議事要旨
。
産業構造審議会 知的財産分科会 第52回特許制度小委員会 議事要旨
1. 日時・場所
日時:令和7年3月5日(水曜日)14時00分~16時00分
場所:特許庁特別会議室(特許庁庁舎16階)+Web会議室
2. 出席者
今村委員、井本委員、木元委員、工藤委員、杉村委員、杉山委員、玉井委員長、田村委員、中尾委員、中島委員、中畑委員、橋本委員、松山委員、山中委員
3. 議題
AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応について
国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の適切な権利保護について
4. 議事内容
事務局より、資料1に沿って、説明が行われた。
議題について、自由討議が行われた。
以上
[更新日 2025年3月10日]
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資料1
産業構造審議会知的財産分科会
第52回特許制度小委員会
議事次第・配布資料一覧
日
時:令和7年3月5日(水)14時00分開会
会
場:特許庁庁舎16階特別会議室+Web会議室
(議事次第)
1.開会
2.AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応について
3.国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の適切な権利保護について
4.閉会
(配布資料)
議事次第・配布資料一覧
委員名簿
資料1 特許制度に関する検討課題について
資料2
令 和 7 年 3 月 5 日
第 52 回特許制度小委員会
産業構造審議会
知的財産分科会
特許制度小委員会
委員名簿
石井
夏生利
中央大学国際情報学部
教授
今村
玲英子
創英国際特許法律事務所
井本
史生
日本経済団体連合会知的財産・国際標準戦略委員会
弁理士
企画部会委
員/日本電気株式会社知的財産部門長
委員長
木元
哲也
株式会社木元省美堂
代表取締役社長
工藤
郁子
大阪大学社会技術共創研究センター
相良
由里子
日弁連知的財産センター
委員長/
中村合同特許法律事務所
パートナー弁護士
特任准教授
杉村
純子
プロメテ国際特許事務所
代表弁理士
杉山
悦子
一橋大学大学院法学研究科
教授
玉井
克哉
東京大学先端科学技術研究センター
信州大学社会基盤研究所
特任教授/
特任教授
田村
善之
東京大学大学院法学政治学研究科
教授
中尾
直樹
日本弁理士会知財制度検討委員会
委員長/
中尾国際特許事務所
弁理士
中島
基至
東京地方裁判所(知的財産権部)
部総括判事
中畑
稔
One ip 弁理士法人
橋本
佳幸
京都大学大学院法学研究科
松山
智恵
TMI 総合法律事務所
山中
昭利
一般社団法人日本知的財産協会
理事長/
株式会社デンソー
担当部長
代表パートナー弁理士
教授
パートナー弁護士
技術企画部
(敬称略、五十音順)
資料3
資料1
特許制度に関する検討課題について
産業構造審議会知的財産分科会 第52回特許制度小委員会
令和7年3月5日
1.AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応
1
日本におけるダバス事件の最新状況(1)
➢ 原告は、出願時に発明者の氏名の欄に「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」と記
載した国内書面を提出。
➢ 特許庁は、発明者の氏名として自然人の氏名を記載するよう補正を命じたものの、原告が補
正をしなかったため、発明者は自然人に限るとして出願を却下。
➢ それに対して、原告は出願却下処分が違法であると主張して、同処分の取消しを求めて提訴。
➢ ダバス事件の第一審判決では、「発明者」は、自然人に限られるものと解するのが相当と判
示して、原告の請求を棄却した。一方、立法論としてAI発明に関する検討を行って可及的速
やかにその結論を得ることが期待されている点にも付言。
➢ 本事件の第二審(控訴審)判決では、特許を受けることができる「発明」は、自然人が発明
者となるものに限られると解するのが相当として、原判決を支持した。また、AI発明に特許
権を付与するか否かについては、AI発明が社会に及ぼす様々な影響についての広汎かつ慎重
な議論を踏まえた、立法化のための議論が必要な問題として、改めて言及した。
(出典)内閣府知的財産推進事務局 第3回構想委員会
資料1「IPトランスフォーメーション(2)~新たな知的創造サイクルの構築に向けて~」16頁より抜粋して作成。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2025/dai3/siryou1.pdf
(注) 本事件の第二審判決中では、「AI発明」につき、「「AI発明」の略語の定義は、便宜上、原告の主張に基づいて定めるが、本件に
おいて、特許出願に係る発明を人工知能(AI)が自律的にした事実の有無は、争点となっていない。また、「AI発明」の略語は、人工知
能(AI)の成果物が特許法の定める「発明」に当たり得ることをあらかじめ前提とするものではない(この点は、後記のとおり、本件の
争点の一つである。)。」と留保の上で、「人工知能(AI)が自律的にした発明」と定義されている。
2
日本におけるダバス事件の最新状況(2)
ダバス事件第一審判決の判旨
(東京地判令和6年5月16日(令和5年(行ウ)第5001号)
出願却下処分取消請求事件)
• 特許法に規定する「発明者」は、自然人に限られるものと解するのが相当である。
