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産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回

2022-11-22一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 第10回 資料

議事録

時・令和4年11月22日(火) 於・特許庁特別会議室+Teams会議室 産業構造審議会知的財産分科会 第10回商標制度小委員会速記録 特 許 庁 目 次 1.開 会 ……………………………………………………………………………1 2.議 事 ……………………………………………………………………………1 ① 他人の氏名を含む商標の登録要件緩和について ② コンセント制度の導入について ③ 送達制度の見直しについて ……………………………………………………………20 ④ 書面手続デジタル化について …………………………………………………………20 3.閉 会 ……………………………………1 ………………………………………………………5 ……………………………………………………………………………26 開 ○松本制度審議室長 会 定刻になりましたので、ただいまから産業構造審議会知的財産分科 会第10回商標制度小委員会を開会いたします。 本日は御多忙の中御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。 早速ではございますが、本日の議事進行につきましては田村委員長にお願いしたいと思 います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○田村委員長 ありがとうございます。議事に移る前に、委員の出席状況及び定足数等に つきまして事務局から御説明をお願いいたします。 ○松本制度審議室長 委員の皆様の出欠状況につきまして、本日は田村委員長、石井委員、 國分委員、齊藤委員、橋本委員におかれましては会議室から御出席、蘆立委員、井関委員、 大向委員、島並委員、高崎委員、宮川委員におかれましてはTeams会議室から御出席いた だいております。本日は商標制度小委員会に所属する11名の委員全員に御出席いただいて おりますので、産業構造審議会運営規程第13条6項に基づき、本日の委員会は成立となり ます。 続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。事前にデータでもお送りさせてい ただいておりますが、座席表、議事次第、配布資料一覧、タブレットの使い方についてお 手元に紙で配布させていただき、その他の資料についてはお手元のタブレットで御覧いた だければと存じます。タブレットの使い方についてお困りの場合には、お席で挙手いただ くなど合図していただければ、担当の者が対応いたしますので、よろしくお願いいたしま す。 続きまして、議事の公開について、本小委員会では新型コロナウイルス対応のため、一 般傍聴及びプレスの傍聴につきましては、ウェブ傍聴に限って可能としております。また、 配布資料、議事要旨及び議事録も原則として公開いたします。 事務局からは以上となります。 ○田村委員長 ありがとうございました。 議 ① 事 他人の氏名を含む商標の登録要件緩和について -1- ○田村委員長 それでは、議事に入ります。まず初めに資料1、他人の氏名を含む商標の 登録要件緩和について事務局から御説明いただき、その後質疑に移りたいと思います。事 務局からの御説明をよろしくお願いいたします。 ○根岸商標制度企画室長 商標制度企画室長の根岸でございます。他人の氏名を含む商標 の登録要件緩和について、資料1に基づき御説明させていただきます。 それでは、次の1ページを御覧ください。前回の商標小委において、他人の氏名を含む 商標に関する現行制度の課題を解決することについて御議論いただきました。前回のまと めとして、4条1項8号の趣旨である人格的利益の保護の下、出願人の商標登録を受ける 利益と他人の氏名に係る人格的利益とのバランスを調整し、8号の規定における他人の氏 名に一定の知名度の要件を課すという方向性について御了承いただきました。 他方、委員の皆様から、出願人の氏名に知名度の要件を課す必要はないものの、出願商 標の構成中に含まれる氏名と無関係な者による出願、悪意の出願等について懸念が示され、 出願人側にも何らかの要件を求めるべきではないか、との御指摘も頂きました。 この点について、前回小委で事務局が提案した原案のとおり、商標審査基準によって8 号以外の他の条文で対応可能か、それとも8号に出願人側の事情を考慮する文言を入れる べきか、事務局にて検討することになっていました。前回小委での御指摘等を踏まえ、事 務局で検討した結果について御報告します。 他の条文、主に3条1項柱書や4条1項7号により、出願商標中に含まれる氏名と無関 係な者による出願を拒絶できるかについて検討しましたが、商標審査基準によって対応す ることには限界があるという結論になりました。そのため4条1項8号について、他人の 氏名に一定の知名度の要件を課すことに加え、同号に出願人側の事情を考慮する文言を入 れる方向に事務局からの提案を改めました。 具体的には出願人が出願商標中に含まれる氏名を使用するに当たって、濫用的と認めら れる場合には、4条1項8号に基づく拒絶理由を通知する方向性としましたので、御確認 いただきたいと考えます。 2ページを御覧ください。他人の人格権保護を目的とする4条1項8号において、出願 人側の事情を考慮する趣旨について説明します。 他人が一定の知名度を有しない場合であっても、出願商標中に含まれる氏名と無関係な 者による濫用的な出願がなされた場合、他人の人格権が侵害されるおそれがあり得ます。 -2- 例えば、出願商標中に含まれる氏名と無関係な者が、他人への嫌がらせや先取りして商標 を買い取らせる目的で、氏名を含む商標を出願する場合には、当該他人が精神的苦痛を受 ける蓋然性が高いのではないかと考えます。 8号の規定において、濫用的な出願に係る出願人の商標登録を受ける利益を厚く保護す ることは必要性に乏しいと言えます。 また、濫用的な出願に関しては、出願人の商標登録を受ける利益を制限することで、他 人の氏名に係る人格的利益との調整を図ることは、8号の趣旨とも整合するものと考えま す。 なお、8号の趣旨は、他人の人格的利益を保護するというものであって、その趣旨を変 更するものではありません。 4条1項8号に係る見直しの内容を整理しますと、8号の条文に他人側の要件として当 該他人の氏名に一定の知名度の要件を課し、これに加え、他人の氏名を含む商標出願につ いて、出願人側の事情、例えば出願することに正当な理由があるか等を考慮する要件も課 すことにする。このような案を事務局より提案させていただきます。 なお、出願人側の事情として、具体的な考慮要素については、出願人と出願商標中に含 まれる氏名との関連性、例えば出願商標中に含まれる氏名が出願人の自己氏名、創業者や 代表者の氏名、既に使用している店名である場合など、また出願人の目的・意図、例えば 他人への嫌がらせ目的の有無、先取りして商標を買い取らせる目的の有無等を想定してお ります。 本資料につきましての御説明は以上になります。 ○田村委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に関 して、御意見、御質問等のある方はいらっしゃいますでしょうか。御発言いただく際には、 会議室にいらっしゃいます方は挙手いただきまして、御指名されましたら卓上マイクをオ ンにしてから御発言をお願いします。できるだけマイクに近づいて御発言いただきますよ うお願いいたします。また、オンラインにて御出席の皆様につきましては、チャット欄に 発言希望の旨を御記入ください。書き込みを見て御指名いたしますので、御発言いただく 際にはマイクをオンにしていただきますようお願いいたします。 それでは、御意見、御質問等お願いいたします。國分委員、お願いいたします。 ○國分委員 東京地裁の國分でございます。今回、新たな提案をいただいた出願人の事情 としての要件を課すということと、もともと提案いただいておりました他人に著名性の要 -3- 件を課すということ、この2つの要件の関係について更に御説明いただければありがたい と考えています。 具体的には、おそらく、知名度がある他人の場合には、権利侵害、人格的利益が侵害さ れるおそれが類型的に大きいということで、知名度を要求するという趣旨だと想像すると ころであります。そして、出願人側の事情を考慮するのは、類型的に人格的利益の危険が ない場合でも、具体的事情を考慮して、保護を図るという趣旨だと理解できます。その辺 りの関係を明確にし、報告書の段階ではその点をはっきりしていただきたいというのが1 つです。 次に、両方の要件が必要なのか、それとも知名度の要件にかからない場合に出願人側の 事情を考慮するという構造をイメージしておられるのか、その辺りも教えていただければ 幸いです。よろしくお願いします。 ○田村委員長 時間の関係上、まず皆さんから御質問を頂いてから回答を差し上げたいと 思いますので、ほかに御意見、御質問等がある方はいかがでしょう。石井委員、どうぞ。 ○石井委員 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 今回、他人の氏名の場合に一定の知名度要件のほかに、出願人側の事情も要件に入れる というお話ですけれども、これは4条1項8号の中で例えば著名な芸名等も先物買いの可 能性があると思うのですが、こちらは現行法のままで、氏名のみ当該要件を付加するので しょうか。そうである場合はその理由を教えていただければと思います。お願いいたしま す。 ○田村委員長 ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。もし特にないようでした ら、事務局から御説明お願いいたします。 ○根岸商標制度企画室長 國分委員からの御質問につきましては、出願に係る氏名と無関 係な者によって濫用的な出願がなされた場合は、他人の知名度にかかわらず当該他人が精 神的苦痛を受ける可能性が高く、他人の人格権が侵害されるおそれがあるものと考えます。 なお、本規定において、濫用的な出願に関して出願人側の事情を考慮することは、本規定 の他人の人格的利益の保護という趣旨を変えるものではないと考えます。こちらにつきま しては報告書でも整理して記載できるようにしたいと考えてございます。 もう一点、石井委員から頂いた御意見でございますが、今回の見直しでは、強いニーズ を確認している氏名について改正を行うものと考えております。氏名以外については、氏 名との性質の違いに考慮し、見直しのニーズが顕著化したときに検討していきたいと考え -4- てございます。 ○松本制度審議室長 制度審議室の松本です。國分委員の御質問について若干補足させて いただきます。國分委員からお話のあった1つ目の点ですけれども、整理としては國分委 員からお話のあったとおり、他人の知名度の要件に関しては、他人側の人格権の侵害のお それが高いものを類型的に捉まえるためにこうした要件を設定しているわけですが、今回 御提案するものについては、知名度の要件に該当しないケースであっても、具体的に出願 人側の事情を考慮したときに、やはり他人の人格的利益を保護するという観点から捉まえ る必要があるということで、今回御提案させていただいておりまして、その点につきまし ては報告書の段階でも明記させていただければと考えてございます。 ○田村委員長 ありがとうございます。國分委員、石井委員、よろしいでしょうか。 ほかいかがでしょうか。――もしないようでしたら、今確認の御質問を頂きましたけれ ども、皆様大方賛成であると認識いたしましたので、本件につきましては本小委員会とし て今回事務局から御提示のあった方向性で御了解いただいたものと認めたいと思います。 ありがとうございました。 ② ○田村委員長 コンセント制度の導入について 次に資料2、コンセント制度の導入について事務局から御説明いただき、 その後質疑に移りたいと思います。事務局から御説明をよろしくお願いいたします。 ○根岸商標制度企画室長 コンセント制度の導入につきまして、資料2に基づき御説明し ます。 2ページを御覧ください。前回の小委では、これまでの検討経緯、審査基準の利用状況 やユーザーへのヒアリング結果、海外ユーザーやアサインバックとの関係などから、コン セント制度の導入が求められていることを御報告し、次のように対応の方向性を提案させ ていただきました。近年のユーザーニーズの高まり、国際的な制度調和の観点から、我が 国においても何らかの措置を講じる方向で改めて検討すべきではないか。法改正による制 度導入の検討は、ユーザーからの消極的な意見にも十分に留意しつつ、需要者の利益の保 護、類似と出所混同のおそれの関係性の整理等について検討するとともに、手当てすべき 事項についても検討すべきではないか。このような提案となっております。前回は検討を 再開することの御了承を頂き、制度導入の是非、制度設計等の詳細については、今回の小 -5- 委での審議となっております。 次のページから前回小委で頂いた御意見に関する事務局の整理を説明し、続けて制度の 詳細を説明します。 3ページを御覧ください。前回の小委では需要者の意見が反映されていないとの御指摘 を頂きました。前回資料では、導入を提案する制度について具体的な説明がなく、御懸念 を生じさせるものでした。御指摘のとおり、需要者の利益を保護する必要があり、登録時 のみならず登録後においても当該利益の保護が担保される、留保型コンセント制度の導入 を検討しています。 制度の概要は、登録時に、同意書及び出所混同が生じないことを説明する書面などに基 づき、審査において出所混同のおそれの有無を考慮して登録可否を判断するとともに、登 録後に、混同防止表示の請求の規定及び不正競争の目的により出所混同を生じさせる使用 を行った場合の取消審判の規定を設けることにより、需要者の利益の保護を担保します。 なお、コンセント制度を有する主要国において、出所の混同や需要者の保護が争点とな った審決例、裁判例があるか調査しましたが、これらが争点になったものは確認できませ んでした。 また、国内においてアサインバックによる併存登録後に出所混同が生じたとして、需要 者からクレームがあった事例はあるか、商標の出願経験のある企業60社に対して調査しま したが、該当する事例はありませんでした。 企業からは、アサインバックを行う際には、商標権者側で出所混同が生じないことを前 提に、その同意を与えているとのコメントも頂きました。 4ページを御覧ください。これまでの課題はどのように解消できるのかという御意見を 頂きました。こちらのページは、これまでの検討母体、時期、課題を一覧にしたものです。 5ページを御覧ください。前ページの課題が解消される理由をまとめたものです。この うち、審査処理の遅延は、課題とされた当時は出願から最初の審査結果の通知まで2年以 上かかっていたところ、現在、この期間は短縮されており、導入への障害にはなりません。 また、アサインバックとの関係については、より簡便、低廉な手続としてコンセント制 度の導入が求められており、代替として機能しているものとは言えません。アサインバッ クでは出所混同のおそれが審査されませんが、留保型コンセントは審査で考慮するため、 需要者の利益の保護にも資するものです。最高裁判決との整合性は後述いたします。 6ページを御覧ください。コンセント制度の類型について御意見を頂きました。同制度 -6- を導入している多くの国は、商標権者の同意があったとしてもなお出所混同のおそれがあ ると判断される場合には登録できない留保型を採用しており、特許庁政策推進懇談会にお いて導入を示唆いただいている類型及び本委員会で事務局から提案する類型も留保型に属 するものです。 7ページを御覧ください。J-PlatPat等で併存関係を確認できるようにすべき という御意見を頂きました。諸外国においてコンセント制度による登録であることの公開 の有無・確認方法は様々ですが、ユーザーの要請や需要者の懸念緩和に向け、J-Pla tPatで公開する方向で調整を進めるとともに、準備期間が生じた場合にはホームペー ジで公表する等の代替措置を行うべきと考えます。 8ページを御覧ください。検討の参考としてアサインバックについて御説明します。ア サインバックの代表的な類型として、11号に係る拒絶理由の解消を目的とした設定登録前 の名義変更の往復行為がありますが、この場合、登録査定されてから料金納付までの間に、 元の出願人の名義に戻るため、商標権の移転を前提とする混同防止表示請求及び取消審判 の対象になりません。今回、当該アサインバックにつきましても、これらの措置の対象と することが考えられます。 また、当該アサインバックが困難な場合は、移転登録手続によるアサインバックが利用 されますが、より権利移転への懸念や時間的・金銭的な負担が大きくなります。 なお、審査においてアサインバックの正確な把握は困難であり、ユーザーにおいても類 似とおぼしき商標同士が併存登録されている状況がアサインバックにより登録されたもの か否かの調査に負担が生じていると考えます。 9ページを御覧ください。以上も踏まえ、コンセント制度の検討に係る論点を説明して いきます。 10ページを御覧ください。制度の枠組みについては、制度導入に当たり商標法4条に新 たな規定を設けるべきと考えます。新たな規定により、同意書の提出のほか、出所混同防 止の観点から、出願人に対し両商標を使用する商品・役務の取引の実情、特に一般的・恒 常的な事情に準じたものについて説明を求めます。その結果、審査官が出所混同のおそれ に問題がないと認めたもののみ、11号の適用除外とします。また、登録後の措置として、 混同防止表示の請求、取消審判の請求を可能とします。 この制度の特徴は、アサインバックより金銭的・手続的コストが低く、かつ、需要者の 利益の保護を念頭に置いた制度です。同意があって、かつ、取引の実情を考慮してもなお -7- 出所混同が生じるおそれがある商標の登録を審査段階で排除できる制度です。 11ページを御覧ください。11号の適用除外規定を設けることについて、同号の趣旨は一 般に出所の混同防止とされており、また、商標権者の権利保護の側面もあるという見解も あるところ、いずれの趣旨も害さない範囲であれば、適用除外規定を設けることも可能と 考えます。 12ページを御覧ください。制度導入後に想定する審査のイメージです。11号に該当する 出願について、出願人から、同意書及び出所混同が生じないことを説明する書面が提出さ れることを想定しています。審査官はこれらの書面及び職権調査により、11号の適用除外 の該当性を審査します。 13ページを御覧ください。適用除外の該当性判断に当たっての考慮要素は、現在の両商 標の使用状況、当事者による将来的にも混同が生じないことについての取り決め、その他、 審査官が混同が生じないと判断できる合理的な説明を想定しています。 これらの内容を総合的に勘案した上で、審査官が出所の混同が生じるおそれが低いと判 断できる場合には、11号の適用を除外します。ただし、引用商標が著名商標である場合や、 商標が同一・酷似する場合など、出所混同のおそれが極めて高いものについては、同号の 適用を維持して拒絶することを想定しています。 以上が想定する審査運用の大枠になりますが、より具体的な内容は審査基準ワーキング グループにおいて審議いただき、審査基準に例示することを検討します。 14ページを御覧ください。過去の最高裁判決との関係について説明します。 最高裁判決において、11号の類否判断に際して考慮することのできる取引の実情は、一 般的・恒常的な事情に限られますが、これまで一般的・恒常的な事情とはみなされていな かったものを考慮することで、実際には出所混同のおそれが生じないと言える場合があり 得ると考えます。 登録査定後に変動が生じ得るような事情を11号の類否判断の考慮事由とすることは、最 高裁判決との関係からも本来は難しいと言えますが、11号の類否判断の方法については維 持したまま、法改正により、当事者間で将来にわたってその事情を変更しない旨の具体的 な合意が行われているなど、登録査定後に当該事情が変動しないことを担保できるような ものについては、これを一般的・恒常的な事情に準じたものとして考慮できるようにする ことも許されると考えます。 さらに、当該事情を考慮した上で、登録時及び登録後において具体的に出所混同のおそ -8- れが生じないと判断される場合には、登録を認めることが許容され、併せて、登録後、実 際に出所混同が生じた場合などには、混同防止表示の請求や取消審判の規定を設けること で、コンセント制度全体として一定の合理性を持たせることができるものと考えます。 