議事要旨
。
産業構造審議会 知的財産分科会 第47回特許制度小委員会 議事要旨
1. 日時・場所
日時:令和4年9月26日(月曜日) 16時00分~18時00分
場所:特許庁特別会議室(特許庁庁舎16階)+Web会議室
2. 出席者
蘆立委員、淺見委員、伊東委員、相良委員、杉村委員、杉山委員、鈴木委員、玉井委員長、田村委員、長澤委員、中島委員、中畑委員、萩野委員、松山委員、山本委員
3. 議題
(1)当面の検討課題について
(2)一事不再理の考え方の見直しについて
(3)送達制度の見直しについて
(4)書面手続デジタル化について
4. 議事内容
事務局より、資料1に沿って、説明が行われた。
議題について、自由討議が行われた。
事務局より、資料2に沿って、説明が行われた。
議題について、自由討議が行われた。
事務局より、資料3及び4に沿って、説明が行われた。
議題について、自由討議が行われた。
事務局より、資料5及び6に沿って、説明が行われた。
議題について、自由討議が行われた。
以上
[更新日 2022年10月3日]
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資料1
産業構造審議会知的財産分科会
第47回特許制度小委員会
議事次第・配布資料一覧
日
時:令和4年9月26日(月)16時00分開会
会
場:特許庁庁舎16階特別会議室+Teams会議室
(議事次第)
1.開会
2.当面の検討課題について
3.一事不再理の考え方の見直しについて
4.送達制度の見直しについて
5.書面手続デジタル化について
6.閉会
(配布資料)
議事次第・配布資料一覧
委員名簿
資料1 当面の検討課題
資料2 一事不再理の考え方の見直し
資料3 送達制度の見直し
資料4 新型コロナウイルス等の影響に対応した公示送達の見直し
資料5 書面手続のデジタル化に向けた関係手続整備
資料6 優先権証明書のオンライン化のための規定整備
資料2
令和4年9月26日
第47回特許制度小委員会
産業構造審議会
知的財産分科会
特許制度小委員会
委員名簿
淺見
節子
明治大学専門職大学院法務研究科
客員教授
蘆立
順美
東北大学大学院法学研究科
伊東
正樹
一般社団法人日本知的財産協会
理事長/
株式会社豊田自動織機知的財産部
部長
教授
相良
由里子
中村合同特許法律事務所
パートナー弁護士
杉村
純子
プロメテ国際特許事務所
代表弁理士
杉山
悦子
一橋大学法学部法学研究科
教授
鈴木
賴子
日本製薬工業協会
知的財産委員/
アステラス製薬株式会社法務部
委員長
玉井
克哉
知的財産担当部長
東京大学先端科学技術研究センター
信州大学経法学部
教授
田村
善之
東京大学大学院法学政治学研究科
長澤
健一
日本経済団体連合会知的財産委員会
キヤノン株式会社
教授/
教授
専務執行役員
企画部会長/
知的財産法務本部長
経済安
全保障統括室長
中島
基至
東京地方裁判所(知的財産権部)
部総括判事
中畑
稔
One ip 弁理士法人
代表パートナー弁理士
萩野
源次郎
大和合金株式会社
代表取締役社長
松山
智恵
TMI 総合法律事務所
山本
敬三
京都大学大学院法学研究科
パートナー弁護士
教授
(敬称略、五十音順)
資料3
資料1
当面の検討課題
産業構造審議会知的財産分科会 第47回特許制度小委員会
令和4年9月26日
特許庁政策推進懇談会について
問題意識
• 近年の様々な技術革新は、デジタルとリアルが融合した新領域でのビジネス創出の可能
性を広げている。他方で、デジタル化・グローバル化の進展により、日本企業は厳しい
競争環境にさらされており、一層厳しい状況となっている。
• 大企業に加え、中小企業・スタートアップ、大学等の知財活用の更なる促進が喫緊の政
策課題である。イノベーションの促進、日本企業の競争力強化に向けて、これらの環境
の変化や新たな課題に対応した知的財産制度に改善するとともに、支援の在り方につい
ても検討し、中小企業・スタートアップ・大学を含むユーザーの利便性を一層高める必
要がある。
• あわせて、特許庁自身も一層のデジタル化による効率的な業務に取り組んでいく必要が
ある。
⇒
令和4年4月に有識者からなる特許庁政策推進懇談会を立ち上げ、5回開催。
同年6月30日に、報告書をとりまとめ。
特許庁政策推進懇談会で示された、知的財産政策に関する今後の検討の
方向性等も踏まえつつ、各論点について、産業構造審議会知的財産分科
会の各小委員会において、ご議論いただく。
1
当面の検討課題
特許制度小委員会
(参考)意匠制度小委員会
• 一事不再理
• 新規性喪失の例外適用手続
• 手続関係(オンライン送達、公示送達、優先権証明書
オンライン化、書面手続デジタル化)
(参考)商標制度小委員会
• 「実施」の定義
• 他人の氏名を含む商標
• 裁定における営業秘密等関係書類の閲覧制限
• コンセント制度
• ライセンス促進策
• e-Filing納付
等
等
等
※書面手続デジタル化等、意匠・商標に関わる論点については、意匠制度小委員会及び商標制度小委員会において
も報告予定
※SaaSサービスに対応した特許の「実施」の定義に関しては、訴訟係属中の事件に係る論点であることを踏まえ、
今年度は調査研究を実施予定
当面の進め方
• 月1回程度の開催(予定)
• 議論が深まった論点については、適時に方向性をとりまとめる
2
資料4
資料2
一事不再理の考え方の見直し
産業構造審議会知的財産分科会
令和4年9月26日
第47回特許制度小委員会
一事不再理効について
一事不再理効に関する規定
(審決の効力)
第百六十七条 特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときは、当事者及び
参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。
同
一
人
に
よ
る
請
求
審決
(特許維持)
審決確定
無効審判請求①
無効審判請求②
一事不再理効
発効
同一の事実及び同一の証拠
では請求できない
1
特許庁政策推進懇談会における議論の契機
無効審判の蒸返しや一事不再理に対する議論・意見
過去の審議会における議論
➢ 平成22年度の知的財産政策部会において、同一人による複数の無効審判請求の禁止につい
て議論された。
➢ 制度濫用的な請求については、何らかの形で制限をすべきという意見があった一方で、新
たな証拠や理由に基づく正当な無効審判請求まで制限すべきではないといった意見もあり、
現行制度(特許法第167条)を現時点で変更する必要はないが、引き続き検討すべきとされた。
無効審判の蒸返しに関する報道
➢ 大企業が中小企業に対して複数の無効審判を請求しているとして、大企業が「係争期間を引
き延ばす“兵糧攻め”をしている」との報道がされた。(2021年10月1日DIAMOND online)
➢ 正当な2回目以降の無効審判請求については許されるべきであるものの、審決の蒸返しとなるよう
な無効審判については、これを抑止するための手当が必要ではないか。
➢ 特に、審決確定後に同内容の無効審判請求を防止する一事不再理効について、紛争の一回的解決
の観点から、なお検討する必要があるのではないか。
特許庁政策推進懇談会において、一事不再理効の考え方について議論を行った。
2
同一請求人による2回目以降の特許無効審判請求について
➢ 同一の特許権に対して同一人が請求した2回目以降の無効審判127件(2017~2021年請求※)に
おいて、最初の無効審判が確定した後に請求されたものは40件。
※2017~2021年の特許無効審判の請求件数は合計660件(特許行政年次報告書2022年版)
➢ 最初の無効審判の審決確定後に再請求された40件のうち、大企業が中小企業を相手に請求している
ものは2件のみ。いずれも同一の事実及び同一の証拠に基づいて請求しているもの(いわゆる蒸返
しにあたるもの)ではない。
2回目以降の無効審判請求時における
最初の無効審判の状態
最初の無効審判の審決確定後に
再請求された事件(40件)を分析したもの
一事不再理効が働く
可能性のあるもの
(審決確定後に
再請求された事件)
最初の無効審判の審決確定後に再請求された
2回目以降の無効審判(40件)の状況内訳
・無効又は訂正後に権利維持:11件
(内1件は審決取消訴訟係属中、1件は審決後の出訴可能期間中)
・訂正無しで権利維持
:16件
・一事不再理により審決却下: 1件
・取下げ
:10件
・審理中
: 2件
※2022年9月7日時点特許庁調べ
※AvsBは、Aが請求人の、Bが被請求人の属性を表す
※グラフに用いたデータについて
・延長登録無効審判は含まない
・請求人が複数の場合には、1つの審判事件番号について請求人分の件数としてカウントしている
・請求人、被請求人の属性については、中小企業基本法第2条第1項の基準を用い、各企業のHPで公
開されている資本金及び従業員数を目視で確認し、分類した。
(調査時点での資本金及び従業員数であるため、審判請求時における状況とは異なる可能性がある。
また、各企業の主たる業種を正確に特定することは困難な場合もあり、必ずしも正確ではない可能
性がある。)
・2022年5月17日時点特許庁調べ
3
特許庁政策推進懇談会での一事不再理効の客観的範囲についての議論
検討課題
特許庁政策推進懇談会においては、以下のような点について議論がなされた
➢ 大企業が中小企業に対して、蒸返し的な無効審判請求を繰り返しているのではないか?
