可 料金自由化 高圧 (ビル等) 低圧 大手電力による 地域独占 料金規制 (家庭等) 沖 縄 エ リ ア 特別 高圧 高圧 新電力参入可 料金自由化 ※2万kW以上かつ 6万V以上 大手電力による 地域独占 高圧 新電力参入可 料金自由化 ※500kW以上 低圧 料金規制 特別 高圧 新電力参入可 料金自由化 高圧 大手電力による 地域独占 低圧 新電力参入可 料金自由化 高圧 大手電力による 地域独占 新電力参入可 低圧 料金規制 大手電力にのみ 料金規制 特別 高圧 新電力参入可 料金自由化 特別 高圧 新電力参入可 料金自由化 特別 高圧 新電力参入可 料金自由化 高圧 大手電力による 地域独占 高圧 大手電力による 地域独占 高圧 新電力参入可 料金規制 低圧 新電力参入可 料金自由化 平成28年4月~ 低圧 料金規制 低圧 料金規制 低圧 大手電力にのみ 料金規制 9 第81回 電力・ガス基本政策小委員会 (2024年9月26日) 資料3から抜粋 (参考)経過措置の概要(料金規制の段階的撤廃) ⚫ 2016年4月の電力小売全面自由化に際しては、大手電力会社による「規制なき独占」に陥る 事態を防ぐため、低圧需要家向けの小売規制料金について経過措置を講じることとされた。 ⚫ 当該経過措置は、2020年3月末をもって撤廃されたものの、同年4月以降は、「電気の使用者 の利益を保護する必要性が特に高いと認められるもの」として経済産業大臣が指定した大手電力 会社の供給区域において、引き続き、規制料金(特定小売供給約款料金)が存続されている。 ⚫ 経済産業大臣の指定が解除されると、その供給区域の大手電力は、自由料金メニューのみを提 供することとなり、当該地域における低圧需要の最終保障供給は、地域の一般送配電事業者が 担うこととなる。 第5回電力・ガス基本政策小委員会(2017年10月24日)資料5より抜粋 小売全面自由化前 <~2016年3月末> 低圧 部門 小売全面自由化後(経過措置期間) <2016年4月~> 旧一般電気事業者 旧一般 電気事業者 電気供給約款 (規制料金) 規制料金 メニュー 選択約款 (規制料金) 自由料金 メニュー 新電力 自由料金 メニュー 経過措置撤廃後 (指定なし地域) 一般送配電 事業者 小売電気事業者 (旧一般、新電力) 一般送配電 事業者 離島供給 自由料金 メニュー 離島供給 ・ 最終保障供給 10 (参考)これまでの沖縄エリアにおける電力システム改革の方針等 第86回 電力・ガス基本政策小委員会 (2025年2月28日) 資料4から抜粋 ●電力システム改革専門委員会報告書(平成25年2月) Ⅱ. 小売全面自由化とそのために必要な制度改革 1.小売分野への参入の全面自由化 (4)沖縄における小売全面自由化 沖縄電力の供給区域においては、過去の電気事業制度改革において、系統が他の地域から独立し、広域的な 電力流通が実態として不可能であること、及び、区域内の離島需要が他の電力会社に比べて相対的に多いこと 等の沖縄地域固有の事情を考慮し、他地域とは異なる自由化範囲が設定されてきた。また、現時点では自由化 需要への新規参入実績が無い状況にある。 沖縄地域の固有の事情については一定の配慮が必要と考えられる分野も多いが、他方で需要家の選択肢の拡 大、多様な電源の参入といった政策目的は、沖縄地域においても他の地域と何ら変わることはなく、その実現に向け て改革を進めることが求められる。したがって、沖縄地域についても原則として他の地域と同様の制度改革を進める ことを基本とし、その上で、沖縄地域の特殊性にかんがみ一定の例外措置を設けるという考え方が適当である。具 体的には、小売全面自由化は原則として実施し、卸電力市場の活性化や送配電部門の広域化・中立化等、そ の他の論点については、沖縄の特殊性も踏まえた制度とする。 ●電力システムに関する改革方針(平成25年4月2日閣議決定) Ⅴ.小売分野への参入の全面自由化 今回の電力システム改革は、大きな事業体制変革を伴うものであり、関連する法令の手当等を含め、十分な準 備を行った上で慎重に改革を進めることが必要である。このため、実施を3段階に分け、各段階で課題克服のため の十分な検証を行い、その結果を踏まえた必要な措置を講じながら実行するものとする。 なお、沖縄地域については、地域の特殊性を踏まえた制度とする。 電力システム改革の速やかな実施に向け、 関係省庁は連携して改革の内容の具体化を進めるとともに、法律案その他の制度的準備を整える。 11 (参考)供給区域別の新電力シェア(全電圧合計) 第86回 電力・ガス基本政策小委員会 (2025年2月28日) 資料4から抜粋 ⚫ 全面自由化以降、供給区域別の新電力のシェアは以下のとおり。 [%] 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 35.0 30.0 東京 (28.8%) 25.0 20.0 北海道 (18.6%) 東北 (17.6%) 関西 (16.6%) 中国 (15.4%) 九州 (14.3%) 中部 (12.1%) 沖縄 (11.7%) 四国 (11.0%) 北陸 (9.1%) 15.0 10.0 5.0 0.0 ※シェアは各供給区域において、大手電力(旧一般電気事業者)以外の新電力の販売量を、供給区域内の全販売量で除したもの。 ※上記「新電力」には、供給区域外の大手電力を含まず、大手電力の子会社を含む。 (出所)電力取引報 12 (参考)関連条文 第86回 電力・ガス基本政策小委員会 (2025年2月28日) 資料4から抜粋 ○電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年6月18日法律第72号) 附則 (みなし小売電気事業者の供給義務等) 第十六条 みなし小売電気事業者は、当分の間、正当な理由がなければ、当該みなし小売電気事業者に係る旧電気事業法第六条第二項第三号の供給区域(離島等(電気事業法 第二条第一項第八号イに規定する離島等をいう。)を除く。以下この項において同じ。)であって、小売電気事業者間の適正な競争関係が確保されていないことその他の事由により、当 該供給区域内の電気の使用者の利益を保護する必要性が特に高いと認められるものとして経済産業大臣が指定するもの(以下「指定旧供給区域」という。)における一般の需要(み なし登録特定送配電事業者が特別小売供給(附則第二十三条第一項に規定する特別小売供給をいう。)を開始した旧供給地点(附則第二十三条第一項に規定する旧供給地 点をいう。)における需要及び特定規模需要(旧電気事業法第二条第一項第七号に規定する特定規模需要に相当する需要をいう。)を除く。)であって次に掲げるもの以外のもの (次条第二項において「特定需要」という。)に応ずる電気の供給を保障するための電気の供給(以下「特定小売供給」という。)を拒んではならない。 一 当該みなし小売電気事業者から次に掲げる料金その他の供給条件により小売供給を受けているもの イ 当該みなし小売電気事業者と交渉により合意した料金その他の供給条件 ロ この法律の施行の際現に旧電気事業法第十九条第十二項の規定により届出がされている選択約款で設定された料金その他の供給条件に相当する料金その他の供給条件 ハ この法律の施行の際現に旧電気事業法第二十一条第一項ただし書の認可を受けている料金その他の供給条件(附則第十九条及び第二十条第七項において「旧認可供給条 件」という。)であって附則第十九条の承認を受けていないものに相当する料金その他の供給条件 二 当該みなし小売電気事業者以外の者から小売供給を受けているもの 2 経済産業大臣は、指定旧供給区域について前項に規定する指定の事由がなくなったと認めるときは、当該指定旧供給区域について同項の規定による指定を解除するものとする。 ○旧電気事業法 第二条第一項第七号 特定規模電気事業 電気の使用者の一定規模の需要であつて経済産業省令で定める要件に該当するもの(以下「特定規模需要」という。)に応ずる電気の供 給(第十七条第一項第一号に規定する供給に該当するもの及び同項の許可を受けて行うものを除く。)を行う事業であつて、一般電気事業者がその供給区域以外の地域における特 定規模需要に応じ他の一般電気事業者が維持し、及び運用する電線路を介して行うもの並びに一般電気事業者以外の者が行うものをいう。 ○旧電気事業法施行規則 第二条の二第一項 法第二条第一項第七号の経済産業省令で定める要件は、事項に定める一の需要場所における電気の使用者の需要が、次の各号のいずれかに該当することとする。 一 沖縄電力株式会社の供給区域以外の地域において一般電気事業者又は特定規模電気事業者が維持し、及び運用する特別高圧電線路又は高圧電線路から受電する者であって、 使用最大電力が原則として五十キロワット以上の者の需要 二 沖縄電力株式会社の供給区域内において一般電気事業者又は特定規模電気事業者が維持し、及び運用する特別高圧電線路から受電する者であって、使用最大電力が原則と して二千キロワット以上の者の需要 13

資料4

資料3-2 経 済 産 業 省 20250310電委第2号 令和7年3月21日 経済産業大臣 殿 電力・ガス取引監視等委員会委員長 沖縄電力株式会社の特定小売供給に係る供給義務等について(回答) 令和7年3月10日付け20250305資第5号により、貴職から当委員会に意見を求 められた、電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年6月18日法律第72号)附則 第16条第1項に規定するみなし小売電気事業者の供給義務等に関し、沖縄電力株式会社の 指定旧供給区域における同項に規定する特定規模需要の要件を、旧電気事業法第2条第1項 第2号に規定する一般電気事業者又は同項第8号に規定する特定規模電気事業者が維持し、 及び運用する特別高圧電線路又は高圧電線路から受電する者であって、使用最大電力が原則 として五十キロワット以上の者の需要に改めること(以下「沖縄電力株式会社の指定旧供給 区域における高圧部門の料金規制等を解除すること」という。)及び、改める場合に、需要 家保護の観点から必要と考えられる措置について、下記のとおり回答いたします。 記 沖縄電力株式会社の指定旧供給区域の高圧部門の販売量ベースでの新電力シェアは、現時 点で沖縄以外の供給区域と比較しても遜色ない水準である。また、沖縄電力株式会社は、令 和 2 年 7 月に内外無差別の卸売等のコミットメントを表明するなど、その指定旧供給区域に おいて、現時点で適正な卸取引環境が整備されている。こうした現状を踏まえれば、以下の 点に留意しつつ、沖縄電力株式会社の指定旧供給区域における高圧部門の料金規制等を解除 することは差し支えないと考える。 料金規制等の解除後に、他の小売電気事業者の撤退やその他の事情によって市場環境が一 時的に変化し、他の小売電気事業者等からの競争圧力が一定程度低下する可能性が否定しき れないことから、電力・ガス取引監視等委員会において、料金規制等の解除がされた後、3 年間は、沖縄電力株式会社の指定旧供給区域における高圧部門の小売料金の水準について、 合理的でない値上げが行われないよう、特別な事後監視を実施する。 また、沖縄電力株式会社の指定旧供給区域においては、系統が他の地域から独立している ことから広域融通の枠外であること、卸電力取引所を通じた電力取引も不可能であることな どから、卸取引における競争が働きにくい環境にあることを踏まえ、料金規制等の解除に当 たっては、例えば、沖縄電力株式会社が既にコミットメントを表明している内外無差別な卸 売に今後も積極的に取り組む意思があることを確認するなど、料金規制等の解除後も適正な 卸取引環境が維持されると確認することが必要である。 以上

資料5

【案】 電力システム改革の検証結果と 今後の方向性 ~安定供給と脱炭素を両立する 持続可能な電力システムの構築に向けて~ 令和7年3月 資源エネルギー庁 目次 1.電力システム改革の検証の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 2.検証プロセスの全体像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 3.これまでの評価とこれからの電力システムが目指すべき方向性・・・・・・・・・・・・7 (1)電力システム改革の目的に照らした現状の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 ① 安定供給の確保 ② 電気料金の最大限の抑制 ③ 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大 (2)電力システムを取り巻く経済社会環境の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ① 世界的な DX や脱炭素化の流れの加速 ② 地政学的リスクを含む経済安全保障リスクの高まり ③ 世界全体でのインフレの進行 (3)電力システムが直面している課題と目指すべき方向性・・・・・・・・・・・・・・13 4.電力システムが直面する課題と対応方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 (1)安定供給確保を大前提とした、電源の脱炭素化の推進・・・・・・・・・・・・・・15 ① 大規模な電源の脱炭素化に向けた事業環境整備 ② 安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進 ③ 安定供給に必要となる燃料の確保(LNG の長期契約の確保等) ④ 水力の活用 ⑤ 発電事業者に求められる機能や役割 (2)電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導と柔軟な需給運用の仕組構築・・・19 ① 電力システム改革における送配電分野の対応 ② 再生可能エネルギーの効率的な活用を行うための広域及び地内系統整備の在り方 ③ GX 産業立地政策と連動した、大規模需要の立地誘導、送配電網整備の推進 ④ 送配電網の整備に係る資金調達等の課題への対応 ⑤ 短期の需給運用の効率的な実施 ⑥ 送配電部門の中立性・透明性向上 (3)市場を通じた、安定的な価格での需要家への供給に向けた小売事業の環境整備・・・22 ① 事業者の創意工夫を促す市場環境整備 ② 小売電気事業者に対する規律の在り方 ③ 経過措置料金の現状と今後の検討課題 (4)共通する課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 ① 電源・系統への投資に対するファイナンス ② 電力システムにおける公的役割を担う機関の体制強化 5.事業者に期待される役割・取組の方向性~将来の電力産業の在り方~・・・・・・・・26 (1)安定供給と脱炭素化の実現に向けた脱炭素電源や系統の設置・整備の担い手・・・・27 ① 円滑で安定的なファイナンス ② 内外一体の電力産業の展開 (2)発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者・・・・・・・・・・・27 2 ① 安定的な供給に責任ある事業運営 ② 電力産業を支える人材・サプライチェーンの確保 (3)需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダー・・・・・・・・・・・・28 ① 分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化 ② サイバーセキュリティの確保 6.将来の電力システムを支える取引市場の全体像・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 (1)電力システムに関する取引市場の全体像と卸電力市場が直面する課題・・・・・・・30 (2)検証を踏まえ、今後整理していく電力システムに関する取引市場の全体像・・・・・32 ① 供給力を確保するための取引市場・制度 ② 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 ③ 効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 (3)今後に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 7.今後の進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 3 1.電力システム改革の検証の位置づけ 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故を契機とした、我が国の電力システムに 関する改革(第5次制度改革)の検討が開始されてからおよそ 10 年が経過した。この間、電力シ ステム改革の大きな柱である、広域系統運用の拡大、小売及び発電の全面自由化、法的分離の方 式による送配電部門の中立性の一層の確保が進められるとともに、関連する諸制度の見直しが行 われた。 この電力システム改革に関し、2015 年に成立した第3弾の改正電気事業法においては、事後検 証を行う旨の規定が設けられている。具体的には、①小売全面自由化前、②2020 年4月の送配電 部門の法的分離前、③法的分離後5年以内のそれぞれの時期において、電気事業法の施行の状況 やエネルギー基本計画の実施状況、需給状況、料金水準等について検証を行い、その検証結果を 踏まえ、必要な措置を講ずる旨が規定されている。この規定に基づき、小売全面自由化前の検証 については 2015 年 12 月に、送配電部門の法的分離前の検証については 2019 年5月に、審議会に おける検証の結果がそれぞれ公表されている。 今般、2025 年3月末までに行うこととされている法的分離後の検証の時期を迎えるに当たり、 前回の検証と同様に電力・ガス基本政策小委員会において検証を行うこととした。ただし、今回 は、冒頭に述べたように電力システム改革が開始されてからおよそ 10 年が経過しており、一部経 過措置は残るものの、電力システムに係る三段階の改正法全体が施行された後の検証であること から、今般の電力システム改革に関する諸制度の見直しや、それによって我が国の電力供給の状 況や電力供給を支える事業の状況がどのように変化したか等について全体に渡る検証を行うこと とした。 参考図1:第3弾改正法における検証規定 4 2.検証プロセスの全体像 検証に当たり、まず、電気事業法附則にある検証規定を踏まえつつ、およそ 10 年前の電力シス テムの改革に係る総括的な議論をまとめた電力システム改革専門委員会報告書(以下「専門委員 会報告書」という。)の項目に沿って、現状を整理するとともに専門的・実務的な観点を十分に踏 まえて検討を行うため有識者・実務者からヒアリングを実施した。 その後、ヒアリングした内容を踏まえ、電力システム改革の検証の議論を深めるに当たって、 これからの電力システムが目指すべき方向性、電力システムが直面する課題と対応方針、電力シ ステムを支える事業者に期待される役割・取組の方向性を一体的に検討していくこととし、それ ぞれの内容について議論を行った。 参考図2:電力システム改革の検証の論点 参考図3:ヒアリングに協力いただいた有識者・実務者一覧 日時 2024 年 内容 総論 役職 平岩 芳朗 ・ (一財)電力中央研究所 理事長 寺澤 達也 ・ (一財)日本エネルギー経済研究所 理事長 大林 ミカ ・ (公財)自然エネルギー財団 事務局長 河野 康子 ・ (一財)日本消費者協会 理事 竹内 純子 ・特定非営利活動法人 国際環境経済研究所 理事・主任研究員 壬生 守也 ・全国電力関連産業労働組合総連合 会長 小売全面 城口 洋平 ・ENECHANGE(株)代表取締役 CEO 自由化 坂梨 興 ・大阪ガス(株)副社長執行役員 社長補佐 笹井 富博 ・パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株) 2月 27 日 3月 13 日 氏名 グローバル調達本部 間接材調達センター エネルギー調達部 部長 中尾 太一 ・同部総括担当 中桐 功一朗 ・au エネルギーホールディングス(株)代表取締役社長 長﨑 桃子 ・東京電力エナジーパートナー(株)代表取締役社長 三宅 成也 ・ (一社)再エネ推進新電力協議会 代表理事 5 4月 17 日 海外の電力 Pablo ・Head of Renewable Integration and Secure Electricity, システム Hevia-Koch 改革の動向 Adriana Guth IEA ・Policy Officer, Directorate-General for Energy, European Commission 小笠原 潤一 ・ (一財)日本エネルギー経済研究所 電力ユニット担任補佐・研究理事 5月8日 送配電の 横山 明彦 ・東京大学 名誉教授 広域化・ 鈴村 隆 ・ (株)ユーラスエナジーホールディングス 技術ユニット 中立化 ユニット長補佐 中野 明彦 ・ソフトバンク(株)執行役員 グリーントランスフォーメー ション推進本部 本部長 兼 エナジー事業推進本部 本部長 6月3日 6月 17 日 山根 小雪 ・ (株)日経 BP 日経エネルギーNext 編集長 新家 法昌 ・みずほ証券(株)エクイティ調査部 シニアアナリスト 市場機能の 伊東 徹二 ・ (株)日本政策投資銀行 執行役員企業金融第5部長 活用・供給 小川 博志 ・関西電力(株)執行役常務 力確保策 香月 有佐 ・ENEOS Power(株)代表取締役社長 多和 淳也 ・ (株)JERA 常務執行役員 野澤 遼 ・ (株)enechain 代表取締役社長 吉田 宏 ・出光興産(株)電力・再生可能エネルギー事業部長 事業環境整 林 泰弘 備(分散化、 佐藤 裕紀 ・中部電力(株)専務執行役員 グローバル事業本部長 デジタル 伊藤 令 ・中部電力ミライズ(株)執行役員 事業戦略本部長 化、グロー 稲垣 憲治 ・ (一社)ローカルグッド創成支援機構 事務局長 バル化等) 木原 浩貴 ・たんたんエナジー(株)代表取締役 清水 精太 ・東京ガス(株)執行役員 総合企画部長 田宮 聡 ・三菱商事(株)電力ソリューショングループ CEO オフィス室長 ・早稲田大学大学院 先進理工学研究科電気・情報生命専攻 教授 参考図4:電力システム改革の検証の全体像 6 3.これまでの評価とこれからの電力システムが目指すべき方向性 2013 年4月2日に閣議決定された「電力システムに関する改革方針(以下「改革方針」とい う。)」では、以下の3点を電力システム改革の目的として掲げていた。 1.安定供給を確保する 2.電気料金を最大限抑制する 3.需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する これからの電力システムが目指すべき方向性を検討するに当たり、まず、これらの目的と照ら して、現状の電力システムはどのように評価できるかについて検証を行った。次に、電力システ ム改革が行われた、この約 10 年の間に電力システムを取り巻く経済社会環境がどのように変化し たかを整理した。その上でこれからの電力システムが目指すべき方向性について整理を行った。 (1)電力システム改革の目的に照らした現状の評価 ① 安定供給の確保 2015 年4月、送配電網の広域運用の司令塔として、電力広域的運営推進機関(以下「電力 広域機関」という。)が創設された。電力広域機関は、需給ひっ迫時における地域間の需給調 整や地域間連系線等の増強の推進を通じ、全国大での効率的な電力流通の実現を目指すこと とされており、これまでに、災害等の不測の事態も含め、全国大で迅速かつ円滑に電力を融 通する枠組み(広域融通)は 300 回以上行われた。また、連系線の増強も進展するなど、広 域的な電力需給・送配電ネットワーク整備については目標を一定程度達成できたと評価でき る。 一方で、供給力については、主力であった火力発電は、再生可能エネルギーの導入に伴っ て稼働率が低下し収益性が低下したこと等を受けて、休廃止が進展している。また、原子力 発電所の再稼働の遅れもあいまって、2020 年以降、断続的に災害や厳気象による需給ひっ迫 を経験することとなった。さらに、今後は需要が増加する見込みもあるが、事業者による電 源の新設・リプレースに向けた設備投資は容易ではない状況にある。 今後、カーボンニュートラルに向けた取組の加速化が必要な中、電源投資の回収予見性が 高まっているとは言い難く、容量市場、長期脱炭素電源オークション等への評価も踏まえつ つ、電力の安定供給に必要な供給力の維持・確保を進めていくことが必要と考えられる。 ② 電気料金の最大限の抑制 小売全面自由化以降、競争が進む中、小売電気事業者は供給力をより安く調達すべく、卸 電力取引所からの調達量を増やす動きが活発化した。こうした動きは、2022 年に国際的な燃 料価格の高騰の影響が出るまで家庭向け自由料金を押し下げる方向に働き、自由料金は概ね 経過措置料金よりも安価な水準で推移していた。 一方で、発電量のうち火力発電が大宗を占める中、こうした動きは、燃料価格高騰により 卸電力取引所の価格が高騰した際には、自由料金を中心に小売価格の水準を押し上げる方向 へ作用した。需要家への説明が必ずしも十分でなかった中、強い反発を招くとともに、小売 電気事業者の経営状況の悪化から、需要家との小売契約の解除、事業からの撤退、託送料金 の不払い等へとつながり、需要家に一定の負担や混乱を生じさせた。さらに、これらを受 け、電気料金の激変緩和措置等が実施され、令和6年度補正予算までに累計で4兆円を超え 7 る国費が費やされた。こうしたことから、長期的な価格の安定性を確保する重要性が明らか になった。 参考図5:家庭用電気料金月別単価の推移 また、電力システム改革が日本の電気料金の水準にどのような影響を与えたかを検証する ために、海外における料金の変化と比較して相対的にどのように評価できるか、自由化後に おける発電投資等の動向と電気料金の関係はどのように考えられるか、といった点について 議論を行った。 まず、海外との比較について、2000 年から 2010 年にかけては、国際燃料価格が上昇する中 で、日本は欧州等と比較すると比較的電気料金の上昇幅は抑制されていた。この要因として は、発電自由化による効率性の追求に加え、電源への新規投資が減少していたこと、化石燃 料価格高騰の影響を受けない原子力発電の稼働率が高かったこと等が考えられる。2010 年代 以降については、2016 年の小売全面自由化の時期に関わらず、国際的な燃料価格の動向の影 響も受けながら電気料金は推移しており、諸外国と比較して電気料金の上昇幅が抑制されて いたとまでは言えない状況にある。これは、原子力発電所が停止する中で火力発電への依存 度が上昇したこと、電力需要量が大幅に減少したこと等が要因であると考えられる。 電気料金の水準については、国際的な燃料価格、電源構成、電力需要量、さらには 2012 年 度に導入された再エネ賦課金等、様々な要因の変動の影響を受けることから、小売全面自由 化の効果だけを取り出して、諸外国と比較して電気料金が低く抑えられていたとまでいうこ とは難しい。一方で、燃料輸入価格高騰時を除き、経過措置料金よりも自由料金が安価な水 準で推移していたことや様々な料金メニューが提供されたことは事実であり、新たな料金体 系の下で工夫がされていたことは評価できると考えられる。 8 参考図6:実質値による家庭用電気料金の国際比較1 発電投資等への影響については、1995 年以降、段階的に電力自由化が進められる中、2000 年代前半にかけて電源の拡充工事は減少傾向が続いてきた。また、2010 年代以降は、電力需 要が大幅に減少する中で、電源の拡充工事は引き続き抑えられている状態が継続している が、電源の改良工事は、原子力発電設備の安全対策工事の増加や火力発電設備の修繕投資の 継続により増加傾向にある。これらを踏まえれば、発電自由化以降、需要の伸びが緩やかに なる中で大手電力会社が電源投資の効率化を進めてきたこと、2010 年代以降、電源の新規投 資が抑えられる中でも、限られた供給力を用いて電源の広域融通などを行いながら電気を供 給してきたことは、電力需要量の変化が要因の一つと考えられるものの、一連の電力システ ム改革の効果との見方もできると考えられる。一方で、2020 年以降、断続的に災害や厳気象 による需給ひっ迫を経験したことや、今後 DX・GX の進展により需要の増加が見込まれ脱炭素 電源の大幅な拡充が必要となる中では、効率性の追求だけではなく、電源の新規投資を増や していくための方策が求められる。 1 電気料金について、物価や為替の変動による影響を控除し、国際比較を行うため、名目の電気料金を基準年 の消費者物価指数(CPI)に基づいて実質化し、全ての年について、2015 年の購買力平価の値に基づき、各国 の値を円換算したもの(電力中央研究所の提供資料)。購買力平価:各国間の同一商品の価格の違いをもとに設 定された交換レートのこと。例えば、同じハンバーガーが日本で 500 円、米国で 5 ドルで売られている場合、 500 円と 5 ドルを等価と考え、換算レートを設定するイメージ。実際には、数千の多様な品目の価格を対象と して計算されている。 9 参考図7:発電設備への投資の推移 ③ 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大 2016 年4月の小売全面自由化以降、700 を超える事業者が小売電気事業に参入した。再生 可能エネルギーに特化したメニュー等、料金メニューも多様化しており、需要家の選択肢の 拡大については目指してきた方向性で取組が進んでいると評価できる。 一方、参入した 700 を超える小売電気事業者のうち、約 200 者は実際には電気の供給を行 っていないことも明らかになった。また、上記のとおり国際燃料価格が高騰し、卸電力取引 所の価格が高騰した際には、小売電気事業からの撤退等によって一定の負担や混乱の引き金 となった事業者も少なくなかった。こうした実態は、需要家保護等の観点から課題があると 考えられる。 参考図8:小売電気事業者の登録件数 10 (2)電力システムを取り巻く経済社会環境の変化 ① 世界的な DX や脱炭素化の流れの加速 世界では、カーボンニュートラル目標を表明する国・地域が急増し、その GDP 総計は世界 全体の約9割を占める。我が国は、2050 年カーボンニュートラル実現を目指すことを 2020 年 10 月に宣言した。こうした中、既に欧米を始めとして、排出削減と経済成長を共に実現する GX に向けた大規模な投資競争が激化しており、エネルギー供給サイドとエネルギー需要サイ ドの双方の転換が求められている。 日本は、2022 年5月に成長指向型カーボンプライシング構想等を表明し、2023 年2月には 「GX 実現に向けた基本方針」を閣議決定した。G7各国は、脱炭素電源への転換を推進して おり、2035 年までに電力部門の完全又は大宗を脱炭素化することに合意している。 また、電力の需要面の変化として、半導体の省エネ性能が向上する一方で、Chat GPT 等 の生成 AI の利活用拡大に伴い、計算資源における電力消費量が増加する可能性が指摘され ている。半導体の微細化や光電融合等の消費電力の低減に大きく寄与する半導体技術の開 発等を進めながらも、今後、AI の進展による計算量の増大に伴い、電力消費量が急増する シナリオも想定しておく必要がある。実際に、電力広域機関が 2025 年 1 月に公表した「全 国及び供給区域ごとの需要想定」(2025 年度)においては、半導体の省エネ性能の向上によ る効果等がどの程度期待できるかによって幅はあるものの、将来的な電力需要は増加する ことが見込まれている。 参考図9:脱炭素電源投資の重要性について ② 地政学的リスクを含む経済安全保障リスクの高まり 米中の厳しい対峙、ロシアによるウクライナ侵略、中東での紛争等、地政学的リスクを含 む経済安全保障のリスクは高まりつつある。エネルギー資源の海外依存度が高い日本におい ては、国際情勢が国際的なエネルギー価格高騰やエネルギー供給途絶リスク等に直接・間接 に波及することによる我が国の生活・産業基盤に与える影響が甚大となり得る。海外調達先 の多角化、徹底した省エネの展開、エネルギー自給率の向上等が求められる。 11 一方、日本の LNG の CIF 価格は、原油価格に連動して価格が決まる長期契約が多いため、 2022 年のピーク時にも欧州の天然ガスやアジアの LNG ほどの急騰は避けられたと考えられる が、LNG スポット価格の影響が要因の一つとなり発電用の一般炭が未曾有の高水準に高騰し た。こうしたロシアのウクライナ侵略等による燃料輸入価格の高騰に伴い、電気料金も高騰 したが、2023 年から電気・ガス価格激変緩和対策事業を開始したことに加え、燃料輸入価格 が低下したことに伴い電気料金は低下した。 参考図10:電気料金平均単価と燃料輸入価格の推移 ③ 世界全体でのインフレの進行 世界ではエネルギー・食糧価格や賃金の上昇を背景として、一時期の急上昇よりは穏やか になっているものの、インフレ進行が継続している。消費者物価指数増減率でみると、足下 では日本も他国と同等水準となっており、その中で、住宅 1 戸当たりの年間平均エネルギー 支出(電気、天然ガス、灯油等)についても増加傾向にある。 欧米では原材料や資源の高騰による輸入インフレと同時に、賃上げ分を含めて最終消費者 にも価格転嫁しているため、足下で企業物価と消費者物価が同様に推移している。他方、日 本では、輸入財の高騰等で企業物価は上がっているものの、企業が対消費者を中心に価格転 嫁を十分にできておらず、企業物価と消費者物価に乖離が発生している。 参考図11:各国の消費者物価指数増減率 12 参考図12:日米英の消費者物価指数と企業物価指数の推移 (3)電力システムが直面している課題と目指すべき方向性 電力システム改革の目的に照らして現状について検証したところ、広域融通の仕組みの構築 や小売全面自由化によるメニューの多様化、事業機会の創出といった点については一定の進捗 があり目指していた方向性に沿った成果が確認できるものの、供給力の維持・確保や国際燃料 価格の急騰への対応等については課題が残ったと考えられる。 また、電力システムを取り巻く経済社会環境の変化として、電力需要の増加が見込まれる中 で、国際的な DX やカーボンニュートラルへの対応の加速化、地政学的な環境の変化に伴う国際 燃料価格の高騰等のリスクへの対応、物価高騰等の電気料金の上昇要因への対応等、新たな課 題にも直面している。こうした変化の中で、産業競争力強化の観点から、脱炭素電源の確保、 燃料費の抑制等による国際的に遜色のない価格での電気の供給の重要性も高まっている。 これらを踏まえ、これからの電力システムが目指すべき方向性を以下のように整理した。こ れらの方向性は相互に関連するため最適なバランスを追及していくことが必要である。 ⚫ 安定的な電力供給を実現する 需要の増加の可能性が指摘される中で、必要な供給力を確保するための電源投資の確保に 取り組む。これらの確保した電源を活用するためにも、電力需給の動向を踏まえた、レジリ エンス強化のための系統増強や、これまで火力発電が担っていた安定供給を支える調整力・ 慣性力を確保する。さらに、地政学的な情勢の変化の中において、エネルギー安全保障の観 点も踏まえ、安定的に供給可能な電源・燃料の確保に向けた取組も進めていく。 ⚫ 電力システムの脱炭素化を進める カーボンニュートラルの目標を見据えた、脱炭素電源の確保に向けた投資を推進するとと もに、非効率石炭火力のフェードアウトを促進していく。脱炭素電源を最大限に活かすこと ができる系統や需給運用の仕組みを構築する。需要側の取組として、需要家の脱炭素ニーズ を捉えた電源投資や非化石価値等に対する経済的インセンティブを与える取組を進めてい く。 13 ⚫ 安定供給や脱炭素化、物価上昇等による価格への影響を抑制しつつ、需要家に安定的な価 格水準で電気を供給できる環境を整備する 安定供給や電力システムの脱炭素化を着実に進めるために必要な費用の確保や、物価の高 騰や金利の上昇、円安も含めた電気料金の上昇要因への対応を進める。また、国際的な燃料 価格等、国内外の急激な情勢変化によって生じる過度な料金高騰や変動に対応できる仕組み を構築する。さらに、長期的な視野に立ち、事業者の競争の下、国際的に遜色のない価格で の電気の供給の実現を目指す。 参考図13:これからの電力システムが目指すべき方向性 14 4.電力システムが直面する課題と対応方針 ヒアリングでいただいた意見等を踏まえ、電力システムが直面している課題を以下のとおり3 つの柱として整理し検討を行った。 参考図14:電力システムが直面する課題の全体像 (1)安定供給確保を大前提とした、電源の脱炭素化の推進 発電部門から見た電力システム改革による大きな変化として、発電に係る原価の回収が保証 されていた総括原価方式から脱却し、全国大で安い電源から順に使うこと(メリットオーダ ー)の徹底、需要家の選択による需要抑制を通じた発電投資の適正化を目指すとされたことが 挙げられる。 一方で、ヒアリング等を通じて、電力システム改革後においては、電力需要の不確かさに加 えて収入の不確実性、更には費用の不確実性も高まっていることが指摘されている。また、電 力システムを取り巻く経済社会環境の変化として、世界的な脱炭素化の流れの加速、地政学的 リスクを含む経済安全保障リスクの高まり、世界全体でのインフレの進行等が生じ、経営環境 の不確かさも増している。こうした中、電気事業の事業予見可能性が低下しており、特に長期 的な取組が必要となる燃料確保も含めた電源投資に対して躊躇する動きも見られる。 今後、2050 年カーボンニュートラルという目標の実現も見据え、安定的な電力供給の確保を 大前提に電力システムの脱炭素化を進めるとともに、需要家に安定的な価格水準で電気を供給 できる環境を整備するためには、安定供給と脱炭素化の両立に必要な電源に対して、長期的か つ継続的に必要な電源投資が行われ、安定的に電源の運用ができるような仕組みを構築する必 要がある。その際、実需給のタイミングでは、電源の安定的な運用や脱炭素化も考慮しつつ、 限界費用の安い電源から動かしていくという考え方を活かしていく。 ① 大規模な電源の脱炭素化に向けた事業環境整備 2050 年カーボンニュートラルに向けては、今ある火力電源による供給力を、再生可能エネ ルギー・原子力・脱炭素火力等の脱炭素電源による供給力へとシフトさせていく必要があ る。これに加えて、半導体工場やデータセンター需要の増加による 20 年ぶりの需要増加見通 15 しに対応するため、脱炭素電源やトランジション手段としての LNG 火力への投資を進めてい く必要がある。このように、一連の電力システム改革時には必ずしも想定していなかった状 況変化が生じており、高度成長時代以来の大規模な電源投資が必要な時代へと突入してい る。 これまでも、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた FIT/FIP 制度、長期脱炭素電源オー クション等の制度を整備し、再生可能エネルギー・原子力・脱炭素火力等の脱炭素電源の導 入促進を進めてきた。 一方で、電源投資を取り巻く足下の環境下においては、インフレや金利上昇等の要因によ り、今後も電力分野の建設コストは上昇していく可能性が高い。特に、大型電源については 投資額が巨額となり、総事業期間も長期間となるため、収入と費用の変動リスクが大きく、 電力自由化を始めとする現在の事業環境の下では、将来的な電力収入の不確実性が大きい。 こうした中では、長期の事業期間を見込む投資規模の大きな投資や、技術開発の動向、イン フレ等により初期投資や費用の変動が大きくなることが想定される投資については、事業者 が新たな投資を躊躇する懸念がある。 そのため、これらのリスクや懸念に対応し、脱炭素電源への投資回収の予見性を高め、事 業者の新たな投資を促進し、電力の脱炭素化と安定供給を実現するため、事業期間中の市場 環境の変化等に伴う収入・費用の変動に対応できるような制度措置や市場環境を整備する。 ② 安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進 足下では、再生可能エネルギー導入の拡大に伴い火力全体で稼働率が低下しており、休廃 止に向けた動きも進展している。加えて、再生可能エネルギーの出力変動に伴う日間起動停 止(DSS 運転)の増加等に伴い、火力発電設備の故障率が増加し安定的な稼働が難しくなって いるとの声もある。 他方で、冬の悪天候時等を念頭に置けば、安定供給の観点からは、再生可能エネルギーに よって火力を完全に代替することは難しい。データセンターや半導体工場の新増設等による 需要の増加も想定すれば、再生可能エネルギー・原子力等の脱炭素電源を最大限活用しつ つ、火力においては、非効率な電源を中心に発電量(kWh)を減らしながらも、安定供給に必 要な発電容量(kW)を維持していく必要がある。具体的には、トランジション手段としての LNG 火力の確保を燃料の確保と併せて進めるとともに、水素・アンモニア、CCUS2等を活用し た火力の脱炭素化について、技術開発やコスト等を踏まえた時間軸や排出量にも留意しつ つ、事業者の予見可能性を確保しながら進めていく。 必要な発電容量の維持に向けては、容量市場における必要な供給力の確保に加え、短期的 な供給力不足の懸念に対応する観点から、長期脱炭素電源オークションを通じて、2050 年ま での脱炭素化を前提とした LNG 専焼火力の新設・リプレースを計 1,000 万 kW 募集することと しているが、今後もさらに火力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見 ながら、長期脱炭素電源オークションにおいても、追加的な措置を検討する。 さらに、今後の電力需要の高まりの可能性に備え、一層導入が拡大する変動性再生可能エ ネルギーとの共存の中で高需要期の供給力としての貢献を期待できるよう、発電設備、燃料 サプライチェーンの維持等に留意しつつ、低稼働電源の kW 維持に必要な制度的措置や、緊急 時に備えた予備電源制度について、不断の検討を行う。なお、共同火力発電事業者や自家発 2 Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage 16 電事業者の非効率火力においても、引き続き活用される設備については、脱炭素化に向けた 取組が進められることが重要である。 <石炭火力> 石炭火力に対しては、休廃止に向けた国際的要請が高まっている。非効率な石炭火力に対 しては省エネ法3における規制的措置を導入している上、来年度から容量市場において、設備 利用率が 50%を超える非効率石炭火力への減額措置を開始し、高需要期のみの稼働へ誘導し ている。 他方、足下では非効率石炭火力のフェードアウトは必ずしも十分に進展していない。2030 年に向け、非効率石炭火力のフェードアウトをより一層促進するため、排出量取引制度(GXETS)や化石燃料賦課金等の他制度の影響も考慮しながら、更なる制度措置の強化を検討する 必要がある。 加えて、2030 年以降、フェードアウトされていく電源についても、今後の需要の高まりの可 能性、自然災害リスクへの備え、系統安定性の確保等の観点から、kWh を低減していく一方 で、当面の間は kW 維持の必要性を見極めていく必要がある。 <火力の脱炭素化> 安定供給に必要な火力の kW を維持すると同時に、それらについて 2050 年カーボンニュー トラルと整合的な形で脱炭素化を進めていく必要がある。 火力の脱炭素化に不可欠な技術の中には開発途上のものもあり不確実性が高いところ、技 術開発や実証を進めるとともに、長期脱炭素電源オークションを通じ、投資回収の予見性を 高めることで、事業者の脱炭素投資を促してきた。引き続き、長期脱炭素電源オークション 等を通じて、火力の脱炭素化を促進する。 なお、脱炭素化を進めるに当たっては、火力の建設・運転・維持等に必要なサプライチェ ーン等の維持、脱炭素化や休廃止等によって将来的に生じるおそれのある地域経済や雇用等 への影響にも留意が必要であるところ、発電事業者から関係者に対し、長期脱炭素電源オー クションにおける脱炭素化ロードマップのような形でのトランジションの方向性が広く提示 される等、各地域の実情を踏まえ、関係者とコミュニケーションを重ねながら脱炭素化に向 けたトランジションを進めることが重要である。 ③ 安定供給に必要となる燃料の確保(LNG の長期契約の確保等) 発電用燃料(特に LNG)の安定供給に向け、2021 年の LNG 需給ひっ迫以降、燃料ガイドラ インの策定や、燃料在庫の定期的なモニタリング、全国・地域での連携スキームの構築や、 戦略的余剰 LNG(SBL)の導入等を進めてきた。その結果、事業者の自主的な取組により、必 要な燃料を確保する仕組みが構築されつつある。 しかしながら、自由化の進展による小売電気事業者の売電量の予見性低下及び、これに伴 う長期 PPA の減少等によって、燃料の調達量を予見することが難しくなりつつある。 加えて、再生可能エネルギー導入拡大に伴う、低需要期における燃料消費量の低下や、季 節間の燃料消費量の振れ幅拡大等によって、長期契約を通じて安定的に確保される燃料量が 低下しつつあり、発電事業者及び小売電気事業者が短期的なコスト最小化行動を取ること 3 エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律 17 で、ひいてはこれらの事業者及び需要家が燃料スポット価格の変動リスクにさらされる懸念 が高まっている。 今後、石炭火力の稼働率が LNG 火力の稼働率、燃料確保の予見性に与える影響を見極めつ つ、電力需給のひっ迫や、国際情勢の急変に伴う燃料スポット価格の急騰等への備えとし て、安定的な電力供給が可能となる量の LNG 長期契約の確保を促進するための措置の検討な ど、平時と緊急時それぞれの燃料の安定的な確保の対応の在り方についてさらに検討を進め る。 また、石炭火力の稼働率が低下すると、石炭火力の燃料確保の在り方、サプライチェーン 維持の在り方が変化することが想定される。経年化が進む石油火力についても同様のことが 言える。今後の石炭・石油のサプライチェーンにも配慮した制度等の在り方についても検討 を進める。 ④ 水力の活用 水力発電は、安定した出力を長期的に維持することが可能な脱炭素電源として重要であ る。 水力発電による発電電力量は、近年、年間 700~800 億 kWh 付近を推移しているところ(電 源構成における比率は7~8%程度)、第6次エネルギー基本計画では、新規開発による容量 増加(2019 年度比 70 万 kW 増)、既存発電の有効活用(2019 年度比 80 億 kWh 程度増(野心的 水準では 130 億 kWh 程度増))により、2030 年度に年間発電電力量 980 億 kWh(電源構成にお ける比率は 11%程度)が目標として掲げられている。 新規開発に関しては、これまで、新規地点の開発、発電未利用ダムへの発電機の設置等の 取組が進められている。既存発電の有効活用に関しては、ハイブリッドダム等における水位 運用の高度化、上流・下流の連携運用による水位の最適化、長時間流入量予測等のデジタル 技術の活用等による効率的な貯水運用等の取組が関係省庁とも連携しながら進められてい る。他方で、新規開発リスクの高さ(開発地点が限定的、開発期間の長期化、投資回収期間 が長いことによる投資予見性の低さ等)、河川環境に関連する地域の合意や系統制約、ダム貯 水池等への堆砂進行による発電機能への影響等が課題となっている。今後も関係省庁と連携 し、発電電力量増加に向けた取組を積極的に進めつつ、課題に対する対応を検討していくこ とが重要である。また、揚水発電は、再生可能エネルギーの導入が拡大する中において、再 生可能エネルギーが発電した電力を一旦蓄電し、夕方の需要ピーク時に電力を供給する調整 電源としての重要性が増加している。一方で、揚水発電は、約3割の電力損失が発生する上 に、設備投資やメンテナンスのコストも高く、採算性の確保が課題となっている。このた め、既存設備の採算性向上に向けた設備投資や、新規開発に向けた導入可能性調査の支援を 実施しているが、今後より一層新規投資を促す仕組みを検討していくことが重要である。 ⑤ 発電事業者に求められる機能や役割 発電事業者に関しては容量市場等の制度的な裏付けによる電源の確保や各種の電力取引市 場の整備等の対応が進められてきたところであり、電力供給を通じた貢献が求められる。こ うした観点から発電事業者に求められる役割や機能について電力システムの状況に応じて不 断の検討を行うことが重要である。このため、小売電気事業者の供給力確保の在り方の検討 も踏まえつつ、発電事業者に対し、電力需要の見通しに対して十分な量の燃料が長期契約等 18 を通じて安定的に確保されるかどうかの見通しや、供給力を提供する事業者の実態等を確認 し、必要な政策措置を要否も含め検討する。 (2)電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導と柔軟な需給運用の仕組構築 ① 電力システム改革における送配電分野の対応 東日本大震災後の需給ひっ迫時において、供給予備力の地域的偏在や、周波数変換設備 (FC)、地域間連系線などの送電制約により、需給がひっ迫した緊急時のバックアップ体制が 不十分であることが露呈した。こうした課題を踏まえ、電力システム改革において、2015 年 に電力広域機関を創設し、需給ひっ迫時の地域間の需給調整や、地域間連系線等の増強の推 進を行う体制を構築した。 こうした取組の成果として、送配電分野においては、需給ひっ迫時の地域間融通や、地域 間連系線や周波数変換設備の増強等の取組が進展している。引き続き、電力の安定供給確保 は大前提であり、周波数を維持し安定供給を実現するため、一般送配電事業者は、需要と供 給を最終的に一致させる調整力を確保するという、極めて重要な役割を担っている。そのた め、これまでに、調整力公募の実施や、需給調整市場の開設による調整力の確保などを進め てきた。加えて、需給ひっ迫に対する暫定的な措置として kW 公募、予防的措置として kWh 公 募の実施などを進めてきた。 さらに、既存の送配電網を最大限活用するための「日本版コネクト&マネージ」を推進す るとともに、再生可能エネルギーの大量導入と電力の安定供給確保のため、2023 年3月に電 力広域機関において、広域系統長期方針(広域連系系統のマスタープラン)を策定した。現 在、マスタープランを踏まえて全国大での地域間連系線の整備に向けた対応を進めている。 これらの取組の中で、エリアを越えた一般送配電事業者同士の横の連携も進み、平常時か ら、送配電設備の仕様の統一化などの対応が進められている。また、災害時においては、災 害時連携計画に基づき各者が連携して復旧作業に当たる体制が構築されているなど、電力シ ステム改革の成果として出てきている。 ② 再生可能エネルギーの効率的な活用を行うための広域及び地内系統整備の在り方 こうした取組を進めてきた中、脱炭素社会の実現に向けては、送配電分野において更なる 対応を進めることが重要である。特に、再生可能エネルギーの更なる導入拡大と電力の安定 供給を実現するためには、系統の増強を一層進めていく必要がある。地域間連系線について は、マスタープランを踏まえて、北海道・本州間の海底直流送電や中国九州間連系設備(関 門連系線)等の整備に係る検討を進めており、資金調達等の課題に対応するための必要な制 度的措置等を検討していく。 また、今後、再生可能エネルギーの更なる導入や大規模電力需要の局地的な立地が見込ま れる中、地域間連系線の整備の在り方の見直しが必要になる可能性がある。このため、広域 連系系統のマスタープランについて、将来の再生可能エネルギーの導入状況や大規模需要の 立地状況等を踏まえた見直しの検討を進めていく。 加えて、再生可能エネルギーを最大限活用するとともに、自然災害時等のレジリエンスを 強化し、電力の安定供給を確保するためには、地内基幹系統等を効率的に整備することも重 要である。これまで地内基幹系統は、エリアの一般送配電事業者が整備してきたが、更なる 計画的整備のため、地域間連系線と一体的に整備するものや広域的取引に資するものは、電 力広域機関の関与の下で、一般送配電事業者が整備を進めることとした。こうした中、再生 19 可能エネルギーの導入等に資する地内基幹系統等についても、これまで以上に効率的な整備 が必要となる。このため、各エリアの一般送配電事業者等が、より効率的・計画的に整備を 進めるための仕組みを検討するとともに、再生可能エネルギー電源の立地地域の負担とその 全国への裨益を踏まえ、エリアを越えた費用負担の仕組みも検討していく。 ③ GX 産業立地政策と連動した、大規模需要の立地誘導、送配電網整備の推進 データセンター等の付加価値の高い産業の維持・強化につながる国内投資や電化等を通じ た脱炭素化を促進していくためには、新たな大規模需要に対し、迅速かつ確実に電力供給を 行う必要がある。このため、データセンター等の系統接続申込みの規律を確保するととも に、一般送配電事業者が早期に電力供給を開始できる場所を示した「ウェルカムゾーンマッ プ」を通じた立地誘導を進める。 また、大規模需要を効率的な系統整備等の観点での適地に誘導するため、一般送配電事業 者や自治体等の関係機関と連携し、適地における先行的・計画的な系統整備を促す仕組みを 検討する。さらに、整備を着実に推進しつつ需要家の公平性を確保するため、一般送配電事 業者が行う先行的・計画的な系統整備に係る費用が確実に回収される仕組みや、GX に資する 取組等を実施する事業者において、整備費用が大規模になった場合における費用負担の在り 方を検討する。 ④ 送配電網の整備に係る資金調達等の課題への対応 一般送電事業者等は、これまでも、地域間連系線の整備を含め巨額の投資を行ってきた が、今後、脱炭素化や電力の安定供給確保に向けた投資や既存設備の更新等、加速度的に巨 額の投資が必要となる見込みである。こうした中、一般送配電事業者は、レベニューキャッ プ制度の下、必要な系統整備等の費用の回収の蓋然性が高いとしても、一定規模以上の大規 模投資の場合、工期が長く、費用回収に長期間を要することから、キャッシュフローの悪化 を懸念し、その結果、必要な投資が停滞する可能性がある。また、SPC(特別目的会社)等を 組成して行うプロジェクトファイナンスの場合において、金融機関は、費用増額時等の費用 回収のリスクを踏まえ、大規模な融資を躊躇する傾向にあり、投資が遅れる可能性がある。 今後、電力需要の増加の可能性や再生可能エネルギーの導入拡大、自然災害発生リスクの 高まり等に伴い、北海道・本州間の海底直流送電や大規模地内基幹系統等への機動的な投資 が重要となる中、資金調達が制約となり必要な投資に遅れが生じてはならない。このため、 託送料金制度における費用の回収の在り方や資金を量的に確保するための仕組みなど、制度 的な対応を含めた資金調達環境の整備について検討を進める。 ⑤ 短期の需給運用の効率的な実施 現在、変動性再生可能エネルギー電源の導入により需給運用が難化しており、2020 年度冬 期の需給ひっ迫等によるスポット市場の売り切れ・価格高騰や、足下の需給調整市場の応札 不足等の問題も、そのような課題が背景にあると考えられる。さらに、変動性再生可能エネ ルギー電源が今後大量に導入されると、再生可能エネルギー出力予測誤差の拡大等により調 整力の必要量も増加する上、時々刻々の需給予測の変化の拡大、系統混雑の増加等により、 需給運用は一層難化すると考えられ、広域需給運用の強化に向けて、次期中央給電指令所シ ステムの整備が進められている。 20 こうした中、実需給の前日以降の断面で、発電事業者が登録した①起動費、②最低出力費 用、③増分費用カーブの3つの情報に基づき、系統制約を考慮して、供給力と調整力を同時 に約定させる仕組みである同時市場を導入するための検討を進めていくこととしている。こ の同時市場の導入により、これまでと同様に再生可能エネルギー電源の最大限の活用を前提 としつつ、発電事業者による登録情報を元にした供給力と調整力全体の最経済(短期的なメ リットオーダー)が実現されれば、電源の安定的・効率的な確保を可能とし、需給予測の変 化や緊急事態への対応力を向上させることにつながると考えられる。 同時市場についてはこれまで、「卸電力市場、需給調整市場及び需給運用の在り方勉強会」 (2021 年 12 月 28 日~2022 年6月 20 日)においてその設置が提案されて以降、「あるべき卸 電力市場、需給調整市場及び需給運用の実現に向けた実務検討作業部会」(2022 年7月 29 日 ~2023 年4月 25 日)や「同時市場の在り方等に関する検討会」(2023 年8月3日~)におい て電源の入札規律等、具体的な在り方についての検討が行われてきた。今後、市場価格の算 定方法や市場運営者の在り方等、検討未了の論点や対応すべき課題について必要な検討や対 応を行いつつ、同時市場の導入に向けて本格的に検討を深めていく。 ⑥ 送配電部門の中立性・透明性向上 2023 年4月 28 日の経済産業大臣から行われた指示を踏まえた大手電力の不適切事案への対 応や、送配電部門の中立性・透明性の向上に係る議論を行ってきた。 そうした中、まずは、不適切事案を踏まえた送配電部門の中立性・透明性の向上を図るた めの対応として、内部統制の抜本強化や、外部監視の仕組みの導入・強化等の措置を講じる こととした。その上で、第 68 回の本委員会においては、不適切事案への対応としては、所有 権分離を行うことの必要性、妥当性は認められないという考え方を整理した。 所有権分離については、今回のシステム改革検証におけるヒアリング等においても、電源 運用等にかかる更なる中立性を確保する観点から所有権分離が必要との意見があった一方 で、法的分離の下での行為規制を充実させることが重要という旨の意見があった。 また、議論の前提となる電気事業を取り巻く環境変化や今後の課題として、以下の指摘も いただいている。 - 電気事業者には、GX の実現に向けて脱炭素投資の一層の拡大が求められている一方、送 配電事業者を含めた電気事業者の資金調達環境は、これまで以上に厳しさを増している。 - 台風や地震等の自然災害リスクが増大する中、ライフラインとしての機能を迅速に復旧 するため、現場の状況を速やかに把握し、人的・物的リソースを集中的に投入するなど、 送配電事業者を中心とした電気事業者が高度に連携した災害対応力の確保が極めて重要と なっている。 - 現行制度上、事業者が自主的に所有権分離を選択することは可能であるが、これまでの ところ、株主等のステークホルダーからの所有権分離の求めは顕在化していない。 こうした環境変化や課題への対応については、今後、検討を深めていく必要があるが、適 切な行為規制を講じること等により、法的分離の下での送配電部門の中立性・透明性の向上 に努めることを前提に、少なくとも現時点で制度的に所有権分離を求める必要はないと考え られる。その上で、送配電部門の中立性・透明性の確保に向けた更なる制度的な対応につい ては、事業者の取組状況を踏まえてその必要性を継続的に検討し、仮に必要性が生じたとき は、その背景や理由を踏まえた上で、所有権分離も1つの選択肢としつつ、具体的な対応策 を検討していく。 21 (3)市場を通じた、安定的な価格での需要家への供給に向けた小売事業の環境整備 ① 事業者の創意工夫を促す市場環境整備 専門委員会報告書では、卸電力市場について、「新電力等の新規参入者が小売市場における 競争に参加しやすくするためには、自社電源のほか、必要な供給力を卸電力市場から確保でき る環境整備も必要であり、この点からも卸電力市場活性化は重要」と位置づけた。小売全面自 由化以降、卸電力取引所の取引量は大きく増加し、足下では電力需要の約 30%にまで到達す るなど、短期のスポット市場に一定の厚みが確保されるに至った。それに伴い、小売電気事業 者は 700 社を上回り、新電力のシェアも 20%程度に到達、旧一般電気事業者に匹敵する規模 を持つ新電力も誕生するなど、小売電気事業者間の競争の中で、各事業者の創意工夫により単 に電気(料金メニュー)を供給することに留まらず、電気事業を取り巻く環境変化、技術革 新、需要家ニーズに応じ様々な価値・サービスを提供してきた。 他方で、市場環境が厳しい局面においては、小売電気事業者の退出・取次への移行が生じた ことによる需要家の意図しないスイッチングや契約解除、特高・高圧分野における最終保障供 給への移行等が生じ、需要家に一定の負担や混乱を生じさせた。また、短期のスポット市場 は、燃料費の変動や電力需給の影響を受けやすく、自由料金を中心に市場連動成分が多く含ま れるなど、価格変動リスクが高い構造にある。実際に、国際的な燃料価格の急騰等による市場 価格の急激な変動に伴い電気料金が急激に変動したことが国民経済に大きな影響を与え、社会 的な許容性が十分にある状況とは言い難いことも明らかとなった。 小売全面自由化については専門委員会報告書でも、「電気料金が不当に高額になるといった 事態が生じることはあってはならない。」との言及がある。これらの経緯・経験を踏まえた上 で、小売電気事業者には、今後も、需要家に安定的な水準の価格による電力供給を実現すると ともに、電源の脱炭素化等の需要家のニーズや社会的な環境変化を踏まえ、電気事業者と需要 家の架け橋となるサービス提供者となることを期待し、小売電気事業者がそれぞれの強みを生 かしながら創意工夫を発揮できる競争環境の実現に向けた市場環境の整備を行う。 具体的には、小売電気事業者が供給力の調達手段や電源調達のポートフォリオをより多様化 することができるよう、事業者間の公平性にも留意しつつ、現物の長期取引を含めた相対取引 やブローカー経由の取引等の活用、先物市場・先渡市場・ベースロード市場等の市場を含む取 引制度の拡充・再整備、こうした市場環境の変化に伴う間接送電権の在り方等の見直しを検討 する。 また、小売電気事業者の有力なリスクヘッジ手段の一つである電力先物取引の多くが外国法 に基づく商品取引所で行われていること等にも留意した制度の検討を行う必要がある。加え て、2023 年の電ガ小委において、小売電気事業者間の競争促進の観点から、内外無差別な卸 売を行う場合にエリア制限等の諸条件の解除を行うことも求めることとしたところであるが、 今般の検証において、需要家の脱炭素ニーズや発電・小売電気事業者の創意工夫といった「新 たな課題・ニーズへの対応」と「小売市場における競争の促進」という2つの政策課題を両立 すべく、社内外取引の無差別に反しない限りにおいて、卸取引の一定量(標準的なメニューに よる卸売の場合は卸売総量の5割まで、かつ、電源を特定した卸売の場合は当該電源の卸売量 の2割まで)について、エリア制限等の諸条件を付与することを認めることとした。今後、2 つの政策課題の両立を前提とし、内外無差別な卸売等のコミットメントに基づく評価を所掌す る電力・ガス取引監視等委員会(以下「監視等委」という。)において、事後監視の在り方や 評価方針について検討する必要がある。 22 ② 小売電気事業者に対する規律の在り方 上記のとおり、市場環境が厳しい局面では、小売電気事業者の退出等が相次ぎ、需要家が 意図しない契約解除や特別高圧・高圧分野の最終保障供給への移行等が生じ、需要家に一定 の負担や混乱が生じたことや、国際燃料価格の急騰等に伴う電気料金の急激な変動が国民経 済に影響を与えたことを踏まえれば、小売電気事業者に対する規律の確保も必要となる。 需要家保護の観点では、専門委員会報告書においては、「小売電気事業者の破綻・撤退や、 契約交渉の不調といった場合でも、誰からも電気の供給を受けられない事態が生じないよう にすることが必要」とされたが、足下では上記のような需要家の負担や混乱が生じている。 また、足下では、小売電気事業者として登録がなされているものの、供給実績が確認できな い事業者が 200 社以上存在し、その一部が犯罪に利用されたことが疑われる事例も生じてい る。こうした状況を踏まえれば、新規参入を過度に阻害しないよう配慮をしつつも、例え ば、小売電気事業者に遵守を求めるべき事項を明確化し、事業開始時のみならず、定期的に その遵守状況等の報告を求めるなど、需要家保護を適切に図る観点から、小売電気事業者に 対して、安定的な事業実施を求めるための規律を強化することも検討する必要がある。 また、電気料金について、専門委員会報告書においては低圧部門の料金規制の撤廃に当た り以下のような効果が期待されていた。 ①夏のピーク時など需給が厳しい時には価格が高くなるなど、需給状況に対応した様々な料金 メニューをより柔軟に設定し、サービスの多様化が図られること。 ②価格が弾力的に動くことで需要を抑制する仕組みを取り入れていくことにより、供給力不足 の中でも効率的に安定供給を実現すること。 ③市場原理の中で料金が決定され、料金収入を見越して必要な投資や調達を行うという仕組み に転換すること。 全面自由化以降、小売電気事業者により様々なメニューが提供され、DR の活用拡大も進むな ど、報告書において想定された効果は一定程度発現していると評価できる。他方で、電気料金 は、多くの小売電気事業者が短期のスポット市場において電気を調達する割合を高める傾向に あることや、一定の供給力を火力発電に頼らざるを得ない電源構成の影響等も相まって、燃料 費の高騰等の外部環境の影響を受けやすい状況にある。電気料金の急激な変動が企業の経済活 動や国民生活に影響を与え、料金の大幅な変動は社会的に許容し難い状況にあることが明らか になった。 また、専門委員会報告書においては、「小売事業者は自らの顧客のために必要な供給力を調 達し、発電事業者は他社との契約や自社の小売部門の要請に基づいて燃料の確保と確実な発電 を行う」ことを原則とされた。一方で、現状では、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う調整 力確保の必要性や、端境期や厳気象時の需要の急増に対応しきれず、需給がひっ迫し、政府と して需要家に節電を要請せざるを得ない事態も生じており、系統全体の安定的な運用を担う一 般送配電事業者のみならず小売電気事業者にも、上記の報告書の趣旨も踏まえたより一層の安 定供給確保のための対応が求められる。 この点、欧州においても、ロシアによるウクライナ侵略に伴う燃料価格の高騰等の教訓を踏 まえ、卸電力価格の変動リスクの抑制や、電力供給の遮断リスクの抑制の観点から小売電気事 業者に対する規律の必要性について具体的な検討が行われており、日本においても、現行制度 において小売電気事業者に対して課されている、いわゆる供給能力確保義務に基づく責任の在 り方について、改めて検討する必要がある。 23 具体的には、小売電気事業者が料金水準や料金メニューを自由に設定し、これを需要家が選 択することができる環境を前提とした上で、安定供給の確保や電気料金の変動幅の抑制の観点 から、海外事例も参考に、現行制度下において供給能力(kW)の確保を容量市場を通じて行っ ていることを含めた日本の実情を踏まえつつ、量的な供給能力(kWh)の確保に関し、小売電気 事業者に求める責任・役割やその遵守を促す規律、それを前提とした市場や卸取引を含む制度 措置の必要性等について検討を深め、必要な措置を講じていく。 ③ 経過措置料金の現状と今後の検討課題 経過措置料金は、専門委員会報告書において「小売参入の全面自由化後しばらくは、需要 家保護を図るべく激変緩和のための経過措置期間を経た上で、料金規制の撤廃を行うことが 適当」、「現在の一般電気事業者の小売部門に対しては、家庭など小口部門の需要家が規制料 金で供給を受けられるよう義務付けることが適当」とされたことなどを踏まえ、大手電力会 社による「規制なき独占」に陥る事態を防ぐ観点から措置されたものである。 経過措置料金の解除基準については、2019 年、監視等委等において議論がなされ、取りまと められた。この基準に基づき、監視等委において、毎年、競争状況の確認を行っているが、現 時点で経過措置料金の解除が妥当な状況にあると評価された地域はなく、解除基準を踏まえた 競争状況の確認を継続していくことが必要と考えられる。 また、現行の経過措置料金については、本委員会におけるヒアリング等において、その存在 自体が競争の妨げになっているのではないかとの指摘もあった一方で、自由化以前の規制料金 と同様に、三段階料金や燃料費調整制度等の料金体系が維持されることにより、特に燃料費の 急騰等に伴う電気料金の上昇局面において、結果的に料金の変動速度や変動幅を抑制し、値上 げ局面においてもその上昇幅を最大限に抑制する効果があったことも事実である。こうした効 果は、必ずしも経過措置料金を措置した際に意図したものではなく、事業者の負担の下に成立 したものではあるが、電気料金の公共性や国民生活への影響の大きさも踏まえれば無視できな いものであると考えられる。 このため、将来的に経過措置料金を解除する場合には、安定供給の確保や電気料金の変動幅 の抑制の観点から講じる措置等の関連する制度の検討状況を踏まえた上で、経過措置料金が実 体的に果たした役割の是非や今後の制度的な対応の必要性、低圧需要家に対するセーフティネ ットの在り方・必要性等について改めて検討し、必要に応じて適切な措置を講ずることが課題 となる。 また、現行の電気事業法においては、経過措置料金の廃止後の最終保障供給については、高 圧・特高部門と同様に一般送配電事業者が担うこととされている。しかしながら、昨今の高圧・ 特高部門の最終保障供給の状況を踏まえれば、低圧部門においては、最終保障供給を受ける需 要家が数十万~百万規模に及んだ場合等に、一般送配電事業者が平時に備えたシステム等では 実務的に対応が困難となることも想定される。このため、仮に経過措置料金の解除を行う場合 には、例えば、一般送配電事業者が小売電気事業者等に対して最終保障供給に関する業務の委 託等を可能とすることの要否等、実務的な課題についても精査が必要である。 他方で、沖縄電力の供給区域(以下「沖縄エリア」という。)においては、地域の特殊性を踏 まえ高圧部門にも経過措置料金が残置されているが、高圧部門の新電力シェアが 12.2%(2024 年 10 月時点)に達し、他エリアと比較しても遜色ない水準に達している。こうしたことを踏 まえ、沖縄エリアの高圧部門における経過措置料金の解除を行うことに関する懸念の有無と、 解除を行う場合にどのような措置を講ずることが必要かについて、監視等委の意見を聴いたと 24 ころ、沖縄エリアにおける高圧部門の経過措置料金を解除することは差し支えない旨の回答が あった。 これらを総合的に勘案し、他エリアと同様に沖縄エリアの高圧部門における経過措置料金を 解除することとする。その時期は、需要家への周知を十分に行い、また、沖縄電力において必 要な準備(特定小売供給約款、離島等供給約款、最終保障供給約款の変更等)を行う時間を確 保する観点から、2026 年 4 月1日を目途とする。なお、監視等委の意見を踏まえ、経過措置料 金の解除後3年間は監視等委による特別な事後監視を行うこととする。 (4)共通する課題 ① 電源・系統への投資に対するファイナンス 電力分野の脱炭素化は、日本全体の GX 実現の鍵であり、我が国の将来的な経済成長にとっ て大きな意味がある。今後、電力需要の増加に対応しつつ、安定供給確保を大前提に、電力 分野の脱炭素化を推進していく必要があるが、そのためには、発電や送配電等の分野におい て、長期にわたり大規模な投資を継続していく必要がある。 一方で、市場環境が大きく変化し、事業の不確実性が高まってきており、多額の有利子負 債が生じている中で、事業者が、今後も大規模かつ長期の資金を、継続して調達し続けるこ とは容易ではない。さらに、投資タイミングと回収期のギャップがある中で、今後、先行的 かつ集中的な更なる投資の拡大が求められていること、電気料金への影響を抑制しつつ投資 を行っていく必要があることも資金調達をより難しくしている。また、事業者のファイナン スを支える金融機関・機関投資家等にとっても、融資・投資残高が大規模化しており、リス ク管理の重要性がこれまで以上に高まっている点や、その中で事業者に対して追加でどの程 度の規模の融資・投資が可能かといった規模管理の点等から、事業者に対して融資・投資を 実行することへのハードルが高まってきていることが指摘されている。なお、2050 年カーボ ンニュートラル実現に向けて、世界的にも巨額の投資が必要となると見込まれており、そう した状況の中、諸外国においては電力分野におけるファイナンス面での投資支援が行われて いる。 こうした状況を踏まえると、我が国においても、様々な電気事業の制度見直しと併せ、民 間資金を最大限活用する形で、電力分野における必要な投資資金を安定的に確保していくた めのファイナンス環境の整備に取り組む必要があると考えられる。具体的には、民間金融機 関等が取り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活用 した融資等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討する。 ② 電力システムにおける公的役割を担う機関の体制強化 電力システム改革を進める中で、系統整備、需給運用、電源投資等に関して、日本電力卸取 引所(以下「JEPX」という。)、電力需給調整力取引所及び電力広域機関が、関連する市場の運 営等の公的な役割を担ってきた。 本検証において整理した電力システムが直面する課題への対応を進めていく中で、これら の機関が担う役割は重要性を増していくことから、これらの関係機関の体制の強化に向け て、制度や予算措置等の必要な対応を行っていく。 25 5.事業者に期待される役割・取組の方向性~将来の電力産業の在り方~ 我が国の電力システムは、地域独占、垂直一貫体制の一般電気事業者がその中心を担う体制か ら、累次のシステム改革を経験してきた。まずは、発電部門、小売部門の部分自由化が行われ、 これに伴いネットワークの利用ルールである託送制度の整備、送配電部門の会計分離による中立 性・公平性の強化が進められてきた。 東日本大震災を契機として進めてきた第5次制度改革では、発電、送配電、小売のライセンス 制度を前提に小売部門の全面自由化、法的分離による送配電部門の中立性・公平性の更なる強化 が行われた。加えて、電力広域機関の設立、JEPX の指定法人化、電力先物取引所の開設、電力取 引の監視等を担う監視等委の設立等、電力システムを支える関係機関の設立が進められてきた。 さらに、スマートメーターの整備など電力データ活用に向けた基盤の整備が進められるとも に、DR の法的位置付け(特定卸供給)、一般送配電事業者が保有する電力データの活用ルール等 が整備されてきた。 これらの累次にわたるシステム改革の結果、FIT・FIP 制度の導入とあいまって、再生可能エネ ルギーを含む発電部門、小売部門への新規参入の増加、アグリゲーターや電力取引のブローカー など従来の電力システムの枠に収まらない多種多様な事業者が参入し、電力システムを支える主 体として活躍するに至っている。 このように、多種多様なプレイヤーが参入し、電力産業自体が大きな拡がりを見せる中、今回 の検証を通じて明らかになったように、電力システムが目指すべき方向性は変遷し、新たな課題 が生まれてきている。 電力システムが目指すべき方向性の実現は、我が国産業が持続的な発展を実現する上で不可欠 であり、電力システムが直面する課題の解決に当たって中心的な役割を担うのは、電気事業者、 さらには新規参入者を含めた電気事業に関連する電力産業である。持続可能な次世代の電力シス テムを構築するには、こうした新たなプレイヤーを含む電力産業の一層の活躍が期待される。 このような認識の下、電力産業の将来へ向けた成長と取組の方向性を描くとともに、電力産業 の一層の活躍を促進するためにどのような方策が考えられるか等について検討するため、電力シ ステムの担い手である電気事業者・電力産業に期待される役割と責任、及びその役割と責任を果 たすために必要となる取組を整理した。その際、本小委員会において整理した、電力システムが これから目指すべき方向性と、電力システムが直面する課題と対応方針等を踏まえて整理を行っ た。 参考図15:事業者・電力産業に期待される役割・責任と必要な取組のイメージ 26 (1)安定供給と脱炭素化の実現に向けた脱炭素電源や系統の設置・整備の担い手 第一に、電力産業は、安定供給と脱炭素化の実現に向けた脱炭素電源や系統の設置・整備の 担い手としての役割と責任を果たしていくことが必要である。今後、データセンターの増加等 により電力需要が伸び、カーボンニュートラル電気に対するニーズが高まっていくことが見込 まれる。そのため、電気事業者は、電力の安定供給を実現しつつ脱炭素化の流れを牽引する存 在として、脱炭素電源や系統の設置・整備を着実に実現することが重要となる。電気事業者に おける脱炭素投資の円滑な資金の確保に向けた方策や、電気事業者自身の中長期的な成長を見 据えた、例えば、内外一体の電力産業の展開等の取組が必要と考えられる。 ① 円滑で安定的なファイナンス 電力分野の脱炭素化は、日本全体の GX 実現の鍵であり、我が国の将来的な経済成長にとっ て大きな意味がある。今後、電力需要の増加に対応しつつ、安定供給確保を大前提に、電力 分野の脱炭素化を推進していく必要があるが、そのためには、再生可能エネルギー、原子力 といった発電や系統整備等の分野において、長期にわたり大規模な投資を継続していく必要 がある。電力産業が、こうした投資の担い手としての役割・責任を果たしていく上では、円 滑で安定的なファイナンスが必要である。そのために、前述のとおり、民間金融機関等が取 り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活用した融資 等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討する。 ② 内外一体の電力産業の展開 脱炭素電源や系統の設置・整備の担い手としての役割を果たすためには、投資に必要な資 金調達についての円滑で安定的なファイナンスの確保とともに、電気事業者自身が企業・産 業としての成長性を示しつつ、発電事業の高度化・脱炭素電源への投資や非化石価値の活 用、国際展開、DX の推進等により収益性を上げていくことが求められる。 こうした取組の中でも、今後の電力産業の一層の活躍に資する取組の一つとして内外一体 の電力産業の展開が挙げられる。 世界を取り巻く電力システムが大きく変革する中で、内外一体の電力産業の展開により、 1)日本にもまして電力需要の増加が見込まれる海外の需要を取り込んで成長していく、 2)再生可能エネルギーや蓄電池の展開など新たな技術等を取り込む、 3)グローバルに広がるサプライチェーンを構築することで事業の安定性や収益性向上につ なげる、 といったことが期待される。その際、国内先進ビジネスの国際展開、国際展開から得られた 新たな技術等の国内ビジネスへの活用等を通じて収益をあげられるよう、適切な事業環境整 備が求められる。 また、電力の脱炭素化等に諸外国と協力して取り組むことは、国際関係の構築としても重 要である。政府としてもアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)等の枠組みや FS・実証等 の予算措置も活用しながら、ルール整備とプロジェクトの促進支援との両輪で、電力産業の 国際展開を促進していく必要がある。 27 (2)発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者 第二に、電力産業には、発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者として の役割や責任が期待される。安定的な量と価格水準で、需要家に電気を供給するためには、そ うした役割や責任を、電気事業に関わる全ての事業者が果たしていくことが求められる。ま た、政府は、事業者の競争・創意工夫を活かしつつ、公益的な観点から取引市場や事業者の規 律等の制度措置を行うことが必要である。あわせて、こうした電力産業を支える人材やサプラ イチェーンの確保が必要となる。 ① 安定的な供給に責任ある事業運営 安定的な量・価格で電気を供給するという目的を実現する観点から、安定的な供給に責任 ある事業運営を行うことは不可欠である。電気を需要家に届けるまでには、燃料確保、発 電、取引所・ブローカーを介した取引を含む卸売、需給運用を含む送配電、小売という複層 的な段階で、多数の事業者が介在することとなる。これらの役割を担う各事業者が、短期の 環境変化に振り回されないような事業展開・取引を確保し、中長期的な視野を持った事業運 営をしていくことが重要である。 このため、再生可能エネルギーや蓄電池等を含む発電、送配電、小売等、電気事業に関わ るすべての事業者には、安定供給の実現に向けてそれぞれの責任を果たすことが求められ る。特に、一般送配電事業者は、今後、短期間で局地的な大規模需要の増大が見込まれる 中、円滑に電力を供給するためにも、中立的かつ最終的な安定供給の担い手として、定期的 にエリアの電力需給に関する情報を発信していくことも期待される。 ② 電力産業を支える人材・サプライチェーンの確保 専門委員会報告書にもあるとおり、電力システム改革は電気事業者のこれまでの経験や技 術の上に成り立つものであり、安定的な事業運営には、災害大国である我が国の電気事業の 現場を支え、高い信頼性と技術の蓄積、安定供給を尊重する視点をもつ電力産業を支える人 材の確保と定着、発電所や系統を構成する電力設備に係る技術やサプライチェーンの確保と 維持が重要である。一方で、ヒアリング等においては、電力自由化や東日本大震災の影響に より電気事業の魅力が低下している、人材の確保や定着が難しくなってきている、人材・技 術基盤の維持・強化など「人」への投資が重要、といった指摘があった。 こうした状況に対応し、人材の確保、定着に加えて、技術やサプライチェーンの確保、維 持のためにも、将来を見据えた電力システムの構築に向けて脱炭素電源や系統整備への投資 を促進するとともに、安定的な電気事業の運営ができるよう事業環境の整備を行い、電力産 業が担う役割・重要性を明確にし、電力産業の魅力を高めていく必要がある。 (3)需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダー 第三に、需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダーとしての役割や責任が求 められる。デジタル技術や分散型エネルギー源の活用等により、再生可能エネルギーの地産地 消や DR を通じて非化石価値の創出・需給運用に貢献するとともに、省エネやエネルギーマネジ メントなど多様なサービスの提供により、社会課題解決にも貢献していくことが期待される。 ① 分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化 28 エネルギーサービスプロバイダーとしての役割や責任を果たしていくため、需要側の多様 なニーズに応えた分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化が必要である。今後、調整力 の確保が一層必要となる中で、太陽光、蓄電池や需要家の機器等の分散型エネルギー源をま とめて管理するアグリゲーター等の事業者が、需給運用へ貢献することが期待される。 そのため、再生可能エネルギー大量導入、脱炭素化、系統全体の需給安定化やレジリエン ス強化、需要家利益の向上のための基盤として、分散型エネルギーリソースや、需要家の電 力消費量等のデータを多種類・高頻度に取得し、ガスや水道メーターのデータも取得できる 第二世代スマートメーターシステムを 2030 年代早期までに、原則全ての需要家に対して導入 する。 加えて、小売電気事業者やアグリゲーター等の事業者、自治体がスマートメーターから得 られる電力データを円滑に利用し、新たな価値の創出につなげられるよう、一般送配電事業 者等は、データ提供インフラとしての機能を高めていく。 ② サイバーセキュリティの確保 電力システムは、経済安全保障の確保のために重要な基盤であり、電力システム改革に伴 い、多種多様なプレイヤーが参入し、電力産業自体が大きな拡がりを見せる中でも、電力の 安定供給確保のためにはサイバーセキュリティの確保が必要不可欠である。近年、特に脅威 を増している、サプライチェーン攻撃への対応の強化に向けて、ガイドラインの改定やその 実行に向けた事業者の活動を後押ししていく。 また、電力システムへ関わるプレイヤー・機器が多くなるとともに、デジタル技術の活用 が増えるほど、サイバー攻撃のポイントも増加することになる。このため、特に、分散型エ ネルギー源の活用促進とデジタル化に当たっては、サイバーセキュリティの確保に万全を期 していく必要がある。 こうした観点から、分散型エネルギー源を管理する主体としてのアグリゲーターに求めら れるサイバーセキュリティガイドラインの改定を進めるとともに、その遵守に向けた対応を 促進する。また、分散型電源を構成する小型太陽光発電に求められるセキュリティ対策の整 理を進めていく。 さらに、電気事業者のサイバーセキュリティ確保の取組を促進していくため、電力広域機 関が電気事業者に求める自己診断の取組と連携し、リスク点検ツールの活用を促していく。 29 6.将来の電力システムを支える取引市場の全体像 「これまで料金規制と地域独占によって実現しようとしてきた「安定的な電力供給」を国民に 開かれた電力システムの下で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって 実現する方策が電力システム改革である。」 これは、10 年前の専門委員会報告書に通底する考え方である。この専門委員会報告書を基に 2013 年4月2日に「改革方針」が閣議決定されてから 10 年以上が経過した。安定的な電力供給 が国民生活や経済活動を支える基盤であることに変わりはなく、継続する物価高や国際的な産業 誘致競争の激化等の中で、その重要性は一層増している。 今回、検証の中で、これからの電力システムが目指すべき方向性を整理し、そのために必要と なる電力システムの構築に向けた課題や対応方針をまとめ、事業者に求められる役割・機能を整 理した。今後、制度の実装に当たっては今回とりまとめた内容をより詳細に具体化していくこと となるが、その際に留意しなければならないことは、電力システムのような複雑なシステムにお いては、部分最適が全体最適を毀損するような場合も起こり得ることである。従来、短期から中 長期にわたる安定供給の実現、それに必要な電源投資の確保等については、一般電気事業制度の もとで地域独占、供給義務、料金規制によって担保してきたが、自由化された電力システムの中 では、広義の取引市場を通じてこれを実現していく必要がある。このような観点から、電力シス テムに関する取引市場について、それぞれの関係性を整理しておくことは、電力システム全体と して効率的に量・価格の両面で安定的な電力供給を実現する上で重要である。以下では、これか ら構築を目指していく電力システムを支える取引市場の全体像を整理した。 (1)電力システムに関する取引市場の全体像と卸電力市場が直面する課題 現在、電力システムに関する取引市場としては、卸電力市場としてのスポット市場、時間前市 場、先渡市場、ベースロード市場に加えて、発電容量を確保するための容量市場、調整力を確保 するための需給調整市場等が設置されている。 参考図16:電力取引市場の全体像 30 専門委員会報告書においては、市場機能の活用が一つの柱として掲げられており、スポット市 場を始めとする卸電力市場の活性化によりもたらされる効果として、広域メリットオーダー、経 済合理的な電源保有の実現、発電部門の競争促進、新電力の電源調達の円滑化、需給調整機能の 向上が挙げられていた。特に、卸電力市場の厚みが増すことにより、新電力にとっての供給元の 多様化に加え、取引所価格の安定化、客観性の高い電力価格指標の形成に資することが期待され ていた。 現在、スポット市場での電力の取引量が、全需要の3割程度に達するなど、電力システム改革 が始まって以降、卸電力取引所の市場の厚みは増しているが、当初期待されていた効果がすべて 発現しているわけではない。また、先渡市場の活性化が進んでいない中、ヒアリングにおいて は、特に中長期を念頭に、電力の価格指標に課題があるといった指摘もあった。 スポット市場の価格は、入札価格(売りと買い)の交わる価格で決めるシングルプライスオー クションで決定されることになる。後述のとおり、基本的には系統全体で追加の1kWh を出力さ せる限界費用での入札がなされることで、実際に稼働している電源の平均費用とは乖離した価格 設定になっている。このため、再生可能エネルギーが安定して稼働している時間帯は価格水準が 低くなる一方、燃料輸入価格が高くなった場合や再生可能エネルギーが天候の理由等で発電でき なかった場合には高い水準になるなど、日単位でも年単位でも価格の変動幅が比較的大きい。 小売全面自由化後のスポット市場の価格水準については、2016 年度から 2019 年度にかけて平 均約定価格が 10 円/kWh を下回る比較的低い水準で推移してきている。また、再生可能エネルギ ーを最大限に活用するという方針のもと、FIT 認定を受けた可変費ゼロの再生可能エネルギー電 源からスポット市場への供出量が大きく増加している結果、2019 年度以降、スポット市場の約定 価格が 0.01 円/kWh まで低下するケースも散見される。一方、ロシアによるウクライナ侵略等の 影響により燃料価格が高騰した 2022 年度には、スポット市場の年間平均約定価格がそれまでの倍 以上の水準である 20.41 円/kWh まで高騰した。 小売電気事業者に実施したアンケートによれば、小売電気事業者が希望するスポット市場・時 間前市場からの調達量は全調達量のうち 6.5%である一方、実績では 11.1%をスポット市場・時 間前市場から調達している4。ここからは、小売電気事業者が希望どおりに中長期の電力調達を行 えないために、結果としてスポット市場・時間前市場からの電力調達が大きくなっているとも考 えられる。上記のとおり、小売全面自由化後はスポット市場の価格が比較的低い水準で推移して きたことから、スポット市場・時間前市場からの調達実績が希望よりも大きいことが直ちに問題 となることはなかったが、スポット市場価格が高騰する局面では、調達価格の高騰により、小売 電気事業の休廃止件数の増加、需要家に提供される小売電気料金の高騰、一般送配電事業者の最 終保障供給で電力供給を受ける需要家の急増、といった事態が生じている。 競争環境下にある発電事業者にとっては、実需給の断面においては、その持っている余力分に ついて、スポット市場において限界費用で余剰電力を全量市場供出することが、基本的には、利 益及び約定機会を最大化する経済合理的な行動であり、特に、旧一般電気事業者に対しては市場 支配力の行使を抑止する観点から、限界費用での入札を求めている。このような電力の供出を行 った場合、入札価格に電源の固定費が含まれておらず、スポット市場価格が低い水準で推移する 資源エネルギー庁「競争と安定を両立する市場・取引環境の整備のためのアンケート調査結果」(2023 年 5 月 30 日)図 58 参照 4 31 場合には、固定費の回収漏れが生じ得るが、スポット市場価格が高騰した場合には、固定費の回 収ができると考えられる。こうした市場の下では、価格の変動幅が大きく、卸収入の予見可能性 が低いことから、新規電源投資の意思決定が困難になっているといった指摘がある。また、小売 電気事業者との間で長期相対契約が締結されない場合には、燃料を長期的に確保するインセンテ ィブが低下し、安定的な燃料調達に悪影響を及ぼす懸念も生じている。 このように様々な影響が生じていることを踏まえれば、スポット市場に加えて、中長期の相対 契約や市場取引の活性化を通じて、客観性の高い電力価格指標の形成につなげていく必要があ る。 一方、中長期の相対契約や市場取引の活性化を図る上でも、電力システムの中で現在のスポッ ト市場が果たしている役割が重要であることに変わりはない。例えば、脱炭素化を推進する観点 からは、変動費が安い再生可能エネルギーを最大限活用することが重要であるが、再生可能エネ ルギーの発電量は変動するため、需要にあわせて供給力を調整する必要が生じるので、実需給に 近い断面で電力を取引できるスポット市場や時間前市場の機能は重要である。このため、現在の スポット市場のような機能を維持・活用していくことを前提とする。 (2)検証を踏まえ、今後整理していく電力システムに関する取引市場の全体像 一連の電力システム改革を通じて、卸電力市場のほかに、電源容量の確保のための容量市場、 調整力確保のための需給調整市場等がその必要性に応じて整備をされてきているが、有識者・実 務者へのヒアリングの中では、それぞれの市場の機能や役割について整理すべきとの指摘もあっ た。 このため、今回の検証を通じて整理した課題と対応方針に沿って今後整理を進めていく取引市 場・制度が、どのような機能・役割を果たすことになり、それぞれの関係性はどうなるか、整理 を行った。具体的には、電力システムの中でそれぞれの取引市場等が果たすべき役割は以下の3 種類に分類される。 ① 供給力を確保するための取引市場・制度 ② 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 ③ 効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 参考図17:今後整理していく電力システムに関する取引市場等の全体像 32 ① 供給力を確保するための取引市場・制度 全面自由化された環境の中で、電源の維持・確保に向けた安定的な電源投資を確保してい くための取引市場等であり、既存の取引市場では、容量市場及び長期脱炭素電源オークショ ン、予備電源制度がこれに該当する。 容量市場メインオークションにおいては、その年の保守や発電所の整備等に必要となる人 件費等の固定費の一部は回収できているが、新設まで含めた電源投資を確保するには至って いない。また、メインオークションは、1年毎に価格が変動する。この問題意識を受けて開 始した長期脱炭素電源オークションにおいては、多額の投資を必要とする電源への安定的な 固定費収入を保証することを念頭に、制度の運用が開始されつつある。 さらに、今回の検証を踏まえた今後の対応として、「電力の脱炭素化と安定供給を実現する ため、事業期間中の市場環境の変化等に伴う収入・費用の変動に対応できるような制度措 置」を行うこととしている。加えて、電源開発に係る資金調達は、金利の高低が原価に影響 を与えうるといった観点からも重要な要素であり、民間金融機関等が取り切れないリスクに ついて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活用した融資等、脱炭素投資に向 けたファイナンス円滑化の方策等を検討する。 今後、DX 等により電力需要が増加していく可能性が指摘されている中で、同時にカーボン ニュートラル実現のために電力システムの脱炭素化も進めていく必要がある。こうした状況 下において、電力の安定供給と脱炭素化を両立するため、供給力を確保するための取引市 場・制度の整備を通じて、民間企業による電源投資を促進し、必要となる供給力を確保して いく。 なお、大規模災害等による電源の脱落や、需要の急増等の緊急時に備え、一定期間内に稼 働が可能な休止電源を維持することを目的として、2024 年度初回募集が実施された予備電源 制度については、不断の検討を行っていく。 ② 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 小売電気事業者にとっては中長期的に量・価格両面で安定的な調達を行うことができる取 引市場であり、発電事業者にとっては客観性の高い電力価格指標の形成を通じて収益の予見 可能性向上に資する取引市場である。 電力システム改革が進められる中で、卸電力取引所のうち、スポット市場での取引は大き く拡大している一方で、上述のとおり、スポット市場価格は変動幅が大きく、客観性の高い 電力価格指標として用いることは難しい。また、ベースロード市場・先渡市場での取引や相 対取引を含め、中長期の電力取引を活性化させていく必要がある。旧一般電気事業者におい て内外無差別卸売も進められているが、各社の卸売条件を見比べることが困難であるなど、 小売電気事業者にとって調達しにくいとの指摘もある。 こうした現状を踏まえ、今般の検証を踏まえた対応として、「小売電気事業者が供給力の調 達手段や電源調達のポートフォリオをより多様化することができるよう、事業者間の公平性 にも留意しつつ、現物の長期取引を含めた相対取引やブローカー経由の取引等の活用、先物 市場・先渡市場・ベースロード市場等の市場を含む取引制度の拡充・再整備に取り組む」と ともに、こうした市場の整備を前提に「量的な供給能力(kWh)の確保に関し、小売電気事業 者に求める責任・役割やその遵守を促す規律」について検討を深めていくこととしている。 33 これらの措置を合わせて実施していくことで、小売電気事業者が安定的な量と価格で調達 するための電力取引を促す取引市場を構築し、客観性の高い電力価格指標の形成につながる ことが期待される。また、発電事業の観点からは、この市場を通じて中長期の電力取引が増 加し、販売量の予見性が向上すること等により、燃料確保や設備投資等の予見性の向上にも 資することが期待される。 ③ 効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 実需給段階での効率的な広域メリットオーダーを実現するための市場であり、既存の市場 では、供給力の取引を行うスポット市場・時間前市場、調整力の取引を行う需給調整市場が これに該当する。 発電事業者と小売電気事業者は、それぞれ BG(バランシンググループ)を構成し、中長期 取引市場や相対契約によって確保した電源とこれらの短期市場での調達を組み合わせて、計 画値同時同量に対応することとなる。また、発電事業者や小売電気事業者は、計画値同時同 量の達成に不足する部分を短期取引市場から調達することに加え、系統全体の電力需給に余 裕があり、自らが確保している電源よりも安価な電力が売られていた場合、自らの電力を差 し替えることにより広域メリットオーダーが実現される。一般送配電事業者は、引き続き、 周波数維持義務を果たすための調整力を確保する手段として需給調整市場を活用する。 一方で、今後、変動性再生可能エネルギーが更に増加していくことを考えると、短期取引 市場において調達しなければならない供給力や調整力の絶対量が大きくなることが想定され る。また、系統制約等を理由とした出力制御が徐々に生じていることを踏まえれば、より広 域で全体最適を目指していく必要が生じている。 こうした問題意識から、今後の対応方針として、供給力と調整力を同時に約定させる仕組 みの市場(同時市場)を導入するための検討を進めていくこととしている。同時市場におい ては、発電事業者が登録した①起動費、②最低出力費用、③増分費用カーブの3つの情報に 基づき、系統制約を考慮して、供給力と調整力を同時に約定させることとしており、これに より、電源の最適な配分が可能になる。同時市場の導入により、これまでと同様に再生可能 エネルギーの最大限の活用を前提としつつ、発電事業者・小売電気事業者の中長期取引市場 における取引量等に関する登録情報を元にした供給力と調整力全体の最経済(短期的なメリ ットオーダー)が実現することが期待される。また、系統制約を踏まえた約定を前提とした 取引市場としていくことにより、系統混雑の状況がより明らかになり、電源投資や産業立地 の最適化につながっていくことも期待される。 (3)今後に向けて 電力システム改革からおよそ 10 年が経過する中、発電、小売の両分野において多くの事業者が 参入し、事業者による創意工夫を発現するための市場整備が進んできたといえる。一方、今後、 DX の進展等による需要の増加が見込まれる中で、安定供給を大前提として、脱炭素電源や系統へ の投資を最大限進めるとともに、そこで得られる脱炭素電源を実需給断面において最大限活用し ていくことが求められる。電力需要の増加や脱炭素電源の最大限の活用は、電力システム改革の 検討段階ではそれほど強く意識されていたわけではなく、これまでの 10 年間とこれからの時代は 全く違うフェーズにいると認識しなければならない。 34 戦後、電源開発が急務な中においては、9電力体制(後に 10 電力体制)を構築することで、発 送配電一貫経営(垂直一貫体制)、地域独占、総括原価方式によって巨額の投資を長期にわたって 回収しながら設備形成することを可能にし、高度経済成長を支える原動力となる安定的な電力供 給が実現されてきた。その後、電気事業を取り巻く環境の変化とともに累次の電力制度改革を経 て自由化が進められ、特に、この 10 年余りの期間においては、国民に開かれた電力システムの下 で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって実現することを目指した取 組が進められてきたが、その中で、供給力の確保など様々な課題に直面している。この課題を克 服していくためには、自由化の下で競争を生かしつつも、重複投資を排除した上で安定供給の確 保や脱炭素化に必要な投資を確保していく仕組みが必要である。その仕組みとして、本章におい てコンセプトを整理した「供給力を確保するための取引市場・制度」、「量・価格両面で安定的な 調達を可能とする中長期取引市場」、「効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市 場」の3つの取引市場等を整備し、これらを最大限効率的に活用していく。その際、電気事業者 が取引市場を活用して創意工夫を発揮できるようにするには、競争上の事前規制や事後規制の在 り方についても検討していく必要があると考えられる。また、状況が変化した場合には、柔軟に それぞれの取引市場の役割を見直していく。 こうした取組により、電力システム改革による大きなメリットである事業者や需要家の「選 択」や「競争」を通じた創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給の確保・脱炭素化・安定的な 価格水準での電気の提供という電力システムの目指すべき方向性に進化させていくことが、電力 システム改革の次のフェーズである。 35 7.今後の進め方 今回の電力システム改革の検証を通じて取りまとめた「電力システムが目指すべき方向性」、 「電力システムが直面する課題と対応方針」、「電力システムを実際に支える将来の電力産業の在 り方」に沿った、制度の具体化へ向けた検討を速やかに進めるため、総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会の下に、電力システムの制度改正について集中的に議論する会議体を設置 し、2025 年中を目途に制度改正の内容をとりまとめる。 制度改正については、必要に応じて、とりまとめを待たずに反映していくことも含め、速やか に実施することとし、電気事業法等の改正が必要な場合には、法改正も含めて具体的な制度整備 を行っていく。また、今後、政策を具体化していく際には、政府による情報開示を通じた国民各 層の理解促進を図っていくことが求められる。 本検証については、電気事業法の三段改正の附則に基づいて実施したが、今後とも、電力シス テムの制度とともに、システムを取り巻く状況は変わっていくため、電力システムの制度改正に ついて集中的に議論する会議体において今後の検証の在り方についても整理する。 36