最高裁判決との関係についてはこのように整理いたしました。 次のページは割愛させていただきまして、16ページを御覧ください。これまでの説明と も重複しますが、コンセントの基礎となった事情に変更が生じた場合などに備え、当事者 間で混同防止表示の請求、何人も取消審判の請求を可能にし、加えて、設定登録前に行わ れたアサインバックについても、これらの請求の対象とすべきと考えます。 17ページを御覧ください。その他として、商標法8条1項は、先後願の関係について規 定していますが、コンセント制度を導入すると後願の出願人も登録の余地があるため、何 らかの手当てが必要と考えます。 また、8条2項及び5項にも手当てを行い、同日付けで出願された類似商標の出願人が 互いに同意書を提出した場合にも、コンセントによる登録を認めてもよいのではないかと 考えます。 公示につきましては、前述のとおりです。 18ページを御覧ください。本資料のまとめになります。各論点を踏まえたコンセント制 度のあり方及び検討に当たっての留意事項の要旨をこのページに記載しました。 これらを踏まえた上で、我が国においてもコンセント制度を導入すべきと考えます。 19ページと20ページは前回の資料の再掲です。 御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○田村委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に関 して自由討議を行いたいと思います。御発言希望の方は挙手又はチャット欄への書き込み をお願いいたします。橋本委員、よろしくお願いします。 ○橋本委員 弁理士会の橋本です。 弁理士会としては、前回も申し上げたとおり、コンセント制度導入について賛成いたし ます。商標の実務家の立場から、コンセント制度の導入というのは、ユーザーひいては産 業界に多大な利益をもたらすものであり、国際的な見地からもぜひ導入すべきであると考 えます。 今回の御提案においては、出所混同防止の見地から、審査段階、登録後における十分な 手当てがなされており、消費者保護についても全く問題ないと考えております。 -9- 以上です。 ○田村委員長 ありがとうございました。続いてオンラインから井関委員、お願いいたし ます。 ○井関委員 同志社大学の井関でございます。発言の機会を与えてくださいましてありが とうございます。私は、コンセント制度導入について反対の意見を持っておりまして、そ の立場から意見を申し上げたいと存じます。 出所表示機能は、商標の本質的機能と考えておりますので、出所混同の防止というのは、 商標法の最も重要な目的だと思っております。かつては連合商標制度が存在し、類似範囲 の商標は同一人に連合商標としてのみ登録が許され、分離移転は禁止され、制度的に出所 混同が生じないようにされていました。これはストック商標の登録や不使用商標の増加と いう弊害を招きましたので廃止されましたけれども、類似範囲に他人の登録は許されない という趣旨自体は、商標法の本来の姿であると考えております。 ところが、コンセント制度は類似範囲に他人の商標登録を認めるという点で、出所混同 防止という商標法の法目的にはそぐわない、とりわけ商標法1条にいう需要者の利益の保 護にもとると考えております。 審査において類似する、すなわち出所混同のおそれがあると一旦は判断されたものにつ いて、コンセント制度により混同しないとして登録することは、最高裁判決で類似とは出 所混同のおそれがあることであるとされてきた概念と整合しないと思います。 以下コンセント制度導入の理由として挙げられていることに関しまして意見を申し上げ ます。1つ目はアサインバックが利用しにくいということが言われていると思います。し かしながら、そもそも類似範囲に登録を認めるべきではないというのが原則だと考えます ので、これを簡単に簡便に利用できるということはそもそも困ると考えます。利用しにく いという事実上のハードルがあることで、必要最小限のアサインバックにとどめられてい るという現状があるだろうと思われますので、むしろ利用しにくいべきであると考えます。 2点目として、諸外国の制度と異なっているということが挙げられているかと思います けれども、これにつきましては商標制度というのはもともと国際的には使用主義と登録主 義ですとか、審査主義と無審査主義という大きな制度の相違があるものですから、それを 安易に外国に倣うべきだということにはならないのではないかと考えております。外国の クライアントに説明しがたいという点も、先ほどアサインバックの利用のしにくさの1つ として、これと同じ理由でハードルとしてむしろ必要なことではないかと思います。日本 - 10 - は需要者保護を重んじる制度を取っているとして、むしろ誇る制度かと思っております。 それから3番目に、現在利用されているアサインバックは、登録査定後から設定登録前 に名義変更するものが多く、その場合は商標権の移転に該当しないから、商標法24条の4 の混同防止表示請求とか、52条の2の移転による出所混同に基づく登録取消審判の請求の 対象にならないということが1つの問題点として挙げられていると思います。コンセント 制度導入に併せて、これらを対象にする改正を行うという御提案だったと思います。 しかしながら、これについては、査定が終わって、その後登録前に名義変更できるとい うこと自体が、特許庁の査定と異なるものに登録をするということを意味しますから、こ れははっきり言って脱法行為であるように考えておりますので、改正すべきは、むしろこ のような時期の名義変更を許さないとする方向ではないかと考えます。 それから4番目として、留保型コンセント制度であれば、出所混同のおそれがある商標 の登録を審査で排除できるからよいと言われていたと思います。しかしながら、一旦審査 において拒絶理由通知を発したというところが出発点かと思います。審査において一度は 類似すると判断した後に、現在の制度でも、出願人は取引実情説明書というものが提出で きる制度になっており、審査官はこれを検討されているので、出願人から、実際は、取引 実情に鑑みると混同しないのだという事情の説明は十分されていると思っております。こ れを検討した上で、それでもなおやはり混同のおそれがあるのだということで、拒絶とい う判断を審査官でなさっていると考えます。それにもかかわらずコンセント制度を導入し て、その判断を覆すということであれば、審査においてダブルスタンダードを取るという ことを意味するかと思います。これはやはり許されないのではないかと思っております。 それから5番目として、最高裁判決において類否判断で考慮できる取引実情は、一般的、 恒常的な事情に限られるとされてきた点につきまして、今回の御提案では当事者間で将来 にわたってその事情、つまり現在の使用状況等を変更しないという旨の具体的な合意が行 われている等の登録査定後に当該事情が変動しないことを担保できるようなものについて は、一般的、恒常的な事情に準じたものとして考慮するという御提案だったと思います。 しかしながら、取引実情というのは、当事者だけで形成されるものではないと思います。 当事者間で幾らそのような合意をしたとしても、将来にわたって事情が変動しないことを 担保できるものではないと思います。例えば現時点では当該業界が寡占状態であって、出 所混同するような状況にはないという事情がある場合、寡占状態が続くかどうかというの は、まさに当事者以外の新規参入者が入ってくるかどうかによるわけですから、当事者が - 11 - 幾らそうしようと思っていても、変化せざるを得ないことだと考えます。 以上の観点から、私はコンセント制度の導入はよろしくないのではないかと考えており ます。 以上になります。長々とすみませんでした。 ○田村委員長 ありがとうございました。それでは、ほかの方は御意見、御質問ございま すか。齊藤委員、お願いいたします。 ○齊藤委員 日本知的財産協会・齊藤です。このような機会をいただきまして、どうもあ りがとうございます。 今様々な意見が出ておりますが、日本知財協会としては、コンセント制度の導入につい ては賛成の意思表示をさせていただいております。一番の理由は、グローバル対応を含む 実務上の色々な障害を考慮すると、やはりコンセント制度のほうが我々ユーザーとしては 非常にスムーズに運営ができるということです。 もちろんコンセントを結ぶに当たって、消費者を含む需要者の利益を最大に考慮してき ています。ドラフトする際、消費者またマーケットにおける出所混同の生じさせないこと が大前提となっております。そもそも出所混同等が生じるようであればコンセントを結ば ない、つまりそういった事態が生じてしまうこと自体がユーザーにも大きなダメージにな るので、極力避けるような対応をさせていただいております。 また、アサインバックからコンセントに変わったからといって、需要者に出所混同が生 じる不利益は特に懸念する必要はないのではないと考えております。 留保型か完全型かという観点については、海外の様々な国において既に導入されている 留保型を考慮して、今回の導入で新しく遭遇する問題を克服するという形で、グローバル に貢献できるパイロットプラン的な留保型を目指していただくことに期待したいと考えて おります。 以上です。 ○田村委員長 ありがとうございました。ほかの方いかがでしょうか。――今の段階でな いようでしたら、ここで一旦事務局から御説明をお願いいたします。 ○根岸商標制度企画室長 それでは、御説明させていただきます。 まず、今回御提案させていただくコンセント制度は、留保型コンセント制度ということ で、基本的にはアサインバックよりも簡便、低廉な手続と考えておりますが、出願人には 引用商標権者による併存登録についての同意や両商標の間に出所混同のおそれがないこと - 12 - を証明するための書面を提出していただいて、審査官が判断するというものです。そもそ もアサインバックは、ユーザーや特許庁では全てを把握することができない部分があり、 そのようなアサインバックによる商標の併存登録が留保型コンセント制度を導入すること によって制度として担保された形で見える化されるということは、需要者の保護にも資す るという側面があると考えてございます。 同一、類似する商標を併存させる場合には、留保型コンセント制度の下で、審査官が出 所混同のおそれの有無についても審査によってしっかりと判断し、需要者の利益の保護を 図るべきと考えてございます。 また、今回のコンセント制度は、これまで一般的・恒常的な事情とはみなされていなか ったものであっても、将来にわたってその状況を変更しないことが担保できるようなもの、 すなわち一般的・恒常的な事情に準じたものを一定の条件の下で考慮し得るという制度で ございます。 これは、単に当事者間の合意をもって一般的・恒常的でないものを考慮するという趣旨 ではなくて、具体的な合意の内容に照らして、将来にわたって状況が変動しないことが担 保できるかについても、出所混同の判断の中において考慮すると考えてございます。 例えば、市場の占有状況について、寡占状態でプレイヤーが少ないことを理由に需要者 が混同しない旨の主張があったとしても、将来にわたって変動しないことが担保されてい るとは言えないものとして、出所混同の判断の中で考慮されますので、コンセント制度は 適用されないと考えてございます。 他方、現在、互いに商標を使用する商品・役務間で出所混同が生じておらず、今後も互 いの事業領域に進出しない等の合意であれば、考慮し得ると考えてございます。 最高裁判決との関係の整合性についても、商標制度が一度登録されると半永久的に権利 を認める制度である以上、将来変動する可能性の高い事情をもって登録を認めることは妥 当ではございませんが、今回のコンセント制度は、一般的・恒常的事情に準じた事情、す なわち登録後に変動しないことを担保できる事情を考慮し得るとする制度である以上、最 高裁判決と矛盾するものではないと考えてございます。 また、現在の取扱いで十分ではないかと、現行も取引実情の考慮を行っているので、導 入する必要がないということですけれども、確かに現在審査基準もございますが、一般 的・恒常的な取引の実情の範囲内で判断を行うというものです。現行の審査基準の適用の 対象となりますのは、指定商品・役務として記載されたものに限られまして、それらに関 - 13 - する一般的・恒常的事情とみなされないものまでは考慮されないことから、実際の使用の 場面においては十分に区別されて、出所混同のおそれがない商標についても類似と判断せ ざるを得ない状況にあると考えてございます。 このような状況を受けまして、コンセント制度を法定化し、実際の商標の使用に係る商 品・役務の一般的・恒常的事情に準じた事情、すなわち、登録査定後に変動しないことを 担保できる事情も考慮対象に加えることで、現行の審査基準では対象となり得ない、より 具体的な取引の実情も考慮することを想定してございます。 また、アサインバックについて、そもそも制度として適切ではないという御意見でござ いましたけれども、商標法上、出願人の名義変更は認められており、登録査定から設定登 録までの間に行われる名義変更について、これが11号の拒絶理由を解消した後に当初の出 願人に名義を戻すために行われるものかどうか、すなわちアサインバックを意図したもの かどうか、特許庁では把握することが困難な状況でございます。 また、そのような名義変更の中にはアサインバックを目的としたものではない承継等も 含まれ得ることから、そのような特定の名義変更行為を制度的に禁止することは制度上困 難と考えてございます。 御指摘いただいた点で考えられることについては以上でございます。 ○田村委員長 ありがとうございました。ただいまの御説明に関して、あるいはほかの点 に関してでも、委員の皆様から何か御質問、御意見ございますでしょうか。井関委員、ど うぞ。 ○井関委員 何度も発言させていただきましてありがとうございます。私が先ほど申し上 げました質問といいますか意見についてお答えいただきまして、大変ありがとうございま す。 2つほどさらにお伺いしたいのですけれども、登録査定が終わってから設定登録までに 名義変更できるというのは、アサインバックなのかどうなのかは分からないというのはお っしゃるとおりだと思いますが、アサインバックに限らず、登録査定をして、審査官がこ の主体に登録を認めてよいと判断したものに対して、それから設定登録までに名義変更す ることというのは、アサインバックに限らず問題だと思います。 つまり混同防止表示請求とか取消審判も同じように対象になってこないわけですけれど も、そのような名義変更であっても同じように出所混同ということがあり得るわけですか ら、これをアサインバックに限らない問題として名義変更は禁止すべきではないかと思っ - 14 - ております。なぜならば特許庁が判断したことと違う主体に登録を認めることになります ので、やはり先ほどの混同防止表示請求などの脱法になると思っております。 それから2点目で、取引実情の一般的、恒常的な事情に準じたものに該当するものだけ を考慮するので、当事者が幾ら合意したとしても例えば先ほど私が例に挙げましたような 寡占状態だからということであれば、分かりやすい、将来にわたって変化し得る事情なの で、そういうことには幾ら同意書が提出されても認めないということで、この点は少し安 心いたしました。 ただ、将来の事情がどうなるかというのは、先ほど寡占というのはとても分かりやすい 例だったと思いますけれども、やはり分からないのではないかなということを危惧いたし ますので、今は大丈夫だろうということであっても、将来にわたっては分からないのでは ないかという危惧は残ると思っております。 差し当たり以上でございます。ありがとうございました。 ○田村委員長 ありがとうございました。事務局、いかがでしょうか。 ○根岸商標制度企画室長 設定登録前の名義変更、アサインバックに限らずということで すけれども、こちらについては今回コンセント制度導入ということになりましたら、併せ て取消審判と混同防止表示請求の対象とする法改正を考えておりますので、そのような形 で対応できればと考えてございます。 また、将来的なところで、当事者間の合意ということで、そのほかの部分も変動する可 能性があるのではないかというところですけれども、説明資料を提出すれば認めるという ことではなく、それを踏まえ、出所混同が生じないかを審査官が審査するという制度です ので、そのようなことが生じないように審査をしていくということでございます。 もしその後、事情が変わってしまった場合には、取消審判等の事後的な手当てをすると いうことで、全体として出所混同が生じないように需要者の保護をしっかりできるような 制度を考えてございます。 ○田村委員長 ○井関委員 ありがとうございます。井関委員、いかがでしょう。 ありがとうございます。たびたびすみません。 名義変更の件について、私の申し上げ方が悪く、伝わらなかったような気がしておりま すけれども、コンセント制度導入のための幾つかの理由の1つとして、名義変更がよくな い、混同防止表示請求や取消審判の対象にならない点が、現在のアサインバック制度の問 題であるとして、コンセント制度を導入するための理由の1つにされていたと感じまして、 - 15 - そのために登録査定前の名義変更であっても、取消審判等の対象にするのだ、そういう改 正をするからよいのだという御提案だと思いました。 しかしながら、これは理由にならないと私は考えております。アサインバックに限らず、 あらゆる場面において登録査定後、設定登録前の名義変更はおかしいと思いますので、そ こをきちんと対応すれば、コンセント制度を導入するための理由にはならないという趣旨 で申し上げております。よろしくお願いいたします。 ○田村委員長 ありがとうございます。 ○根岸商標制度企画室長 ありがとうございます。確かに先ほど改めましてアサインバッ クの実情について御説明させていただきました。ここはコンセント制度を検討いただくに 当たって大事なところといいますか、そこを把握した上で御検討いただくということで、 アサインバックには2種類あって、設定登録前のものもあり、これがコンセント制度の導 入を御提案する1つの理由ではございますけれども、これに限らず類似するような商標を 併存させる場合には、アサインバックよりも留保型コンセント制度の下で、審査官が出所 混同のおそれの有無についても審査によってしっかり判断することで需要者保護を図るほ うがより適切と考えてございまして、今回事務局から御提案させていただいております。 ○田村委員長 ありがとうございます。井関委員、私から1つ確認したいことがございま す。現在、連合商標を廃止して、そもそも登録後には譲渡でき、譲渡に対しては基本的に 混同防止措置と不正使用取消審判の2つで今対応しています。けれども、先ほどの井関委 員の御趣旨からすると、現行法からの大きな変更を前提とするお話のように聞こえるので すが、いかがでしょう。 ○井関委員 ありがとうございます。そのような趣旨ではありません。本来の商標制度と いう観点では、連合商標の制度がよかったなという思いはもちろんありますけれども、ま さか今からそれに戻すべきだということを申し上げるつもりは全くございません。 ○田村委員長 もしそうだとすると、逆に平仄が取れていないといいますか、登録された 後には、自由に譲渡して、類似の範囲内での留保や併存が認められ、そこに対しては不正 使用取消審判等で対処することになっているのに、なぜ登録前のときだけ、そこまで井関 先生がこだわるのかが少し分かりません。 ○井関委員 やはり簡単過ぎるかなと。今コンセント制度導入をおっしゃっておられる、 アサインバックの制度がまさにそれだと思うのですけれども、それでは具合が悪い。もっ と簡単にしたいということかと思うのですけれども、そんなに軽々にしてよいのかなとい - 16 - う疑問がある。だからアサインバックができるのでしたら、結局それを全く認めないとい うことにはならないと思うのですけれども、せめてそんなに簡単にできるようにはしない ほうがよいという趣旨であります。 ○田村委員長 ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。よろしいですか。宮川委 員、お願いいたします。 ○宮川委員 質問があるのですけれども、日弁連知財センターの担当PTとしてはこれまで 実務的に行われていたアサインバックという慣行を逆にきちんと法律の下でルールを決め て、特許庁の審査によって制度としてつくっていくということについては、賛成という意 見が大多数でございました。 逆にアサインバックの制度というのは、先ほどの井関委員がおっしゃったように脱法行 為みたいなものではないかという意見をおっしゃる方もいらっしゃいましたが、今の御提 案で賛成しております。 