• 特許法にいう「発明者」が自然人に限られる旨の前記判断は、上記実務上の懸念
までをも直ちに否定するものではなく、原告の主張内容及び弁論の全趣旨に鑑み
ると、まずは我が国で立法論としてAI発明に関する検討を行って可及的速やか
にその結論を得ることが、AI発明に関する産業政策上の重要性に鑑み、特に期
待されているものであることを、最後に改めて付言する。
ダバス事件第二審(控訴審)判決の判旨
(知財高判令和7年1月30日(令和6年(行コ)第10006号
出願却下処分取消請求控訴事件)
• 同法(注:特許法)に基づき特許を受けることができる「発明」は、自然人が発明者とな
るものに限られると解するのが相当である。
• AI発明に特許権を付与するか否かは、・・・、AI発明が社会に及ぼす様々な影響につ
いての広汎かつ慎重な議論を踏まえた、立法化のための議論が必要な問題であって、現行
法の解釈論によって対応することは困難である。
(出典)内閣府知的財産推進事務局 第3回構想委員会 資料1「IPトランスフォーメーション(2)~新たな知的創造サイクルの構
築に向けて~」17頁より抜粋して作成。https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2025/dai3/siryou1.pdf
3
海外動向ーUSPTOの動き
米国特許商標庁(USPTO)において、AI技術の進展に伴い、発明者適格性に関するガイダンス
の公表や特許適格性に関する事例の策定等の動きあり。
AIの支援を受けた発明の発明者適格に関するガイダンス発行
2024年2月13日
発明に AI の支援があった場合に、発明に対する自然人の貢献が特許を取得するのに十分といえるほど大きかった
かどうか判断する方法をステークホルダーや審査官に示すもの。
(参照)JETRO NY 知的財産部「USPTO、AI の支援を受けた発明の発明者適格に関するガイダンスを発行」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2024/20240213.pdf
特許性判断への影響について意見募集を実施
2024年4月30日
AI の利用拡大による影響について、①先行技術の判断、②当業者の評価、③特許性の審査基準等を対象とする意見
募集を開始した。
(参照)JETRO NY 知的財産部「USPTO、AI の利用拡大が及ぼす特許性判断への影響について意見募集を実施」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2024/20240506_1.pdf
特許適格性に関するガイダンスに AI 関連発明の事例等追加
2024年7月17日
特許適格性の判断プロセスを大きく変更するものではなく、判断プロセスの一部を明確化するとともに、AI 関連発
明への適用事例を紹介するもの。なお、当該ガイダンス更新に対する意見募集は、当初の締め切りは同年9月16日
だったが、同年10月16日まで延長された。
(参照)JETRO NY 知的財産部「USPTO、特許適格性に関するガイダンスに AI 関連発明の事例等を追加」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2024/20240722.pdf
4
USPTO「AI の支援を受けた発明の発明者適格に関するガイダンス」
米国特許商標庁(USPTO)が、AI支援発明(※1)における発明者性について、AIシステムを利用す
る自然人が発明に重要な貢献をした場合当該自然人が発明者として認められること、自然人発明者に
求められる重要な貢献がどのような場合に認められるかについて、「AI の支援を受けた発明の発明
者適格に関するガイダンス」を示した。
(※1)「AI支援発明」とは、AIシステムを用いて自然人により創作された発明を指す。
ガイダンスの概要
➢ 発明者および共同発明者は、自然人でなければならない。
➢ 出願書類に発明者として記載する自然人は、AI支援発明に顕著な寄与をしている自然人であることを要する。
➢ AI支援発明に対するPannu判決の3要件(※2)(相当な寄与の判断要素)の適用の在り方について、網羅的
ではないとしつつ、以下の指針原則を挙げている。
(1)自然人が発明の創作に AI を使用したからといって、発明者としての寄与が否定されるわけではない。
(2)AIに問題を示しただけの自然人は、AIの出力から特定される発明の適切な発明者ではない可能性あり。しかし、AIから特定の解
決策を引き出す方法が顕著な根拠となる可能性はある。
(3)AIの出力を発明として認識・評価しただけの自然人は、特に、その出力の特性や有用性が当業者にとって明らかである場合には、
必ずしも発明者であるとはいえない。
(4)特定の解決策を引き出すために特定の問題を考慮してAIを設計、構築または訓練する自然人が発明者になる可能性がある。
(5)単に発明に使用される AI を所有または監督する者は発明者とはいえない。
➢ 出願人が特許性に関する重要な情報の開示義務の対象に、AI支援発明における重要な貢献がAIシステムに
よってなされたことを示す証拠が含まれる。
(参照) JETRO NY 知的財産部「USPTO、AI の支援を
(※2)Pannu判決の3要件:以下の1つにでも適合しない場合には、発明者とはならない。
(1)発明の着想又は具体化に相当な程度に寄与すること
特許庁 (2)発明への貢献が全体の中で質的に相当な寄与といえること
(3)真の発明者に対して周知の概念や現在の技術水準の説明をすること以上の寄与をすること