資料6

資料5 今冬の電力需給及び 2025年度の需給見通し・運用について 2025年3月31日 資源エネルギー庁 本日の御議論 ⚫ 電力広域的運営推進機関において、全ての事業者から提出される2025年度供給計画の取りまとめ作業が 完了した。 ⚫ これに基づく2025年度夏季・冬季の電力需給は、10年に一度の厳気象を想定したH1需要に対し、夏 季・冬季ともに全てのエリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しとなった。 ⚫ 本日は今冬の電力需給の状況について振り返りを行うとともに、併せて供給計画取りまとめによる2025 年度の電力需給の見通し、今後の電力需給運用について御報告する。 1 1. 今冬の需給状況の振り返り 2. 2025年度の電力需給の見通し 3. 今後の電力需給運用 ①2024年度需給運用の課題と今後について ②月別需給バランス精緻化に向けた検討 ③マッチングについて 2 2024年度冬季の最大電力需要について 一部エリア除きH1超過せず ⚫ 今冬の電力需要実績においては、3月の一部エリアを除き、10年に一度の厳寒を想定した電力需要(厳寒H1想定)を超過しなかった。 今冬の電力需要の実績 ※ 括弧内の数字は厳気象H1想定との差分 ※ 3月実績は3/1~3/8までの最大値 ※ 厳寒H1想定需要は、不等時性を考慮しない数値 単位:万kW 3 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料3 今冬の電力需要量の動向(12月~1月) ※気温補正なし ⚫ 今冬の電力需要量(kWh)の動向は、12月は国内全体として昨冬並みだった。他方、1月上旬は昨冬と比べて高い需要 となった。 ⚫ 地域別では、北海道は概ね前年並みか低く、東北から沖縄は高く推移した。 (注)表中の数値は昨年同日比。週及び月合計における各月29日以降の電力需要は、曜日数の整合性の観点から含めず算出。 今冬と昨冬の電力需要量の比較(%) 12月 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 10エリア計 1日~7日 0% -2% -6% -6% -4% -7% -3% -7% -4% 2% -5% 8日~14日 5% 13% 11% 8% 13% 8% 12% 7% 13% -1% 10% 15日~21日 2% 1% 7% 4% 4% 4% 3% 1% 1% 1% 4% 22日~28日 1% 3% -2% -3% -2% -3% -4% -7% -5% -3% -2% 月合計 2% 3% 2% 1% 2% 0% 2% -2% 1% 0% 2% 1月 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 10エリア計 1日~7日 3% 13% 9% 13% 15% 6% 10% 6% 8% 1% 9% 8日~14日 -4% 3% 1% 3% 10% 4% 8% 7% 13% 5% 4% 15日~21日 -4% 4% 2% 2% 2% 0% 6% 3% 13% 3% 3% 22日~28日 -7% -3% -3% -6% -9% -7% -9% -9% -10% -4% -6% 月合計 -3% 4% 2% 2% 4% 0% 3% 1% 5% 1% 2% 4 出典:系統情報サービス 需要実績のデータを基に資源エネルギー庁で算出 今冬の電力需要量の動向(2月~3月) ※気温補正なし ⚫ 今冬の電力需要量(kWh)の動向は、昨冬と比べて、全国的に2月は高く、3月は低く推移した。 ⚫ 地域別では、北海道は概ね前年よりも低く推移、東北から沖縄は2月は高く、3月は低く推移した。 (注)表中の数値は昨年同日比。週及び月合計における各月29日以降の電力需要は、曜日数の整合性の観点から含めず算出。 今冬と昨冬の電力需要量の比較(%) 2月 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 10エリア計 1日~7日 -5% 6% 0% 5% 9% 5% 12% 9% 15% 7% 5% 8日~14日 4% 12% 6% 10% 16% 11% 13% 11% 15% 7% 10% 15日~21日 3% 15% 15% 16% 24% 16% 17% 14% 19% -1% 16% 22日~28日 -8% 0% -3% 4% 9% 5% 10% 1% 11% 3% 2% 月合計 -2% 8% 4% 9% 14% 9% 13% 9% 15% 4% 8% 3月 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 10エリア計 1日~7日 -6% -5% 0% -4% -2% -4% -3% -5% -4% -3% -3% 8日~14日 -6% -8% -5% -6% -7% -8% -4% -7% -1% 2% -6% 15日~21日 -1% 1% 5% 1% 2% 2% 7% 2% 13% 6% 4% 22日~24日 -2% -14% -19% -19% -17% -19% -16% -17% -8% -2% -16% 月合計 -4% -5% -3% -5% -4% -5% -2% -5% 1% 1% -3% ※ 3月は1日~24日までの実績 5 出典:系統情報サービス 需要実績のデータを基に資源エネルギー庁で算出 【参考】今冬(2024年度)と昨冬(2023年度)の供給力と需要の比較 ⚫ 今冬は厳寒H1想定を超過するエリアもあったが、需給状況は安定的に推移した。 ⚫ 需給が安定的だった主な要因は、需要面で3月の一部エリアを除いて厳寒H1想定を超過しなかったこと、供給面で昨 冬から今冬にかけて新設電源の稼動や原子力発電所の再稼働等が影響したとみられる。 <今冬と昨冬の供給力見通しの比較(2024年10月時点)> <昨冬~今冬の間に運開・再稼働した主な発電設備> エリア 東北 発電所名・号機 (電源種別) 女川2号 (原子力) 五井1号 (火力) 東京 五井2号 (火力) 五井3号 (火力) 中国 出典:左図:第82回電力・ガス基本政策小委員会(2024年10月29日)資料4 、右図:需給検証報告書等を基に資源エネルギー庁作成 島根2号 (原子力) 設備容量 (万kW) 82.5 78 78 78 82 ※上記設備のうち、女川2号、五井3号、島根2号は昨年10月の 需給検証時点で供給力には計上されていない 6 1. 今冬の需給状況の振り返り 2. 2025年度の電力需給の見通し 3. 今後の電力需給運用 ①2024年度需給運用の課題と今後について ②月別需給バランス精緻化に向けた検討 ③マッチングについて 7 2025年度の電力需給の見通し(夏季) ⚫ 2025年度夏季は、全エリアとも10年に一度の厳しい暑さ(猛暑H1)を想定した電力需要に対し、最小予備率時において安定供給に 最低限必要な予備率3%を確保できる見通し。 ※前回(2024年10月時点)と比較した主な変動要因としては、広域予備率が上昇しているエリアは供給力の増加、低下しているエリアは需要増がある。 ⚫ 一方で、異常気象や燃料調達先の国際情勢の変化、火力発電所の東京湾・太平洋沿岸への集中等、自然災害に対して脆弱な構造にあ ること等を踏まえると、引き続き電力需給は予断を許さない状況。 ⚫ また、高需要期に加え端境期の電力需給にも配慮しつつ、仮に需給バランスが厳しくなることが見込まれる場合には、必要に応じて 需給対策(補修調整等)を講じる。 各エリアの予備率(猛暑H1) <前回> エリア 7月 8月 9月 北海道 7.9% 東北 7.2% 東京 5.5% 中部 13.6% 北陸 関西 9.2% 11.1% 中国 四国 25.8% 23.6% 21.5% 九州 13.6% 11.1% 13.6% 沖縄 27.2% 36.8% 32.3% 出典:左図:第82回電力・ガス基本政策小委員会(2024年10月29日)資料4 右図:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料2 <今回(3月19日時点)> エリア 7月 8月 9月 北海道 12.8% 東北 9.5% 8.7% 東京 中部 北陸 9.9% 10.1% 9.0% 関西 11.0% 中国 30.6% 21.4% 四国 九州 11.0% 10.1% 沖縄 13.4% 20.7% 28.9% 8 【参考】2024年度と2025年度の供給力・需要の比較(9月) ⚫ 2025年9月の供給力は2024年9月に比べ、北海道、東京、関西、九州、沖縄の5エリアで増加。 ⚫ 昨年9月に猛暑H1想定を超える需要が発生した影響で、今年の需要は7エリアにおいて昨年から増加。 供給力 単位【万kW】 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 2024年9月の供給力※1 472 1,496 5,831 2,688 536 2,845 1,160 540 1,654 197 2025年9月の供給力※1 493 1,459 6,036 2,676 525 2,968 1,128 528 1,760 214 増減 +21 ▲37 +205 ▲12 ▲11 +123 ▲32 ▲12 +106 +17 ※1 計画外停止率や連系線活用の考慮後の供給力 需要 単位【万kW】 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 2024年9月のH1需要見通し※2 416 1,326 5,167 2,382 475 2,521 1,028 479 1,419 160 1,326 5,486 2,432 (±0) (+319) (+50) 477 (+2) 2,697 1,025 (+176) (▲3) 480 (+1) 1,600 162 (+181) (+2) 2025年9月のH1需要見通し※2 410 ( )内は2024年からの増減 (▲6) ※2 需要は、最大電力発生時の不等時性を考慮した値 出典:電力広域的運営推進機関 需給検証報告書(2024年5月)、第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料2を基に資源エネルギー庁作成 9 2025年度の電力需給の見通し(冬季) ⚫ 2025年度冬季は、全エリアとも10年に一度の厳しい寒さ(厳寒H1)を想定した電力需要に対し、最小予備率時に おいて安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通し。 ※前回(2024年10月時点)と比較して予備率が減少傾向となっているが、補修増による供給力の減少や需要の増加等が寄与している。 ⚫ 一方で、発電所トラブル等によっては需給が厳しくなる可能性があることから、引き続き丁寧な電力需給バランスの 確認が必要。 各エリアの予備率(厳寒H1) <前回> エリア 12月 1月 2月 北海道 東北 20.5% 8.1% 7.7% 東京 中部 北陸 関西 11.1% 9.7% 8.9% 中国 四国 九州 10.3% 6.0% 3.2% 沖縄 37.0% 34.1% 45.6% 3月 14.8% 12.3% 20.1% 51.0% 出典:左図:第82回電力・ガス基本政策小委員会(2024年10月29日)資料4 右図:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日) 資料2 エリア <今回(3月19日時点)> 12月 1月 2月 3月 北海道 東北 18.0% 11.4% 5.4% 東京 中部 6.5% 北陸 13.8% 関西 6.0% 9.6% 中国 7.8% 19.3% 33.0% 四国 九州 6.0% 6.5% 13.8% 沖縄 50.2% 50.3% 53.6% 73.9% 10 【参考】2024年度と2025年度の供給力・需要の比較(2月) ⚫ 2026年2月の供給力は2025年2月に比べ、9エリアで減少。 ⚫ 需要は中国、四国、沖縄を除く、7エリアで増加。 供給力 単位【万kW】 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 2025年2月の供給力※1 625 1,610 5,951 2,717 594 2,812 1,207 631 1,801 160 2026年2月の供給力※1 595 1,562 5,700 2,571 567 2,741 1,139 564 1,714 162 増減 ▲30 ▲48 ▲251 ▲146 ▲27 ▲71 ▲68 ▲67 ▲87 +2 ※1 計画外停止率や連系線活用の考慮後の供給力 需要 単位【万kW】 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 2025年2月のH1需要見通し※2 553 1,425 5,268 2,405 526 2,489 1,069 483 1,595 114 2026年2月のH1需要見通し※2 563 1,476 5,388 2,411 ( )内は2025年からの増減 (+10) (+51) (+120) (+6) 532 (+6) 2,571 (+82) 1,068 (▲1) 473 1,608 (▲10) (+13) 106 (▲8) ※2 需要は、最大電力発生時の不等時性を考慮した値 出典:電力広域的運営推進機関 需給検証報告書(2024年10月)、第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料2を基に資源エネルギー庁作成 11 【参考】供給力に織り込んでいない要素 ⚫ 新設火力の試運転は、安定運転のために必要な燃焼試験等の制限はあるが、実機検証時のトラブルがなければ実需給 断面で追加供給力となりうる 。 ⚫ 東北エリアの女川2号は、運転継続に向けて長期施設管理計画の認可申請中のため、8月以降は供給力として計上さ れていないが、今後、蓋然性が高まった段階で供給力として計上する予定 。 2025年度に試運転を実施する新設発電機 エリア 関西 関西 九州 発電所名・号機 (電源種別) 姫路天然ガス (火力) 姫路天然ガス (火力) ひびき (火力) 設備容量 (万kW) 1号 62.3 2号 62.3 1号 62.3 4月 5月 6月 7月 東北 発電所名・号機 (電源種別) 女川 (原子力) 2号 設備容量 (万kW) 82.5 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料2 2025年度 9月 10月 11月 12月 1月 2月 12月~ 試運転開始予定 2026年5月 営業運転開始予定 2026年3月 営業運転開始予定 11月~ 試運転開始予定 4月 3月 2026年1月 営業運転開始予定 8月~ 試運転開始 ※ 試運転開始後においても、作業停止等により試運転不可となる期間がある 運転継続に向けて認可申請中の発電機 エリア 8月 5月 6月 7月 8月 2025年度 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 7月28日 ~ 運転継続の認可申請中 12 【参考】電力需給構造の脆弱性(東京湾岸・太平洋沿岸の火力集中) 第12回原子力関係閣僚会議 (2024年9月6日)資料2より作成 ⚫ 現状、東日本(東京・東北エリア)は、電力供給の約8割を火力に依存。そのうち、①約9割 の火力電源が東京湾岸や太平洋沿岸に集中し、②運転開始後40年以上の老朽火力(約1 割)の脱落リスクを抱えるなど、自然災害等に対して脆弱な構造にある。 ⚫ 2022年3月には、福島県沖地震により約650万kWの火力発電所が被害を受けた後、真冬並 みの寒さによる電力需要の急増で需給がひっ迫し、需給ひっ迫警報が初めて発令された。また、本 年7月8日には、猛暑により電力需要が大幅に増加し、一時的に電力需給が極めて厳しくなった。 東京・東北エリアの電源構成 100% 90% 14.4% 80% 7.3% 2.9% 太陽光、風力等 水力 石油等 東京湾岸・太平洋沿岸の火力発電所の立地 太平洋沿岸 約1,700万kW (原発17基相当) 70% 60% 50% LNG 49.5% 火力 78 % 40% 出所:電力広域的運営 推進機関「2024年度供 給計画の取りまとめ」エリア 別発電電力量(送電 端)を基に資源エネル ギー庁作成 30% 石炭 20% 10% 25.8% 0% 2023 東京湾岸 約3,300万kW (原発33基相当) 合計:約5,100万kW (参考)東京・東北エリア合計:約6,000万kW ※2024年7月時点 (長期計画停止中の発電設備・10万kW未満の設備を除く)。 四捨五入の関係で合計と内訳は一致せず。 出所:電力広域的運営推進機関提供資料を基に資源エネルギー庁作成 ※原発1基を100万kW級と仮定 13 【参考】火力発電設備の運転開始からの経過年数(東京エリア) 第75回電力・ガス基本政策小委員会 (2024年6月3日)資料11 今夏の電力需給の見通しにおける、供給力※に含まれている火力発電設備には、運転開 始から期間が一定程度経過している設備も存在し、丁寧な状況把握が必要。 【火力発電設備の運転開始からの経過年数(東京エリア)】 (万kW) 1200 1000 800 600 400 200 0 10年未満 10年以上20年未満 20年以上30年未満 30年以上40年未満 40年以上50年未満 50年以上 (※)2024年7月1日時点 (※)運転開始前の発電設備を除く (※)出力は送電端を使用 出典:電力広域的運営推進機関提供資料を基に資源エネルギー庁作成 14 【参考】火力発電所の新増設・休廃止の推移 ⚫ 今後、火力発電は石炭やLNG電源の休廃止が、新増設を上回る規模で推移する見通し。 参考:設備量の総計* 年度別の火力発電所の新増設・休廃止の設備量 (万kW) (2025年度~2034年度) 約950万kW 900 600 300 0 0 -300 -600 -900 -1200 LNG(新増設) -1500 2025 2026 2027 2028 LNG(休廃止) 2029 2030 【年度別の新増設・休廃止の推移】 ※ 単年度等に一時的に休止する電源であっても当該年度の「休廃止」に計上している。 出典:2025年度供給計画を基に資源エネルギー庁作成 石炭(休廃止) 2031 2032 石油・その他(休廃止) 2033 2034 (年度) 約1,340万kW * 休廃止設備の容量(約1,340万) は、2025年度~2034年度に休止する 電源のうち、2034年度末時点で稼働 している電源の設備量は除いている。 15 【参考】2025年度供給計画の取りまとめに関する経済産業大臣への意見 ⚫ 2025年度供給計画の取りまとめに当たって、電力広域機関より以下の観点から経済産業大臣への意見が提出された。 ➢ 中長期的な供給力・調整力の確保の在り方 ➢ 電源補修が需給バランスに与える影響 ➢ 大規模需要と電力ネットワーク整備との協調 出典:2025年度供給計画の取りまとめに関する経済産業大臣への意見について(電力広域的運営推進機関) 16 【参考】供給計画の取りまとめについて 第69回電力・ガス基本政策小委員会 (2024年1月22日)資料6 一部修正 ⚫ 供給計画の取りまとめは、短期・中長期的な視点で国内における電力需給の見通しのほか、電 源や送電線の開発計画等について確認し、その結果を広域機関が取りまとめ公表している。 ⚫ 安定供給の観点で必要と考える場合、国・広域機関及び一般送配電事業者が連携し、対策 (供給力の追加調達等)を検討・実施することで安定供給の確保に務めている。 ⚫ 供給計画において取りまとめる項目は、以下のとおり。 1.電力需要想定 (1)前年度の推定実績及び第1,2年度見通し(短期) (2)当該年度以降10年間の見通し(長期) 2.需給バランス (1)前年度推定実績及び第1,2年度見通し(短期) (2)当該年度以降10年間の見通し(長期) 3.電源構成の変化に関する分析 4.送配電設備の増強計画 5.広域的運営の状況 6.電気事業者の特性分析 7.その他(取りまとめでの気づき・課題等) 17 1. 今冬の需給状況の振り返り 2. 2025年度の電力需給の見通し 3. 今後の電力需給運用 ①2024年度需給運用の課題と今後について ②月別需給バランス精緻化に向けた検討 ③マッチングについて 18 電力需給運用の課題と今冬における暫定対策 ⚫ 昨夏は電力需給運用において週間予備率等が低下する等の課題が発生したため、同年10月29日の本小委員会におい て、今冬における暫定対策について御議論いただいた。 ⚫ 今冬におけるこれらの暫定対策(以下、暫定対策①、②、④※)の効果について電力広域機関にて分析を行ったため、 現状を御報告する。 ※③の「市場シグナルの実効性」は監視等委を中心に検討中 ⚫ なお、今冬は需給状況が安定的に推移していたこともあり、暫定対策について、早急に検討を行うべき課題は顕在化 していないことから、2025年度以降も当面は現状の暫定対策を継続するとともに、今後、夏季の高需要期の状況等 を踏まえて、更なる対応策の検討を行うものとする。 ※赤字部分が今冬からの暫定対策 出典:第102回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2024年10月23日)資料1 19 【参考】各暫定対策の運用開始時期 ⚫ 各暫定対策のうち、追加供給力対策の実施順位は2024年12月から見直しを行っている。 ⚫ 予備率算定の考え方と揚水発電の余力活用については、ツール対応や調整力提供事業者との準備等により、いずれも 2025年1月から見直しを行った。 20 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料1 予備率算定の考え方について(暫定対策①) ⚫ 暫定対策①の運用開始後(実需給日:2025年1月11日~3月8日)の週間予備率において、この対策の実施回数が多 い2エリア(東北、中部エリア)の広域予備率への影響を電力広域機関が確認した。その結果、東北エリアの広域予 備率で平均1.0%、中部エリアの広域予備率で平均2.0%、それぞれ上昇していた。 ⚫ なお、東北、東京エリアにおいては、3月4日の最大需要時のコマは、この対策による積み上げ分の予備率(1.7%) を加味しても、広域予備率は8%未満(7.5%)となった。 21 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料1 第82回電力・ガス基本政策小委員会 (2024年10月29日)資料4 【参考】今冬からの対応(週間・翌々日の予備率関係) 週間計画段階で、一般送配電事業者に調整力の調達不足がある場合は、余力活用電 源を起動するものとみなして予備率に計上 • 現状の広域予備率は週間・翌々日計画の断面では、スポット市場や時間前取引市場での確保量は想定取引量で計画を作 成している。 • 広域予備率が低くなる要因の一つとして、需給調整市場での調達不足を挙げたが、一般送配電事業者が需給調整市場に おいて調整力の必要量を調達できなかった場合は、前日計画時点で、余力活用契約を締結している電源を起動させ、調 整力の確保を行う。 • このため、週間計画時点で、一般送配電事業者が調整力を確保できていない場合でも、余力活用契約を締結している電 源を起動させるものと見なして、当該不足分を予備率に計上することとしてはどうか。 【現行の予備率の計上方法】 【供給力の計上イメージ】 未計上⇒計上 に変更 22 出典:第102回(2024年10月23日) 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 資料1等を基に、資源エネルギー庁作成 揚水発電の余力活用(暫定対策②) ⚫ 暫定対策②の運用開始後(実需給日:2025年1月7日~3月8日)、東京、北陸および中国エリアでは、余力活用電 源の追加起動をしても、調整力不足となるコマが159コマがあった。このうち、暫定対策②を実施しても、約半数の 81コマで調整力が未充足であった。 ⚫ この対策により、東京エリアの広域予備率で平均2.5%、北陸エリアの広域予備率で平均0.1%、それぞれ上昇してい た。エリア予備率で見た場合は、東京エリアで平均4.5%、北陸エリアで平均1.2%上昇していた。 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料1 23 追加供給力対策の実施順位(暫定対策④) ⚫ 暫定対策④の運用開始後(実需給日: 2024年12月1日~2025年3月8日)、追加供給力対策の発動は、多くのエリ アで揚水発電機の運用切替のみであった。 ⚫ また、発動指令電源については、その発動基準の変更(8%→5%)に加え、今冬は需給が安定的に推移したため予 備率が5%を下回ることはなく、発動しなかった。 <今冬における追加供給力対策の発動状況> 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料1 24 【参考】追加供給力対策の実施状況 第82回電力・ガス基本政策小委員会 (2024年10月29日)資料4 25 出典:第101回(2024年9月30日) 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 資料1 【参考】追加供給力対策の発動基準の変更等 第82回電力・ガス基本政策小委員会 (2024年10月29日)資料4 ⚫ 第102回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2024年10月23日)を踏まえ、今冬に向けた広域予備率改善 の暫定的な対応として、追加供給力対策の順番については、揚水発電機の運用機切り替え及び余力活用電源の追加起動 の発動基準をいずれも8%未満での実施に変更し、翌日計画公表以降で計上することとしてはどうか。また、増出力運 転・ピークモード運転については、経済合理性等の観点から5%未満の対策とすることとしてはどうか。 ⚫ 加えて、これまでエリア予備率3%未満の見通しの場合に実施されてきた「需給ひっ迫融通」は、広域予備率上は需給 ひっ迫に至らない状況でも実施される場合があり、エリア間での融通であることを明確化するため、今後は「エリア間 補正融通」と名称を改めてはどうか。 追加供給力対策の発動基準の変更 「需給ひっ迫融通」の名称変更 現行 予備率 変更後 発動基準 増出力・ピークモード運転 8% 揚水発電機の運用切り替え 8% 安定電源への電気の供給指示 8% 安定電源への電気の供給指示 8% 揚水発電機の運用切り替え 5% 余力活用電源の追加起動 8% 余力活用電源の追加起動 5% 発動指令電源の発動 5% 発動指令電源の発動 5% 増出力・ピークモード運転 5% 自家発焚き増し要請 5% 自家発焚き増し要請 5% 水力両用機の切り替え 5% 水力両用機の切り替え 5% ※ 対策の実施は、実施に要する時間や需給状況等を踏まえて判断するため、必ずしもこの順位によらない 出典:左図:第102回(2024年10月23日) 調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 資料1を基に、資源エネルギー庁作成 右図:第81回(2024年9月26日) 電力・ガス基本政策小委員会 資料4 26 1. 今冬の需給状況の振り返り 2. 2025年度の電力需給の見通し 3. 今後の電力需給運用 ①2024年度需給運用の課題と今後について ②月別需給バランス精緻化に向けた検討 ③マッチングについて 27 月別需給バランス精緻化に向けた検討① ⚫ 現状の供給計画では、記載要領に基づき、月の前後半の需要変動等を考慮した指定断面(月間・前半・後半のうち1断 面)で需給バランスを確認している。 ⚫ 一方、昨今の温暖化等の影響で、供給計画において需給バランスが未確認の断面(※)で需給が厳しくなったケースもあ り、より詳細に需給バランスを確認していく必要性が高まっている。 ⚫ 対応策として、全ての月を前後半に細分化することで、これまで未確認であった断面においても需給バランスの確認が 可能となるため、2026年度の供給計画からの対応を目指し検討していく。 ※ 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料1 東京エリアは6・7月前半、9・3月後半が未確認 28 月別需給バランス精緻化に向けた検討② ⚫ 2026年度以降の供給計画では、月を前後半に細分化した需給バランスを確認する方向で検討を進めていく。なお、 EUEによる需給バランス評価は、制度面・ツール面で一定の準備期間を要するため、継続検討とする。 ⚫ また、2026年度以降の需給検証についても、厳気象H1の需給バランス評価も同様の評価方法にて行う。 ⚫ 今後、月の需給バランスを細分化するに当たっては、電気事業法施行規則、供給計画届出書のガイドライン等の各種改 正等が必要となるため、2025年度中に必要な準備を進めるとともに、全ての月を前後半に細分化することの妥当性等 の検討も行う。 供給計画の様式改正等に向けたスケジュール(案) 出典:第107回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会(2025年3月19日)資料1 29 1. 今冬の需給状況の振り返り 2. 2025年度の電力需給の見通し 3. 今後の電力需給運用 ①2024年度需給運用の課題と今後について ②月別需給バランス精緻化に向けた検討 ③マッチングについて 30 発電設備を休廃止する際のマッチングについて ⚫ 事業者が発電設備の休廃止を行う場合は、当該発電設備の経済合理性を確認する観点から、電力広域機関が運用する 発電情報掲示版に設備情報を掲載し、小売電気事業者とのマッチングを行っている。 ⚫ マッチングについては、やむを得ず実施が不可能な場合は、個別にその理由を確認した上で判断することとなってい るが、マッチングの実施を不要とするケースが明確化されていなかったことから、非効率石炭火力のFO等の動きも 踏まえて、以下のようなケース(①~③)においては、資源エネルギー庁と協議の上、マッチングの省略を可能とし てはどうか。 【マッチング省略を可能とするケース(案)】 【マッチングのプロセス】 ①非効率石炭火力(※)の休廃止 ※容量市場の稼働抑制措置の対象となる電源 ②同一の場所で、リプレース又は脱炭素化改修を予定し ている電源の休廃止 ③上記の他、資源エネルギー庁と協議の上、マッチング の省略についてやむを得ない事情が認められる場合 出典:第56回電力・ガス基本政策小委員会(2022年11月24日)資料4-3 31 【参考】追加的な対応の方向性 第56回電力・ガス基本政策小委員会 (2022年11月24日)資料4-3 ⚫ 電力自由化の下、電源の休廃止は、経済合理的な事業者判断に基づき進められて きた。しかし、短期的に十分な供給力の回復が見込めない状況下で、既存の電源の 休廃止が進むと、電力需給ひっ迫のリスクが高まる。 ⚫ 発電所の休廃止について事前に把握・管理し、必要な供給力確保策を講ずる時間を 確保するため、電気事業法施行規則を改正し、10万kW以上の発電設備の休廃止 については9か月前までに発電事業届出の提出を求めることとした(2022年11月14 日施行)。 ⚫ また、2021年度に実施した休廃止電源の事前確認(マッチング)においても小売電 気事業者からの問い合わせは一定数存在しており、小売電気事業者の相対契約に よる供給力確保に対するニーズはあるものと考えられる。 ⚫ これまでも、発電・小売電気事業者間の協議の機会を追求してきたところであるが、こ うした状況を踏まえ、改めて発電設備等の情報掲示板(以下、発電情報掲示板) を通じた発電所の経済合理性の確認の方法について整理することとしてはどうか。 ⚫ 本日は、整理すべき以下の論点について御議論いただきたい。 論点①:対象電源 論点②:運用方法 論点③:開示情報 32 【参考】論点①:対象電源 第56回電力・ガス基本政策小委員会 (2022年11月24日)資料4-3 ⚫ 10万kW以上の発電設備の休廃止については、電力需給に大きな影響を与えることか ら、10万kW以上の電源が休廃止する際には、発電情報掲示板に情報を掲示するこ とを基本とし、小売電気事業者とのマッチングを実施することを求めてはどうか。やむを得 ずマッチングの実施が不可能な場合は、個別にその理由を確認したうえで判断すること としてはどうか。 ⚫ また、現時点の2023年度の電力需給見通しは、厳気象H1需要に対して、全エリアで 安定供給に必要な予備率3%を確保することができている一方で、7月の東京エリアで 3.3%となるなど厳しい見通しとなっていることから、2023年度に向けた電力需給対策 として、現在休止中の電源も対象とすることとしてはどうか。 ⚫ この場合、長期間休止している電源については、2023年度の再稼働が難しい可能性 があることや、再稼働にかかるコストが膨大になり得るから、休止して1年未満の10万 kW以上の電源を対象とすることとしてはどうか。 33 第56回電力・ガス基本政策小委員会 (2022年11月24日)資料4-3 【参考】論点②:開示情報 ⚫ マッチングに際しては、 電源の所在エリア、燃料種、最低契約容量(1社あたり ●kW以上)、当該電源の固定費単価(円/kW)の情報が必要となる。 ⚫ しかし、現行の発電情報掲示板では掲載可能な情報が限定されていることから、対象 電源のマッチングを実施する場合、これらの情報については、小売事業者に個別に開示 することとしてはどうか。 ⚫ また、対象電源は性質上、維持管理費用が高額になることも考えられる。電力の適正 な取引の確保を図る必要があることから、電源の維持管理コストについては、容量市場 の考え方やkW公募での落札価格等を参考に、供給力の提供可能な時期に発生する 費用を発電事業者が算定のうえ、実施することとしてはどうか。 掲示板の掲載情報 開示情報 ①売買区分(売/買) ①燃料種 ②事業者名 ②最低契約容量(kW) ③問い合わせ先 ③供給力の提供可能な時期 ④電源所在エリア ④固定費単価(円/kW) ⑤任意記載 ⑤その他 34 【参考】論点③:運用方法 第56回電力・ガス基本政策小委員会 (2022年11月24日)資料4-3 ⚫ 発電事業者は、広域機関が運営する発電情報掲示板を活用することを基本とし、以 下の手順で手続を実施することとしてはどうか。 ステップ1.資源エネルギー庁に発電事業変更届出の提出※1。 ステップ2.発電事業者は、電源に係る情報を、1か月以上掲示板に掲載。掲示板に掲載で きない機微な情報は、各事業者の問い合わせ窓口等を経由して開示。 ステップ3.掲載期間中、関心がある小売事業者は、個別に発電事業者に連絡。 ステップ4. 掲載期間終了後、発電事業者は小売とのマッチング状況を踏まえ、電源の休廃止 の判断を進める。 ●発電事業者 ●小売事業者 ●発電事業者 電源 (例) 小売の申し込み容量の (70万kW) 合計が、電源の維持に マッチング不成立 必要な契約容量に満 電源 A社 20万kW (70万kW) マッチング成立B社 15万kW C社 10万kW たなかった場合 ↓ 休廃止判断へ A社 10万kW D社 25万kW <10万kW以上の設備が稼働→休廃止に向かう場合のイメージ> 事前届出 ●小売事業者 1か月以上 電源の 休廃止日 発電情報掲示板を利用したマッチング※2 9か月 ※1すでに休止の届出を提出している場合は再度の提出は不要。 ※2マッチングについては、発電事業届出の提出前に実施することでも可。 35