その中で1つ気になりますのが、現行のアサインバック制度をきちんとしたルールの中 に入れるということについて、頂いた資料では52条の2の取消しの対象に、権利の移転前 の名義変更の部分についても対象にするということは明記されているのですが、混同防止 表示を請求できる、あるいは何らかの公示方法を考えるというところについては、アサイ ンバックについても同じような網をかけるという方向でいらっしゃるのか、どのようなお 考えなのかを伺いたいと思いました。 以上です。 ○田村委員長 ありがとうございます。事務局からいかがでしょう。 ○根岸商標制度企画室長 設定登録前のアサインバックについて、混同防止表示請求も出 所混同の防止という趣旨がございますので、今回取消審判と併せて手当てすべきではない かと考えてございます。 また、アサインバックの公示について、もし御質問の趣旨と違っていたら御指摘いただ ければと思いますが、アサインバック自体、審査官なり特許庁なりで名義変更や移転がア サインバックを意図しているものかどうかという把握は困難だと考えておりまして、そう しますとこれはアサインバックだということで公示するということは、特許庁側としては 難しいと考えてございます。 コンセント制度の場合は、コンセントの主張がありまして、審査官がそれを認めて登録 するということですので、登録時にコンセントがあって登録されたということが特許庁側 - 17 - で分かります。それをJ-PlatPatなり対外的にも分かるような形で公示できるの ではないかと考えてございます。 ○田村委員長 ○宮川委員 宮川委員、いかがでしょう。 私が伺いたかったところでございます。名義が出願、登録査定を受けた後に 移って、また戻ったということは、履歴を見れば分かるという理解でよろしいのでしょう か。 ○根岸商標制度企画室長 経過情報や提出書類を見ていただければ、名義変更があったと いうことは分かるのですけれども、その目的までは分からないということ、11号が名義変 更によって解消されたということは分かるのですが、アサインバックが行われたかどうか というのを確認するために、履歴なり経過情報なり提出書類などを見ていかなければなら ないということで、調査負担が生じるのではないかと考えてございます。 ○宮川委員 ○田村委員長 ○橋本委員 ありがとうございます。 ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。橋本委員、お願いします。 出所表示機能が商標にとって一番重要であるということは、私どもも重々存 じておりますけれども、実務家としての経験なりから考えますと、日本企業も外国におい てコンセント制度というのは自由にといいますか何回も使っていらっしゃるものだと思い ます。その御経験からコンセント制度は全く問題がないということを御存じで、そしてそ の点からも今回のコンセント制度の導入について賛成されていると理解しております。 諸外国の制度は色々ございますけれども、今回の日本の提案のように色々な出所混同防 止の手当てがされているという制度はあまりないと考えております。それに対して今回の 御提案では色々な審査段階及び登録後の手当てもなされておりますので、出所混同が生じ ないという点については万全かと思われます。 出所の混同は、需要者が困るというのはもちろんかと思うのですけれども、それ以上に 困るのは権利者、使用者側かと思います。結局自分の商標が他人の商標と出所混同が生じ たということであれば、信用も損ないますし、一番困るのは権利者ですので、権利者の 方々もそのようなことはないように十分に注意されるものと考えております。 以上です。 ○田村委員長 ありがとうございました。続いて島並委員、よろしくお願いいたします。 ○島並委員 ありがとうございます。機会を頂きありがとうございます。コンセント制度 に基づいて登録が認められますと、先行の商標権者Bさんとコンセントに基づく出願人A - 18 - さんの2つの商標権が同時に併存するということになります。 仮に両方の商標権者が相手方に対して、つまりBがAに対して、AがBに対してそれぞ れ商標権を行使したときには、どちらもその効力が認められない、つまり使用を排除でき ないと思うのですけれども、どのような制度的な手当て、条文によってそのような結論に なるのでしょうか。 ○田村委員長 私が答えることにいたしますが、ご指摘の点については商標的使用の抗弁、 あるいは商標の積極的効力と呼ばれているもので、厳密に言うと明示的な条文はないと理 解しています。ここから先は釈迦に説法で、御存じのように私は32条2項や24条の4に商 標の積極的効力の根拠を読み込みますけれども、話せば長くなりますのでことあたりとい たします。 ということで、明示的な条文はありませんが、一般的に、商標的使用の抗弁、あるいは 積極的効力があると考えられているので、それで対処することになろうかと思います。い かがでしょうか。 ○島並委員 分かりました。今回そのような事態への手当を特別にすることは意図されて いないと了解しました。 そうしますと、混同のおそれが事後的に生じた場合には商標登録が消されるということ ですので一般の消費者に対する影響はなく、また先述のとおりAB間への悪影響も特にな いということですと、唯一不利益を受けるのは、その他第三者のCさんがさらに同じ商標 を使用しようと考えた場合に、先行商標権者Bのみならず、コンセント制度に基づいて登 録が認められたAからも商標権の行使を受け得るという点かと思います。 ただ、それはそこまで考慮しなくてはいけない不利益ではなくて、もともと使えない商 標について2人目の商標権者からも権利行使を受けるということにとどまりますので、特 に保護すべき事情ではないのかなと考えます。 というわけで、新たなコンセント制度を認めても、現実に困る人や状況は生じない以上、 基本的には実務界が制度導入を求めるのであれば、この制度を導入してもいいのではない かと私は考えております。結論として、事務局の御提案に賛成いたします。 ○田村委員長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。 石井委員、お願いいたします。 ○石井委員 質問の機会をいただきましてありがとうございます。 コンセントの意義ですが、出所混同のおそれの有無については権利者がよく分かってい - 19 - るという話と理解しております。一方で、商標権者が使用権を設定している場合、使用権 者が困るおそれは勘案されるのか、勘案される場合どのような形で勘案されるのか教えて いただけますでしょうか。 ○根岸商標制度企画室長 現在のところ、同意については権利者のみからの同意の提出を 想定しておりますけれども、例えば専用使用権者や通常使用権者が存在する場合には、出 願人がそれらの者との関係でも問題のないことについて、同意書にその旨記載するとかそ の辺は想定ですが、何らかの形で担保できるように検討していきたいと考えてございます。 ○田村委員長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。 それでは、様々な御意見を頂きまして、大変ありがとうございました。皆様から頂いた 御意見につきましては、とりわけ反対意見もあったということは報告書に記しまして、ま た制度設計においては御意見に配慮したいと思います。他方で、反対意見もありながらも、 大方の御意見としては制度導入に賛同、そして事務局の御提案でよろしいのではないかと いうことだったと思います。その次第で、反対意見を踏まえた報告書に致しますけれども、 導入に向けて事務局案で進めるという方向で取りまとめたく思います。よろしいでしょう か。――ありがとうございます。 そういたしますと、具体的な議論については、審査基準ワーキンググループにて審議を お願いいたしたく思います。ありがとうございました。 ○田村委員長 ③ 送達程度の見直しについて ④ 書面手続デジタル化について 次に、送達制度の見直しについて参考資料1及び参考資料2を基に、書面 手続デジタル化について参考資料3及び参考資料4を基に事務局から御説明いただき、そ の後質疑に移りたいと思います。では、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。 ○高橋出願課長 出願課長・高橋でございます。よろしくお願いいたします。 送達制度の見直しにつきまして、第47回特許制度小委員会で議論された内容につきまし て御説明いたします。 参考資料1を御覧ください。1ページ目でございます。まず特許庁に対する出願等の手 続でございますが、オンライン又は紙での手続が可能となっているところでございます。 また、オンライン手続を行う際のインフラでございますが、現在は専用ソフトである出 - 20 - 願ソフトを御利用いただいているというところでございます。 平成2年12月よりオンライン出願が可能になっておりまして、遅れまして平成5年7月 からオンライン発送について運用開始しております。 オンラインでの発送は、希望した者にのみ行っておりまた、紙で手続した場合は紙での 発送となっているところでございます。 1ページおめくりいただきまして、現状のオンライン発送処理でございます。発送処理 につきましては、真ん中の絵にございますけれども、受付サーバーに格納いたします。出 願人等のユーザーは、出願ソフトを利用しまして、①で発送件数を確認し、③で受取件数 を指定した後、④でサーバーから書類が送信されるというところでございます。それらの 書類につきまして、ユーザー側のPCに格納された時点で発送書類が到達したものとみな されるという法律の立てつけになっているところでございます。 なお、受付サーバーに格納後、10開庁日以内にユーザーが取得を行わない場合でござい ますが、現状は紙出力して郵送しているというところでございます。 次ページでございます。先ほど申し上げました現状を踏まえまして、オンライン送達の 見直しの方向性でございます。御案内のとおりコロナ禍以降でございますが、企業等の働 き方が変わり、また、デジタル庁が発足しまして、行政のデジタル化を推進していくとい うところでございます。こういうところも踏まえまして、私どももより一層のデジタル化 が必要ということで検討しております。 繰り返しになりますが、10開庁日以内に発送書類を取得しない場合は、送達の効力発生 のために紙にて郵送しております。私どもの行政処分に係る書類の多くは、書留郵便で発 送しております。一般郵便と違いまして、手交しなければいけないということが生じてお りますが、テレワーク等によって事務所に事務所員がいないということがコロナ禍以降発 生しておりまして、私どもに返送されてくる割合が以前と比べると2割ほど多くなってい るという状況もございます。 加えまして、先般の民訴法改正の内容を踏まえまして、現に私ども紙で発送しておりま すが、それらの郵送に係るコスト削減、またデジタル化によるユーザーの利便性の向上と いうところから、方向性としましてオンライン発送可能な書類につきましては、全て受付 サーバー格納、期間について検討中でございますが、一定期間受領しない場合につきまし ては、紙発送せずに改正民訴法と同様、到達したものとみなすという制度の導入を考えて おります。 - 21 - 対象者でございますが、こちらにつきましても改正民訴法と同様にオンライン希望者に 加えまして、士業である代理人、弁理士さんであるとか弁護士さんについては義務化をし たいと考えているところでございます。 加えましてシステム改修に係る経費等についても考慮したいと考えております。 次ページでございます。今申し上げました見直しの方向性を踏まえまして、案として3 案提案し、特許制度小委員会で御議論いただきました。その中では案1の手法が現行あま り変更がなく、問題がないということでございました。 なお、御意見といたしましては、改正民訴法につきましては、みなし送達の効力が発生 するまでの期間として7日間が設定されております。特許手続の特殊性を踏まえますと、 7日間では心もとないので、過度に短い期間とならないようにしてくださいという意見が ございました。 また、案1で対応する際にしても、出願ソフトを頻繁に立ち上げないユーザー等もござ いますので、十分な周知をしていただきたいと。 サーバーに格納された旨の通知についても、利便性の高いものにしていただきたいとい う御意見がございました。 5ページ目につきましては、案1について詳細に記載しておりますので、お時間の関係 もありますので省略させていただきます。 6ページ目でございます。こちら公示送達のデジタル化でございます。郵送しましても 複数回返送されてくる処分通知につきましては、最終的な効力を発生させるために現在は 公示送達により採用しております。こちらにつきましても、現在デジタル庁におきまして デジタル基本原則の中で、アナログ規制改革の中で書面掲示規制というものを掲げており ます。今般の改正民訴法に倣った公示送達のデジタル化を進めるという方向性のものでご ざいます。 当庁の現状でございますが、公示送達は官報、特許公報及び庁内の掲示板というところ で対応しております。掲載の手続また官報掲載の費用等を考えますと、インターネットを 通じて特許庁のホームページに掲載する方向にしたいと考えております。こちらにつきま しても、特許制度小委員会の中の議論では、改正民訴法を踏まえたデジタル化を推進する 観点から賛成というところの意見が示されたというところでございます。 以上が送達制度の見直しでございます。 引き続き送達関連で総務課から御説明いたします。 - 22 - ○吉野総務課業務管理企画官 続きまして参考資料2を御覧ください。総務課・吉野より 御説明させていただきます。 スライド1、現行制度についてでございますが、在外者は特許管理人によらなければ手 続をすることができず、在外者に対する送達は特許管理人に送達しなければならないとさ れておりますが、在外者に特許管理人がいないときは、書類を航空扱いとした書留郵便等 に付して発送できる旨規定されております。 次のスライド2と3におきまして、在外者であって特許管理人が不在となる事例を御紹 介しております。 スライド2は、商標の取消審判請求の例となります。商標登録後、委任契約終了等によ り特許管理人が不在になっているときに、取消審判請求がなされたといったケースでござ います。 次のスライド3では、マドプロ出願の事例となります。マドプロ出願におきましては、 出願人と応答手続なく拒絶査定まで進む場合がございます。この場合、特許管理人が専任 されておりませんので、在外者に対して直接拒絶査定を航空書留郵便に付して発送しなけ ればならないという状況でございます。 次のスライド4を御覧ください。新型コロナウイルスの蔓延やウクライナ情勢を受け て、一部の国、地域に対して国際郵便の引受停止が発生しており、送達ができないという ケースが長期にわたり発生しております。その結果、審判請求のケースであれば、審判請 求の副本が送達できず、迅速な審理を望む請求人の要望に応えられず、拒絶査定の謄本で あれば、最終処分が長期にわたり確定しないことで、後続の審査に影響が出ているという 問題が生じております。 次のスライド5ですが、この問題を解決するために、法的な送達の効果を得る必要があ りまして、公示送達という手段を利用できるようにさせていただきたいと思っております が、現行法上は国際郵便引受停止により、航空書留郵便により送達できない状況は、公示 送達の要件を満たしておりません。 次のスライド6でございます。これらを解決するため、現行の公示送達の規定を改正 し、国際郵便引受停止等の理由により、一定期間在外者に航空書留郵便等に付する発送が できないときに、公示送達制度が利用できるようにしてはどうかということで、特許制度 小委員会で御審議いただき、御了承いただいております。同様に意匠制度小委員会におき ましても報告し、了承されております。 - 23 - 参考資料2につきましては以上でございます。 続きまして資料3を御覧ください。スライド1でございます。特許庁に対する申請手 続、特許庁からの発送手続につきましては、特許庁は従来より積極的にオンライン化を推 進してまいりましたが、まだ一定数オンラインで行うことができない手続が残ってござい ます。左側が特許庁に対する申請手続であり、右側が特許庁からの発送手続に関してとな ります。いずれも電子申請やオンライン発送できる手続を増やすべく検討を進めておりま す。 次のスライド2でございます。特許庁に対する申請手続につきまして、原則全てオンラ イン申請を可能とする方向で検討しております。大規模なシステム改造と改造費用が発生 するという制約の中でデジタル化を推進するため、これまでのオンライン申請とは異なる 電子形態でオンライン申請を可能とすることを考えております。 今回御提案させていただいておりますのは、XML形式の送付表に対して筆頭書類、添 付書類などいずれもPDFでつけて送る電子形態となります。このように従来とは異なる 別形態での申請を受け付けることに伴い、閲覧方法や電子化の方法に所要の法令改正を行 う必要が生じております。本件につきましても、特許制度小委員会、意匠制度小委員会に おいて御了承いただいております。 参考資料3の説明は以上でございます。 ○小野審査基準室長 続きまして参考資料4を御覧ください。こちらも特許制度小委員 会、それから意匠制度小委員会で議論されたものでございます。 手続のオンライン化に関連して、パリ条約の優先権を主張した出願をする際に必要な優 先権証明書の提出をオンラインで行うためには、特許法43条の規定の改正が必要になるた め、こちらのスライドで個別に説明いたします。 1ページ目を御覧ください。パリ条約による優先権についての現行制度の簡単な説明で す。右下のポンチ絵を御覧ください。パリ条約による優先権とは、第一国に出願した者が 出願の内容について優先期間内に第二国、例えば日本に出願した場合に、日本の出願の審 査において日本の実際の出願日ではなく、第一国に出願した日、優先日と呼んでいますけ れども、これを基準に判断されるという制度です。 このような優先権の取扱いのためには、日本への出願時に優先権証明書を提出する必要 があります。 次のスライドを御覧ください。こちらのスライドは、パリ条約の優先権証明書の提出に - 24 - ついて、現行制度をまとめたものです。上の青枠の1つ目の矢羽根の3行目にありますよ うに、①として書面による原本を提出することが原則であって、特許法43条2項に規定し ています。 また、オンライン化と関連しまして、②として世界知的所有権機関のデジタルアクセス サービス、いわゆるDAS等を利用した電子的交換を行うことで、提出したものとみなさ れると特許法43条5項に規定しています。 このようにオンライン化でも特許、意匠を中心に対応できているものもありますが、D ASに参加していない国があったりといったことがあるため、この場合は書面による原本 の提出が必要となっています。 3ページ目を御覧ください。上の青枠にオンライン化を進めていく際の課題をまとめて います。前のスライドで説明したような法律上の規定があるため、第一庁が書面で発行し た証明書を出願人側で電子化したもの(写し)で提出できないということや、2行目にあ りますように第一庁が電子でも証明を発行した場合に、それをそのまま日本に提出できな いという状況にあります。 そこで下の青枠にありますように、優先権証明書の写しの提出を許容したり、オンライ ン提出を可能にしたりといった制度改正を進めていきたいと考えています。これらは特許 法を準用する商標、実用、意匠も含めた四法で措置したいと考えています。 これの案につきまして、特許制度小委員会、それから意匠制度小委員会でも議論いただ き、了承いただいております。 私からの説明は以上でございます。 ○田村委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に関 して自由討議を行いたいと思います。御発言希望の方は挙手又はチャット欄への書き込み をお願いいたします。特にございませんでしょうか。――よろしいようですね。ありがと うございました。 以上をもちまして本日の議論を終了いたします。最後に今後のスケジュールについて事 務局から御説明をお願いいたします。 ○松本制度審議室長 御審議いただきまして、ありがとうございました。次回以降の具体 的な開催日程等につきましては、委員長と御相談の上、追って皆様に御連絡差し上げま す。次回はこれまで御審議いただいた論点を踏まえて、商標制度見直しについて事務局か ら報告書案という形で提示させていただいて、御審議いただければと考えております。 - 25 - ○田村委員長 ありがとうございました。 それでは、以上をもちまして産業構造審議会知的財産分科会第10回商標制度小委員会を 閉会いたします。本日は長時間の御審議ありがとうございました。 閉 会 - 26 -