受けた発明の発明者適格に関するガイダンスを発行」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2
024/20240213.pdf
米国 2024年2月13日付官報
https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-202402-13/pdf/2024-02623.pdf
5
AI技術の発達
➢ AI は未だ確立された定義は存在しないが、「人工」・「知能」とあるように、人間の思考
プロセスと同じような形で動作するコンピュータープログラムや、コンピューター上で知
的判断を下せるシステム等を指す。
➢ 2015年頃から、効率的に材料開発を行うデータ科学を用いた新材料開発手法(マテリアル
ズ・インフォマティクス)が進展をしている。主として、このうち、データの解析手法と
して、データ駆動型のAI(主として機械学習を用いるもの等)が技術進展の主体となって
いる。
➢ 2021年以降、特定の分野のみに特化したAIではない、汎用的なAIの開発が進んでいる。そ
の結果、「予測」、「提案」、「決定」にとどまらず、全く新しい画像や文章を生成する
「生成AI」が普及するようになり、注目を集めている。
➢ 生成AIの進展に伴い、生成AIを利用して研究開発のアイデア出しを行う事例も出現してい
るところ、エージェント型AIの開発も進められている。
➢ 科学技術分野において、実在の研究者を騙った虚偽の論文の存在が報告されており、生成
AIの登場で論文の捏造が容易になっているとの指摘がなされている。
(出典)以下資料から一部抜粋し、下線を追加。
〇総務省、経済産業省「AI 事業者ガイドライン(第1.0版)」(2024年4月)
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240419004/20240419004-1.pdf
○特許庁「令和元年度 特許出願技術動向調査 結果概要 マテリアルズ・インフォマティクス」(2020年2月)
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/2019_07.pdf
○「生成AIで日本人の研究者かたり論文捏造か、収入目的の海外サイト「ハゲタカジャーナル」に掲載」『読売新
聞オンライン』2024年11月
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241120-OYT1T50136/
6
<参考>AI、機械学習、深層学習とは
【機械学習のイメージ図】(特許庁作成)
例:生成AI(Chat GPT等)
例:材料予測(マテリアルズ・インフォマティクス)
機械学習
(出典)総務省「令和元年版情報通信白書(第1部)」83頁。特許庁にて一部(吹き出し部分)追加。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/n1300000.pdf
データ
学習済
モデル
7
研究開発へのAIの活用事例
➢
2024年には、ノーベル賞の受賞理由として、深層学習(物理学賞)や、深層学習を活用したタンパク質
の立体構造予測(化学賞)が挙げられるなど、機械学習技術や、その利活用が注目を浴びている状況。
➢
材料や物質の研究開発において、機械学習を活用した新たな材料の探索や自動化実験(マテリアルズ・イ
ンフォマティクス)が行われている。昨今では、人間が課題設定のみを行う事例が現れるなど、従前より
研究開発において人間が関与する程度が減少しつつある。
〈AIの研究開発への活用例〉
産業技術総合研究所
〈参照〉マテリアルズ・インフォマティクスとは
➢ 触媒の設計、触媒合成方法、触媒プロセスの評価に人間
が介在せず、AI等により自動化。
(出典)国立研究開発法人産業
技術総合研究所「マテリアル・
プロセスイノベーションプラッ
トフォーム」より抜粋。
https://unit.aist.go.jp/rpmc/pdf/MPI_pamphlet.pdf#
page=4
東京科学大学(旧東京工業大学)、産業技術総合研究所
➢ 無機固体物質を全自動で自律的に物質探索を行うシステ
ム。人間の介在なしに合成条件を予測し、機械に合成を
指示し、最適な薄膜を作製する。
特許庁
(出典)東京工業大学「自律的に物質探索を進めるロボットシ
ステムを開発ー物質・材料研究開発の進め方について革新を起
こす」(2020年)より抜粋。
https://www.titech.ac.jp/news/2020/048276
(出典)特許庁「令和元年度 特許出願技術動向調査 結果概要 マテリア
ルズ・インフォマティクス」(2020年2月)から抜粋し、一部改変。
8
<参考>生成AIの市場規模
(出典)総務省編「令和6年版情報通信白書」163頁
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n2190000.pdf
9
御議論いただきたい論点(案)
➢
AIと知的財産権に関しては、内閣府「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」(令和6年6月)におい
て、一定の考え方が示された。また、特許法に規定する「発明者」は自然人に限られるとする判決(ダバス事
件判決)が出されるなど、状況が日を追うごとに変化している。
➢
AIと発明に関する検討に当たっては、意匠法その他の知的財産権法における検討状況も注視する必要がある。
➢
今後検討すべき論点は以下のとおり考えているところ、令和6年度調査研究の結果を踏まえて本格的に御議論