➢ 現状の特許法167条の規定は、紛争の蒸返し防止規定としては十分ではないのではないか?
➢ 紛争の一回的解決を目的として、一事不再理効の客観的範囲を拡張するべきではないか?
議論の内容
➢ データ上、大企業が中小企業に対して蒸返し的な無効審判請求を繰り返しているという事実
は見あたらなかった。
➢ 特許法167条の「同一の事実及び同一の証拠」という文言が非常に狭い印象を与えるという
意見があったが、一事不再理効の認められる範囲を拡張することについては、企業ユーザー
などから、裁判例で認められた範囲よりも一事不再理効の客観的範囲を大幅に拡張すべきで
はないという意見が出された。
とりまとめ
一事不再理の考え方については、現行の条文でも裁判所の運用で、ある程度の対応がなされてい
るという意見(複数の実務者)や、「同一事実・同一証拠」という極めて限局的なケースでなけ
れば再度の無効審判請求が許されているというのは、一回的解決や行政コストの面から問題があ
るという意見が出された。特許権者側と請求人側のバランスに留意しながら、現行運用の評価も
踏まえつつ、法改正の在り方について検討を深める必要がある。
4
現状における一事不再理効の客観的範囲のイメージ
現状は、同一の事実及び実質的に同一の証拠の範囲(A+B)で一事不再理効が認められている。
➢ 同一の事実及び実質的に同一の証拠(周知技術文献の追加など)に基づいて再請求された場合に一事不再理効を認めた裁判例は
複数存在する。
➢ 審判における実務でも、同一の事実及び実質的に同一の証拠に基づいて再請求された場合には、一事不再理として却下している。
実質的に
同一の証拠
①特許法167条の文字通りの範囲(A)
同一の事実
B
同一の証拠
A
②同一の事実及び実質的に同一の証拠
の範囲(A+B)
・裁判例、現状の審判実務で一事不再理と
なる範囲
⚫ 一事不再理効の客観的範囲については、紛争の一回的解決の観点から、
これを拡張すべきとの意見がある。
⚫ 他方、大幅に拡張すべきではないという意見もある。
5
(参考)証拠が追加された場合に再度の請求を制限した裁判例
➢ 東高判平16.3.23(平15(行ケ)43 号、無効 2002-35031) ろう付け方法事件
一般技術常識を証明すべき証拠を、同一の事実に基づく後の審判において提出することは許されない
※甲1~甲3(先の審判で提出された証拠)に記載の発明を当業者が組み合わせることができたという事実を立証すべく、一般技術常識を証
明しようとしたが、同一の事実を証明しようとするものにすぎないとされた
➢ 知財高判平26.3.13(平25(行ケ)10226 号、無効 2013-890005) KAMUI事件(商標)
無効審判請求においては、「同一の事実」とは、同一の無効理由に係る主張事実を指し、「同一の証拠」
とは、当該主張事実を根拠づけるための実質的に同一の証拠を指すものと解するのが相当である。そして、
同一の事実(同一の立証命題)を根拠づけるための証拠である以上、証拠方法が相違することは、直ちに
は、証拠の実質的同一性を否定する理由にはならないと解すべき
➢ 知財高判平 28.9.28(平 27(行ケ)10260 号、無効 2015-800069)ロータリーディスクタンブラー錠事件
(平成23年法改正で特許法167条の第三者効が廃止されたことを踏まえると)「同一の事実及び同一
の証拠」ついて狭義に解するのは、紛争の蒸し返し防止の観点から相当ではない。・・・確定した前件審
決と主引用例が同一であり、まして、多数の副引用例も共通し、証拠を一部追加したにすぎない本件審判
の請求は、「同一の事実及び同一の証拠」に基づくものと解するのが、前記アの特許法167条の趣旨に
かなうものというべき
6
(参考)特許法167条の「同一の事実及び同一の証拠」に関する他の裁判例
「同一の事実」及び「同一の証拠」について判示した裁判例
➢ 知財高判令2.6.11(令元(行ケ)10077 号、無効 2017-800134)平底幅広浚渫用グラブバケット事件
無効審判請求において,「同一の事実」とは,同一の無効理由に係る主張事実を指し,「同一の証
拠」とは,当該主張事実を根拠づけるための実質的に同一の証拠を指すものと解される。
主引用発明に組み合わせる公知技術又は周知技術が実質的に異なれば無効理由は異なると述べた裁判例
➢ 知財高判平27.8.26(平26(行ケ)10235 号、無効 2014-800045)洗浄剤組成物事件
特許発明と対比する対象である主引用例に記載された主引用発明が異なれば,特許発明との一致点及
び相違点の認定が異なることになり,これに基づいて行われる容易想到性の判断の内容も異なること
になるのであるから,主引用発明が異なれば,無効理由も異なることは当然である。・・・主引用発
明が同一であったとしても,主引用発明に組み合わせる公知技術又は周知技術が実質的に異なれば,
発明の容易想到性の判断における具体的な論理構成が異なることとなるのであるから,これによって
も無効理由は異なるものとなる。よって,特許発明と対比する対象である主引用例に記載された主引
用発明が異なる場合も,主引用発明が同一で,これに組み合わせる公知技術あるいは周知技術が異な
る場合も,いずれも異なる無効理由となるというべきであり,これらは,特許法167条にいう「同
一の事実及び同一の証拠」に基づく審判請求ということはできない。
7
(参考)審判便覧における一事不再理についての記載
審判便覧30―02 一事不再理 3.同一事実、同一証拠
(1) 同一事実
同一事実とは、無効、取消審判において無効、取消事由として主張する事実が同一であることをいう
(注2.、3.)。
例えば、確定審決が、本件考案が刊行物記載の考案と同一であるとの請求理由についてされたものであ
るのに対し、本件考案が同じ刊行物記載の考案からきわめて容易に考案をすることができたものであると
いう請求理由による審判の請求は、異なる事実に基づく審判の請求とされる(注4.)。
(2) 同一証拠
同一証拠とは、同一性のある証拠の意味である。
したがって、証拠自体が異なっていても、内容が実質的に同一である場合には同一証拠と解される(注
5.、9.)。
また、同一刊行物であっても、引用部分を異にし、立証しようとする技術内容が異なる場合には同一証
拠であるとはいえない(注2.)。
なお、特§167に関する審決又は裁判例のうち、後の無効審判請求で初めて提出された証拠を新証拠と
認めなかったものがある(参考1、2)。
(参考1)知財高判平 18.4.11(平 17(行ケ)10467 号、無効 2004-80180)
(参考2)東高判平 16.3.23(平 15(行ケ)43 号、無効 2002-35031) ※参考1,2の判決文抜粋部分は省略
(注)
2. 東高判昭 44.6.28(昭 39(行ケ)161 号)取消集昭 44 年 393 頁
3. 東高判昭 54.2.28(昭 46(行ケ)128 号)
4. 昭 45 審 3957 号(昭 50.4.2)、参考審判決集2号 281 頁
5. 大判大 9.10.19(大 8(オ)184 号)大審民判録 26 輯 1534 頁
9. 知財高判平 26.3.13(平成 25(行ケ)10226 号)
https://www.jpo.go.jp/system/trial_appeal/document/sinpan-binran/30-02.pdf
8
論点1
客観的範囲を拡張する必要はあるか?