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産業構造審議会知的財産分科会 第10回商標制度小委員会 議事次第・配布資料一覧 日 時:令和4年11月22日(火)10時00分開会 会 場:特許庁庁舎16階特別会議室+Teams会議室 (議事次第) 1.開会 2.他人の氏名を含む商標の登録要件緩和について 3.コンセント制度の導入について 4.送達制度の見直しについて 5.書面手続デジタル化について 6.閉会 (配布資料) 議事次第・配布資料一覧 委員名簿 資料1 他人の氏名を含む商標の登録要件緩和 資料2 コンセント制度の導入 参考資料1 送達制度の見直し 参考資料2 新型コロナウイルス等の影響に対応した公示送達の見直し 参考資料3 書面手続のデジタル化に向けた関係手続整備 参考資料4 優先権証明書のオンライン化のための規定整備

資料2

令和4年11月22日 第10回商標制度小委員会 産業構造審議会 知的財産分科会 商標制度小委員会 委員名簿 蘆立 順美 東北大学大学院法学研究科 教授 石井 美緒 日本大学商学部 井関 涼子 同志社大学法学部 大向 尚子 西村あさひ法律事務所 國分 隆文 東京地方裁判所(知的財産権部) 齊藤 浩二 日本知的財産協会 准教授・弁護士 教授 パートナー弁護士 部総括判事 常務理事・商標委員会担当 株式会社アシックス法務・知財統括部 委員長 島並 良 神戸大学大学院法学研究科 教授 高崎 充弘 株式会社エンジニア 田村 善之 東京大学大学院法学政治学研究科 橋本 千賀子 日本弁理士会 代表取締役社長 執行理事 弁理士法人酒井国際特許事務所 宮川 美津子 教授 商標部 部長・弁理士 日本弁護士連合会知的財産センター意匠・商標・不競法 PT TMI 総合法律事務所 座長 パートナー弁護士 (敬称略、五十音順)