いただくことを予定。
本日は、以下の論点の他に、検討すべき論点や課題がないか、特に考慮すべき事項がないかについて御意見をい
ただきたい。
論点(案)
◼ 発明該当性
◼ 引用発明適格性
•
•
人がAIを利用して生成した発明は、特許法に規定す
る「発明」に該当するか。AI発明(AIが自律的に
した発明)についてはどうか。
◼ 発明者
•
•
•
•
AIを利用して生成した発明の発明者の認定は、従前
と同様で良いか。
人の関与があるが発明者が存在しないという事態が
生じ得る場合、当該発明は特許法で保護されるか。
権利の帰属主体は誰か。
AI発明に対して、AIを発明者として認めるべきか。
出願する際に発明者を偽り得るところ、これは問題
か。問題とする場合、どのように対応をするか。
•
AIを利用して生成した資料・論文等は、新規性・進
歩性の判断の根拠(引用発明)となるか。
引用発明と認定するために満たすべき要件や基準が
必要となるか。
◼ 新規性・進歩性
•
•
「当業者(その発明の属する技術の分野における通
常の知識を有する者)」の考え方等に影響があるか。
「公知」の考え方に影響があるか。
◼ 記載要件
•
記載を求める事項や程度を変更すべきか。
10
2.国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の
適切な権利保護
11
これまでの経緯と今後の進め方
これまでの経緯
➢
特許制度小委員会において、「ネットワーク関連発明」の論点に関する制度的措置に対するユーザーニーズが確
認されたことから、実質的に国内の実施行為と認める要件を明文化する方向で集中的に検討を深めてきた。
➢
前回第51回の小委員会では、第50回小委員会でいただいた10の御意見に対する対応の方向性をお示しした。そ
のうち、大宗について特段の異論はなく、特に、あくまで「ネットワーク関連発明」を対象とした制度的措置を
行うことや、具体的な条文の文言ではなく、「実質的に国内の実施行為と認める要件」に対する考え方を合意形
成可能な範囲で整理することを目指すことなど、大きな方向性について委員から明示的に賛同のコメントもいた
だいたところ。
➢
実質的に国内の実施行為と認める要件については、「発明の『技術的効果』と『経済的効果』が共に国内で発現
していること」の要件を採用することについて肯定的な御意見が複数聴取された一方で特段の異論はなかった。
➢
その上で、上記10の御意見のうち最後の御意見(※)に対する対応の方向性に関し、「発明の実施行為の『一部』
が国内」の要件については、さらなる検討が必要ではないかとの御意見をいただいている。
今後の進め方
➢
(※)「10. 「発明の実施行為の『一部』が国内であって」は不要ではないか。あるいは、改善の余地があるのではないか。」
今回は、複数の御意見をいただいた「発明の実施行為の『一部』が国内」の要件を中心に、ユーザーの実情と
ニーズに合った要件となるように想定事例も交えて検討を進めることとしたい。
➢
前回の小委員会でいただいた御意見に関しては、次頁以降で対応の方向性を整理した。
12
前回の本小委員会における主な御意見のうち、
対応の方向性を確認する必要のあるもの
検討の進め方及び留意点に関する御意見
1. 本論点の制度的措置を検討するに当たっては、「公然実施をされた発明」(特許法第29条第1項
第2号)が「日本国内又は外国において」と規定されているところ、当該規定への影響について
も検討すべきではないか。
「実質的に国内の実施行為と認める要件」に関する御意見
2. 「発明の実施行為の『一部』が国内」の要件について、「発明の実施行為の『一部』 」が正確に
何を示すか分かりづらい。
3. 「発明の実施行為の『一部』が国内」の要件は不要ではないか。また、この要件を採用する場合、
「一部」の内容については、検討の余地があるのではないか。
4. 「発明の実施行為の『一部』が国内」の要件の要否については、発明の実施行為の全部が海外に
存在しながら、日本で事業が展開されている事例を用いて検討すべきではないか。
13
御意見に対する対応の方向性
進め方/留意点に関する御意見
1. 本論点の制度的措置を検討するに当たっては、「公然実施をされた発明」(特許法第29条第1項
第2号)が「日本国内又は外国において」と規定されているところ、当該規定への影響について
も検討すべきではないか。
対応の方向性
✓ 「公然実施をされた発明」については、特許法第29条第1項第2号において、「日本国内又は外国において公
然実施をされた発明」と規定されていることから、日本国内のみならず、海外における公然実施も含むものであ
る。また、日本国内と外国に跨がった公然実施は明示的には規定されていないが、当該条文に「外国」が含まれ
る経緯及び趣旨を踏まえれば、そのような公然実施も新規性判断の基礎となるものと解される。なお、特許法第
29条第1項第2号に限らず、今回検討している制度的措置の影響が及ぶ条文の有無と、当該条文に対する制度
的措置の要否については、引き続き検討する。
(参考)「公然実施をされた発明」について
特許法第29条第1項各号には、新規性を有していないため特許を受けることができない発明について列記されているところ、第2号
には「特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明」が規定されている。ここでいう、「公然実施」とは、発明者又
は出願人のために秘密にすべき関係のない人に公になった状態での実施を意味し、例えば、発明の「店での販売」や「製造工程におけ
る不特定者見学」が該当する。