資料7

資料6ー1 電力データ活用の推進について 2025年3月31日 資源エネルギー庁 電気事業法第34条第1項に基づく電力データ活用の実証について • 第84回の委員会でご報告したとおり、令和6年度予算事業による電力データ活用実証と して、能登半島地震や奥能登豪雨により被災した石川県と連携し、被災者支援等の自治 体業務における電力データの活用に関する実証を実施。 • 本実証での成果を踏まえた対応として、本日は以下の点についてご議論いただきたい。 ① 「自治体防災業務における電力データ利活用マニュアル」※1(以下「自治体向けマ ニュアル」という)の改正 ※1「自治体防災業務における電力データ利活用マニュアル」は、電気事業法第34条第1項に基づく情報の提供について、自 治体業務に電力データを活用するため、自治体担当者が参考にする情報を記載しているもの。 ② 「電気事業法第34条第1項の規定に基づく必要な情報の提供の求めに関する基本的 な考え方」※2(以下「ガイドライン」という)の改正(データ利用期間の明確化) ※2 「電気事業法第34条第1項の規定に基づく必要な情報の提供の求めに関する考え方」は、電気事業法第34条第1項に基づ く情報の提供について、必要な手続等を明確化するために公表しているもの。 2 (参考)電気事業法第34条及び第37条の3 (情報の提供の求め等) 第三十四条 経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国民の 生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処又 は当該事態の発生の防止のため必要があると認める場合には、一般送配電事業者又は配電 事業者に対し、関係行政機関又は地方公共団体の長に対して必要な情報を提供することを 求めることができる。 (電気使用者情報の提供の禁止の例外) 第三十七条の三 第二十三条第一項の規定にかかわらず、一般送配電事業者又は配電事業 者は、認定電気使用者情報利用者等協会(次条の規定による認定を受けた者をいう。以下 同じ。)に対し、同項第一号の電気の使用者に関する情報(同号の経済産業省令で定める ものを除く。以下「電気使用者情報」という。)を提供することができる。 3 (参考)令和6年度の電力データ活用実証事業 第84回電力・ガス基本政策小委員会(2024.12.25) 資料4 4 自治体向けマニュアルの改正について • 令和6年度の電力データ活用実証を踏まえ、電力データを活用するまでの検討内容や 活用事例について追加し、他の自治体においても活用が促進されるように地方自治体 向けの防災業務における電力データ利活用マニュアルを改正してはどうか。 目次 ※赤字は石川県での実証を踏まえて今回改正(追加)するもの 1.電力データの利活用 1.1 電力データ活用の背景と取組 1.2 電力データ集約システムによる情報提供 2. 電力データ集約システムから電力データを取得する方法 2.1 災害による停電発生時等に電力データを使用するために 2.2 電力データ集約システム利用申請 2.3 電力データ提供を求める要請 2.3.1 電力データの提供を求める要請(非常災害時) 2.3.2 電力データの提供を求める要請(防災訓練時) 2.4 電力データの取得方法 3. 自治体の防災業務における電力データ活用ユースケース(UC) 3.1 API連携による電力データ活用ユースケース 3.1.1 UC① 重要施設(避難所・病院等)の運営支援 3.1.2 UC② エリア別停電状況の確認 3.1.3 UC③ 救助支援や被災者特定支援 3.1.4 UC④ 避難行動要支援者の避難支援 3.1.5 UC⑤ 被災状況の可視化 3.1.6 UC⑥ 捜索活動への活用 3.1.7 UC⑦ 被災者見守り業務へ活用 3.1.8 UC⑧ 罹災証明書発行業務への活用 3.1.9 UC⑨ 地域の復旧状況・復興状況確認 3.2 LG-WAN経由による電力データ活用ユースケース 4. 電力データを活用した事例紹介 4.1 武雄市における電力データを活用したユースケース 4.2 千葉市における電力データを活用した防災訓練 4.3 石川県における電力データを活用した自治体災害対応 5.その他(お問い合わせ・付録) 5 (参考)自治体向けマニュアルの改正について(UC⑤⑥) 6 (参考)自治体向けマニュアルの改正について(UC⑦⑧) 7 (参考)自治体向けマニュアルの改正について(UC⑨) 8 ガイドラインの改正について • ガイドラインでは、関係行政機関等が、災害等緊急の事態への対処のために電力データの提供を 求める場合において、災害対策活動が終了するまでの間、データの提供を受けられることとして いる。 • 大規模な災害では、関係行政機関等の災害対策活動が長期化し、また、災害対策活動の外縁を明 確に区分することが困難となるという課題が実証において発見された。 • また、自治体から、個人情報保護の観点でも不必要にデータを使い続けることは回避したく、災 害対応業務に当たっている自治体が安心して電力データを利用できるよう、活動終了時期の目安 を明確にして欲しいとの声があることから、ガイドラインにおいて明確化を行うこととする。 • 電事法第34条第1項は、「電気の安定供給の確保に支障が生ずること」により、「国民の生命、 身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処」の必要がある と認める場合に、情報の提供を求めることができるとされていることから、以下のとおり、期間 ①②の短い方をデータ利用期間の目安として明確化し、ガイドラインを改正してはどうか。 <データ利用期間> 平時 停電中 災害対策本部 全戸停電解消 設置 期間① 解散 災害等に起因して停電が発生してから、 災害等に起因して発生した停電がすべて復旧するまで 短い方をデータ 利用期間とする 期間② 災害等に起因して停電が発生してから、 災害対策基本法に基づき設置された災害対策本部が解散するまで 9 (参考)電気事業法第34条第1項の規定に基づく必要な情報の提供の求めに関する考え方 第1 基本的考え方 1.経済産業大臣による情報の提供の求め 2.一般送配電事業者等による情報の提供 3.関係行政機関等による情報の利用 (1) 情報提供の求めは、「包括要請」又は 「個別要請」により行う (1) 一般送配電事業者等は、法及び本考え方に基づき必要な情報を 提供 (2) (2) 一般送配電事業者等は、関係行政機関又は地方公共団体(以 下「関係行政機関等」という。)に提供する情報について、個人情 報が含まれる場合には、その事実を明記の上提供する (1) 関係行政機関等は、一般送配電事業 者等が保有する情報の提供を受けようと するときは、本考え方に基づき、必要な情 報の提供を要請する (3) 「包括要請」は、改正法施行後、速や かに一般送配電事業者・配電事業者 (以下「一般送配電事業者等」とい う。)に対して行う要請をいう 「個別要請」は、災害等の発生状況に応 じて必要に応じて行う要請をいう (3) 一般送配電事業者等は、関係行政機関等において3(2)の取扱 いが適切に行われないおそれがあると認めるとき、その他情報の提供 に際して判断に疑義が生じるときは、資源エネルギー庁に相談する (2) 関係行政機関等は、提供を受けた情 報に個人情報が含まれる場合、個人情 報保護法等に基づき、適切に取り扱う (利用目的による制限、利用後の消去、 安全管理措置等) 第2 「緊急の事態への対処のため必要があると認める場合」 【災害等による停電発生時】における情報提供の考え方 第3 「緊急の事態の発生の防止のため必要があると認める場合」 【災害発生前】における情報提供の考え方 1.包括要請 (1) 対象:①配電線地図、②通電情報及び③復旧工事計画 (2) 関係行政機関等の長は、必要があるときは、書面により(緊急時は事後 も可) 、一般送配電事業者等に対して情報提供を求める (3) 一般送配電事業者等は、正当な理由がない限り、速やかに、当該情報 を提供する (4) 情報提供可能な期間は、電気の安定供給の確保に支障が生ずることに より、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそ れがある緊急の事態への対処を実施している期間とする(2.個別要 請においても同様) 1.包括要請 2.個別要請 (1) 関係行政機関等の長は、上記①~③以外の情報を求める必要があると き又は包括要請に基づき一般送配電事業者等から上記①~③の情報 提供がなかったときは、書面により(緊急時は事後も可) 、経済産業大 臣に対して、一般送配電事業者等からの情報提供の要請を行う (2) 経済産業大臣は、求めのあった情報が、事態への対処のため必要がある と認める場合、一般送配電事業者等に対し、情報の提供を求める (3) 一般送配電事業者等は、上記(2)の求めがある場合、正当な理由 がない限り、速やかに、その求めに応じなければならない 2.個別要請 (1) 対象:配電線地図 (2) 関係行政機関等の長は、必要があるときは、その利用目的を具体的に提示の 上、書面により、一般送配電事業者等に対して情報提供を求める (3) 一般送配電事業者等は、正当な理由がない限り、速やかに、当該情報を提供 する (1) 関係行政機関等の長は、配電線地図以外の情報を求める必要があるときは、 書面により 、経済産業大臣に対して、一般送配電事業者等からの情報提供 の要請を行う (2) 経済産業大臣は、求めのあった情報が、利用目的に照らして必要があると認め る場合、一般送配電事業者等に対し、情報の提供を求める (3) 一般送配電事業者等は、上記(2)の求めがある場合、正当な理由がない 限り、速やかに、その求めに応じなければならない。 10 (参考)ガイドラインの改正案 第2「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処」 のため必要があると認める場合における情報提供の考え方 1.包括要請について (1)~(3)略 (4)一般送配電事業者又は配電事業者が、経済産業大臣の要請により関係行政機関等の長に情報を提 供する期間は、「電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国民の生命、身体又は財産 に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処」を実施している期間であり、 具体的な期間の目安としては、情報の提供の要請を行った対象自治体において、災害等を原因と して停電が発生した時点から、下記のうち最も短い時点までとする。 ・情報の提供の要請を行った対象自治体において、災害等を原因として発生した停電がすべて復旧 する等電気の安定供給の確保に生じた支障が解消された時 ・情報の提供の要請を行った対象自治体において、災害対策基本法(昭和36年法律第223号) に基づき自治体に設置された災害対策本部が解散する等対象自治体による緊急の事態への対処が 完了した時 2.個別要請について (1)~(3)略 (4)一般送配電事業者又は配電事業者が、経済産業大臣の要請により関係行政機関等の長に情報を提 供する期間は、第2の1(4)と同様とする。 11 今後のスケジュール • 自治体向けマニュアルとガイドラインの改正については、以下のスケジュー ルで対応する。 <スケジュールのイメージ> ○ 4月上旬頃 ガイドライン改正案のパブリックコメント開始 ○ 5月中旬頃 パブリックコメント終了 ○ 5月下旬頃 改正後のガイドラインを施行 自治体向けマニュアルの公表 12 (参考)補助事業(電力データ活用支援等事業)について • 令和6年度補正予算に計上した「電力データ活用支援等事業」については、 4月上旬の公募開始に向けて、執行団体と調整を進めている。 • 概要HPを3月27日に公開し、公募に向けて周知していく。 13 一般社団法人低炭素投資促進機構 HPより

資料8

資 料 6 ― 2 電気事業法第34条第1項の規定に基づく必要な情報の提供の求めに関する考え方 2 0 2 0 年 6 月 2022年4月一部改正 2023年9月一部改正 2025年○月一部改正 資 源 エ ネ ル ギ ー 庁 電 力 ・ ガ ス 事 業 部 第1 基本的な考え方 1.経済産業大臣による情報の提供の求め (1)経済産業大臣は、強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業 法等の一部を改正する法律(令和2年法律第49号。以下「改正法」という。)の規定 による改正後の電気事業法(昭和39年法律第170号)第34条第1項の規定に基 づき、 「必要な情報を提供することを求める」際は、「包括要請」又は「個別要請」に より行うものとする。 (2) 「包括要請」とは、改正法の施行後、速やかに、経済産業大臣が一般送配電事業者 又は配電事業者に対して行う要請をいう。 (3) 「個別要請」とは、災害等の発生の状況に照らし、必要に応じ、経済産業大臣が一 般送配電事業者又は配電事業者に対して行う要請をいう。 2.一般送配電事業者又は配電事業者による情報の提供 (1)一般送配電事業者又は配電事業者は、電気事業法第34条の規定、「電気事業法に 基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等」(平成12・05・29資第16号)及 び本考え方に基づき必要な情報を提供するものとする。 (2)一般送配電事業者又は配電事業者は、関係行政機関又は地方公共団体(以下「関 係行政機関等」という。)の長に提供する情報について、個人情報が含まれる場合に は、その事実を当該関係行政機関等の長に対し明記した上で、提供するものとする。 (3)一般送配電事業者又は配電事業者は、関係行政機関等において、下記3.(2)の 取扱いが適切に行われないおそれがあると認めるときその他情報の提供に際して判断 に疑義が生じるときは、資源エネルギー庁に相談するものとする。 3.関係行政機関等による情報の利用 (1)関係行政機関等は、 「電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国民の生 命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処 又は当該事態の発生の防止のため」、一般送配電事業者又は配電事業者が保有する情報 の提供を受けようとするときは、本考え方に基づき、必要な情報の提供を要請するも のとする。 (2)上記(1)により提供を受けた情報に個人情報が含まれる場合には、関係行政機 関の長は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報 保護法」という。)の規定に基づき、また、地方公共団体の長は、個人情報保護法の趣 旨に則り策定する条例の規定に基づき、提供を受けた情報について適切に取り扱うも のとする。 具体的には、 ・利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱わないこと ・情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去又は廃棄等の適切な方法 で処理すること ・個人情報取扱責任者を置くなど安全管理措置を講ずること など、個人情報保護法、同法の趣旨に則り策定する条例及びこれらの趣旨に則り適切 に取り扱うものとする。 第2 「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急 の事態への対処」のため必要があると認める場合における情報提供の考え方 1.包括要請について (1)一般送配電事業者又は配電事業者が関係行政機関等の長に提供する情報は、①配 電線地図、②通電情報 (注)及び③復旧工事計画とする。 (注)スマートメーターの応答情報から通電又は停電と推定される情報等(詳細は別 紙2参照)。以下同じ。 (2)関係行政機関等の長は、 「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生 ずるおそれがある緊急の事態への対処」のため、一般送配電事業者又は配電事業者に 対し、上記(1)①から③までの情報の提供を求める必要があるときは、書面により (ただし、事態の進展が特に急速である場合など、直ちに書面によることが困難な場 合は、口頭、電話等の方法によることも可能とし、その場合は事後的に書面を送付す るものとする。) 、一般送配電事業者又は配電事業者に対し、情報提供を求めるものと する。 (3)一般送配電事業者又は配電事業者は、正当な理由がない限り、上記(2)の求め に係る情報について、速やかに、関係行政機関等の長に対し、提供するものとする。 (4)一般送配電事業者又は配電事業者が、経済産業大臣の要請により関係行政機関等 の長に情報を提供する期間は、 「電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国 民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態へ の対処」を実施している期間であり、具体的な期間の目安としては、情報の提供の要 請を行った対象自治体において、災害等を原因として停電が発生した時点から、下記 のうち最も短い時点までとする。 ・情報の提供の要請を行った対象自治体において、災害等を原因として発生した停 電がすべて復旧する等電気の安定供給の確保に生じた支障が解消された時 ・情報の提供の要請を行った対象自治体において、災害対策基本法(昭和36年法 律第223号)に基づき自治体に設置された災害対策本部が解散する等対象自治 体による緊急の事態への対処が完了した時 2.個別要請について (1)関係行政機関等の長は、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じる緊急の 事態への対処のため、一般送配電事業者又は配電事業者に対して1.(1)①から③ま で以外の情報の提供を求める必要があるとき又は包括要請に基づく1.(1)①から③ までの情報提供がなされなかったときは、書面により(ただし、事態の進展が特に急 速である場合など、直ちに書面によることが困難な場合は、口頭、電話等の方法によ ることも可能とし、その場合は事後的に書面を送付するものとする。)、経済産業大臣 に対して求めるものとする。 (2)経済産業大臣は、提供の求めのあった情報が、国民の生命、身体又は財産に重大 な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処のため必要があると認め る場合には、一般送配電事業者又は配電事業者に対し、当該情報の提供を求めるもの とする。 (3)一般送配電事業者又は配電事業者は、上記(2)の求めがある場合、正当な理由 がない限り、速やかに、その求めに応じなければならない。 (4)一般送配電事業者又は配電事業者が、経済産業大臣の要請により関係行政機関等 の長に情報を提供する期間は、第2の1(4)と同様とする。 第3 「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがある緊急の事態」の 「発生の防止のため必要があると認める場合」における情報提供の考え方 1.包括要請について (1)一般送配電事業者又は配電事業者が関係行政機関等の長に提供する情報は、配電 線地図とする。 (2)関係行政機関等の長は、 「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれ がある緊急の事態」の「発生の防止のため」、一般送配電事業者又は配電事業者に対 し、上記(1)の情報の提供を求める必要があるときは、その利用目的を具体的に明 記の上、書面により、一般送配電事業者又は配電事業者に対し、情報提供を求めるも のとする。 (3)一般送配電事業者又は配電事業者は、正当な理由がない限り、上記(2)の求め に係る情報について、速やかに、関係行政機関等の長に対し、提供するものとする。 2.個別要請について (1)関係行政機関等の長は、 「国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれ がある緊急の事態」の「発生の防止のため」、上記1.(1)以外の情報の提供を一般 送配電事業者又は配電事業者に対して求める必要があるとき又は包括要請に基づく 1. (1)の情報提供がなされなかった場合であって当該情報の提供を求める必要があ るときは、その利用目的を具体的に明記の上、書面により、経済産業大臣に対して求 めるものとする。 (2)経済産業大臣は、提供の求めのあった情報が、国民の生命、身体又は財産に重大 な被害が生ずるおそれがある緊急の事態の発生の防止のため必要があると認める場合 には、一般送配電事業者又は配電事業者に対し、当該情報の提供を求めるものとす る。 (3)一般送配電事業者又は配電事業者は、上記(2)の求めがある場合、正当な理由 がない限り、速やかに、その求めに応じなければならない。 ( 別 紙 2 ) 通電情報 30 分電力量(供給/受電)、月間電力量(供給/受電)、次回検 針日、通電情報、需要家特定 ID、データ種別、供給/受電地点 特定番号、氏名、郵便番号、住所、契約電力、契約受電電力、引 込位置情報、計器 ID、建物分類、電圧分類、電気方式、業務用 /産業用、託送契約有無、受給契約有無、発電設備種別、発電設 備容量、供給側新設日、供給側全廃日、供給側再新日、供給側全 撤日、受電側新設日、受電側廃止日、受電側開始日、受電側全撤 日、データ作成日、データ作成時刻、電話番号。

資料9

資料7 電力分野におけるサイバーセキュリティ について 2025年3月31日 資源エネルギー庁 電力分野におけるサイバーセキュリティについて ⚫ 電力システムは、経済安全保障の確保のために重要な基盤。電力システム改革に伴い、 多種多様なプレーヤーが参入し、電力産業自体が大きな広がりを見せる中でも、電力の 安定供給確保のためにはサイバーセキュリティの確保が必要不可欠。 ⚫ 業界大での取組を進めるためのプラットフォームとして、産業サイバーセキュリティ研 究会の下に設置した電力SWGにおいて、有識者や事業者、電力ISAC等の関係機関と、 電力分野のサイバーセキュリティを取り巻く状況について共有し、必要な対策について 具体的な取組の整理・検討を行っている。 ⚫ 第73回電力・ガス基本政策小委員会(2024年4月17日)において報告した、2024年度 の電力分野のサイバーセキュリティの取組の方向性に沿って今年度の取組を進めており、 電力SWGにおいて取組の整理・今後の方向性の検討等が行われており、その内容につい て報告するとともに、御意見を伺いたい。 1. サプライチェーン・リスクに対するサイバーセキュリティの確保について 2. 分散型電源のサイバーセキュリティ対策について 3. 電力システムにおけるサイバーセキュリティリスク点検ツールについて 2 (参考)第73回電ガ小委(2024年4月17日)で報告した取組の方向性 1.電力制御システムにおけるサプライチェーン・リスクに対する対応について ⚫ 「電力制御システムのサプライチェーン・セキュリティ向上策に関する提言」を踏まえた形で、今年度、日本電気協会 において、電力制御システムセキュリティガイドラインの改定の作業が進められる予定であり、電力SWGにおいて、 提言を踏まえた形で進められているか、その状況をフォローしていく。 ⚫ また、電気事業者がこの改訂された内容を実装していくことを促進するために必要となる対応を電力SWGにおいて 検討していく。 2.アグリゲーター及び分散型エネルギー源(DER)のセキュリティ対策について ⚫ 第16回電力SWGの議論も踏まえた形で、DERにおけるサイバーセキュリティ・リスクへの対応等について強化する ため、今年度、 「ERABに関するサイバーセキュリティガイドライン」の改定に着手する。また、ガイドラインに基づき、 アグリゲーター等が詳細対策要件の策定が進められるよう、参考となる考え方の整理や、ERABに参画する事業者 が相談できる体制の整備等について、ビジネス環境を考慮しつつ、業界団体等と検討を開始する。 ⚫ DERの活用とセキュリティ対策について、IECにおいて進められているERABの基本システムの標準化の取組を踏ま えつつ、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)と連携して日ASEAN大での普及策等の検討に取り組ん でいく。 3.電力システムにおけるサイバーセキュリティリスク点検ツールについて ⚫ 第16回電力SWG において整理したとおり、2024年度から主に広域機関の会員企業に任意で活用されることに なる。広域機関の会員企業における活用を促進するため、業界団体等とも連携して、電気事業者による活用を 促すための周知を行う。 ⚫ 点検結果等について、広域機関とも連携して、今年度の電力SWGへ報告するとともに、事業者・アグリゲーターの ヒアリングも行いながらインセンティブや支援の検討を行う。 3 (参考)電力SWGの位置づけ ⚫ 産業サイバーセキュリティ研究会のワーキンググループ1(制度・技術・標準化)の下、電力 SWG(サブワーキンググループ)にて、電力分野のサイバーセキュリティ対策について、検討・ 議論を行っている。(24年度は、10月と2月の計2回開催) 産業サイバーセキュリティ研究会 WG1 制度・技術・標準化 標準モデル Industry by Industryで検討 (分野ごとに検討するSWGを設置) (エレベーター、 ビル エネルギー管理等) 電力 防衛産業 自動車産業 スマートホーム [2018年6月~(18回開催)] <委員名簿(敬称略・五十音順・2025年2月時点)> 稲垣 隆一 稲垣隆一法律事務所 弁護士 内田 忠 電力ISAC 代表理事 江崎 浩 東京大学大学院 情報工学研究科教授 大崎 人士 産業技術総合研究所 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター インフラ防護セキュリティ研究チーム長 高橋 俊晴 電気事業連合会 情報通信部長 奥村 智之 日本電気協会 技術部長 小野崎 勝徳 東京電力ホールディングス㈱ セキュリティ統括室長 門林 雄基 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科教授 佐々木 勇人 JPCERT/CC 政策担当部長 兼 早期警戒グループマネージャ 新 誠一 電気通信大学 名誉教授 高倉 弘喜 国立情報学研究所 ストラテジックサイバーレジリンス研究開発セン ター長 高見 穣 情報処理推進機構 セキュリティセンター リスクマネジメント部 制御システムグループ グループリーダー 手塚 悟 慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート 特任教授 新田 哲 JFEスチール㈱ 専務執行役員 渡辺 研司 名古屋工業大学大学院 社会工学専攻教授 4 (参考)電力分野におけるサイバーセキュリティの確保の取組 ⚫ デジタル技術の活用が進むことに伴い、電力分野におけるサイバーセキュリティリスクも拡大。 ⚫ このため、国内においても、規制やガイドラインにより、求められるセキュリティ対策事項は整理 されつつある。他方、サイバー脅威が日々進化・巧妙化している状況を踏まえると、現状の対策で 十分ということは決してなく、電力システムにおけるサイバーセキュリティ対策の継続的な改善・ 高度化が必要。 エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業 (電力分野のサイバーセ <電力システムのサイバーセキュリティ関するガイドライン等の適用範囲> 令和4年度 キュリティ対策のあり方に関する詳細調査分析)報告書(2023年2月28日) より一部抜粋 ※実線は義務、点線は推奨として位置づけられているガイドライン等を意味する。なお、 本図は各ガイドライン等の対象を 明確化するために作成したものであり、実際の電力システムを精緻に整理したものではない。 5 (参考)電力制御システムに対する取組(ガイドライン等) 名称 主な対象 発行主体 概要 電制GL 電力制御システムセキュリティガ イドライン 電気事業の用に供する 電気工作物 日本電気協会 電気事業法、電気設備に関する技術基準を定める省令及び その解釈に基づき、電気事業の用に供する電気工作物に対し ては、本ガイドラインに基づく対策が求められる。 スマメGL スマートメーターシステムセキュリ ティガイドライン スマートメーターシステム 日本電気協会 電気事業法、電気設備に関する技術基準を定める省令及び その解釈に基づき、スマートメーターシステムに対しては、本ガイ ドラインに基づく対策が求められる。 系統連系技術要件 系統連系する発電設 備 各一般送配電 事業者 系統連系する発電設備にすべからく求められる対策。具体的 には、ネットワーク接続点の保護、マルウェア対策、系統運用者 に対するセキュリティ管理責任者の通知の3点が求められる。 出力制御機能付PCSの 技術仕様 出力制御機能付PCS JPEA・JEMA・ 電事連 出力制御機能付PCSにおいて満たすべきサイバーセキュリティ 対策の要件を示した技術仕様。 自家用電気工作物に係るサイ バーセキュリティの確保に関する ガイドライン(内規) 自家用電気工作物 (発電設備と需要設 備の両方を含む) 経済産業省 自家用電気工作物(発電設備と需要設備の両方を含む) に求められるサイバーセキュリティ対策事項を記載したガイドライ ン。 小売GL 小売電気事業者のためのサイ バーセキュリティ対策ガイドライン 小売電気事業者 資源エネルギー 庁 小売電気事業者が主体的に取り組むことが求められるサイバー セキュリティ対策に関して記載したガイドライン。 ERAB GL ERABに関するサイバーセキュリ ティガイドライン Ver2.0 ERABに関する 事業者 経済産業省・ IPA ERAB のサービスレベルを維持するために ERAB に参画する 各事業者が実施すべき最低限のセキュリティ対策の要求事項 を示したガイドライン。 特定卸供給に係るサイバーセ キュリティ確保の指針 特定卸供給事業に関 するシステム 資源エネルギー 庁 特定卸供給事業を実施する上で確保すべきサイバーセキュリ ティとその対策の内容を示すことを目的とした指針で、特定卸 供給事業の届出の際に、本指針に基づく対策実施状況を記 載する必要がある。 系統連系 技術要件 PCS 技術仕様 自家用GL 特定 卸供給の指針 6 1.サプライチェーン・リスクに対するサイバーセキュリティの確保について ⚫ 重要インフラ全体でサプライチェーン・リスクが高まりつつある。 ⚫ 昨年度の電力SWGの議論を踏まえ、「電力制御システムのサプライチェーン・セキュリ ティ向上策に関する提言」を公表した。この提言内容を踏まえ、「電力制御システムセ キュリティガイドライン」の見直しが進められており、サプライチェーン・リスクへの 対応に関する事項が追加される見込みである。 ⚫ 一方で、「電力制御システムセキュリティガイドライン」に記載される内容は対応の要 求事項であり、具体的な対策については、各事業者が検討し、実施していくことになる。 ⚫ 中小規模の事業者をはじめとして、多くの事業者がサプライチェーン・リスクに対する 対策に課題を抱えているところ、電力SWGでは、事業者の対応を促進するために具体的 な対策手順等を整理することが有効であることが議論された。 ⚫ 電力SWGの議論を踏まえ、電気事業者に求められるサプライチェーン・リスク対策の取 組を支援するために、具体的な対策手順を示した「電力制御システムに関するサプライ チェーン・セキュリティ対策の手引き」を、事業者に対するヒアリング等を通じて作成 した。 7 サプライチェーン・リスクへの対策に関する手引き作成の目的 (出所)第18回電力SWG 資料5-1を一部修正 ⚫ 「電力制御システムセキュリティガイドライン」の記載内容は事業者に対する要求事項であり、対 策の実施に向けた具体的な取組等は含まれない。 ⚫ 中小規模の事業者をはじめ、多くの事業者がサプライチェーン・リスクに対する対策に課題を抱え ているところ、「電力制御システムセキュリティガイドライン」の事項への対応を促進するには、 具体的な対策手順等を示すことが効果的である。 ⚫ 電力SWGの議論やヒアリング結果を踏まえ、サプライチェーン・リスクに対する事業者の対応を 支援する具体的な対策事項等を示した手引き文書を作成した。 サプライチェーン・リスクへの対策に関する手引き文書のイメージ 事業者に求められるサプライチェーン・セキュリティ対策 1. サプライ チェーン・リス ク管理 • 電力制御システム等に関連する委託先等の役割と責任範囲を明確化 • 電力制御システム等のサプライチェーンの依存関係及び委託先等のセ キュリティ対策状況の把握 • リスク分析手法の選択 • 資源エネルギー庁「電力システムにおけるサイバーセキュリティ対策状 況可視化ツール」等の活用 それぞれの事項に対して、 対策の実施に当たっての手引と、 2. セキュリティ 仕様の確認 3. 機器の管理 • 電力制御システム等の調達時にセキュリティ仕様を発注仕様書等におい て明確にする • 電力制御システム等がセキュリティ仕様通りに設計、製造されているこ とを確認する • セキュリティに影響を与える可能性がある変更を適切に管理する • 電力制御システム等に関わる機器を、システムライフサイクル(運用・ 保守段階だけでなく、廃止段階も含む)を通じて管理し、保護する 対策のプラクティスを整理 8 手引き文書で想定する「サプライチェーン・リスク」 (出所)第18回電力SWG 資料5-1 ⚫ 手引きでは、NISCの定義を参照し、電気事業者へ電力制御システムが納入されるまで の開発や製造に関する一連の工程に加え、調達・運用・保守・廃棄を含むシステムライ フサイクル全般のサプライチェーンにおけるサイバーセキュリティ上のリスクを「サプ ライチェーン・リスク」と位置付けている。 電力制御システムに想定されるサプライチェーン・リスクの例 クラウドサービス 事業者 不正な改造 部品サプライ ヤー 部品サプライ ヤー 部品サプライ ヤー ︙ 製品サプライ ヤー 不正な 改造 製品サプライ ヤー ︙ 不正プ ログラ ムの埋 め込み ソフトウェア サプライヤー インテグレー ター 不正な 改造 クラウドへの 接続途絶 廃棄委託 事業者 電気事業者 機密情報の窃 取 再委託先 (SIer等) 電力制御システム 機密情報 の窃取 グループ組織を介 したサイバー攻撃 再々委託先 運用・保守委託 事業者 グループ組織 ︙ 脆弱性の 混入 ︙ サービスの供給 途絶 機密情報 の窃取 ︙ 機密情報の窃取、 運用・保守管理 の不備 ︙ 開発・製造 調達 運用・保守 ※ 「リスク」とは、脅威と脆弱性の合致により損失が発生する可能性、また、その損失をいう。 出所)NISC、外部委託等における情報セキュリティ上のサプライチェーン・リスク対応のための仕様書策定手引書等に基づき作成 https://www.nisc.go.jp/pdf/policy/general/risktaiou28.pdf 廃棄 9 手引き文書の位置付け (出所)第18回電力SWG 資料5-1 ⚫ 手引きは、「電力制御システムのサプライチェーン・セキュリティ向上策に関する提 言」で明記されたサプライチェーン対策に関連する事項について、事業者における対策 の実施を支援・促進するための文書であり、それ自体において新たな要求事項を示した ものではない。 手引き文書の位置付け 経済安全保障推進法 特定妨害行為の防止による 特定社会基盤役務の安定的 な提供の確保に関する制度 電気事業法 技術基準においてサイバーセ キュリティの確保を規定し、そ の解釈においてガイドラインを 位置付け 電力制御システムの サプライチェーン・ セキュリティ向上策に 関する提言 サプライチェーン対策に 関連する事項 提言を踏まえ、 見直し 電力制御システム セキュリティ ガイドライン 実効性ある対応を進めるために、 手引き文書の策定を提言 サプライチェーン対策に 関連する事項について、 対策の実施に当たっての手 引きや対策のプラクティス を記載 制度の要求事項への対応に当 たっての参考情報を記載 電力制御システムに関 する サプライチェーン・ セキュリティ対策の 手引き (本文書) 10 手引き文書の主な対象読者・活用方法 (出所)第18回電力SWG 資料5-1 ⚫ 手引きは、電力制御システムを運用する電気事業者のほか、電力制御システムに関する 「委託先等」を主な対象読者とし、関係部門において、以下の内容での活用を期待する。 経営層、 セキュリティ 管理責任者 サプライ チェーン・ リスクに 関して 求められる 役割 期待される 本文書の 活用方法 サプライチェーン 関連部門 (調達管理部門等) セキュリティ 関連部門 ⚫ サプライチェーン・リスク管理に 関する責任 ⚫ サプライチェーン・リスク管理方 針の策定・承認 ⚫ サプライチェーン・リスク管理体 制の構築、リソースの確保 ⚫ サプライチェーン・リスク対策に 対する意識醸成 ⚫ 継続的な確認・改善 ⚫ サプライチェーンの管理 ⚫ サプライチェーン・リスク管理計 画の策定 ⚫ サプライチェーン・リスク対策に 関する要求事項の検討・策定 ⚫ 委託先等の選定・評価 ⚫ 委託先等の管理、委託先等との連 携 ⚫ 委託先等のセキュリティ対策状況 の把握 ⚫ サプライチェーン・リスク評価 ⚫ サプライチェーン・リスク対策に 関する要求事項の検討・策定 ⚫ セキュリティ対策の実装 ⚫ 脆弱性管理、変更管理 ⚫ インシデント発生時の対応 ⚫ サプライチェーン・リスク対策に 関する教育 ⚫ セキュリティ対策の評価・改善 ⚫ 電力制御システムに求められるサ プライチェーン・リスク対策の理 解のために活用する。 ⚫ 管理方針の策定に向けた指針とし て活用する。 ⚫ リソース配分の際の参考資料とし て活用する。 ⚫ 従業員及び委託先等への教育・啓 発の際に活用する。 ⚫ 定期的なリスク評価及び改善の指 針として活用する。 ⚫ 電力制御システムに求められるサ プライチェーン・リスク対策の理 解のために活用する。 ⚫ リスク管理計画の策定のために活 用する。 ⚫ サプライチェーン・リスク対策の 検討・策定のために活用する。 ⚫ サプライチェーン・リスク対策を 考慮した委託先等の選定・評価の ために活用する。 ⚫ 委託先等の管理・把握や委託先等 との連携時に活用する。 ⚫ 電力制御システムに求められるサ プライチェーン・リスク対策の理 解のために活用する。 ⚫ サプライチェーン・リスク評価の ために活用する。 ⚫ サプライチェーン・リスク対策の 検討・策定・実装のために活用す る。 ⚫ 脆弱性管理や変更管理のために活 用する。 ⚫ 従業員及び委託先等への教育・啓 発の際に活用する。 11 (参考)3つの対策項目における対応フロー (出所)第18回電力SWG 資料5-1 ⚫ 手引きでは、「電力制御システムのサプライチェーン・セキュリティ向上策に関する提 言」に記載された3つの対策項目について、想定される対応フローを示しつつ、各プロ セスにおいて、具体的な対策の手引きや対策に関するグッドプラクティスを提供する。 1. サプライ チェーン・ リスク管理 サプライ チェーン・リ スク管理計画 の策定 発注先・委託 先に求めるセ キュリティ対 策の明確化 発注先・委託 先候補のセ キュリティ対 策状況の確認 及び契約 電力制御シス テムのリスト 化 セキュリティ 対策状況の定 期的な確認 サプライ チェーン・リ スク管理計画 の改善 各電力制御システムの委託・発注時における対応フロー 2. セキュリ ティ仕様の 確認 委託先等に対 するセキュリ ティ仕様の策 定 セキュリティ 仕様に準拠し ていることの 確認 セキュリティ に影響を与え る可能性があ る変更の管理 3. 機器の適 切な管理 保有する機器 の運用・管理 方法の整備 運用・管理状 況の定期的な 確認 機器の利用終 了・廃棄 12 手引き・プラクティスの例 (出所)第18回電力SWG 資料5-1 ⚫ 手引き文書では、電力SWGの議論やヒアリング結果を踏まえ、3つの対策項目のプロ セスごとに、対策の手引きや対策に関するグッドプラクティスを示している。 1. サプライ チェーン・ リスク管理 組織全体のサ プライチェー ン・リスク管 理計画の策定 発注先・委託 先に求めるセ キュリティ対 策の明確化 発注先・委託 先候補のセ キュリティ対 策状況の確認 及び契約 電力制御シス テムのリスト 化 セキュリティ 対策状況の定 期的な確認 組織全体のサ プライチェー ン・リスク管 理計画の改善 各電力制御システムの委託・発注時における対応フロー 対策実施に関する手引き 対策のグッドプラクティス ⚫ まず、電力制御システム等のサプライチェーン・リスクを管理する ための自組織内の計画を策定する。サプライチェーン・リスクに限 定されないリスク管理計画がすでに存在する場合、当該計画に含め る形で策定することが効果的である。サプライチェーン・リスク管 理計画には以下の事項を含めることが想定される。 ✓ サプライチェーン・リスク管理のための対応事項 ✓ 対応事項を担当する部署の方針 ✓ セキュリティ対策に関する組織全体の発注先・委託先の選定 基準 ⚫ 組織全体のセキュリティ規定の一部に、電力制御システムのサプライ チェーン・リスク管理計画を含めることで、組織全体のセキュリティ の取組に整合したサプライチェーン・リスク管理計画を策定する。 ⚫ 「セキュリティ対策に関する組織全体の発注先・委託先の選定基 準」として設けるべき選定基準の例としては、以下が挙げられる。 ✓ 組織の管理方針に基づき、セキュリティ対策に関する管理体 制を構築及び文書化し、定期的に改善していること ✓ インシデント発生時の連絡体制を構築していること ✓ 業務の再委託を制限すること ✓ 従業員に対して、セキュリティ対策に関する教育や研修を定 期的に実施していること ⚫ 自組織のサプライチェーン・リスクへの対応状況を確認した上で、サ プライチェーン・リスク管理のための対応事項を整備する。 … 組織全体の セキュリティ規定 サプライ チェーン・ リスク管理計画 ✓ サプライチェーン・リスク管理のた めの対応事項 ✓ 対応事項を担当する部署の方針 ✓ セキュリティ対策に関する組織全体 の発注先・委託先の選定基準 など … 13 2.分散型電源のサイバーセキュリティ対策について ⚫ 電力SWGでは、分散型電源の中でも普及が進みつつある一方で具体的な懸念が指摘さ れている点等を考慮し、小規模太陽光発電設備※を主なスコープの対象として取り上げ、 脅威や対策の状況を整理するとともに、想定されるリスクに対してどのような方策が考 えられるか検討した。 ⚫ 現行の系統連系技術要件においてもサイバーセキュリティの対策が求められているが、 具体的な対策は明らかにされておらず、適切な対策が取られていない事業者もいると考 えられる。一方で、小規模太陽光発電設備設置者の規模やそのセキュリティ対策能力を 考慮したとき、設置者に対してのみに厳格な対策を求めることは困難と考えられる。 ⚫ 具体的な方策の検討として、PCSやそのメーカーにおいて、小規模太陽光発電の制御設 備(PCS)において適切な対策を講じ、適切な対策が講じられている設備の利用を進め るために、共通的な物差しでIoT製品のセキュリティ機能を評価・可視化することを目 的とした「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR制度)」と連携 することについて整理を行った。 ⚫ 関連する取組として、小規模太陽光発電の制御装置も含む分散型電源について、それを 管理するアグリゲーターが行うセキュリティ対策の強化として、今年度、ERABサイ バーセキュリティガイドラインの改定が進められている。 ⚫ また、今年度、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)において、ASEANにお ける分散型電源の普及促進とサイバーセキュリティの確保に向けたプロジェクトが実施 されており、日本のERABの仕組みを国際的に普及させ、アグリゲーターなどが海外展 開しやすい環境づくりを進めている。 ※ 電気事業法上、サイバーセキュリティ確保に特化した明確な技術基準適合義務が規定されていない50kW未満の太陽電池発電設備 (一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物に該当する太陽光発電設備)を指す。 14 小規模太陽光発電設備における サイバーセキュリティ対策向上の方策について (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 小規模太陽光発電設備の設備設置者に対してのみに厳格なセキュリティ対策を求めることは、設 置者の過度な負担につながることが懸念される。これを避けるため、設置者自身に高度なセキュ リティ対策を求める代わりに、少なくともJC-STAR制度のラベル取得がされているPCSを使用し た小規模太陽光発電設備の利用を求めることで、小規模太陽光発電設備のサイバーセキュリティ の向上を進めることが考えられる。 ⚫ 具体的には、現在の小規模太陽光発電設備にかかる制度等を踏まえれば、系統連系手続きにおけ るサイバーセキュリティ対策の確認として、JC-STARのラベル取得がされている製品を利用して いることを確認することが考えられる。JC-STAR★1は、2025年3月下旬から制度開始される予 定であり、その普及状況を踏まえつつ、系統連系手続きにおけるサイバーセキュリティ対策の確 認としての活用について、官民で連携して検討を進めてはどうか。 ⚫ 一方で、JC-STAR★1適合基準は、IoT製品全般に対する統一的な最低限の基準であり、太陽光発 電設備に想定される脅威に対して求められる対策を全て包含しているわけではなく、また、一部 のPCSではそもそも★1基準の一部項目に関する機能を有していない製品があることも確認されて いることから、今後、分散型電源固有の脅威や特性、PCSに必要な機能を考慮したPCS独自の★2 以上の適合基準の整備についても検討を進めていくこととしてはどうか。 ⚫ また、サイバーセキュリティ対策としては、JC-STAR制度によらない対策によりサイバーセキュ リティを確保することは否定されるものではなく、むしろ、JC-STARのラベル取得に加えて、例 えば、小規模太陽光発電の制御に利用する通信等にセキュリティが確保されたサービス※を利用 するなどの対策を行うことは推奨されるべきである。 ⚫ 小規模太陽光発電設備のセキュリティ確保に向けた考え方の整理に当たっては、こうした点やJCSTARのラベル取得に関するメーカーに生じる負担、JC-STAR制度の普及の状況についても考慮し つつ検討を進める必要がある。 ※例えば、閉域網を活用し、不正アクセスや高付加攻撃への対策を講じたソリューションの導入等が想定される。 15 分散型電源に関する脅威事例 (出所)第83回電力・ガス基本政策小委員会 (2024年11月20日)資料6を一部修正 ⚫ 2024年5月、太陽光発電設備向け遠隔監視機器の約800台がサイバー攻撃を受け、イン ターネットバンキングの不正送金に悪用された。 ⚫ 遠隔監視機器の脆弱性が攻撃に悪用された。攻撃された機器メーカーは、対象機器は出 力制御機能を有さないため、系統への影響はないとしている。 ⚫ 同脆弱性は以前から報告されており、複数の攻撃実証コード(PoCコード)も公開され ていた。 太陽光発電施設向け遠隔監視機器に関連する一連のサイバー攻撃のイメージ 遠隔監視機器の脆弱性を悪用し て不正アクセス 機器上にバック ドアを設置 ①遠隔監視機器へ の不正アクセス ②バックドアの設置 ③不正送金の 踏み台として悪用 遠隔監視機器 ※ 出力制御機能なし 攻撃者 太陽光発電設備 ③不正送金 インターネット バンキング 設置したバックドアを用いて 機器を遠隔で操作し、イン ターネットバンキングへの不 正送金の踏み台として悪用 16 小規模太陽光発電設備の基本構成図(モデルシステム図) (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 小規模太陽光発電設備に対するサイバーセキュリティ上の脅威を分析するためのモデル システム図を作成した。 ⚫ 複数台に対する同時多発的な脅威を考慮するために、複数の種別・地点の太陽光発電設 備を考慮できる構成とした。 電力会社(一般送配電事業者) 監視サービスプロバイダー等 データサーバー, Webサーバー等 インターネット、 モバイル回線等 ルーター, FW, IDS/IPS, VPN等 ルーター, FW, IDS/IPS, VPN等 地点1の太陽光発電設備 (野立ての太陽光発電) 確認端末※3 ルーター, FW, VPN等 電力サーバー等 地点nの太陽光発電設備 (住宅用太陽光発電) 監視カメラ等 ルーター, GW等 IoT家電等 PCS 蓄電池システム ・・・・・・ 接続端末・ 外部記憶媒体等 小規模太陽光 発電パネル PCS※1 小規模太陽光 発電パネル 遠隔監視用装置※2 小規模太陽光 発電パネル リモコン・パネル等 小規模太陽光 発電パネル ※1 PCSは、電力会社または配信事業者が提示する出力制御スケジュール情報を取得し、そのスケジュールに応じて発電出力を制御する機能を有するPCS(いわゆる「広義PCS」)を指す。 ※2 PCSに対して別途接続される遠隔監視用装置を対象とするが、遠隔監視と出力制御の両方が一体化したPCSも販売されている。 ※3 監視サービスにアクセスして発電状況等を確認する端末を指す。 17 (参考)電気事業法における太陽光発電設備の区分 (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 太陽光発電設備の出力規模や電圧の種別によって、必要となる手続きが異なる。 ⚫ 「電気設備に関する技術基準を定める省令」において、事業用電気工作物においては、サイバー セキュリティの確保が義務付けられているが、50kW未満の小規模太陽光発電設備(一般用及び 小規模事業用)については、電気事業法上、サイバーセキュリティの確保に特化した明確な技術 基準の規定までは無い(※)。 ⚫ 一般送配電事業者が定める系統連系技術要件では、設備規模に依らず、系統に連系する発電設備 においてはすべからくサイバーセキュリティ対策が求められる。 電気事業法上の位置づけ 太陽光発電の 発電出力 発電事業 届出 サイバーセキュリティの確 保に特化した明確な技術基 準の規定の有無 技術基準の解釈に 位置づけられている ガイドライン 一般用電気工作物 10kW未満 (※1) 不要 無し(※) ー 有り 10kW以上 50kW未満 不要 無し(※) ー 有り 有り 自家用電気工作物に係るサイ バーセキュリティの確保に関す るガイドライン 有り 小規模事業用電 気工作物 事 業 用 電 気 工 作 物 系統連系技術要件に 基づくセキュリティ 対策の義務の有無 電気工作物の区分 自家用 電気工作物 電気事業の 用に供する 電気工作物 50kW以上 2,000kW未満 2,000kW 以上 発電事業の 要件を満たす設備 (※3)であって、合 計出力200万kWを 超えるもの 不要 (※3の場合は届出) 不要 ※発電事業者の自家用電気工作物については、 電力制御システムセキュリティガイドライン (※3の場合は届出) 届出 有り 電力制御システム セキュリティガイドライン 有り ※1.低圧連系の10kW未満、もしくは独立型システムの10kW未満が該当する。 ※2.外部委託は、出力5,000kW未満かつ電圧7,000V以下で連系等をする事業場のみ。 ※3.①出力が1,000kW以上、②託送契約上の同時最大受電電力が5割超、③年間の逆潮流量(電力量)が5割超の3つのいずれの条件にも該当する発電等用電気工作物から、小売電気事業等の用に供する電力の合計が1万kWを超える もの。 ※4: 50kW未満の小規模太陽光発電設備(一般用及び小規模事業用)については、電気事業法上、サイバーセキュリティの確保に特化した明確な技術基準の規定までは無い。(もっとも、感電・火災のおそれがないように施設し なければならないといった技術基準への適合義務が規定されており、それにより全体として保安を確保している。) 出所)太陽光発電協会, 知っておきたい太陽光発電関連法規等を参考に作成 https://www.jpea.gr.jp/law/solarlaw/ 18 小規模太陽光発電設備に想定される脅威 (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 小規模太陽光発電設備のモデルシステム図に基づき、IPAの「制御システムセキュリ ティリスク分析ガイド Ver2.0」を参照して、想定される脅威の分析及びリスクの評価 (資産や系統等に対する攻撃の影響度及び脅威の発生可能性の評価)を行った。 ⚫ 分析の結果、ネットワーク機器やPCSに対する不正アクセス、不正操作、高負荷攻撃、 不正媒体・機器接続、サプライチェーン攻撃といった脅威においてリスク度合いが高く、 特に対策が必要であることが明らかとなった。 ⚫ 本検討では、系統連系申請時に情報提供が必要となるPCSを対象に、関係者の責任や対 策実装にかかる負担等を考慮した上で、講じるべき対策を示す。 資産 リスク度合いの高い脅威 太陽光の出力停止に至る攻撃シナリオの一例 PCS • • • • • 不正アクセス 不正操作 高負荷攻撃 不正媒体・機器接続 サプライチェーン攻撃 • PCSの脆弱性が悪用され、外部ネットワークから複数のPCSに対する不正アクセスが 実施される。外部ネットワークを介して不正な出力制御指令が送信されることで、複 数の太陽光発電設備における発電が停止する。 • PCSに対する高負荷攻撃が実施され、正規の出力制御指令が受信できなくなる。その 結果、本来抑制すべき発電が行われることとなり、系統に影響を及ぼす。 ネットワーク機器 (ルーター、GWな ど) • • • • • 不正アクセス 不正操作 高負荷攻撃 窃盗 サプライチェーン攻撃 • ネットワーク機器において電力会社からの出力制御指令が改ざんされることで、複数 の太陽光発電設備における発電が停止する。 小規模太陽光発電パネ ル • サプライチェーン攻撃 • 開発段階で、小規模太陽光パネルに不適切な停止機能が意図的に追加される。同時に 停止機能が作動することで、複数の太陽光発電設備における発電が停止する。 19 小規模太陽光発電設備の系統連系に関する制度・文書等 (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 小規模太陽光発電設備の系統連系に関する制度・文書等は複数存在する。 ⚫ サイバーセキュリティに関する要件は「出力制御機能付PCS等技術仕様書」及び「系統 連系技術要件(託送供給等約款別冊)」において規定されている。 <各一般送配電事業者> サイバーセキュリティに 関する要件の規定あり <経済産業省> 電気事業法 第28条の40第3号及び第 28条の45に基づき策定 出力制御機能付PCS等 技術仕様書 反映 出力制御機能付PCSの 技術仕様について 「系統連系協議依頼票」にて 技術仕様を満たしたPCSを記載 経済産業大臣の認可 託送供給等約款 第18条第1項に基づき策定 送配電等業務指針 <JPEA、JEMA、電事連> 指針第135条に 基づき公表 系統連系技術要件 (託送供給等約款別冊) サイバーセキュリティに 関する要件の規定あり <電力広域的運営推進機関> <JESC> 系統連系規程 (JEAC9701-2024) 「系統連系技術要件ガイドライン」 を通じて間接的に関係 JET認証を 説明 <JET> サイバーセキュリティに 関する試験項目はなし JET認証 (系統連系保護装置等認証) 参照 参照 法第39条第1項及び第56条 第1項の規定に基づき制定 電気設備に関する 技術基準を定める省令 電力品質確保に関 する考え方を整理 し、統一的な方針 を提示 技術的要件を満たすものと認められる 内容を具体的に示した告示 電力品質確保に係る 系統連系技術要件ガイドライン 電気設備の 技術基準の解釈 出所)内閣府, 第28回 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース 会議資料 https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/conference/energy/20231110/agenda.html を基に作成 電気用品安全法 保安の確保の観 点から扱うべき 一部事項を反映 経済産業省による制定 20 系統連系に関する制度・文書等におけるセキュリティ要件 (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 「出力制御機能付PCS等技術仕様書」では、通信のセキュリティ対策や通信仕様等に関する技術 仕様が規定されている。 ⚫ 「系統連系技術要件」では、外部ネットワークを介した脅威への対策に加え、マルウェア侵入防 止対策やセキュリティ管理責任者に関する対策も規定されている(下表においては低圧設備を対 象としたものの例を記載) 。 要件 系統連系技術要件※2 JET認証※1 出力制御機能付PCS等技術仕様書 × 電力サーバとのやりとりに個人情報等の重要情報を含めないこと × 出力制御スケジュールをバックアップ(ID認証により出力制御機能 付PCS等と電力サーバ間で相互に確認)すること × 出力制御機能付PCS等の外部遠隔操作を防止(外部からのセッショ ン開始禁止)すること × 通信を暗号化すること(SSL通信) マルウェア 侵入防止対策 × × マルウェアの侵入防止対策を講 じること セキュリティ 管理責任者の 設置 × × セキュリティ管理責任者の設置 をすること 通信のセキュ リティ 外部ネットワークや他ネット ワークを通じた、システムへの 影響を最小化するための対策を 講じること ※1 通信に関する試験項目は存在するが、セキュリティに関する内容を含んだ試験項目ではない。 ※2 自家用電気工作物、事業用電気工作物にあたる設備(高圧設備)は別途、「自家用電気工作物に係るサイバーセキュリティの確保に関するガイドライン」、「電力制御システムセキュリ ティガイドライン」に準拠した対策を講じる必要がある。 出所)JET, 系統連系保護装置等認証 https://www.jet.or.jp/products/protection/index.html, 東京電力PG, 系統連系技術要件 【託送供給等約款別冊】, https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/notification/pdf/keitou_renkei20230401.pdf, JPEA, JEMA, 電事連, 出力制御機能付PCS等技術仕様書 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/keito_wg/pdf/005_02_00.pdf に基づき作成 21 (参考)系統連系技術要件の概要 (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ 2020年10月より、一般送配電事業者が定める「託送供給等約款別冊(系統連系技術要 件)」にサイバーセキュリティに関する要件が規定された。 ⚫ 本規定により、電気事業の用に供しない小規模の発電設備を含め、系統に連系する発電 設備に対しては、一般送配電事業者に対する系統連系申請の際に、すべからくサイバー セキュリティ対策が求められている。 ⚫ 具体的な対策の内容として、サイバーインシデントの発生を防ぐ事前防御の観点と、イ ンシデント発生後の影響を最小化する事後対応の観点の両方から、3つの対策が求めら れている。各一般送配電事業者に対する系統連系申請に当たり、これら3つの対策が実 施できていることを確認する必要がある。 系統連系技術要件で求められる3つの対策 観点 サイバーイン シデントの発 生を防ぐ事前 防御 インシデント 発生時の影響 を最小化する 事後対応(早 期発見、迅速 な対処) 系統連系申請書におけるサイバーセキュリティ対策に関する確認項目例 (東京電力パワーグリッドの場合) 求められる対策 対策① ネットワーク接続点 の保護 対策② データの保存・転送 を行う機器・端末等のマル ウェア対策 ※赤枠についてもれなく入力を お願いいたします。 (低圧連系用 2021.4) 低圧配電線への系統連系技術協議依頼票 (低圧:再生可能エネルギー発電設備用) 東京電力パワーグリッド株式会社 御中 「自家発電設備等の低圧配電線路との連系に関する契約要綱」を承諾のうえ、2021年4月1日以降の太陽光発電設備(10kW以上)および風力発電設備の接 続契約申込の場合は無補償での出力制御および出力の抑制に必要な機器等の設置等を講ずることに同意し、次の発電設備と東京電力パワーグリッド株式会 社の電力供給設備を系統連系することを申込とともに協議を依頼します。 *:入力必須項目 発電者名義* 発 電 者 情 報 様 発電場所住所* 種別* 線式* 契約容量* 主契約種別・容量 計器No 工 事 店 情 報 電気工事店番号 電気工事店名* 様 ご担当者名* 様 連絡先* 連絡先 対策③ 連系先系統運用者に 対するセキュリティ管理責任 者の氏名及び緊急時連絡先の 通知 サ イ バ 以下の項目をご確認いただき,チェックをお願いいたします。 ※全数チェックが無い場合はお申込みを差戻しいたします。 ー セ 外部ネットワークや他ネットワークを通じた発電設備の制御に係るシステムへの影響を最小化するための対策を講じている。 キ ュ リ テ ィ 対 策 発電設備の制御に係るシステムには,マルウェアの侵入防止対策を講じている。 発電設備に関するセキュリティ管理責任者は,発電者情報と同一または,異なる場合は次の通り。 ※発電者と同一でない場合(氏名: 様 連絡先: 出所)東京電力パワーグリッド, 系統連系協議依頼票 https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/fit/workshop.html ) 22 (参考)JC-STAR制度の概要 ⚫ 2022年11月より検討会(※1)を開催し、2024年3~4月のパブコメを経て、8月に制度構 築方針、9月30日にIPAから「JC-STAR」という制度(※2)を発表。2025年3月下旬に最 低限の基準となる★1の申請受付を開始した。 ⚫ ラベル普及に向け政府調達等の要件等とすべく関係省庁と協議中。 ★2以上の適合基準 は、通信機器とネットワークカメラを対象に検討中。他の製品類型も順次整備していく。 ⚫ 米欧等の諸外国との制度調和を図るため議論中。 制度名称・ロゴ・ ラベル 対象製品の概要 セキュリティ要件適合評価 及びラベリング制度 JC-STAR (Labeling Scheme based on Japan Cyber-Security Technical Assessment Requirements) 制度の概要(イメージ) 技術要件の 評価方式 適合 基準 インター ネット 通信機器 高度 ★4 適合基準 ★4 ★3 適合基準 ★3 適合基準 ★3 ★2 適合基準 ★2 適合基準 ★2 【凡例】 インターネッ トプロトコル (IP) を使用する通 信 インター ネットに 接続可能な 製品 ルーター、 ネットワーク カメラ等 ※ ネットワークに 接続可能な製品 (IPを使用) ハブ・スイッチ、 産業用制御機器、 スマート家電、 センサ、コント OA製品、 ローラ等 PLC、DCS等 ネットワーク カメラ ★1 低度 国内外の一部の既存制度と同様に、利用者がソフトウェア製品等により容易 にセキュリティ対策を追加することができる汎用的なIT製品(パソコン、タ ブレット端末、スマートフォン等)は対象外とする。 (※1)経済産業省「ワーキンググループ3(IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会)」 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sangyo_cyber/wg_cybersecurity/iot_security/index.html (※2)IPA「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」 https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html スマート 家電 ・・・ ・・・ ・・・ 適合基準 ★2 統一的な最低限の適合基準 (★1) ・・・ 第三者 認証 自己適合 宣言 2025年3月に開始 23 求められるサイバーセキュリティ対策と、JC-STAR制度★1適合基準(※1) (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ JC-STAR★1適合基準は、現行制度で求められるサイバーセキュリティ対策要件、脅威に対して求 められる対策を概ね内包しているところ、JC-STAR★1のラベルを取得したPCSは、小規模太陽 光発電設備に対して想定される脅威に対し、一定の対策が実施されていると見なすことができる のではないか。 脅威に対抗するために★1で求める適合基準 ★1で考慮する主な脅威 IoT製品に対する適合基準 カテゴリ 1. ①弱い認証機能 により、 ②脆弱性の放置 により、 適合基準の概要 外部からの不正 (1)適切な認証に基づくアクセス制御 アクセスの対象 識別・認証、 (2)容易に推測可能なデフォルトパスワードの禁止 となり、マル アクセス制 (3)パスワード等の認証値の変更機能 ウェア感染や踏 御 (4)ネットワーク経由のユーザ認証に対する総当たり攻 み台となる攻撃 撃からの保護 等を受けること で、情報漏えい、 (6)ソフトウェアコンポーネントのアップデート機能 改ざん、機能異 脆弱性対策、 (7)容易かつ分かりやすいアップデート手順 常の発生につな ソフトウェ (8)アップデート前のソフトウェアの完全性の確認機能 がる脅威 ア更新 (10)ユーザが型式番号を認識可能とする記載・機能 ③未使用インタ フェースの有 効化により、 ①~③共通 インター フェイスへ の論理アク セス (13)不要かつリスクの高いインタフェースの無効化(物 理的・論理的な通信ポート等) IoT製品ベンダーに対する適合基準 カテゴリ 適合基準の概要 情報提供 (16)ユーザへのセキュアな利 用・廃棄方法に関する情報 提供(初期設定手順、セ キュリティ更新、サポート 期限、安全な廃棄手順等) 情報・問 い合わせ の受付、 情報提供 (5)連絡先・手続き等の脆弱性 開示ポリシーの公開 (9)セキュリティアップデート の優先度決定方針の文書化 ー ー データ保護 (11)製品に保存される守るべき情報の保護(保存データ の暗号化、匿名化等) ー ー 2. 機器の通信が盗聴され、守るべき 情報が漏えいする脅威 データ保護 (12)ネットワーク経由で伝送される守るべき情報の保護 (通信の暗号化、保護された通信環境の利用等) ー ー 3. 廃棄・転売等された機器から、守 るべき情報が漏えいする脅威 データ保護 情報提供 ※(16)に含む 4. ネットワーク切断や停電等の事象 が発生した際に、セキュリティ機 能に異常が発生する脅威 レジリエン ス向上 ー ー (15)製品内に保存される守るべき情報の削除機能 (14) 停電・ネットワーク停止等からの復旧時の認証情 報やソフトウェア設定の維持(初期状態に戻らない こと) 24 (※1) IPA「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR) > ★1(レベル1)適合基準・評価ガイド」 https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/tekigou-kizyun-guide/label1/index.html JC-STAR制度★1適合基準に関するヒアリング調査結果 (出所)第18回電力SWG 資料6-1 ⚫ PCSメーカー等に対するヒアリングを通じ、PCSメーカーにおけるJC-STAR制度★1適合基準の準 拠状況や課題に関して、以下の点が明らかとなった。 ✓ 現行製品に関して、JC-STAR制度★1の適合基準への準拠が可能なメーカーと、準拠困難なメーカーの双 方が存在 ✓ デフォルトパスワードや保存データ保護に関する適合基準への準拠が特に困難 ✓ 準拠困難なメーカーにおいて今後★1の適合基準へ準拠するためには、相当の対応コスト・対応期間が必要 JC-STAR制度との連携に関するヒアリング結果概要 区分 ヒアリング対 象 JC-STAR★1適合基準への 準拠 PCS PCSメーカーA 概ね満たしていると考え ているが、詳細確認中。 PCSメーカーB 現行販売している一部の 製品において、一部基準 の準拠は困難。 • 現状の製品ではデフォルトパスワードを使用しているほか、保存データの保護策は講じていない。 • 義務化された場合、準拠した製品の設計・開発・販売には3.5年~4年程度を要する可能性がある。 また、従業員数の少ないメーカーにおいては、特に影響が大きいおそれがある。 PCSメーカーC 概ね満たしている。 • データの削除機能のみ一部実装できていないが、難しい実装ではないため、特段のコストをかけ ず対応(★1取得)が可能。 PCSメーカーD 現行販売している製品に おいて、一部基準の準拠 は困難。 • 現状の製品ではデフォルトパスワードを使用しているほか、保存データの保護策は講じていない。 また、脆弱性スキャンも実施していない。 • ★1に対応する対策を製品に実装する場合、相当の対応コストが必要となる。 • 義務化された場合、準拠した製品の設計・開発・販売には2年以上を要する。 JC-STAR制度との連携に関する課題 ー 遠隔監視 装置 遠隔監視装置 メーカーA 問題なく準拠可能。 • ファームウェア更新によりセキュリティに影響を及ぼす場合、ラベルの再申請が必要となるため、 追加コストがかかる可能性がある。 業界団体 業界団体A 現行販売している製品に おいて、一部基準の準拠 は困難。 • ユーザ認証に関する対策が実施できていないほか、データの削除機能を実装していない製品が多 い。 • データ削除機能を追加実装するためには、1,000万円オーダのコストが必要となる。 25 (参考) ERABサイバーセキュリティガイドラインの改定点について (出所)第18回電力SWG 資料6-3を一部修正 ⚫ 単一の機器に複数の異なる仕様のプロトコルスタックを共存させる方法を用いて、複数の異なる 事業者(リソースアグリゲーター、機器メーカー等サードパーティ)が、同一のERAB制御対象のエ ネルギー機器との通信・制御を実施するユースケースを追加。 ⚫ 機器メーカー等サードパーティのコントローラーを経由して、直接または需要家側のルータ経由 でのERAB制御対象のエネルギー機器との通信・制御を実施するユースケースを追加。 ERABシステムの 追加箇所 ① 物理的なGWを介さないDRサービス これまでのガイドラインでは、機器を制御する際に物理 的なGWを介することを主に想定していた。このGWが クラウド上にある場合もしくは物理的なGWを介さない 場合の対応を記載。 ② 末端のIoT機器等の脆弱性に起因する脅威 インターネットに接続されるIoT製品の数が急速に増 加したことに伴い、IoT製品の脆弱性を狙ったサイバー 脅威も増加傾向にある。そこで、「IoT製品に対する セキュリティ適合性評価制度」を参考に記載。 ③ アグリゲーターが機器から取得する情報に起 因するリスク 機器の利用状況から、利用者の在・不在が推測でき る情報等、制御対象機器に関連する情報が多様化 したことによるセキュリティリスクが懸念されている。 本リスクを踏まえた対応を記載。 26 (参考)ERABセキュリティガイドライン改定の今後の進め方について (出所)第12回 次世代の分散型電力システム に関する検討会資料を一部修正 ⚫ パブリックコメントの提出意見を踏まえた変更点を加えた「エネルギー・リソース・アグリゲー ション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドラインVer3.0(案)(パブリックコメン ト後)」を改定版とし、公表することとする。 ⚫ なお、本ガイドラインの要件に関連するセキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JCSTAR)が、申請受付を開始していない状況であることから、当該制度の開始時期を勘案し、「エ ネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドライン Ver3.0」を公表することとする。 ⚫ また、セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)については、2025年3月下旬 より★1(レベル1)の申請受付が開始される予定であり、まだ、適合ラベルを取得したIoT製品 は、存在しない状況。 ⚫ 今後、JC-STAR制度が開始され、ERABシステムに関連する機器について、JC-STAR制度の適合 ラベルを取得した機器がある場合において、本ガイドラインの3.6.4.R4、3.6.5.R5、3.6.6.R6 の下記要求事項に準拠するためには、リソースアグリゲーターの制御対象にIoT製品を新たに導入 する場合、「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」が定める適合基準で ある★1(レベル1)以上※を満たす製品を選択することが求められる。 【要求事項】(3.6.4.R4、3.6.6.R6においては勧告、3.6.5.R5においては推奨) リソースアグリゲーターの制御対象にIoT製品を新たに導入する場合においては、 「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」が定める適合基準である★1 (レベル1)以上※を満たす製品を選択すること。 ※今後、製品類型ごとの特徴を考慮した★2(レベル2)以上の詳細要件が決定した場合においては、★2(レベル2)以上を満たす製品を選択することが望ましい。 27 (参考)東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)と連携した取組 ~日ASEANにおける分散型エネルギーシステムの普及とサイバーセキュリティの確保 ⚫ 2024年度から、ERIAにおいて、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)のイニシアティブに 基づくプロジェクトの一つとして、電力の脱炭素化に向けた分散型エネルギーシステム(DES) の普及とサイバーセキュリティの確保推進に向けたプロジェクトを実施中。 ⚫ 我が国からは、分散型電源の活用に向けた取組として、エネルギーリソースアグリゲーションビ ジネス(ERAB)推進に係る取組とともに、そのセキュリティ確保に向けたガイドライン(サイ バー・フィジカル・セキュリティフレームワークやERABセキュリティガイドライン)やIoTセ キュリティの取組(JC-STAR制度)、慶應義塾大学サイバー文明研究センター(CCRC)からは学 術的取組、またIEC(国際電気標準会議)からは関連国際規格の最新状況、ASEAN各国からは最 新研究状況が、ワークショップで紹介された。 ⚫ 2025年4月に、インドネシアにおいて日ASEANの産官学が参加するカンファレンスを開催する予 定であり、現在整理を進めている日ASEANの分散型電源の活用に関するサイバーセキュリティ確 保のコンセプトをまとめた文書等の公表を行う予定。 <2025年1月22日のワークショップの様子> <今年度の取組> ⚫ 2024年10月15日、ERIA事務所(インドネシア・ ジャカルタ)にて初回ワークショップを開催。 ⚫ 2025年1月20日、22日、ASEAN議長国であるマ レーシアにおいて、テストベッドの見学を含む専門 家議論と、ワークショップが開催された。 ⚫ 2025年4月頃にプロジェクトのまとめとして、イン ドネシアにて大規模カンファレンスを開催する予定 であり、日ASEANの分散型電源の活用に関するサイ バーセキュリティ確保の考え方について公表し、 ASEAN各国における分散型電源のセキュリティ確保 の取組につなげる。 28 (出所)https://www.eria.org/news-and-views/eria-and-ipv6-forum-malaysia-host-workshop-on-cybersecurity-for-energy---iot 3.電力システムにおけるサイバーセキュリティリスク点検ツールについて ⚫ 昨年度、電気事業者を主な対象として、過大なコストをかけずに簡易的にリスク点検が できるよう、「電力システムにおけるサイバーセキュリティリスク点検ガイド」及び 「電力システムにおけるサイバーセキュリティ対策状況可視化ツール」を開発し、 2024年3月に公表した。 ⚫ 今年度より、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が実施する電気事業者のセキュリ ティ自己診断の取組において、リスク点検ツールを活用した取組を実施している。 ⚫ 本取組を実施するにあたり、リスク点検ツールの使い方に関する説明会を開催した。 ⚫ 広域機関の取組と連携することで、リスク点検ツールに対する取組状況や点検結果等の 統計情報を把握し、当該情報を活用しつつ、電力分野における対策のあり方を検討して いく。 29 (参考)リスク点検項目の概要 (出所)第18回電力SWG 資料7 ⚫ リスク点検ツールの具体的なリスク点検項目について、国内外の事業者において広く活用され、電 事連が電力10社を対象に実施したリスク評価でも活用されたNISTのCybersecurity Framework ver1.1(NIST CSF)を参考に整理。 ⚫ NIST CSFでは、5つのセキュリティ機能(特定、防御、検知、対応、復旧)に対し、機能の詳細 を定めた23のカテゴリー、108のサブカテゴリーが定義されているため、本リスク点検ツールでは 108のサブカテゴリーをリスク点検項目として設定した。 機能 カテゴリー 特定(ID) ID.AM 資産管理 6 ID.BE ビジネス環境 5 ID.GV ガバナンス 4 ID.RA リスクアセスメント 6 ID.RM リスク管理戦略 3 ID.SC サプライチェーンリスクマ ネジメント 5 PR.AC アクセス制御 PR.AT 防御(PR) サブカテゴリー数 機能 カテゴリー 検知(DE) DE.AE 異常とイベント 5 DE.CM セキュリティの継続的なモ ニタリング 8 DE.CP 検知プロセス 5 RS.RP 対応計画 1 RS.CO 伝達 5 RS.AN 分析 5 7 RS.MI 低減 3 意識向上及びトレーニング 5 RS.IM 改善 2 PR.DS データセキュリティ 8 RC.RP 復旧計画 1 PR.IP 情報を保護するためのプロ セス及び手順 12 RC.IM 改善 2 伝達 保守 RC.CO 3 PR.MA 2 PR.PT 保護技術 5 対応(RS) 復旧(RC) サブカテゴリー数 NIST CSFの各サブカテゴリーを、リスク点検ツールにおけるリスク点検項目として設定 【サブカテゴリーに基づくリスク点検項目の例】 PR.PT-1:監査記録/ログ記録の対象が、ポリシーに従って決定され、文書化され、 実装され、その記録をレビューされている。(ログの取得を実施している。) 30 自己診断における回答内容について (出所)第18回電力SWG 資料7 ⚫ 今年度のセキュリティ自己診断では、リスク点検ツールのリスク点検項目のうち、過年 度の自己診断の対策カテゴリー※を参考に抽出した68項目のみの回答を依頼した。 ※サイバーセキュリティ経営ガイドラインをベースに設定したカテゴリー ⚫ 各リスク点検項目について、0~4の5段階で対策状況を回答いただいた。 対策カテゴリーとカテゴリーごとのリスク点検項目数 対策カテゴリー スコアの定義 リスク点検ツールに おける点検項目数 1:情報セキュリティリスクの認識、組織全体での対応方針の策定 3 2:情報セキュリティリスク管理体制の構築 2 3:情報セキュリティ対策のための資源(予算、人材等)確保 5 4:情報セキュリティリスクの把握とリスク対応に関する計画の策定 13 5:情報セキュリティリスクに対応するための仕組みの構築 24 6:情報セキュリティ対策におけるPDCAサイクルの実施 1 7:インシデント発生時の緊急対応体制の整備 10 8:情報共有活動への参加を通じた攻撃情報の入手とその有効活用及 び提供 1 9:電力広域的運営推進機関提供の情報システムを利用する際のクラ イアント証明書の管理について 2 10:クライアント証明書をインストールしたPCの管理について 2 11:広域機関システム、スイッチング支援システム、容量市場シス テムのユーザID,パスワードの管理について 2 12:需要者や発電設備設置者等の個人情報の管理について 3 スコア 定義 0 対策項目に対応していない 1 対策項目の一部対応している 2 対策項目に概ね対応している 3 対策項目に対応している 4 対策項目に対応したうえで、 見直しも行われている 31 (参考)広域機関の自己診断に関する取組との連携 (出所)第18回電力SWG 資料7 ⚫ 今年度より、広域機関のセキュリティ自己診断の取組において、リスク点検ツールを活 用している。 ⚫ 広域機関では、公開されたリスク点検ツールを参照する形式でリスク点検の実施を会員 企業に依頼し、会員企業は、エネ庁HPに掲載されたツールに基づきリスク点検を実施 し、実施結果を広域機関に提出する。 ⚫ 会員企業のリスク点検結果は、広域機関により個社が特定されないよう統計処理した上 で、資源エネルギー庁に共有いただいた。 リスク点検ツールの広域機関との連携スキーム 電力SWG 広域機関より共有されたデータを基に 電力分野におけるセキュリティ対策を検討 広域機関の結果の報告 資源エネルギー庁 提出されたリスク点検結果に関して 個社が特定されないよう統計処理したデータを共有 検討結果のフィードバック HPでのツールの公開、定期的なアップデート 広域機関 対策状況可視化ツール リスク点検 ガイド 特定(ID) 4.0 3.0 復旧(RC)2.0 防御(PR) 1.0 0.0 対応(RS) リスク点検ツールを活用した リスク点検実施の依頼 検知(DE) リスク点検ツールを活用したリス ク点検の実施・対策状況の可視化 点検実施済みの リスク点検ツールを 提出 会員企業への フィードバック 広域機関の会員電力会社 (一般送配電事業者、発電事業者、 アグリゲーター、小売電気事業者) 32 今後の取組の方向性 1.サプライチェーン・リスクに対するサイバーセキュリティの確保について ⚫ 電力SWGにて作成した「電力制御システムに関するサプライチェーン・セキュリティ対策の手引 き」について、「電力制御システムセキュリティガイドライン」の改定のタイミングに合わせて公 開する。中小規模の事業者をはじめとする幅広い事業者のサプライチェーン対策を支援する趣旨か ら、資源エネルギー庁のHPで公開し、事業者による活用を促進していく。 ⚫ 公開後は、電気事業者における手引き文書の積極的な活用を促すとともに、サプライチェーン・リ スクに関する状況等を踏まえて、定期的に手引き文書の内容を改善していく。 2.分散型電源のサイバーセキュリティ対策について ⚫ まずは、「電気設備に関する技術基準を定める省令」においてサイバーセキュリティの確保に関す る技術基準が求められていない小規模太陽光発電設備について、JC-STAR★1制度の普及状況を 踏まえつつ、系統連系手続きにおけるサイバーセキュリティ対策の確認としての活用について、官 民で連携して検討を進める。今後、小規模太陽光発電設備に限らない分散型電源においてJCSTAR★1制度を活用できないか併せて検討していく。 ⚫ さらに、分散型電源固有の脅威や特性、PCSに必要な機能を考慮したPCS独自の★2以上の適合基 準の整備についても併せて検討していく。 3.電力システムにおけるサイバーセキュリティリスク点検ツールについて ⚫ 今後も、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が実施する電気事業者のセキュリティ自己診断の取 組において、リスク点検ツールを活用した取組を継続し、電気事業者による活用促進を行う。 ⚫ 広域機関より共有された回答データを基に分析を実施し、明らかになった課題を踏まえ、今後、電 気事業者におけるサイバーセキュリティ対策のさらなる向上に向けて望まれる施策を検討していく。 33