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資料1 他人の氏名を含む商標の登録要件緩和 産業構造審議会知的財産分科会 第10回商標制度小委員会 令和4年11月22日 委員の指摘を踏まえた対応の方向性 【第9回小委において委員の了承が得られた対応の方向性】 ➢ 商標法第4条第1項第8号(以下「本規定」という。)の現行制度の課題を解決するに当たって は、人格的利益の保護の趣旨のもと、出願人の商標登録を受ける利益と他人の氏名に係る人格的 利益とのバランスを調整し、本規定における他人の「氏名」に一定の知名度の要件を課すことに ついて了承を得た。 【第9回小委における委員の指摘を踏まえた事務局検討事項】 ➢ 他人の氏名を含む商標について、出願人の氏名に知名度の要件を課す必要はないが、出願商標中 に含まれる氏名と無関係な者による出願(悪意の出願等)の懸念があるため、出願人側にも何ら かの要件を求めるべきとの御指摘があり、原案通り、商標審査基準によって他の条文で対応可能 か、それとも、本規定に出願人側の事情を考慮する文言を入れるのか、事務局にて検討すること となった。 ➢ 商標法第3条第1項柱書や同法第4条第1項第7号により、出願商標中に含まれる氏名と無関係な 者による出願(悪意の出願等)を拒絶できるかを検討したが、商標審査基準による対応には限界 がある。 ➢ 他人の「氏名」に一定の知名度の要件を課すことに加え、本規定に出願人側の事情を考慮する文 言を入れてはどうか。 ➢ 具体的には、出願人が、出願商標中に含まれる氏名を使用するに当たって、濫用的と認められる 場合(出願人に正当な理由が認められない等)に、商標法第4条第1項第8号の拒絶理由を通知し てはどうか。 1 「出願人側の事情」を考慮する趣旨と見直しの内容 ■他人の人格権保護を目的とする本規定において「出願人側の事情」を考慮する趣旨 ➢ 「他人」が「一定の知名度」を有しない場合であっても、出願商標中に含まれる氏名と無関係な者に よる濫用的な出願がなされた場合、「他人」の人格権が侵害されるおそれがあるのではないか。 (例えば、出願商標中に含まれる氏名と無関係な者が、他人への嫌がらせや先取りして商標を買い取らせる 目的で氏名を含む商標を出願する場合には、当該他人が精神的苦痛を受ける蓋然性が高いのではないか。) ➢ 本規定において、濫用的な出願に係る出願人の商標登録を受ける利益を厚く保護する必要性に乏しい のではないか。 ⇒ 濫用的な出願に関して、出願人の商標登録を受ける利益を制限することで、他人の氏名に係る 人格的利益との調整を図ることは、商標法第4条第1項第8号の趣旨とも整合するのではないか。 ※ なお、「他人の人格的利益を保護する」という商標法第4条第1項第8号の趣旨を変更するものでもない。 ■本規定の見直しの内容 ⇒ 商標法第4条第1項第8号の条文に、他人側の要件として当該「氏名」に「一定の知名度」の要件 を課すことに加え、「他人の氏名」を含む商標出願について「出願人の事情(例えば、出願するこ とに正当な理由があるか等)」を考慮する要件を課してはどうか。 ●「出願人の事情」考慮要素の想定例: ・出願人と商標に含まれる氏名との関連性(出願商標中に含まれる他人の氏名が、出願人の自己氏 名、創業者や代表者の氏名、既に使用している店名である場合等)。 ・出願人の目的・意図(他人への嫌がらせの目的の有無、先取りして商標を買い取らせる目的の有 無等)。 ※なお、出願人の目的・意図は、公開情報や情報提供制度により提供された情報をもとに判断することを想定。 2