平成11年の特許法等の一部改正により、交通手段のさらなる発達、インターネットをはじめとする情報通信の発展により、国外にお
ける公知・公用の事実の調査は現行法制定時に比べて容易となったことから、地理的基準を国内から、世界へと拡大した経緯がある。
14
御意見に対する対応の方向性
「実質的に国内の実施行為と認める要件」に関する御意見
2. 「発明の実施行為の『一部』が国内」の要件について、「発明の実施行為の『一部』 」の記載が
正確に何を示すか分かりづらい。
対応の方向性
✓ 今回の小委員会においては、複数の御意見をいただいた「発明の実施行為の『一部』が国内」の要件を中心に検
討を進める。
✓ 当該要件の「発明の実施行為の『一部』が国内」の記載は、従来より、「特許発明の実施行為を特許請求の範囲
の各構成要素に対応づけたとき、その『一部』の構成要素に対応する部分が国内で実施されていること」を意味
していたことを踏まえ、本頁以降では「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」と当該記載を明確化する。
「実質的に国内の実施行為と認める要件」に関する御意見
3. 「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件は不要ではないか。また、この要件を採
用する場合、「一部」の内容については、検討の余地があるのではないか。
対応の方向性
✓ 「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件について、まずは、その要否の検討を進めることとしたい。
✓ 「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件を採用した場合の「一部」の内容等については、本小委
員会での議論を踏まえて、次回以降の小委員会で考え方を整理していく予定。
15
御意見に対する対応の方向性
「実質的に国内の実施行為と認める要件」に関する御意見
4. 「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件の要否については、特許発明の構成要素の全部が海外で
実施されながら、日本で事業が展開されている事例を用いて検討すべきではないか。
対応の方向性
✓ 実質的に国内の実施行為と認める要件について、「発明の『技術的効果』と『経済的効果』が共に国内で発現して
いること」という要件に加えて、「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件が必要か否かを検討した。
✓ 当該検討をユーザーの実情とニーズに合った要件の検討とするべく、特許発明の構成要素の全部が海外で実施
されながら、日本で事業が展開されている2つの事例を用いて、以下の観点から検討を行った。
(1)特許権を行使可能となる請求項の範囲の違い(特許権者の立場)
(2)事業実施に伴うクリアランス調査(※1)負担の違い(事業実施者の立場)
(3)両者のバランスの検討
(※1)事業を実施するに際して行う、当該事業が他社の特許権を侵害していないかについての調査を意味する。
➢ 次頁以降に記載する検討(※2)を踏まえれば、以下の方向性が妥当ではないか。
✓ 実質的に国内の実施行為と認める要件には、「発明の『技術的効果』と『経済的効果』が共に国内で発現して
いること」という要件に加えて、「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件が必要である。
(※2)次頁以降に記載する検討
①
②
③
④
検討に用いる2つの想定事例の説明(技術内容、特許請求の範囲及び事業の態様)
想定事例について、(1)特許権を行使可能となる請求項の範囲の違いについての分析(特許権者の立場)
想定事例について、(2)事業実施に伴うクリアランス調査負担の違いについての分析(事業実施者の立場)
以上を踏まえて、 (3)②-③の分析結果の整理・検討
16
想定事例A:目的地への経路ナビゲーションシステム
特許発明の技術内容(太字下線が発明のポイント)
事業の態様
➢ 高価なグラフィック処理機能や膨大な地図データを備え
ていないユーザー端末でも、サーバーに現在位置を送る
ことで、目的地への経路案内情報を取得。
➢ 国内ユーザーは、効率的に目的地へ到達するため、
サーバーにアクセスすることで最適ルートを得る。
①現在位置の送信
②経路案内画像の生成
ユーザーの現在位置
ユーザー端末
サーバー
①現在位置の送信
②経路案内画像の生成
A処理による画像生成
(効率的に画像を生成)
③経路案内画像の受信、表示
想定される特許請求の範囲(クレーム)の2つのケース
<出願A1>【請求項1】(一部の構成要素が国内で実施)
互いに通信可能なユーザー端末とサーバーとを備えるナビゲーショ
ンシステムであって、
ユーザー端末は、・・・経路案内のための画像情報を表示する表示
手段と、を備え、
サーバーは、・・・A処理を施して前記画像情報を生成する、
ことを特徴とするシステム。
国内のユーザー端末
③経路案内画像の受信、表示
海外サーバー
※各出願における請求項の数は1つのみであることを仮定している。
<出願A2>【請求項1】(全ての構成要素が海外で実施)
・・・経路案内のための画像情報を生成する画像生成手段と、
を備え、
画像生成手段は、 ・・・A処理を施して前記画像情報を生成す
る、
ことを特徴とするサーバー。
➢ サーバー側の処理に発明の特徴があり、ユーザー端末は汎用的な端末装置(汎用PC等)を想定(左上図)。
➢ 事業として実施されるシステム全体としては、海外のサーバー及び国内のユーザー端末を含む(右上図)。