➢ 請求人と被請求人とのバランスを考慮して、拡張する必要はあるか?
➢ 実質的に同一の事実及び実質的に同一の証拠の範囲(A+B+C)まで拡張してはどうか、との意見がある。
➢ 他方、ユーザーからは範囲を拡張することに慎重な意見がある。
実質的に
同一の証拠
実質的に
同一の事実
①特許法167条の文字通りの範囲(A)
同一の事実
B
同一の証拠
A
C
②同一の事実及び実質的に同一の証拠
の範囲(A+B)
・裁判例、現状の審判実務で一事不再理と
なる範囲
③実質的に同一の事実及び実質的に
同一の証拠の範囲(A+B+C)
・一の無効審判で審理可能であった範囲
(要旨を変更せずに請求の理由を補正可能
であった範囲)
➢ 実質的に同一の事実及び実質的に同一の証拠に基づいて再請求された場合(例えば、周
知技術が存在する事実を追加的に主張し、その事実を立証する証拠を提出した場合)に
一事不再理効を認めた裁判例は、現状把握されていない。
9
一の無効審判において審理可能な範囲(請求の理由を補正できる範囲)と
一事不再理効が認められる範囲との関係のイメージ
無効審判事件の中で請求の理由を補正できる範囲
無効審判①
周知技術文献の追加など(実質的に同一の証拠の範囲)の場合は、
請求の理由の補正が認められる。
請求の理由
(A)
(無効審判①の審決確定
後に請求された)
請求の理由
要旨変更とならない範囲
例えば、周知技術が存在する事実を追加的に主張し、その事実を立証
する証拠を提出する場合は、請求の理由の補正が認められる(周知事
実を追加的に主張立証することによって、主要事実の存否を判断する
のに必要な審理範囲が実質的に変更された結果、大幅な審理のやり直
しや権利者の実質的反論が必要となるようなときを除く)
要旨を変更する範囲への補正は認められない。
無効審判②
一事不再理効
が認められる
範囲
(A+B)
<現状運用の範囲>
現行制度下では、無効審判②の請求理由が、
無効審判①と同一の事実、実質的に同一の証拠である場合、
裁判例及び運用どちらも一事不再理として却下している。
一事不再理効
が認められる
範囲
(A+B+C)
<現状運用を少し拡張することを想定した範囲>
紛争の一回的解決の観点から、客観的範囲を大幅に拡張しない範囲で
拡張するとすれば、無効審判②の請求の理由が1件目の無効審判①で
補正可能な範囲(要旨変更とならない範囲)の場合に、一事不再理効
を認めてはどうか。
10
論点2
現状の客観的範囲を維持する場合、条文変更は必要か?
現状の客観的範囲を維持する場合、
(1)非常に狭いという印象を与えると指摘されている条文を変更する必要はあるか?
(2)裁判例や運用が確立されている現行条文を変更する必要は無いのではないか?
(1)に関する特許庁政策推進懇談会での意見
➢ 少なくとも「同一の証拠」という文言は狭すぎる。
➢ 本件が喫緊の課題とまでは思わないが、条文上疑義が残っているので立法するに越した
ことはない。
➢ 同一という文言が狭い印象を与えることは否めないが、仮に実質的同一というような言
葉に変えても、何が実質的同一である、でないという議論は残り、解釈上の難点は残る。
(2)に関する特許庁政策推進懇談会での意見
➢ 「同一事実・同一証拠」以外の審判請求は法で認められた権利でもあり、裁判所に任
せる形で運用にて対処していくこともある。
➢ 裁判例の解釈である程度解決できる。
➢ 5年間で40件程度が蒸返し的な無効審判請求と考えてみると、その程度の件数である
ならば法改正するのは少し疑問に思う。
11
対応の方向性案
案1
客観的範囲を請求の理由の要旨を変更しない範囲に拡張する案
紛争の一回的解決の観点から、客観的範囲を大幅に拡張しない範囲として、一の無効審判で審
理可能であった範囲(請求の理由の要旨を変更しない範囲)(A+B+C)まで拡張し、請求の
理由が「要旨を変更」するものとならない場合に、審判請求ができないように条文で規定する
➢
➢
特許法167条の「同一事実の事実及び同一の証拠」(昭和34年制定時以来)と要旨変更禁止(平成10年改正で特許法131条
に導入、平成15年改正により131条の2において規定)の関係を整理し、一回の無効審判の審理範囲(請求の理由の要旨を変
更しない範囲)で一事不再理効を働かせる
「請求の理由の要旨を変更」するものであるかどうかの判断は、特許法131条の2第2項における「請求の理由の補正がその
要旨を変更するものである」かどうかの判断と同様とする
案2(1)条文を審判実務・裁判例に合うような文言で明示的に規定する案
裁判例で示されているように、一事不再理効の客観的範囲が同一の事実及び実質的に同一
の証拠(A+B)であることを条文で明示的に規定する
案2(2)法改正せず現状の運用の更なる周知等で対処する案
現行運用においても、蒸返し的な審判請求の件数は少なく、客観的範囲についての裁判例も
蓄積されていることから、現行条文のままの運用で対処する
➢
裁判例に則した現状の運用を継続するとともに、審判便覧等で示された運用の更なる周知を行う。
12
各案のメリットとデメリット、検討事項
メリット
デメリット
検討事項
➢ 紛争の蒸返しを防止できる
範囲が広がる。
➢ 請求の理由の補正の要件と
同一の判断基準であり、案
2(1)と比べて予見性が
高い。
➢ 該当する裁判例がない。
➢ ユーザーからは範囲を拡張するこ
とに慎重な意見がある。
➢ 立法事実に乏しい。
➢ 左記デメリットの解消
が難しいのではないか。
案2
(1)
➢ 条文から受ける印象が現状
の審判実務及び裁判例と整
合する。(A+Bの範囲で
あることが明確になる。)
➢ 条文を「実質的に同一」というよ
うな文言に変更しても、不明確さ
➢
は残り、条文解釈に難点が生じる。
(現状の審判実務及び裁判例と整
➢
合させるように条文を変更したに
もかかわらず、意図したものと異
なる解釈が生ずる可能性があ
る。)
裁判例と条文とを整合
させることは可能か。
条文解釈に難点が生じ、
むしろ実務が混乱する
のではないか。
案2
(2)
➢ 裁判例が蓄積されているた
め、予見性が高い。
➢ 実務者からは現状の運用で
問題無いとの声が多い。
➢ 法改正に伴う実務の混乱を
招かない。
➢
➢ 現行条文の文言から、裁判例や運
用で確立されている一事不再理効
が認められる範囲(A+B)よりも
➢
狭い印象を持たれるおそれがある。
現行条文に法改正の根
拠となる程の、実質的
な弊害は存在するか。
現行運用の更なる周知
の必要性等あるか。
案1
上記のように、メリットとデメリットがあるものの、総合的に判断すると、
案2(2)(法改正せず現状の運用の更なる周知等で対処する案)としてはどうか。
13
(参考)政策推進懇談会における一事不再理に関する意見(1)
法改正すべき
➢ 一事不再理は、紛争の一回的解決という点から重要である。「同一の事実・同一の証拠」
という現行の文言については、第三者にも効力を及ぼしていた平成23年改正前に違憲の疑
いが指摘されていたこともあり、伝統的には厳格に解されていたもの。少なくとも「同一
の証拠」という文言は狭すぎ、特許法第131条の2の要旨の実質的同一の範囲にするとい
うのは、最低限必要な改正だと思う。その範囲では、審判プラス審決取消訴訟という1つ
の手続内で審理判断を尽くすべきであり、再度の審判を許容するべきではない。また、法
律を変えることなく、審判便覧等を変更することは、変更の趣旨が明らかでないため賛成
しない。