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資料2 コンセント制度の導入 産業構造審議会知的財産分科会 第10回商標制度小委員会 令和4年11月22日 目次 ➢ 前回(第9回)商標制度小委員会における主な御意見 ➢ 御意見を踏まえた、主な論点と対応の考え方 ➢ 検討に当たっての主な論点 1.制度の枠組みについて 2.商標法第4条第1項第11号の除外規定を設けることについて 【参考①】制度導入後の審査イメージ 【参考②】審査における考慮要素の例 3.過去の最高裁判決との関係について 4.事後的な出所の混同防止策について 5.その他の検討事項について ➢ 【まとめ】各論点を踏まえたコンセント制度の在り方について ➢ 【参考】審査基準の取扱いの利用状況について(第9回商標小委資料p5再掲) ➢ 【参考】ニーズの整理及び対応の方向性(第9回商標小委資料p8一部修正の上再掲) 1 前回(第9回)商標制度小委員会における主な御意見 前回の小委員会では、事務局より、コンセント制度の検討経緯、平成29年から運用してい る審査基準の取扱いの利用状況、ユーザーへのヒアリング結果等を報告し、同制度について、 本小委員会での検討を再開することとした。第10回(今回)の小委員会において、導入の要 否も含めた詳細を検討することとなった。前回の事務局からの説明(資料)に対しては、以 下の意見があった。 ➢ (コンセント制度導入には)反対する。先願商標の権利者と後願商標の出願人との間に支 配関係があるのであれば商標の併存登録を認めてもよいと思うが、そのような関係が無い 場合に需要者との関係をどのように考えるかが重要。(説明資料には)ユーザーは賛成し ているとあるが、そのユーザーは商標制度を利用している権利者であって推進派が多いと 思われるところ、需要者の意見は反映されていない。 ➢ コンセント制度の導入の検討について賛成するが、商標小委の場でこれまで何度も議論さ れてきたところ、その再開に当たり、課題がどのように解消されたか検討したい。 ➢ 以前から賛成の立場。グローバルな観点からも必要と考える。留保型、完全型等の類型は あるものの、定義づけによるところがあり、その点を明確にした上で本論点について議論 したい。 ➢ グローバル化に伴い、コンセント制度についても受け入れるべきというのがユーザーの立 場からの意見。コンセント制度を導入する場合は、何らかの形、例えば、J-PlatPat等で 併存関係が把握できるような手当について検討してほしい。需要者側の懸念も少し緩和で きるのではないか。 2 御意見を踏まえた、主な論点と対応の考え方①~需要者の利益の保護~ ①(第9回の資料では)需要者の意見が反映されていない。 今回の検討を行うに当たり、ご指摘のとおり需要者の利益を保護する必要性があることから、以下のような 留保型コンセント制度の導入により、登録時のみならず登録後においても、需要者の利益の保護を担保する ことを検討している。 (ⅰ)登録時 ・同意書及び出所混同が生じないことを説明する書面等に基づき、審査において、 出所混同のおそれの有無を考慮して登録可否を判断する(詳細後述) (ⅱ)登録後 ・業務上の利益が害されるおそれ(登録商標の出所表示機能の毀損を含む)のある使用をした場合の混同 防止表示の請求の規定を設ける(詳細後述) ・不正競争の目的により出所混同を生じさせる使用を行った場合の取消審判の規定を設ける(詳細後述) (参考) ・主要国の状況 コンセント制度を導入している主要国(米国、欧州等)において、コンセントによる併存登録後に、それらの商標について、出所の混同 や需要者の保護が争点となった審決例・裁判例があるか調査したが、出所混同や需要者保護が争点になった審決例や裁判例は確認できな かった。(2022年10月特許庁調べ) ・国内における需要者からのクレームの状況 国内において、アサインバックによる併存登録後に、それらの商標について出所の混同が生じたとして、需要者(消費者等)からクレー ムがあった事例はあるか、商標の出願経験のある企業60社に対して調査したところ、該当する事例はなかった。(なお、アサインバック を行う際には、先行登録商標の権利者側で、後願の商標と併存登録しても出所混同が生じないことを前提に、その同意を与えているとの コメントがあった。)(2022年10月日本商標協会調べ) 3 御意見を踏まえた、主な論点と対応の考え方②~従来の検討課題の解消~ ②コンセント制度導入に関するこれまでの課題が解消できるのか。 ■コンセント制度導入に関するこれまでの主な検討の状況 (※赤字は主たる導入見送りの理由) 検討母体 主な検討内容、導入が見送られてきた理由 工業所有権審議会商標問題小委員会報告書(平成7年5月) 具体的出所混同のおそれの有無をケースごとに調べることとすると、審査処理の遅延につな がるとともに、類似商標の分離移転(アサインバック)が許容されていることを踏まえると、 コンセント制度の導入を見送ることが適当とされた。 →出所混同のおそれ、審査処理の遅延、アサインバックの存在 平成8年法改正時における検討 商標権の譲渡交渉に通常2~3月の交渉期間を要していることから、コンセントの同意を取 り付ける際にも同程度の交渉期間がかかるものと想定され、審査期間が非常に長期化するこ とが懸念され、導入困難とされた。 →審査処理の遅延 産業構造審議会知的財産政策部 出所混同による需要者の保護という観点から更に検討を行うとともに、取引の実情を踏まえ た類否判断を行う仕組みについて検討が必要とされた。 →出所混同のおそれ 取引の実情を踏まえた類否判断の仕組み及び「類似商品・役務審査基準」の見直 し(平成19年4月) 出所混同のおそれを理由に、法律改正ではなく、まずは運用面の見直しを行った。具体的に は、審査において「取引実情説明書」を考慮できることとするとともに、経済の実態や取引 の実情に合致したものとすべく商品又は役務の類否関係を見直した。 第2回 商標制度小委員会(平成28年7月) 出所混同のおそれ、商標法の趣旨、最高裁判決で示された考え方(類似=出所混同のおそれ 有)と、「類似はするが混同しない」とするコンセント制度の考え方との整合性を理由に、 法律改正ではなく、まずは運用面での対応検討を進めることとなった。 →出所混同のおそれ、商標法の趣旨との関係、最高裁判決との整合性 第21回 商標審査基準ワーキンググループ(平成28年11月) 「取引実情説明書」の運用の見直しを検討。商標審査基準(第13版)において、①商品又は 役務の類否判断における取引の実情の考慮、及び、②出願人と引用商標の権利者に支配関係 がある場合の観点から見直しが行われ、平成29年4月から運用を開始。 第3回 商標制度小委員会(平成29年8月) 上記において改訂された商標審査基準における取扱いについて、ユーザーの利用状況をみた 上で、改めて我が国におけるコンセント制度の導入の必要性、導入方法等について、検討を 進めていくことが望ましいとされた。 「知財活用促進に向けた知的財産制度の在り方~とりまとめ~」(令和4年6月 特許庁政策推進懇談会報告書) コンセント制度の導入について更なる検討を行うべき。商標法の法目的の一つである「需要 者の保護」を考慮し、当事者の同意があってもなお出所混同のおそれがある場合には審査官 の判断で拒絶する「留保型コンセント」が望ましいとされた。また、併存登録後に出所混同 が生じた場合の取消審判等、事後的な手当も含めて法改正の具体的内容について検討が必要 とされた。 「商標制度の在り方について」(平成18年2月 会報告書) 4 御意見を踏まえた、主な論点と対応の考え方②~従来の検討課題の解消~ ②コンセント制度導入に関するこれまでの課題が解消できるのか。 ■これまで導入が見送られてきた理由(課題)に対する考え方(解消理由及び解消方法) 導入見送りの理由 考え方 出所混同のおそれ(平成7年、18年、28年) 留保型コンセントを採用した場合、審査官が出所混同のおそれを審 査することとなるほか、登録後の混同防止表示請求や、実際に混同 が生じた場合の取消審判の規定を設けることで、出所混同のおそれ を排除することが可能になると考えられる。 →「論点1.制度の枠組みについて」に関連 審査処理の遅延(平成7年、8年) 検討時と異なり、現在は審査処理の迅速化、効率化が図られており、 コンセント制度を設けることによる審査処理期間への特段の影響は、 ほぼ生じない又は極めて少なくなったと考えられる。 アサインバックの存在(平成7年) ユーザーからは、アサインバックよりも簡便・低廉な手続としてコ ンセント制度の導入が求められており、アサインバックがコンセン ト制度の代替として機能しているものとはいえない。アサインバッ クは出所混同のおそれが審査されない。 →「【参考】商標法におけるアサインバックの位置づけについて」 に関連 商標法の趣旨との関係(平成28年) 商標法の趣旨(法目的)の一つである「需要者の利益」の保護につ いては、(アサインバックと異なり)出所混同のおそれを審査で考 慮すること等で担保されるものと考えられる。 最高裁判決との整合性(平成28年) 登録査定後にその事情(現在の使用状況等)が変動しないことを担 保できるようなものについては、一般的・恒常的な事情に準じたも のとして、商標法第4条第1項第11号の類否判断の枠外において、考 慮することも許されるのではないか。 →「論点3.過去の最高裁判決との関係について」に関連 5 御意見を踏まえた、主な論点と対応の考え方③~コンセント制度の類型~ ③コンセント制度導入の類型(定義づけ)を明確化すべき。 ➢ ➢ ➢ コンセント制度には、大きく分けて「完全型」と「留保型」の二つの類型が存在。 コンセント制度の導入・運用状況は、国・地域によって異なるが、ニュージーランド以外の多くは「留保型」のコンセント制度を採用している。 特許庁政策推進懇談会においては、商標法の法目的の一つである「需要者の保護」の観点からも、出所混同のおそれがある場合には登録を認めない とする「留保型コンセント」の導入を検討すべきとの意見を頂いている。 ■コンセント制度の類型 完全型コンセント 留保型コンセント 他人の先願登録商標と類似する商標が出願された際に、当該他人(商標 権者)の同意があれば、更なる審査を経ずに登録を認めるもの。 ニュージーランドで採用。 商標権者の同意があったとしても、なお出所混同のおそれがあると判断 される場合には登録できない。 米国等、多くの国・地域で採用。 ■主な国・地域におけるコンセント制度の導入状況(H28年調査研究報告書より抜粋) 完全型か留保型か 同意書の提出時期 同一商標・同一商品に関す るコンセント 周知・著名商標に関するコ ンセント 米国 留保型 拒絶理由対応時 可 可 EU 相対的拒絶理由の審査なし (異議申立ての審理において、EUIPO が友好的な和解を求めることができる旨 の規定) 提出不要 可 可 中国 留保型 拒絶査定不服審判時 通常難しい 可 台湾 留保型 審査係属中 不可 可 シンガポール 留保型 拒絶理由対応時 可 可 ニュージーランド 完全型 出願から12か月 可 可 6 御意見を踏まえた、主な論点と対応の考え方④~登録公開のあり方~ ④ グローバル化に伴い、コンセント制度も受け入れるべき。J-PlatPat等で併存関係を確認で きるようにすべき。需要者側の懸念も緩和できるのではないか。 コンセント制度を導入している諸外国においては、公報、登録簿、商標検索ツール上でコンセ ント制度により登録された商標であることが特定できるように手当がなされている国と、そう でない国とが存在する。 主要国では、コンセントによる登録であることが特定できない国が多いものの、例えば、米国 等では、サーチツール上、コンセント制度により登録された商標を特定できないものの、個別 案件の出願経過情報を閲覧すれば(同意書が提出されている場合には、その旨が明記されてい るため)確認可能である。 諸外国において、コンセント制度による登録であることの公開の有無・確認方法は様々である ものの、ユーザーの要請や需要者の懸念緩和に向け、コンセント制度による登録であることが 分かるよう特許庁において公開すべきではないか。 J-PlatPatで公開する方向で調整を進めるとともに、システム改修等の準備期間はホームページ で公表する等の代替措置を行うべきではないか。 7 【参考】商標法におけるアサインバックの位置づけについて ➢ 商標法第4条第1項第11号に係る拒絶理由の解消を目的とした、設定登録前の名義変更の往復行為(いわゆる「アサインバック」の代表的 な類型。下記の図を参照。)は、同じくアサインバックの一類型である、引用登録商標の権利者から出願人への移転登録手続に比べ安価で済 むことから、これまでユーザーに多用されてきた実情がある。 ➢ 特許庁の商標審査において、一度名義変更され拒絶理由が解消した出願が再度元の出願人の名義に変更されるか否か(又は、アサインバック が目的ではなく単に出願に係る権利が他人に譲渡されたか)の正確な把握は困難。 ➢ 設定登録前のアサインバックにより併存登録された商標については、商標権の設定登録前(登録査定受領後、料金納付までの間)に元の出願 人の名義に戻るため、商標法第24条の4に規定される混同防止表示請求及び同法第52条の2に規定される取消審判請求の対象とならず(各 条にある「商標権が移転された結果」に該当しない。)、仮に商標権者の使用により出所混同のおそれがある場合や、現実に出所の混同が生 じている場合においても、そのことを理由に混同防止表示請求をすることや、登録の取り消しを請求することはできない。そこで、今回の法 改正では、当該アサインバックについても商標法第24条の4及び同法第52条の2の対象とすることが考えられる(詳細は後述)。 ➢ 設定登録前のアサインバックが困難な場合は、移転登録手続によるアサインバックも利用されるが、権利移転への懸念や時間的・金銭的な負 担が大きい。 ➢ ユーザーにおいては、類似とおぼしき商標同士が異なる商標権者によって併存登録されている状況が、審査官により非類似と判断されたもの か、それともアサインバックにより登録されたものかを確認するための調査に負担が生じる。 第二十四条の四 商標権が移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた 商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の指定商品又は指定役務についての登録商標の使用により他の登録商標に係る商標権者又は専 用使用権者の業務上の利益(当該他の登録商標の使用をしている指定商品又は指定役務に係るものに限る。)が害されるおそれのあるときは、当該他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者は、当該一の 登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者に対し、当該使用について、その者の業務に係る商品又は役務と自己の業務に係る商品又は役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求 することができる。 第五十二条の二 商標権が移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた 商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者が不正競争の目的で指定商品又は指定役務についての登録商標の使用であつて他の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は 通常使用権者の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。 2 第五十一条第二項及び前条の規定は、前項の審判に準用する。 ■典型的なアサインバックの例(設定登録前に元の出願人の名義に戻すケース) 設定登録 (権利発生) 第4条第1項第11号 拒絶理由 出願人A 出願商標 「JPO-A」 出願商標 「JPO-A」 料金納付 登録商標 「JPO-A」 商標権が発生する前に2度目 の名義変更が完了するため、 第24条の4及び第52条の2 に定める商標権の移転に該当 しない。 類似 権利者B 登録商標 「JPO-B」 名義変更 出願商標 「JPO-A」 名義変更 登録査定 8 検討に当たっての主な論点 ➢ 以上を踏まえ、コンセント制度の導入を検討するに当たっては、以下の点 について、整理する必要があるのではないか。 1.制度の枠組みについて 2.商標法第4条第1項第11号の除外規定を設けることについて 3.過去の最高裁判決との関係について 4.事後的な出所の混同防止策について 5.その他の検討事項について 9 1.制度の枠組みについて ➢ 我が国においてコンセント制度を導入するに当たっては、商標法に新たな規定を設け、商標法第4条第1項第11号に該当す る商標であっても、所定の場合には、同号の適用を除外する仕組みを設けるべきではないか。 ➢ これまでのコンセント制度導入に関する議論や、近年の検討の内容も踏まえ、制度全体としては、例えば、以下のような仕 組みとしてはどうか。 ■検討すべきコンセント制度の枠組み 主なポイント 内容 制度の概要 • 商標法第4条に新たな規定を設け、先行登録商標の権利者による同意書の提出のほか、当該先行登録商 標と出願商標との出所混同防止の観点から、出願人に対し、両商標を使用する商品(役務)の取引の実 情(特に一般的・恒常的な事情に準じたもの)について説明を求め、その結果、審査官が出所混同のお それについて問題がないと認めたもののみ、商標法第4条第1項第11号の適用除外とする。 • 登録後の事後的な措置として、同号の適用除外で併存登録された商標権について、混同防止表示の請求、 不正使用取消審判の請求を可能とする。 出所の混同防止のための手当 • • • • 特徴 • アサインバックより金銭的・手続的コストが低く、かつ、需要者の利益の保護を念頭に置いた制度。 • 同意があり、取引の実情(特に一般的・恒常的な事情に準じたもの)を考慮してもなお先願登録商標と の出所混同が生じるおそれがある商標の登録を審査段階で排除できる(具体的な内容は審査基準ワーキ ンググループにおいて検討し、商標審査基準に例示することを検討。)。 留意事項 • 審査における取引の実情の考慮の際の要件設定が課題。 • 商標法に上記の適用除外規定を新設するとしても、過去の最高裁判例との関係の整理が必要となるか。 審査における取引の実情の考慮 審査における先行登録商標の著名性の考慮 審査における商標の同一性、酷似性の考慮(以上、論点2【参考②】に関連) コンセントによる併存登録後の、事後的な取消審判等(論点4に関連) 10 2.商標法第4条第1項第11号の除外規定を設けることについて ➢ 商標法第4条第1項第11号の趣旨は、一般に商品又は役務の出所の混同防止とされていると ころ、コンセント制度においては、査定時(登録時)において、先行登録商標と後願の出願 商標との間における出所混同の防止を担保できる制度を採用することで、同号の除外規定を 設けることに一定の合理性を認めることができるのではないか。 ➢ また、同号には、商標権者の権利保護の側面もあるという見解もあるところ、この点につい ても、先行登録商標の権利者の同意(自身の商標権と抵触する可能性のある範囲に他人が別 の権利を設定することについての同意)が存在することで、同号の適用を除外することの理 由となり得るのではないか。 いずれの趣旨も害さない範囲であれば、コンセント制度により同号の除外規定を設けてもよい のではないか。 11 【参考①】制度導入後の審査イメージ ➢ 商標法第4条第1項第11号に該当する(審査官から拒絶理由通知書を受けた)出願について、 出願人から、先行登録商標の権利者による同意書及び出所混同が生じないことを説明する書 面が提出される。 ※類似する先行商標が事前に明らかな場合には、拒絶理由通知を待たずに同意書等を提出することを妨げるもの ではない。 ➢ 審査官は、それらの書面及び職権調査により同号の除外規定の該当性(次頁の考慮要素の例 参照)を審査し、所定の要件が充足されていれば、他の拒絶理由のない限り、登録を認める。 ■コンセント制度に基づく審査のイメージ 出願人 審査官 審査における判断 (最終処分) コンセントの要件充足 ➢ 商標法第4条第1項第11号 に基づく拒絶理由通知書の 受領 ➢ 同意書の提出 ➢ 出所混同が生じないことを 説明する書面の提出 ➢ コンセント主張認め、 他の拒絶理由がなければ、登録 ➢ コンセント制度適用要件を審査 ・同意書 ・書面の提出の有無 ・職権による調査 により除外規定の該当性を審査 コンセントの要件充たさず ➢ コンセント主張認めず、 11号適用維持(拒絶) 12 【参考②】審査における考慮要素の例 ➢ 審査における出所混同の有無の判断に際しては、出願人から何らかの書面の提出があることを想定(なお、 同意書とは別の書面とするか、同意書の中で(同意以外の)追加の説明があった場合にも認めるか否かは 要検討。) 。 ➢ 出所混同の有無の判断に関する具体的な考慮要素の例としては、現在の両商標の使用状況や、当事者によ る、将来的にも混同が生じないことについての取決め、その他、審査官が混同が生じないと判断できる合 理的な説明を想定。 ■具体的な考慮要素の例 ⚫ 現在の両商標の使用状況 →引用商標・出願商標が現に使用されている場合に、実際に混同が生じていないことを推定できるもの(商品・ 役務の販売・提供地、販売・提供方法、用途等が著しく異なる場合、その他市場が競合しないことを示す事情 等)。 ※現在の商標の使用が認められない場合は、以下の取決めや、今後の使用予定を考慮する ⚫ 将来的に混同が生じないことの取決め →引用商標・出願商標の現在の使用の有無に関わらず、将来においても、混同を生じさせない使用をすることの 当事者間の取決め(両者で取り交わした文書)。 ※将来においても状況が変更されないことを担保できることが必要。 ⚫ その他、審査官が出所混同が生じないと判断できる合理的な説明 (例えば、引用商標の権利者と出願人との間に支配関係がある、グループ企業同士である場合等) これらの内容を総合的に勘案した上で、審査官が、両商標の間で出所の混同が生じるおそれが低いと 判断できる場合には、商標法第4条第1項第11号の適用を除外する(ただし、引用商標が著名商標で ある場合(支配関係・グループ企業等を除く)や、商標が同一・酷似する場合等、出所混同のおそれ が極めて高いものについては、同号の適用を維持して拒絶することを想定。)。 13 3.過去の最高裁判決との関係について 過去の最高裁判決(次頁参照)において、商標法第4条第1項第11号の類否判断に際して考慮するこ とのできる取引の実情は、「一般的、恒常的」な事情に限られてきた。 ➢ しかし、同号の適用される商標についても、これまで一般的・恒常的な事情とはみなされていな かったものを考慮することで、実際には出所混同のおそれが生じないといえる場合があるのではな いか。 ➢ もっとも、登録主義をとる我が国商標法において、登録査定後に変動が生じ得るような事情を第4 条第1項第11号の類否判断の考慮事由とすることは、最高裁判決との関係からも本来は難しいも のといえる。 ➢ そこで、同号の類否判断の方法については維持したまま、法改正により、当事者間で、将来にわ たってその事情(現在の使用状況等)を変更しない旨の具体的な合意が行われている等、登録査定 後に当該事情が変動しないことを担保できるようなものについては、(同号の類否判断の枠外にお いて)これを一般的・恒常的な事情に準じたものとして、考慮できるようにすることも許されるの ではないか。 ➢ さらに、当該事情を考慮した上で、登録時及び登録後において具体的に出所混同のおそれが生じな いと判断される場合には、登録を認める(=商標法第4条第1項第11号の適用を除外する規定を 設ける)ことが許されるのではないか。 ➢ あわせて、登録後、実際に出所混同(のおそれ)が生じた場合には、混同防止表示の請求や取消審 判の規定を設けることで(詳細は後述)、コンセント制度全体として一定の合理性を持たせること ができるのではないか。 14 【参考】過去の最高裁判決 ■商標の類否判断に関する最高裁判決 事件名/事件番号 説示要旨 橘正宗事件 最高裁昭和36年6月27日判決(昭和33(オ)第1104号) 商標が類似のものであるかどうかは、その商標を或る商品につき使用した場合 に、商品の出所について誤認混同を生ずる虞があると認められるものであるか どうかということにより判定すべきものと解するのが相当である。 氷山印事件 最高裁昭和43年2月27日判決(昭和39(行ツ)第110号) 商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、 商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによつて決すべきであ るが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等 によつて取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、 しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況 に基づいて判断するのを相当とする。 ・・・また論旨は、硝子繊維糸取引の実情に関する原判示をもつて、それは実 験則といえるほどの普遍性も固定性もないもので、新製品開発当初の特殊事情 に基づく過去の一時的変則的な取引状況のように主張するが、原判決がその挙 示の証拠および弁論の全趣旨によつて適法に認定したところは、本件出願商標 の出願当時およびその以降における硝子繊維糸の取引の状況であつて、かつ、 それが所論のように局所的あるいは浮動的な現象と認めるに足りる証拠もない。 所論によつては本件出願商標の登録を拒否しえないものといわなければならな い。 保土谷化学工業社標事件 最高裁昭和49年4月25日判決(昭和47(行ツ)第33号) 商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品 全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであつて、単に該商標が現在 使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない ことは明らかであり、所論引用の判例も、これを前提とするものと解される。 15 4.事後的な出所混同の防止策について ➢ コンセント制度による登録は、現行の商標法第4条第1項第11号の定める商標の範囲内にある出願につい て、同意書及び出所混同のおそれがないことを説明する書面の提出を理由として、特例的に認めるもので ある。そのため、コンセントの基礎となった事情に変更が生じた場合等、事後的に出所混同のおそれが生 じた場合に備え、これを是正する仕組みを置くことが望ましいのではないか。 ➢ コンセント制度による商標の登録後、一方の権利者による商標の使用の結果、他方の権利者の業務上の利 益が害されるおそれ(登録商標の出所表示機能の毀損を含む)がある場合には、同法第24条の4のように、 当事者間で混同防止表示の請求を可能にすることで、出所混同の防止を担保することが可能ではないか。 ➢ また、コンセントによる商標の登録後、当事者のいずれかが不正競争の目的を持って出所混同を生じさせ る使用をした結果、現実に出所混同が生じている場合には、同法第52条の2のように、何人も取消審判の 請求を可能にすることで、出所混同の防止を担保することが可能ではないか。 ➢ 加えて、設定登録前に行われたアサインバックについては、たとえ商標権者の使用により出所混同のおそ れがある場合や、現実に出所の混同が生じている場合においても、同法第24条の4に規定される混同防止 表示請求及び同法第52条の2に規定される取消審判請求の対象とはならないところ、そのような場合につ いても各条に基づく措置の対象としてはどうか。 ■事後的に出所混同防止を担保する仕組み(イメージ) 混同防止表示の請求 (相互) 登録後 (使用時) 先行登録商標の権利者 出所混同のおそれがある場合には、混同防止表示の 請求を可能にすることで出所混同防止を担保。 後願の登録商標の権利者 取消審判の請求 (相互) 第三者 取消審判の請求 現実に出所混同が生じている場合には、取消審判の 請求を可能にすることで出所混同防止を担保。 ➢ 設定登録前のアサインバックについても同様の措 置を設けてはどうか。 取消審判の請求 16 5.その他の検討事項について ➢ 上記で述べた論点のほか、例えば、下記の論点についても、整理・検討が必要ではないか。 先後願や同日出願に関する規定について 商標法第8条第1項において、異なる日に同一又は類似する商標の出願があったときは、最先の出願人のみが商標登 録を受けられるとし、先後願の関係について規定しているところ、コンセント制度を導入する場合には後願の出願人 も登録の余地がある以上、何らかの手当が必要ではないか。 また、商標法第8条第2項において、同日に同一又は類似する商標の出願があったときは、協議により定めた一の商 標登録出願人のみが商標登録を受けられるとし、同条第5項において、第2項における協議が成立しない場合に、く じにより定めた一の商標登録出願人のみが商標登録を受けられるとしているところ、同日付で出願された類似商標の 出願人が互いに同意書を提出した場合にも、コンセントによる登録を認めてもよいのではないか。 コンセントにより登録された商標である旨の公示について ある商標がコンセントにより登録されたものである場合に、それが第三者から見ても容易に分かるよう、何らかの措置をとる べきではないか。J-PlatPatで公開する方向で調整を進めるとともに、システム改修等の準備期間はホームページで公表する等 の代替措置を行うべきではないか。 (なお、平成29年に導入された商標審査基準における運用により、①商品又は役務の類否判断における取引の実情の考慮、及 び、②出願人と引用商標権者との間に支配関係が認められた出願の一覧については、特許庁ホームページにおいて公開されて いる。) 17 【まとめ】各論点を踏まえたコンセント制度の在り方について ➢ 以上の論点を踏まえると、我が国におけるコンセント制度の在り方及び検討に当たっての留意事項は、以下のように整理できるのではないか。 ➢ これらの点を踏まえた上で、我が国においてもコンセント制度を導入すべきではないか。 審査時 ①拒絶理由通知書(※) 登録後 ②当事者間の合意 ⑤混同防止表示の請求、 異議申立て・不正使用取消審判等の請求 ③同意書等の提出 同意書等の作成 ④登録査定・拒絶査定 特許庁(審査官) 出願人A 先行商標権者B 特許庁(審判部) ※類似する先行商標が事前に明らかな場合には、拒絶理由通知を待たずに同意書等を 提出することを妨げるものではない。 ①拒絶理由通知書 一般原則(審査基準等)にのっとり職権審査。 Aの出願商標とBの登録商標との間に出所混同のおそれがあると判断した場合に、第4条第1項第 11号を適用。 ②当事者間の合意・同意書等作成 先行登録商標の権利者Bによる同意書等を作成する。 ③同意書等の提出 審査官は、出願人から同意書及び出所混同が生ずるおそれがないことを説明する書面の提出があっ た場合には、提出書面の内容を考慮した上で、両商標の出所混同の有無を審査。 出所混同が生じる蓋然性が低いと判断された場合には、商標法第4条第1項第11号の適用を除外。 (留意事項) • 出所混同のおそれの有無を判断するに当たり、どのような考慮要素を設けるべきか。 ④登録査定・拒絶査定 登録査定となった商標については、それが(商標同士が区別されたのではなく)コンセントにより 登録された旨が第三者からも分かるよう、何らかの形で公表する。 (留意事項) • J-PlatPatで公開する方向で調整を進めるとともに、システム改修等の準備期間はホームページ で公表する等の代替措置を行うべきではないか。 A又はBによる商標の使用により、 両者の間に出所混同が生じる場合 A又はBによる商標の 使用により、 両者の間に出所混同の おそれが生じる場合 混同防止表示の請求 が可能 権利者A (左記の出願人Aと同一人) 先行商標権者B 第三者 (一般の消費者・取引者等) ⑤混同防止表示の請求、異議申立て・不正使用取消審判等の請求 コンセントによる併存登録後、一方の権利者による商標の使用の結果、他方の権利者の業務上の利 益が害されるおそれ(登録商標の出所表示機能の毀損を含む)がある場合には、混同を防ぐのに適 当な表示を付すべきことを請求できることとする。 また、両商標の「使用」に係る商品・役務について出所混同が生じると判断される場合(コンセン トを認めた審査官の判断が不適切だった場合)には、何人も異議申立てが可能(既存の制度)。 加えて、当事者ABいずれかが(不正競争の目的を持って)いずれか一方の商標と出所混同を生じ させる使用をした結果、現実に出所混同が生じている場合には、別途、何人も取消審判を請求可能 とする。 (留意事項) • 設定登録前に行われたアサインバックについては、たとえ商標権者の使用により出所混同のお それがある場合や、現実に出所の混同が生じている場合においても、そのことを理由に混同防 止表示の請求をすることや、取消審判の請求をすることはできないところ、そのような場合に ついても同様の措置を設けてはどうか。 18 【参考】審査基準の取扱いの利用状況について(第9回商標小委資料p5再掲) ➢ 平成29年4月に運用が開始された審査基準の取扱いについて(詳細は次頁参照)、これまでの利用状況は、 ①取引の実情に基づいて商品・役務を非類似と判断した出願:1件 ②出願人と引用商標権者間に支配関係が認められた出願:511件 (いずれも2022年4月時点) ➢ ②については一定数の利用が認められる一方、①についてはほとんど利用されてこなかった事実が伺える ところ、ユーザー利便性を一層上げる必要があるため、更なる検討が必要ではないか。 ■①商品又は役務の類否判断における取引の実情の考慮に関する取扱いにおいて非類似と判断された出願 出願番号 非類似と判断した指定商品・役務名(本願商標) 引用商標 非類似と判断した指定商品・役務名(引用商標) 2017-033050 第35類「 農業経営に関する指導及び診断並びに助言」 登録第5960687号 第35類「ウェブサイトの検索結果の最適化,IT(情報技術) 導入又はIT(情報技術)に関連するシステム構築に伴う経営 に関する助言又はコンサルティング」 ■ 商標審査基準における①商品又は役務の類否判断における取引の実情の考慮に関する取扱いや、②出願人と引用商標権者との支配関係の考慮に関する取扱い についてのユーザーの意見 ①商品又は役務の類否判断における取引の実情の考慮に関する取扱いについて • 本取扱いでは、どの程度の商品同士であれば非類似と判断されるか分から ないので、それであればアサインバックをしようという気持ちになる。 • 本取扱いは、引用商標権利者に非類似の主張をしてもらうという点のハー ドルが高く、加えて、陳述を取り付けられたとしても、特許庁で審査した 結果拒絶される可能性もあるため利用しにくい。どういう説明や証左があ れば非類似と認められるのか明確になれば使いやすいと思う。 • これまでに非類似と認められたのが1件ということで、通常の実務では使 いやすいものではないと思う。 • 考慮された取引の実情が後の審査を拘束するのではないかという懸念があ る。また、判例上、11号は、個別具体的な取引実情でなく、一般的な取引 実情を考慮するものであるので、本取扱いが利用できる機会があるのか疑 義がある。 ②出願人と引用商標権者との支配関係の考慮に関する取扱いについて • 同一の屋号を含むものの現在では資本関係のないグループ会社(旧財閥系 等)も本取扱いの対象にしてよいと思う。 • 国内企業と海外企業の関係だと、実際には親子関係にある企業であっても 両者の資本関係の立証が難しい場合がある。このようなケースも認められ るような要件の拡大を希望する。 • グループに複数の事業会社があるが、事業会社は審査基準の考慮要件とな る支配関係になく、結局、一事業会社の出願に対しほかの事業会社の登録 商標が引用され商標登録を断念した。出願人と権利者との間に支配関係が なくとも、グループ会社であることを示すことで足りれば使いやすい制度 になると思う。 • 利用を検討したことがあったが、一方は孫会社であり、現行の基準の要件 を満たさなかったことから断念した。親子会社に限らず孫会社やグループ 会社でも登録を認めるようにしてほしい。 19 【参考】ニーズの整理及び対応の方向性(第9回商標小委資料p8一部修正の上再掲) ➢我が国におけるコンセント制度導入に関しては、以下のように整理することができるのではないか。 ■コンセント制度導入のニーズについて • 多くの諸外国においてはコンセント制度が存在し、グローバルなコンセント(併存同意)契約を結ぶこともある中、日本で同様の手 続が出来ないことが、特に海外ユーザーにとって日本での商標登録の障壁となっているという声がある。 • アサインバックの手法について、権利の一時的な移転に伴うリスクがあることや、交渉手続、費用の負担が大きいことなどを理由に、 中小企業を含むユーザーからは、より簡便・低廉なコンセント制度の導入が求められている。 • 平成28年に見直された商標審査基準(第13版、平成29年4月1日適用)における①取引の実情(商品・役務の類否判断)や②出願人 と引用商標権者との支配関係の考慮に関する規定について、①、②ともにユーザーにとって利用しにくい場面があることが確認され た。 ■対応の方向性について • 近年のコンセント制度導入に関するユーザーニーズの高まり、国際的な制度調和の観点から、我が国においても何らかの措置を講じる 方向で、改めて検討すべきではないか。 • 仮に法改正によるコンセント制度導入を検討する場合には、ユーザーから消極的な意見も頂戴していることにも十分に留意しつつ、商 標法第1条に規定された法目的の一つである、需要者の利益の保護、本規定における「類似」と「出所混同のおそれ」の関係性の整理 等について検討するとともに、法改正を行う場合に手当すべき事項についても検討すべきではないか。 あわせて、現行の審査基準における取扱い見直しの余地があるかどうか検討すべきではないか。 20