➢ サーバー側の処理のみに特徴を有するため、一般的には、出願A2の請求項1のようなサーバーに閉じたクレーム
(全ての構成要素が海外で実施されるクレーム)のみが作成されるケースが多い。
17
想定事例B:車両用豪雨注意喚起システム
特許発明の技術内容(太字下線が発明のポイント)
事業の態様
➢ 複数の車両の現在位置とワイパーの動作情報(ワイパー
の速さ等)から、豪雨が発生している地域を特定、豪雨
に関する地域情報を配信。
➢ 事業者は、国内ユーザーから得た情報を分析、豪
雨発生地域を特定する。
➢ 国内ユーザーは、リアルタイムに全国の豪雨に関
する地域情報を得る。
①ワイパー動作情報・
現在位置の取得・送信
②豪雨発生地域の特定
①ワイパー動作情報・
現在位置の取得・送信
ワイパー動作情報
ユーザー端末の現在位置
②豪雨発生地域の特定
情報収集・統計的に分析
ユーザー端末
サーバー
③豪雨に関する地域情報を受信
国内のユーザー端末
③豪雨に関する地域情報を受信
想定される特許請求の範囲(クレーム)の2つのケース
<出願B1>【請求項1】(一部の構成要素が国内で実施)
互いに通信可能なユーザー端末とサーバーとを備える豪雨注意喚起システムで
あって、
ユーザー端末は、車両のワイパーの動作情報と現在位置を対応付けて送信し、
サーバーは、 ・・・を統計的に分析することで、前記豪雨が発生している地
域を特定する、
ことを特徴とするシステム。
海外サーバー
※各出願における請求項の数は1つのみであることを仮定している。
<出願B2>【請求項1】(全ての構成要素が海外で実施)
車両が備えるワイパーの動作情報及び車両位置情報
を収集する収集部と、・・・とを備え、
・・・を統計的に分析することで、前記豪雨が発生
している地域を特定する、
ことを特徴とするサーバー。
➢
海外のサーバーと国内のユーザー端末の両方に発明の特徴がある(左上図)。
➢
事業として実施されるシステム全体としては、海外のサーバー及び国内のユーザー端末を含む(右上図)。
➢
一般的に、出願B1のようなユーザー端末を含むシステムクレーム(一部の構成要素が国内で実施されるクレーム)が作成され得るし、
出願B2のようなサーバー側の処理のみを切り出したクレーム(全ての構成要素が海外で実施されるクレーム)も作成され得る。
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(1)特許権を行使可能となる請求項の範囲の違いについての分析(特許権者の立場)
➢ 想定事例A、Bについて、以下の要件の2案で特許権を行使可能となる請求項の範囲の違いを整理する。
(要件案1)「技術的効果」及び「経済的効果」が国内で発現していること
(要件案2)「技術的効果」及び「経済的効果」が国内で発現していることに加え、「特許発明の構成要素の
『一部』が国内で実施」されていること
想定事例A:目的地への経路ナビゲーションシステム
想定事例B:車両用豪雨注意喚起システム
<出願A1>【請求項1】 (一部の構成要素が国内で実施)
互いに通信可能なユーザー端末とサーバーとを備えるナビゲー
ションシステムであって、
・・・ことを特徴とするシステム。
<出願B1>【請求項1】 (一部の構成要素が国内で実施)
互いに通信可能なユーザー端末とサーバーとを備える豪雨注意
喚起システムであって、
・・・ことを特徴とするシステム。
<出願A2>【請求項1】 (全ての構成要素が海外で実施)
・・・ことを特徴とするサーバー。
<出願B2>【請求項1】 (全ての構成要素が海外で実施)
・・・ことを特徴とするサーバー。
日本の特許権を
行使可能?
日本の特許権者
特許権者の立場から見て、要件案1
であればいずれの想定事例・出願の
ケースでも特許権が行使できるが、
「特許発明の構成要素の『一部』が
国内」の要件を含む要件案2は、
サーバーに閉じた請求項(A2、B
2)では特許権が行使できない。
日本の事業実施者
国内ユーザー
想定事例A
X国のサーバー
想定事例B
出願A1
出願A2
出願B1
出願B2
要件案1
○
○
○
○
要件案2
△(※)
×
○
×
※ 次回以降の小委員会で整理していく「特許発明の構成要素の『一部』」の考え方による。
特許権者による
事業者への権利行使:
可能
⇒ ○
不可能 ⇒ ×
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(2)事業実施に伴うクリアランス調査負担の違いについての分析(事業実施者の立場)
(参考) 「発明の『技術的効果』と『経済的効果』が国内で発現」のクリアランス調査における意義(要件案1,2共通)
➢ (前回の小委員会までで特段異論がない部分)日本の特許権は日本国内で効力を生じるものであるから、海外にサーバが設
置される場合等においても、特許発明の「技術的効果」と「経済的効果」が日本国内で発現している場合に限って権利行使
を認めるべき。
➢ 事業実施者(クリアランス調査を行う者)の立場からみると、実施事業において用いられる自社技術の「技術的効果」と
「経済的効果」が日本で発現しない場合には、日本の特許権(特許群)を侵害することはないため一律にクリアランス不要
と判断できる。
➢ 日本の特許権のクリアランスが必要な場合は、各特許発明(クレーム)と自社技術の対比に加え、各特許発明の技術的効
果・経済的効果を本願明細書・事業の実態等を踏まえて把握し、当該効果が日本国内で発現しているか精査が必要。
No
実施事業
自社技術A
自社技術B
自社技術C
調査対象
日本の関連特許権(特許群)
クリアランス調査不要
自社技術の
技術的効果・経
済的効果が日本
国内で発現?