資料10

電力システム改革の検証結果と今後の方向性(案) に対する意見募集の結果について 令和7年3月31日 資源エネルギー庁電力・ガス事業部 電力産業・市場室 電力基盤整備課 令和7年2月6日(木)~令和7年3月7日(金)にかけて、標記とりまとめ案に対 する意見募集を実施いたしましたところ、結果は下記のとおりとなりました。 ご協力をいただきましてありがとうございました。 なお、電力システム改革の検証結果と今後の方向性(案)の内容に関する御意見等で はなかったものについても、今後の参考とさせていただきます。 記 1.意見募集期間 令和7年2月6日(木)~令和7年3月7日(金)まで 2.実施方法 電子政府の総合窓口「e-Gov」における掲載 3.意見提出方法 電子政府の総合窓口「e-Gov」の意見提出フォーム、電子メール、郵送 4.意見募集結果 (1)211件(ご意見の概要及びご意見に対する考え方は別紙参照) 5.お問い合わせ先 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電話:03-3501-1748 政策課 電力産業・市場室 番号 寄せられたご意見の概要 1 気候変動・地球温暖化対策を進めるべきではない ご意見に対する考え方 気候変動対策は人類共通の待ったなしの課題であり、主要排出国を含む全ての国の取組が 重要です。 また、脱炭素に伴うエネルギー需給構造の転換を自国の経済成長に結びつけようとする動 きが世界で広がり、GXに向けた脱炭素投資の成否が企業・国家の競争力を左右する時代に 気候変動による温暖化対策や脱炭素、再エネ移行は改めるべき 突入する中、我が国としても、GXの取組を加速させることは、エネルギー安定供給につな がるとともに、我が国経済を再び成長軌道へと戻すためにも重要と考えています。 エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現のため、GXの取組を引き続き推進し ていきます。 2 エネルギー自給率を高めることにより、化石燃料への過度な依存から脱却し、国富の流出を防止すべき ロシアによるウクライナ侵略以降、我が国を取り巻くエネルギー情勢は一変しました。エ ネルギー分野におけるインフレーションが世界的に顕著となり、我が国においても電力需給 ひっ迫やエネルギー価格の高騰が生じるなど、石油危機以来のエネルギー危機が危惧される 状況となりました。翌年には、中東地域における軍事的緊張が高まり、化石燃料の調達に関 する不確実性が上昇するなど、我が国が抱えるエネルギー需給構造上の課題が改めて浮き彫 りとなりました。 こうした課題は我が国の貿易収支にも大きな影響を与えています。2023年には、自動 車、半導体製造装置などの輸出で得た金額の大宗を、原油や天然ガスなどの鉱物性燃料の輸 火力発電は安いイメージと裏腹に化石燃料の輸入のために年間約30兆円という巨額のお金が海外に流出している エネルギー安全保障の観点からも再エネを増やすことでエネルギー自給率を高めた方が良い 山林を切り崩してメガソーラーをつくらなくても地域の人々と共生するかたちで再エネを増やしていける 入に充てており、その総額は約26兆円にまで達しました。 エネルギーは国民生活や経済活動の基盤となるものであり、エネルギー安定供給が損なわ れることは決してあってはなりません。 すぐに使える資源に乏しく、国土を山と深い海に囲まれるなどの地理的制約を抱えている という我が国の固有事情を踏まえれば、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点から、 再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度 に依存しないようバランスの取れた電源構成を目指していきます。 その上で、徹底した省エネルギーに加え、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安 全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することにより、化石エネルギーへの 過度な依存から脱却し、エネルギー自給率の向上を目指していきます。 3 省エネを推進すべき 石油危機を契機として1979年に省エネ法が制定されて以降、我が国では、規制と支援 データセンターによって電力供給力を増加させるべきだと考えるべきではない。 を一体的に講ずることで、徹底した省エネルギーに向けた取組を一貫して推進してきました。 【意見】過去10年電力需要は減少していますから、今後も、省エネ推進策を第一に掲げてください。 こうした取組の成果もあり、我が国のエネルギー消費効率は1970年代の石油危機以降、 【理由】データセンター等の申込数と電力需要は必ずしも比例しないこと、人口減少、節電技術を加味すれば、電 官民の努力により4割改善し、世界的にも高い水準にあります。 我が国は、すぐに使える資源に乏しく、国土を山と深い海に囲まれるなどの地理的制約を 力需要の増加予測は外れると思うので。 人口減などで電力需要は減ると考えます。省エネを推進してください。 抱えており、エネルギー安定供給と脱炭素の両立に向けて、徹底した省エネを推進していく P.15「半導体工場やデータセンター需要の増加による 20 年ぶりの需要増加見通しに対応」 ことが今後も重要であると考えております。 《意見》近年電力需要は減少しており、今後も省エネ技術向上・普及、人口減など減少要因が見込まれるため、方 省エネに関する取組として、例えば 、足下において、DXやGXの進展による電力需要増 向性としてよりいっそう省エネを推進すべき。むしろ過大なエネルギーを使う事業は一定の規制や再生可能エネル 加が見込まれており、半導体の省エネ性能の向上、光電融合など最先端技術の開発・活用、 これによるデータセンターの効率改善を進めていきます。また、工場等での先端設備への更 ギー使用の義務付けするなど、温暖化対策を強化する必要があるのではないか。 新支援を行うとともに、高性能な窓・給湯器の普及など、住宅等の省エネ化を制度・支援の (案)では、「いかにエネルギーを供給するか」ということのみを問題にしているが、今私たち人間に必要なこ 両面から推進していきます。その他にも、トップランナー制度やベンチマーク制度等を継続 とは「いかにエネルギーを節約するか」ということである。実際日本は使用するエネルギーを減らすことで20世紀 的に見直しつつ、地域での省エネ支援体制を充実させていきます。 末の発展を遂げてきたのではなかったのか。原子力・石炭・石油・天然ガス、あるいは水力・風力・太陽光発 こうした取組を通じて、引き続き政府として省エネを更に推進してまいります。 電・地熱などの自然エネルギーなど、どんなエネルギー源を使うにしろ、人間と自然の破壊をもたらすことは明ら かだ。今やエネルギーの大量使用による資本主義経済の発展への志向は人間と自然に対する犯罪行為である。資源 エネルギー庁は「エネルギーの節約をどうやって進めていくのか」ということこそ検討すべきである。 中でも最も悪いのは原発の使用だ。福島事故を経験した日本は、原発を即刻止めなければならない。(案)に は一言も書いてはいないが、資源エネルギー庁は明らかに原発の利用をもくろんでいるように感じるのは私だけで はない。 その次は石炭だ。石油や天然ガスも含めた化石燃料の大量使用は、生物が30億年かけて作り上げてきた地球環境 の破壊行為に他ならない。 自然エネルギーも、環境に対する破壊作用という意味において、人間と自然にとってマイナスの作用をもたらすこ とが明らかになった。 最後にもう一つ、(案)で「電力の自由化」ということを盛んに吹聴しているが、化石燃料の高騰によってとっく に破産しているではないか。そんなことがうまくいくとは資源エネルギー庁だって考えていないだろう。 4 DXやGXの進展により電力需要増加が見込まれるとしているが、電力需要は増加しないのではないか 電力広域的運営推進機関が本年1月に公表した需要想定は、一般送配電事業者から提出さ 省エネが進んで行くのが、これまでを見ても予測されるのに、逆に消費が増える政策へ舵を着るのは、間違ってい れた電力需要の想定を取りまとめたものです。当該需要想定では、2023年度までは、電力需 要は減少傾向となっていましたが、2024年度以降は人口減少や省エネ等による電力需要の減 ます。 少を加味しても、データセンター・半導体工場の新増設が続くため、2034年度にかけて電力 日本の電力需要は減り続けており、人口も益々減っていくことから、電力需要がこの先増えるという予測を立て るのは、実際的ではない。省エネ技術の研究開発を促進し、これ以上電気の使用量を増やさない政策を実行すべ きだ。 需要が増加する見通しとなっています。 将来の電力需要を正確に予測することは困難ですが、電力は国民生活や経済活動の基盤で あり、電力需要増加に備えた対応が必要と考えております。 5 再生可能エネルギーや原子力などの脱炭素電源拡大、系統整備等に向けた資金調達や投資回収などの事業環境整備 をすべき 【電源の投資判断に資する事業環境整備が必要】 ・「電力システム改革後においては、電力需要の不確かさに加えて収入の不確実性、さらには費用の不確実性が高 まっていることが指摘されている」との記載のとおり、事業の予見可能性が低下しており、安定供給と脱炭素化の 両立に不可欠な再生可能エネルギーや原子力発電などの脱炭素電源の投資判断に資する事業環境整備を早期に検討 する必要 ・原子力については、大規模かつ長期にわたる投資、事業期間の長さ、規制基準、バックエンド事業といった固 有の特徴も踏まえたうえで、安定的に電源を運用できる事業環境の整備が不可欠であり、長期の建設リードタイム を踏まえると、2050年カーボンニュートラル実現のためには、投資回収の予見性確保やファイナンス環境の 整備に向けて、実効性のある制度措置の早期検討が必要 ・供給力確保をスポット市場等において短期的に調達することのリスクや燃料確保・電源投資への影響を踏まえ ると、小売電気事業者による中長期的な供給力確保及び電源投資に資する電力価格指標の形成は非常に重要であ り、「発電事業の観点からは、中長期の電力取引が増加し、販売量の予見性が向上すること等により、燃料確保 や設備投資等の予見性の向上に資する」との記載に賛同 ・なお、出力が変動する再生可能エネルギーの主力電源化に向けては、社会全体での統合コストを最小化するとと もに、調整力として、揚水発電や蓄電池に加えて、引き続き既設の火力発電が不可欠であるため、低稼働電源の kW維持に必要な制度的措置や、水素、アンモニア、CCS等による電源の脱炭素化に向けた更なる支援措置が必要 2.電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導(該当箇所:4.(2)②~④) 進める必要があるところ,足元では労務費や資機材価格等の高騰,長期金利の上昇等から全般的なコスト増が顕 在化しており,資金調達も困難となってきている。こうした課題の解決に向け,安定供給確保を前提とした送配電 事業の事業性確保・早期投資回収の実現につながる制度設計が必要である。 5.電源・系統への投資に対するファイナンス/今後の進め方(該当箇所:4.(4)①/7.) れぞれ着実に進める必要があり,そのためには相応のコストが伴う。各事業の投資に対するファイナンス円滑化 の方策を早期に検討,実現するとともに,コストに対しては,その負担の在り方や回収方法を含めて,丁寧かつス ピード感のある議論の上,国民への説明と理解促進が重要である。 5.(1)①円滑で安定的なファイナンス(P27) ・今後、再エネや火力の脱炭素化及び原子力といった脱炭素電源の整備や広域系統整備を実施していくにあたって は、これまでにない規模の資金調達が必要であり、公的な信用補完の活用、政府の信用力を活用した融資等、脱 炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を早急に具体化する必要がある。 ・とりわけ、2025 年に一般担保付社債の経過措置が終了となるが、定期点検など電源を維持するためのメンテナ ンスや原子力安全対策工事などにおける人件費や資材の高騰など予期しない事象に対する手当として、一般担保付 社債に代わる資金確保策について制度措置の検討が必要である。 ・ 持続可能な電力システムの構築にあたっては、安定供給の確保およびカーボンニュートラル実現に資する発 電・送配電の設備形成に必要なコストがシステム全体で確保され、再投資される循環が成り立つ電力システムの仕 組みが必要。 ・ この点、脱炭素電源投資に係る制度設計に際しても、需要家からの費用回収まで見据えた全体整理を進めてい く必要がある。 ・ 案には、「供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見ながら、長期脱炭素電源オークションに おいても、追加的な措置を検討する」との記載があるところ。 検討にあたっては、 に、中長期的な安定供給に必要な供給力や系統の維持・開発を計画・管理をする枠組みの形成を速やかに進めて いただきたい。 切れていない将来の可能性を示唆いただきたい ・ 2040エネミにおいては、DX進展等により電力需要が拡大する見通しが記載されたところ(2022:0.9兆kWh → 2040:0.9~1.1兆kWh)、2050年CNに向けた電化の進展や、デジタル化への対応等による将来の電力需要の増加 も念頭においた蓋然性の高い需要想定を前提に、建設リードタイムなども踏まえつつ、将来にわたり供給力を確保 し続ける必要があるため。  案には、「安定供給と脱炭素化の両立に向けて、長期的かつ継続的に必要な電源投資が行われ、安定的に電源の 運用ができるような仕組みを構築することが必要。」「リスクや懸念に対応し、脱炭素電源への投資回収の予見 性を高め、事業者の新たな投資を促進し、電力の脱炭素化と安定供給を実現するため、事業期間中の市場環境の 変化等に伴う収入・費用の変動に対応できるような制度措置や市場環境を整備する。」、また、水力の活用に関 しては「今後より一層新規投資を促す仕組みを検討」との記載があるところ。検討にあたっては、 ✓原子力については、巨額であり、かつバックエンドも含め超長期であること、脱炭素火力については黎明期にお いて経済性に欠くといった点も考慮の上、脱炭素電源の投資判断に際して、実効性のある制度措置を講じていただ きたい。 ✓水素等の利用拡大に向けて、先般閣議決定された第7次エネルギー基本計画においては、「長期脱炭素電源オー クションにおいて、上限価格の引上げ等を含め、更なる制度対応の必要性も継続的に検討しつつ、着実な社会実装 を進めていく」方針が既に示されているところであり、第3回オークションより、この方針に沿った詳細設計を進 めていただきたい。 ✓揚水発電が応札する市場として、容量市場 (kW)、ブラックスタート機能公募、需給調整市(ΔkW、ΔkWh)、卸 電力市場(kWh)があるが、現時点で制度化されていない揚水発電の価値として、慣性力、同期化力、電圧調整等の 系統安定化に貢献する機能、余剰電力を吸収できる調整力(再エネ出力抑制の低減への貢献)等が挙げられる。さら に、可変速機に関してはポンプアップ時の周波数調整機能を有しているため、調整力確保のための火力発電所の追 加起動が不要になり、CO2削減に寄与しているものの現時点では制度化されていない。これら揚水発電の有する価 値が認められる制度設計について、検討いただきたい。 今後DXやGXによる電力需要増加が見込まれる中、それに見合った脱炭素電源が国力を 左右する状況にあると考えており、需要に見合った脱炭素電源を十分に確保するため、再生 可能エネルギーや原子力などの脱炭素電源へ相当な規模の投資が必要と認識しております。 電力自由化をはじめとする現在の事業環境にあっても、積極的な投資判断を促すためには、 投資回収の予見性を確保するための制度措置や、投資資金を安定的に確保するためのファイ ナンス環境の整備が求められます。 具体的には、事業が長期にわたる大規模投資や、技術開発の動向、制度変更、インフレ等 による費用変動リスクが大きい投資については、事業者が躊躇する懸念があるため、事業期 間中の市場環境の変化等に伴う収入・費用の変動に対応できるような制度措置や市場環境を 整備していきます。 また、民間金融機関等が取り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、 政府の信用力を活用した融資等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討し ていきます。 ✓一般水力については、未開発地点は3万kW未満の地点が多いため、長期脱炭素電源オークションの活用機会の拡 大に向け、2024年度のオークション結果も踏まえたうえで、段階的に、水力発電の最低入札容量を引き下げること について、検討いただきたい。 ✓また、市場機能の活用に際しては、脱炭素のベース供給が可能で固定費比率の高い原子力や、脱炭素の調整力提 供が可能で可変費比率の高い水素・アンモニアなど、異なる電源特性やコスト構造を持つ電源種が合理的に共存 できる制度設計にしていただきたい。 ・ 資源に乏しい島国である我が国において、今後、安定供給とCN実現の両立、エネルギー安全保障の確保をして いくためには、水力、火力、原子力、太陽光、揚水に加え、陸上・洋上風力、水素・アンモニア、蓄電池、DR 等を含む、より多様な電源種をバランスよく確保していくことが必要であるため。 ・ また、脱炭素化を目指す火力発電所は、鉄や化学等の他産業がない地域を含め日本全国に点在しており、燃料 サプライチェーン構築を含む火力発電所の脱炭素化に向けては、エネルギー供給拠点の分散化の観点から、支援 の地域的な偏在を排するとともに、水素・アンモニア等の技術革新や普及拡大の現実的な時間軸を考慮した、セ カンドムーバーに対する切れ目のない支援が必要不可欠であるため。 ・今後、再生可能エネルギーの主力電源化と更なる導入拡大に取り組む中で、電力の系統安定性や出力変動に対 する需給調整のための慣性力・調整力等の確保がより重要となるところ、これらの価値を提供する揚水発電等の電 源が適切な対価を得られるように、慣性力や調整力等の経済価値を市場に反映する必要があるため。 【電源の多様化(水素)】 <該当箇所> 4. 電力システムが直面する課題と対応方針 (1)安定供給確保を大前提とした、電源の脱炭素化の推進 ② 安定 供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進 17ページ <意見内容および理由> (脱炭素電源オークションの見直し) •水素等の利用拡大に向けて、先般閣議決定された第7次エネルギー基本計画においては、「長期脱炭素電源オー クションにおいて、上限価格の引上げ等を含め、更なる制度対応の必要性も継続的に検討しつつ、着実な社会実装 を進めていく」方針が既に示されているところであり、第3回オークションより、この方針に沿った詳細設計を進 めていただくようお願いいたします。 [原子力]  原子力発電所の安全対策投資については、審査の進展や新たな知見の反映に伴い、設備の追加設置や仕様強化の 可能性も考えられる。これらに起因する投資額の上振れは、予見性に乏しく、事業者の努力だけでは、完全に排 除することはできないため、適切な投資判断が困難となる場合もあるものと認識している。  国の第7次エネルギー基本計画において、脱炭素電源確保等の観点から、既設炉を最大限活用していく方針が示 されたことも踏まえ、既設炉の再稼働に向けた適切な投資判断に資する制度措置を講じていただきたい。 [火 力]  火力発電所に関して、安定供給の維持と脱炭素化に向けた電源のトランジションの両面から、様々な選択肢を排 除せず検討を進めているが、アンモニア混焼やCCS事業については、設備用地がないことや燃料サプライ チェーン等の制約もあり、バイオマス混焼やLNGといった他の選択肢と比較し、経済性で劣後している状況。  電源種によって経済性が大きく異なる状況が続くようであれば、電源種間の競争によるコストダウンが進まず、 また、経済性が優位な電源種に投資が集中する可能性があり、エネルギー安全保障や安定供給の観点からも望まし くないことから、特定の電源種に偏ることなく、多様な電源種への投資促進に繋がるような制度措置を講じてい ただきたい。  原子力発電所の安全対策投資の上振れや火力発電所の脱炭素化に向けた投資等により、巨額の資金調達が必要と なる可能性もある。  このような状況に備え、ファイナンス環境の整備にあたっては、GX推進機構の債務保証の他、長期脱炭素電源 オークションにおける建設期間中からの容量確保金の前払いや公的機関(OCCTO等)による融資、日本政策 金融公庫によるツーステップローン等、円滑な資金調達の実現に向けた実効性のある方策を検討いただきたい。 <意見内容および理由> (脱炭素電源投資に資する取組みの着実な実施) 今後の電力需要増が見込まれる中で、安定供給確保を大前提とした電源の脱炭素化の推進のために、制度措置や 市場環境を整備すること、ファイナンス円滑化の方策を検討することなど、整理された課題に対する対応方針が示 されたことは、意義があるものと受け止めております。 エネルギー安全保障の確保とカーボンニュートラルの両立には、官民がそれぞれの役割を果たしていくことが重要 であると認識しております。民間としては、大胆な投資やイノベーションに果敢に挑戦してまいりたいと考えてお りますが、継続的に投資が促進されるためには、事業者の創意工夫等の民間活力が最大限に発揮され、資本市場 から期待される収益性を十分に確保できる環境が必要となります。 国としても、電源建設のリードタイムも踏まえながら、実効性のある制度構築をスピード感を持って進めていただ くようお願いいたします。 ・ 案には、 「民間金融機関等が取り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を 活用した融資等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討する」との記載があるところ。検討に あたっては、 ・ファイナンス環境の整備について、GX機構による債務保証や、公的機関による貸付・長期脱炭素電源オーク ションにおける容量確保金の前払いなど様々な選択肢が考えられるところ、円滑な資金調達を行う上で、実効的 な仕組みとなるよう早急に検討いただきたい。 ・ 脱炭素電源や系統整備への莫大な規模の投資が必要であり投資時のキャッシュフローの負担が大きいことに加 え、市場環境の大きな変化に伴う事業の不確実性の高まり等を受けて、事業者の資金調達が難しくなっており、 公益的インフラを担う電気事業へのファイナンス面での支援措置(電源・NW)が早急に必要であるため。 小売事業者が需要家から適切に回収する仕組みの構築 ・ 今後、電源・燃料の脱炭素化や、これを支える電力ネットワークの次世代化を進めるには、時間とともに、相 応のコスト増加は避けられないことから、国民の行動変容を促す観点からも、国はこの現実に正面から向き合 い、国民全体が裨益するという考えのもと、国民全体での公平な負担と確実なコスト回収に向け、率先した理解 醸成に取り組み、受容性のある負担のあり方や制度措置を検討いただきたい。 ・ 安定供給の確保とカーボンニュートラル実現の両立に必要なコストがシステム全体で確保され、再投資される 仕組みの構築(最終的なコストについて、各小売事業者が需要家から適切に回収する仕組み)が必要と考えるた め。 6 資金調達環境、産業界全体の課題である人材やサプライチェーンの確保・維持が可能となる環境整備が重要 ご指摘いただいた点については、第83回電力・ガス基本政策小委員会において、電力産業 の将来像として議論を行い、その結果を踏まえて本文書においては、「人材の確保、定着に 再生可能エネルギーの更なる導入拡大や大規模需要の増加する中においても、安定的な電力供給を実現するために は、供給力に加え、調整力・慣性力の確保が必要となってくることから、それらを中長期的に確保できる仕組み について、各事業者や国・電力広域的運営推進機関の役割を踏まえ、事業者としても協同して確立したい。 ・また、これらの目指すべき方向性に向けて、一般送配電事業者として、系統整備や適正な調整力を調達・確保し 加えて、技術やサプライチェーンの確保、維持のためにも、将来を見据えた電力システムの 構築に向けて脱炭素電源や系統整備への投資を促進するとともに、安定的な電気事業の運営 ができるよう事業環境の整備を行い、電力産業が担う役割・重要性を明確にし、電力産業の 魅力を高めていく必要がある」と記載しており、しっかり取り組んでいきます。 ての需給運用を行っていくためには、安定した事業基盤が前提となる。これには、外的要因で変動するコストも 含め確実に費用回収できる仕組み作りや資金調達環境の整備、産業界全体の課題である人材やサプライチェーン の確保・維持が可能となる環境整備が重要であるため、事業者としても関係各所と調整してその確立に努めて参り たい。 4.(2)①電力システム改革における送配電分野の対応(P19) ・電力関連産業で働く者は安定供給を守り抜くという使命を全うすべく日々の業務に従事している。しかしなが ら、電力自由化や発送電分離が実施されて以降、送配電事業の収益性の低さや人材不足等によって工事施工力の維 持は難しい状況であり、特に自然災害発生時の復旧作業に支障を及ぼす懸念が出ている。 ・送配電事業者をはじめとする旧一般電気事業者は、電気事業の公益性に重きを置き社会的責任を果たしてきた。 しかし、一部の新電力はその公益性を重視しているとは思えず、事業が悪化すれば躊躇なく市場から撤退すること もあることから、旧一般電気事業者としは、電力市場に関しても参加するすべての事業者が「電気事業者としての 公益的責任」をより強く認識すべきという声も現場ではあがっている。 ・引き続き、電力産業で働く者の声や電力供給事業における現場の実情等に耳を傾け、要すれば必要な措置を速 やかに講じるなど、今後とも安定供給を継続するための取組みを着実に進めていくことが重要である。 5.(2)①安定的な供給に責任ある事業運営(P28) ・持続可能な電力システムを構築するためには、全ての電気事業者が費用負担等を含め公平・公正にその役割を果 たすことが必要不可欠である。 ・そのため、短期の環境変化などに振り回されることなく、全ての小売電気事業者は電力システムの担い手の一 員として、安定供給や消費者保護などの観点から、供給力確保の役割を積極的に果たしていくべきである。 5.(2)②電力産業を支える人材・サプライチェーンの確保(P28) ・エネルギーの安定供給とGXの実現の両立に向けては、増大する電力需要や再エネ拡大などを踏まえた送電線等 の系統整備、次世代革新炉をはじめ新たな技術の研究開発の成果を、マニュファクチャ側としっかり連携しなが ら社会実装していくことが求められている。また、団塊世代が退職していく中、足下の災害対応や電気設備の保 守・保安をはじめとする安定供給を支える人材の確保・定着と、技術の維持・継承が極めて重要な課題となって いる。 ・そのため、エネルギー業界を志す人材を幅広く募れるよう人材確保の基盤整備が必要であり、国はエネルギー政 策の方向性を固めるとともに、その重要性・魅力の発信を官民一体となって行うことも検討しなければならな い。 ・また、GX推進に必要なイノベーションの源泉は、企業や組織等で働く「人」である。他方、GX推進は、化石 燃料事業で働く者の雇用や労働環境、日々の暮らしにも多大な影響を及ぼし得る。 ・今後のGX実現に向けては「雇用の安定」や「公正な移行」「人材・技術基盤の維持・強化」など、引き続き 「人」への投資を重視し、電力システムの構築をオールジャパンで積極的に推進していくことが重要である。 <意見内容および理由> (サプライチェーン・技術・人材の維持・確保) •電気事業の安定的な運営には、電力産業を支える人材の確保と定着、発電所や系統を構成する電力設備に係る技 術やサプライチェーンの確保と維持が重要となります。 •電力産業の魅力を高め、人材やサプライチェーンを確保・維持するためには、事業運営の持続可能性を高め、事 業者の創意工夫等の民間活力が最大限に発揮されるような環境整備が必要と認識しております。 •また、大規模電源によっては山間僻地に立地しており、持続的な設備維持に向けた体制には課題があるため、遠 隔監視システムや生成AI等のDXツールの積極的な導入により、効率的な設備保全環境や保安体制の構築に向けた 支援策についても、ご検討いただきたいと考えております。 ・加えて、今後、労働人口の減少が見込まれる中で、主任技術者の確保が懸念されることから、昨今、通信網の 拡大やDXツールが発展していることを踏まえ、主任技術者要件の緩和についてもご検討いただきたいと考えてお ります。 7 事業者の意見も十分に聞きながら、実効的な脱炭素電源投資促進策を進めるべき ・意見内容 事業者の御意見等も踏まえつつ、脱炭素電源への投資を促進するための措置の検討を行っ てまいります。 電源開発に係る資金調達において、民間金融機関等が取り切れないリスクに対するファインナンス円滑化の方策 検討に期待する。 ・理由 電源投資の中でも、とりわけトランジションや脱炭素化に向けた技術への投資はリスクが大きく、事業者の自助 努力では対応しきれない部分があると認識しているため。 「今後もさらに火力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見ながら、長期脱炭素電源オーク ションにおいても、追加的な措置を検討する」と整理されており、この方向性に賛同する。その上で、長期脱炭素 電源オークションの見直しをはじめとして、事業者の意見等をご確認いただき、より実効的な投資促進に資する具 体策を、引き続きご検討いただきたい。 8 制度的な対応を含めた資金調達環境の整備についての検討のみならず、適正なリターンの在り方についての検討 系統整備における事業報酬率について、関門連系線等の大規模系統整備には、追加事業報 も行うべき 酬率を設定できることとし、一般送配電事業者が追加事業報酬率を適用した申請を行うこと ・意見内容 を認めることが妥当と整理しています。また、プロジェクトファイナンスを想定している北海 託送料金制度における費用の回収の在り方や資金を量的に確保するための仕組みなど、制度的な対応を含めた資 道・本州間海底直流送電等の大規模系統整備における適切な事業報酬率についても、検討を 金調達環境の整備についての検討のみならず、適正なリターンの在り方についての検討も引き続きお願いした 深めていくこととしています。 い。 ・理由 事業者の参画を促進するために資金調達環境の整備は不可欠。加えて、民間企業には資本効率の向上が強く求めら れる中で、適正なリターンの設定がなければ民間企業としては手を挙げづらく、それがなければ、こうした大規模 投資を経営判断することは容易ではないため。 9 沖縄エリアにおける脱炭素に向けた事業環境を整備すべき 第七次エネルギー基本計画において、安定供給を大前提とした電源の脱炭素化の推進にあ たって、広域融通対象外である等、電源や系統規模等の制約を有する離島等の地域の実情に <脱炭素電源投資> ⚫ 沖縄エリアは、水力発電や原子力発電などが導入出来ず、導入可能なベース型の脱炭素電源が限られる。ま た、小規模系統であること、土地の狭小性などの理由から、太陽光発電の導入が限られ、風力発電についても、 極値風速対応など、台風による強風に備えた設備形成が求められるため、変動再エネの普及も限定的である。 ⚫ 加えて、広域融通外であるため、沖縄エリア単独のリソースで十分な供給力を確保する必要があるが、電源数 も限られるため、既設電源の設備状態や脱炭素電源の技術開発動向、建設リードタイム等を考慮したスケジュール 感で電源投資を行う必要があり、カーボンニュートラルに向けた時間軸は全国と異なる状況が顕著に表れる。 ⚫ なお、長期脱炭素電源オークションの対象外であることに加え、全国的な系統整備や水素アンモニアの拠点整 備支援も実質的に対象外という状況。 ⚫ かかる状況を踏まえ、沖縄本島を含む島しょ地域の脱炭素に係る環境整備の具体化について検討いただきたい 留意する旨をお示ししております。いただいたご意見も踏まえながら、電源の脱炭素化を推 進してまいります。 10 原子力と脱炭素火力のための事業環境整備に関係する記述は削除すべき すぐに使える資源に乏しく、国土を山と深い海に囲まれるなどの地理的制約を抱えている という我が国の固有事情を踏まえれば、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点から、 (5)高コスト化が避けられず、事故リスクや廃棄物処理等の不確実性から持続可能といえない原子力や、技術開 発の実現可能性や時間軸が不明確で、こちらも高コスト化が避けられない脱炭素火力の利用を想定すべきでな く、原子力と脱炭素火力のための事業環境整備も実施すべきでないいので、関係する記述の削除を求める。 「原子力・・・による供給力へとシフト」とあるが、原子力は環境破壊型電源である。また、原子力の供給力を 再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度 に依存しないようバランスの取れた電源構成を目指していく必要があります。 エネルギー危機にも耐え得るエネルギー需給構造を実現するためには、S+3Eの大原則 の下で、エネルギー源ごとの強みが最大限に発揮され、弱みが他のエネルギー源によって適 増やせば、国民負担が増加し、再生可能エネルギーの供給力も減る。脱炭素化を名目として、原子力を推進するこ 切に補完されるような組み合わせを持つ、多層的な供給構造を実現することが必要です。 ロシアによるウクライナ侵略、中東での紛争などによる化石燃料の価格変動リスク等もあ とは誤りである。原子力への「事業環境整備」なるものは行ってはならない。 「特に、大型電源については投資額が巨大となり、総事業期間も長期間となるため、収入と費用の変動リスクが る中、脱炭素電源の拡大に向けては、足下の脱炭素電源構成が約3割という状況を踏まえれ 大きく、電力自由化を始めとする現在の事業環境の下では、将来的な電力収入の不確実性が大きい。こうした中 ば、再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的な議論ではなく、再生可能エネル では、長期の事業期間を見込む投資規模の大きな投資や、技術開発の動向、インフレ等により初期投資や費用の ギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用するこ 変動が大きくなることが想定される投資については、事業者が新たな投資を躊躇する懸念がある。」とあるが、 とが必要不可欠と考えております。 これは原子力発電を対象とするものである。原子力に対しては、開発研究、交付金制度、原発事故費用に関する複 このため、脱炭素電源全体への投資を促進するための事業環境整備を行って参ります。 雑な国民負担制度等、陰に陽に、国民負担を政府は強いてきた。これに加えて、市場環境整備、事業環境整備と 称して、国民負担をさらに増大させることは許されない。逆に、将来の支援策をふくめて、原子力への巨額な支援 を止めるべきである。 【意見】「民間金融機関等が取り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活 用した融資等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討する」(P25)ことや、英国における新設 原発の資金調達手法(いわゆるRABモデル)の導入の検討もやめていただきたい。 【理由】電力の自由化に完全に歪め、再エネ事業者を潰し、消費者の選択肢を奪うからです。 ・ 本文書には火力・原子力への補助を強める政策が含まれており、公正な競争環境の整備に反しています。これ を改めるべきです。 11 火力発電や原子力発電は推進すべきではなく、再生可能エネルギーを推進すべき エネルギーは国民生活や経済活動の基盤であり、エネルギー安定供給の確保が不可欠で ・「電力システム改革の検証結果と 今後の方向性 ~安定供給と脱炭素を両立する 持続可能な電力システムの構築 す。このため、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、使える技術は全て活用する に向けて~」は、原子力・火力に対する補助政策と国民負担を強める原子力に対する補助策になっていることは非 との方針の下、あらゆる選択肢を追求していく必要があります。 常に受け入れがたいもの。 特に、すぐに使える資源に乏しく、国土を山と深い海に囲まれるなどの地理的制約を抱え 5.原子力発電も、火力発電も淘汰されていく運命にある。そこに限りあるお金と時間と人材を注ぎこむことは、 ているという我が国の固有事情を踏まえれば、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点 から、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源 日本経済にとって足かせとなる。 原子力や脱炭素火力等への新規の制度措置は、再エネを中心とした電力システムへの転換を妨げ、長期にわたる 国民負担となるため行うべきではない。(15-16ページ) に過度な依存しないようバランスの取れた電源構成を目指していくことが重要です。 このため、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限導入に加え、原子力や水 “再生可能エネルギー”100%を目指せばそれで済むはずです。この国の将来を考えるならば原子力は即廃止、火 素・アンモニアやCCUS等を活用した脱炭素火力も重要であると考えております。 力も徐々にでいいので完全廃止に舵を切りなおすべきです。 電力システム改革に原子力と火力が含まれるのがまず疑問である。脱炭素を目指すのならばLEG火力含め廃止する べきである。LNG火力への投資はそれと逆行しているといえるだろう。 火力や原子力に多額の補助が行われる。一般市民は電気料金を通じて費用負担させられる多くの国は再エネ VRE(変動性電源)の定量導入し、市場をうまく組み合わせて再エネが100%になるようにしていくという動きが あるのにも関わらず日本は真逆を言っているといえる。そもそも原子力は環境破壊型電源であり、再生可能エネ ルギーの供給が減ってしまう。原子力への事業環境整備は行うべきではない。 世界は、再エネに大きくシフトしています。また日本は取り残されてしまうことを強く懸念します。欧州、オース トラリア等、よーく視察して、現場を見てきてください。日本の中だけで考えていたら、それは無理です。 再エネの進歩は速い!こんな、火力原子力をまだ補助するようでは、明るい未来は期待できません。 フェードアウトと銘打ってはいるものの火力・原発の利用の継続を前提とした電力システムの構築では、脱酸素は 国際的に求めらている基準の達成は厳しいと思います。水素、アンモニアやCCUSなどを活用し、脱炭素型の火 力発電に置き換える取組には本当に有効かどうかはまだ未知数、また、炭素とは別の排出物の問題などもありま す。 原子力や火力は脱炭素化を名目として、推進することは誤りであります。これらへの「事業環境整備」なるものも のは行ってはなりません。再生可能エネルギーの供給を推進しください。 ・これでは、原発、火力を主力にとらえており、「脱炭素」「再エネ」を推進するための計画になっていません。 太陽光発電、風力発電などの「再エネ」にシフトするのが本筋であり、「安定供給確保を大前提とした電源の脱炭 素化の推進」として原子力や脱炭素技術を付加した火力発電への改修や新規建設をめざすのは、問題のすり替えだ と考えます。原発、火力の推進をやめるべきですし、そうした事業に補助金を出す仕組みを考え直す時期だと思 います。 「今ある火力電源による供給力を、再生可能エネルギー・原子力・脱炭素電源による供給力へのシフトさせて いく必要がある。」とあるが、脱炭素電源に原子力を含めるべきではない。原子力への依存度をできるかぎり低 減し、再生可能エネルギーへのシフトを早めるべきである。 原子力をベースロードとする考え方はとにかく早くやめ、政治が主導して脱原発をなしとげ、新エネルギーの割合 をあげていくべきです。そのための過渡期に火力も使うこともあるとは思うものの、新増設をすすめることには 反対です ましてやそれを理由に原発を積極的に動かそうとするのは、この地震国では14年前の教訓を全く生かしていませ ん。 福島原発事故以来、再生可能エネルギーはそれまでから見ると、飛躍的に導入されましたが、それ以上に原発関 連に巨額がいまだに注ぎ込まれているのはどういうわけでしょう。 拙速に陥らず、再生可能エネルギーを主力電源にしていくことが、結局は世界から取り残されない近道になるで しょう。 原子力を脱炭素電源とすることに反対です。再生可能エネルギーを大幅に拡大することが必要です。 島国である日本は、究極的に各種再生可能エネルギーで全て賄うというゴールに向け、送電も含めた電力安定供給 システムの強化にリソースの大半を使うべき。危険な原発はもう損切りとして全廃を。 P.24 「電源・系統への投資に対するファイナンス」 《意見》英国での新設原発の資金調達手法の導入の検討などやめていただきたい。これ以上税金で電力の自由化 を歪め、再エネ事業者を潰さないでほしい。 P.17「安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進」 《意見》石炭火力は直ちに止めるべき。税金で水素・アンモニア混焼などの技術開発を推進したり補助を出した りして温存することなく、再生可能エネルギーの主力電源化に注力してもらいたい。 脱炭素火力電源と何の事か? 火力を進める事は脱炭素化とは逆光する事になる。高度成長時代以来の大規模な電 源投資が必要とあるが、そんな事はないと思われる。エネルギーは、できるだけ地産地消できる再生可能エネル ギー等を進めて他の不足する地域にも配分できるようなシステムの開発を進めてゆく投資が必要。規模の大きな発 電所は、工業地帯事に分散させる方法もある。災害時が起こった時の電力不足の被害を少なくできる方法を考慮 する事が必要。トイレの無いマンションと言われる原発は、廃止とし、電力の分散化のための再生可能エネルギー の利用、開発を進める事が必要である。それまで火力発電は、脱炭素化を考慮して徐々に減らしてゆく。発電会社 は、インフラに関わる重要な企業なので政府が、電力供給状況や電気料金等の監視は必要であるが、消費者が納 得する形で見える事が必要である。 ・火力の休廃止を進め、脱炭素電源である再エネの普及こそ力を入れるべき。環境へのクリーンエネルギーとして も火力は低減していくべきことが書いてない。 第一に、火力は依然として巨大な供給力となってしまっている。 本来は、火力の休廃止を進め、脱炭素電源である再エネの普及こそ力を入れるべきだが、火力の休廃止を課題と して設定することで誤った方向づけがなされている。 第二に、(発電量のうち火力発電が大半を占める中、燃料価格高騰により 卸電力の価格高騰で、小売価格の水準 を押し上げる方向へ作用)することになった。 火力の依存度を下げれば、再エネの普及を加速させて長期的には負担を軽くすることができる。 無理矢理、化石燃料を延命することは日本の国益に反します。そうではなく再生可能エネルギーを増やすことに、 知恵を集中的に使うべきです。 非効率の火力発電所については休止したものも増えているが、実際には新規石炭火力発電所が1,000万kW以上も新 増設された上、LNG火力の新設も進んでおり、火力は依然として巨大な供給力となってしまっている。本来は、火 力の休廃止を進め、脱炭素電源である再エネの普及こそ力を入れるべきだが、火力の休廃止を課題として設定する ことで誤った方向づけがなされているのではないか。 電気料金の最大限の抑制という目標の達成にはほど遠い状況になった。火力の依存度を下げれば、様々な要因に よる化石燃料価格の高騰の影響も比較的軽度ですんだはずで、FITの初期の価格も大幅に下落していることから、 再エネの普及を加速させて長期的には負担を軽くすることができたはずである。 火力発電の依存からの脱却:非効率な火力発電所の休廃止を進める一方で、新規の石炭火力発電所の新増設や LNG火力の新設が進んでいる現状を分析するべきです。 火力発電への過度な依存が、燃料価格の高騰時に電気料金の高騰を招いたことを指摘し、再生可能エネルギーの 普及を加速させることで、長期的な負担軽減が可能であることを追記するべきです。 ・電気料金の最大限の抑制について、火力発電は燃料価格高騰が起こった場合小売り価格を押し上げる結果にな るので、「電気料金の抑制」にはほど遠い。燃料価格に関係ない再エネの普及を加速させるべきだ。 持続可能な電力システムの実現には、再生可能エネルギーの大規模な導入が不可欠です。しかし、報告書では再エ ネの拡大に対する具体的な市場整備策が不十分です。公正で競争的な市場を整備し、再生可能エネルギーが市場で 適正に評価されるよう、価格形成メカニズムの透明性を高める必要があります。 電力の脱炭素化と安定供給を実現するため、に続く内容を削除し、再生可能エネルギーを促進するとしてくださ い。 原子力は環境破壊型電源である。また、原子力の供給力を増やせば、国民負担が増加し、再生可能エネルギーの 供給力も減る。脱炭素化を名目として、原子力を推進することは誤りであり、行ってはならない。 ・ 原子力発電は環境破壊型電源であり、その供給力を増やすことは国民負担を増加させ、再生可能エネルギーの 供給力を減少させる結果となります。脱炭素化を名目として原子力を推進することは誤りであり、原子力への「事 業環境整備」を行ってはなりません。 原発は少しの災害ですぐ止まる。災害が無くても頻繁に事故を起こしている。最もコストが高く微々たる電気しか 作れない。税金をドブに捨てるな。原発は即刻廃止だ。 原子力は環境破壊型の電源であり、また、原子力の供給力を増やすことで、結局国民の負担が増え、再生可能エ ネルギーの供給力も減ることとなります。脱炭素化を名目に、原子力を推進することは間違っています。福島の原 発事故の処理もまだ道半ばであるのに、原子力を推進することは更なる原発事故の可能性を高めることにほかなら ず、反対します。 脱炭素・安定電源を名目に原子力発電を優遇する制度は導入しないで下さい。 12 水力発電を推進すべき 4.(1)④水力の活用(P18) 第七次エネルギー基本計画や、本文書において、水力発電は、安定した出力を長期的に維 持することが可能な脱炭素電源として重要であるとした上で、水力発電への電源投資の促進 ・脱炭素電源として大いに活用されている水力発電は、我が国の高度成長期において急増する電力需要を支えた立 や、水力エネルギーの最大限活用等に向けて取り組んでいくことをお示ししております。 役者であり、日本のエネルギー安全保障の観点からも純国産エネルギーとして大きな役割を果たしてきた。今後G Xの取組を通じた 2050 年ネット・ゼロに向けて水力発電の新規開発に注力することは、重要かつ意義のあること 認識している。 ・その一方で、国内の大型水力発電所の大半が高度成長期に建設されたものであることから、老朽化に起因する 大規模な改修工事が今後多く発生する見込みである。その改修工事も全く容易なものではなく、機器サプライ チェーンの欠落やマニュファクチャ側の人材の高齢化・技術力の衰退によって、手探りで改修工事を行っていか なくてはならない実情があり、今後発生する改修工事の需要に応じられない可能性があることを改めて認識しなけ ればならない。貴重な脱炭素・純国産エネルギーである水力発電を維持・拡張するためにも、国としては水力発電 を有する発電事業者やマニュファクチャと緊密に連携した上で、今後発生する大規模改修工事に対して必要とされ る資金・人材等の支援実施を速やかに検討するべきである。 ・意見内容 発電電力量増加に向けた、省庁横断的な取り組みに期待する。 ・理由 純国産エネルギーたる水力の維持・拡大はカーボンニュートラルに向けて極めて重要。その中で、堆砂問題をは じめ、水力の諸課題は流域への影響も大きく、また関係者も多岐にわたることから事業者単独の取り組みでは限 界があるため。 13 日本は地熱発電のポテンシャルが世界3位であり、地熱発電を推進すべき 2050年のカーボンニュートラル実現には、世界3位という地熱資源量を活かすことが 日本国内には純国産エネルギーの地熱エネルギーが大量に賦存している。地熱は発電だけではなく、熱源として温 欠かせないため、引き続き、地熱の有望なポテンシャルを活用して地熱発電の開発を推進し ていきます。具体的には、今後、地熱開発の加速化のため、地熱資源の約8割が存在する自 泉、野菜栽培、ロードヒーティング、暖房に利用できる。地熱エネルギーの利用技術を高めることが重要であ る。 私は、火山活動が活発な国として、ニュージーランドでもともと日本の技術だった地熱発電に力を入れているよう に、日本も地熱発電の研究、開発に国をあげて推進して欲しい。 14 データセンターや半導体工場の電力需要の日々の増減について考慮するべき 然公園内を中心に、経済産業省が選定した複数の有望地域において、JOGMEC自らが地 熱資源の調査(噴気試験を含む。)を行うことで、事業者の開発リスクと開発コストの低減 を図る等の取組を行ってまいります。 政府が示した2040年度のエネルギー需給見通しでは、データセンター・半導体工場等によ る需要増加や、CO2削減の観点から化石燃料の消費を減少させるための電化が進展するこ となどを織り込んだ上で、2040年度の発電電力量を1.1兆から1.2兆kWh程度と見込んでいま 「データセンターや半導体工場の新増設等による需要の増加」とあるが、原発比率に拘るあまり、半導体工場と データセンター個別の増加割合並びに想定に対するデータセンター需要の超過や半導体工場需要の不足などの増加 伸び率の変動は考慮されておらず、これがデータセンター需要の昼夜差の想定誤りに繋がり、最悪は変動の調整能 力を逸脱して、本来は回避されるべき停電の頻発や大停電を招くものと考えられる。 災害大国の電源構成に於いて変動の吸収は最重要であり、これを最大限に加味して想定をやり直すべき。 15 再生可能エネルギーを最大限導入する前提として、再生可能エネルギーのコスト低減を進めるべき す。 データセンターや半導体工場の電力需要の日々の増減に対しては、必要な供給力を確保す るため、電力需給の見通しを適切に把握することが重要です。毎年度、電気事業者が提出す る供給計画を確認するとともに、日々の電力需要をしっかりと確認しながら、必要となる供 給力を適切に確保していきます。 我が国の再生可能エネルギーの発電コストは、着実に低減が進んできてはいるものの、国 際水準と比較すると依然高い状態にあります。国民負担の抑制を図るため、再生可能エネル また、COP28で合意された再エネ3倍の目標に向け、日本としても再エネを最大限導入するよう、より強く方針を ギーのコスト低減を進めていきます。 前に出すべきだ。今の日本では系統制約や大規模な再エネ事業の合意形成の問題、さらには部材費や工事費等の 具体的には、FIT/FIP制度における入札制の活用等を推進するとともに、FIT/ コストの高騰によって、再エネの導入が進みにくい状況である。再エネ普及に向けた課題を特定し、制度措置を FIP制度を前提としないビジネスモデルによる再生可能エネルギー発電事業を推進していき 講じることを求める。 ます。 16 再生可能エネルギーの導入拡大により、長期的なエネルギーコストの低減を目指すべき エネルギー政策における「S+3E」の原則に基づき、脱炭素化に伴うコストについて は、その上昇を最大限抑制するべく取り組んでいきます。 我が国の再生可能エネルギーの発電コストは、着実に低減が進んできてはいるものの、国 6. 国民負担の抑制 ・ 原子力発電や火力発電への過度な支援は、国民負担の増大を招く。 ・ 再生可能エネルギーの導入拡大により、長期的なエネルギーコストの低減を目指すべきである。 際水準と比較すると依然高い状態にあります。また、太陽光発電や風力発電といった自然変 動再エネが大量に導入されると、蓄電池、火力の炊き増し、揚水の活用などに伴い、電力シ ステム全体で要するコストが高まるといった課題もあります。 このため、再生可能エネルギーの導入に当たり、国民負担の抑制を図るため、再生可能エ ネルギーのコスト低減等の取組を進めていきます。 17 既存ダムを有効活用することで水力発電を推進すべき 第七次エネルギー基本計画において、施策間での適切な役割分担を前提に、関係省庁と連 携し、電力ダムも含めた複数ダムの連携、既存設備のリプレースによる最適化・高効率化、発 既存ダムの有効活用(改築)で水力を伸ばすべきと考えられます。 18 電力の安定供給のため、送配電網の強化等、系統の柔軟性を確保すべき 電利用されていない既存ダムへの発電設備の設置等を推進する旨、お示ししております。 送配電網の増強等について、本文書においては、既存の送配電網を最大限活用するための ○効率的な系統整備のためにも、大規模需要の系統適地への誘導、大規模需要 建設予定地への先行的・計画的系 「日本版コネクト&マネージ」を推進しつつ、再生可能エネルギーの大量導入と電力の安定 統整備を促進することに賛同 供給確保のため、広域連系系統のマスタープランを踏まえて全国大での地域間連系線の整備 ○検討に際しては、大規模需要家の検討内容等の実態を踏まえることが必要 に向けた対応を進めていることを明記しています。 ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) また、データセンター等の大規模需要への迅速な電力供給のため、系統接続申込みの規律 ○大規模需要の一つでもある、DC 建設に際しては、土地を取得した不動産事業者 が、DC 事業者との折衝を行う を確保するとともに、一般送配電事業者が早期に電力供給を開始できる場所を示した「ウェ 前に、系統への接続申し込みを行うことも 見受けられ、系統申し込みから開通まで 10 年以上の歳月を要する事例 ルカムゾーンマップ」を通じた立地誘導を進めることとしています。さらに、大規模需要を も散見されている。需要家にとっては早期のマネタイズが重要であり、 早期開通に向けた取り組みを推進するこ 効率的な系統整備等の観点での適地に誘導するため、一般送配電事業者や自治体等の関係機 とが必要 関と連携し、適地における先行的・計画的な系統整備を促す仕組み等を検討していくことと ○また、不動産事業者と DC 事業者との折衝が不調に終わった場合、大規模需要を見込んで行われた系統整備が しています。こうした方針に基づき、引き続き対応を進めていきます。 活用されないことも発生する懸念があるなど、 事業実態をよく踏まえた上で、系統への接続申し込み等のルール を考えることが必要 ○上記検討に際しては、送配電会社だけでなく、土地や水等を必要とするDC 事業者の検討内容や DC 業界を取り 巻く状況を踏まえて検討することが必要 見通しが立たない核のゴミ問題が発生し得ない、太陽光発電等の再エネ発電の推進に整合する経済的な電力貯蔵 設備(蓄電所兼送電所)への費用投下につながるシステム改革を推進すべき。 <意見内容および理由> (需給構造の把握) •近年、再エネ等の分散型電源や蓄電池の普及拡大等により、国全体の需給構造が把握しにくくなっているものと 考えております。需給ひっ迫時等において適切な需給対策を講じ、安定供給をしっかりと確保し続けるために は、中長期断面から実需給断面に至るまで、必要な供給力、調整力を確実に把握・確保することが必要であると 考えており、そのための仕組みについて今後検討を進めていただくようお願いいたします。 東西間の送電能力(60Hz/50Hzをまたぐもの)について、すみやかに、もっと拡大を行うべきであると考える。 ・理由 地域間での送電について、依然として、60Hz/50Hzをまたぐ送電能力が低い状態であるはずだが、これを解消すれ ば、九州の電力で東北北陸関東等の非常事態を支える等行えるようになるはずである。 東西間の送電能力の強化は、危機対応だけでなく、再生可能エネルギーの利活用にも有益なのではないかと思わ れるが、国として、すみやかに、もっとその送電能力を拡大すべきではないかと考える。 ・意見内容 日本全体の送電容量を維持・拡大していくために、既設連系線の更新についても、マスタープランを踏まえた新規 の投資に劣後しない検討をお願いしたい。 ・理由 既設連系線も経年化が進んでおり、これらの更新も今後の重要な政策課題と認識している。 19 再生可能エネルギーの活用、レジリエンス強化やエネルギーの地産地消などの観点から、分散型のネットワーク構 エネルギー基本計画において、地産地消による効率的なエネルギー利用や災害時のレジリ 築を推進すべき エンス強化等に資する地域マイクログリッドが重要と明記しています。また本文書において 地産地消を基本としての電力需給システムの構築をお願いします。 も、GX推進のための再生可能エネルギーの導入拡大において、分散型エネルギー源の活用 これだけ自然災害の多い土地で今なお大型電源に頼る政策は撤回してください。地域分散、再エネ中心で自給で 促進は重要である旨記載しております。引き続き、再生可能エネルギーの活用やレジリエン き、復旧も容易な電源とネットワークを至急構築すべきです。 ス強化、エネルギーの地産地消の取組を進めていきます。 5.(3)①分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化(P28) ・GX推進のための再生可能エネルギーの導入拡大において、分散型エネルギー源の活用促進は重要である。他 方、太陽光をはじめとした分散型エネルギー源は、個々の出力規模は小さいものの、今後大量に導入されれば相 応の規模となり、電力系統への影響が懸念されるため、分散型エネルギー源の活用に関する制度整備を早期に実施 しつつ、第二世代スマートメーターのような新たな設備投資のための資金・人材の確保を、計画的に実施していく ことが重要である。 20 ディマンドリスポンスや蓄電、再生可能エネルギー熱利用等も含めたエネルギーの使い方を見直すべき 蓄電池の増設やDRの促進については、エネルギー基本計画において、蓄電池は、再生可 能エネルギー等で発電された電力を蓄電し、夕方の需要ピーク時などに電力供給する調整電 需要家側の取組みとして、需要家の脱炭素ニーズをとらえた電源投資や非化石価値等に対する経済インセンティブ 源として、DRは需給バランスを確保するための需要側へのアプローチ手段として重要である を与える取組を進めていく。加えて、脱炭素電源が豊富な地域でも電力需要が不足している場合は再生可能エネル と明記しており、蓄電・蓄熱等を活用した電力貯蔵システムやコージェネレーション、負荷 ギー由来の電力の発電が制限されたり、新規開発の意欲減退につながる虞があるため、EVや蓄電池等は元より、 家庭分野であればヒートポンプ給湯機を活用、産業分野であれば電解水素を導入し、地域の脱炭素化やエネル 設備、蓄熱層等のDERを活用したアグリゲーションビジネスの促進等を行い、DRの更な る普及を推進していきます。また、今後、ヒートポンプ給湯機等の製造事業者等に対して目 ギー自給率向上、地方創生にもつながるDR効果の高い電力需要の造成に向けた取組を進めていく。 標年度までにDRready機能を具備した製品の導入を求める仕組みの導入や、スマート GX2040ビジョンにおいて「2040年度に向けては、電化や非化石転換を中心としつつ、ディマンドリスポンス(以 メーターのIоTルートを利用したDR実証等を行うことで、家庭においてヒートポンプ給 下「DR」という。)の促進や、ヒートポンプやコージェネレーションなどの熱供給の効率化を含むエネルギー使 湯機等を活用したDRを促進していきます。 用の合理化なども一体的に進めながら、産業・業務・家庭・運輸の各部門における取組を進めていく。」ことと しており、需要家の脱炭素化の実現に向けDR可能な電力需要を造成が必要なため(再エネ発電の質力制限抑制や 系統混雑解消にも資する)。また、デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ2.0におい て、「こうした計算資源のうち、遅延が許容されるものについては、電力需給に係るディマンドリスポンスへの 対応により、地域の電力需給調整機能としての役割を果たしていくことも期待される」との記載を踏まえ、分散型 エネルギー源の活用に追加することが適当と思慮 そもそも、各個人、各世帯や事業所などの需要家が、自ら発電できず、電力しか買えない状況は良くない。 最近発生した八潮の道路陥没事故では上下水道などのインフラを需要家が自由に使えない状況が発生しているが、 インフラを維持管理するための労働人口が減少する我が国においては、送配電インフラについても同様の事故が複 数発生する懸念を払拭できない。 ゆえに、このような事故によるインフラを自由に使用できなくなる状況に対して自己防衛できるように、各個人、 各世帯や事業所などの需要家が、自ら電力を発電し消費できるような社会に変えていくべきである。 ③再エネ最優先で柔軟性を確保する電力システムへの大きな変革を行うべき(全体) デマンドレスポンスや蓄電、電力融通などに加え、再エネ熱利用や交通なども含めたエネルギーの使い方の見直し も必要である。日本でも再エネ社会を実現するための抜本的な電力システム改革こそ、今行うべきである。 日本ではまだまだ、再エネの割合が2割を超えたところで、第7次エネルギー基本計画による2040年度の目標でも4 -5割にとどまっている。 一方、原子力発電から脱却したドイツでは、2024年、電力の約6割が再エネとなり、遅くとも2035年までには石 炭火力からの脱却、再エネ100%も目標に掲げられている。 また、オーストラリアの南オーストラリアでも、再エネを最優先として、蓄電池なども含め柔軟性を確保するしく みにより、すでに再エネ電力70%以上を達成している。 日本においても、大規模電源による「供給力」「安定的な電力供給」の方向を抜本的に転換し、再生可能エネル ギーを中心に据えなければならない。「電力システムの脱炭素化」ではなく、「再エネ化」とすべき。 21 再生可能エネルギーの最大限導入に向け、支援や制度的措置なども活用しながら、蓄電池等の導入を推進すべき 蓄電池等の導入は、再生可能エネルギーの最大限導入に向け重要です。エネルギー基本計 画において、補助金による系統用蓄電池の導入支援や2023年度に開始した長期脱炭素電 ・分散型エネルギー源(DRリソース設備)の社会的な導入加速においては、省エネ・非化石やCO2削減に資する 家庭、業務・産業のエネルギー利用設備と同様、補助金等の普及支援や制度支援の充実化が必要と考えます。 源オークションにおいても応札対象とし導入促進を図っていることを明記しており、引き続 き蓄電池等の導入を推進していきます。 意見内容 再エネ電力を無駄なく活用し、系統混雑を解消するための有効な手段となる系統用蓄電池に対して、継続的な導入 支援をお願いしたい。 理由 近年、導入が拡大しつつある系統用蓄電池は、再エネ電力を無駄なく活用し、系統混雑を解消するために極めて有 効なため。 短期取引市場において調達しなければならない供給力や調整力の絶対量の増大に対し、系統用蓄電池などを活用す ることで需給バランスの調整に寄与し得るのではないか。このため、制度的なインセンティブなどを含めさらな る政策的支援が必要ではないか。 蓄電池の開発・普及に政策的リソースを投入し、夜間充電の推進など、電力消費の「平均化」を進めて下さい。 22 再生可能エネルギー等の分散型電源や蓄電池の増加を踏まえ、需給管理の高度化についても検討すべき 需給管理の高度化に向けては、毎年度、電気事業者が提出する供給計画を確認し、再エネ ・ 案には、実需給断面の需給構造の把握に関連した内容として「現在、変動性再生可能エネルギー電源の導入に や蓄電池を含む供給力の状況を適切に確認してまいります。また、実需給の断面においても より需給運用が難化」との記載があるところ。こうした状況も踏まえ、 再エネの予測精度の向上が重要となるため、電力広域的運営推進機関や太陽光発電における 出力予測制度向上に向けた勉強会兼連絡会において検討が行われています。また、広域需給 見据えた需給管理の高度化についても検討いただきたい。 運用の強化に向けて、次期中央給電指令所システムの整備が進められているところであり、 ・ 自家発に加え、再エネや蓄電池が増加するなかにおいて分散型電源を含めた全体の供給力を国において把握 こうした取組をを通じて、需給管理の高度化を図ってまいります。 し、それも活用することが、需給ひっ迫時をはじめとした需給対策を講じるうえでも有効と考えるため。 ・ なお、電力広域的推進機関における「将来需給シナリオ検討」においては、蓄電池の普及拡大や自家発自家消 費の将来想定(自家発から系統受電への切替による需要増の可能性)も含め検討中である。 23 再生可能エネルギーを主力電源にするため、送配電網を強化すべき 今後の中立・公平・効率的な送電系統運用を徹底するためには、送配電会社を所有権分離し、全国1社又は東西 本文書においては、電力の安定供給確保や再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、広域 連系系統のマスタープランを踏まえて地域間連系線等の整備を進めていくこととしていま 2社に統合して広域での需給調整をより効率的に実施する条件を確立し、柔軟性を高めて、再生可能エネルギー導 す。こうした方針も踏まえて、北海道・本州間の海底直流送電や中国九州間連系設備(関門 連系線)などの個別の系統整備を進めていきます。また、再生可能エネルギーの導入等に資 入を更に拡大する方向性を打ち出すことを求める。 する地内基幹系統等について一般送配電事業者等がより効率的・計画的に整備を進めるため そのためには送電網を国に売却させ、売却益を廃炉・保管費用にあてさせ、送電網の管理は、国民が監視できる の仕組み等を検討していくこととしています。 体制にし、自然エネルギーを優先接続としてください。 24 再生可能エネルギーの立地におけるエリアを超えた費用負担の仕組みについて影響を評価すべき 本文書においては、エリアの一般送配電事業者等が、より効率的・計画的に整備を進める ための仕組みを検討するとともに、再生可能エネルギー電源の立地地域の負担とその全国へ ・ 案には、「地内基幹系統等について、(中略)再エネの立地地域の負担とその全国への裨益を踏まえ、託送料 金制度におけるエリアを越えた費用負担の仕組みも検討する」との記載があるところ。 ・ 検討にあたっては、 だきたい。 ・ 需要家が負担する電気料金に影響することから、その影響も示しながら検討することが適当と考えるため。 (系統整備についてのエリアを超えた費用負担) •「エリアを超えた費用負担の仕組み」については、需要家が負担する電気料金にも影響することから、ロジック だけでなく実際の影響額も示したうえでご検討いただきたいと考えております。 の裨益を踏まえ、エリアを越えた費用負担の仕組みも検討していくこととしており、頂いた 御意見も参考に進めていきます。 25 新規事業者がノンファーム契約となるのは不公平ではないか 2.系統利用ルールの改善…26ページ「5.事業者に期待される役割・取組の方向性」 再エネの大量導入に向けては、既存の送配電網を最大限活用することが重要です。このた め、ノンファーム型の接続を含めた「日本版コネクト&マネージ」の取組を推進していると 再エネ発電所建設を妨げない系統整備や再エネ優先接続の実行をしてください。現在は、高額の系統連系費用の ころです。ノンファーム型の接続は、系統増強をせずに、早期に再エネの系統接続を実現す 負担が発生していて、また機関系統をつくる費用も発電事業者が負担しています。従来型事業者はすべて自動的に るものであり、再生可能エネルギーの導入拡大拡大のためには、引き続き、こうした対応を ファーム契約(送電混雑が発生しても混雑料金が発生しない)になるのと比較して、新規事業者はすべて自動的にノ 進めることが重要であると考えています。 ンファーム契約とならざるを得ない現状は不公平です。送電線の利用は、ヨーロッパのように徹底した非差別性が 必要です。合わせて発電側課金制度は、送電線利用の徹底した非差別化を前提にしないと不公平感が生まれま す。 26 マスタープランに基づく系統整備等を行う際には、地域間の公平性や費用便益等にも配慮すべき マスタープランを踏まえた地域間連系線等の整備については、その費用を再生可能エネル ギー賦課金や全国の託送料金等を通じて負担する仕組みを導入しており、地域間の公平性を ・事業者の立場としては、将来の電源の導入状況や大規模需要立地の進展などの変化を踏まえたマスタープランの 踏まえた制度としています。また、地域間連系線等の整備にあたっては、費用便益の評価等 見直しの検討を進めていただくとともに、費用便益評価の精緻化に取り組んでいただき、適切な増強判断を行って を行うこととしています。今後、頂いた御意見も踏まえながら、費用便益の評価の精緻化を いただくことが重要と考えている。 含めた対応を進めていきます。 4.(2)②再生可能エネルギーの効率的な活用を行うための広域及び地内系統整備の 在り方(P19) ・今後、再エネや火力の脱炭素化及び原子力といった脱炭素電源の整備や広域系統整備を実施していくにあたって は、これまでにない規模の資金調達が必要であり、制度的措置等についてスピード感をもって進めていく必要があ る。 ・更に、今年度から導入される全面需給調整市場や、北海道・本州間の海底直流送電プロジェクト等において は、システム改修費用を含めた社会コストが非常に大きくなる可能性を踏まえ、新たな制度導入に向けては費用 対便益評価を着実に実施することで、社会的受容性を見極めながら適宜修正しつつ取組むべきである。 ・再生可能エネルギーの導入自体も、物価の上昇や建設適地の減少によって導入コストが増大する可能性があり、 また今後更なる同エネルギー導入に伴い電力系統の安定性を維持するために必要な系統コストが増加する蓋然性が 高いため、電力系統の適切な整備や送配電事業者の費用負担の在り方について改めて議論し整理する必要があ る。その上で、再生可能エネルギー導入のためにかかる電力系統の整備費用について、国が主導する形で国民理解 の醸成に取り組む必要がある。 27 ネガティブプライスを検討・実現すべき 卸電力市場におけるネガティブプライスの導入については、その効果にのみ着目するので なく、インバランス料金制度やFIT・FIP制度、各種市場等を含めた関連諸制度との整合性等 5、出力制御の低減に向けて:市場価格の下限撤廃を求める を丁寧に検討する必要があると考えています。 「電気料金を最大限抑制する」「需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する」ことを目的に実施されてきた電 力システム改革において、メリットオーダーやネガティブプライス(負の価格)導入が前向きに検討されてこな かったことには大きな違和感を覚える。 日本では、電力市場の下限価格が設定され、需給を一致させるために優先給電ルールのもとで出力制御が行われ ている。出力制御の増加は、再エネに対する投資停滞や事業者の撤退につながる恐れがある。 現行の優先給電ルールでは、原発や火力(出力制御後も出力30%を維持)が再エネよりも優先され、出力制御を 行った再エネ事業者に対しては補償も発生しない。卸電力価格引き下げを期待できるメリットオーダーを導入する とともに、再エネ電力の出力抑制に対しては送配電事業者による補償を原則とすることが求められる。 また、太陽光が大幅に発電する昼間など、市場価格がマイナスになる時間帯が生じることで、需要家はその時間 帯に電気を使うことが経済合理的になる。また、その時間帯の電気を蓄電して高需要期に供給し、需給ひっ迫を緩 和するインセンティブを働かせることもできる。結果、DRや蓄電、天候予測等の技術の進歩にもつながり、より 柔軟に、より効率よく電力システムを運用できるようになる可能性がある。 出力制御を徹底的に回避し再エネの大幅導入につなげ、消費者の経済合理性にもつながるネガティブプライスの導 入が早急に求められる。 電力市場においてネガティブプライスが生じることも容認すべきである。 出力制御を徹底的に回避し再エネの大幅導入につなげ、消費者の経済合理性にもつながるネガティブプライスの導 入が早急に求められる。 また、電力市場において、ネガティブプライスについても、検討し、実現するべきである。 ・ 再生可能エネルギーの飛躍的拡大には、公正で競争的な市場の整備が不可欠です。電力市場におけるネガティ ブプライスについても検討し、実現するべきです。 1. 火力発電の段階的廃止と再生可能エネルギーへの転換 ・ 火力発電(石炭、LNG)は速やかに段階的廃止(フェイズアウト)計画を策定し、実行すべきである。LNG 火力への投資は脱炭素化に逆行し、将来的に座礁資産となるリスクが高い。 ・ 再生可能エネルギーの飛躍的な拡大に向け、公正で競争的な市場環境の整備が不可欠である。 ・ 電力市場におけるネガティブプライシングの導入を検討し、出力制御の低減を図るべきである。 「電気料金を最大限抑制する」「需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する」ことを目的に実施されてきた電 力システム改革において、メリットオーダーやネガティブプライス導入が前向きに検討されてこなかったことには 大きな違和感を覚える。 メリットオーダーやネガティブプライスの導入について本格的に検討してください。環境と消費者のためになる、 健全な電力市場を実現を希望します。 4. 出力制御の低減 市場価格の下限撤廃: メリットオーダーやネガティブプライスの導入が検討されてこなかったことに異議を唱えます。 卸電力価格引き下げを期待できるメリットオーダーを導入するとともに、再生可能エネルギー電力の出力抑制に対 しては送配電事業者による補償を原則とすることを求めます。 ネガティブプライスの導入:太陽光が大幅に発電する昼間など、市場価格がマイナスになる時間帯を設け、需要家 がその時間帯に電気を使うことを経済合理的にし、DRや蓄電技術の進歩を促すことを提案します。 28 優先給電ルールにおける火力・原子力の最低出力を引き下げるべきである 優先給電ルールにおける火力・原子力の最低出力を引き下げるべきである。 電力の安定供給を確保しつつ再生可能エネルギーの導入拡大を進めるためには、電力の供 給が需要を上回る場合には、再生可能エネルギー等の出力制御を行うことが必要です。出力 現在の優先給電ルールでは火力・原子力は出力制御時も出力30%を維持することが可能である。今後も再エネ増加 制御に関する優先給電ルールについては、各電源の特性等を踏まえて決定するものであり、 に伴う出力制御が増加することを考えれば、火力・原子力発電の最低出力は10~20%以下に上限を引き下げるべ 現在のルールが適切であると考えていますが、出力制御を可能な限り抑制するため、火力発 きである。 電の最低出力の引下げ等の取組を進めているところです。 出力制御時に火力発電の最低出力を引き下げさせることは燃焼させる化石燃料を減らすことで温室効果ガスの 排出を減らし、火力発電事業者にとっては燃料費の減少や、市場価格が安い時間帯の売電減に繋がり、太陽光発 電事業者にとっては出力制御による影響を緩和につながる。また国産再エネの増加は需要家からも求められている ことである。 29 再生可能エネルギーが出力調整をしても補償されない点を改善すべき 再生可能エネルギーを最大限に活用するためには、その出力制御量の抑制に取り組むこと 日本では、電力市場の下限価格が設定され、需給を一致させるために優先給電ルールのもとで出力制御が行われ が重要であると考えています。このため、2023年12月に策定した再エネ出力制御対策 ている。出力制御の増加は、再エネに対する投資停滞や事業者の撤退につながる恐れがある。 パッケージを踏まえて、蓄電池の導入支援等の具体的な対策を講じていきます。なお、出力 現行の優先給電ルールでは、原発や火力が再エネよりも優先され、出力制御を行った再エネ事業者に対しては補償 制御が発生している時間帯は、エリア全体で電気の余剰が発生しており追加的に電力を供給 することができず、電力市場においてその追加的な電力に経済的価値が付かない状況になっ も発生しない。 卸電力価格引き下げを期待できるメリットオーダーを導入するとともに、再エネ電力の出力抑制に対しては送配電 ています。このため、これを国民負担により補償することは妥当でないと考えています。 事業者による補償を原則とすることが求められる。 現在の優先給電ルールは、原子力や火力が優先となっており再エネが出力調整をしても補償されません。この点も 改善すべきです。 30 電力の柔軟性についても評価するべき 再生可能エネルギーの主力電源化にあたり、出力の変動する再生可能エネルギーの 本文書には、国際標準となっている「柔軟性」に関する記述が全く無い。「柔軟性」の評価と「柔軟性」の供給 電力市場への統合を進めるため、揚水発電や蓄電池の活用など、調整力の確保を進め 量を増加させる政策を構築することが必要不可欠である。 てまいります。また、変動性再生可能エネルギーの導入量が更に増加することに伴い必要と 5. 電力システムの柔軟性向上 なる調整力を確保し、系統・需給運用の高度化を進めることで、再生可能エネルギーの変動 ・ 国際標準となっている「柔軟性」の評価と供給量増加策を策定し、再生可能エネルギーの変動に対応できる 性への柔軟性も確保した、次世代の電力ネットワークの構築を推進してまいります。 電力システムを構築すべきである。 ・ 市場価格の下限撤廃など、柔軟性を高めるための市場設計を行うべきである。 再エネ最優先で柔軟性を確保する電力システムへの大きな変革を行うべき(全体) 参照;https://power-shift.org/241030_symposium/ 本案には、国際標準である電力システムの「柔軟性」に関する記述が全くない。脱炭素化と安定供給を両立させる には、変動性の高い再エネを活用するための柔軟な電力システムが不可欠である。柔軟性の評価を行い、供給量を 増加させる政策を早急に構築すべきである。これを怠ることは、再エネ拡大の足かせとなり、脱炭素化目標の達 成を遠ざける。 7. 再生可能エネルギーの拡大 公正な競争環境の整備:再生可能エネルギーの飛躍的な拡大のためには、公正で競争的な市場の整備が不可欠で あることを主張します。 柔軟性の重視:国際標準となっている「柔軟性」に関する記述が全くありません。「柔軟性」の評価と「柔軟性」 の供給量を増加させる政策を構築することを求めます。 31 安定供給と脱炭素を両立する持続可能な電力システムの構築に向け、実効性のある制度構築をスピード感を持って 進めるべき 制度の具体化へ向けた検討を速やかに進めるため、総合資源エネルギー調査会電力・ガス 事業分科会の下に、電力システムの制度改正について集中的に議論する会議体を設置し、 2025 年中を目途に制度改正の内容をとりまとめます。制度改正については、必要に応じて、 <意見内容および理由> (実効性のある制度構築) •電力システム改革については、改革に取り組まれた当時とは状況が大きく変わってきており、足元では電力の需 とりまとめを待たずに反映していくことも含め、速やかに実施することとし、電気事業法等 の改正が必要な場合には、法改正も含めて具体的な制度整備を行っていきます。 給ひっ迫など「エネルギー安全保障・安定供給」に関する課題が顕在化しているものと認識しています。 •我が国の島国としての国情も踏まえつつ、経済性の追求はもちろん、エネルギー安全保障の確保とカーボン ニュートラルを両立することのできる、持続的な電力システムへの再構築が必要であると考えております。 •今回、こうした事業環境の変化等を踏まえ「発電事業」「系統整備・需給運用等」「小売事業」の3つの課題に 対する対応方針がとりまとめられ、将来の電力システムを支える取引市場の全体像も示されたものと受け止めてい ます。 •安定供給と脱炭素を両立する持続可能な電力システムの構築に向け、今後検討される詳細設計が極めて重要であ り、実効性のある制度構築をスピード感を持って進めていただくようお願いいたします。