法改正を検討すべき
➢ 要旨同一の再請求を制限する法改正を検討してみて、問題があるようであれば運用で対処
するという方針が良いのでは。特許法第131条の2は要旨変更がなければ補正が許される
という規定なので、その範囲については再請求を遮断しても、一回の無効審判手続の中で
行えば良いのでは。
➢ 本件が喫緊の課題とまでは思わないが、条文上疑義が残っているので立法するに越したこ
とはない。
14
(参考)政策推進懇談会における一事不再理に関する意見(2)
法改正には慎重
➢ 多くの無効審判請求に対応するのは厳しいので、蒸返しを制限してほしいという意見は多
い。他方、「同一事実・同一証拠」以外の審判請求は法で認められた権利でもあり、裁判
所に任せる形で運用にて対処していくこともある。
➢ 裁判例の解釈である程度解決できる。
➢ 同一という文言が狭い印象を与えることは否めないが、仮に実質的同一というような言葉
に変えても、何が実質的同一である、でないという議論は残り、解釈上の難点は残る。主
引例が同一ならば副引例を差し替えても一事不再理効により遮断すべきとの意見について
は反対。最初の主引例と副引例に阻害要因があり進歩性が認められたが、阻害要因がない
副引例が別に存在する場合は、再度の請求を受け入れて欲しい。5年間で40件程度が蒸
返し的な無効審判請求と考えてみると、その程度の件数であるならば法改正するのは少し
疑問に思う。
➢ 蒸返しが好ましくないという点は賛成だが、蒸返しか否かの判断は難しい。紛争の一回的
解決の要請は、無効審判においては侵害訴訟ほど強く働かないのでは。権利者側に立つと、
無効審判は嫌だが、訂正により強い権利ができる機会ともなる。他方、侵害訴訟を起こさ
れたときは急いで無効審判を請求するが、英語以外の資料を調査するための期間を確保で
きないこともある。無効審判については制限しない方向で慎重に検討していく方向が良い。
➢ 一事不再理効の客観的範囲を大幅に拡大することについては慎重に考えたほうがいい。主
引例が同じだからといって、同じ証拠、同じ根拠というように見なされるのは厳しい。
15
資料5
資料3
送達制度の見直し
産業構造審議会知的財産分科会
令和4年9月26日
第47回特許制度小委員会
特許庁に対する手続及び特許庁からの書類発送について
➢ 出願人等は特許庁に対しオンラインまたは書面により手続を行うことが可能。
➢ オンラインにより手続をする場合、出願人等は事前に特許庁に電子証明書等を登録する必要が
あるほか、特許庁からの発送書類(出願人等が受け取る書類)について、オンラインで受領す
る(オンライン発送)か、郵送で受領する(書面による発送)かを選択することが可能。
➢ 書面により手続をした出願人等に対しては、特許庁からの発送書類は書面による発送となる。
出願人等
特許庁
<事前準備>
申請人情報の登録、
電子証明書の登録、
予納口座の登録等
オンラインまたは書面に
より補正命令等
を出願人等に発送
記録原本サーバ
特許庁に事前登録
受付サーバ
申請人DB
登録後
電子出願
出願関係
DB
電子手続
オンライン発送
システム
書面出願
書面手続
窓口・郵送
受理
書面の電子化
発送書類作成
審査官、方式審査専門官等
1
現状のオンライン発送
➢ 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(以下「特例法」という。)第5条において、
出願人等が使用する、電子計算機に備えられたファイルへの記録が完了した時点(下記フ
ロー図④)をもって、通知の相手方に発送書類が到達したものとみなすと規定(オンライン
発送)。
➢ 特許庁の受付サーバに発送書類が格納(下記フロー図⓪)されてから、10開庁日以内に発
送書類を受け取らない(=下記フロー図③を行わない)出願人等に対しては、紙により発送
(※)。
インターネット
出願人等
特許庁
受付サーバ
①発送書類存在確認
②発送待機件数通知
⓪発送書類格納
③受取件数指定
インターネット
出願ソフト
④発送書類送信
(特許庁が提供する無償
のコンピュータソフト。
以下出願ソフトという。
)
⑤受領確認通知送信
オンライン発送
システム
※ オンライン発送を希望しながらも10開庁日以内に書類をオンラインで受け取らず、紙発送となった
件数は37,353件であり、法令上オンライン発送が可能な書類の全発送件数1,220,406件のうち約
3.1%。(件数は2021年のもの。2022年8月15日時点特許庁調べ)
2
特許庁におけるオンライン発送(送達含む)見直しの方向性
➢ 特許庁では、従来よりオンライン発送を実施しているところ、リモートワークといった働き方
の変容への対応や行政のデジタル化の動きを踏まえ、オンライン発送可能な書類の拡大に向け
検討している。
➢ しかし、現行法上、オンライン発送は、出願人等が受け取らないと到達だけでなく発送の効力
も発生せず、不安定さを含んだ仕組みとなっている。また、オンライン発送書類を一定期間受
け取らない出願人等に対しては、送達の効力発生のため紙媒体で発送しているが、リモート
ワークにより紙発送を受け取れない場合も生じている。
➢ このため、令和4年民訴法改正の内容も踏まえつつ、書面による発送のコスト削減や簡易・迅
速な手続の実現を通じたユーザの利便性向上のため、オンライン発送制度の見直しを検討する
必要がある。
【制度見直しの基本的方向性】
⚫ 対象書類:オンライン発送可能な書類(特許法令上「送達する書類」とされているもの以
外の通知も含む)
※民訴法改正の対象は送達すべき書類であるが、特許庁においては、送達すべき書類以外
の通知についてもオンライン化しており、これらの通知についても同様の扱いとする。
⚫ 受付サーバ格納後一定期間経過しても発送書面を受け取らない者への紙発送を廃止
※オンライン発送書類の受領をしなくても、一定期間経過後に出願人等に到達したものと
みなす制度を導入
⚫ 対象者:①出願ソフトによるオンライン発送を希望する者
②代理人(代理を業として行う者に限る)(※改正後の民事訴訟法に倣い、
希望有無によらず対象とする)
⚫ 簡易・迅速な手続の実現とともに、コスト面についても十分に考慮
3
特許庁におけるオンライン発送(送達含む)見直し案の全体像
➢ 前ページ記載の見直しの方向性を踏まえ、以下の3案が考えられる。
➢ 案の決定にあたっては、出願人等への影響や特許庁のシステム改造にかかるコスト等を十分
に考慮する必要があり、特許庁政策推進懇談会では、案1が最も支持されたところ。
見直し案の全体像
見直し案
案1
案2
案3
出願人等への通知方法
書類の到達時期
出願人等が出願ソフトを立ち上げた時に、 出願人等の電子計算機に備えられた
特許庁の受付サーバに発送書類が格納さ ファイルへの記録が完了した時、
れた旨の通知が送付される。
又は
出願人等が出願ソフトを立ち上げた時に、 特許庁の受付サーバに発送書類が格
納された時から一定期間経過した時、
発送件数等の通知はせずに
のいずれか早い時に、発送書類が出
自動的に発送書類が送付される。
願人等に到達したものとみなす。
特許庁の受付サーバに発送書類が格納さ 出願人等の電子計算機に備えられた
れた(出願人等のファイルに記録が可能 ファイルへの記録が完了した時、
になった)旨、電子メールで通知される。 又は
特許庁の受付サーバに発送書類が格
納された旨のメール通知を受けてか
ら一定期間経過した時、
のいずれか早い時に、発送書類が出