※他国の特許権のクリアランス調査が
必要な場合はある
Yes
クリアランス調査必要
各関連特許権について、明細書等も参酌しつつ、例えば以下のクリアランス調査が必要となる。
・特許発明(クレーム)と自社技術の対比
・実施事業に関連し得る特許発明の技術的効果・経済的効果を具体的に把握
・実施事業に関連し得る特許発明の技術的効果・経済的効果が日本国内で生じているか検討
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「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」という要件を加える意義(クリアランス調査負担の軽減)
日本国内におけるクリアランス調査負担
➢ 要件案2におけるクリアランス調査手順をフローチャートとして示し、要件案1との違いを分析した。
(要件案1)「技術的効果」及び「経済的効果」が国内で発現していること
(要件案2)「技術的効果」及び「経済的効果」が国内で発現していることに加え、「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」されていること
実施事業の自社技術は、日本国内で
技術的効果・経済的効果が発現?
要件案1では
考慮されない部分
クリアランス調査不要
判断に迷う場合など、日本の特許権のクリアランス調査を行わざ
るを得ない場合も発生し得る(Yesに進む)
※この場合の分析について、23頁を参照。
Yes
クリアランス候補のクレームの
一部が日本国内で実施?
Yes
No
ユーザー端末を含む
システムクレーム等
* 事例A、Bにおける出願
A1、出願B1の請求項1
No
クリアランス調査対象から
形式的に除外可能
サーバーに閉じたクレーム等
* 事例A、Bにおける出願A2、
出願B2の請求項1
クリアランス候補の関連特許権それぞれに対して、例えば以下のクリアランス調査が必要となる(前頁参照)。
・各特許発明(クレーム)と自社技術の対比
・明細書等を踏まえた特許発明の技術的効果・経済的効果を具体的に把握
・特許発明の技術的効果・経済的効果が日本国内で生じているか検討
✓ 要件案2は、クレームから形式的にクリアランス調査対象を限定することで負担軽減可能(点線枠囲い部分)。
✓ 特にネットワーク関連発明の越境侵害の場合、クレームとの対比以外に、特許発明の技術的効果・経済的効果
を精査する等の負担も生じ、関連特許一件あたりのクリアランス負担も大きくなり得るため、その前段階でク
リアランス調査対象を形式的に除外可能とする要件案2の意義は大きい。
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「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」という要件を加える意義(クリアランス調査負担の軽減)
他国が同様の制度を導入した場合のクリアランス調査負担
➢ 日本において「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件を採用しておくことによって(要件案2)、
他国(A国)が日本と同様の制度を導入した場合にも、クレームから形式的にクリアランス調査対象を限定するこ
とができるため(下記点線枠囲い部分)、事業実施者の他国(A国)におけるクリアランス調査負担を軽減可能。
No
実施事業の自社技術は、A国内で
技術的効果・経済的効果が発現?
要件案1では
考慮されない部分
判断に迷う場合など、A国の特許権のクリアランス調査を行わざ
るを得ない場合も発生し得る(Yesに進む)
※この場合の分析について、23頁を参照。
Yes
クリアランス候補のクレームの
一部がA国内で実施?