事業者としても、その検 討にしっかり協力してまいりたいと考えています。 32 電気事業者から前広に意見を取り入れた上で、安定供給を大前提に電力コストを踏まえて電力の将来を描いて頂 きたい 今般の検証においては、旧一般電気事業者を含め幅広い有識者・実務者の方々からヒアリ ングを行った上で、いただいた御意見等を踏まえ、電力システムが直面している課題を整理 6.(3)今後に向けて(P34) ・戦後の急速な発展に伴う電力需要の伸びにより、大規模な電源開発が急ピッチで進める必要があった。その点 においては総括原価方式における発送配電一貫経営は、時代にフィットした体制であり、結果的にもたらされた 低廉かつ安定的な電力供給によって多くの国民が利益を享受できたと言える。 しました。今後の電力システムが目指す方向性としては、「安定的な電力供給」「電力シス テムの脱炭素化」「安定供給や脱炭素化、物価上昇等による価格への影響を抑制しつつ、需 要家に安定的な価格水準で電気を供給できる環境の整備」を掲げており、目指すべき方向性 に向けて取組を進めてまいります。 ・東日本大震災以降、電力システム改革の下、事業者の競争促進や需要家の選択肢が広がったことに関しては、一 定の効果があったことは認識されているとおりだと思われる。他方で、近年頻発する電力需給ひっ迫や、供給力確 保の問題、更には容量市場や脱炭素オークション等の新たな制度運用における諸問題等、課題は山積しており、新 たな制度が複雑で理解が容易でないことも手伝って、電力システム改革を誰のために行っているのか、事業者だけ でなく国民にとっても不透明な状況になっていると思われる。 ・旧一般電気事業者は、東日本大震災前のような資本力や人材を有することは難しくなっており、電力自由化に 伴い収益見通しの不透明さが増し、それに起因して投資力も脆弱化した現状では、電力システムに対する長期的な 巨額投資を実施することは極めて難しくなっている。 ・今後、データセンターや半導体工場の増加に伴う電力需要増加や、高度成長期に急拡大した送配電網の設備更 新や大消費地への海底直流送電線等の建設、更に火力発電所の脱炭素・低炭素化改修やリプレース工事、老朽化 した水力発電所の大規模改修工事などが数多く発生する見込みである。これに加え、原子力発電所の新増設や、 小型モジュール炉や核融合炉といった新技術を開発・投資していくとすれば、高度成長期と同様とまでは行かない ものの、電力インフラに対する巨額の再投資時代がやってくることは疑う余地はない状況である。 ・今後は電力システム改革を推し進めてきた国のプレゼンスは更に重要なものとなる。従前より検討してきた種々 の制度設計を着実に展開しつつ、旧一般電気事業者を中心として電気事業者から前広に意見を取り入れた上で、電 力の安定供給を損なわないことを大前提に、電力コストに関する社会的受容性を鑑みながら、我が国の電力の将 来を描いて頂きたい。 33 電力システム改革は1.5℃目標に整合するものであるべき 電力システムを取り巻く経済社会環境の変化を踏まえ、今後の電力システムが目指すべき 方向性の一つに「電力システムの脱炭素化を進める」ことを掲げました。なお、本文書で (3)1.5℃目標と整合的な電力システム改革を進めることを明記することを求める。 34 システム改革がどのような効果を生んでいるのか検証を行うとともに、その改善策を検討すべき は、地球温暖化対策や電源構成を含む具体的な数値目標を検討の対象としていませんが、他 の政府文書等における検討を踏まえながら、電力システムの制度設計に取り組んでいきま す。 今回の検証にあたっては、審議会において、電力システム改革の目的を踏まえた成果や課 題等について、幅広い有識者・実務者からのヒアリングを実施した上で、複数回の議論を経 該当箇所p.7からの 現状評価 意見 全体的に事実把握、評価が不十分、不適切である。評価のやり直しをすべきである。 理由 例1 「(p.8)2000年から2010年にかけては、国際燃料価格が上昇する中で、日本は欧州等と比 較すると比較的電気料金の上昇幅は抑制されていた。この要因としては、発電自由化による効率性の追求に加え、 電源への新規投資が減少していたこと、化石燃料価格高騰の影響を受けない原子力発電の稼働率が高かったこと等 が考えられる。」 報告書参考図6(実質値による家庭用電気料金の国際比較)では、日本の電気料金は1995年以降、201 0年までは低下している。一方、「電源別発受電電力量の推移(https://www.ene100.jp/ zumen/1-2-7 )」をみると、原子力の発電比率は2000年34%が最も高く、その後、2010年に かけて25%へと低減している。発電量も同様である。これだけでは、因果関係は主張できないが、原子力の発電 比率の高さが料金低減に寄与しているとはいえないはずである。しっかりと分析すべきである。 例2 再エネの出力制御についての言及がp.34の1カ所しかなく、具体的なデ-タも明示されていない。 例3 一連の問題を生じさせた通産省、経済産業省、エネルギ-庁の政策の失敗についての言及がない。 システム改革検証については、これまで国の審議会で個別テーマ毎に議論され検証がなされているが、システム改 革当時は「再生可能エネルギーの大量導入」、「需要増加」、「電源不足(原子力再稼働遅延・投資停滞・退出 増加等)」が前提条件として織り込まれていなかったところ、結果として再生可能エネルギーの大量導入・需要増 加・電源不足によりシステム改革がどうなったのかについて、検証・議論が必要である。 て、その結果と今後の目指すべき方向性を取りまとめました。本検証については、改正電気 事業法の附則に基づいて実施しましたが、電力システムを取り巻く状況は今後も変わってい くため、電力システムの制度改正について集中的に議論する会議体において今後の検証の在 り方についても整理することとしています。 対象施策(※)その他(システム改革効果検証) 意見内容 電力システムの改革を通じた自由化・市場化の進展に伴い、競争を通じた電力料金の抑制が進む一方 で、電力事業の不確実性/リスクが拡大するなど、民間事業としての電力ビジネスの難しさも顕在化している。電 力システム改革の目的の一つである「需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大」などの観点から、今までのシス テム改革がどのような効果を生んでいるのか、プラス面とマイナス面の双方から検証を行うとともに、その改善策 の検討を行っていただきたい。 理由 同上 35 電力システム改革について他国の例を学ぶべき 検証の過程において、第73回電力・ガス基本政策小委員会では、IEAやEU等からヒアリン サイエネとサイエネの大量導入、特に vreと言われてる太陽光風力大量導入と市場をうまく組み合わせて グを実施するとともに、事務局資料等においても海外の事例を取り上げて参考にしました。 いち早く脱炭素型の再エネが100%になるようなエネルギー電力システムを作るってことが世界的には課題になる 今後も、海外における電力システム改革の動向に注視しつつ、安定供給と脱炭素を両立する ところが多い。日本は それが真逆になっている。電力システム改革について他国の例を学ぶことも大切と思いま 持続可能な電力システムの構築に向けて取り組んでいきます。 す。 36 消費者の利益・意向を踏まえて電源や発電会社を自由に選べるように制度を充実させていくべき 消費者は小売電気事業者を選択することが可能です。また、小売電気事業者によっては電 消費者の利益・意向が最大限尊重されるよう、電源・発電会社を自由に選べるように、制度を更に充実させてい 源を明示したメニューを提供する等、料金メニューやサービスは多様化しており、消費者の くこと。 選択肢は拡大しているものと考えています。 願いしたい 理由 ・これまでの10年間とこれからの時代は全く違うフェーズにいるという認識しなければならない、という記載 に同感です。 れるよう期待しています。 37 量的な供給能力(kWh)の確保が小売事業者の過度な負担拡大や不公平な競争環境につながってはならない 御指摘の小売電気事業者に求める量的な供給能力(kWh)の確保に関する検討は、電気料 金の急激な変動が企業の経済活動や国民生活に影響を与え、料金の大幅な変動は社会的に許 ・該当箇所(どの部分についての意見か、該当箇所が分かるように明記して下さい。) 容し難い状況にあることが明らかになったことや、需給がひっ迫し、政府として需要家に節 p.24,l.3 電を要請せざるを得ない事態が生じているといった電気事業をとりまく環境変化を踏まえて ○供給能力(㎾)の確保を容量市場を通じて行っていることを含めた日本の実情を踏まえつつ、量的な供給能力 行うものです。 (kWh)の確保に関し、小売電気事業者に求める責任・役割やその遵守を促す規律、それを前提とした市場や卸 その上で、検討に当たっては、海外の事例も参考に、現行制度下において供給能力(kW)の 取引を含む制度措置の必要性等について、検討を深め、必要な措置を講じていく 確保を容量市場を通じて行っていることを含めた日本の実情を踏まえつつ、市場や卸取引を ・意見内容 含む制度措置の必要性等についても検討を深め、必要な措置を講じていくこととしておりま ○小売電気事業者として、電気事業法に定められている供給能力(kW)は容量拠出金を通じて確保している す。 ○量的な供給力(kWh)は、一次的には、上記供給能力を活用して発電事業を行う発電事業者が負っているもの と理解 ○発電された電力を調達し、需要家に届けることが小売電気事業者の役割であり、小売電気事業者のみに供給能 力確保義務を課すことには違和感 ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○小売電気事業者は容量拠出金を拠出することによって供給能力確保義務(kW)を満たしています。結果とし て、発電設備を保有しない小売電気事業者にとっては、電力の調達価格は下がらず、容量拠出金の負担増を需要 家に転嫁せざるを得ないような厳しい状況となっております ○一方、供給力(kWh)は、容量拠出金を通じて確保された発電設備により、発電事業者が発電を行うことで生 成されるものであり、その確保に当たってはまず発電事業者がその責を負うものと考えます ○発電事業者が発電した電力を調達し、需要家に届けることが小売電気事業者の役割であり、本記載のように小 売電気事業者に一義的に供給力(kWh)確保の責を負わせるかの記載は誤解を招きかねないものと懸念します 意見内容量的な供給能力(kWh)の確保に関し、小売電気事業者に対する過度な規律強化や、健全な競争環境の 阻害にならないよう、適切な制度設計をお願いしたい。 理由需要家保護の観点から、過度な負担の軽減や、急激な料金変動の回避を目指す方針について賛同する。 一方、小売電気事業者は既に供給力(kW)確保のために容量拠出金を負担していることから、量的な供給能力 (kWh)の確保義務等による負担増加や、小売間の不公平な競争環境は回避すべきと考えるため。 大多数の小売電気事業者が自前の電源を持たない中で、長期契約等による供給量の事前の確保努力がなされたと しても、需給ひっ迫時に量的な供給能力(kWh)を確保できなくなる可能性は否定できない。全体のパイが不足す る状況では、小売電気事業者の供給力確保努力には限界があり、小売事業者のみの責に帰すことがないよう配慮 すべきではないか (原文) 具体的には、小売電気事業者が料金水準や料金メニューを自由に設定し、これを需要家が選択することができる 環境を前提とした上で、安定供給の確保や電気料金の変動幅の抑制の観点から、海外事例も参考に、現行制度下 において供給能力(kW)の確保を容量市場を通じて行っていることを含めた日本の実情を踏まえつつ、量的な供 給能力(kWh)の確保に関し、小売電気事業者に求める責任・役割やその遵守を促す規律、それを前提とした市 場や卸取引を含む制度措置の必要性等について検討を深め、必要な措置を講じていく。 (修正案) 具体的には、小売電気事業者が料金水準や料金メニューを自由に設定し、これを需要家が選択することができる 環境を前提とした上で、安定供給の確保や電気料金の変動幅の抑制の観点から、海外事例も参考に、現行制度下 において供給能力(kW)の確保を容量市場を通じて行っていることを含めた日本の実情を踏まえつつ、量的な供 給能力(kWh)の確保に関し、発電事業者の安定的な電力供給の取組と併せ、小売電気事業者に求める責任・役 割やその遵守を促す規律、それを前提とした市場や卸取引を含む制度措置の必要性等について検討を深め、必要 な措置を講じていく。 38 小売電気事業者に対する規律を強化する際には、過度な負担を強いることのないように配慮をすべき 小売電気事業者に対する規律の強化は、市場環境が厳しい局面において小売電気事業者の 退出等が相次ぎ、需要家が意図しない契約解除や特別高圧・高圧分野の最終保障供給への移 ・意見内容 行等により需要家に一定の負担や混乱が生じたことや、供給実績が確認できない小売電気事 ○需要家保護の観点から一定の規律が必要となるのは理解 業者の一部が犯罪に利用されたことが疑われる事例も生じていたことなどを踏まえ、新規参 ○真面目に事業を営んでいる小売事業者と事業実態がないような事業者とを、一律に規律を強化することには反対 入を過度に阻害しないよう配慮をしつつ、需要家保護を適切に図る観点から検討を行うこと ○規律を強化する際には、その準備期間や強化の頻度等、真面目な事業者に過度な負担を強いることのない配慮 としたものです。 が必要 今後、いただいた御意見も参考に、具体的な検討を進めていきます。 ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○報告書に記載の「供給実績が確認できない事業者が 200 社以上存在し、その 一部が犯罪に利用されたことが疑 われる事例も生じている」ような事態は非常に憂慮する事態と考えます ○一方、規律に的確に従い、需要家の多様なニーズに応えることを真摯に考えている真面目な事業者が存在してい ることも事実です ○そうした事業者を一律的に捉まえ、同じ規律を課すことは真面目な事業者にとって、効率的事業運営の阻害要 因となりかねないと考えます ○供給実績が確認できない事業者に対してのみ規律を強化するなど、メリハリの利いた規律強化を検討願います ○なお、規律を強化する際には、真面目な事業者の事業運営への負担にも配慮し、十分な準備期間を確保するとと もに、頻繁な規律強化とならないよう配慮することが必要と考えます 39 電源構成と排出係数の分かりやすい開示方法を統一的に定め、小売電気事業者に対し義務化すべき 一般に、小売電気事業者の供給条件の開示については、法令等に基づき義務付けられてい るものを除き、各小売電気事業者の創意工夫により、需要家のニーズを踏まえて行われるも のだと考えられます。 消費者・市民が、積極的に電源を選択することができるよう、電源構成と CO2 排出係数の分かりやすい開示方法 を統一的に定め、小売電気事業者に対し義務化すべきである。 その上で、現行の「電力の小売営業に関する指針」においては、小売電気事業者が電源構成 の開示を行うこと、非化石証書の使用状況について情報を開示する際には二酸化炭素排出係 数を併せて記載することを望ましい行為として規定しております。 40 実需同時同量への移行について検証・議論が必要 電力の自由化前、旧一般電気事業者は、電力の供給エリア全体の需要量と供給量を瞬時瞬時(時々刻々)で一致 させ(瞬時瞬時の同時同量)て系統を維持し、扱う電力量が少ない小売電気事業者は、連続的に瞬時瞬時の同時 同量の電力供給を達成することが技術的に困難なため、「30分間に消費される電力量」と「30分間に発電する電 力量」を一致させる(30分実需同時同量)ことを基本とするルールで運用されてきた。小売全面自由化以降は、 計画値同時同量へと変更となったが、これは電源を多く保有する旧一般電気事業者と他の小売事業者との不公平 感を考慮した暫定的な措置であり、システム改革から一定期間が経過し、プレイヤー・電源の多様化も進んだとこ ろ、安定供給の確度をより高めていくためには、実需同時同量への移行について検証・議論が必要である。 41 部分供給は認めるべきではないか 2016年4月の小売全面自由化を機に導入された計画値同時同量制度のもとでは、発電事業者 や小売電気事業者に対して、発電計画や需要計画の策定・提出を求めるとともに、実発電 量、実需要量との差分(インバランス)を、インバランス料金で清算することとなります。 また、一般送配電事業者に周波数維持義務が課されており、時々刻々と変化する需要と供給 を調整電源等を用いて調整するなど、安定供給を実現しています。 現時点で同制度を見直すことは想定しておりませんが、電力の安定供給の確保に資する制度の 改善については、今後も検討してまいります。 第76回電力・ガス基本政策小委員会の議論を踏まえて、オフサイトPPA等の従来の制度で は想定されていなかった価値や事業の形態が発現したことも踏まえ、新たに分割供給を導入 意見内容 一層の再エネ電力普及に資すると考えられる事業者の取組に対する障害・課題となっている制度や旧一 することとし、「当面の対策」としての役割を終えたと評価された部分供給は、分割供給の 電の運用などについて検証を行い、解決のための具体的措置を検討頂きたい。(特にフィジカル及びバーチャル 導入と同時に新規受付停止することとしました。したがって、部分供給の活用が想定された PPAについてご検討をお願いしたい) 供給形態についても分割供給を活用して電気の供給を行うことが可能です。 ・安定供給の確保や再エネ導入の拡大が事業者に求められる中、再エネ拡大に関しては、関連する制度や旧一般電 気事業者の運用がその障害や課題となっていると考えられるケースもある。国として広くこうしたケースを調査す るとともに、課題の解決の検討を頂くことで、再エネ拡大視点での事業環境整備を進めて頂きたい。 ・こうしたケースの一つとしてフィジカルPPA及びバーチャルPPAに関する課題があると認識しているため、我々 が認識している具体的な事例を以下に挙げさせて頂く。a) フィジカルPPAの実施に当たっては、部分供給が不可 欠である。そのため、「適正な電力取引についての指針」においては、部分供給要請に対する拒絶や不当な高い 料金設定を禁じている。しかし実態としては、需要家にフィジカルPPAの提案をするにあたり、旧一電(小売)は 「従来適用されていた割引を取り消す」という対応をし、それにより需要家がフィジカルPPAの導入を断念する ケースが多い。一定量の電力需要を見込んで割引をしていたところその需要の一部が減少するため割引を取り消す という論理は一定程度理解できるものの、減少する需要量がその需要地における需要量の一割程度といった少量 であっても取り消される状況であり、これが正当な商行為であるかについては疑義を有する。b) 同じくフィジカ ルPPAの部分供給について、同指針において、必要性を超えた事前通知の要請を禁じている。気候条件に左右さ れる再エネ発電においては直前まで予測発電量が変動するため、計画値の事前通知期限が早ければ早いだけ、再 エネ発電事業者としては保守的な計画値を作成せざるを得ない。従い、事前通知を早いタイミングに設定すること はフィジカルPPA事業に負の影響を与え、再エネ電源の普及を阻害する。現状、旧一電(小売)の多くは2日前を 事前通知期限としていることが多いがフィジカルPPAについては、この普及を進めるため、部分供給の事前通知期 限を、スポット市場の締め切りが1日前の午前10時であることを踏まえ、合理的な範囲で直前まで認められる方向 性に促していただきたい。 42 公正な競争環境整備のために大手電力の送配電部門の所有権分離や発販分離をすべき 電気事業を取り巻く環境変化や課題への対応については、今後、検討を深めていく必要が ありますが、適切な行為規制を講じること等により、法的分離の下での送配電部門の中立 性・透明性の向上に努めることを前提に、少なくとも現時点で制度的に所有権分離を求める 6、大手電力の独占体制に対して:公正な競争環境整備のために、送配電部門の所有権分離や発販分離を求める 必要は無いと考えられます。その上で、送配電部門の中立性・透明性の確保に向けた更なる 2022年12月以降、大手電力の一般送配電事業者からの情報漏洩、小売部門による不正閲覧の問題が次々と明らか 制度的な対応については、事業者の取組状況を踏まえてその必要性を継続的に検討し、仮に になった。これらの問題の根本は、発電、小売、送配電において大手電力の一体化、電力市場に対する独占体制 必要性が生じたときは、その背景や理由を踏まえて、所有権分離も1つの選択肢としつつ、 が続いていることにある。 具体的な対応策を検討していきます。 今回「丸6送配電部門の中立性・透明性向上」の整理では、「少なくとも現時点で制度的に所有権分離を求める必 また、発販分離及び会計分離については、各電気事業者(旧一般電気事業者に限定せず、 要はない」(p.21)としている。しかし、親会社や発電・小売部門による資本面の影響を取り除き、送配電事業者 新電力も含む、全電気事業者)の判断として、事業戦略上必要であれば自由に選択可能です が、今後の小売電気事業の活性化の観点からは、旧一般電気事業者等による内外無差別な卸 の中立性を真に確保するには、欧州や先進国で先行しているように所有権分離に踏み込む必要がある。 送配電部門の法的分離の上、行為規制を徹底するとされているが、それにかかる多大な人的・時間的・金銭的コス 売を前提に、各電気事業者が自らの事業計画に基づき、短期/長期の相対契約を組み合わせ トを考えると、早期に所有権分離を実現した方が社会的な総コストが少なくなるのではないか。大手電力のビジ ること等により多様な供給力のポートフォリオの構築を行うことができる環境が実現されて ネスモデルの見直しや信頼回復のためにも、一刻も早く所有権分離について真剣に検討するべきだ。 いるかを重視し、旧一般電気事業者等による卸売を促進・モニタリングしていくこととして 電力・ガス取引監視等委員会による監視が機能せず、取組を進めてもなお小売市場における公正な競争環境が確 います。 保されなかったことからも、発販分離・会計分離などの抜本的な対応の義務化が必要だ。 公正な競争環境整備の為に、発送電部門の所有権分離や発販分離を求める。 電力システム改革の根幹を揺るがす行為を続けてきた大手電力に対し、現在の検証結果は甘いと言わざるを得な い。電力、ガス取引監視委員会による監視が機能せず、取組をすすめてもなお小売市場における公正な競争環境 が確保されなかったことからも、発販分離・会計分離などの抜本的な対応の義務化が必要だ! 電力システム改革の根幹を揺るがす行為を続けてきた大手電力に対し、現在の検証結果は甘いといわざるを得な い。電力・ガス取引監視等委員会による監視が機能せず、取組を進めてもなお小売市場における公正な競争環境 が確保されなかったことからも、発販分離・会計分離などの抜本的な対応の義務化が必要だ。 大手電力の独占体制に対して公正な競争環境整備のために、送配電部門の所有権分離や発販分離を求める。 公正な市場競争のルールを公然と破る大手電力会社の逸脱行為を許さないためには、発電、小売、送配電を完全 分離すること、所有権分離が不可欠だ。そこに踏み込んだ内容をシステム改革の課題として明記すべきだ。 電力会社(旧一電)の独占体制を打破するため、送配電部門の所有権分離や発販分離を進め、公正な競争環境を 構築する必要がある。これなくして、再エネの普及は限界に直面する。 公正な競争環境整備のために、送配電部門の所有権分離や発販分離を求める 2022年12月以降、大手電力の一般送配電事業者からの情報漏洩、小売部門による不正閲覧の問題が次々と明らか になった。これらの問題の根本は、発電、小売、送配電において大手電力の一体化、電力市場に対する独占体制 が続いていることにある。 今回「送配電部門の中立性・透明性向上」の整理では、「少なくとも現時点で制度的に所有権分離を求める必要 はない」(21ページ)としている。しかし、親会社や発電・小売部門による資本面の影響を取り除き、送配電事 業者の中立性を真に確保するには、欧州や先進国で先行しているように所有権分離に踏み込む必要がある。 送配電部門の法的分離の上、行為規制を徹底するとされているが、それにかかる多大な人的・時間的・金銭的コス トを考えると、早期に所有権分離を実現した方が社会的な総コストが少なくなるのではないか。大手電力のビジ ネスモデルの見直しや信頼回復のためにも、一刻も早く所有権分離について真剣に検討するべきだ。 また、この検証結果は、発電部門と小売部門を分社化する発販分離には触れてすらいない。 小売と発電が一体化している状態では、小売部門の損失を発電部門が補うこともでき、市場に対して価格支配力を 行使することもできる。現に大手電力の市場価格の吊り上げや、内外無差別に反する行為が公正取引委員会によっ て指摘されてきた。 電力システム改革の根幹を揺るがす行為を続けてきた大手電力に対し、現在の検証結果は甘いといわざるを得な い。電力・ガス取引監視等委員会による監視が機能せず、取組を進めてもなお小売市場における公正な競争環境 が確保されなかったことからも、発販分離・会計分離などの抜本的な対応の義務化が必要である。 (2)上記(1)の不正事案が起きる背景として発電、販売、送配電の分離が徹底していないことが考えられること から、それぞれの所有権分離について実施年度を定めて移行させることを明記することを求める。 4.電力自由化における公平性、透明性を基本とした所有権分離による発送電分離に転換してください。…21 ページ「⑥送配電部門の中立性」 法的分離による発送電分離が行われている現在の方式では大手電力会社が発電部門と送電部門、小売り部門の 癒着が起こる状況にあります。実際に送電会社が持っている新電力の顧客情報が大手電力会社の小売部門に渡さ れた犯罪、市場を不当に操作する犯罪が発生しています。中途半端な発送電分離は電力自由化の基本を犯している のは明確です。速やかに所有権分離を法律で規制すべきです。 ④送配電部門の所有権分離を行い公平・中立な運営を行うべき(21ページ) 送配電部門の分離のあり方について、2013年2月の「電力システム改革専門委員会報告書」では、「中立性を実現 する最もわかりやすい形態として所有権分離があり得るが、これについては改革の効果を見極め、それが不十分な 場合の将来的検討課題とする」とされ、より容易に実施できる法的分離が選択された。 2022年末、送配電子会社と親会社との情報遮断が不十分であり、新電力の顧客情報が営業活動に使われるなどの 不正さえ起こっていたことが明らかになった。法的分離では、中立性・公平性の確保に不十分であり、その状態 が長く続いていたのである。 システム改革検証の議論のなかでも所有権分離の必要性について議論が行われたものの、「少なくとも現時点で 必要ない」とまとめられた。しかし、内部統制の強化や外部監視のみでは、十分な情報遮断を担保することはで きない。今こそ、中立性・公平性の確保にむけて所有権分離が必要である。 発送電分離は徹底的に実施し、発電会社と送電会社は、資本も含めて関係を断ち切ること。 ・意見内容 ○旧一電の発電/小売部門を会計分離し、その詳細な会計結果を公認会計士の確認を経て開示する等のルールが必 要 ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○内外無差別を徹底し、適正な競争環境を確保するためには、発電/小売部門間の取引も含めた原価の詳細を明ら かにし客観的な監査を受け公表するなど、発電/小売部門間での内部補填が行われていないことが確認できるルー ルが必要と考えます 5. 大手電力会社の独占是正 発販分離の義務化: 小売と発電が一体化している状態では、小売部門の損失を発電部門が補填でき、市場に対して価格支配力を行使で きるという問題を指摘します。 大手電力によるカルテルや価格つり上げ行為が公正取引委員会によって指摘されてきたことを踏まえ、発販分離・ 会計分離などの抜本的な対応の義務化を求めます。 ⑤大手電力と新電力の非対称な関係を是正すべき。大手電力の発電部門と販売部門は分離すべき。(22-23ペー ジ) 電力小売全面自由化からまもなく9年を迎える。 新電力のシェアは、約5%から2021年度には20%以上まで伸びたものの、その後の市場価格高騰などを受け低下 し、2024年度は17~20%程度となっている。 大手電力による取り戻し営業や低価格での入札参加も見られるなど、大手電力が圧倒的な競争力を持っている状 況には大きな変化がない。 大手電力は、自由化以前に建設された大規模発電設備の大半を所有している。減価償却の進んだそれらの「安価」 な電気を自社で優先的に使用していることが、その背景にある。 2024年1月発表の公正取引委員会「電力分野における実態調査報告書(卸売分野について)」でも、大手電力発電 会社と大手電力小売会社に対して長期契約で卸売りを行い、大手小売がその余剰分を新電力に卸すという関係に あったことが指摘されている。 さらに、東京電力・中部電力以外では発電部門と小売部門が一体のままであり、自社内部での補助や不透明な形 での取引が行われている。大手電力小売部門が、調達価格を下回る小売価格を設定していた事例が確認され、独占 禁止法上問題となるおそれがあると指摘されている。 発電部門と小売部門の分離を進めるとともに、大手発電部門の電力は公平に(内外無差別に)新電力も含めた各 社に供給すべきである。 ※公正取引委員会「電力分野における実態調査報告書(卸売分野について)」2024年1月17日 https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2024/jan/240117.html 43 発送電の所有権分離をすべきではない 送配電部門の中立性・透明性の確保に向けた更なる制度的な対応については、事業者の取 組状況を踏まえてその必要性を継続的に検討し、仮に必要性が生じたときは、その背景や理 4.(2)⑥送配電部門の中立性・透明性向上(P21) 由を踏まえて、所有権分離も1つの選択肢としつつ、具体的な対応策を検討していきます。 ・旧一般電気事業者による一連の不正事案に端を発し、一般送配電事業者の所有権分離に関しては、安定供給の確 保とGXの両立に資する「現場力」や働く者の一体感・使命感醸成の観点から行うべきではないと考える。所有 権分離を強制することは国会答弁においても憲法上の財産権侵害にあたるという指摘があることに加え、所有権 分離を先行実施したEUやイギリスでも民間事業者に対する強制的な分離は例がない。 ・また、与信低下による資金調達環境の悪化を招きかねず、更には組織・職場の分断等により長年継承・蓄積して きた技術・人材、そして安定供給に対するマインドといった「現場力」が著しく棄損されることを懸念する。 ・激甚化する自然災害への対応も課題が残る。2019 年台風 15 号は電力設備の復旧や停電の解消に大幅な時間を 要したが、倒木や道路復旧などと複合した対応は電気事業者だけでの設備復旧には限界がある。災害の経験を踏 まえた電力レジリエンス向上のために、今後は「安定供給」の優先順位をより高く位置付けた電力システムを構 築すべきであり、そのうえで官民の連携強化が極めて重要であると考える。 44 送配電事業も独占にならないよう競争入札ができるようにすべき 現在、大手電力会社が自分のエリア外で電気を販売している事からも考えると、送配電事業も独占にならないよう 競争入札ができるようにすべき。 45 経過措置料金を解除すべき 電気事業法においては、自らが維持し、及び運用する送配電用設備により電気を供給する 事業として、一般送配電事業のみではなく、特定送配電事業等も位置付けられており、送配 電事業に旧一般電気事業者以外の者が参入することが可能です。 低圧部門の経過措置料金については、その解除の基準としては、①消費者の状況(電力自 【経過措置料金の解除が必要】 由化の認知度など)、②競争圧力(シェア5%以上の有力で独立した競争者が供給区域内に ・経過措置料金は、電気料金の上昇幅を抑制する効果があるとされる一方で、一部の事業者による負担を前提と 2者以上存在するかなど)、③競争的環境の持続性(電力調達の条件が大手電力小売部門と しており、競争の妨げになっているとの指摘もあることから、公平な競争環境の整備に向けて、燃料費調整上限の 新電力との間で公平かなど)という3つの観点から総合的に判断すべきこととされておりま 撤廃などの見直しや経過措置料金の解除に向けた早急な検討が必要 4.経過措置料金の現状と今後の検討課題(該当箇所:4.(3)③) すが、現時点でこれらの基準を満たす供給区域はありません。 その上で、将来的に経過措置料金を解除する場合には、安定供給の確保や電気料金の変動 幅の抑制の観点から講じる措置等の関連する制度の検討状況を踏まえた上で、経過措置料金 ことができないことにより,逆ザヤが発生することにつながるとともに,小売事業者の競争環境を歪めることと が実体的に果たした役割の是非や今後の制度的な対応の必要性、低圧需要家に対するセーフ なっているため,早期に撤廃することが適当。仮にその残置が継続される場合には,燃調上限の撤廃や,GXコス ティネットの在り方・必要性等について改めて検討し、必要に応じて適切な措置を講ずるこ トを適切に反映できる仕組みなど,手続きの合理化を含めた見直しが必要である。 とが課題となります。 経過措置料金の在り方について、その存在自体が競争の妨げになっているのではないかという指摘は、電力・ガ ス基本政策小委員会において計5回(第71回、第78回、第81回、第84回、第85回)に亘り委員からも意見が出て いたものと承知しています。 ただ、今回の案を拝見しますと、需要家保護の観点のみでの対策方針に限った記載となっており、競争環境の観 点では「経過措置料金解除後の対策」の方針を考える旨の記載はございますが、現下の競争環境の歪みにおける対 策方針は記載されていません。本案は上述の小委員会における委員意見に対しての回答が無いとも捉えることも出 来るかと存じますが、これについて理由があればご教示頂けますでしょうか? ・意見内容 ○経過措置料金の審査にあたっては、新電力に販売する卸電力料金との整合性にも配意することが必要 ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○経過措置料金が旧一電卸電力料金の水準では成立できない程の安価な料金となっていたエリアも存在したこと から、現行の経過措置料金は適正な競争環境を阻害する要因にもなりかねないものと考えます <意見内容および理由> (経過措置料金の見直し・解除) •経過措置料金は、卸市場の活性化等、電力の調達手段が多様化している状況や、市場価格のボラティリティが高 まっている状況下において機動的な反映ができないことや、今後の脱炭素化実現に向けた追加コストも想定され る中で、こうしたコストや非化石証書調達費用等といった外生的費用の機動的な反映ができないことが課題であ り、これらの経過措置料金の仕組み上の課題が、競争を歪める虞があると考えており、経過措置料金を解除するこ とが原則であると考えております。 (経過措置料金の解除を見据えた検討) •ウクライナ危機を契機とした電気料金の急激な高騰が国民経済に与えた影響や将来のリスク、カーボンニュート ラルの実現と安定供給の両立に向けた発電投資の状況等を総合的に勘案しつつ、料金負担の在り方について整理が 必要といった指摘があります。こうした指摘を踏まえ、経過措置料金の解除を見据えて、見直しを含めた検討を 進める必要があると考えております。 4.(3)③経過措置料金の現状と今後の検討課題(P24) ・本来、自由競争の環境下においては、料金の設定は企業毎に戦略を持って行うべきものである。電力市場の全 面自由化は、公正で中立的な競争環境下で、全ての事業者が電気事業者としての公益的責任を果たしたうえで、お 客さま利益の増進に向けて切磋琢磨することが基本であり、旧一般電気事業者のみに課される小売料金規制の経 過措置は、速やかに撤廃すべきである。 ・そのためにも、経過措置料金を解除する場合の課題や課題解決に向けた論点整理を進めていく必要がある。 ・また、電力需給の現状等に鑑み、当面の間、経過措置料金制度が継続するのであれば、少なくとも持続可能な 電力システムを支える費用の確実な回収が保証されるよう、燃料価格や労務費単価の高騰等の外生的な費用変動 をより機動的に反映する仕組みを検討すべきである。 ② 経過措置料金の課題解決 ・ 案には、「現時点で経過措置料金の解除が妥当な状況にあると評価された地域はなく、解除基準を踏まえた競 争状況の確認を継続していくことが必要」、また、「将来的に経過措置料金を解除する場合には、安定供給の確保 や電気料金の変動幅の抑制の観点から講じる措置等の関連する制度の検討状況を踏まえた上で、経過措置料金が 実体的に果たした役割の是非や今後の制度的な対応の必要性、低圧需要家に対するセーフティネットの在り方・ 必要性等について改めて検討し、必要に応じて適切な措置を講ずることが課題となる。」との記載があるとこ ろ。 ・ 本件については、 の急激な高騰が国民経済に与えた影響や将来のリスク、CNの実現と安定供給の両立に向けた発電投資の状況等を 総合的に勘案しつつ、料金負担の在り方について整理が必要といった指摘もある。これらの指摘を踏まえれば、経 過措置料金を解除する場合に必要となる措置の整理はもとより、存続する間の適切な見直し(燃料費調整上限の撤 廃やGXコストの適切な反映等)、審査プロセスも含めた規制の在り方について、速やかに検討を進める必要があ る。 検討を進めていただきたい。 ・ 経過措置料金については、競争の妨げになっているとの指摘もある中で、引き続き解除されずに競争状況の確 認を継続していくとされたが、自由化の世界においては、撤廃が筋と考えるため。 46 レベニューキャップ制度を見直すべき 4.(2)④送配電網の整備に係る資金調達等の課題への対応(P20) ・安定供給の確保やGXの基盤である送配電設備の計画的な整備が可能となるよう、ネットワークの強靭化や次 レベニューキャップ制度は、一般送配電事業者における必要な投資の確保とコスト効率化 を両立させ、再エネ主力電源化やレジリエンス強化等を図る制度です。 2023年度から導入された制度であり、第1規制期間の収入の見通しの検証や2023 世代化に必要な投資費用が確実に回収され、人材・技術に対する長期安定的な投資を含め送配電事業の持続可能 年度の期中評価の議論においてさまざまな指摘事項がありました。これらの指摘事項を含 性を確保することが重要であり、そのため、レベニューキャップ制度(RC制度)を制度設計から全面的に見直す め、継続的に検討を行っていきます。 べきである。 ・RC制度は、従来の電力需要が減少していく想定の中で策定された制度であり、制度的に見直すべき箇所が多 い。同制度の運用に際しては、安定供給を支える人材の確保・育成等に支障が生じないよう、現場実態や地域特性 など関係者の意見等を踏まえながら丁寧に進める必要があり、運用成果については継続的な検証を実施し、逐次 必要な修正を行う必要がある。 ・RC制度における労務費単価や物価などの上昇については、申請時点で予見できない変動が生じる場合がある ため、期中調整を認めるなど、第一規制期間中に必要な措置を講じるよう速やかに検討頂きたい。現状の事業報 酬水準は、今後の送配電網の設備更新や、送配電事業リスク等を踏まえると、非常に厳しい値に設定されている と言わざるを得ず、適切な事業運用を行っている送配電事業者が相応の収益を得ることが可能で、かつ無用な物理 的・資金的圧迫が生じないよう、その取り扱いについては現場の実態等を十分に踏まえつつ迅速に検討を進めて いくべきである。 47 小売事業者が原価等を適正に電気料金に転嫁できるようにすべき 経過措置料金においては、消費者物価及び雇用者所得等の変動見込みについて、消費者物 価及び雇用者所得等が変動している場合であって、かつ、その傾向を合理的・客観的に評価 意見 し、その評価結果を適切に原価に反映することが可能な場合は、原価に反映することとして 電気料金に転嫁できるような制度的措置の検討をお願いしたい おります。 また、託送料金における労務費単価や物価上昇の取扱いについては、電力・ガス取引監視 理由 等委員会の料金制度専門会合において、今後、検討を進めていくこととされております。 おり、あわせてファイナンス円滑化の方策等の検討も記載されています。 す。 金転嫁の円滑化についても記載していただきたくお願いします。 発生している」と記載されていますが、電気料金における小売事業者も同様の状態にあると思います。 意見 料金への転嫁が円滑に進む方策を、あわせて検討いただきたい 理由 す。 48 送配電会社は自社で災害対策に必要な体制を整え、その費用を託送料金として徴収すべき 一般送配電事業者は、電気事業法に基づき、共同して、災害その他の事由による事故によ り電気の安定供給の確保に支障が生ずる場合に備えるための一般送配電事業者相互の連携に なお、所有権分離に消極的な意見の中に旧一電での災害対応協力の必要性が言われることがある。それが現状に は即していることは否定しないが、今後も現状が変化しないこと(させないこと)を前提とする転倒した議論であ る。 関する計画(災害時連携計画)を作成し、電力広域的運営推進機関を経由して経済産業大臣 に届け出ることになっています。このため、停電が起こった際でも早期に復旧するための事 前の備えの他、災害発生時の一般送配電事業者による応援や、地方自治体や自衛隊など関係 電力システム改革の原則に従って、送配電会社は自社で災害対策に必要な体制を整え、その費用を託送料金として 徴収すべきである。各小売・発電事業者には、その下で災害時における適切な協力義務を定めるべきである。旧 一電の小売・発電会社が現状のシェアを維持していくことを前提にすべきではないし、また必要以上の災害体制を 求めるべきでもない。 49 電気料金の内訳を明確に示すべき 機関との連携が可能となっています。また、同法に基づき、一般送配電事業者間で災害への 対応にそなえて資金をあらかじめ積み立てる制度(相互扶助制度)も導入されています。こ れらの災害への対応に関する費用は、各一般送配電業者が託送料金の中で回収することが可 能となっています。 料金に係る表示を含め、小売電気事業者等による需要家への情報提供の在り方について 国民のため正しい政策"のつもりなら、電気代に上乗せされている原発関連の様々な費用を、「再エネ賦課金」と は、電力の小売営業に関する指針等において、専門家による議論を踏まえた考え方をお示し 同じように内訳として堂々と表示するべき。 しており、小売電気事業者等は当該指針等を遵守した情報提供を行うことが求められていま 一般国民に負担させている分など色々な不都合を隠しながらでは、何をやっても正当性は無く、欺瞞的。 す。 50 燃調上限規制の見直しまたは撤廃など経過措置料金にコストが適切に反映される仕組みについて議論すべき あたかも、電気料金の公共性や国民生活への影響の大きさを盾にすれば、燃調上限規制による事業者負担は正当 燃料費調整制度は、料金改定時に設定した燃料費の単価が、事業者が直接コントロールで きない為替レートや国際的な燃料市況の変動による影響を外部化することにより、事業者の 化されるかのようなメッセージに聞こえ、小売事業者としては到底容認できない書き方である。今後新たに設置さ 経営効率化の成果を明確にし、経済情勢の変化を料金に迅速に反映させると同時に、事業者 れる会議体においては、経過措置料金そのものの在り方だけではなく、現存する燃調上限規制の撤廃についても の経営環境の安定を図ることを目的として導入されたものです。 議論の対象とするべきであり、現状の課題を正しく認識する観点からも、以下のような文章に修正することを強く 同制度においては、燃料価格高騰時における消費者保護の観点から、調整上限(基準平均燃 要請する。 料価格の50%増)を設定することとし、電気料金の急激な上昇に一定の歯止めがかかる仕 意見内容 料金上昇の抑制効果は経過措置料金ではなく、燃調上限が設定されていたことによる効果であるた め、経過措置料金の維持/解除の議論とは切り離すべき。 また、料金上昇の抑制効果だけでなく、競争環境への影響といった弊害もあることを踏まえると、経過措置料金 に経済的なセーフティネット機能を担わせるのは望ましくなく、競争圧力が十分でない中で経過措置料金を解除 した場合は規制なき独占に陥ってしまうおそれがある。 そのため、まずは、「7.今後の進め方」にある通り、2025年中を目途に速やかに燃調上限の撤廃等(弊害の解 消)を実施し、経過措置料金の解除は競争環境の進展や最終保障供給の在り方、料金の抑制策等を含めた慎重な 議論をお願いしたい。 理由小売市場において経過措置料金の影響は引き続き大きいため、維持/解除については慎重な議論が必要。 他方、競争環境への影響といった弊害もあることから時間軸を分け、燃調上限の撤廃等は短期的に議論いただ き、経過措置料金の解除については中長期的に議論いただきたいため。 経過措置料金の効果として、「燃料費の急騰等に伴う電気料金の上昇局面において、結果的に料金の変動速度や変 動幅が抑制」され、需要家への影響を最小限にとどめたものの、これは「事業者の負担の下に成立したもの」で あることから、事業者に対する配慮措置についても言及すべきではないか。 (原文) このため、将来的に経過措置料金を解除する場合には、安定供給の確保や電気料金の変動幅の抑制の観点から講 じる措置等の関連する制度の検討状況を踏まえた上で、経過措置料金が実体的に果たした役割の是非や今後の制 度的な対応の必要性、低圧需要家に対するセーフティネットの在り方・必要性等について改めて検討し、必要に 応じて適切な措置を講ずることが課題となる。 (修正案) このため、将来的に経過措置料金を解除する場合には、安定供給の確保や電気料金の変動幅の抑制の観点から講 じる措置等の関連する制度の検討状況を踏まえた上で、経過措置料金が実体的に果たした役割の是非や今後の制 度的な対応の必要性、低圧需要家に対するセーフティネットの在り方・必要性等について改めて検討し、必要に 応じて適切な措置を講ずることが課題となる。一方で、実質的に料金変動リスクを負う事業者に対しても、事業者 の帰責性のない変動に晒された場合の政策的配慮も含め、検討を行う必要がある。 組みとなっているところ、燃料価格上昇の局面において、消費者保護の観点から、一定の役 割を果たしていると考えています。 本文記載の通り(P.8 下段)、燃料輸入価格高騰時を除けば、経過措置料金よりも自由料金が安価な水準で推移し ていたことは事実であるも、燃料輸入価格高騰時は、燃料費上限により規制料金に必要なコストが適切に反映さ れず、自由料金を下回る水準で固定化される事象が生じた。この時期においては規制料金が障害となり、競争上 の課題が顕在化したものと認識している。この点2024年3月13日に開催された第71回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会の事業者ヒアリングで当社から意見表明させて頂くととも に、この問題と経過措置料金そのものの在り方とは区別して議論するべきという指摘が複数あったと認識してい る。 これに対し今回の【案】では、p.24中段にもある「電気料金の公共性や国民生活への影響」を理由に経過措置が 解除されない限りにおいては、事業者負担の下で規制料金が自由料金よりも安価な水準で競争が行われることが 容認される様な記載となっている。 需要家保護の側面での経過措置料金の役割や、燃料費調整制度の上限が、燃料費高騰時にお客さま負担を緩和す る役割を果たしている点は理解するものの、競争環境という側面では、平均燃料価格が燃調上限を突破し、経過措 置料金が自由料金よりも安価な価格水準となる期間が、連続的かつ長期化する事態は、健全な競争環境が維持さ れている状態とは言い難い。 今回発生した事象を踏まえ、需要家保護と競争環境のバランスへの配慮を前提として、経過措置料金を解除するか 否かだけに論点を絞るのではなく、早期に実現できる措置として、燃調上限規制の見直しまたは撤廃など経過措置 料金にコストが適切に反映される仕組みについても、今後電力システムの制度改正について集中的に議論する会議 体の場において、是非とも議題として取り扱って頂きたい。 経過措置料金については、事業者ヒアリングやその後の議論において、原案に記載の通り、経過措置料金の存在 そのものに対する課題提起があった一方で、経過措置料金の燃料費調整に上限規制が存在することによる競争上の 影響に関しても多くの指摘があったと認識していますが、24ページの中段にこの指摘に関する記載がないのは、今 回の検証の経緯を適切に反映したものとは言えないため、例えば、以下の通り、「や燃料費調整制度の上限規 制」の追記が必要と考えます。 51 配電事業参入当初において、事業運営上の必要な初期費用については、託送料金で回収可能として欲しい 配電事業者由来で発生するコストの増加分については、一般送配電事業者が系統利用者か ・意見内容 ら託送料金で回収するのではなく、原則、配電事業者の収益から賄うべきですが、一般送配 ○配電事業の託送料金認可にあたり、分散型エネルギーシステムの促進に資するイノベーション(技術開発・投 電事業者にも便益がある、または系統利用者全員に受益があり薄く広く負担すべきようなも 資・効率化等)創出につながる投資・費用については、託送料金による回収を可能として欲しい のもあるため、両者間の協議において、費用負担を按分等で定めることが望ましいと考えら ○配電事業参入当初において、事業運営上の必要な初期費用(人件費、システム費用等)については、託送料金 れます。 で回収可能として欲しい ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○配電事業参入にあたっては、分散型エネルギーシステムの促進に資する技術開発・投資・効率化等のイノベー ション創出が制度上求められて おりますが、一方で、これらに必要な投資・費用を託送料金で回収できない仕組みとなっています。また、一般 送配電事業者に対しては、分散型エネルギー導入拡大に資する投資・費用について託送料金で回収する仕組みを認 めており、配電事業者に対して差別的な仕組みとなっています ○配電事業の運営にあたっては、人件費やシステム費等、運営上必要費用等が発生します。しかし、配電事業参 入当初は一般送配電事業者よりも需要数が圧倒的に少なく託送収入規模も小さいため、事業参入当初にこれら費 用を回収できないことが大きな参入障壁となっております 52 賠償負担金や廃炉円滑化負担金を託送料金に上乗せすべきではない 賠償負担金及び廃炉円滑化負担金については、福島の復興を支える観点や原発依存度の低 託送料金、原発事故など原発関連のお金を電気料金に上乗せしないでください 減の観点から、2016年度に閣議決定された「原子力災害からの福島復興の加速のための 託送料金には、文字通り「託送」以外の費用やコストを含めないよう、法令を改正する。 基本指針について」等に基づき、2017年に託送料金を通じて広く公平に回収を行う制度 措置を行ったものです。今後も引き続き、福島復興等に取り組んでいくために必要であると 考えています。両負担金については、公益性の観点から託送料金により回収する費用とし 1.原子力発電からの脱却…全体 て、需要家がその負担の内容を認識できるよう、国・関係事業者が情報提供等に取り組んで 託送料金の中に、東電福島原発事故の賠償負担金や廃炉円滑負担金が含まれて徴収していることを廃止すべきで まいります。 す。原発の費用は国民に隠す形で負担させている一方で、再エネ賦課金は項目を別にして負担を国民に実感させる ようにしています。 53 スポット市場における全量市場供出を見直すべき 「適切な電力取引についての指針」(適取ガイドライン)では、「市場支配力を有する可 能性の高い事業者」について、余剰電力全量の限界費用に基づく価格での売り入札が特に強 スポット市場はシングルプライスオークションであるため、全量市場供出することにより、約定価格が下がるた く求められています。その上で、今般の検証においては、電力システムの中でそれぞれの取 め、これによって全電源の利益合計額が最大化するとは限らない。 引市場等が果たすべき3つの役割を整理していますが、今後、卸取引の在り方を含めこれら の取引市場の整備について検討を進めてまいります。 54 時間前市場について情報開示を充実させるべき また、時間前市場においては、エリア別の成約情報(価格、数量)が開示されておらず、全国の情報が纏めて開 示されているのみで、市場参加者に対して十分な情報が公表されていないと思われます。 時間前市場におけるエリア別情報開示の必要性については、制度設計・監視専門会合にお いても議論されています。今後、2026年4月からの実施を目指して、日本卸電力取引所 エリア別等の詳細情報の開示により、透明性のある電力価格指標の形成、そして更なる流動性の向上に資すると考 (JEPX)を中心に検討を進めてまいります。 えます。 55 非化石証書の有効期限の長期化、非化石証書市場における複数年商品の創設すべき 今後、更なる需要家ニーズを把握しつつ、制度の趣旨や、非化石電源の投資拡大に与える ・意見内容 影響なども踏まえつつ、必要な制度改善については迅速に対応することが求められるものと ○需要家から、非化石価値を長期・安定的に調達したいとの要望が増えてきており、 認識しております。 ・非化石証書の有効期限の複数年化 ・非化石証書市場における複数年調達商品の創設 が必要 ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○需要家からは長期・安定的に非化石価値を調達したいとの要望が増えてきており、今後脱炭素化が進むことを 踏まえると、こうした需要は、一層増加することが想定されます ○多様な需要家要望に応え、脱炭素化を進めるため、非化石証書の有効期限の長期化、非化石証書市場における 複数年商品の創設が有効と考えます ○なお、グリーン証書である、J クレジットには有効期限がないことを申し添えます 56 様々な市場が開設され、発生する課題に対してその都度パッチワークが繰り返されているが、そもそも適正な市 場・メカニズム(設計)となっているのか、検証・議論が必要 これまでのシステム改革の中では、様々な市場が開設され、発生する課題に対してその都度パッチワークが繰り返 されているが、そもそも適正な市場・メカニズム(設計)となっているのか、検証・議論が必要である。 一連の電力システム改革を通じて、卸電力市場のほかに、電源容量の確保のための容量市 場、調整力確保のための需給調整市場等がその必要性に応じて整理されてきていますが、有 識者・実務者へのヒアリングの中では、それぞれの市場の機能や役割について整理すべきと の指摘をいただきました。 このため、取引市場・制度それぞれの機能・役割や、それぞれの関係性について検討を行 し、発電事業者が小売事業者の要請に基づいて電源・燃料の確保と確実な発電を行うことができることが大前提 であり、以下のような観点での検証・議論が必要である。 い、電力システムの中でそれぞれの取引市場等が果たすべき役割は以下の3種類に整理しま した。 ①供給力を確保するための取引市場・制度 ②量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 ③効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 ご指摘も踏まえながら、これらの市場の整備、活用に取り組んでまいります。 カニズムとなっているか なっているか が確保できる市場・メカニズムとなっているか 57 電力先物にヘッジ会計を適用するにあたって引き続き検討すべき 電力先物におけるヘッジ会計適用については、株式会社東京商品取引所を事務局とした P22~ 「電力先物におけるヘッジ会計適用に向けた検討会」が2024年7月~12月に実施され、そこ 事業者の創意工夫を促す市場環境整備(市場・取引環境整備) で行われた議論を取りまとめ、経済産業省商務・サービスグループと株式会社東京商品取引 ③ 先物市場 所が「電力先物におけるヘッジ会計適用に関する報告書」を取りまとめて2025年2月に公表 ・ 案には、「(前略)現物の長期取引を含めた相対取引やブローカー経由の取引等の活用、先物市場・先渡市 されました。こうした議論を踏まえながら、引き続き課題の解消に向けた検討をすすめてま 場・ベースロード市場等の市場を含む取引制度の拡充・再整備に取り組む」との記載があるところ。 いります。 ・ 検討にあたっては、 くい課題について、引き続き課題解消に向けた取り組みをお願いしたい。 ・ 本年2月に経産省とTOCOMの連名で報告書が公表され、現行の会計基準を前提としつつ解釈によって考えられ る方策等が整理されたところ、実効性を高める観点からさらなる検討が必要と考えるため。 (先物市場の活性化) •先物市場の再整備の検討にあたっては、現行の会計基準において、電力先物にヘッジ会計を適用しにくく、事業 の経済的実態が財務諸表に反映されにくい課題について、引き続き課題解消に向けた取り組みをお願いしたいと 考えております。 58 内外無差別について、電力市場における競争促進や公平性を確保できるよう留意した内容にすべき 3.事業者の創意工夫を促す市場環境整備(該当箇所:4.(3)①) 素ニーズや発電・小売電気事業者の創意工夫といった「新たな課題・ニーズへの対応」を両立すべく,必要な見 直しの検討が行われている。今般,卸取引の一定量について,エリア制限等の諸条件の付与を認めることとされ たところ,今後も,創意工夫を発揮できる競争環境の実現に向けて,是非も含めた継続的な検討が必要である。 ・意見内容 ○今回の見直しは、需要家の多様なニーズに応えるため小売事業者が創意工夫を行える市場環境を整備するため に行うものとされていますが、卸取引にエリア制限等の枠組みを認めることは小売事業者の創意工夫の妨げとなる ものであり、目的と手段が一致しておらず、逆に競争環境を歪めかねないもの ・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。) ○「地産地消」のニーズは従来より顕在化しているものであり、地域新電力をはじめとした 小売電気事業者はそ のニーズへの対応に尽力してきたものと理解しています。そうした中、卸売取引にエリア制限の枠組みを与えるこ とは、各エリアにおいて圧倒的な シェアを有する旧一電の小売事業を優遇するものになりかねず競争環境を歪めることを懸念しております ○あるべき競争環境は、内外無差別の徹底を踏まえた上で各事業者を公平に扱うものであり、 今回の見直しは、 卸電気事業者の恣意により一部の小売電気事業者の優遇につながりかねないと考えます ○需要家の多様なニーズを踏まえ、どう応えていくかは、自由な競争環境の下、需要家の多様なニーズを直接受 け止めている小売電気事業者の創意工夫が担ってきたものであり、 小売電気事業者の調達手段の一つである卸売 市場取引に、発電事業者の都合で一定の制限をかけることを認めることは上記の小売電気事業者の自由な創意工 夫を阻害するものとなります 意見 う目的を今後も明確に掲げていただきたい 理由 リックコメント等でも申し上げてきました。 文中近接して明記されました。 対象施策(※)①小売全面自由化 意見内容 内外無差別原則の効果と副作用について検証を行い、(仮に副作用がある場合には)運用の一層の適 切化のための措置を検討頂きたい。 理由 ・内外無差別は、旧一般電気事業者(以下、旧一電)とその他の電気事業者の間の競争条件を揃えるためのもの であり、旧一電(小売)の電源調達に際して、旧一電(小売)(内)と新電力(外)の間で差別的な運用が行われ ないようにするものであり極めて重要。しかしながら、昨今、旧一電(発電)の提供商品が、内外無差別の徹底 の観点から入札等を通じて画一化・定型化してしまうことで、従来は旧一電(発電)と新電力間で存在していた非 定型の相対契約が実態として難しくなるという副作用が生じている。いわば、内外無差別の趣旨を逸脱して外々無 差別が生じている。 ・このように、旧一電(発電)は市場に定型商品は提供するものの、実質的に旧一電から新電力に対するの非定型 商品の提供が行われなくなってきているのは、内外無差別の本来の目的と合致しない弊害と認識している。 ・本来の趣旨とは異なるこうした副作用は、結果として電力システム全体の効率的な運用にも悪影響を与えかね ず、システム改革の目的でもある「事業者の事業機会の拡大」にも反するものであり、実態について検証を行った うえで、適切な運用改善のための具体的措置を検討頂きたい。 内外無差別な卸売の在り方について、需要家の脱炭素ニーズや発電・小売電気事業者の創 意工夫といった「新たな課題・ニーズへの対応」と「小売市場における競争の促進」という 2つの政策課題の両立を前提に検討してまいります。 59 通告変更付の卸電力メニューを充実すべき 意見 卸電力の商品設計は、社内外取引の無差別を維持した上で、小売電気事業者や需要家等の ニーズも踏まえながら、発電事業者の創意工夫の下で行われるものと考えています。 い 理由 時間前市場をにらみながら、日々、最適なオペレーションを追求しています。 更オプション機能が付いていました。 契約に付いていた通告変更オプション機能と比較して、通告期限や最低使用量等の点で使い勝手が悪くなっていま す。 等の通告変更オプション付き商品の復活を要望するものです。 60 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場の整備を進めるべき 中長期取引市場の整備にあたっては、小売電気事業者が、今後も、需要家に安定的な水準 6.(2)②量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場(P33) の価格による電力供給を実現するとともに、それぞれの強みを生かしながら創意工夫を発揮 ・発電用燃料調達を安定的に確保するためには長期の電力相対卸取引や先渡取引、先物取引が欠かせない。特 できる競争環境の実現に向けた市場環境整備を行います。 に、長期の電力相対卸取引として今後実施される複数年の相対卸契約が重要であり、適切な運用となるようその推 また、発電事業の観点からは、この市場を通じて中長期の電力取引が増加し、販売量の予 移を注視しつつ、適宜改善を行わなければならない。 見性等が向上すること等により、燃料確保や設備投資等の予見性の向上にも資することが期 ・現状を踏まえれば、長期安定的な電源の維持・確保や燃料調達の予見性を高め、安定供給最優先の持続可能な 待されています。 電力システムを支える十分な供給力が確保されるために発電事業者と小売事業者間の複数年にわたる相対卸契約 が重要であり、取引所を通じた先物・先渡取引等の活性化も含め、一定程度の長期契約を締結し、量・価格両面 で安定的な調達を可能とする中長期取引市場の整備を進める必要がある。 ・意見内容 中長期的な電力取引を行う取引市場の構築にあたっては、過度に規制的な市場とならないよう留意しながら、検 討を進めていただきたい。また、本文の記載にもあるとおり、発電事業者にとって燃料確保や設備投資等の予見 性の向上に資するような市場にするとの視点は大事にしていただきたい。 ・理由 発電事業者の収益や燃料調達の予見性の観点で、短期市場に偏った市場環境を修正し、中長期的な卸取引を発展 させていく方向性は望ましいものと理解する。他方、その相場観はあくまで民民のビジネスの中で醸成されるべき ものと考える。また、国民負担の観点から、必ずしも制度的な支援を要さない電源への設備投資は、適切なリ ターンへの期待を前提に事業者のリスクで行えることが望ましいと考える。 P32~ 検証を踏まえ、今後整理していく電力システムに関する取引市場の全体像(Ⅳ.市場・取引環境整備) ① マーケットの再構築 ・ 案には、「スポット市場に加えて、中長期の相対契約や市場取引の活性化を通じて、客観性の高い電力価格指 標の形成につなげていく必要」との記載があるところ。 ・ この点、発電事業は巨額の資金を投入し長期間に亘り回収し持続的な設備維持・再投資を行う事業の性格を有 すること、また、小売事業は安定的に適正価格で電気をお届けする事業であることを踏まえると、電源と需要の中 長期的な結びつきが必要であり、こうした観点から、報告書案に記載されている「中長期での電力取引の推進」 「新たな電力価格指標の形成」は極めて重要と認識している。 ・ 検討にあたっては、 効性のある制度設計について検討いただきたい。 ・ 短期市場への偏重を是正し、中長期での取引の厚み・価格形成を目指すことは、中長期断面での供給力の確実 な確保、電源の投資判断に資する中長期の価格指標形成、価格ボラティリティの抑制につながることから、電力シ ステムの根幹となる重要施策と考えるため。 6.将来の電力システムを支える取引市場の全体像(該当箇所:6.)  市場・取引環境整備に向けては,電源と需要の中長期的な結びつきが重要。報告書案に記載の趣旨のとおり,持 続可能な電力システムを構築するために,中長期断面での取引量の確保・適切な価格形成の実現が必要。その上 で,量的な供給能力(kWh)の確保に関し,小売電気事業者に求める責任・役割やその遵守を促す規律,それを 前提とした市場や卸取引を含む措置について,実行性のある制度設計が必要である。 意見 「自由化された電力システムの中では、広義の取引市場を通じてこれを実現していく必要がある」という記載に 賛同します 地域独占、供給義務、料金規制によって担保するという一般電気事業制度に後戻りすることなく、広義の取引市 場の活性化を推進していただきたい 理由 電力システム改革の要諦は、アンバンドルされた発電・送配電・小売の分野を広義の取引市場で繋ぐことにある と認識しています。 電力システムを支える取引市場が崩壊することは、地域独占・供給義務・料金規制の時代への回帰を促します。 そのような事態を回避するべく、広義の取引市場の整備をお願いします。 意見 性にも留意しつつ、現物の長期取引を含めた相対取引やブローカー経由の取引等の活用、先物市場・先渡市場・ ベースロード市場等の市場を含む取引制度の拡充・再整備に取り組む」ことに期待します 理由 ます。 の情報公開が必要と考えます。 61 需給調整市場の運用改善と新規リソースが参入しやすいルールを構築すべき 需給調整市場は、安定供給確保のために重要な調整力を広域的に調達・運用し、市場原理 ・調整力については、足元では需給調整市場の更なる運用改善を進めるとともに、分散リソースの更なる活用 による競争活性化等により調整力コストを低減するべく創設されました。2024年度から や、中長期的には、調整力の調達及び電源運用の最適化を行う同時市場の導入に向けた検討を着実に進めていく 調整力の全商品の市場取引が開始されており、今後も市場応札量増加に向けた対応など、更 必要があると考えており、事業者としても検討に協力してまいりたい。 なる運用改善を進めて参ります。 エネ庁の制度検討作業部会で議論されるかと思われますが、本とりまとめに記載の「部分最適(需給調整市場の 新規リソースの参入につきましても、オフライン枠の調達上限引き上げや、2026年度には 参加義務)が全体最適(調整力を含む発電事業のインセンティブ確保等)を毀損するような場合も起こり得る」 需給調整市場における低圧小規模リソースの活用及び機器個別計測を開始することを予定す ことを強く意識していただき、拙速に需給調整市場の制度的措置を導入するような判断にならないことを要望いた るなど、より幅広い電源にとっての市場参入障壁を緩和すべく、適切な対応を継続的に検討 します。 しております。 ○意見内容 幅広いリソースに参加していただくと共に、調整力の調達コストを更に削減、将来的な同 今後の検討における提案P34の「③効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場」の部分に需要と供 時市場の導入に円滑に繋げられるよう、今後も適切な施策を継続的に打ち続けて参ります。 給のマッチングの中に需要側の調整力に関して、プロバイダーがIOT技術を駆使し、セクタカップリングなどの kWh対策も含めて需要設備(ヒートポンプ・蓄熱システムや水電解)もリソースとして使っていけるものはkWh対 策のみならず、ΔkW対策としても積極的に活用した市場設計にして頂きたい。 ○理由 P28(3)需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダーへの期待を謳うが、エネルギーサービス事業 が成立するための財源(収入源)が必要であり、その原資としてΔkWの調整力の市場が期待される。そのため、 エネルギーサービス事業を民間企業に期待するには予見性のある市場設計が不可欠であるから 意見内容 現行の需給調整市場ガイドラインでは、調整力提供に対して固定費回収以上の報酬が見込めず、脱炭素 火力や蓄電池の事業継続や新設電源投資の予見性が成り立たない。 このため、発電事業者による調整力電源への設備投資や市場供出につながるよう、現行の需給調整市場の価格規 律の見直し等の施策について、ご検討いただきたい。 理由 今後、変動性再エネが一層増加していく中で、その予測誤差等に対応するため、脱炭素火力と蓄電池が持つ 調整力の役割がますます重要になると考えられる。第7次エネルギー基本計画においても、調整力は安定供給確保 のために重要と位置付けられている。 一方、現行の需給調整市場ガイドラインでは、固定費未回収のB種電源は、固定費回収以上の収入を得られない価 格規律となっている。発電事業者としては、卸電力市場や容量市場における収入見通しが不透明な状況において は、調整力提供に対して一定の報酬が見込めない場合、脱炭素火力や蓄電池の事業継続や新設電源投資の予見性が 成り立たないため。 ・意見内容 同時市場の詳細検討だけでなく、現行の需給調整市場の改善についても引き続き着実に検討・実施いただきた い。 ・理由 導入が決定したわけではない中、需給調整市場が少なくとも当面の間は重要な役割を果たす。現在も市場の適正 化に向けた各種施策が実施されているが、市場を活性化させ競争原理を働かせるためには、調整力提供者が応札 したいと思える魅力ある市場とすることが肝要である。 意見 ・アグリゲーターが期待に応えられるような環境整備をお願いしたい 理由 が、調整力としての分散型エネルギー源は、火力や揚水に比べると価格競争力に劣ります。 願いします。 意見 理由 ソースの事業性維持、の3つの観点が第19次中間とりまとめ案で示されています。 新規リソースの事業性維持が欠かせません。 62 容量市場と長期脱炭素電源オークションは、再生可能エネルギー事業者の負担増加やCO2を排出している火力発 容量市場は、電力の安定供給に必要な中長期的な供給力不足への対処等に向け、あらかじ 電の延命などに繋がるため、見直し・廃止すべき め必要な供給力を確保するための制度です。原則として、すべての電源の容量単位(kW) 3、容量市場について:火力・原発を維持させる仕組みとなっている現行の容量市場の廃止を求める あたりの価値を等しく評価する仕組みであり、特定の電源を優遇するものではありません。 将来の供給力を確保する仕組みとして創設された容量市場について、すでに固定費を回収し終えている火力や原発 その上で、容量市場の第2回メインオークション以降、稼働率が50%を超えた非効率な石 などの大規模電源の維持につながっていることを強く懸念する。現に、2028年需給時点で落札した容量の7割近く 炭火力発電に対し、容量市場からの受取額を2割減額するなど、2050年カーボンニュー を火力が占めるとみられ、脱炭素に真っ向から逆行していることは明らかだ。 トラルの実現に向けてエネルギー部門のCO2排出削減を促進する措置を導入しているとこ p.17<火力の脱炭素化>において、「火力においては、非効率な電源を中心に発電量(kWh)を減らしながら ろです。 も、安定供給に必要な発電容量(kW)を維持していく必要がある」とあるが、 火力のkW削減に取り組まずして日 本の脱炭素化は進まない。 また、安定供給と脱炭素化を両立していくためには、既存の火力電源も脱炭素化しつつ活 用していくことが重要です。このため、長期脱炭素電源オークションでは、既設の火力発電 容量市場の資金は小売(需要家)の容量拠出金によって賄われる。発電と小売の資本が一体化している大手電力に 所を水素やアンモニアで混焼できる設備に改造する投資案件を対象とし、最終的には水素・ とっては容量拠出金を同グループ内に提供するようなものだが、一方の新電力は容量市場で落札する電源を持って アンモニア専焼などを想定した制度であるため、既存の火力発電の延命につながるとの指摘 いないため負担が大きく、負担の公平性について以前から疑問の声が上がっている。 したがって、排出基準値の上限も設定されておらず、再エネの変動に対応する柔軟性に欠け、公平性にも欠ける現 行の容量市場は廃止するべきである。 4、長期脱炭素電源オークションについて:「脱炭素」と称しながらLNG火力を1000万kWも新設させる市場の異 常性 容量市場で新規の電源投資につながらなかったことから創設された「長期脱炭素電源オークション」であるが、 実際は「脱炭素」を謳いながらLNG専焼火力の新設・リプレース分を計1,000万kWも募集し、「今後もさらに火 力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見ながら、長期脱炭素電源オークションにおいて も、追加的な措置を検討する」などとしている。 「脱炭素」を標榜しながらLNG火力を1,000万kWも新設・リプレースさせ、石炭火力の改修すら支援する施策は極 めて異常であり、即刻の廃止を求める。脱炭素に逆行することが目的かのごとく長期脱炭素電源オークションでは 火力の落札枠を徐々に増やしており、現在はCCUS付火力の対象化まで検討されているが言語道断である。 真に脱炭素に資する追加性のある再エネ導入のための施策を求める。 容量市場では落札の多くを火力電源が占めており、政府が目指す脱炭素の目標に逆行しています。発電と小売が一 体化した大手電力会社にとって有利で、発電設備を持たない新電力会社に不利な仕組みになっている点も、公平 性の観点で問題があり、改善が必要と考えます。 長期脱炭素電源オークションでも多くのLNG火力の新設や石炭火力の改修が支援対象となっており、このままで は大量のCO2排出を長期間にわたって固定化してしまいます。 容量市場、長期脱炭素電源オークションの制度は、廃止又は抜本的な見直しが必要です。 排出基準値の上限も設定されておらず、再エネの変動に対する柔軟性に欠け、公平性にも欠ける現行の容量市場は 廃止すべきである はあたらないと考えております。 政府としては、こうした取組を行うことにより、安定供給と電源の脱炭素化の両立を図る こととしております。 容量市場について火力・原発を維持させる仕組みとなっている現行の容量市場の廃止を求める 将来の供給力を確保する仕組みとして創設された容量市場について、すでに固定費を回収し終えている火力や原発 などの大規模電源の維持につながっていることを強く懸念する。現に、2028年需給時点で落札した容量の7割近く を火力が占めるとみられ、脱炭素に真っ向から逆行していることは明らかだ。 「脱炭素」を標榜しながらLNG火力を1,000万kWも新設・リプレースさせ、石炭火力の改修すら支援する施策は極 めて異常であり、即刻の廃止を求める。脱炭素に逆行することが目的かのごとく長期脱炭素電源オークションでは 火力の落札枠を徐々に増やしており、現在はCCUS付火力の対象化まで検討されているが言語道断である。 真に脱炭素に資する追加性のある再エネ導入のための施策を求める。 容量市場について 火力・原発を維持させる仕組みとなっている現行の容量市場の廃止を求める。 長期脱炭素電源オークションについて 「脱炭素」を標榜しながらLNG火力を1,000万kWも新設・リプレースさせ、石炭火力の改修すら支援する施策は極 めて異常であり、即刻の廃止を求める。脱炭素に逆行することが目的かのごとく長期脱炭素電源オークションでは 火力の落札枠を徐々に増やしており、現在はCCUS付火力の対象化まで検討されているが言語道断である。 真に脱炭素に資する追加性のある再エネ導入のための施策を求める。 「長期脱炭素電源オークション」は天下の愚策だと思います。やめてください! P.33 「供給力を確保するための取引市場・制度」について、 《意見》「容量市場」や「長期脱炭素電源オークション」はいらない。火力発電や原子力発電事業を温存し、電 力の自由化に逆行することになる。あくまで再生可能エネルギーの主力電源化を進めてほしい。 「供給力を確保するための取引市場・制度」について、 【意見】火力発電や原子力発電の事業の予見性を高め、温存するための「容量市場」や「長期脱炭素電源オー クション」をやめていただきたい。 【理由】電力の自由化に逆行するからです。再生可能エネルギーの主力電源化に注力してください。 COP28で岸田文雄元総理が行ったスピーチでは再生可能エネルギー電源の主力化を踏まえつつ「日本は、世界で 再エネ容量を3倍とし、エネルギー効率改善率を2倍とするとの議長国の目標に賛同いたします。(抜粋)」とあ るが、電力システム改革の検証結果と今後の方向性(案)内では長期脱炭素電源オークションについてLNG火力 発電新設・リプレースを計 1,000 万 kW 分含め、さらに追加的な措置を行うなど逆行した提案がなされている。 いまだハードルの高い再生可能エネルギーの導入・普及が容易になるシステム改革案となるよう、抜本的な修正を もとめる。 1.容量市場の廃止: すでに固定費を回収し終えている火力発電や原子力発電などの大規模電源の維持につながっていることを強く懸念 します。 容量市場の資金が小売(需要家)の容量拠出金によって賄われている点に鑑み、発電と小売の資本が一体化してい る大手電力会社にとっては有利に働く一方、新電力にとっては負担が大きく不公平です。 排出基準値の上限が設定されておらず、再生可能エネルギーの変動に対応する柔軟性に欠ける点が懸念されるた め、容量市場の廃止を求めます。 2. 長期脱炭素電源オークション LNG火力への偏重:「脱炭素」を謳いながらLNG専焼火力の新設・リプレースを推進する政策は矛盾しており、 即刻の廃止を求めます。 再エネ導入の促進:真に脱炭素に資する追加性のある再生可能エネルギー導入のための施策を要求します。 3.容量市場の廃止…30ページ「6.将来の電力システムを支える取引市場の全体像」 大手電力会社(旧一電)は発電部門と小売部門を抱えていたり、発電会社が電気のほとんどをグループ内の小売電気 事業者に供給するケースが多く、追加収入と負担額が見合う構図となっています。容量市場により維持・建設費 を受けられる発電所のほとんどが火力と原子力であり、実質的に大手電力会社の発電事業への補助金になってい ます。それに対して、新電力などは電気料金への価格転嫁をせざるを得ない状況です。2021年4月に事業者登録が あった706社のうち、2割弱の119社が2024年3月までに倒産したか事業撤退をしており、電力小売り事業化が始 まって以来の非常に危機的な状況になっています。 火力と原子力の存続にしか寄与しない容量市場制度を廃止し、原発や石炭火力発電を温存する構図になっている 電力市場を改革すべきです。 ②大手電力と新電力の格差を拡大し、電力システム改革の目的に反する容量市場、長期脱炭素電源オークションは 廃止すべき。(全体) 容量市場は、実質的に大規模電源を所有しない小売電気事業者および消費者の負担で、古い火力発電や原子力発 電を支える制度となっている。再生可能エネルギーの大量導入を妨げるものであり、制度自体白紙撤回すべきであ る。 2020年度の初回約定価格は上限価格にはりつき、2021年度には下がったものの、2024年度に再び上限価格付近と なっている。 2024年度から小売電気事業者による容量拠出金支払いが開始し、多くの小売電気事業者は平均で2円/kWh前後の 負担増加を自社で抱えたり消費者に転嫁したりしている。 一方、大規模電源を所有する大手電力(旧一般電気事業者)等にとっては、容量確保契約金収入が入り、その分 自社小売との相対契約を値引きしているため、実質的に負担はほぼない。 