願人等に到達したものとみなす。
4
特許庁におけるオンライン発送見直し案1
:インターネット出願ソフトによる書類を格納した旨の通知
➢ 出願ソフトを起動するタイミングで特許庁の受付サーバーに書類を格納した旨の通知がなされる(下記フ
ロー①)。
➢ 出願人等の電子計算機に備えられたファイルへの記録が完了した時(下記フロー図③)、又は特許庁の受付
サーバに発送書類が格納された時(下記フロー図⓪)から一定期間経過した時、のいずれか早い時に、発送
書類が出願人等に到達したものとみなす。
メリット
ユーザ
論点・課題
特許庁
⚫出願ソフト起動により自動的に
⚫ 紙発送書類が減少する
発送待機案件を通知される点で、 ⚫ 既存の出願ソフトを活用可能
頻繁に出願ソフトを立ち上げる
なため、(電子メールで通知
ユーザには利便性向上
をする案(案3)と比べ)通
⚫頻繁に出願ソフトを立ち上げる
知の不達や誤送信リスク及び
ユーザにとっては発送書類を受
不達の場合の救済措置対応や
領するタイミングをコントロー
電子メールアドレスの管理等
ル可能(現行に近い運用)
の業務負荷は無し
出願人等
出願ソフト
立ち上げ
インターネット
ユーザ
特許庁
⚫出願ソフトを起動しないでいる
と、気づかないうちに発送書類
の到達の効力が発生し、法定期
間、指定期間が過ぎてしまう可
能性がある
⚫出願ソフト上のシステム対応
(通知を送信するための改造)
が必要(改造コストは案3と比
較して小さい想定)
受付サーバ
特許庁
①書類格納通知
②受取案件指定
インターネット
出願ソフト
⓪発送書類格納
③発送書類送信
④受領確認通知送信
オンライン発送
システム
5
特許庁におけるオンライン発送見直し案2
:インターネット出願ソフト起動時の自動的な発送書類送付
➢
特許庁の受付サーバに発送書類が格納された後(下記フロー図⓪)、出願ソフトを起動するタイミングで、
自動的に書類が発送される(下記フロー図①)。
➢
出願人等の電子計算機に備えられたファイルへの記録が完了した時(下記フロー図①)、又は特許庁の受付
サーバに発送書類が格納された時(下記フロー図⓪)から一定期間経過した時、のいずれか早い時に、発送
書類が出願人等に到達したものとみなす。
メリット
論点・課題
ユーザ
特許庁
⚫出願ソフト起動により自動的に送
達/通知案件を送付されるため、
自ら確認をする必要がなくなる
⚫紙発送書類が減少する
⚫既存の出願ソフトを活用可
能なため、(電子メールで
通知をする案(案3)と比
べ)通知の不達や誤送信リ
スク及び不達の場合の救済
措置対応や電子メールアド
レスの管理等の業務負荷は
無し
出願ソフト
立ち上げ
出願人等
インターネット
出願ソフト
ユーザ
特許庁
⚫従来は発送書類の受領時期や1度
⚫出願ソフト上のシステム対応
に受領する件数を自ら制御するこ
(出願ソフト起動と同時に発
とができたが、出願ソフトを立ち
送書類を送信するための改
上げたタイミングで自動的に受領
造)が必要(改造コストは案
することとなるため、期間管理の
3と比較して小さい想定)
実務に影響があり得る
⚫出願ソフトを起動しないでいると、
気づかないうちに発送書類の到達
の効力が発生し、法定期間、指定
期間が過ぎてしまう可能性がある
インターネット
受付サーバ
①出願ソフト起動時に自
動で発送書類を送信
特許庁
⓪発送書類格納
②受領確認通知送信
オンライン発送
システム
6
特許庁におけるオンライン発送見直し案3
:電子メール通知(改正後の民事訴訟法と同様のイメージ)
➢
特許庁の受付サーバに発送書類が格納された(出願人等のファイルに記録が可能になった)旨電子メールで
通知を行う(下記フロー図①)。
➢
出願人等の電子計算機に備えられたファイルへの記録が完了した時(下記フロー図③)、又は特許庁の受付
サーバに発送書類が格納された旨のメール通知(下記フロー図①)を受けてから一定期間経過した時、のい
ずれか早い時に、発送書類が出願人等に到達したものとみなす。
メリット
論点・課題
ユーザ
特許庁
ユーザ
特許庁
⚫出願ソフト
の利用が希
な者にとっ
てメール通
知は利便性
向上
⚫ 紙発送書
類が減少
する
⚫ メール通知後一定期間経過後に、送達があったもの
とみなされるため、メールチェック等の管理業務が
発生し得る
⚫ メールシステムの不具合等による不達等のリスク有
り(※救済手続を導入した場合も申請等負担が発生
し得る)
⚫ 電子メールアドレスの管理負担が発生し得る
⚫新規のシステム対応が必要(※メール通知の手運
用は対応困難)であり、そのための改造コストは
大きい想定
⚫メール通知不達を想定した先方への送信確認がで
きる仕組みの導入、不達の場合の救済措置対応に
よる業務増が発生
出願人等
届出の
メールアドレス
インターネット
受付サーバ
特許庁
①メール通知
⓪発送書類格納
②受取案件指定
③発送書類送信
インターネット
出願ソフト
④受領確認通知送信
オンライン発送
システム
7
特許庁におけるオンライン発送見直しのメリット及び論点・課題比較
オンライン
発送案
メリット
論点・課題
ユーザ
特許庁
ユーザ
特許庁
案1
インター
ネット出願
ソフトによ
る書類を格
納した旨の
通知
⚫出願ソフト起動により自
動的に発送待機案件を通
知される点で頻繁に出願
ソフトを立ち上げるユー
ザには利便性向上
⚫出願ソフトを頻繁に立ち
上げるユーザにとっては
発送書類を受領するタイ
ミングをコントロール可
能(現行に近い運用)
⚫紙発送書類減少
⚫既存の出願ソフトを活用
可能なため、案3と比較
して、通知不達や誤送信
リスク、不達の場合の対
応やアドレスの管理等の
業務負荷は無い
⚫出願ソフトを起動しないでいると、気
づかないうちに発送書類の到達の効力
が発生し、法定期間、指定期間が過ぎ
てしまう可能性がある
⚫出願ソフト上のシステム対
応(通知を送信するための
改造)が必要(改造コスト
は案3と比較して小さい想
定)
案2
インター
ネット出願
ソフト起動
時の自動的
な発送書類
送付
⚫出願ソフト起動により自
動的に送達/通知案件を
送付されるため、自ら確
認をする必要がなくなる
⚫紙発送書類減少
⚫既存の出願ソフトを活用
可能なため、案3と比較
して、通知不達や誤送信
リスク、不達の場合の対
応やアドレスの管理等の
業務負荷は無い
⚫従来は発送書類の受領時期や1度に受
領する件数を自ら制御することができ
たが、出願ソフトを立ち上げたタイミ
ングで自動的に受領することとなるた
め、期間管理の実務に影響があり得る
⚫出願ソフトを起動しないでいると、気
づかないうちに発送書類の到達の効力
が発生し、法定期間、指定期間が過ぎ
てしまう可能性がある
⚫出願ソフト上のシステム対
応(出願ソフト起動と同時
に発送書類を送信するため
の改造)が必要(改造コス
トは案3と比較して小さい
想定)
案3
電子メール
通知(改正
後の民事訴
訟法と同様
のイメー
ジ)
⚫出願ソフトの利用が希な
者にとってメール通知は
利便性向上
●紙発送書類減少
⚫ メール通知後一定期間経過後に、送
達があったものとみなされるため、
メールチェック等の管理業務が発生
し得る
⚫ メールシステムの不具合等による不
達等のリスク有り(※救済手続を導
入した場合も申請等負担が発生し得
る)
⚫ 電子メールアドレスの管理負担が発
生し得る
⚫新規のシステム対応が必要
(※メール通知の手運用は
対応困難)であり、そのた
めの改造コストは大きい想
定