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参考資料1 送達制度の見直し 産業構造審議会知的財産分科会 令和4年11月22日 第10回商標制度小委員会 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料3 特許庁に対する手続及び特許庁からの書類発送について ➢ 出願人等は特許庁に対しオンラインまたは書面により手続を行うことが可能。 ➢ オンラインにより手続をする場合、出願人等は事前に特許庁に電子証明書等を登録する必要が あるほか、特許庁からの発送書類(出願人等が受け取る書類)について、オンラインで受領す る(オンライン発送)か、郵送で受領する(書面による発送)かを選択することが可能。 ➢ 書面により手続をした出願人等に対しては、特許庁からの発送書類は書面による発送となる。 出願人等 特許庁 <事前準備> 申請人情報の登録、 電子証明書の登録、 予納口座の登録等 オンラインまたは書面に より補正命令等 を出願人等に発送 記録原本サーバ 特許庁に事前登録 受付サーバ 申請人DB 登録後 電子出願 出願関係 DB 電子手続 オンライン発送 システム 書面出願 書面手続 窓口・郵送 受理 書面の電子化 発送書類作成 審査官、方式審査専門官等 1 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料3 現状のオンライン発送 ➢ 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(以下「特例法」という。)第5条において、 出願人等が使用する、電子計算機に備えられたファイルへの記録が完了した時点(下記フ ロー図④)をもって、通知の相手方に発送書類が到達したものとみなすと規定(オンライン 発送)。 ➢ 特許庁の受付サーバに発送書類が格納(下記フロー図⓪)されてから、10開庁日以内に発 送書類を受け取らない(=下記フロー図③を行わない)出願人等に対しては、紙により発送 (※)。 インターネット 出願人等 特許庁 受付サーバ ①発送書類存在確認 ②発送待機件数通知 ⓪発送書類格納 ③受取件数指定 インターネット 出願ソフト ④発送書類送信 (特許庁が提供する無償 のコンピュータソフト。 以下出願ソフトという。 ) ⑤受領確認通知送信 オンライン発送 システム ※ オンライン発送を希望しながらも10開庁日以内に書類をオンラインで受け取らず、紙発送となった 件数は37,353件であり、法令上オンライン発送が可能な書類の全発送件数1,220,406件のうち約 3.1%。(件数は2021年のもの。2022年8月15日時点特許庁調べ) 2 特許庁におけるオンライン発送(送達含む)見直しの方向性 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料3 ➢ 特許庁では、従来よりオンライン発送を実施しているところ、リモートワークといった働き方 の変容への対応や行政のデジタル化の動きを踏まえ、オンライン発送可能な書類の拡大に向け 検討している。 ➢ しかし、現行法上、オンライン発送は、出願人等が受け取らないと到達だけでなく発送の効力 も発生せず、不安定さを含んだ仕組みとなっている。また、オンライン発送書類を一定期間受 け取らない出願人等に対しては、送達の効力発生のため紙媒体で発送しているが、リモート ワークにより紙発送を受け取れない場合も生じている。 ➢ このため、令和4年民訴法改正の内容も踏まえつつ、書面による発送のコスト削減や簡易・迅 速な手続の実現を通じたユーザの利便性向上のため、オンライン発送制度の見直しを検討する 必要がある。 【制度見直しの基本的方向性】 ⚫ 対象書類:オンライン発送可能な書類(特許法令上「送達する書類」とされているもの以 外の通知も含む) ※民訴法改正の対象は送達すべき書類であるが、特許庁においては、送達すべき書類以外 の通知についてもオンライン化しており、これらの通知についても同様の扱いとする。 ⚫ 受付サーバ格納後一定期間経過しても発送書面を受け取らない者への紙発送を廃止 ※オンライン発送書類の受領をしなくても、一定期間経過後に出願人等に到達したものと みなす制度を導入 ⚫ 対象者:①出願ソフトによるオンライン発送を希望する者 ②代理人(代理を業として行う者に限る)(※改正後の民事訴訟法に倣い、 希望有無によらず対象とする) ⚫ 簡易・迅速な手続の実現とともに、コスト面についても十分に考慮 3 特許庁におけるオンライン発送(送達含む)見直し案の全体像 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料3 ➢ 前ページ記載の見直しの方向性を踏まえ、以下の3案が考えられる。 ➢ 案の決定にあたっては、出願人等への影響や特許庁のシステム改造にかかるコスト等を十分 に考慮する必要があり、特許庁政策推進懇談会では、案1が最も支持されたところ。 見直し案の全体像 見直し案 案1 案2 案3 出願人等への通知方法 書類の到達時期 出願人等が出願ソフトを立ち上げた時に、 出願人等の電子計算機に備えられた 特許庁の受付サーバに発送書類が格納さ ファイルへの記録が完了した時、 れた旨の通知が送付される。 又は 出願人等が出願ソフトを立ち上げた時に、 特許庁の受付サーバに発送書類が格 納された時から一定期間経過した時、 発送件数等の通知はせずに のいずれか早い時に、発送書類が出 自動的に発送書類が送付される。 願人等に到達したものとみなす。 特許庁の受付サーバに発送書類が格納さ 出願人等の電子計算機に備えられた れた(出願人等のファイルに記録が可能 ファイルへの記録が完了した時、 になった)旨、電子メールで通知される。 又は 特許庁の受付サーバに発送書類が格 納された旨のメール通知を受けてか ら一定期間経過した時、 のいずれか早い時に、発送書類が出 願人等に到達したものとみなす。 4 特許庁におけるオンライン発送見直し案1 :インターネット出願ソフトによる書類を格納した旨の通知 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料3 ➢ 出願ソフトを起動するタイミングで特許庁の受付サーバーに書類を格納した旨の通知がなされる(下記フ ロー①)。 ➢ 出願人等の電子計算機に備えられたファイルへの記録が完了した時(下記フロー図③)、又は特許庁の受付 サーバに発送書類が格納された時(下記フロー図⓪)から一定期間経過した時、のいずれか早い時に、発送 書類が出願人等に到達したものとみなす。 メリット ユーザ 論点・課題 特許庁 ⚫出願ソフト起動により自動的に ⚫ 紙発送書類が減少する 発送待機案件を通知される点で、 ⚫ 既存の出願ソフトを活用可能 頻繁に出願ソフトを立ち上げる なため、(電子メールで通知 ユーザには利便性向上 をする案(案3)と比べ)通 ⚫頻繁に出願ソフトを立ち上げる 知の不達や誤送信リスク及び ユーザにとっては発送書類を受 不達の場合の救済措置対応や 領するタイミングをコントロー 電子メールアドレスの管理等 ル可能(現行に近い運用) の業務負荷は無し 出願人等 出願ソフト 立ち上げ インターネット ユーザ 特許庁 ⚫出願ソフトを起動しないでいる と、気づかないうちに発送書類 の到達の効力が発生し、法定期 間、指定期間が過ぎてしまう可 能性がある ⚫出願ソフト上のシステム対応 (通知を送信するための改造) が必要(改造コストは案3と比 較して小さい想定) 受付サーバ 特許庁 ①書類格納通知 ②受取案件指定 インターネット 出願ソフト ⓪発送書類格納 ③発送書類送信 ④受領確認通知送信 オンライン発送 システム 5 現状の公示送達と改正の方向性 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料3 ➢ 特許法第191条(同条を実用新案法第55条、意匠法第68条、商標法第77条で準用)において、送達を受ける べき者の住所、居所、その他送達をすべき場所が知れないとき、準用する民事訴訟法第107条第1項の 規定により送達をすることができないときは、公示送達をすることができると規定。 ➢ また、その公示送達は、官報及び特許公報に掲載するとともに特許庁の掲示場に掲載することにより行う と規定。 ○官報(特許公報も同様) ○特許庁の掲示(螺線階段の前の掲示板に掲示) 改正後の民事訴訟法第101条において、インターネットを用いた公示送達の方法が規定される予定のとこ ろ、特許庁においても同様に方法を規定する。 ※官報及び特許公報への掲載を廃止し、特許庁HPにおける掲載に代える想定。 6