Yes
クリアランス調査不要
ユーザー端末を含む
システムクレーム等
* 事例A、Bにおける出願
A1、出願B1の請求項1
No
クリアランス調査対象から
形式的に除外可能
サーバーに閉じたクレーム等
* 事例A、Bにおける出願A2、
出願B2の請求項1
クリアランス候補の関連特許権それぞれに対して、例えば以下のクリアランス調査が必要となる。
・各特許発明(A国語で記載のクレーム)と自社技術の対比
・A国語で記載の明細書等を踏まえた特許発明の技術的効果・経済的効果を具体的に把握
・特許発明の技術的効果・経済的効果が日本国内で生じているか検討
✓ 特にネットワーク関連発明の越境侵害の場合、1つのサーバーに複数国から接続されることもあるところ、日
本と同様の制度を導入した複数の国それぞれでクリアランス調査対象を形式的に除外可能である意義は大きい。 22
「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」という要件を加える意義(クリアランス調査負担の軽減)
(参考)クリアランス調査負担の観点から特に配慮すべき場合
➢ 日本向けの事業において日本の特許権のクリアランス調査を行うのは当然としても、他国向けの事業で日本のユー
ザーも一定数いる場合で技術的効果・経済的効果が日本国内で発現しているか否か判断に迷う場合(下図)など、
日本の特許権のクリアランス調査を行わざるを得ない場合も発生し得る(21頁のフローチャート参照)。
➢ さらに、他国が同様の制度を導入した場合には、それぞれの国の特許権について同様のクリアランス負担が生じ得
る(22頁のフローチャート参照)。
➢ しかしながら、クリアランス調査は一般的に負担が大きく、特に中小企業やスタートアップ等の人的・資金的・時
間的リソースの限られる企業にとって多大な負担となる(特にネットワーク関連発明の場合、技術的効果・経済的
効果の把握・発現地の検討など、1件あたりクリアランス負担も増加し得る)。
➢ 「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件を設けることで、サーバーに閉じたクレーム等は定型的に
クリアランス調査対象外とでき、クリアランス調査負担を軽減することには意義があるのではないか。
✓ サーバーを、X国に配置。
✓ 当該サーバーを用いて、A国向けの事業を実施。
✓ 結果的に極めて少数の日本のユーザーが存在し
たとしても、技術的効果・経済的効果が日本国
内で発揮していることには、通常ならない。
日本で技術的効果・経済
的効果が発現している?
配置・事業に
使用
A国で技術的効果・経済的効果が発現
⇒A国の特許のクリアランス調査は必要
日本の事業実施者
極めて少数といえるか等、
判断に迷う場合
日本の特許権
クリアランス調査を行わざるを得ない
A国の特許権
少数の日本のユーザー
X国のサーバー
多数のA国のユーザー
23
(3)特許権の行使が可能な範囲とクリアランス調査負担のバランスの検討
➢ 17-23頁において事例を用いて検討を行った結果を表形式で整理した。
➢ 比較検討を行った結果、日本の事業実施者によるクリアランス調査が過度な負担とならないようにするという観
点から、特に中小企業・スタートアップ等をはじめとする日本国内の企業(ユーザー)の実情とニーズに合った
要件として、「発明の『技術的効果』と『経済的効果』が共に国内で発現していること」という要件に加えて、
「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件も採用することが適切ではないかと考えられる。
要件
技術的効果が
国内で発現
経済的効果が
国内で発現
分析
特許発明の
構成要素の
一部が
国内で実施
特許権の行使が可能な範囲
(特許権者側)
クリアランス調査負担
(事業実施者側)
広い(※)
案1
○
○
×
大きい
特許発明の構成要素の全てが国
外で実施されるクレーム(サー 特許発明の構成要素の全てが国外
バーに閉じたクレームなど)で で実施されるクレームも調査対象。
あっても権利行使可能。
狭い
案2
○
○
○
小さい
特許発明の構成要素の一部が国
特許発明の構成要素の一部が国内
内で実施されるクレーム(ユー
で実施されるクレームのみが
ザー端末を含むシステムクレー
調査対象。
ムなど)であれば権利行使可能。
(※)事務局で調査した限りにおいて、諸外国(米国、英国、ドイツ、フランス、中国、韓国等)で、「特許発明の構成要素の全部」が
国外で実施されているにも関わらず、特許侵害が認められたネットワーク関連発明の終局判決は確認されていない。
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御議論いただきたい論点
検討の進め方及び留意点について
➢ 今次小委員会では、第51回特許制度小委員会でいただいた御意見に対する対応の方向性をお示しした
ところ。当該方向性について御意見をいただきたい。
実質的に国内の実施行為と認める要件について
➢ 特に、御意見を多くいただいた実質的に国内の実施行為と認める要件のうち、「特許発明の構成要素
の『一部』が国内で実施」の要件については、ユーザーの実情とニーズに合った検討を行うべく、特
に「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件の要否の観点から整理を行った。
➢ 先の頁に示した整理の結果、特に中小企業・スタートアップを含む日本の事業実施者によるクリアラ
ンス調査が過度な負担とならないようにするという観点から、「発明の『技術的効果』と『経済的効
果』が共に国内で発現していること」という要件に加えて、「特許発明の構成要素の『一部』が国内
で実施」の要件も採用することが適切ではないか。
➢ なお、「特許発明の構成要素の『一部』が国内で実施」の要件を採用した場合の「一部」の内容等に
ついては、本小委員会での議論を踏まえて、次回以降の小委員会で考え方を整理していく予定。
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次回の特許制度小委員会について(予定)
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次回の特許制度小委員会について(予定)
➢ 開催予定日時
令和7年4月~5月頃を想定。
➢ 御議論いただく内容
• AI技術の発達を踏まえた特許制度上の適切な対応及び国際的な事業活動におけるネットワーク関
連発明等の適切な権利保護について、引き続き御議論いただく予定。
※その他、御審議いただく必要がある議題が生じた場合には、議題を追加させていただきたい。
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