新電力と大手電力の格差を拡大し、新電力の事業環境を圧倒的に悪化させる容量市場は、需要家の選択肢や事業 者の事業機会を拡大するという電力システム改革の目的に反する。 また、長期脱炭素電源オークションも、容量市場から派生する類似制度である。対象を「脱炭素電源」としている が、実際には新設のLNG火力、石炭火力のアンモニア混焼への改修、LNG火力の水素混焼への改修、火力発電の CCS付加への改修など、実質的に相当程度二酸化炭素を排出する火力発電の新設・改修が多く支援対象となって いる。容量市場と同様に、新電力および消費者の負担を増大させ、脱炭素化に逆行しているものである。 容量市場、長期脱炭素電源オークションともに廃止し、すでに成熟した技術である省エネ・再エネへの支援制度 に転換すべきである。 63 長期脱炭素電源オークションや容量市場が事実上、火力と原子力への巨額の補助策になっているので、公正な競 争環境を整備しているとは言い難い 容量市場は、電力の安定供給に必要な中長期的な供給力不足への対処等に向け、あらかじ め必要な供給力を確保するための制度です。原則として、すべての電源の容量単位(kW) あたりの価値を等しく評価する仕組みであり、特定の電源を優遇するものではありません。 再エネの飛躍的拡大のためには、公正で競争的な市場の整備が不可欠である。本文書は、事業環境整備・市場環 境整備と称して、火力・原子力への補助を強める政策が含まれており、公正な競争環境の整備に反している。 また、すぐに使える資源に乏しく、国土を山と深い海に囲まれるなどの地理的制約を抱え ているという我が国の固有事情を踏まえれば、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点 本文書は、事業環境整備・市場環境整備と称して、火力・原子力への補助を強める政策が含まれており、公正な競 から、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源 争環境の整備に反している。 「長期脱炭素電源オークション」が事実上、火力と原子力への巨額の補助策になっている。これは改められなけ に過度に依存しないようバランスの取れた電源構成を目指していく必要があります。 エネルギー危機にも耐え得るエネルギー需給構造を実現するためには、S+3Eの大原則 ればならない。 の下で、エネルギー源ごとの強みが最大限に発揮され、弱みが他のエネルギー源によって適 わざわざ高コストの発電手段を補助金まで出して維持することは非合理的。 切に補完されるような組み合わせを持つ、多層的な供給構造を実現することが必要です。 「原子力・・による供給力へとシフト」とあるが、原子力は環境破壊型電源である。また、原子力の供給力を増 ロシアによるウクライナ侵略、中東での紛争などによる化石燃料の価格変動リスク等もあ やせば、国民負担が増加し、再生可能エネルギーの供給力も減る。脱炭素化を名目として、原子力を推進すること る中、脱炭素電源の拡大に向けては、足下の脱炭素電源構成が約3割という状況を踏まえれ は誤りである。原子力への「事業環境整備」なるものものは行ってはならない。 ば、再生可能エネルギーか原子力かといった二項対立的な議論ではなく、再生可能エネル 「特に、大型電源については投資額が巨額となり、総事業期間も長期間となるため、収入と費用の変動リスクが ギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用するこ 大きく、電力自由化を始めとする現在の事業環境の下では、将来的な電力収入の不確実性が大きい。こうした中 とが必要不可欠と考えております。 では、長期の事業期間を見込む投資規模の大きな投資や、技術開発の動向、インフレ等により初期投資や費用の 変動が大きくなることが想定される投資については、事業者が新たな投資を躊躇する懸念がある。」とあるが、 これは原子力発電を対象とするものである。原子力に対しては、開発研究、交付金制度、原発事故費用に関する複 雑な国民負担制度等、陰に陽に、国民的負担を政府は強いてきた。これに加えて、市場環境整備、事業環境整備 と称して、国民負担をさらに増大させることは許されない。逆に、従来の支援策を含めて、原子力への巨額の支援 を止めるべきである。 これは高い発電コスト(火力原子力)をわざわざ補助してまで、増大させるだけの施策と言える。公正な競争環境 の整備に反している。長期脱炭素電源オークションは事実上火力と原子力の補助策になっている。改めるべきだ。 また長期脱炭素電源オークションの説明をしたwebサイトでは、長期脱炭素電源オークションが再エネに対して補 助を与えているような印象を与えている。長期脱炭素電源オークションのほとんどが火力、原子力を補助する制度 であることをわかるようにするべきだ。さらに落札した電源が一体いくらの補助をもらったのか非公開。一般消 費者が負担いるならば公表するべきではないのか。国民負担が増すと同時に再エネを抑制されてしまう。脱炭素を 掲げるならば再エネといかに融合させるを議論していくべきである。 また、火力、原子力を維持する仕組みとなっている現行の要領市場の廃止を求めます。 「長期脱炭素電源オークション」が事実上、火力と原子力への巨額の補助策になっている。これは改められなけ ればならない。 原子力は環境破壊型電源である。また、原子力の供給力を増やせば、国民負担が増加し、再生可能エネルギーの 供給力も減る。脱炭素化を名目として、原子力を推進することは誤りである。 本文書は、事業環境整備・市場環境整備と称して、火力・原子力への補助を強め等政策が含まれており、公正な競 争環境の整備に反している。 「長期脱炭素電源オークション」は不透明な補助金であると認識せざるを得ない。 ネーミングからして、あたかも再生エネルギーに対してのオークションとの印象を与えるが、火力と原子力に対し て8割を超える補助金となっているのが実態である。そして、これは消費者が支払う電気料金の中に、火力・原子 力への補助金が含まれることになる。このような方向性を案として提示されても、到底賛成はできないので、この 案に反対する。 【意見】火力発電や原子力発電の事業の予見性を高め、温存するための「容量市場」や「長期脱炭素電源オーク ション」をやめていただきたい。 【理由】電力の自由化に逆行するからです。再生可能エネルギーの主力電源化に注力してください。 ・火力・原発を維持させる仕組みとなっている現行の容量市場の廃止を求める ・容量市場について大手電力と新電力の負担の公平性に大いに疑問がある。 専門家が指摘する通り「長期脱炭素電源オークション」が事実上、火力と原子力への巨額の補助策になっている ので、公正な競争環境を整備しているとは言い難い。 将来の供給力として2028年需給時点で落札した容量の7割近くを火力が占め、脱炭素に真っ向から逆行してい る。 容量市場の資金は小売需要家の容量拠出金によって賄われる。新電力は容量市場で落札する電源を持っていない ため負担が大きく公平性にも欠ける。現行の容量市場は廃止するべきである。 大手電力と新電力の格差を拡大し、電力システム改革の目的に反する容量市場、長期脱炭素電源オークションは廃 止すべき。(全体) 運用実態上、火力発電や原発の整備に偏った中身の「容量市場」「長期脱炭素オークション」というわかりにく い制度は廃止すべきだ。電力自由化のなかで新設が困難になっている電源をわざわざ延命させる必要はまったくな い。ここだけ市場の論理を外れ、また世界の常識を外れて、また最終的にこの費用を電力料金として負担する国民 に対する十分に「丁寧な」説明なくして、行政の一部局の施策として強行することは許しがたい。 【意見】火力発電や原子力発電の事業の予見性を高め、温存するための「容量市場」や「長期脱炭素電源オーク ション」をやめていただきたい。 【理由】電力の自由化に逆行するからです。再生可能エネルギーの主力電源化に注力してください 火力・原発を維持させる仕組みとなっている現行の容量市場の廃止を求める 将来の供給力を確保する仕組みとして創設された容量市場について、すでに固定費を回収し終えている火力や原発 などの大規模電源の維持につながっていることを強く懸念する。現に、2028年需給時点で落札した容量の7割近く を火力が占めるとみられ、脱炭素に真っ向から逆行していることは明らかだ。 「安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進」 【意見】石炭火力は直ちに止めるべきであり、政府(税金)が水素・アンモニアを混焼や、CCUSの技術開発を 推進したり補助を出したりして温存させることはやめてください。 【理由】電力の自由化に逆行するからです。再生可能エネルギーの主力電源化に注力してください。 火力・原発を維持させる仕組みとなっている現行の容量市場には、大きな問題があるため、廃止を求めます。 2028年需給時点で落札した容量の7割近くを火力が占めるとみられ、脱炭素に真っ向から逆行して火力や原発など の大規模電源の維持につながっています。 特に、新電力は容量市場で落札する電源を持っていないため負担が大きく、負担の公平性について以前から疑問 があるとの指摘があります。 上記の様な問題を抱える、不公平な容量市場を維持し続けることに、反対します。 ・すでに市場に参入している大手に有利な制度となっており、真の意味での自由競争がなされていません。容量市 場、長期脱炭素電源オークションといった既存大手電力会社に有利なシステムはやめるべきです。 64 長期脱炭素電源オークションについて落札価格を公表するべき 長期脱炭素電源オークションの個別電源の落札価格は、個社の経営情報に該当することか ら、資源エネルギー庁の審議会での専門家などによる審議を経て、公表しないこととしてお ・ 「長期脱炭素電源オークション」が火力と原子力への巨額の補助策になっていることは改めるべきです。政府 やOCCTOのwebサイトでは、再エネに対する補助が示されているように見えますが、実際には火力・原子力が大 半を占めていることを国民に誤解なく伝えるべきです。また、落札した電源の価格を公表するべきです。 ります。 一方で、落札された電源全体の約定総額については公表するなど、経済産業省としては、 個社の経営情報に該当しない範囲での最大限の情報の開示を行っております。 「長期脱炭素電源オークション」は、国民負担のもとに電源に対して補助を与えるものとなっています。そうであ るならば、落札した電源がいくらで落札したのか、公表するのは当然ですが、現在はそのようになっていません。 6. 事業環境整備に関する懸念 原子力発電への支援策の停止:「事業環境整備」という名目で原子力発電への補助を強化する動きに対し、国民 負担の増大を招くため反対します。 透明性の確保:長期脱炭素電源オークションで落札した電源がいくらで落札したのか、その情報を公表するよう求 めます。 65 長期脱炭素電源オークションについてわかりやすい情報発信をすべき 「長期脱炭素電源オークション」を説明した政府やOCCTOのwebサイトでは、現行の「長期脱炭素電源オーク 御意見も踏まえつつ、長期脱炭素電源オークションの情報発信の在り方を検討して参りま す。 ション」が再エネに対して補助を与えているような文書やイラストが示されている。火力・原子力が大半を占めて いることから、このような誤解を与える情報を国民に与えるべきではない。「長期脱炭素電源オークション」の ほとんどが火力と原子力を補助する制度であることが一目でわかるようにするべきである。 4. 「長期脱炭素電源オークション」の見直し ・ 「長期脱炭素電源オークション」は、火力・原子力発電への補助金と化しており、再生可能エネルギーの導 入を阻害する。 ・ オークションの落札価格を公表し、透明性を確保すべきである。 ・ 政府や電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、オークション制度に関する情報提供を正確に行い、誤解を招 くような表現を避けるべきである。 66 長期脱炭素オークションの9割還付の現行比率を引き下げるべき 長期脱炭素電源オークションでは、固定費全体を支援することでリスクを低下させている 経済社会情勢の不確実性が高まる中での投資回収予見性を高め、長期的な電源投資の促進が図るべく、長期脱炭 ことから、その対価として、リターンについても低く抑えるべきとの考え方から、他市場収 素電源オークションを整備頂いたことに感謝申し上げます。 益の約9割を還付することとしていますが、投資インセンティブとの関係も考慮しながら、制 一方で投資家から求められる利益率水準を鑑みるに、他市場収益の約9割還付の現行比率の引き下げを強くお願い 度の在り方について検討して参ります。 します。 意見内容 現行の長期脱炭素電源オークションは、電源の固定費全額を容量拠出金負担としつつ、落札事業者に対 して他市場収益の約90%の還付を求めるため、小売部門を持つ発電事業者にとって、ナチュラル・ヘッジ(市場 高騰時の小売損失の一部を発電収益でカバーすること)によるリスク抑制が図れない。また、一般的に発電事業 者は、脱炭素化技術の進展等が見通せない不透明な状況下、事業リスクを負って大型投資を行っているが、現行 の還付率は、十分な投資インセンティブとならないおそれがある。 従って、例えば、容量拠出金の固定費負担割合を引き下げる一方、他市場収益の還付率を低減する選択肢を設ける こと等を、ご検討いただきたい。 理由 現行の長期脱炭素電源オークションは、電源の固定費全額を容量拠出金負担とする一方、事業者に対して他 市場収益の85~95%を還付することが条件となっている。小売部門を持つ発電事業者から見て、この現行の仕組 では、市場のボラティリティリスクに対して、ナチュラル・ヘッジ(市場高騰時の小売損失の一部を発電収益でカ バーすること)によるリスク抑制が図れない。発電事業者は、脱炭素化技術の進展等が見通せない不透明な状況 下、事業リスクを負って大型投資を行っており、長期脱炭素電源オークションは、その投資インセンティブとして 十分に機能することが必要と考えるため。 67 容量市場や長期脱炭素電源オークションについて長期の需給見通しとの整合性や投資回収等の着実な運用をすべ き 4.(1)安定供給確保を大前提とした、電源の脱炭素化の推進(P15) ・大規模な電源開発に必要な 10 年を超えるより長期の見通しが存在しないため自由化の下で、発電事業者にとっ て新規電源開発や計画的な脱炭素電源投資の予見性の確保が不十分となっている。 ・将来にわたる安定供給の確保とGXの両立に向けては、データセンターや半導体工場の新増設や脱炭素化に向 けた電化の推進などを織り込んだ 10 年超の長期的な需要想定を行うとともに、このような需要想定を踏まえた長 期的な視点での的確な供給力管理により、発電事業者が必要な電源開発を行うためのインセンティブを付与してい くことが重要である。このことから早急に供給力管理メカニズムの具体化を図るとともに、GX実現の観点から 電源種別だけでなく調整力や慣性力等の機能別の必要量についてもどのように織り込むか検討が必要である 4.(1)①大規模な電源の脱炭素化に向けた事業環境整備(P15) ・容量市場は 2024 年度から受渡が開始されているが、同市場が的確に運用され、かつ投資回収ができるようにし なければならない。また、安定供給の確保に必要な電源の維持・確保に資する固定費(入札以降のインフレによる 増額分含む)の確実な回収が担保され電源投資の予見性が確保されるために、不断の改善を図りつつ着実に運用 していくことが重要である。 6.(2)①供給力を確保するための取引市場・制度(P33) ・供給力確保の観点から電源(kW)を維持・新設するための適切なコスト回収と発電用燃料(kWh)の安定的な調 達が必要である。電源の維持・新設のための投資予見性を確実に担保するためには容量市場や長期脱炭素電源 オークションの着実な運用が重要である。 ・容量市場が的確に運用され、かつ投資回収ができるようにしなければならない。更に予備電源については、初 回募集の応札がゼロとなるなど、事業者が応札しやすい環境を整える必要があり、その検討にあたっては、休停止 中のプラントを立ち上げるための人材確保や修繕コストの費用回収など、現場の意見を十分踏まえた検討をすべき である。 ・長期脱炭素電源オークションは、将来にわたる安定供給とGXの両立に必要な電源投資の予見性確保に加え、 電力自由化の下で人材・技術の維持・強化に向けても非常に重要であり、オークションの結果や法改正、海外事 例等を踏まえ、不断の検証と制度改善を行っていく必要がある。また、供給力管理メカニズムが具体化された後は 長期の需給見通しとの整合性も重視しなければならない。 今後、制度の目的・意義の再確認や目的を果たすに際しての機能性を確認するなど、制度 設計や市場運営について検証を行いながら、制度の在り方について検討して参ります。 2020年度に初回のメインオークションを開催し具体的な制度導入を行ってから5年、メイ 68 容量市場のメカニズムを見直すべき 意見内容 容量市場の必要供給力の確保と、約定価格の高騰防止の両立を図るため、例えば、目標調達量の全量 ンオークションや追加オークションの開催を重ねて参りました。今後、制度の目的・意義の を一つのシングルプライスオークションで調達するのではなく、希頻度リスク対応分は別個にマルチプライスオー 再確認や目的を果たすに際しての機能性を確認するなど、制度設計や市場運営について検証 クションで調達するなどの対策を検討いただきたい。 理由 を行いながら、必要に応じて現行制度の見直しを検討して参ります。 第99回制度検討作業部会(2025年2月5日)で報告・議論されたように、2024年度メインオークション (2028年度実需給)では、特に東日本で約定価格が上限価格となった。今後、データセンターや半導体工場の設 置等による需要増大と、火力電源の退出が続くことを踏まえると、今後も容量市場約定価格の高騰が続くことが 予測される。 小売電気事業者にとって、容量拠出金負担を通じた供給力確保は必要不可欠な義務と認識している。しかし、容量 拠出金の過度な負担は事業収支を圧迫し、電気料金へ転嫁すれば大きな国民負担となる。このため、容量市場の 必要供給力の確保と、約定価格の適正化・安定化の両立が必要と考える。 現在の容量市場は、H3需要に基づく確率論的な必要供給力に、厳気象H1需要等に対応するための希頻度リスク対 応分を上乗せして、目標調達量を算定している。例えば、この目標調達量の全量を一つのシングルプライスオーク ションで調達するのではなく、希頻度リスク対応分は別個にマルチプライスオークションで調達すれば、上記課 題への対策となるため。 既存の電源維持で原発・火力に莫大な資金補助をするような仕組みではなく、容量メカニズムとして必要なとき に機能させるような一部の電源を維持するメカニズムとして機能させるようなしくみに再構築すべき。 「低稼働電源のkW維持に必要な制度的措置や、緊急時に備えた予備電源制度について、不断の検討を行う」と整 理されており、この方向性に賛同する。その上で、今後のkW確保に向けては、新設のみならず既設電源の延命化 も重要であるとの認識のもと、kW確保を目的とした既存制度(容量市場)の見直しを含めて具体策のご検討をお 願いしたい。 同時市場については、様々な関係者の意見を聴取し、取引参加者間の公平性や実務負担等 69 同時市場の導入が目的になってはならない にも留意しつつ、信頼を得られる透明性のある市場となるよう、検討を進めてまいります。 また、2024年度から全商品の市場取引が開始された需給調整市場については、2026年度から全商品が前日取引化 されるなど大きなルール変更が予定されているところ、現時点では、前日取引化が当初の目論見通りにうまく ワークするかどうか全く見通せない中で、「同時市場の導入に向けて本格的に検討を深めていく」という強度の 高い記載は、「導入ありき」のように映る。 再生可能エネルギーの導入拡大に加え、今後地内の系統混雑も増加するという前提に立つと、供給力と調整力の同 時約定により調整力の調達及び電源運用の最適化を行う手段として「同時市場」の導入を検討すること自体は否定 するものではない。しかし、実際に「同時市場」の導入是非を判断するにあたっては、まずは2026年度から実施 される需給調整市場の前日取引化が当初の想定通りにワークするかどうかを十分見極める必要があり、同時市場 の導入自体が目的化することがないよう、拙速に同時市場の導入を決定するべきではないと考える。 70 同時市場においては時間軸を示し、十分な準備期間を取ると共に何度もシステム改修が起こらないようにすべき 同時市場については、様々な関係者の意見を聴取し、取引参加者間の公平性やシステム改 修等の実務負担等にも留意しつつ、信頼を得られる透明性のある市場となるよう、検討を進 同時市場の整備は電力市場制度を大きく変更する困難な試みであり、数多くの要素の検討を必要とすると理解して めてまいります。 おります。 市場参加事業者にとって将来の事業計画の予見性を高めるために、今後の更なる検討における時間軸をお示しい ただくと共に、新制度移行に当たっては十分な準備期間を取って頂きたく存じます。既に市場には2028年以降の 取引も行われており、2028年度に同時市場を開始する事が困難な場合等、開始スケジュールに変更があると予見 された場合には、早期に公表を頂きたく存じます。 また市場変更対応のために大規模なシステム改修が何度も生じることのないよう、検討を重ねて頂きたく存じま す。 4. 電力システムが直面する課題と対応方針 (2)電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導と柔軟な需給 運用の仕組構築 ⑤ 短期の需給運用の効率的な実施 21ページ <意見内容および理由> (同時市場の検討にあたっての留意事項) •同時市場の検討にあたっては、発電事業者の運用自由度を阻害しないことに留意し、現在の電力取引に関する市 場の課題も踏まえ、十分な検討期間、準備期間や試行期間を設ける等、実務を踏まえた慎重かつ丁寧な検証をお 願いしたいと考えております。 71 同時市場の移行に当たっては、様々な関係者の意見を徴収し、公平かつ透明性のある市場とすべき 同時市場については、様々な関係者の意見を聴取し、取引参加者間の公平性や実務負担等 ・ 案には、「同時市場の導入に向けて本格的に検討を深めていく」との記載があるところ。 にも留意しつつ、信頼を得られる透明性のある市場となるよう、検討を進めてまいります。 ・ 「本格的に検討を深めていく」こと自体には異論は無い。 ・ そのうえで、検討にあたっては、 まえた丁寧な検討をお願いしたい。 電・送配電・小売)の役割・責任をバランスよく設計し電気事業全体として事業者の創意工夫を促す制度設計をお 願いしたい。 ・ 報告書案の「事業者に期待される役割」の箇所に、「安定的な量と価格水準で、需要家に電気を供給するため には、そうした役割や責任を、電気事業に関わる全ての事業者が果たしていくことが求められる。」と記載があ り、同時市場の設計においてもこの点を踏まえていただきたいため。 72 同時市場の運営主体には、独立性・公平性・透明性が担保されているべき 同時市場の運営主体の在り方については、「同時市場の在り方等に関する検討会」の中間 取りまとめにおいて、強靱且つ安定的な事業運営能力、取引参加者の信頼を得られる中立 ・意見内容 性・透明性、高度なシステム開発能力を有し、ガバナンス、人材、経理的基礎等が確保され 同時市場の運営主体には、独立性・公平性・透明性が担保されていることを強く求める。 ていることが必要と整理されました。 ・理由 これを踏まえ、今後は、関係する各機関等との関係を整理しつつ、同時市場の運営に必要 同時市場の運営主体には、3パート情報に代表される各電源の競争力にかかわる情報が集約されることから、特定 な業務の検討を行い、求められる役割や機能といった運営主体の在り方について議論を進め の事業者や企業グループの影響下に置かれる状況は競争上望ましくないため。 てまいります。 73 同時市場の検討にあたっては、調整力の価値が適正に評価されるような制度設計すべき 同時市場は、電力量(kWh)と調整力(ΔkW)を同時に取引し、約定させる市場です。調 ・意見内容 整力については、Three-Part情報(①起動費、②最低出力費用、③増分費用カーブ)から市 同時市場の詳細検討においては、発電事業者が調整機能を有する電源に積極的に投資をできるよう、調整力の価 場価格を算出することを前提として、シングルプライス化することやアップリフトにより起動 値が適正に評価されるような制度設計を望む。 費等の取り漏れのない回収が可能となること等も含めて価格の算定方法を検討してまいりま ・理由 す。 同時市場が導入される頃には、変動再エネの大量導入や、原子力・脱炭素火力などのマストラン電源の導入が進 み、調整力の必要性が今よりもさらに増していることが想定されることから、調整機能の重要性が更に増している と考えられるため。 74 旧一般電気事業者の小売部門による送配電部門の不正情報閲覧問題、支配的事業者による相場操縦、カルテルな ど、電力市場の公平性・中立性が確保できるよう問題を是正すべき 一連の不適切事案等を踏まえた小売電気事業者の健全な競争を実現するための対策とし て、電力・ガス取引監視等委員会や関係審議会での議論を踏まえ、①一般送配電事業者が保 (1)この間、旧一般電気事業者によるカルテル、顧客情報不正閲覧・漏洩、相場操縦という電力システム改革の 有する非公開情報へのアクセス遮断を徹底する制度・仕組みの構築、②内外無差別で安定的 根幹・公正さを揺るがす重大な不正事案が発覚していることについて、項目を起こして具体的に記述すべきであ な電力取引を実現する仕組みの構築、③魅力的で安定的な料金、サービス等の選択を可能と る。 する事業環境の整備について、関連規則等の改正や電力・ガス取引監視等委員会によるフォ 需要化の選択肢が増えたことはよかったが、参考図8にもみられるように、国際燃料価格が高騰し、卸電力取引 ローアップを実施しました。 所の価格が高騰した際には、供給実績のある事業者が小売電気事業から撤退したことがうかがえる。この背景に また、相場操縦については「適正な電力取引についての指針」において、電気事業法に基 は、国際燃料価格の高騰のみならず、後述するとおり、大手電力会社が電力システムの中で支配的な力を持つ中で づく業務改善勧告や業務改善命令の対象としております。電力・ガス取引監視等委員会の調 価格を操作したことなども要因に考えられ、その検証がここでは不十分である。 査に基づき、不適切な事案が生じた場合には適切な対応を検討します。 電力システム改革の検証と方向性を定める文書であるにもかかわらず、この間の大手電力会社(旧一電)による 今後も電力市場の公平性・中立性の確保に努めてまいります。 カルテルや、JERAによる電力市場価格つり上げに関する言及が全くない。市場の規律を高めることをしなけれ ば、安定供給も満たされない。カルテルや価格つり上げに対していかなる今後いかなる措置をとるのか明確にする べきである。 第三に、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大については、「2016 年4月の小売全面自由化以降、700 を超 える事業者が小売電気事業に参入した」とされ、需要化の選択肢が増えたことはよかったが、参考図8にもみら れるように、国際燃料価格が高騰し、卸電力取引所の価格が高騰した際には、供給実績のある事業者が小売電気 事業から撤退したことがうかがえる。この背景には、国際燃料価格の高騰のみならず、後述するとおり、大手電力 会社が電力システムの中で支配的な力を持つ中で価格を操作したことなども要因に考えられ、その検証がここでは 不十分である。 電気料金抑制について再生可能エネルギー(太陽光、風力発電)を増やせば燃料高騰化の影響も軽度で済んだは ずではないのか。長期的に見れば負担は減らせたはず。また大手電力会社が電力システムの中で支配的な力を持つ 中で価格を操作したことも要因である。JERAやカルテルによる価格釣り上げ、情報漏洩、不正閲覧など本来業務 停止命令するべきであるのに、ついて触れていない。公正で競争的な市場の整備が必要不可欠であり、どのような 措置を取るのか明確にするべきある。 大手電力会社はカルテルをしてましたね。この内容も隠しているのが、本当に信用できないと思います。まったく 国民をバカにしています。こんな案は、即撤回し、政府、電力会社の結びつきが問題だと思うので、第3者を交え 検討しなおし、再生エネルギーに対する取り組みに進めるべきです。 電力システム改革を公正で競争的な市場の整備が不可欠 電力システム改革をの検証と方向性を定める文書であるにもかかわらず、この間の大手電力会社(旧一電)によ るカルテルや、JERAによる電力市場価格つり上げに関する言及が全くない。市場の規律を高めることをしなけれ ば、安定供給も満たされない。カルテルや価格つり上げに対していかなる今後いかなる措置をとるのか明確にする べきである。再エネの飛躍的拡大のためには、公正で競争的な市場の整備が不可欠である。 ・ 大手電力会社によるカルテルや電力市場価格のつり上げに関して言及がないことは問題です。市場の規律を高 めることで安定供給を実現すべきです。カルテルや価格つり上げに対してどのような措置を取るのか明確にするべ きです。 発送電分離したはずの電力会社が持ち株会社下のグループ会社であり中途半端だったところで、グループ外の電力 会社を排除するような違法な行為を行っていた事例があり、そもそも「電力システム改革」自体が目指すべき形に 全く近づいてない。 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大については、「2016 年4月の小売全面自由化以降、700 を超える事業 者が小売電気事業に参入した」とされ、需要化の選択肢が増えたことはよかったが、参考図8にもみられるよう に、国際燃料価格が高騰し、卸電力取引所の価格が高騰した際には、供給実績のある事業者が小売電気事業から 撤退したことがうかがえる。この背景には、国際燃料価格の高騰のみならず、後述するとおり、大手電力会社が電 力システムの中で支配的な力を持つ中で価格を操作したことなども要因に考えられ、その検証がここでは不十分で ある。 小売と発電が一体化している状態では、小売部門の損失を発電部門が補うこともでき、市場に対して価格支配力を 行使することもできる。現に大手電力の市場価格の吊り上げや、内外無差別に反する行為が公正取引委員会によっ て指摘されてきた。 電力システム改革が不徹底であることによって旧一電による大きな不正事件が度々起きてきたこと、その結果、 自由かつ公正な価格競争が行われず旧一電が依然として大きな市場支配力を保ち続けているへの言及を欠いてい る。 大手電力会社の市場支配力:大手電力会社が電力システムの中で支配的な力を持つ中で価格を操作した可能性の 検証を追記するべきです。 75 電力・ガス取引監視等委員会の監視機能と電気事業法上の罰則規定を強化すべき 監視機能の強化については、体制強化の一環として2024年2月から6月まで、電力・ガス 7、監視機能の向上:電気事業法上の電取委の監視機能と罰則の強化を 取引監視等委員会の取組に関する組織検証を行い、専門人材の確保等による組織全体の専門 大手電力によるカルテル問題、新電力の顧客情報の情報漏洩及び不正閲覧、再エネ業務管理システムの不正閲覧 性強化や、外部機関も活用した監査機能の抜本強化等に取り組んでいます。引き続き、電力 など、この数年で公正な市場環境を揺るがす大手電力の不正行為が相次いで発覚したが、これらはいずれも電 市場の状況等も踏まえながら、必要に応じて体制の強化に取り組んでまいります。 力・ガス取引監視等委員会(電取委)による定期的な監査で発覚しなかったものである。 また、2024年11月にはJERAが4年半にもわたって「相場操縦」を行っていたことが明らかになり、この件でも電 取委の監視の甘さや電気事業法上の罰則規定のなさが指摘された。これらの電力事業者の度重なる不正行為を重 く受け止め、電気事業法上における電取委の行政上の権限を強化し、さらに罰則規定を設けることを求める。ま た、電取委の人事を経産省から切り離すことで独立性を担保し、合わせて常勤の職員を大幅に増やすなどの監視体 制の強化も検討頂きたい。 6.電気事業法上の電取委の監視機能と罰則の強化を求める。 2024年11月にはJERAが4年半にもわたって「相場操 縦」を行っていたことが明らかになり、この件でも電取委の監視の甘さや電気事業法上の罰則規定のなさが指摘 された。 電力市場では大手電力会社による営業カルテルや顧客情報の不正閲覧、相場操縦による電力価格つり上げなどの 問題が相次いでいます。公正な競争環境をつくり、消費者の利益を守るために、大手電力会社への監視や、不正 に対する罰則を強化すべきです。 近年明らかになった大手電力会社の不正行為は、電力・ガス取引監視等委員会による監査では発覚しませんでし た。電力・ガス取引監視等委員会の権限や体制を強化する必要があると考えます。 電力システムが公正に運用されるよう、電力・ガス取引監視等委員会の体制を強化し、監視機能を強めるべきで ある。また、電気事業法を改正し、相場操縦などの不正行為に対する強力な制裁措置を盛り込むべきである。 市場の規律を高めることをしなければ、安定供給も満たされない。カルテルや価格つり上げに対していかなる今後 いかなる措置をとるのか明確にするべきである。 電気事業法上の電取委の監視機能と罰則の強化を! 電気事業法における電取委の行政上の権限を強化し、更に罰則規定を設けることを求める。また、電取委の人事 を、経産省から切り離すことで独立性を担保し、合わせて常勤の職員を大幅に増やすなどの監視体制の強化も検討 頂きたい。 電力事業者の度重なる不正行為を重く受け止め、電気事業法上における電取委の行政上の権限を強化し、さらに 罰則規定を設けることを求める。また、電取委の人事を経産省から切り離すことで独立性を担保し、合わせて常 勤の職員を大幅に増やすなどの監視体制の強化も検討頂きたい。 3. 電力市場の公正性確保 ・ 大手電力会社(旧一電)によるカルテルやJERAによる市場価格つり上げ行為に対し、厳格な措置を講じるべ きである。 ・ 電気事業法上の電力・ガス取引監視等委員会の監視機能と罰則を強化し、市場の規律を高めるべきである。 ・ 送配電部門の所有権分離や発電・小売部門の法的分離を推進し、公正な競争環境を整備すべきである。 監視委の監視・監督が機能していない状況である。罰則の導入など今後電気事業法の見直しも行う必要がある。そ のために、JEPXや監視委等の抜本的な改革と体制の強化が必要である。 電力システム改革を検証する文書であるにもかかわらず、大手電力会社によるカルテルや、JERAによる電力市場 価格つり上げへの言及が一切ないことは重大な欠陥である。これらの不正行為は市場の公正性を損ない、安定供 給を脅かすものであり、再発防止策と具体的な処罰措置を明示すべきである。電気事業法上の電力取引監視等委 員会(電取委)の監視機能を強化し、罰則を大幅に厳格化することで、市場の規律を高める必要がある。不正を 放置したままの改革は、国民の信頼を失うだけである。 監視機能の向上: 例えば、JERAによる相場操縦事件のように、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)による監視が機能不全に 陥っている現状に鑑み、電気事業法上の電取委の監視機能と罰則の強化を求めます。 ⑥市場運営・監視機能の抜本改革と強化(25ページ) 2021~2022年度の電力市場価格高騰では、卸売市場からの購入の多い新電力だけでなくFIT電気の調達割合の高い 新電力も大きな打撃を受けた。 市場価格高騰が原因で電力販売を停止したり事業から撤退した事業者も多数あったにも関わらず、制度の見直し は十分になされておらず、打撃への補正や補填もない。 またその背景には、大手電力が自社内部への供給を優先し、市場への電力供給が絞られたり、大手電力による高 値での買い入札があったことが公正取引委員会の調査でも指摘されている(*2)。 このような市場の不備に対して、日本電力卸取引所(JEPX)および電力・ガス取引監視委員会(監視委)は公正 な監視と適切な対応を取ることができていない。 さらに2024年11月、JERAによる余剰電力の一部未供出の状態が4年半にわたって続いていたことも明らかとなっ た。この件でも、不正であることが明らかとなりつつも、罰則も返金もなく、業務改善勧告にとどまっている。 監視委の監視・監督が機能していない状況である。罰則の導入など今後電気事業法の見直しも行う必要がある。そ のために、JEPXや監視委等の抜本的な改革と体制の強化が必要である。 【意見内容】 2016年度から低圧も含めた小売り全面自由化が実施されていることは評価。その中で自由化を根本から揺る がす不正閲覧事件のような事案に対しては罰則を強化して直罰を課すべき。 【理由】 不正行為に対しての罰則は直罰が当然だから。そもそも論になるが「最初に官庁が改善命令などを出し、それに従 わない場合に初めて罰則を課す」という制度は、“望ましいことではないが不正とまでは断じにくい行為”に対して こそふさわしい。エネルギーで言えば、例えば省エネ法の判断基準に従わずにエネルギーの無駄遣いを続けること などが該当すると思う。こうしたエネルギーの浪費は望ましい行為ではないが、事業者側にも様々な事情もあるだ ろうし、言い分もあるかもしれない。そこで、まずは勧告や指示なり改善命令を出して、それにもかかわらず繰り 返すようならば罰則をかけるという制度は理解できる。しかし不正閲覧などは競争を不当にゆがめて不正に利益を 得ようというものであり、明らかな不正行為である。不正行為に対しては例えば収賄や選挙違反が直罰なのと同様 に直罰にするのが当然と考える。 また、同様の不適切な事案が発生する事態が生ずれば、更なる対応を検討してまいりま す。 76 火力発電は、電力の安定供給に資するため、維持すべき <意見内容および理由> (将来の需給想定に基づく供給力等の確保) •我が国が安定供給を確保しつつ、カーボンニュートラルを達成していくためには、蓋然性の高い電力需要想定の 下で、建設リードタイムを踏まえながら、既設電源の脱炭素化や新規電源の建設、系統整備を計画的に進めること が必要であると考えています。 •現在、電力広域的運営推進機関において、2050年をスコープとした将来の電力需給シナリオの策定に向けた 検討が行われているところですが、検討結果については、長期脱炭素電源オークション等の電源政策や、系統整 火力発電は、電力の安定供給を支えてきた重要な供給力であり、また、再エネの更なる導 入拡大が進む中で、当面は再エネの変動性を補う調整力として、火力発電の活用は重要で す。 第七次エネルギー基本計画や、本文書 においても、火力全体で安定供給に必要な発電容量 (kW)を維持・確保しつつ、非効率な石炭火力を中心に発電量(kWh)を減らしていく とともに、トランジションの手段としてのLNG火力の活用、水素・アンモニアやCCUS 等を活用した火力の脱炭素化の取組、予備電源制度等についての不断の検討などを進めてい く旨をお示ししています。 備計画に速やかに反映いただくようお願いいたします。 (既設火力の維持・確保) •事業者としても、再エネ、原子力の最大限の活用に加え、水素・アンモニア等の次世代燃料やCCS技術を活用し た火力発電の脱炭素化に取り組んでまいりたいと考えておりますが、既設火力は、当面の間、安定的で低廉な電力 供給に欠かせないものであり、今後、再エネを最大限導入していく上でも調整力・慣性力・同期化力を有する重要 な電源であると認識しております。 •今後も一定期間、既設火力を維持・確保していくためには、トランジション期における既設火力維持に向けた制 度措置(容量市場の見直しによる確実なコスト回収、ストランデッドコストの回収措置、予備電源制度の改良 等)や、既設部品の供給網(サプライチェーン)や技術者の維持・確保策が必要であり、具体化に向けた検討を 着実に進めていただくようお願いいたします。 <意見内容および理由> (燃料確保に係る制度措置) ・変動再エネ等で燃料調達量の予見が難しくなりつつあるなか、平時の所要量変動にも対応できるよう、契約柔 軟性を高めるための支援措置についても検討いただきたいと考えております。 •また、有事における国主導による燃料確保策として、現行の戦略的余剰LNGスキーム(SBL)の拡充とともに、 タンク容量の拡大に関する支援措置等、柔軟かつ実効性のある施策を検討いただきたいと考えております。 •脱炭素化に向けて火力kWhの減少が謳われている中、既設火力への制度措置を検討するにあたり、今後の石炭・ 石油のサプライチェーン維持の視点を取り入れ、安定供給維持という政策目的に対し実効性のある制度となるよ う検討いただくよう、お願いいたします。とりわけ、石油に関しては、足元で既にサプライチェーンの維持が極め て困難になっている現状を踏まえ、早期の検討をお願いいたします。 77 火力発電は、CO2削減には繋がらないため、削減や廃止を進めるべき ご指摘の通り、火力発電は、二酸化炭素を排出するという課題がありますが、必要な供給 火力は、石炭だけでなくLNGもふくめ速やかに廃止しなければならない。 力が必ずしも十分に確保されていない段階で、直ちに急激な抑制策を講じることになれば、 火力発電しながら脱炭素はおかしい。 電力の安定供給に支障を及ぼしかねません。 「脱炭素火力」とありますが、こんな日本語作ったんですか?この言葉、意味がわからなくないですか? このため、第七次エネルギー基本計画や、においては、火力発電について、火力全体で安 火力って脱炭素にならないですよね。無理から作っているのが、表れてしまった感じがします。 定供給に必要な発電容量(kW)を維持・確保しつつ、非効率な石炭火力を中心に発電量 LNG火力への投資は脱炭素とはいえず誤り (kWh)を減らしていく方針を示しております。 火力は、石炭だけでなくLNGもふくめ速やかに廃止すべきす。「LNG火力への投資」は、脱炭素化とは言えず、 具体的には、トランジション手段としてのLNG火力の確保や、水素・アンモニア、CC 誤りであります。そのために事業環境整備をするべきではありません。 US等を活用した火力の脱炭素化を進めるとともに、予備電源制度等の措置について不断の 石炭火力はフェードアウトではなく、フェイズアウト(段階的廃止)をするべき 検討を行うこととしております。 「安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進」について、非効率であれ効 率的であれ、石炭火力はフェードアウトではなく、フェイズアウト(段階的廃止)をするべきです。COP(気候 変動枠組条約)に参加しているにもかかわらず、逆行するような施策は全地球的判断をすべきだし、将来世代への コミットをすべきです。 意見 「脱炭素火力」という語は、虚偽を含む印象操作的な語であり、用いるべきでない。 理由 「脱炭素火力」という語は「火力発電において脱炭素すなわち温室効果ガス排出ゼロが可能である」という誤解 を生じさせる。実際には石炭火力発電に水素やアンモニアを数十%混焼させても二酸化炭素の排出削減の効果はほ とんどない。水素やアンモニアを専焼させる火力発電は高コストで市場性がほとんどない。そもそも再生可能エ ネルギー由来の水素やアンモニアを火力発電に用いるよりも再生可能エネルギー電力をそのままエネルギー利用す る方が低コストで排出量も少ないことは火を見るより明らかである。 まず、石炭火力はもちろん、LNG火力は「脱炭素」とは矛盾する。1.5℃目標に向けてカーボンバジェットの観点 からすみやかな廃止を明言し取り組むことを求める。 78 LNG火力は、トランジション期においては、安定的に電力供給をするために活用すべき 第七次エネルギー基本計画や、本文書 においても、電源の脱炭素化に向けたトランジショ ンの手段としてLNG火力の活用は必要であり、LNG火力の将来的な脱炭素化を前提とし 意見内容 トランジション期・脱炭素化達成時に必須となる、LNG火力・脱炭素化火力の調整力・供給力として の位置づけと必要量を明確化した将来見通しを策定・公表するとともに、継続的な政策支援をお願いしたい。 理由 LNG火力、および水素・アンモニア・CCUS等を活用した脱炭素化火力は、トランジション期・脱炭素化達 成時において、再エネの予測誤差に対応する調整力、および天候不順時の供給力として引き続き不可欠である。発 電事業者は、脱炭素化技術の進展等が見通せない不透明な状況下、事業リスクを負って大型投資を行っており、 その投資予見性の向上が必要なため。 LNG火力は、安定供給と低炭素化の両立のために不可欠な電源であり、新設・リプレースに向けた事業環境整備 は喫緊の課題と認識。世界のガスタービン需要増による建設費高騰に国内の発電事業者が対応できるよう、長期 脱炭素電源オークションにおけるLNG専焼枠への追加的な措置については、当面の間継続することとし、事業環 境整備と併せて速やかに検討を進める必要がある。 (原文) 今後もさらに火力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見ながら、長期脱炭素電源オーク ションにおいても、追加的な措置を検討する。 (修正案) 今後もさらにトランジション期に必要不可欠な火力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見 ながら、長期脱炭素電源オークションにおいて、前述の制度措置・市場環境整備と併せて、追加的かつ継続的な 措置を速やかに検討する。 た新設・リプレースの促進や、水素やCCUS等を活用した脱炭素化、燃料の安定的な確保 の対応の在り方に関する検討等を進めていく旨をお示ししています。 79 LNG火力は、ライフサイクル全体で見てもCO2を排出し気候変動対策を遅らせるため、廃止すべき 2050年に向けて、安定供給を大前提としながら、火力の脱炭素化を進めて行きます LNG火力の削減に向けた方針を打ち出すことを強くもとめる。 が、LNG火力は、石炭・石油火力と比較して、ライフサイクルも含めた二酸化炭素の排出 報告書では「LNG火力への投資を進める必要がある」とされていますが、これは脱炭素化に逆行するものです。 量が少ないため、カーボンニュートラルに向けて排出削減を着実に進めるトランジション期 LNG(液化天然ガス)は化石燃料であり、燃焼によるCO2排出は避けられません。加えて、LNGのライフサイクル において安定供給を確保する手段として重要と考えています。 こうした状況を踏まえ、政府の方針として、LNG火力を廃止することは考えていません 全体ではメタン排出が問題となり、地球温暖化への影響が大きいことが明らかになっています。そのため、 「LNG火力への投資」は誤った政策であり、速やかな廃止を目指すべきです。少なくとも、そのために事業環境 が、水素・アンモニアやCCUS等を活用した脱炭素化の取組を推進していきます。 整備を行うことは適切ではありません。 火力は、石炭だけでなくLNGもふくめ速やかに廃止しなければならない。「LNG火力への投資」は、脱炭素化と は言えない。「LNG火力への投資を進めていく必要がある。」は誤りである。少なくとも、そのために事業環境 整備をするべきではない。また、外国での環境破壊と先住民への人権侵害を引き起こす。LNGカナダ事業などに も顕著だが、日本企業である三菱商事はもうまもなく完成するLNGカナダ事業に既に15%分出資し、化石燃料か ら水素を生産するプロジェクトをシェル・カナダ社と計画している。この2つの事業は日本では絶対に許さないよ うな大規模な破壊と汚染を引き起こす。関係パイプラインが先住民であるWet’suwet’en’en (ウェットスウェテン) の領土を無断で通り、反対は弾圧されている。こうした酷い人権侵害事例に関わる事業などもある、 火力発電(石炭及びLNG含む)は速やかに廃止するべきです。LNG火力への投資は脱炭素化とは言えません。 「LNG火力への投資を進めていく必要がある」という主張は誤りであり、そのための事業環境整備は行うべきで はありません。 「脱炭素電源やトランジション手段としてのLNG火力への投資を進めていく必要がある」との整理がなされている が、2024年10月にガーディアン紙で報道されたように、LNG火力はライフサイクルでは石炭火力を上回る温室効 果ガスを排出することが指摘されている。LNG火力の削減に向けた方針を打ち出すことを強く求める。 矛盾している。LNG火力発電は燃焼、採掘、加工、貯蔵、輸送に伴う排出量(いわゆるライフサイクルでの排出 量)を合わせると、LNGは大量の温室効果ガスを排出するため、LNGに切り替えてもカーボンニュートラルは達 成できない。また、LNGに関わる事業では環境保全の面で問題を抱えている。例えば、日本の公的金融機関であ る国際協力銀行(JBIC)と大阪ガスが出資者として関わっているフィリピン・バタンガス州のイリハンLNG 輸入 ターミナル事業では建設から稼働段階まで、同事業の実施によって海洋生態系への悪影響が指摘されている。 80 石炭火力は、CO2排出量が多く環境破壊に繋がるため、廃止すべき エネルギーを巡る状況は各国千差万別です。すぐに使える資源が乏しく、周囲を海で囲ま 【意見】石炭火力は直ちに止めるべきであり、政府(税金)が水素・アンモニアを混焼や、CCUSの技術開発を推 れた我が国においては、S+3Eの原則の下で2050年カーボンニュートラル実現に向け 進したり補助を出したりして温存させることはやめてください。 【理由】電力の自由化に逆行するからです。再生可能エネルギーの主力電源化に注力してください。 石炭火力については、電源構成の約3割を占めており、必要な供給力が必ずしも十分に確 1.5℃目標と整合させるためには先進国は2030年には石炭火力を廃止しなければならない 保されていない段階で、直ちに急激な石炭火力の抑制策を講じることになれば、電力の安定 ところが日本の現在の目標は2030年までに石炭火力の2割をアンモニア混焼にするというもの 供給に支障を及ぼしかねません。 これはこれからの技術でこの目標が達成できるかどうか不透明かつ達成できたとしても残りの8割はまだ石炭を燃 81 てあらゆる選択肢を追求していくことが重要と考えています。 こうした状況を踏まえ、政府の方針として、石炭火力を直ちに廃止することは考えていま やし続けることになる。これでは1.5℃目標にまったく間に合わない せんが、引き続き、非効率な石炭火力のフェードアウトや、水素・アンモニアやCCUS等 石炭火力は、脱炭素の障害になるので、国として進めるのは一切やめて、早い時期に閉鎖するべきだ。 を活用した脱炭素化の取組を推進していきます。 石炭火力は、削減に関する国際合意が進んでいる中で、国が前面に立って廃止に向けた方針・廃止年限を定め、早 エネルギーを巡る状況は各国千差万別です。すぐに使える資源が乏しく、周囲を海で囲ま れた我が国においては、S+3Eの原則の下で2050年カーボンニュートラル実現に向け 期に廃止すべき 非効率石炭だけではなく、すべての石炭火力のフェーズアウトに向けて方針を打ちだすことをつよくもとめる。 てあらゆる選択肢を追求していくことが重要と考えています。 石炭火力については、電源構成の約3割を占めており、必要な供給力が必ずしも十分に確 また、石炭火力については「フェードアウト(自然減少)」ではなく計画的廃止の方針を明確にするべきです。 保されていない段階で、直ちに急激な石炭火力の抑制策を講じることになれば、電力の安定 政府は石炭火力の段階的廃止のスケジュールを策定し、事業者に対する適切な指導を行うべきです。 供給に支障を及ぼしかねません。 「安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進」について、非効率であれ効 こうした状況を踏まえ、政府の方針として、石炭火力を直ちに廃止することは考えていま 率的であれ、石炭火力はフェードアウトではなく、フェイズアウト(段階的廃止)をするべきである。政府は、 せんが、引き続き、非効率な石炭火力のフェードアウトや、水素・アンモニアやCCUS等 フェイズアウトに向けた計画を策定するべきである。 を活用した脱炭素化の取組を推進していきます。 日本の火力削減に関する方針は(非効率石炭火力のフェーズアウト)に留まっているが、 1.5℃目標との整合のために先進国は2030年までに石炭火力を廃止しなければいけないことは、国際エネルギー 機関(IEA)等が明らかにした。 石炭火力のフェーズアウトに向けて方針を打ち出し、確実に制度措置の強化を進めることを求める。 82 G7が合意した「2030年代前半までの石炭火力の段階的廃止」について記載すべき 2023 年の G7広島サミットや、2024 年の G7プーリア・サミット等では、各国のネッ 2、方針について:再エネ3倍、火力の削減に向けた方針を明確にすること ト・ゼロの道筋に沿って、2030 年代前半、または、気温上昇を 1.5℃に抑えることを射程に なお、p.11「(2)電力システムを取り巻く経済社会環境の変化 丸1世界的なDXや脱炭素化の流れの加速」 におい 入れ続けることと整合的なタイムラインで、排出削減対策が講じられていない既存の石炭火 て、カーボンニュートラルへの国際的な潮流や、G7で合意した2035年の電力部門の脱炭素化について触れられて 力発電をフェーズアウトすることに合意しました。 第七次エネルギー基本計画や、本文書 においては、安定供給の確保を大前提に、非効率な いるが、2024年にG7が合意した「2030年代前半までの石炭火力の段階的廃止」について記載されていない。日本 の合意内容について、正確に記載をするよう求める。 日本の火力削減に関する方針は、非効率石炭火力のフェーズアウト、に留まっているが、1.5℃目標との整合のた めに先進国は2030年までに石炭火力を廃止しなければいけないことは、国際エネルギー機関(IEA)等が明らかに した。非効率石炭だけではなく、全ての石炭火力のフェーズアウトに向けて方針を打ち出し、確実に制度措置の 強化を進めることを求める。 なお、p.11「(2)電力システムを取り巻く経済社会環境の変化 1、世界的なDXや脱炭素化の流れの加速」 において、カーボンニュートラルへの国際的な潮流や、G7で合意した 2035年の電力部門の脱炭素化について触れられているが、2024年にG7が合意した「2030年代前半までの石炭火力 の段階的廃止」について記載されていない。日本の合意内容について、正確に記載をするよう求める。 ・再エネ3倍、火力の削減に向けた方針を明確にすること ・COP28で合意された再エネ3倍の目標に向け、制度措置を講じ、日本としても再エネを最大限導入するよう、よ り強く方針を前に出すべきだ。 ・2024年にG7が合意した「2030年代前半までの石炭火力の段階的廃止」について記載されていない。日本の合意 内容について、正確に記載をするべきです。 (電力システムを取り巻く経済社会環境の変化 や 世界的なDXや脱炭素化の流れの加速) において、カーボン ニュートラルへの国際的な潮流や、G7で合意した2035年の電力部門の脱炭素化と同時に、2024年にG7が合意し た(2030年代前半までの石炭火力の段階的廃止)を目指すことを記載をするよう求める。 日本政府も加わり国際的にも合意されている「再エネ3倍化」や「化石燃料からの脱却」、「公正な移行」とい う約束は、このなかでは中心軸から外れている。 欧州各国は2030年代までに石炭火力を完全に廃止する方針を示しており、倣うべきである。 石炭火力発電の段階的廃止:非効率であれ効率的であれ、石炭火力発電はフェードアウトではなく、フェイズア ウト(段階的廃止)をすることを求めます。 石炭火力を中心に発電量を減らしていく方針をお示ししております。 引き続き、2030 年度に向けて、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めるととも に、2050 年のカーボンニュートラル実現に向けて、水素・アンモニアや CCUS 等を活用する ことで、1.5℃目標と整合的な形で脱炭素型の火力に置き換える取組を推進してまいります。 83 石炭火力・LNG火力を脱炭素電源に含めるべきではない ご指摘の通り、火力発電は、二酸化炭素を排出するという課題がありますが、必要な供給 力が必ずしも十分に確保されていない段階で、直ちに急激な抑制策を講じることになれば、 電力の安定供給に支障を及ぼしかねません。 (長期脱炭素電源オークション)では脱炭素を謳いながらLNG火力を計1,000万kWも新設し、今後もさらに石炭 火力の供給力も確保するという脱炭素化とは全く正反対の施策である。 このため、エネルギー基本計画や、電力システム改革の検証結果と今後の方向性(案) に おいては、引き続き、非効率な石炭火力のフェードアウトや、水素・アンモニアやCCUS 等を活用した脱炭素化の取組を推進することとしています。 その上で、長期脱炭素電源オークションにおいては、短期的な電力需給ひっ迫の防止や、 脱炭素電源に石炭火力発電・LNGガス発電を含めることは不当です。 将来的な電力需要の増加見通しに対応するため、将来的な脱炭素化を前提としたLNG火力の 新設・リプレース案件を対象とすることとしています。 84 フェードアウトについて、政策要請により地点を存続させるのならば、国が前面に立って説明すべき ・意見内容 石炭火力については、第七次エネルギー基本計画や、本文書において、非効率な石炭火力 のフェードアウトや、水素・アンモニアやCCUS等を活用した脱炭素化の取組を推進して 石炭火力のフェードアウトに関して、政策要請により地点を存続させるのならば、国が前面に立ってその必要性を いく旨をお示ししています。 明言するとともに、地点維持のために必要な手当を行っていただきたい。 ・理由 事業者は資本市場・金融市場からの圧力や国際的な状況、排出量取引を含めた経済的な環境、さらに地元への影 響も勘案しながら火力電源の休廃止を計画的に進める必要があるため、政策要請のみに基づき事業者が自主的に 地点存続に対応することは困難である。 85 石炭火力の「フェードアウト」は「フェーズアウト」という文言にすべき ・ 石炭火力はフェードアウトではなく、段階的廃止(フェイズアウト)を行うべきです。政府は石炭火力発電の フェイズアウトに向けた計画を策定するべきです。 エネルギーを巡る状況は各国千差万別です。すぐに使える資源が乏しく、周囲を海で囲ま れた我が国においては、S+3Eの原則の下で2050年カーボンニュートラル実現に向け てあらゆる選択肢を追求していくことが重要と考えています。 石炭火力については、電源構成の約3割を占めており、必要な供給力が必ずしも十分に確 保されていない段階で、直ちに急激な石炭火力の抑制策を講じることになれば、電力の安定 石炭火力発電の段階的廃止:非効率であれ効率的であれ、石炭火力発電はフェードアウトではなく、フェイズア ウト(段階的廃止)をすることを求めます。 供給に支障を及ぼしかねません。 こうした状況を踏まえ、政府の方針として、石炭火力を直ちに廃止することは考えていま せんが、引き続き、非効率な石炭火力のフェードアウトや、水素・アンモニアやCCUS等 を活用した脱炭素化の取組を推進していきます。 86 石炭火力を減少させる場合には、電力の安定供給を大前提とし、必要な発電容量の確保に向けた制度の検討・見 なお、「フェーズアウト(phase out)」と「フェードアウト(fade out)」の用語はいず 第七次エネルギー基本計画や、本文書 において、火力全体で安定供給に必要な発電容量 直しを行うべき (kW)を維持・確保しつつ、非効率な石炭火力を中心に発電量(kWh)を減らしていく <意見・理由> とともに、低稼働電源のkW維持に必要な制度的措置や、緊急時に備えた予備電源制度につ 1.安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進(該当箇所:4.(1) いて、不断の検討を行うこととしております。 ②) 持たせた時間軸を考慮のうえ,制度検討する必要がある。一方,事業者としてフェードアウトを進めるにあたって は,例えば,脱炭素推進に係るGXコスト(カーボンプライシング)と安定供給に必要な火力電源維持のバラン ス,現行の容量市場制度や予備電源制度など安定供給確保のために必要となる火力電源維持のための制度の在り 方等についても整理されることが前提となるため,こうした課題について,スピード感をもって検討する必要があ る。 ⚫ 沖縄エリアの有する構造的不利性により水力発電や原子力発電の導入が困難なため、石炭火力が引き続き重要 な供給力を担っているところであるが、沖縄の系統規模の観点からは、非効率石炭火力と位置付けられている sub C 機が導入可能な最良の技術であり、全国と同じ基準で非効率石炭火力フェードアウトへの対応を求められた場 合、安定供給確保に大きな懸念が生じる虞がある。 ⚫ 第 7 次エネルギー基本計画においても、「エネルギー安定供給を第一として、経済効率性と環境適合性の向上 に向けて最大限取組を進めていくことが重要(P17)」として、安定供給が最優先のものとして位置づけられてお り、非効率石炭火力フェードアウトを進めるにあたっては、沖縄エリアにおいて石炭火力が安定供給に果たす役 割を踏まえる必要がある。 ⚫ また、今後の方向性として「kW を維持しつつ kWh を低減していく」ことが示されているが、沖縄エリアにお いても、日々の運用に当たっては再エネの出力変動に対応した DSS 運転などの調整力運用や LNG の優先活用を 行っており、この点、方向性とも合致すると認識している。しかし、水力発電や原子力発電の導入が困難な中、 LNG のみに過度に依存することになるとエネルギーセキュリティの確保に懸念が生じる虞がある。 ⚫ 第 7 次エネルギー基本計画においても、地政学リスク等を背景に、エネルギー安全保障の確保や特定の電源に 依存しないバランスの取れた電源構成による多層的な供給構造の必要性が再認識されているところであり、導入 可能な電源が限られる沖縄エリアにおいては、石炭火力がエネルギーセキュリティに果たす役割を踏まえる必要 がある。 ⚫ そのうえで、沖縄エリアにおける経済効率性の観点からも石炭火力の重要性は大きく、県経済や県民生活への 影響も併せて考慮する必要がある。 ⚫ これらの状況を踏まえ、引き続き沖縄の電源事情へのご理解・ご配慮をお願いしたい。 非効率な火力とはいえ、点灯帯や曇天時の安定供給を考慮すれば変動再エネを上回る機能を発揮する電源であ り、足元の電源不足を補い安価な発電量(kWh)を生み出す貴重な電源であることについて、国民の理解を得る とともに、そのためには維持コストを負担する必要があることも併せ認識する必要がある。 (原文) データセンターや半導体工場の新増設等による需要の増加も想定すれば、再生可能エネルギー・原子力等の脱炭素 電源を最大限活用しつつ、火力においては、非効率な電源を中心に発電量(kWh)を減らしながらも、安定供給に 必要な発電容量(kW)を維持していく必要がある。 (修正案) データセンターや半導体工場の新増設等による需要の増加も想定すれば、再生可能エネルギー・原子力等の脱炭素 電源を最大限活用しつつ、火力においては、非効率な電源を中心に発電量(kWh)を減らしながらも、一定程度の コストをかけて安定供給に必要な発電容量(kW)を維持していく必要がある。 「火力においては、非効率な電源を中心に発電量(kWh)を減らしながらも、安定供給に必要な発電容量(kW) を維持していく必要がある」と整理されており、この方向性に賛同する。その上で、電力・ガス基本政策小委員会 において非効率でない石炭火力(排出削減対策なし)に関しても稼働率を低下させていく必要があるという議論が あったことも踏まえ、それらを含む石炭火力の稼働抑制等の具体策に関して、引き続きご検討をいただきたい。 ・ 案には、「必要な発電容量の維持に向けては、容量市場における必要な供給力の確保に加え、(中略)、今後 もさらに火力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見ながら、長期脱炭素電源オークション においても、追加的な措置を検討する」、「低稼働電源のkW維持に必要な制度的措置や、緊急時に備えた予備電 源制度について、不断の検討を行う」、また、「2030年に向け、非効率石炭火力のフェードアウトをより一層促 進するため、排出量取引制度(GX-ETS)や化石燃料賦課金等の他制度の影響も考慮しながら、更なる制度措置の 強化を検討する必要がある。加えて、(中略)kWhを低減していく一方で、当面の間はkW維持の必要性を見極め ていく必要」との記載があるところ。 検討にあたっては、 ・容量市場の見直しや予備電源制度の見直しなどを通じて、既設の火力電源の稼働率低下時においても事業者の経 済合理的な判断としてkWが維持できるよう、確実なコスト回収および適正な利益・リターンの実現に資する市 場・制度設計について検討いただきたい。 低下させていく方針とされているが、一律に期限を区切って、休廃止や稼働制限を求めるのではなく、事業者が一 定の裁量と時間的裕度を持って取り組むことができる仕組みとしていただきたい。 固定費や逸失利益等に対する補償、財務的な負担を平準化できるような措置等を検討いただきたい。 したい。 ・ 高効率石炭火力をはじめとする既設火力は、当面の間、安定的な電力供給に欠かせず、再エネを最大限導入す る上で調整力・慣性力・同期化力を有する重要な電源であり、稼働率低下時の維持に向けた制度措置等が必要で あると考えるため。 87 安定的な燃料確保に繋がる措置を検討すべき 意見内容 安定的な燃料確保に繋がる措置を検討いただく方向性に賛同する。 発電用燃料に関しては、第七次エネルギー基本計画や、本文書において、安定的な電力供 給が可能となる量のLNG長期契約の確保を促進するための措置の検討など、平時と緊急時そ 措置の具体化においては、LNGやLNG火力の重要性は長期的に不変である旨を国内外に発信し続け、官民でのリ れぞれの燃料の安定的な確保の対応の在り方についてさらに検討を進める旨をお示ししてい スクシェアの在り方等も検討いただきたい。 ます。 理由 LNGの長期契約は10年や20年を超えるものになることから、中長期的なメッセージが必要。 加えて、LNGやLNG火力はエネルギーの安定供給において必要不可欠であるものの、自由化の進展やCN化の潮流 によって調達に係る予見性が低下していることから、官民でのリスクシェアやLNG調達の環境整備が必要となる ため。 LNG長期契約の促進のみならず、戦略的余剰LNG(SBL)の拡充を含めたLNG確保やLNG価格安定化の具体策に ついても、検討が必要である。 88 燃料調達の予見性を高める議論をすべき 発電用燃料に関しては、第七次エネルギー基本計画や、本文書において、安定的な電力供 ・意見内容 給が可能となる量のLNG長期契約の確保を促進するための措置の検討など、平時と緊急時そ 供給力維持とのバランスを考える上では、石炭火力の稼働を落としながらも燃料調達の予見性をどう立てるかが れぞれの燃料の安定的な確保の対応の在り方についてさらに検討を進める旨や、今後の石 課題となることから、このような観点からの検討もお願いしたい。 炭・石油のサプライチェーンにも配慮した制度等の在り方についても検討を進める旨をお示 ・理由 ししています。 石炭火力の稼働の予見性が立たなくなると、個社の調達量や契約条件でサプライヤーへのコミットが難しくなる ことでバイヤーとしての地位が低下し、交渉が不利になることが懸念される。その結果、調達コストが上昇し、経 済性の観点から事業者の撤退を促進しかねない。さらに、個社のコミットの減退は日本国全体のバーゲニングパ ワー低下にもつながるため。 89 これまでの改革に関与していない第三者が検証すべきである 今般の検証については、多様な観点から包括的な検証を行うことが重要であるため、電力・ これまで電力システム改革の制度設計を議論してきた当事者である電力・ガス基本政策小委員会が、電力システム ガス基本政策小委員会において、2024年1月から6月にかけて、30名以上の幅広い有識者・実 改革の検証の実施主体となっていることは、検証の中立性、透明性の観点から大きな疑義がある。 務者からのヒアリングを行った他、2024年2月には、皆様から広く意見募集をいたしました。 今後の検証の在り方について整理する際には、例えば、検証にあたる有識者委員の半数以上は、今回のヒアリン こうした形で議論の中立性、透明性を担保しつつ、議論の継続性の観点から、電力・ガス基 グで招聘されたような、これまで国の審議会等で委員として参加していない有識者とするなど、検証の中立性、透 本政策小委員会において審議いただきました。 明性をもっと高めるべきである。 90 新たな会議体に有識者(個人名)を入れるべきだ/構成員を広く募るべきだ 委員の任命に当たっては、当該審議会等の設置の趣旨・目的に照らし、委員により代表さ れる意見、学識、経験等が公正かつ均衡のとれた構成になるよう留意することになってお り、個別のご意見への対応は困難ですが、電力システムの制度改正について集中的に議論す 設置する会議体の構成員はどのように決めるか、明示して広く一般から構成員を募集してください。 る会議体の設置にあたっても、その趣旨・目的に照らし、委員により代表される意見、学 識、経験等が公正かつ均衡のとれた構成になるよう留意しながら委員構成を今後決定してい きます。 91 経済社会環境の変化によっては国民負担が大きくならざるを得ないことを国の責任で説明するとともに、その影響 を抑制するのであれば国の責任で行うべき 電力システムが今後目指すべき方向性の一つとして、「安定供給や脱炭素化、物価上昇等 による価格への影響を抑制しつつ、需要家に安定的な価格水準で電気を供給できる環境を整 備する」こととしており、安定供給や電力システムの脱炭素化を着実に進めるために必要な エネルギー政策基本法において、国や地方自治体、事業者の責務が掲げられており、それぞれの責務を果たすため 費用の確保や、物価の高騰や金利の上昇、円安も含めた電気料金の上昇要因への対応につい には、エネルギー政策を策定し推進する国が、その責任のもとで、国民各層や地方自治体、事業者と目指すべき方 て、本文書に記載しました。こうした考え方については、政府による情報開示を通じた国民 向性を共有したうえで、自らがその実現に向けたリーダーシップを発揮しながら進めるべきである。今般、このエ 各層の理解促進を図っていくことが求められると考えており、本文書においてもその旨を記 ネルギー政策基本法に基づき第7次エネルギー基本計画が閣議決定された。第6次エネルギー基本計画が策定され 載しています。 た以降、我が国を取り巻くエネルギー情勢が大きく変わり、その変化を受けて策定された第7次エネルギー基本計 画は 2040 年に向けたエネルギー政策の方向性を指し示したものであり、電力システム改革は同計画を実現するた めの重要な位置付けと認識している。 電力システム改革を議論していくにあたり、国は、事業者に期待される役割・取組の方向性を示すだけではなく、 自らがどのような責任と役割を果たし、国民各層や地方自治体、事業者にどのような理解と協力を求めようとする のか、そのために、国はどのような手立てを講じようとするのか、明らかにしながら進めることが重要である。電 力システム改革以降、今日まで電力の安定供給という大きな社会的責任を果たしてきたのは、電力業界で働く者の 強い使命感と誇り、さらには現場第一線で築き上げてきた高い技術・技能であり、そのことは今後も決して変わる ものではなく、電力システムをいかに見直そうとも、こうした現場力の継承・発展なくして、その実現は非常に厳 しいものとなる。 電力システム改革を含むエネルギー政策を策定・推進するにあたっては、「S+3E」の一翼を支える働く者が、 今後とも将来に希望を抱き、使命感と誇りをもって生き生きと働き続けられるよう、雇用の安定や労働諸条件の 確保、人材育成や技術・技能など「現場力」の継承・発展の重要性を十分踏まえた対応が重要である。 <意見内容および理由> (公平な負担および国民の理解醸成) •持続可能な電力システムの構築にあたっては、安定供給の確保とカーボンニュートラル実現の両立に必要なコス トがシステム全体で確保され、再投資される仕組みの構築が必要であり、そのためには、各小売事業者のみなら ず、その先の需要家から適切に回収する仕組みが必要と考えております。 •また、今後、電源・燃料の脱炭素化や、これを支える電力ネットワークの次世代化を進めるには、事業者もコス ト低減に取り組んでいく一方、相応のコスト増加は避けられないことから、国民の行動変容を促す観点からも、 国はこの現実に正面から向き合い、国民全体での公平な負担に向け、率先した理解醸成に取り組む必要があると 認識しております。 •電源・燃料の脱炭素化に向けて検討されている化石燃料賦課金・有償オークション・脱炭素オークション、電力 ネットワークの次世代化にかかる追加コストは、小売電気事業者の負担となり、ひいては消費者の負担となるこ とはまぎれもない事実であり、国から国民全体に対して理解を得るよう取り組んでいただく必要があると考えてお ります。 電気料金等で電気購入者や一般市民に多大な負担を強いる構造にもかかわらず、国民的議論を行うこともなくわ かりづらい形で進めようとしている姿勢や手続きに抗議する。エネルギー政策に関しては得てして国民に分かりや すい形での説明も議論の場も整えない政府の姿勢が見受けられる。将来世代への責任感の欠如も甚だしいと感じ る。 安定的な電力供給と電力システムの脱炭素化を両立させればコスト負担の増を招き、価格への影響は避けられな い。その際、需要家が価格上昇に難色を示すこともあり得ることから、こうしたコストを国民全体で負担する必要 があることを明記しておく必要がある。以上の方向性は相互に関連するものであるが、目指す過程で両立、鼎立が 困難な状況が継続することも考え得る。例えば安定的な電力供給と電力システムの脱炭素化を両立させようとすれ ば、コスト増から価格への影響が懸念されることになるが、こうした状況が現出する可能性について国民全体が 理解し、事業者・需要家が助け合って対応しやすい環境をつくることも考慮に入れる必要がある。 電気の安定供給のためには、需要家の理解も重要であるが、電気という商品やその需給や価格等に関する理解の ためには相当の知見が必要であり、国や電気事業者等による丁寧な説明などの取り組みが必要であることについ て言及すべきではないか(さらに言えば、理解が進むことにより、需要家も安定供給に寄与し得る重要なプレー ヤーとなり得るのではないか)。 (原文) 第二に、電力産業には、発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者としての役割や責任が期待さ れる。安定的な量と価格水準で、需要家に電気を供給するためには、そうした役割や責任を、電気事業に関わる 全ての事業者が果たしていくことが求められる。また、政府は、事業者の競争・創意工夫を活かしつつ、公益的な 観点から取引市場や事業者の規律等の制度措置を行うことが必要である。あわせて、こうした電力産業を支える 人材やサプライチェーンの確保が必要となる。 (修正案) 第二に、電力産業には、発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者としての役割や責任が期待さ れる。安定的な量と価格水準で、需要家に電気を供給するためには、そうした役割や責任を、電気事業に関わる 全ての事業者が果たしていくことが求められる。また、政府は、事業者の競争・創意工夫を活かしつつ、公益的な 観点から取引市場や事業者の規律等の制度措置を行うことが必要である。あわせて、こうした電力産業を支える 人材やサプライチェーンの確保が必要となる。さらにこうした取り組みや電気という商品そのものについて需要 家の理解や知見の向上を得るため、国と事業者が連携しつつ、あらゆる場を活用してエネルギー教育などの啓発活 動を行っていく。 92 国民の意見を聞いて、今後の政策を検討すべき 電力システム改革全体に渡る検証を進めるにあたって、専門的かつ実務的な観点を十分に 市民の意見も対等にエネルギー政策に反映するように、諮問機関などでも参加できるように配慮して、公正さ、透 踏まえた上で検討を行うことが重要であることから、幅広い有識者・実務者からヒアリング 明性、公平さなどを確保していかなければ今後のエネルギー政策は一部既存企業の利益のために、国の行方を誤ら を実施しました。また、多様な観点から包括的な検証を行うため、皆様から幅広く御意見を 伺うための意見募集を実施しました。なお、電力・ガス基本政策小委員会での議論について せることに繋がる。 は、資料や議事録を公開し、YouTubeで誰もが視聴可能な状態にしております。 「短期の環境変化に振り回されない」ような、「中長期的な視野」を持ち、いま一度現状を冷静に分析した上 で、発電事業者や小売事業者といった送配電以外のライセンスからの意見や、また昨今の金融的な視点もしっか り取り入れた上で、将来のあるべき姿や残すべき既存ルール等を議論・吟味することで、目指すべき安定供給と脱 炭素が両立できる、持続可能=サスティナブルな電力システム、電気事業が具現化できるものと考えている。 公平で、市民や、専門家たちの参加を測り、きちんと話し合うべきです。まったく公平とは言えません。 ・丁寧な公開された議論の上で、こんなに重要なものは決定することが必須。 ・パブリックコメントの募集に対して、国民に十分な広報をしていない。 ・集まったパブリックコメントに対して真摯な検討と公開を求める。 7. 情報公開と透明性の確保 ・ 電力システム改革に関する情報公開を徹底し、国民の理解と参加を促進すべきである。 ・ 政策決定プロセスにおける透明性を高め、国民の信頼を得るべきである。 93 正しい文章に修正すべき/ 分かりやすい文章に修正すべき 今や人工知能計算資源に関わる重要なインフラである電力に関し、この人工知能の観点からの言及も無い ・電ガ小委では、電気料金の価格の安定性について、複数の委員から、単純に安定性だけにフォーカスすると、 短期的な需給の変化等に伴う弾力的な料金設定など事業者の創意工夫を否定しているようにも見えるといった指摘 が相次いだと認識していますが、P8で「長期的な価格の安定性を確保する重要性が明らかになった」と、「長期 的な」という言葉が入ったことで、そうした料金設定等の事業者の創意工夫を否定しているものではないことが文 章として明確になったと評価できます。 ・しかし、文中の以下の部分では、引き続き、単に「安定的な水準」といった言葉が使われており、誤ったメッ セージとなる懸念が残ることから、例えば、「長期的に安定的な価格水準」など、「長期的に」という文言を追 加して、本とりまとめ全体として整合性を確保した方がよいのではないでしょうか。 P15 下から9行目 需要家に安定的な価格水準⇒需要家に長期的に安定的な価格水準 P22 下から21行目 安定的な水準の価格⇒長期的に安定的な水準の価格 P20に、「現在、変動性再生可能エネルギー電源の導入により需給運用が難化しており、2020年度冬期の需給ひっ 迫等によるスポット市場の売り切れ・価格高騰や、足下の需給調整市場の応札不足等の問題も、そのような課題 が背景にあると考えられる」との記載がある。 この記載は、「同時市場在り方等に関する検討会」の中間とりまとめでも記載されており、これを引用したものと 推察するが、下記の通り、第12回同時市場検討会において同時市場の議論を最初に手掛けた市村委員自身からこ の記載について注文がついており、第13回同時市場検討会の事務局資料でもこれらの課題は独立した論点として 整理されている。 変動性再エネが増えたことで、短期の需給運用が難化しているのが事実だが、そのことと20年度の冬季の需給 ひっ迫や、足元の需給調整市場の応札不足との関連性は極めて薄く事実誤認に等しい。 当該部分の記載がなくても、以降の文意に影響を与えることはなく、同時市場検討会での議論や資料との整合性 も確保する観点からも、上記のP20の当該部分は全て削除して頂きたい。 いただいたご指摘も踏まえ、事実誤認の有無等を確認したうえで、現在の記載で問題ない と考えております。