⚫メール通知不達を想定した
先方への送信確認ができる
仕組みの導入、不達の場合
の救済措置対応による業務
増が発生
8
現状の公示送達と改正の方向性
➢ 特許法第191条(同条を実用新案法第55条、意匠法第68条、商標法第77条で準用)において、送達を受ける
べき者の住所、居所、その他送達をすべき場所が知れないとき、準用する民事訴訟法第107条第1項の
規定により送達をすることができないときは、公示送達をすることができると規定。
➢ また、その公示送達は、官報及び特許公報に掲載するとともに特許庁の掲示場に掲載することにより行う
と規定。
○官報(特許公報も同様)
○特許庁の掲示(螺線階段の前の掲示板に掲示)
改正後の民事訴訟法第101条において、インターネットを用いた公示送達の方法が規定される予定のとこ
ろ、特許庁においても同様に方法を規定する。
※官報及び特許公報への掲載を廃止し、特許庁HPにおける掲載に代える想定。
9
参照条文
○工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(平成二年法律第三十号)
(電子情報処理組織による特定通知等)
第五条 経済産業大臣、特許庁長官、審判長又は審査官は、特許等関係法令の規定による通知又は命令であって経済産業省令で定
めるもの(以下「特定通知等」という。)については、経済産業省令で定めるところにより、電子情報処理組織を使用して行う
ことができる。ただし、特許等関係法令の規定によりその特定通知等を書類の送達により行うものとされている場合において、
当該特定通知等の相手方が、送達を受ける旨の経済産業省令で定める方式による表示をしないときは、この限りでない。
2 (略)
3 第一項の規定により行われた特定通知等は、第二条第一項の手続をする者又はその者の代理人の使用に係る電子計算機(特許
庁の使用に係るものを除く。)に備えられたファイルへの記録がされた時に当該特定通知等の相手方に到達したものとみなす。
4 第一項の規定により行われた特定通知等については、当該特定通知等を手続に係る書面の副本、処分に係る文書の謄本その他
の書類の送達等(送達又は送付をいう。以下同じ。)により行うものとして規定した特許等関係法令の規定に規定する書類の送
達等により行われたものとみなして、特許等関係法令の規定を適用する。
5 (略)
○特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)
第百九十一条 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないとき、又は前条において準用する民事訴訟法
第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることができないときは、公示送達をすることができる。
2 公示送達は、送達する書類を送達を受けるべき者に何時でも交付すべき旨を官報及び特許公報に掲載するとともに特許庁の掲
示場に掲示することにより行う。
3 公示送達は、官報に掲載した日から二十日を経過することにより、その効力を生ずる。
第百九十条 民事訴訟法第九十八条第二項、第九十九条から第百三条まで、第百五条、第百六条、第百七条第一項(第二号及び第
三号を除く。)及び第三項並びに第百九条(送達)の規定は、この法律又は前条の経済産業省令で定める書類の送達に準用する。
この場合において、同法第九十八条第二項及び第百条中「裁判所書記官」とあるのは「特許庁長官の指定する職員又は審判書記
官」と、同法第九十九条第一項中「郵便又は執行官」とあるのは「郵便」と、同法第百七条第一項中「場合には、裁判所書記
官」とあるのは「場合及び審査に関する書類を送達すべき場合には、特許庁長官の指定する職員又は審判書記官」と、「最高裁
判所規則」とあるのは「経済産業省令」と読み替えるものとする。
10
参照条文
○民事訴訟法(平成八年法律第百九号)
(送達場所)
第百三条 送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この節において「住所等」という。)においてす
る。ただし、法定代理人に対する送達は、本人の営業所又は事務所においてもすることができる。
2 前項に定める場所が知れないとき、又はその場所において送達をするのに支障があるときは、送達は、送達を受けるべき者が
雇用、委任その他の法律上の行為に基づき就業する他人の住所等(以下「就業場所」という。)においてすることができる。送
達を受けるべき者(次条第一項に規定する者を除く。)が就業場所において送達を受ける旨の申述をしたときも、同様とする。
(書留郵便等に付する送達)
第百七条 前条の規定により送達をすることができない場合には、裁判所書記官は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該
各号に定める場所にあてて、書類を書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二
条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便
の役務のうち書留郵便に準ずるものとして最高裁判所規則で定めるもの(次項及び第三項において「書留郵便等」という。)に
付して発送することができる。
一 第百三条の規定による送達をすべき場合 同条第一項に定める場所
二 第百四条第二項の規定による送達をすべき場合 同項の場所
三 第百四条第三項の規定による送達をすべき場合 同項の場所(その場所が就業場所である場合にあっては、訴訟記録に表れ
たその者の住所等)
2・3 (略)
11
資料6
資料4
新型コロナウイルス等の影響に対応した公示送達の見直し
産業構造審議会知的財産分科会
令和4年9月26日
第47回特許制度小委員会
公示送達制度の概要(現行制度)
在外者の特許管理人
➢ 日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない者(在外者)は、原
則、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(特
許管理人)によらなければ、手続等をすることができない旨規定(特許法8条1項
等)。
在外者に対する送達
➢ 在外者に特許管理人があるときは、特許管理人に送達しなければならない旨規定。ま
た、在外者に特許管理人がないときは、書類を航空扱いとした書留郵便等に付して発
送でき、その発送の時に送達があったものとみなす旨規定 (特許法192条等)。
公示送達
➢ 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないとき、又は民事
訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることが
できないときは、公示送達をすることができる旨規定(特許法191条1項等)。
1
現行制度:審判における送達の例
➢ 権利登録後に、在外の権利者と特許管理人との委任契約が終了している場合、被請求人である
在外の権利者に、航空書留郵便で審判請求書の副本・審決の謄本を送達する。
取消審判:通常の副本送達までの流れ
①商標登録までは、特許管理人を通じて手続
③数年後、取消審判請求があった際に、特許管理人が
いない場合(※)、副本を在外者である権利者に
送達する必要がある。