資料6

参考資料2 新型コロナウイルス等の影響に対応した公示送達の見直し 産業構造審議会知的財産分科会 令和4年11月22日 第10回商標制度小委員会 公示送達制度の概要(現行制度) 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料4 在外者の特許管理人 ➢ 日本国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない者(在外者)は、原 則、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(特 許管理人)によらなければ、手続等をすることができない旨規定(特許法8条1項 等)。 在外者に対する送達 ➢ 在外者に特許管理人があるときは、特許管理人に送達しなければならない旨規定。ま た、在外者に特許管理人がないときは、書類を航空扱いとした書留郵便等に付して発 送でき、その発送の時に送達があったものとみなす旨規定 (特許法192条等)。 公示送達 ➢ 送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないとき、又は民事 訴訟法第百七条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定により送達をすることが できないときは、公示送達をすることができる旨規定(特許法191条1項等)。 1 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料4 現行制度:審判における送達の例 ➢ 権利登録後に、在外の権利者と特許管理人との委任契約が終了している場合、被請求人である 在外の権利者に、航空書留郵便で審判請求書の副本・審決の謄本を送達する。 取消審判:通常の副本送達までの流れ ①商標登録までは、特許管理人を通じて手続 ③数年後、取消審判請求があった際に、特許管理人が いない場合(※)、副本を在外者である権利者に 送達する必要がある。 審判 請求書 出願人 在外者 代理人 (特許管理人) 特許庁 請求人 ②設定登録後、委任契約終了等により 特許管理人不在 特許庁 権利者 (被請求人) 在外者 権利者 在外者 代理人 (特許管理人) 請求書 副本 航空書留郵便 で送達 (※)特許庁では、直ちに在外の権利者に対して請求書副本を送達す るのではなく、手続の円滑化のため、直近の手続をした代理人 に対し、受任の意向を確認している。 2 現行制度:マドプロ制度(国際商標登録制度)における送達の例 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料4 ➢ マドプロ出願においては、出願人と応答手続なく拒絶査定まで進む場合、特許管理人を置く必要性が発生 しない。この場合、海外出願人に航空書留郵便で拒絶査定を送達させる必要がある。 国内代理人がいる場合の拒絶査定確定までの流れ(オレンジの矢印) 海外出願人 国内代理人がいない場合の拒絶査定確定までの流れ(青の矢印) 暫定 拒絶 通報 特許管理人 暫定 拒絶 通報 意見書 補正書 拒絶 査定 代理人 受任届 国際事務局 国際 登録 暫定 拒絶 通報 指定 通報 暫定 拒絶 通報 国際 登録 暫定 拒絶 通報 指定 通報 暫定 拒絶 通報 指定国官庁 意見書 補正書 代理人 受任届 拒絶理由 が解消し ない 拒絶 査定 拒絶 査定 応 答 手 続 な し ( 代 理 人 な し ) 拒絶理由が解消 しない 航空書留郵便 で送達 拒絶 査定 3 現行の公示送達制度の問題点 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料4 背景 ➢ 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、2020年4月以降日本郵便(株)が一部の国・ 地域宛ての航空便による郵便の引受停止(国際郵便の引受停止)をしたことにより、出願人 等が在外者であり、かつ特許管理人を選任していない出願人等への航空書留郵便等に付する 発送ができない状況が長期にわたり発生。その結果、在外の出願人等への審判請求書の副本 やマドプロ出願における拒絶査定の謄本等の送達ができず、国際郵便引受再開を待っている 状況。 ➢ しかしながら、2022年3月、ウクライナ情勢により引受停止国が更にイギリス、フランス 、ドイツ等に拡大し、送達できない件数が大幅に増加(現在は一部解消)。 問題点 ◆ ロシアやインドなどへの引受停止が継続し、国際郵便引受再開の目処が立っておらず、一 定量の未送達案件が生じている。 ◆ 引受停止により審判請求書の副本・拒絶査定の謄本等が送達できないため、迅速な審理を 望む請求人の要望に応えられず、また最終処分が長期にわたり確定しないことで、後続の 審査に影響が生じている。 ◆ 現状況が解消した場合でも、今後も同様なことが発生する可能性がある。 4 見直しの具体的な検討① 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料4 (1)現行公示送達制度(特許法191条等)との関係 特許法192条2項の規定に基づく航空書留郵便等に付する発送ができないとき、 191条に基づき公示送達をすることができるのか。 現行特許法191条1項は、送達を受けるべき者の住所等が知れないとき、又は民 事訴訟法107条1項(2,3号除く)の規定により送達をすることができないとき (=送達を受けるべき者の住所等が分からず、就業場所へ送付したが還付されてき た場合)に、公示送達をすることができる旨規定。 ✓ 現在の在外者に送達が行えない状況は、在外者の住所等は知れているため、 特許法191条1項前段には該当しない。 ✓ 民訴法107条1項の規定は、国内における送達についての規定と解されること から、在外者への送達は該当しない。 現在の国際郵便引受停止による送達できない状況は、 現行特許法の公示送達の要件を満たさない。 5 見直しの具体的な検討② 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料4 (2)問題を解決するために、どのような公示送達制度とするべきか 公示送達について規定した特許法191条を改正し、国際郵便引受停止等の理由 により在外者に航空書留郵便等に付する発送ができないとき、公示送達をするこ とができるようにしてはどうか。 • 現在発生しているような、戦争やコロナ禍の影響により現実に国際郵便の引受 が停止され、当該国に対して航空書留郵便等に付する発送ができないときを、 公示送達の要件とする。 ただし、公示送達は通常の送達手段ができない場合の最後の手段と考えるべ きあるところ、国際郵便の引受停止の状況は短期間で解消される可能性もあ る点を留意する。 • このため、192条2項の規定により、航空書留郵便等に付して発送をすること が困難な状況が、長期間継続する(例えば6か月経過※)ことを、公示送達の 要件として付加することとする。 ※民訴法110条1項4号では、外国における送達について当該国の管轄官庁等に嘱託を 発した後、6か月経過しても送達を証する書面の送付がない場合を公示送達の要件と 規定している。 6

資料7

参考資料3 書面手続のデジタル化に向けた関係手続整備 産業構造審議会知的財産分科会 令和4年11月22日 第10回商標制度小委員会 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料5 書面手続のデジタル化の目的 ➢ 特許庁に対する申請手続及び特許庁からの発送手続については、オンラインで行うことが できないものが一定数存在。 ➢ ユーザー手続のデジタル化等の障害となりうる状況となっており、これらの改善に向け、 『特許庁における手続のデジタル化推進計画』を令和3年3月31日に公表。 ○特許庁に対する申請手続 総申請 件数 ※デジタル化のため法改正が必要 約310万件 電子申請 可能な手続 (約300種類) 電子申請 できない手続 (約500種類) ○特許庁からの発送手続 総発送 件数 電子申請 約275万件 紙申請 約15万件 約20万件 例:新規性喪失の例外証明書 特許権移転に係る申請書 等 原則、全ての手続をデジタル化する方針 ※省令改正にて対応 約395万件 オンライン発送 可能な手続 (約200種類) オンライン発送 できない手続 (約800種類) オンライン 発送 約95万件 紙発送 約20万件 約280万件 例:登録証 特許料領収書 等 発送件数やユーザーニーズが高い、登録証など 7種類の発送書類について先行してオンライン 発送が可能となるよう対応を進める 出典:特許庁 “特許庁における手続のデジタル化推進計画~ユーザーの利便性向上と業務最適化の両立に向けて~” https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/document/tetsuzuki_digitalize/keikaku.pdf をもとに、事務局にて図を加工。なお、件数は、2019年度のもの。 1 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料5 特許庁に対する申請手続のデジタル化の方法 ➢ 特許庁に対する申請手続については、原則全てオンライン申請可能とする計画 であるが、その実現のためには、大規模なシステム改造と改造費用が発生する。 ➢ このシステム及び費用の制約の中で計画実現を図るため、これまでのオンライ ン申請とは別の電子形態(経済産業省令で定めることとし、具体的にはPDF形式 を想定している)にて受け付ける必要があるところ、この別形態の申請を受け付 けることに伴い閲覧等方法や電子化の方法に所要の法令改正を行う必要がある。 <特許庁に対する申請イメージ> 申請書類 オンライン申請 申請人 出願ソフト (特許庁が提供する無 償のコンピュータソフ ト。以下出願ソフトと いう。) 特許庁 筆頭書類 (PDF) 送付票 (XML) 送付者の 情報等を入力 (出願ソフト にて作成) 申請書類本体 例.移転申請書 添付書類 (PDF) 筆頭書類に 添付をする 書類(物件) 例.譲渡契約書 ※従来のオンライン申請とは異なる形態。 2 書面手続のデジタル化の方向性 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料5 ➢ 特許庁に対する申請手続のデジタル化に伴い以下の所要の法令改正を検討。 ○電子化に関する改正 ○閲覧・交付に関する改正 特許庁に対する申請手続に関する法令改正の方向性 ○電子化に関する改正 PDFでの提出によりなされた手続を、書面で提出した場合と同様に特許庁システムにおいて処理可能 な形での電子化(変換)を行う対象とすべく、所要の措置を行う。 ○閲覧・交付に関する改正 PDFで提出された申請書類も閲覧・交付請求を可能とすべく、所要の措置を行う。 ※上記の他、相手方当事者に副本送達が必要な書類(無効審判請求書等)がPDFで提出された場合、PDFを プリントアウトすることなく、PDFを記録したDVD等により副本送達が行えるための法令改正等を行う。 3

資料8

参考資料4 優先権証明書のオンライン化のための規定整備 産業構造審議会知的財産分科会 令和4年11月22日 第10回商標制度小委員会 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料6 現行制度(パリ条約による優先権について) [概要] ➢ パリ条約による優先権とは、第一国に出願した者が、その出願の内容について 優先期間内に第二国に出願をした場合に、第二国の出願の新規性・進歩性等が、 第一国に出願をした日(優先日)を基準に判断されるという制度(パリ条約第4条)。 ➢ 同一の発明を複数国に同時出願するためには、同時期に翻訳等の準備や各国ごとに 異なる出願手続への対応が必要となるから、出願人に負担が大きい。 パリ条約による優先権は、このような出願人の負担軽減のために設けられた。 優先権主張 第一国出願 第一国出願 A国 第二国出願 第二国出願 B国 複数国同時出願 優先日 優先期間(特許・実用新案:12か月 意匠・商標:6か月) 1 現行制度(優先権証明書の提出について) 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料6 ➢ パリ条約による優先権を主張してJPOに出願する際には、出願人又はその代理人 (以下「出願人等」という。)は、第一庁(※1)で発行された優先権証明書につい て、①書面により原本を提出する(特許法第43条第2項)ことを原則とし、 ②世界知的所有権機関のデジタルアクセスサービス(DAS※2)等を利用した電子 的交換を行うことで、提出したものとみなされる(特許法第43条第5項)。 ➢ 電子的交換ができない場合(※3)には、書面による原本の提出に限られる。 DAS 第一庁 第二庁としての JPO 優先権 証明書 出願人等 優先権証明書提出件数(日本国特許庁に対する出願人からの提出件数。なお、括弧内 は電子的交換の割合)(2020年) 特許・実用 12,813件(86.6%)、意匠 6,424件(45.1%)、商標2,215件(0%) (2022年4月7日時点特許庁調べ) ※1 優先権主張の基礎となる出願をした知財庁 ※2 世界知的所有権機関のデジタルアクセスサービス(DAS) DAS参加庁間で優先権証明書の電子的交換が可能。証明書の書面提出が不要となる。 ※3 第一庁がDASに不参加の場合や、DASの対象外である商標登録出願の場合 2 現行制度の課題・検討案 令和4年9月26日 第47回特許制度小委員会 資料6 [オンライン化の課題] ➢ 法令上、第一庁が書面で発行した証明書を出願人側で電子化したもの(写し) 及び第一庁が電子で発行した証明書そのものの提出が認められていない。 [検討案] 特許法等において、以下の必要な制度改正を行う。 ➢ 優先権証明書の写しの提出を許容する。 ➢ 優先権証明書のオンライン提出を可能とする。 ※「特許法等」・・・特許法を準用する実用新案法・意匠法・商標法を含む。 3