資料11

第 87 回電力・ガス基本政策小委員会に関する意見 2025 年3月 31 日 一般社団法人 日本経済団体連合会 資源・エネルギー対策委員会 企画部会長 武 田 孝 治 第 87 回電力・ガス基本政策小委員会における議題につき、以下の通り意見 を提出いたします。 議題3 今冬の電力需給及び 2025 年度の需給見通し・運用について 今冬の需給状況および 2025 年度の需給見通しの取りまとめとして、資料に示 された内容に異存はない。 そのうえで、火力発電設備の退出が新設を上回る状況が続くなか、電力シス テム全体として、安定供給に必要な設備を中長期的に、切れ目なく維持するこ とが不可欠である。第7次エネルギー基本計画・電力システム改革の検証とり まとめにも記載された通り、非効率な電源の発電量を減らしながらも、安定供 給に必要な発電容量を維持していく必要がある。長期脱炭素電源オークション の追加的措置に加え、低稼働電源の容量維持に必要な制度的措置を早急に具体 化する必要がある。例えば、石炭火力の脱炭素化を図るなかで技術・人材の維 持を促進するなど、火力が安定供給の柱となっている現状を踏まえた対策を進 めることが重要である。 供給力の状況と見通し、必要な供給力を確保するための対策等について、本 小委員会において、確認・検討スケジュールを明確化し、具体化を進めること が欠かせないと考える。 以 上