審判
請求書
出願人
在外者
代理人
(特許管理人)
特許庁
請求人
②設定登録後、委任契約終了等により
特許管理人不在
特許庁
権利者
(被請求人)
在外者
権利者
在外者
代理人
(特許管理人)
請求書
副本
航空書留郵便
で送達
(※)特許庁では、直ちに在外の権利者に対して請求書副本を送達す
るのではなく、手続の円滑化のため、直近の手続をした代理人
に対し、受任の意向を確認している。
2
現行制度:マドプロ制度(国際商標登録制度)における送達の例
➢ マドプロ出願においては、出願人と応答手続なく拒絶査定まで進む場合、特許管理人を置く必要性が発生
しない。この場合、海外出願人に航空書留郵便で拒絶査定を送達させる必要がある。
国内代理人がいる場合の拒絶査定確定までの流れ(オレンジの矢印)
海外出願人
国内代理人がいない場合の拒絶査定確定までの流れ(青の矢印)
暫定
拒絶
通報
特許管理人
暫定
拒絶
通報
意見書
補正書
拒絶
査定
代理人
受任届
国際事務局
国際
登録
暫定
拒絶
通報
指定
通報
暫定
拒絶
通報
国際
登録
暫定
拒絶
通報
指定
通報
暫定
拒絶
通報
指定国官庁
意見書
補正書
代理人
受任届
拒絶理由
が解消し
ない
拒絶
査定
拒絶
査定
応
答
手
続
な
し
(
代
理
人
な
し
)
拒絶理由が解消
しない
航空書留郵便
で送達
拒絶
査定
3
現行の公示送達制度の問題点
背景
➢ 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、2020年4月以降日本郵便(株)が一部の国・
地域宛ての航空便による郵便の引受停止(国際郵便の引受停止)をしたことにより、出願人
等が在外者であり、かつ特許管理人を選任していない出願人等への航空書留郵便等に付する
発送ができない状況が長期にわたり発生。その結果、在外の出願人等への審判請求書の副本
やマドプロ出願における拒絶査定の謄本等の送達ができず、国際郵便引受再開を待っている
状況。
➢ しかしながら、2022年3月、ウクライナ情勢により引受停止国が更にイギリス、フランス
、ドイツ等に拡大し、送達できない件数が大幅に増加(現在は一部解消)。
問題点
◆ ロシアやインドなどへの引受停止が継続し、国際郵便引受再開の目処が立っておらず、一
定量の未送達案件が生じている。
◆ 引受停止により審判請求書の副本・拒絶査定の謄本等が送達できないため、迅速な審理を
望む請求人の要望に応えられず、また最終処分が長期にわたり確定しないことで、後続の
審査に影響が生じている。
◆ 現状況が解消した場合でも、今後も同様なことが発生する可能性がある。
4
見直しの具体的な検討①
(1)現行公示送達制度(特許法191条等)との関係
特許法192条2項の規定に基づく航空書留郵便等に付する発送ができないとき、
191条に基づき公示送達をすることができるのか。
現行特許法191条1項は、送達を受けるべき者の住所等が知れないとき、又は民
事訴訟法107条1項(2,3号除く)の規定により送達をすることができないとき
(=送達を受けるべき者の住所等が分からず、就業場所へ送付したが還付されてき
た場合)に、公示送達をすることができる旨規定。
✓ 現在の在外者に送達が行えない状況は、在外者の住所等は知れているため、
特許法191条1項前段には該当しない。
✓ 民訴法107条1項の規定は、国内における送達についての規定と解されること
から、在外者への送達は該当しない。
現在の国際郵便引受停止による送達できない状況は、
現行特許法の公示送達の要件を満たさない。
5
見直しの具体的な検討②
(2)問題を解決するために、どのような公示送達制度とするべきか
公示送達について規定した特許法191条を改正し、国際郵便引受停止等の理由
により在外者に航空書留郵便等に付する発送ができないとき、公示送達をするこ
とができるようにしてはどうか。
• 現在発生しているような、戦争やコロナ禍の影響により現実に国際郵便の引受
が停止され、当該国に対して航空書留郵便等に付する発送ができないときを、
公示送達の要件とする。
ただし、公示送達は通常の送達手段ができない場合の最後の手段と考えるべ
きあるところ、国際郵便の引受停止の状況は短期間で解消される可能性もあ
る点を留意する。
• このため、192条2項の規定により、航空書留郵便等に付して発送をすること
が困難な状況が、長期間継続する(例えば6か月経過※)ことを、公示送達の
要件として付加することとする。
※民訴法110条1項4号では、外国における送達について当該国の管轄官庁等に嘱託を
発した後、6か月経過しても送達を証する書面の送付がない場合を公示送達の要件と
規定している。
6
(参考)引受停止国向けの引受再開待ち件数の推移
<マドプロ>
引受停止国向け滞留拒絶査定件数(推移)
400
362
350
324
302
287
300
250
2020年11月
豪の引受再開
200
150
126
91
100
91
104
116
118
93
102
211
215
190
168
137
129
242
2021年7月
イスラエル
の引受再開
2020年6月
欧州各国の引受再開
2022年7月
イタリア等
の引受再開
116
125
126 133
147
130
138
146
59
50
0
<審判>
多い時は30件近く発送保留としていたが、7月時点における引き受け再開待ちとしている案件は15件
令和4年8月20日時点特許庁調べ
7
(参考)想定される主な問題点(審判)
(1)副本について
審判請求書の副本を送達できないことで、権利者に答弁書の提出の機会を与え
ることができず、取消審判・無効審判の審理を開始することができない。
異議申立書の副本は送達書類ではないが、審理の結果、取消理由を通知する場
合は、権利者に意見書の提出の機会を与えねばならず、その時点で引受け再開に
なっていない場合、審理が滞留する。
(2)審決・決定について
取消審判・無効審判の審決が送達できないことで、審決の確定が遅れ、取消・
無効等の結論が確定せず、対世的に影響が生じる可能性がある。
異議申立ての決定についても同様である(加えて、異議申立ては、権利の早期
安定化を図る趣旨で設けられた制度であるため、迅速に手続を進めることが望ま
しい。)。
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(参考)商標の審査実務における問題(後願審査への影響)
• 送達不可案件(①)に類似する後願(②)があった場合、①の処分が確定するまで②の最終処分(登
録査定又は拒絶査定)ができない。
• ②に類似する更なる後願(③)があった場合も同様であり、数珠つなぎ的に類似する後願の最終処分
ができず停滞案件が発生し得る。
• ①の最終処分が未確定であることにより、類似する後願の出願人及び事前調査をするユーザーにとっ
て不利益が生じる可能性。
• 2022年3月末時点において、実際に後願の登録査定ができない案件が1件確認されている。
国際出願(特許管理人が選任されていない)
①
国際出願
②
類似する
後願
③
類似する
更なる
後願
④
類似する
更なる
後願
【拒絶査定】
【停滞案件】
【停滞案件】
【停滞案件】
②の処分が確定するま
で処理できない。
③の処分が確定するま
で処理できない。
送達不可案件
①の処分が確定するま
で処理できない。
審査の停滞案件が数珠つなぎ的に発生する!