資料12

電力システム改革の検証結果と 今後の方向性 ~安定供給と脱炭素を両立する 持続可能な電力システムの構築に向けて~ 令和7年3月 資源エネルギー庁 目次 1.電力システム改革の検証の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 2.検証プロセスの全体像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 3.これまでの評価とこれからの電力システムが目指すべき方向性・・・・・・・・・・・・7 (1)電力システム改革の目的に照らした現状の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 ① 安定供給の確保 ② 電気料金の最大限の抑制 ③ 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大 (2)電力システムを取り巻く経済社会環境の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ① 世界的な DX や脱炭素化の流れの加速 ② 地政学的リスクを含む経済安全保障リスクの高まり ③ 世界全体でのインフレの進行 (3)電力システムが直面している課題と目指すべき方向性・・・・・・・・・・・・・・13 4.電力システムが直面する課題と対応方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 (1)安定供給確保を大前提とした、電源の脱炭素化の推進・・・・・・・・・・・・・・15 ① 大規模な電源の脱炭素化に向けた事業環境整備 ② 安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進 ③ 安定供給に必要となる燃料の確保(LNG の長期契約の確保等) ④ 水力の活用 ⑤ 発電事業者に求められる機能や役割 (2)電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導と柔軟な需給運用の仕組構築・・・19 ① 電力システム改革における送配電分野の対応 ② 再生可能エネルギーの効率的な活用を行うための広域及び地内系統整備の在り方 ③ GX 産業立地政策と連動した、大規模需要の立地誘導、送配電網整備の推進 ④ 送配電網の整備に係る資金調達等の課題への対応 ⑤ 短期の需給運用の効率的な実施 ⑥ 送配電部門の中立性・透明性向上 (3)市場を通じた、安定的な価格での需要家への供給に向けた小売事業の環境整備・・・22 ① 事業者の創意工夫を促す市場環境整備 ② 小売電気事業者に対する規律の在り方 ③ 経過措置料金の現状と今後の検討課題 (4)共通する課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 ① 電源・系統への投資に対するファイナンス ② 電力システムにおける公的役割を担う機関の体制強化 5.事業者に期待される役割・取組の方向性~将来の電力産業の在り方~・・・・・・・・26 (1)安定供給と脱炭素化の実現に向けた脱炭素電源や系統の設置・整備の担い手・・・・27 ① 円滑で安定的なファイナンス ② 内外一体の電力産業の展開 (2)発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者・・・・・・・・・・・27 2 ① 安定的な供給に責任ある事業運営 ② 電力産業を支える人材・サプライチェーンの確保 (3)需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダー・・・・・・・・・・・・28 ① 分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化 ② サイバーセキュリティの確保 6.将来の電力システムを支える取引市場の全体像・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 (1)電力システムに関する取引市場の全体像と卸電力市場が直面する課題・・・・・・・30 (2)検証を踏まえ、今後整理していく電力システムに関する取引市場の全体像・・・・・32 ① 供給力を確保するための取引市場・制度 ② 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 ③ 効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 (3)今後に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 7.今後の進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 3 1.電力システム改革の検証の位置づけ 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故を契機とした、我が国の電力システムに 関する改革(第5次制度改革)の検討が開始されてからおよそ 10 年が経過した。この間、電力シ ステム改革の大きな柱である、広域系統運用の拡大、小売及び発電の全面自由化、法的分離の方 式による送配電部門の中立性の一層の確保が進められるとともに、関連する諸制度の見直しが行 われた。 この電力システム改革に関し、2015 年に成立した第3弾の改正電気事業法においては、事後検 証を行う旨の規定が設けられている。具体的には、①小売全面自由化前、②2020 年4月の送配電 部門の法的分離前、③法的分離後5年以内のそれぞれの時期において、電気事業法の施行の状況 やエネルギー基本計画の実施状況、需給状況、料金水準等について検証を行い、その検証結果を 踏まえ、必要な措置を講ずる旨が規定されている。この規定に基づき、小売全面自由化前の検証 については 2015 年 12 月に、送配電部門の法的分離前の検証については 2019 年5月に、審議会に おける検証の結果がそれぞれ公表されている。 今般、2025 年3月末までに行うこととされている法的分離後の検証の時期を迎えるに当たり、 前回の検証と同様に電力・ガス基本政策小委員会において検証を行うこととした。ただし、今回 は、冒頭に述べたように電力システム改革が開始されてからおよそ 10 年が経過しており、一部経 過措置は残るものの、電力システムに係る三段階の改正法全体が施行された後の検証であること から、今般の電力システム改革に関する諸制度の見直しや、それによって我が国の電力供給の状 況や電力供給を支える事業の状況がどのように変化したか等について全体に渡る検証を行うこと とした。 参考図1:第3弾改正法における検証規定 4 2.検証プロセスの全体像 検証に当たり、まず、電気事業法附則にある検証規定を踏まえつつ、およそ 10 年前の電力シス テムの改革に係る総括的な議論をまとめた電力システム改革専門委員会報告書(以下「専門委員 会報告書」という。)の項目に沿って、現状を整理するとともに専門的・実務的な観点を十分に踏 まえて検討を行うため有識者・実務者からヒアリングを実施した。 その後、ヒアリングした内容を踏まえ、電力システム改革の検証の議論を深めるに当たって、 これからの電力システムが目指すべき方向性、電力システムが直面する課題と対応方針、電力シ ステムを支える事業者に期待される役割・取組の方向性を一体的に検討していくこととし、それ ぞれの内容について議論を行った。 参考図2:電力システム改革の検証の論点 参考図3:ヒアリングに協力いただいた有識者・実務者一覧 日時 2024 年 内容 総論 役職 平岩 芳朗 ・ (一財)電力中央研究所 理事長 寺澤 達也 ・ (一財)日本エネルギー経済研究所 理事長 大林 ミカ ・ (公財)自然エネルギー財団 事務局長 河野 康子 ・ (一財)日本消費者協会 理事 竹内 純子 ・特定非営利活動法人 国際環境経済研究所 理事・主任研究員 壬生 守也 ・全国電力関連産業労働組合総連合 会長 小売全面 城口 洋平 ・ENECHANGE(株)代表取締役 CEO 自由化 坂梨 興 ・大阪ガス(株)副社長執行役員 社長補佐 笹井 富博 ・パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株) 2月 27 日 3月 13 日 氏名 グローバル調達本部 間接材調達センター エネルギー調達部 部長 中尾 太一 ・同部総括担当 中桐 功一朗 ・au エネルギーホールディングス(株)代表取締役社長 長﨑 桃子 ・東京電力エナジーパートナー(株)代表取締役社長 三宅 成也 ・ (一社)再エネ推進新電力協議会 代表理事 5 4月 17 日 海外の電力 Pablo ・Head of Renewable Integration and Secure Electricity, システム Hevia-Koch 改革の動向 Adriana Guth IEA ・Policy Officer, Directorate-General for Energy, European Commission 小笠原 潤一 ・ (一財)日本エネルギー経済研究所 電力ユニット担任補佐・研究理事 5月8日 送配電の 横山 明彦 ・東京大学 名誉教授 広域化・ 鈴村 隆 ・ (株)ユーラスエナジーホールディングス 技術ユニット 中立化 ユニット長補佐 中野 明彦 ・ソフトバンク(株)執行役員 グリーントランスフォーメー ション推進本部 本部長 兼 エナジー事業推進本部 本部長 6月3日 6月 17 日 山根 小雪 ・ (株)日経 BP 日経エネルギーNext 編集長 新家 法昌 ・みずほ証券(株)エクイティ調査部 シニアアナリスト 市場機能の 伊東 徹二 ・ (株)日本政策投資銀行 執行役員企業金融第5部長 活用・供給 小川 博志 ・関西電力(株)執行役常務 力確保策 香月 有佐 ・ENEOS Power(株)代表取締役社長 多和 淳也 ・ (株)JERA 常務執行役員 野澤 遼 ・ (株)enechain 代表取締役社長 吉田 宏 ・出光興産(株)電力・再生可能エネルギー事業部長 事業環境整 林 泰弘 備(分散化、 佐藤 裕紀 ・中部電力(株)専務執行役員 グローバル事業本部長 デジタル 伊藤 令 ・中部電力ミライズ(株)執行役員 事業戦略本部長 化、グロー 稲垣 憲治 ・ (一社)ローカルグッド創成支援機構 事務局長 バル化等) 木原 浩貴 ・たんたんエナジー(株)代表取締役 清水 精太 ・東京ガス(株)執行役員 総合企画部長 田宮 聡 ・三菱商事(株)電力ソリューショングループ CEO オフィス室長 ・早稲田大学大学院 先進理工学研究科電気・情報生命専攻 教授 参考図4:電力システム改革の検証の全体像 6 3.これまでの評価とこれからの電力システムが目指すべき方向性 2013 年4月2日に閣議決定された「電力システムに関する改革方針(以下「改革方針」とい う。)」では、以下の3点を電力システム改革の目的として掲げていた。 1.安定供給を確保する 2.電気料金を最大限抑制する 3.需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する これからの電力システムが目指すべき方向性を検討するに当たり、まず、これらの目的と照ら して、現状の電力システムはどのように評価できるかについて検証を行った。次に、電力システ ム改革が行われた、この約 10 年の間に電力システムを取り巻く経済社会環境がどのように変化し たかを整理した。その上でこれからの電力システムが目指すべき方向性について整理を行った。 (1)電力システム改革の目的に照らした現状の評価 ① 安定供給の確保 2015 年4月、送配電網の広域運用の司令塔として、電力広域的運営推進機関(以下「電力 広域機関」という。)が創設された。電力広域機関は、需給ひっ迫時における地域間の需給調 整や地域間連系線等の増強の推進を通じ、全国大での効率的な電力流通の実現を目指すこと とされており、これまでに、災害等の不測の事態も含め、全国大で迅速かつ円滑に電力を融 通する枠組み(広域融通)は 300 回以上行われた。また、連系線の増強も進展するなど、広 域的な電力需給・送配電ネットワーク整備については目標を一定程度達成できたと評価でき る。 一方で、供給力については、主力であった火力発電は、再生可能エネルギーの導入に伴っ て稼働率が低下し収益性が低下したこと等を受けて、休廃止が進展している。また、原子力 発電所の再稼働の遅れもあいまって、2020 年以降、断続的に災害や厳気象による需給ひっ迫 を経験することとなった。さらに、今後は需要が増加する見込みもあるが、事業者による電 源の新設・リプレースに向けた設備投資は容易ではない状況にある。 今後、カーボンニュートラルに向けた取組の加速化が必要な中、電源投資の回収予見性が 高まっているとは言い難く、容量市場、長期脱炭素電源オークション等への評価も踏まえつ つ、電力の安定供給に必要な供給力の維持・確保を進めていくことが必要と考えられる。 ② 電気料金の最大限の抑制 小売全面自由化以降、競争が進む中、小売電気事業者は供給力をより安く調達すべく、卸 電力取引所からの調達量を増やす動きが活発化した。こうした動きは、2022 年に国際的な燃 料価格の高騰の影響が出るまで家庭向け自由料金を押し下げる方向に働き、自由料金は概ね 経過措置料金よりも安価な水準で推移していた。 一方で、発電量のうち火力発電が大宗を占める中、こうした動きは、燃料価格高騰により 卸電力取引所の価格が高騰した際には、自由料金を中心に小売価格の水準を押し上げる方向 へ作用した。需要家への説明が必ずしも十分でなかった中、強い反発を招くとともに、小売 電気事業者の経営状況の悪化から、需要家との小売契約の解除、事業からの撤退、託送料金 の不払い等へとつながり、需要家に一定の負担や混乱を生じさせた。さらに、これらを受 け、電気料金の激変緩和措置等が実施され、令和6年度補正予算までに累計で4兆円を超え 7 る国費が費やされた。こうしたことから、長期的な価格の安定性を確保する重要性が明らか になった。 参考図5:家庭用電気料金月別単価の推移 また、電力システム改革が日本の電気料金の水準にどのような影響を与えたかを検証する ために、海外における料金の変化と比較して相対的にどのように評価できるか、自由化後に おける発電投資等の動向と電気料金の関係はどのように考えられるか、といった点について 議論を行った。 まず、海外との比較について、2000 年から 2010 年にかけては、国際燃料価格が上昇する中 で、日本は欧州等と比較すると比較的電気料金の上昇幅は抑制されていた。この要因として は、発電自由化による効率性の追求に加え、電源への新規投資が減少していたこと、化石燃 料価格高騰の影響を受けない原子力発電の稼働率が高かったこと等が考えられる。2010 年代 以降については、2016 年の小売全面自由化の時期に関わらず、国際的な燃料価格の動向の影 響も受けながら電気料金は推移しており、諸外国と比較して電気料金の上昇幅が抑制されて いたとまでは言えない状況にある。これは、原子力発電所が停止する中で火力発電への依存 度が上昇したこと、電力需要量が大幅に減少したこと等が要因であると考えられる。 電気料金の水準については、国際的な燃料価格、電源構成、電力需要量、さらには 2012 年 度に導入された再エネ賦課金等、様々な要因の変動の影響を受けることから、小売全面自由 化の効果だけを取り出して、諸外国と比較して電気料金が低く抑えられていたとまでいうこ とは難しい。一方で、燃料輸入価格高騰時を除き、経過措置料金よりも自由料金が安価な水 準で推移していたことや様々な料金メニューが提供されたことは事実であり、新たな料金体 系の下で工夫がされていたことは評価できると考えられる。 8 参考図6:実質値による家庭用電気料金の国際比較1 発電投資等への影響については、1995 年以降、段階的に電力自由化が進められる中、2000 年代前半にかけて電源の拡充工事は減少傾向が続いてきた。また、2010 年代以降は、電力需 要が大幅に減少する中で、電源の拡充工事は引き続き抑えられている状態が継続している が、電源の改良工事は、原子力発電設備の安全対策工事の増加や火力発電設備の修繕投資の 継続により増加傾向にある。これらを踏まえれば、発電自由化以降、需要の伸びが緩やかに なる中で大手電力会社が電源投資の効率化を進めてきたこと、2010 年代以降、電源の新規投 資が抑えられる中でも、限られた供給力を用いて電源の広域融通などを行いながら電気を供 給してきたことは、電力需要量の変化が要因の一つと考えられるものの、一連の電力システ ム改革の効果との見方もできると考えられる。一方で、2020 年以降、断続的に災害や厳気象 による需給ひっ迫を経験したことや、今後 DX・GX の進展により需要の増加が見込まれ脱炭素 電源の大幅な拡充が必要となる中では、効率性の追求だけではなく、電源の新規投資を増や していくための方策が求められる。 1 電気料金について、物価や為替の変動による影響を控除し、国際比較を行うため、名目の電気料金を基準年 の消費者物価指数(CPI)に基づいて実質化し、全ての年について、2015 年の購買力平価の値に基づき、各国 の値を円換算したもの(電力中央研究所の提供資料)。購買力平価:各国間の同一商品の価格の違いをもとに設 定された交換レートのこと。例えば、同じハンバーガーが日本で 500 円、米国で 5 ドルで売られている場合、 500 円と 5 ドルを等価と考え、換算レートを設定するイメージ。実際には、数千の多様な品目の価格を対象と して計算されている。 9 参考図7:発電設備への投資の推移 ③ 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大 2016 年4月の小売全面自由化以降、700 を超える事業者が小売電気事業に参入した。再生 可能エネルギーに特化したメニュー等、料金メニューも多様化しており、需要家の選択肢の 拡大については目指してきた方向性で取組が進んでいると評価できる。 一方、参入した 700 を超える小売電気事業者のうち、約 200 者は実際には電気の供給を行 っていないことも明らかになった。また、上記のとおり国際燃料価格が高騰し、卸電力取引 所の価格が高騰した際には、小売電気事業からの撤退等によって一定の負担や混乱の引き金 となった事業者も少なくなかった。こうした実態は、需要家保護等の観点から課題があると 考えられる。 参考図8:小売電気事業者の登録件数 10 (2)電力システムを取り巻く経済社会環境の変化 ① 世界的な DX や脱炭素化の流れの加速 世界では、カーボンニュートラル目標を表明する国・地域が急増し、その GDP 総計は世界 全体の約9割を占める。我が国は、2050 年カーボンニュートラル実現を目指すことを 2020 年 10 月に宣言した。こうした中、既に欧米を始めとして、排出削減と経済成長を共に実現する GX に向けた大規模な投資競争が激化しており、エネルギー供給サイドとエネルギー需要サイ ドの双方の転換が求められている。 日本は、2022 年5月に成長指向型カーボンプライシング構想等を表明し、2023 年2月には 「GX 実現に向けた基本方針」を閣議決定した。G7各国は、脱炭素電源への転換を推進して おり、2035 年までに電力部門の完全又は大宗を脱炭素化することに合意している。 また、電力の需要面の変化として、半導体の省エネ性能が向上する一方で、Chat GPT 等 の生成 AI の利活用拡大に伴い、計算資源における電力消費量が増加する可能性が指摘され ている。半導体の微細化や光電融合等の消費電力の低減に大きく寄与する半導体技術の開 発等を進めながらも、今後、AI の進展による計算量の増大に伴い、電力消費量が急増する シナリオも想定しておく必要がある。実際に、電力広域機関が 2025 年 1 月に公表した「全 国及び供給区域ごとの需要想定」(2025 年度)においては、半導体の省エネ性能の向上によ る効果等がどの程度期待できるかによって幅はあるものの、将来的な電力需要は増加する ことが見込まれている。 参考図9:脱炭素電源投資の重要性について ② 地政学的リスクを含む経済安全保障リスクの高まり 米中の厳しい対峙、ロシアによるウクライナ侵略、中東での紛争等、地政学的リスクを含 む経済安全保障のリスクは高まりつつある。エネルギー資源の海外依存度が高い日本におい ては、国際情勢が国際的なエネルギー価格高騰やエネルギー供給途絶リスク等に直接・間接 に波及することによる我が国の生活・産業基盤に与える影響が甚大となり得る。海外調達先 の多角化、徹底した省エネの展開、エネルギー自給率の向上等が求められる。 11 一方、日本の LNG の CIF 価格は、原油価格に連動して価格が決まる長期契約が多いため、 2022 年のピーク時にも欧州の天然ガスやアジアの LNG ほどの急騰は避けられたと考えられる が、LNG スポット価格の影響が要因の一つとなり発電用の一般炭が未曾有の高水準に高騰し た。こうしたロシアのウクライナ侵略等による燃料輸入価格の高騰に伴い、電気料金も高騰 したが、2023 年から電気・ガス価格激変緩和対策事業を開始したことに加え、燃料輸入価格 が低下したことに伴い電気料金は低下した。 参考図10:電気料金平均単価と燃料輸入価格の推移 ③ 世界全体でのインフレの進行 世界ではエネルギー・食糧価格や賃金の上昇を背景として、一時期の急上昇よりは穏やか になっているものの、インフレ進行が継続している。消費者物価指数増減率でみると、足下 では日本も他国と同等水準となっており、その中で、住宅 1 戸当たりの年間平均エネルギー 支出(電気、天然ガス、灯油等)についても増加傾向にある。 欧米では原材料や資源の高騰による輸入インフレと同時に、賃上げ分を含めて最終消費者 にも価格転嫁しているため、足下で企業物価と消費者物価が同様に推移している。他方、日 本では、輸入財の高騰等で企業物価は上がっているものの、企業が対消費者を中心に価格転 嫁を十分にできておらず、企業物価と消費者物価に乖離が発生している。 参考図11:各国の消費者物価指数増減率 12 参考図12:日米英の消費者物価指数と企業物価指数の推移 (3)電力システムが直面している課題と目指すべき方向性 電力システム改革の目的に照らして現状について検証したところ、広域融通の仕組みの構築 や小売全面自由化によるメニューの多様化、事業機会の創出といった点については一定の進捗 があり目指していた方向性に沿った成果が確認できるものの、供給力の維持・確保や国際燃料 価格の急騰への対応等については課題が残ったと考えられる。 また、電力システムを取り巻く経済社会環境の変化として、電力需要の増加が見込まれる中 で、国際的な DX やカーボンニュートラルへの対応の加速化、地政学的な環境の変化に伴う国際 燃料価格の高騰等のリスクへの対応、物価高騰等の電気料金の上昇要因への対応等、新たな課 題にも直面している。こうした変化の中で、産業競争力強化の観点から、脱炭素電源の確保、 燃料費の抑制等による国際的に遜色のない価格での電気の供給の重要性も高まっている。 これらを踏まえ、これからの電力システムが目指すべき方向性を以下のように整理した。こ れらの方向性は相互に関連するため最適なバランスを追及していくことが必要である。 ⚫ 安定的な電力供給を実現する 需要の増加の可能性が指摘される中で、必要な供給力を確保するための電源投資の確保に 取り組む。これらの確保した電源を活用するためにも、電力需給の動向を踏まえた、レジリ エンス強化のための系統増強や、これまで火力発電が担っていた安定供給を支える調整力・ 慣性力を確保する。さらに、地政学的な情勢の変化の中において、エネルギー安全保障の観 点も踏まえ、安定的に供給可能な電源・燃料の確保に向けた取組も進めていく。 ⚫ 電力システムの脱炭素化を進める カーボンニュートラルの目標を見据えた、脱炭素電源の確保に向けた投資を推進するとと もに、非効率石炭火力のフェードアウトを促進していく。脱炭素電源を最大限に活かすこと ができる系統や需給運用の仕組みを構築する。需要側の取組として、需要家の脱炭素ニーズ を捉えた電源投資や非化石価値等に対する経済的インセンティブを与える取組を進めてい く。 13 ⚫ 安定供給や脱炭素化、物価上昇等による価格への影響を抑制しつつ、需要家に安定的な価 格水準で電気を供給できる環境を整備する 安定供給や電力システムの脱炭素化を着実に進めるために必要な費用の確保や、物価の高 騰や金利の上昇、円安も含めた電気料金の上昇要因への対応を進める。また、国際的な燃料 価格等、国内外の急激な情勢変化によって生じる過度な料金高騰や変動に対応できる仕組み を構築する。さらに、長期的な視野に立ち、事業者の競争の下、国際的に遜色のない価格で の電気の供給の実現を目指す。 参考図13:これからの電力システムが目指すべき方向性 14 4.電力システムが直面する課題と対応方針 ヒアリングでいただいた意見等を踏まえ、電力システムが直面している課題を以下のとおり3 つの柱として整理し検討を行った。 参考図14:電力システムが直面する課題の全体像 (1)安定供給確保を大前提とした、電源の脱炭素化の推進 発電部門から見た電力システム改革による大きな変化として、発電に係る原価の回収が保証 されていた総括原価方式から脱却し、全国大で安い電源から順に使うこと(メリットオーダ ー)の徹底、需要家の選択による需要抑制を通じた発電投資の適正化を目指すとされたことが 挙げられる。 一方で、ヒアリング等を通じて、電力システム改革後においては、電力需要の不確かさに加 えて収入の不確実性、更には費用の不確実性も高まっていることが指摘されている。また、電 力システムを取り巻く経済社会環境の変化として、世界的な脱炭素化の流れの加速、地政学的 リスクを含む経済安全保障リスクの高まり、世界全体でのインフレの進行等が生じ、経営環境 の不確かさも増している。こうした中、電気事業の事業予見可能性が低下しており、特に長期 的な取組が必要となる燃料確保も含めた電源投資に対して躊躇する動きも見られる。 今後、2050 年カーボンニュートラルという目標の実現も見据え、安定的な電力供給の確保を 大前提に電力システムの脱炭素化を進めるとともに、需要家に安定的な価格水準で電気を供給 できる環境を整備するためには、安定供給と脱炭素化の両立に必要な電源に対して、長期的か つ継続的に必要な電源投資が行われ、安定的に電源の運用ができるような仕組みを構築する必 要がある。その際、実需給のタイミングでは、電源の安定的な運用や脱炭素化も考慮しつつ、 限界費用の安い電源から動かしていくという考え方を活かしていく。 ① 大規模な電源の脱炭素化に向けた事業環境整備 2050 年カーボンニュートラルに向けては、今ある火力電源による供給力を、再生可能エネ ルギー・原子力・脱炭素火力等の脱炭素電源による供給力へとシフトさせていく必要があ る。これに加えて、半導体工場やデータセンター需要の増加による 20 年ぶりの需要増加見通 15 しに対応するため、脱炭素電源やトランジション手段としての LNG 火力への投資を進めてい く必要がある。このように、一連の電力システム改革時には必ずしも想定していなかった状 況変化が生じており、高度成長時代以来の大規模な電源投資が必要な時代へと突入してい る。 これまでも、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた FIT/FIP 制度、長期脱炭素電源オー クション等の制度を整備し、再生可能エネルギー・原子力・脱炭素火力等の脱炭素電源の導 入促進を進めてきた。 一方で、電源投資を取り巻く足下の環境下においては、インフレや金利上昇等の要因によ り、今後も電力分野の建設コストは上昇していく可能性が高い。特に、大型電源については 投資額が巨額となり、総事業期間も長期間となるため、収入と費用の変動リスクが大きく、 電力自由化を始めとする現在の事業環境の下では、将来的な電力収入の不確実性が大きい。 こうした中では、長期の事業期間を見込む投資規模の大きな投資や、技術開発の動向、イン フレ等により初期投資や費用の変動が大きくなることが想定される投資については、事業者 が新たな投資を躊躇する懸念がある。 そのため、これらのリスクや懸念に対応し、脱炭素電源への投資回収の予見性を高め、事 業者の新たな投資を促進し、電力の脱炭素化と安定供給を実現するため、事業期間中の市場 環境の変化等に伴う収入・費用の変動に対応できるような制度措置や市場環境を整備する。 ② 安定供給を大前提とした非効率石炭火力のフェードアウトや火力脱炭素化の推進 足下では、再生可能エネルギー導入の拡大に伴い火力全体で稼働率が低下しており、休廃 止に向けた動きも進展している。加えて、再生可能エネルギーの出力変動に伴う日間起動停 止(DSS 運転)の増加等に伴い、火力発電設備の故障率が増加し安定的な稼働が難しくなって いるとの声もある。 他方で、冬の悪天候時等を念頭に置けば、安定供給の観点からは、再生可能エネルギーに よって火力を完全に代替することは難しい。データセンターや半導体工場の新増設等による 需要の増加も想定すれば、再生可能エネルギー・原子力等の脱炭素電源を最大限活用しつ つ、火力においては、非効率な電源を中心に発電量(kWh)を減らしながらも、安定供給に必 要な発電容量(kW)を維持していく必要がある。具体的には、トランジション手段としての LNG 火力の確保を燃料の確保と併せて進めるとともに、水素・アンモニア、CCUS2等を活用し た火力の脱炭素化について、技術開発やコスト等を踏まえた時間軸や排出量にも留意しつ つ、事業者の予見可能性を確保しながら進めていく。 必要な発電容量の維持に向けては、容量市場における必要な供給力の確保に加え、短期的 な供給力不足の懸念に対応する観点から、長期脱炭素電源オークションを通じて、2050 年ま での脱炭素化を前提とした LNG 専焼火力の新設・リプレースを計 1,000 万 kW 募集することと しているが、今後もさらに火力の供給力を確保する観点から、需給バランスの将来動向も見 ながら、長期脱炭素電源オークションにおいても、追加的な措置を検討する。 さらに、今後の電力需要の高まりの可能性に備え、一層導入が拡大する変動性再生可能エ ネルギーとの共存の中で高需要期の供給力としての貢献を期待できるよう、発電設備、燃料 サプライチェーンの維持等に留意しつつ、低稼働電源の kW 維持に必要な制度的措置や、緊急 時に備えた予備電源制度について、不断の検討を行う。なお、共同火力発電事業者や自家発 2 Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage 16 電事業者の非効率火力においても、引き続き活用される設備については、脱炭素化に向けた 取組が進められることが重要である。 <石炭火力> 石炭火力に対しては、休廃止に向けた国際的要請が高まっている。非効率な石炭火力に対 しては省エネ法3における規制的措置を導入している上、来年度から容量市場において、設備 利用率が 50%を超える非効率石炭火力への減額措置を開始し、高需要期のみの稼働へ誘導し ている。 他方、足下では非効率石炭火力のフェードアウトは必ずしも十分に進展していない。2030 年に向け、非効率石炭火力のフェードアウトをより一層促進するため、排出量取引制度(GXETS)や化石燃料賦課金等の他制度の影響も考慮しながら、更なる制度措置の強化を検討する 必要がある。 加えて、2030 年以降、フェードアウトされていく電源についても、今後の需要の高まりの可 能性、自然災害リスクへの備え、系統安定性の確保等の観点から、kWh を低減していく一方 で、当面の間は kW 維持の必要性を見極めていく必要がある。 <火力の脱炭素化> 安定供給に必要な火力の kW を維持すると同時に、それらについて 2050 年カーボンニュー トラルと整合的な形で脱炭素化を進めていく必要がある。 火力の脱炭素化に不可欠な技術の中には開発途上のものもあり不確実性が高いところ、技 術開発や実証を進めるとともに、長期脱炭素電源オークションを通じ、投資回収の予見性を 高めることで、事業者の脱炭素投資を促してきた。引き続き、長期脱炭素電源オークション 等を通じて、火力の脱炭素化を促進する。 なお、脱炭素化を進めるに当たっては、火力の建設・運転・維持等に必要なサプライチェ ーン等の維持、脱炭素化や休廃止等によって将来的に生じるおそれのある地域経済や雇用等 への影響にも留意が必要であるところ、発電事業者から関係者に対し、長期脱炭素電源オー クションにおける脱炭素化ロードマップのような形でのトランジションの方向性が広く提示 される等、各地域の実情を踏まえ、関係者とコミュニケーションを重ねながら脱炭素化に向 けたトランジションを進めることが重要である。 ③ 安定供給に必要となる燃料の確保(LNG の長期契約の確保等) 発電用燃料(特に LNG)の安定供給に向け、2021 年の LNG 需給ひっ迫以降、燃料ガイドラ インの策定や、燃料在庫の定期的なモニタリング、全国・地域での連携スキームの構築や、 戦略的余剰 LNG(SBL)の導入等を進めてきた。その結果、事業者の自主的な取組により、必 要な燃料を確保する仕組みが構築されつつある。 しかしながら、自由化の進展による小売電気事業者の売電量の予見性低下及び、これに伴 う長期 PPA の減少等によって、燃料の調達量を予見することが難しくなりつつある。 加えて、再生可能エネルギー導入拡大に伴う、低需要期における燃料消費量の低下や、季 節間の燃料消費量の振れ幅拡大等によって、長期契約を通じて安定的に確保される燃料量が 低下しつつあり、発電事業者及び小売電気事業者が短期的なコスト最小化行動を取ること 3 エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律 17 で、ひいてはこれらの事業者及び需要家が燃料スポット価格の変動リスクにさらされる懸念 が高まっている。 今後、石炭火力の稼働率が LNG 火力の稼働率、燃料確保の予見性に与える影響を見極めつ つ、電力需給のひっ迫や、国際情勢の急変に伴う燃料スポット価格の急騰等への備えとし て、安定的な電力供給が可能となる量の LNG 長期契約の確保を促進するための措置の検討な ど、平時と緊急時それぞれの燃料の安定的な確保の対応の在り方についてさらに検討を進め る。 また、石炭火力の稼働率が低下すると、石炭火力の燃料確保の在り方、サプライチェーン 維持の在り方が変化することが想定される。経年化が進む石油火力についても同様のことが 言える。今後の石炭・石油のサプライチェーンにも配慮した制度等の在り方についても検討 を進める。 ④ 水力の活用 水力発電は、安定した出力を長期的に維持することが可能な脱炭素電源として重要であ る。 水力発電による発電電力量は、近年、年間 700~800 億 kWh 付近を推移しているところ(電 源構成における比率は7~8%程度)、第6次エネルギー基本計画では、新規開発による容量 増加(2019 年度比 70 万 kW 増)、既存発電の有効活用(2019 年度比 80 億 kWh 程度増(野心的 水準では 130 億 kWh 程度増))により、2030 年度に年間発電電力量 980 億 kWh(電源構成にお ける比率は 11%程度)が目標として掲げられている。 新規開発に関しては、これまで、新規地点の開発、発電未利用ダムへの発電機の設置等の 取組が進められている。既存発電の有効活用に関しては、ハイブリッドダム等における水位 運用の高度化、上流・下流の連携運用による水位の最適化、長時間流入量予測等のデジタル 技術の活用等による効率的な貯水運用等の取組が関係省庁とも連携しながら進められてい る。他方で、新規開発リスクの高さ(開発地点が限定的、開発期間の長期化、投資回収期間 が長いことによる投資予見性の低さ等)、河川環境に関連する地域の合意や系統制約、ダム貯 水池等への堆砂進行による発電機能への影響等が課題となっている。今後も関係省庁と連携 し、発電電力量増加に向けた取組を積極的に進めつつ、課題に対する対応を検討していくこ とが重要である。また、揚水発電は、再生可能エネルギーの導入が拡大する中において、再 生可能エネルギーが発電した電力を一旦蓄電し、夕方の需要ピーク時に電力を供給する調整 電源としての重要性が増加している。一方で、揚水発電は、約3割の電力損失が発生する上 に、設備投資やメンテナンスのコストも高く、採算性の確保が課題となっている。このた め、既存設備の採算性向上に向けた設備投資や、新規開発に向けた導入可能性調査の支援を 実施しているが、今後より一層新規投資を促す仕組みを検討していくことが重要である。 ⑤ 発電事業者に求められる機能や役割 発電事業者に関しては容量市場等の制度的な裏付けによる電源の確保や各種の電力取引市 場の整備等の対応が進められてきたところであり、電力供給を通じた貢献が求められる。こ うした観点から発電事業者に求められる役割や機能について電力システムの状況に応じて不 断の検討を行うことが重要である。このため、小売電気事業者の供給力確保の在り方の検討 も踏まえつつ、発電事業者に対し、電力需要の見通しに対して十分な量の燃料が長期契約等 18 を通じて安定的に確保されるかどうかの見通しや、供給力を提供する事業者の実態等を確認 し、必要な政策措置を要否も含め検討する。 (2)電源の効率的な活用に向けた系統整備・立地誘導と柔軟な需給運用の仕組構築 ① 電力システム改革における送配電分野の対応 東日本大震災後の需給ひっ迫時において、供給予備力の地域的偏在や、周波数変換設備 (FC)、地域間連系線などの送電制約により、需給がひっ迫した緊急時のバックアップ体制が 不十分であることが露呈した。こうした課題を踏まえ、電力システム改革において、2015 年 に電力広域機関を創設し、需給ひっ迫時の地域間の需給調整や、地域間連系線等の増強の推 進を行う体制を構築した。 こうした取組の成果として、送配電分野においては、需給ひっ迫時の地域間融通や、地域 間連系線や周波数変換設備の増強等の取組が進展している。引き続き、電力の安定供給確保 は大前提であり、周波数を維持し安定供給を実現するため、一般送配電事業者は、需要と供 給を最終的に一致させる調整力を確保するという、極めて重要な役割を担っている。そのた め、これまでに、調整力公募の実施や、需給調整市場の開設による調整力の確保などを進め てきた。加えて、需給ひっ迫に対する暫定的な措置として kW 公募、予防的措置として kWh 公 募の実施などを進めてきた。 さらに、既存の送配電網を最大限活用するための「日本版コネクト&マネージ」を推進す るとともに、再生可能エネルギーの大量導入と電力の安定供給確保のため、2023 年3月に電 力広域機関において、広域系統長期方針(広域連系系統のマスタープラン)を策定した。現 在、マスタープランを踏まえて全国大での地域間連系線の整備に向けた対応を進めている。 これらの取組の中で、エリアを越えた一般送配電事業者同士の横の連携も進み、平常時か ら、送配電設備の仕様の統一化などの対応が進められている。また、災害時においては、災 害時連携計画に基づき各者が連携して復旧作業に当たる体制が構築されているなど、電力シ ステム改革の成果として出てきている。 ② 再生可能エネルギーの効率的な活用を行うための広域及び地内系統整備の在り方 こうした取組を進めてきた中、脱炭素社会の実現に向けては、送配電分野において更なる 対応を進めることが重要である。特に、再生可能エネルギーの更なる導入拡大と電力の安定 供給を実現するためには、系統の増強を一層進めていく必要がある。地域間連系線について は、マスタープランを踏まえて、北海道・本州間の海底直流送電や中国九州間連系設備(関 門連系線)等の整備に係る検討を進めており、資金調達等の課題に対応するための必要な制 度的措置等を検討していく。 また、今後、再生可能エネルギーの更なる導入や大規模電力需要の局地的な立地が見込ま れる中、地域間連系線の整備の在り方の見直しが必要になる可能性がある。このため、広域 連系系統のマスタープランについて、将来の再生可能エネルギーの導入状況や大規模需要の 立地状況等を踏まえた見直しの検討を進めていく。 加えて、再生可能エネルギーを最大限活用するとともに、自然災害時等のレジリエンスを 強化し、電力の安定供給を確保するためには、地内基幹系統等を効率的に整備することも重 要である。これまで地内基幹系統は、エリアの一般送配電事業者が整備してきたが、更なる 計画的整備のため、地域間連系線と一体的に整備するものや広域的取引に資するものは、電 力広域機関の関与の下で、一般送配電事業者が整備を進めることとした。こうした中、再生 19 可能エネルギーの導入等に資する地内基幹系統等についても、これまで以上に効率的な整備 が必要となる。このため、各エリアの一般送配電事業者等が、より効率的・計画的に整備を 進めるための仕組みを検討するとともに、再生可能エネルギー電源の立地地域の負担とその 全国への裨益を踏まえ、エリアを越えた費用負担の仕組みも検討していく。 ③ GX 産業立地政策と連動した、大規模需要の立地誘導、送配電網整備の推進 データセンター等の付加価値の高い産業の維持・強化につながる国内投資や電化等を通じ た脱炭素化を促進していくためには、新たな大規模需要に対し、迅速かつ確実に電力供給を 行う必要がある。このため、データセンター等の系統接続申込みの規律を確保するととも に、一般送配電事業者が早期に電力供給を開始できる場所を示した「ウェルカムゾーンマッ プ」を通じた立地誘導を進める。 また、大規模需要を効率的な系統整備等の観点での適地に誘導するため、一般送配電事業 者や自治体等の関係機関と連携し、適地における先行的・計画的な系統整備を促す仕組みを 検討する。さらに、整備を着実に推進しつつ需要家の公平性を確保するため、一般送配電事 業者が行う先行的・計画的な系統整備に係る費用が確実に回収される仕組みや、GX に資する 取組等を実施する事業者において、整備費用が大規模になった場合における費用負担の在り 方を検討する。 ④ 送配電網の整備に係る資金調達等の課題への対応 一般送電事業者等は、これまでも、地域間連系線の整備を含め巨額の投資を行ってきた が、今後、脱炭素化や電力の安定供給確保に向けた投資や既存設備の更新等、加速度的に巨 額の投資が必要となる見込みである。こうした中、一般送配電事業者は、レベニューキャッ プ制度の下、必要な系統整備等の費用の回収の蓋然性が高いとしても、一定規模以上の大規 模投資の場合、工期が長く、費用回収に長期間を要することから、キャッシュフローの悪化 を懸念し、その結果、必要な投資が停滞する可能性がある。また、SPC(特別目的会社)等を 組成して行うプロジェクトファイナンスの場合において、金融機関は、費用増額時等の費用 回収のリスクを踏まえ、大規模な融資を躊躇する傾向にあり、投資が遅れる可能性がある。 今後、電力需要の増加の可能性や再生可能エネルギーの導入拡大、自然災害発生リスクの 高まり等に伴い、北海道・本州間の海底直流送電や大規模地内基幹系統等への機動的な投資 が重要となる中、資金調達が制約となり必要な投資に遅れが生じてはならない。このため、 託送料金制度における費用の回収の在り方や資金を量的に確保するための仕組みなど、制度 的な対応を含めた資金調達環境の整備について検討を進める。 ⑤ 短期の需給運用の効率的な実施 現在、変動性再生可能エネルギー電源の導入により需給運用が難化しており、2020 年度冬 期の需給ひっ迫等によるスポット市場の売り切れ・価格高騰や、足下の需給調整市場の応札 不足等の問題も、そのような課題が背景にあると考えられる。さらに、変動性再生可能エネ ルギー電源が今後大量に導入されると、再生可能エネルギー出力予測誤差の拡大等により調 整力の必要量も増加する上、時々刻々の需給予測の変化の拡大、系統混雑の増加等により、 需給運用は一層難化すると考えられ、広域需給運用の強化に向けて、次期中央給電指令所シ ステムの整備が進められている。 20 こうした中、実需給の前日以降の断面で、発電事業者が登録した①起動費、②最低出力費 用、③増分費用カーブの3つの情報に基づき、系統制約を考慮して、供給力と調整力を同時 に約定させる仕組みである同時市場を導入するための検討を進めていくこととしている。こ の同時市場の導入により、これまでと同様に再生可能エネルギー電源の最大限の活用を前提 としつつ、発電事業者による登録情報を元にした供給力と調整力全体の最経済(短期的なメ リットオーダー)が実現されれば、電源の安定的・効率的な確保を可能とし、需給予測の変 化や緊急事態への対応力を向上させることにつながると考えられる。 同時市場についてはこれまで、「卸電力市場、需給調整市場及び需給運用の在り方勉強会」 (2021 年 12 月 28 日~2022 年6月 20 日)においてその設置が提案されて以降、「あるべき卸 電力市場、需給調整市場及び需給運用の実現に向けた実務検討作業部会」(2022 年7月 29 日 ~2023 年4月 25 日)や「同時市場の在り方等に関する検討会」(2023 年8月3日~)におい て電源の入札規律等、具体的な在り方についての検討が行われてきた。今後、市場価格の算 定方法や市場運営者の在り方等、検討未了の論点や対応すべき課題について必要な検討や対 応を行いつつ、同時市場の導入に向けて本格的に検討を深めていく。 ⑥ 送配電部門の中立性・透明性向上 2023 年4月 28 日の経済産業大臣から行われた指示を踏まえた大手電力の不適切事案への対 応や、送配電部門の中立性・透明性の向上に係る議論を行ってきた。 そうした中、まずは、不適切事案を踏まえた送配電部門の中立性・透明性の向上を図るた めの対応として、内部統制の抜本強化や、外部監視の仕組みの導入・強化等の措置を講じる こととした。その上で、第 68 回の本委員会においては、不適切事案への対応としては、所有 権分離を行うことの必要性、妥当性は認められないという考え方を整理した。 所有権分離については、今回のシステム改革検証におけるヒアリング等においても、電源 運用等にかかる更なる中立性を確保する観点から所有権分離が必要との意見があった一方 で、法的分離の下での行為規制を充実させることが重要という旨の意見があった。 また、議論の前提となる電気事業を取り巻く環境変化や今後の課題として、以下の指摘も いただいている。 - 電気事業者には、GX の実現に向けて脱炭素投資の一層の拡大が求められている一方、送 配電事業者を含めた電気事業者の資金調達環境は、これまで以上に厳しさを増している。 - 台風や地震等の自然災害リスクが増大する中、ライフラインとしての機能を迅速に復旧 するため、現場の状況を速やかに把握し、人的・物的リソースを集中的に投入するなど、 送配電事業者を中心とした電気事業者が高度に連携した災害対応力の確保が極めて重要と なっている。 - 現行制度上、事業者が自主的に所有権分離を選択することは可能であるが、これまでの ところ、株主等のステークホルダーからの所有権分離の求めは顕在化していない。 こうした環境変化や課題への対応については、今後、検討を深めていく必要があるが、適 切な行為規制を講じること等により、法的分離の下での送配電部門の中立性・透明性の向上 に努めることを前提に、少なくとも現時点で制度的に所有権分離を求める必要はないと考え られる。その上で、送配電部門の中立性・透明性の確保に向けた更なる制度的な対応につい ては、事業者の取組状況を踏まえてその必要性を継続的に検討し、仮に必要性が生じたとき は、その背景や理由を踏まえた上で、所有権分離も1つの選択肢としつつ、具体的な対応策 を検討していく。 21 (3)市場を通じた、安定的な価格での需要家への供給に向けた小売事業の環境整備 ① 事業者の創意工夫を促す市場環境整備 専門委員会報告書では、卸電力市場について、「新電力等の新規参入者が小売市場における 競争に参加しやすくするためには、自社電源のほか、必要な供給力を卸電力市場から確保でき る環境整備も必要であり、この点からも卸電力市場活性化は重要」と位置づけた。小売全面自 由化以降、卸電力取引所の取引量は大きく増加し、足下では電力需要の約 30%にまで到達す るなど、短期のスポット市場に一定の厚みが確保されるに至った。それに伴い、小売電気事業 者は 700 社を上回り、新電力のシェアも 20%程度に到達、旧一般電気事業者に匹敵する規模 を持つ新電力も誕生するなど、小売電気事業者間の競争の中で、各事業者の創意工夫により単 に電気(料金メニュー)を供給することに留まらず、電気事業を取り巻く環境変化、技術革 新、需要家ニーズに応じ様々な価値・サービスを提供してきた。 他方で、市場環境が厳しい局面においては、小売電気事業者の退出・取次への移行が生じた ことによる需要家の意図しないスイッチングや契約解除、特高・高圧分野における最終保障供 給への移行等が生じ、需要家に一定の負担や混乱を生じさせた。また、短期のスポット市場 は、燃料費の変動や電力需給の影響を受けやすく、自由料金を中心に市場連動成分が多く含ま れるなど、価格変動リスクが高い構造にある。実際に、国際的な燃料価格の急騰等による市場 価格の急激な変動に伴い電気料金が急激に変動したことが国民経済に大きな影響を与え、社会 的な許容性が十分にある状況とは言い難いことも明らかとなった。 小売全面自由化については専門委員会報告書でも、「電気料金が不当に高額になるといった 事態が生じることはあってはならない。」との言及がある。これらの経緯・経験を踏まえた上 で、小売電気事業者には、今後も、需要家に安定的な水準の価格による電力供給を実現すると ともに、電源の脱炭素化等の需要家のニーズや社会的な環境変化を踏まえ、電気事業者と需要 家の架け橋となるサービス提供者となることを期待し、小売電気事業者がそれぞれの強みを生 かしながら創意工夫を発揮できる競争環境の実現に向けた市場環境の整備を行う。 具体的には、小売電気事業者が供給力の調達手段や電源調達のポートフォリオをより多様化 することができるよう、事業者間の公平性にも留意しつつ、現物の長期取引を含めた相対取引 やブローカー経由の取引等の活用、先物市場・先渡市場・ベースロード市場等の市場を含む取 引制度の拡充・再整備、こうした市場環境の変化に伴う間接送電権の在り方等の見直しを検討 する。 また、小売電気事業者の有力なリスクヘッジ手段の一つである電力先物取引の多くが外国法 に基づく商品取引所で行われていること等にも留意した制度の検討を行う必要がある。加え て、2023 年の電ガ小委において、小売電気事業者間の競争促進の観点から、内外無差別な卸 売を行う場合にエリア制限等の諸条件の解除を行うことも求めることとしたところであるが、 今般の検証において、需要家の脱炭素ニーズや発電・小売電気事業者の創意工夫といった「新 たな課題・ニーズへの対応」と「小売市場における競争の促進」という2つの政策課題を両立 すべく、社内外取引の無差別に反しない限りにおいて、卸取引の一定量(標準的なメニューに よる卸売の場合は卸売総量の5割まで、かつ、電源を特定した卸売の場合は当該電源の卸売量 の2割まで)について、エリア制限等の諸条件を付与することを認めることとした。今後、2 つの政策課題の両立を前提とし、内外無差別な卸売等のコミットメントに基づく評価を所掌す る電力・ガス取引監視等委員会(以下「監視等委」という。)において、事後監視の在り方や 評価方針について検討する必要がある。 22 ② 小売電気事業者に対する規律の在り方 上記のとおり、市場環境が厳しい局面では、小売電気事業者の退出等が相次ぎ、需要家が 意図しない契約解除や特別高圧・高圧分野の最終保障供給への移行等が生じ、需要家に一定 の負担や混乱が生じたことや、国際燃料価格の急騰等に伴う電気料金の急激な変動が国民経 済に影響を与えたことを踏まえれば、小売電気事業者に対する規律の確保も必要となる。 需要家保護の観点では、専門委員会報告書においては、「小売電気事業者の破綻・撤退や、 契約交渉の不調といった場合でも、誰からも電気の供給を受けられない事態が生じないよう にすることが必要」とされたが、足下では上記のような需要家の負担や混乱が生じている。 また、足下では、小売電気事業者として登録がなされているものの、供給実績が確認できな い事業者が 200 社以上存在し、その一部が犯罪に利用されたことが疑われる事例も生じてい る。こうした状況を踏まえれば、新規参入を過度に阻害しないよう配慮をしつつも、例え ば、小売電気事業者に遵守を求めるべき事項を明確化し、事業開始時のみならず、定期的に その遵守状況等の報告を求めるなど、需要家保護を適切に図る観点から、小売電気事業者に 対して、安定的な事業実施を求めるための規律を強化することも検討する必要がある。 また、電気料金について、専門委員会報告書においては低圧部門の料金規制の撤廃に当た り以下のような効果が期待されていた。 ①夏のピーク時など需給が厳しい時には価格が高くなるなど、需給状況に対応した様々な料金 メニューをより柔軟に設定し、サービスの多様化が図られること。 ②価格が弾力的に動くことで需要を抑制する仕組みを取り入れていくことにより、供給力不足 の中でも効率的に安定供給を実現すること。 ③市場原理の中で料金が決定され、料金収入を見越して必要な投資や調達を行うという仕組み に転換すること。 全面自由化以降、小売電気事業者により様々なメニューが提供され、DR の活用拡大も進むな ど、報告書において想定された効果は一定程度発現していると評価できる。他方で、電気料金 は、多くの小売電気事業者が短期のスポット市場において電気を調達する割合を高める傾向に あることや、一定の供給力を火力発電に頼らざるを得ない電源構成の影響等も相まって、燃料 費の高騰等の外部環境の影響を受けやすい状況にある。電気料金の急激な変動が企業の経済活 動や国民生活に影響を与え、料金の大幅な変動は社会的に許容し難い状況にあることが明らか になった。 また、専門委員会報告書においては、「小売事業者は自らの顧客のために必要な供給力を調 達し、発電事業者は他社との契約や自社の小売部門の要請に基づいて燃料の確保と確実な発電 を行う」ことを原則とされた。一方で、現状では、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う調整 力確保の必要性や、端境期や厳気象時の需要の急増に対応しきれず、需給がひっ迫し、政府と して需要家に節電を要請せざるを得ない事態も生じており、系統全体の安定的な運用を担う一 般送配電事業者のみならず小売電気事業者にも、上記の報告書の趣旨も踏まえたより一層の安 定供給確保のための対応が求められる。 この点、欧州においても、ロシアによるウクライナ侵略に伴う燃料価格の高騰等の教訓を踏 まえ、卸電力価格の変動リスクの抑制や、電力供給の遮断リスクの抑制の観点から小売電気事 業者に対する規律の必要性について具体的な検討が行われており、日本においても、現行制度 において小売電気事業者に対して課されている、いわゆる供給能力確保義務に基づく責任の在 り方について、改めて検討する必要がある。 23 具体的には、小売電気事業者が料金水準や料金メニューを自由に設定し、これを需要家が選 択することができる環境を前提とした上で、安定供給の確保や電気料金の変動幅の抑制の観点 から、海外事例も参考に、現行制度下において供給能力(kW)の確保を容量市場を通じて行っ ていることを含めた日本の実情を踏まえつつ、量的な供給能力(kWh)の確保に関し、小売電気 事業者に求める責任・役割やその遵守を促す規律、それを前提とした市場や卸取引を含む制度 措置の必要性等について検討を深め、必要な措置を講じていく。 ③ 経過措置料金の現状と今後の検討課題 経過措置料金は、専門委員会報告書において「小売参入の全面自由化後しばらくは、需要 家保護を図るべく激変緩和のための経過措置期間を経た上で、料金規制の撤廃を行うことが 適当」、「現在の一般電気事業者の小売部門に対しては、家庭など小口部門の需要家が規制料 金で供給を受けられるよう義務付けることが適当」とされたことなどを踏まえ、大手電力会 社による「規制なき独占」に陥る事態を防ぐ観点から措置されたものである。 経過措置料金の解除基準については、2019 年、監視等委等において議論がなされ、取りまと められた。この基準に基づき、監視等委において、毎年、競争状況の確認を行っているが、現 時点で経過措置料金の解除が妥当な状況にあると評価された地域はなく、解除基準を踏まえた 競争状況の確認を継続していくことが必要と考えられる。 また、現行の経過措置料金については、本委員会におけるヒアリング等において、その存在 自体が競争の妨げになっているのではないかとの指摘もあった一方で、自由化以前の規制料金 と同様に、三段階料金や燃料費調整制度等の料金体系が維持されることにより、特に燃料費の 急騰等に伴う電気料金の上昇局面において、結果的に料金の変動速度や変動幅を抑制し、値上 げ局面においてもその上昇幅を最大限に抑制する効果があったことも事実である。こうした効 果は、必ずしも経過措置料金を措置した際に意図したものではなく、事業者の負担の下に成立 したものではあるが、電気料金の公共性や国民生活への影響の大きさも踏まえれば無視できな いものであると考えられる。 このため、将来的に経過措置料金を解除する場合には、安定供給の確保や電気料金の変動幅 の抑制の観点から講じる措置等の関連する制度の検討状況を踏まえた上で、経過措置料金が実 体的に果たした役割の是非や今後の制度的な対応の必要性、低圧需要家に対するセーフティネ ットの在り方・必要性等について改めて検討し、必要に応じて適切な措置を講ずることが課題 となる。 また、現行の電気事業法においては、経過措置料金の廃止後の最終保障供給については、高 圧・特高部門と同様に一般送配電事業者が担うこととされている。しかしながら、昨今の高圧・ 特高部門の最終保障供給の状況を踏まえれば、低圧部門においては、最終保障供給を受ける需 要家が数十万~百万規模に及んだ場合等に、一般送配電事業者が平時に備えたシステム等では 実務的に対応が困難となることも想定される。このため、仮に経過措置料金の解除を行う場合 には、例えば、一般送配電事業者が小売電気事業者等に対して最終保障供給に関する業務の委 託等を可能とすることの要否等、実務的な課題についても精査が必要である。 他方で、沖縄電力の供給区域(以下「沖縄エリア」という。)においては、地域の特殊性を踏 まえ高圧部門にも経過措置料金が残置されているが、高圧部門の新電力シェアが 12.2%(2024 年 10 月時点)に達し、他エリアと比較しても遜色ない水準に達している。こうしたことを踏 まえ、沖縄エリアの高圧部門における経過措置料金の解除を行うことに関する懸念の有無と、 解除を行う場合にどのような措置を講ずることが必要かについて、監視等委の意見を聴いたと 24 ころ、沖縄エリアにおける高圧部門の経過措置料金を解除することは差し支えない旨の回答が あった。 これらを総合的に勘案し、他エリアと同様に沖縄エリアの高圧部門における経過措置料金を 解除することとする。その時期は、需要家への周知を十分に行い、また、沖縄電力において必 要な準備(特定小売供給約款、離島等供給約款、最終保障供給約款の変更等)を行う時間を確 保する観点から、2026 年 4 月1日を目途とする。なお、監視等委の意見を踏まえ、経過措置料 金の解除後3年間は監視等委による特別な事後監視を行うこととする。 (4)共通する課題 ① 電源・系統への投資に対するファイナンス 電力分野の脱炭素化は、日本全体の GX 実現の鍵であり、我が国の将来的な経済成長にとっ て大きな意味がある。今後、電力需要の増加に対応しつつ、安定供給確保を大前提に、電力 分野の脱炭素化を推進していく必要があるが、そのためには、発電や送配電等の分野におい て、長期にわたり大規模な投資を継続していく必要がある。 一方で、市場環境が大きく変化し、事業の不確実性が高まってきており、多額の有利子負 債が生じている中で、事業者が、今後も大規模かつ長期の資金を、継続して調達し続けるこ とは容易ではない。さらに、投資タイミングと回収期のギャップがある中で、今後、先行的 かつ集中的な更なる投資の拡大が求められていること、電気料金への影響を抑制しつつ投資 を行っていく必要があることも資金調達をより難しくしている。また、事業者のファイナン スを支える金融機関・機関投資家等にとっても、融資・投資残高が大規模化しており、リス ク管理の重要性がこれまで以上に高まっている点や、その中で事業者に対して追加でどの程 度の規模の融資・投資が可能かといった規模管理の点等から、事業者に対して融資・投資を 実行することへのハードルが高まってきていることが指摘されている。なお、2050 年カーボ ンニュートラル実現に向けて、世界的にも巨額の投資が必要となると見込まれており、そう した状況の中、諸外国においては電力分野におけるファイナンス面での投資支援が行われて いる。 こうした状況を踏まえると、我が国においても、様々な電気事業の制度見直しと併せ、民 間資金を最大限活用する形で、電力分野における必要な投資資金を安定的に確保していくた めのファイナンス環境の整備に取り組む必要があると考えられる。具体的には、民間金融機 関等が取り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活用 した融資等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討する。 ② 電力システムにおける公的役割を担う機関の体制強化 電力システム改革を進める中で、系統整備、需給運用、電源投資等に関して、日本電力卸取 引所(以下「JEPX」という。)、電力需給調整力取引所及び電力広域機関が、関連する市場の運 営等の公的な役割を担ってきた。 本検証において整理した電力システムが直面する課題への対応を進めていく中で、これら の機関が担う役割は重要性を増していくことから、これらの関係機関の体制の強化に向け て、制度や予算措置等の必要な対応を行っていく。 25 5.事業者に期待される役割・取組の方向性~将来の電力産業の在り方~ 我が国の電力システムは、地域独占、垂直一貫体制の一般電気事業者がその中心を担う体制か ら、累次のシステム改革を経験してきた。まずは、発電部門、小売部門の部分自由化が行われ、 これに伴いネットワークの利用ルールである託送制度の整備、送配電部門の会計分離による中立 性・公平性の強化が進められてきた。 東日本大震災を契機として進めてきた第5次制度改革では、発電、送配電、小売のライセンス 制度を前提に小売部門の全面自由化、法的分離による送配電部門の中立性・公平性の更なる強化 が行われた。加えて、電力広域機関の設立、JEPX の指定法人化、電力先物取引所の開設、電力取 引の監視等を担う監視等委の設立等、電力システムを支える関係機関の設立が進められてきた。 さらに、スマートメーターの整備など電力データ活用に向けた基盤の整備が進められるとも に、DR の法的位置付け(特定卸供給)、一般送配電事業者が保有する電力データの活用ルール等 が整備されてきた。 これらの累次にわたるシステム改革の結果、FIT・FIP 制度の導入とあいまって、再生可能エネ ルギーを含む発電部門、小売部門への新規参入の増加、アグリゲーターや電力取引のブローカー など従来の電力システムの枠に収まらない多種多様な事業者が参入し、電力システムを支える主 体として活躍するに至っている。 このように、多種多様なプレイヤーが参入し、電力産業自体が大きな拡がりを見せる中、今回 の検証を通じて明らかになったように、電力システムが目指すべき方向性は変遷し、新たな課題 が生まれてきている。 電力システムが目指すべき方向性の実現は、我が国産業が持続的な発展を実現する上で不可欠 であり、電力システムが直面する課題の解決に当たって中心的な役割を担うのは、電気事業者、 さらには新規参入者を含めた電気事業に関連する電力産業である。持続可能な次世代の電力シス テムを構築するには、こうした新たなプレイヤーを含む電力産業の一層の活躍が期待される。 このような認識の下、電力産業の将来へ向けた成長と取組の方向性を描くとともに、電力産業 の一層の活躍を促進するためにどのような方策が考えられるか等について検討するため、電力シ ステムの担い手である電気事業者・電力産業に期待される役割と責任、及びその役割と責任を果 たすために必要となる取組を整理した。その際、本小委員会において整理した、電力システムが これから目指すべき方向性と、電力システムが直面する課題と対応方針等を踏まえて整理を行っ た。 参考図15:事業者・電力産業に期待される役割・責任と必要な取組のイメージ 26 (1)安定供給と脱炭素化の実現に向けた脱炭素電源や系統の設置・整備の担い手 第一に、電力産業は、安定供給と脱炭素化の実現に向けた脱炭素電源や系統の設置・整備の 担い手としての役割と責任を果たしていくことが必要である。今後、データセンターの増加等 により電力需要が伸び、カーボンニュートラル電気に対するニーズが高まっていくことが見込 まれる。そのため、電気事業者は、電力の安定供給を実現しつつ脱炭素化の流れを牽引する存 在として、脱炭素電源や系統の設置・整備を着実に実現することが重要となる。電気事業者に おける脱炭素投資の円滑な資金の確保に向けた方策や、電気事業者自身の中長期的な成長を見 据えた、例えば、内外一体の電力産業の展開等の取組が必要と考えられる。 ① 円滑で安定的なファイナンス 電力分野の脱炭素化は、日本全体の GX 実現の鍵であり、我が国の将来的な経済成長にとっ て大きな意味がある。今後、電力需要の増加に対応しつつ、安定供給確保を大前提に、電力 分野の脱炭素化を推進していく必要があるが、そのためには、再生可能エネルギー、原子力 といった発電や系統整備等の分野において、長期にわたり大規模な投資を継続していく必要 がある。電力産業が、こうした投資の担い手としての役割・責任を果たしていく上では、円 滑で安定的なファイナンスが必要である。そのために、前述のとおり、民間金融機関等が取 り切れないリスクについて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活用した融資 等、脱炭素投資に向けたファイナンス円滑化の方策等を検討する。 ② 内外一体の電力産業の展開 脱炭素電源や系統の設置・整備の担い手としての役割を果たすためには、投資に必要な資 金調達についての円滑で安定的なファイナンスの確保とともに、電気事業者自身が企業・産 業としての成長性を示しつつ、発電事業の高度化・脱炭素電源への投資や非化石価値の活 用、国際展開、DX の推進等により収益性を上げていくことが求められる。 こうした取組の中でも、今後の電力産業の一層の活躍に資する取組の一つとして内外一体 の電力産業の展開が挙げられる。 世界を取り巻く電力システムが大きく変革する中で、内外一体の電力産業の展開により、 1)日本にもまして電力需要の増加が見込まれる海外の需要を取り込んで成長していく、 2)再生可能エネルギーや蓄電池の展開など新たな技術等を取り込む、 3)グローバルに広がるサプライチェーンを構築することで事業の安定性や収益性向上につ なげる、 といったことが期待される。その際、国内先進ビジネスの国際展開、国際展開から得られた 新たな技術等の国内ビジネスへの活用等を通じて収益をあげられるよう、適切な事業環境整 備が求められる。 また、電力の脱炭素化等に諸外国と協力して取り組むことは、国際関係の構築としても重 要である。政府としてもアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)等の枠組みや FS・実証等 の予算措置も活用しながら、ルール整備とプロジェクトの促進支援との両輪で、電力産業の 国際展開を促進していく必要がある。 27 (2)発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者 第二に、電力産業には、発電から需要家にわたるまで電気を安定的に供給する運営者として の役割や責任が期待される。安定的な量と価格水準で、需要家に電気を供給するためには、そ うした役割や責任を、電気事業に関わる全ての事業者が果たしていくことが求められる。ま た、政府は、事業者の競争・創意工夫を活かしつつ、公益的な観点から取引市場や事業者の規 律等の制度措置を行うことが必要である。あわせて、こうした電力産業を支える人材やサプラ イチェーンの確保が必要となる。 ① 安定的な供給に責任ある事業運営 安定的な量・価格で電気を供給するという目的を実現する観点から、安定的な供給に責任 ある事業運営を行うことは不可欠である。電気を需要家に届けるまでには、燃料確保、発 電、取引所・ブローカーを介した取引を含む卸売、需給運用を含む送配電、小売という複層 的な段階で、多数の事業者が介在することとなる。これらの役割を担う各事業者が、短期の 環境変化に振り回されないような事業展開・取引を確保し、中長期的な視野を持った事業運 営をしていくことが重要である。 このため、再生可能エネルギーや蓄電池等を含む発電、送配電、小売等、電気事業に関わ るすべての事業者には、安定供給の実現に向けてそれぞれの責任を果たすことが求められ る。特に、一般送配電事業者は、今後、短期間で局地的な大規模需要の増大が見込まれる 中、円滑に電力を供給するためにも、中立的かつ最終的な安定供給の担い手として、定期的 にエリアの電力需給に関する情報を発信していくことも期待される。 ② 電力産業を支える人材・サプライチェーンの確保 専門委員会報告書にもあるとおり、電力システム改革は電気事業者のこれまでの経験や技 術の上に成り立つものであり、安定的な事業運営には、災害大国である我が国の電気事業の 現場を支え、高い信頼性と技術の蓄積、安定供給を尊重する視点をもつ電力産業を支える人 材の確保と定着、発電所や系統を構成する電力設備に係る技術やサプライチェーンの確保と 維持が重要である。一方で、ヒアリング等においては、電力自由化や東日本大震災の影響に より電気事業の魅力が低下している、人材の確保や定着が難しくなってきている、人材・技 術基盤の維持・強化など「人」への投資が重要、といった指摘があった。 こうした状況に対応し、人材の確保、定着に加えて、技術やサプライチェーンの確保、維 持のためにも、将来を見据えた電力システムの構築に向けて脱炭素電源や系統整備への投資 を促進するとともに、安定的な電気事業の運営ができるよう事業環境の整備を行い、電力産 業が担う役割・重要性を明確にし、電力産業の魅力を高めていく必要がある。 (3)需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダー 第三に、需要家のニーズに応えるエネルギーサービスプロバイダーとしての役割や責任が求 められる。デジタル技術や分散型エネルギー源の活用等により、再生可能エネルギーの地産地 消や DR を通じて非化石価値の創出・需給運用に貢献するとともに、省エネやエネルギーマネジ メントなど多様なサービスの提供により、社会課題解決にも貢献していくことが期待される。 28 ① 分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化 エネルギーサービスプロバイダーとしての役割や責任を果たしていくため、需要側の多様 なニーズに応えた分散型エネルギー源の活用促進とデジタル化が必要である。今後、調整力 の確保が一層必要となる中で、太陽光、蓄電池や需要家の機器等の分散型エネルギー源をま とめて管理するアグリゲーター等の事業者が、需給運用へ貢献することが期待される。 そのため、再生可能エネルギー大量導入、脱炭素化、系統全体の需給安定化やレジリエン ス強化、需要家利益の向上のための基盤として、分散型エネルギーリソースや、需要家の電 力消費量等のデータを多種類・高頻度に取得し、ガスや水道メーターのデータも取得できる 第二世代スマートメーターシステムを 2030 年代早期までに、原則全ての需要家に対して導入 する。 加えて、小売電気事業者やアグリゲーター等の事業者、自治体がスマートメーターから得 られる電力データを円滑に利用し、新たな価値の創出につなげられるよう、一般送配電事業 者等は、データ提供インフラとしての機能を高めていく。 ② サイバーセキュリティの確保 電力システムは、経済安全保障の確保のために重要な基盤であり、電力システム改革に伴 い、多種多様なプレイヤーが参入し、電力産業自体が大きな拡がりを見せる中でも、電力の 安定供給確保のためにはサイバーセキュリティの確保が必要不可欠である。近年、特に脅威 を増している、サプライチェーン攻撃への対応の強化に向けて、ガイドラインの改定やその 実行に向けた事業者の活動を後押ししていく。 また、電力システムへ関わるプレイヤー・機器が多くなるとともに、デジタル技術の活用 が増えるほど、サイバー攻撃のポイントも増加することになる。このため、特に、分散型エ ネルギー源の活用促進とデジタル化に当たっては、サイバーセキュリティの確保に万全を期 していく必要がある。 こうした観点から、分散型エネルギー源を管理する主体としてのアグリゲーターに求めら れるサイバーセキュリティガイドラインの改定を進めるとともに、その遵守に向けた対応を 促進する。また、分散型電源を構成する小型太陽光発電に求められるセキュリティ対策の整 理を進めていく。 さらに、電気事業者のサイバーセキュリティ確保の取組を促進していくため、電力広域機 関が電気事業者に求める自己診断の取組と連携し、リスク点検ツールの活用を促していく。 29 6.将来の電力システムを支える取引市場の全体像 「これまで料金規制と地域独占によって実現しようとしてきた「安定的な電力供給」を国民に 開かれた電力システムの下で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって 実現する方策が電力システム改革である。」 これは、10 年前の専門委員会報告書に通底する考え方である。この専門委員会報告書を基に 2013 年4月2日に「改革方針」が閣議決定されてから 10 年以上が経過した。安定的な電力供給 が国民生活や経済活動を支える基盤であることに変わりはなく、継続する物価高や国際的な産業 誘致競争の激化等の中で、その重要性は一層増している。 今回、検証の中で、これからの電力システムが目指すべき方向性を整理し、そのために必要と なる電力システムの構築に向けた課題や対応方針をまとめ、事業者に求められる役割・機能を整 理した。今後、制度の実装に当たっては今回とりまとめた内容をより詳細に具体化していくこと となるが、その際に留意しなければならないことは、電力システムのような複雑なシステムにお いては、部分最適が全体最適を毀損するような場合も起こり得ることである。従来、短期から中 長期にわたる安定供給の実現、それに必要な電源投資の確保等については、一般電気事業制度の もとで地域独占、供給義務、料金規制によって担保してきたが、自由化された電力システムの中 では、広義の取引市場を通じてこれを実現していく必要がある。このような観点から、電力シス テムに関する取引市場について、それぞれの関係性を整理しておくことは、電力システム全体と して効率的に量・価格の両面で安定的な電力供給を実現する上で重要である。以下では、これか ら構築を目指していく電力システムを支える取引市場の全体像を整理した。 (1)電力システムに関する取引市場の全体像と卸電力市場が直面する課題 現在、電力システムに関する取引市場としては、卸電力市場としてのスポット市場、時間前市 場、先渡市場、ベースロード市場に加えて、発電容量を確保するための容量市場、調整力を確保 するための需給調整市場等が設置されている。 参考図16:電力取引市場の全体像 30 専門委員会報告書においては、市場機能の活用が一つの柱として掲げられており、スポット市 場を始めとする卸電力市場の活性化によりもたらされる効果として、広域メリットオーダー、経 済合理的な電源保有の実現、発電部門の競争促進、新電力の電源調達の円滑化、需給調整機能の 向上が挙げられていた。特に、卸電力市場の厚みが増すことにより、新電力にとっての供給元の 多様化に加え、取引所価格の安定化、客観性の高い電力価格指標の形成に資することが期待され ていた。 現在、スポット市場での電力の取引量が、全需要の3割程度に達するなど、電力システム改革 が始まって以降、卸電力取引所の市場の厚みは増しているが、当初期待されていた効果がすべて 発現しているわけではない。また、先渡市場の活性化が進んでいない中、ヒアリングにおいて は、特に中長期を念頭に、電力の価格指標に課題があるといった指摘もあった。 スポット市場の価格は、入札価格(売りと買い)の交わる価格で決めるシングルプライスオー クションで決定されることになる。後述のとおり、基本的には系統全体で追加の1kWh を出力さ せる限界費用での入札がなされることで、実際に稼働している電源の平均費用とは乖離した価格 設定になっている。このため、再生可能エネルギーが安定して稼働している時間帯は価格水準が 低くなる一方、燃料輸入価格が高くなった場合や再生可能エネルギーが天候の理由等で発電でき なかった場合には高い水準になるなど、日単位でも年単位でも価格の変動幅が比較的大きい。 小売全面自由化後のスポット市場の価格水準については、2016 年度から 2019 年度にかけて平 均約定価格が 10 円/kWh を下回る比較的低い水準で推移してきている。また、再生可能エネルギ ーを最大限に活用するという方針のもと、FIT 認定を受けた可変費ゼロの再生可能エネルギー電 源からスポット市場への供出量が大きく増加している結果、2019 年度以降、スポット市場の約定 価格が 0.01 円/kWh まで低下するケースも散見される。一方、ロシアによるウクライナ侵略等の 影響により燃料価格が高騰した 2022 年度には、スポット市場の年間平均約定価格がそれまでの倍 以上の水準である 20.41 円/kWh まで高騰した。 小売電気事業者に実施したアンケートによれば、小売電気事業者が希望するスポット市場・時 間前市場からの調達量は全調達量のうち 6.5%である一方、実績では 11.1%をスポット市場・時 間前市場から調達している4。ここからは、小売電気事業者が希望どおりに中長期の電力調達を行 えないために、結果としてスポット市場・時間前市場からの電力調達が大きくなっているとも考 えられる。上記のとおり、小売全面自由化後はスポット市場の価格が比較的低い水準で推移して きたことから、スポット市場・時間前市場からの調達実績が希望よりも大きいことが直ちに問題 となることはなかったが、スポット市場価格が高騰する局面では、調達価格の高騰により、小売 電気事業の休廃止件数の増加、需要家に提供される小売電気料金の高騰、一般送配電事業者の最 終保障供給で電力供給を受ける需要家の急増、といった事態が生じている。 競争環境下にある発電事業者にとっては、実需給の断面においては、その持っている余力分に ついて、スポット市場において限界費用で余剰電力を全量市場供出することが、基本的には、利 益及び約定機会を最大化する経済合理的な行動であり、特に、旧一般電気事業者に対しては市場 支配力の行使を抑止する観点から、限界費用での入札を求めている。このような電力の供出を行 った場合、入札価格に電源の固定費が含まれておらず、スポット市場価格が低い水準で推移する 資源エネルギー庁「競争と安定を両立する市場・取引環境の整備のためのアンケート調査結果」(2023 年 5 月 30 日)図 58 参照 4 31 場合には、固定費の回収漏れが生じ得るが、スポット市場価格が高騰した場合には、固定費の回 収ができると考えられる。こうした市場の下では、価格の変動幅が大きく、卸収入の予見可能性 が低いことから、新規電源投資の意思決定が困難になっているといった指摘がある。また、小売 電気事業者との間で長期相対契約が締結されない場合には、燃料を長期的に確保するインセンテ ィブが低下し、安定的な燃料調達に悪影響を及ぼす懸念も生じている。 このように様々な影響が生じていることを踏まえれば、スポット市場に加えて、中長期の相対 契約や市場取引の活性化を通じて、客観性の高い電力価格指標の形成につなげていく必要があ る。 一方、中長期の相対契約や市場取引の活性化を図る上でも、電力システムの中で現在のスポッ ト市場が果たしている役割が重要であることに変わりはない。例えば、脱炭素化を推進する観点 からは、変動費が安い再生可能エネルギーを最大限活用することが重要であるが、再生可能エネ ルギーの発電量は変動するため、需要にあわせて供給力を調整する必要が生じるので、実需給に 近い断面で電力を取引できるスポット市場や時間前市場の機能は重要である。このため、現在の スポット市場のような機能を維持・活用していくことを前提とする。 (2)検証を踏まえ、今後整理していく電力システムに関する取引市場の全体像 一連の電力システム改革を通じて、卸電力市場のほかに、電源容量の確保のための容量市場、 調整力確保のための需給調整市場等がその必要性に応じて整備をされてきているが、有識者・実 務者へのヒアリングの中では、それぞれの市場の機能や役割について整理すべきとの指摘もあっ た。 このため、今回の検証を通じて整理した課題と対応方針に沿って今後整理を進めていく取引市 場・制度が、どのような機能・役割を果たすことになり、それぞれの関係性はどうなるか、整理 を行った。具体的には、電力システムの中でそれぞれの取引市場等が果たすべき役割は以下の3 種類に分類される。 ① 供給力を確保するための取引市場・制度 ② 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 ③ 効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 参考図17:今後整理していく電力システムに関する取引市場等の全体像 32 ① 供給力を確保するための取引市場・制度 全面自由化された環境の中で、電源の維持・確保に向けた安定的な電源投資を確保してい くための取引市場等であり、既存の取引市場では、容量市場及び長期脱炭素電源オークショ ン、予備電源制度がこれに該当する。 容量市場メインオークションにおいては、その年の保守や発電所の整備等に必要となる人 件費等の固定費の一部は回収できているが、新設まで含めた電源投資を確保するには至って いない。また、メインオークションは、1年毎に価格が変動する。この問題意識を受けて開 始した長期脱炭素電源オークションにおいては、多額の投資を必要とする電源への安定的な 固定費収入を保証することを念頭に、制度の運用が開始されつつある。 さらに、今回の検証を踏まえた今後の対応として、「電力の脱炭素化と安定供給を実現する ため、事業期間中の市場環境の変化等に伴う収入・費用の変動に対応できるような制度措 置」を行うこととしている。加えて、電源開発に係る資金調達は、金利の高低が原価に影響 を与えうるといった観点からも重要な要素であり、民間金融機関等が取り切れないリスクに ついて、公的な信用補完の活用とともに、政府の信用力を活用した融資等、脱炭素投資に向 けたファイナンス円滑化の方策等を検討する。 今後、DX 等により電力需要が増加していく可能性が指摘されている中で、同時にカーボン ニュートラル実現のために電力システムの脱炭素化も進めていく必要がある。こうした状況 下において、電力の安定供給と脱炭素化を両立するため、供給力を確保するための取引市 場・制度の整備を通じて、民間企業による電源投資を促進し、必要となる供給力を確保して いく。 なお、大規模災害等による電源の脱落や、需要の急増等の緊急時に備え、一定期間内に稼 働が可能な休止電源を維持することを目的として、2024 年度初回募集が実施された予備電源 制度については、不断の検討を行っていく。 ② 量・価格両面で安定的な調達を可能とする中長期取引市場 小売電気事業者にとっては中長期的に量・価格両面で安定的な調達を行うことができる取 引市場であり、発電事業者にとっては客観性の高い電力価格指標の形成を通じて収益の予見 可能性向上に資する取引市場である。 電力システム改革が進められる中で、卸電力取引所のうち、スポット市場での取引は大き く拡大している一方で、上述のとおり、スポット市場価格は変動幅が大きく、客観性の高い 電力価格指標として用いることは難しい。また、ベースロード市場・先渡市場での取引や相 対取引を含め、中長期の電力取引を活性化させていく必要がある。旧一般電気事業者におい て内外無差別卸売も進められているが、各社の卸売条件を見比べることが困難であるなど、 小売電気事業者にとって調達しにくいとの指摘もある。 こうした現状を踏まえ、今般の検証を踏まえた対応として、「小売電気事業者が供給力の調 達手段や電源調達のポートフォリオをより多様化することができるよう、事業者間の公平性 にも留意しつつ、現物の長期取引を含めた相対取引やブローカー経由の取引等の活用、先物 市場・先渡市場・ベースロード市場等の市場を含む取引制度の拡充・再整備に取り組む」と ともに、こうした市場の整備を前提に「量的な供給能力(kWh)の確保に関し、小売電気事業 者に求める責任・役割やその遵守を促す規律」について検討を深めていくこととしている。 33 これらの措置を合わせて実施していくことで、小売電気事業者が安定的な量と価格で調達 するための電力取引を促す取引市場を構築し、客観性の高い電力価格指標の形成につながる ことが期待される。また、発電事業の観点からは、この市場を通じて中長期の電力取引が増 加し、販売量の予見性が向上すること等により、燃料確保や設備投資等の予見性の向上にも 資することが期待される。 ③ 効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市場 実需給段階での効率的な広域メリットオーダーを実現するための市場であり、既存の市場 では、供給力の取引を行うスポット市場・時間前市場、調整力の取引を行う需給調整市場が これに該当する。 発電事業者と小売電気事業者は、それぞれ BG(バランシンググループ)を構成し、中長期 取引市場や相対契約によって確保した電源とこれらの短期市場での調達を組み合わせて、計 画値同時同量に対応することとなる。また、発電事業者や小売電気事業者は、計画値同時同 量の達成に不足する部分を短期取引市場から調達することに加え、系統全体の電力需給に余 裕があり、自らが確保している電源よりも安価な電力が売られていた場合、自らの電力を差 し替えることにより広域メリットオーダーが実現される。一般送配電事業者は、引き続き、 周波数維持義務を果たすための調整力を確保する手段として需給調整市場を活用する。 一方で、今後、変動性再生可能エネルギーが更に増加していくことを考えると、短期取引 市場において調達しなければならない供給力や調整力の絶対量が大きくなることが想定され る。また、系統制約等を理由とした出力制御が徐々に生じていることを踏まえれば、より広 域で全体最適を目指していく必要が生じている。 こうした問題意識から、今後の対応方針として、供給力と調整力を同時に約定させる仕組 みの市場(同時市場)を導入するための検討を進めていくこととしている。同時市場におい ては、発電事業者が登録した①起動費、②最低出力費用、③増分費用カーブの3つの情報に 基づき、系統制約を考慮して、供給力と調整力を同時に約定させることとしており、これに より、電源の最適な配分が可能になる。同時市場の導入により、これまでと同様に再生可能 エネルギーの最大限の活用を前提としつつ、発電事業者・小売電気事業者の中長期取引市場 における取引量等に関する登録情報を元にした供給力と調整力全体の最経済(短期的なメリ ットオーダー)が実現することが期待される。また、系統制約を踏まえた約定を前提とした 取引市場としていくことにより、系統混雑の状況がより明らかになり、電源投資や産業立地 の最適化につながっていくことも期待される。 (3)今後に向けて 電力システム改革からおよそ 10 年が経過する中、発電、小売の両分野において多くの事業者が 参入し、事業者による創意工夫を発現するための市場整備が進んできたといえる。一方、今後、 DX の進展等による需要の増加が見込まれる中で、安定供給を大前提として、脱炭素電源や系統へ の投資を最大限進めるとともに、そこで得られる脱炭素電源を実需給断面において最大限活用し ていくことが求められる。電力需要の増加や脱炭素電源の最大限の活用は、電力システム改革の 検討段階ではそれほど強く意識されていたわけではなく、これまでの 10 年間とこれからの時代は 全く違うフェーズにいると認識しなければならない。 34 戦後、電源開発が急務な中においては、9電力体制(後に 10 電力体制)を構築することで、発 送配電一貫経営(垂直一貫体制)、地域独占、総括原価方式によって巨額の投資を長期にわたって 回収しながら設備形成することを可能にし、高度経済成長を支える原動力となる安定的な電力供 給が実現されてきた。その後、電気事業を取り巻く環境の変化とともに累次の電力制度改革を経 て自由化が進められ、特に、この 10 年余りの期間においては、国民に開かれた電力システムの下 で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって実現することを目指した取 組が進められてきたが、その中で、供給力の確保など様々な課題に直面している。この課題を克 服していくためには、自由化の下で競争を生かしつつも、重複投資を排除した上で安定供給の確 保や脱炭素化に必要な投資を確保していく仕組みが必要である。その仕組みとして、本章におい てコンセプトを整理した「供給力を確保するための取引市場・制度」、「量・価格両面で安定的な 調達を可能とする中長期取引市場」、「効率的な広域メリットオーダー実現のための短期取引市 場」の3つの取引市場等を整備し、これらを最大限効率的に活用していく。その際、電気事業者 が取引市場を活用して創意工夫を発揮できるようにするには、競争上の事前規制や事後規制の在 り方についても検討していく必要があると考えられる。また、状況が変化した場合には、柔軟に それぞれの取引市場の役割を見直していく。 こうした取組により、電力システム改革による大きなメリットである事業者や需要家の「選 択」や「競争」を通じた創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給の確保・脱炭素化・安定的な 価格水準での電気の提供という電力システムの目指すべき方向性に進化させていくことが、電力 システム改革の次のフェーズである。 35 7.今後の進め方 今回の電力システム改革の検証を通じて取りまとめた「電力システムが目指すべき方向性」、 「電力システムが直面する課題と対応方針」、「電力システムを実際に支える将来の電力産業の在 り方」に沿った、制度の具体化へ向けた検討を速やかに進めるため、総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会の下に、電力システムの制度改正について集中的に議論する会議体を設置 し、2025 年中を目途に制度改正の内容をとりまとめる。 制度改正については、必要に応じて、とりまとめを待たずに反映していくことも含め、速やか に実施することとし、電気事業法等の改正が必要な場合には、法改正も含めて具体的な制度整備 を行っていく。また、今後、政策を具体化していく際には、政府による情報開示を通じた国民各 層の理解促進を図っていくことが求められる。 本検証については、電気事業法の三段改正の附則に基づいて実施したが、今後とも、電力シス テムの制度とともに、システムを取り巻く状況は変わっていくため、電力システムの制度改正に ついて集中的に議論する会議体において今後の検証の在り方についても整理する。 36