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参照条文
○特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)
第百九十条 民事訴訟法第九十八条第二項、第九十九条から第百三条まで、第百五条、第百六条、第百七条第
一項(第二号及び第三号を除く。)及び第三項並びに第百九条(送達)の規定は、この法律又は前条の経済
産業省令で定める書類の送達に準用する。この場合において、同法第九十八条第二項及び第百条中「裁判所
書記官」とあるのは「特許庁長官の指定する職員又は審判書記官」と、同法第九十九条第一項中「郵便又は
執行官」とあるのは「郵便」と、同法第百七条第一項中「場合には、裁判所書記官」とあるのは「場合及び
審査に関する書類を送達すべき場合には、特許庁長官の指定する職員又は審判書記官」と、「最高裁判所規
則」とあるのは「経済産業省令」と読み替えるものとする。
第百九十一条 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないとき、又は前条において
準用する民事訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることができない
ときは、公示送達をすることができる。
2 公示送達は、送達する書類を送達を受けるべき者に何時でも交付すべき旨を官報及び特許公報に掲載する
とともに特許庁の掲示場に掲示することにより行う。
3 公示送達は、官報に掲載した日から二十日を経過することにより、その効力を生ずる。
第百九十二条 在外者に特許管理人があるときは、その特許管理人に送達しなければならない。
2 在外者に特許管理人がないときは、書類を航空扱いとした書留郵便等(書留郵便又は信書便の役務のうち
書留郵便に準ずるものとして経済産業省令で定めるものをいう。次項において同じ。)に付して発送するこ
とができる。
3 前項の規定により書類を書留郵便等に付して発送したときは、発送の時に送達があつたものとみなす。
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資料7
資料5
書面手続のデジタル化に向けた関係手続整備
産業構造審議会知的財産分科会
令和4年9月26日
第47回特許制度小委員会
書面手続のデジタル化の目的
➢ 特許庁に対する申請手続及び特許庁からの発送手続については、オンラインで行うことが
できないものが一定数存在。
➢ ユーザー手続のデジタル化等の障害となりうる状況となっており、これらの改善に向け、
『特許庁における手続のデジタル化推進計画』を令和3年3月31日に公表。
○特許庁に対する申請手続
総申請
件数
※デジタル化のため法改正が必要
約310万件
電子申請
可能な手続
(約300種類)
電子申請
できない手続
(約500種類)
○特許庁からの発送手続
総発送
件数
電子申請
約275万件
紙申請
約15万件
約20万件
例:新規性喪失の例外証明書
特許権移転に係る申請書 等
原則、全ての手続をデジタル化する方針
※省令改正にて対応
約395万件
オンライン発送
可能な手続
(約200種類)
オンライン発送
できない手続
(約800種類)
オンライン
発送
約95万件
紙発送
約20万件
約280万件
例:登録証
特許料領収書 等
発送件数やユーザーニーズが高い、登録証など
7種類の発送書類について先行してオンライン
発送が可能となるよう対応を進める
出典:特許庁 “特許庁における手続のデジタル化推進計画~ユーザーの利便性向上と業務最適化の両立に向けて~”
https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/document/tetsuzuki_digitalize/keikaku.pdf
をもとに、事務局にて図を加工。なお、件数は、2019年度のもの。
1
特許庁に対する申請手続のデジタル化の方法
➢ 特許庁に対する申請手続については、原則全てオンライン申請可能とする計画
であるが、その実現のためには、大規模なシステム改造と改造費用が発生する。
➢ このシステム及び費用の制約の中で計画実現を図るため、これまでのオンライ
ン申請とは別の電子形態(経済産業省令で定めることとし、具体的にはPDF形式
を想定している)にて受け付ける必要があるところ、この別形態の申請を受け付
けることに伴い閲覧等方法や電子化の方法に所要の法令改正を行う必要がある。
<特許庁に対する申請イメージ>
申請書類
オンライン申請
申請人
出願ソフト
(特許庁が提供する無
償のコンピュータソフ
ト。以下出願ソフトと
いう。)
特許庁
筆頭書類
(PDF)
送付票
(XML)
送付者の
情報等を入力
(出願ソフト
にて作成)
申請書類本体
例.移転申請書
添付書類
(PDF)
筆頭書類に
添付をする
書類(物件)
例.譲渡契約書
※従来のオンライン申請とは異なる形態。
2
書面手続のデジタル化の方向性
➢ 特許庁に対する申請手続のデジタル化に伴い以下の所要の法令改正を検討。
○電子化に関する改正
○閲覧・交付に関する改正
特許庁に対する申請手続に関する法令改正の方向性
○電子化に関する改正
PDFでの提出によりなされた手続を、書面で提出した場合と同様に特許庁システムにおいて処理可能
な形での電子化(変換)を行う対象とすべく、所要の措置を行う。
○閲覧・交付に関する改正
PDFで提出された申請書類も閲覧・交付請求を可能とすべく、所要の措置を行う。
※上記の他、相手方当事者に副本送達が必要な書類(無効審判請求書等)がPDFで提出された場合、PDFを
プリントアウトすることなく、PDFを記録したDVD等により副本送達が行えるための法令改正等を行う。
3
参照条文
○工業所有権に関する手続等の特例に関する法律
(書面に記載された事項のファイルへの記録等)
第八条 特許庁長官は、指定特定手続その他経済産業大臣、特許庁長官、審判長又は審査官に対する手続であっ
て経済産業省令で定めるもの(以下「指定特定手続等」という。)が書面の提出により行われたときは、指定
特定手続にあっては前条第一項の磁気ディスクに記録された事項を、それ以外の指定特定手続等にあっては当
該書面に記載された事項を、経済産業省令で定めるところにより、ファイルに記録しなければならない。
2 書面の提出により行われた指定特定手続等について前項の規定によりファイルに記録された事項は、当該書
面に記載された事項と同一であると推定する。
3~5(略)
(ファイルに記録されている事項を記載した書類の送達等)
第十条 特許庁長官、審判長又は審査官が手続に係る書面の副本又は処分に係る文書の謄本の送達等を行うもの
として規定した特許等関係法令の規定の適用については、その手続又はその処分についてファイルに記録され
ている事項を記載した書類は、当該書面の副本又は当該文書の謄本とみなす。
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資料8
資料6
優先権証明書のオンライン化のための規定整備
産業構造審議会知的財産分科会
令和4年9月26日
第47回特許制度小委員会
現行制度(パリ条約による優先権について)
[概要]
➢ パリ条約による優先権とは、第一国に出願した者が、その出願の内容について
優先期間内に第二国に出願をした場合に、第二国の出願の新規性・進歩性等が、
第一国に出願をした日(優先日)を基準に判断されるという制度(パリ条約第4条)。
➢
同一の発明を複数国に同時出願するためには、同時期に翻訳等の準備や各国ごとに
異なる出願手続への対応が必要となるから、出願人に負担が大きい。
パリ条約による優先権は、このような出願人の負担軽減のために設けられた。
優先権主張
第一国出願
第一国出願
A国
第二国出願
第二国出願
B国
複数国同時出願
優先日
優先期間(特許・実用新案:12か月
意匠・商標:6か月)
1
現行制度(優先権証明書の提出について)
➢ パリ条約による優先権を主張してJPOに出願する際には、出願人又はその代理人
(以下「出願人等」という。)は、第一庁(※1)で発行された優先権証明書につい
て、①書面により原本を提出する(特許法第43条第2項)ことを原則とし、
②世界知的所有権機関のデジタルアクセスサービス(DAS※2)等を利用した電子
的交換を行うことで、提出したものとみなされる(特許法第43条第5項)。
➢ 電子的交換ができない場合(※3)には、書面による原本の提出に限られる。
DAS
第一庁
第二庁としての
JPO
優先権
証明書
出願人等
優先権証明書提出件数(日本国特許庁に対する出願人からの提出件数。なお、括弧内
は電子的交換の割合)(2020年)
特許・実用 12,813件(86.6%)、意匠 6,424件(45.1%)、商標2,215件(0%)
(2022年4月7日時点特許庁調べ)
※1 優先権主張の基礎となる出願をした知財庁
※2 世界知的所有権機関のデジタルアクセスサービス(DAS)
DAS参加庁間で優先権証明書の電子的交換が可能。証明書の書面提出が不要となる。
※3 第一庁がDASに不参加の場合や、DASの対象外である商標登録出願の場合
2
現行制度の課題・検討案
[オンライン化の課題]
➢ 法令上、第一庁が書面で発行した証明書を出願人側で電子化したもの(写し)
及び第一庁が電子で発行した証明書そのものの提出が認められていない。
[検討案]
特許法等において、以下の必要な制度改正を行う。
➢ 優先権証明書の写しの提出を許容する。
➢ 優先権証明書のオンライン提出を可能とする。
※「特許法等」・・・特許法を準用する実用新案法・意匠法・商標法を含む。
3
参照条文
○特許法
第四十三条 (略)
2 前項の規定による優先権の主張をした者は、最初に出願をし、若しくはパリ条約第四条C
(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし、若しくは同条A(2)の規定により
最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の認証がある出願の年月日を記載した
書面、その出願の際の書類で明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲及び
図面に相当するものの謄本又はこれらと同様な内容を有する公報若しくは証明書であつてそ
の同盟国の政府が発行したものを次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内に特
許庁長官に提出しなければならない。
一~三 (略)
3~4 (略)
5 第二項に規定する書類に記載されている事項を電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その
他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)によりパリ条約の同盟国の政
府又は工業所有権に関する国際機関との間で交換することができる場合として経済産業省令
で定める場合において、第一項の規定による優先権の主張をした者が、第二項に規定する期
間内に、出願の番号その他の当該事項を交換するために必要な事項として経済産業省令で定
める事項を記載した書面を特許庁長官に提出したときは、前二項の規定の適用については、
第二項に規定する書類を提出したものとみなす。
6~9 (略)
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