議事要旨
。
第20回意匠制度小委員会 議事要旨
1. 日時・場所
日時:令和7年6月30日(月曜日) 13時00分~15時00分
場所:特許庁特別会議室(特許庁庁舎16階)+Web会議室
2. 出席者
相澤委員、青木委員、小川委員、長田委員、影広委員、加藤委員、せきぐち委員、田村委員長、野田委員、バヒスバラン委員、松本委員
3. 議題
(1)これまでの議論の整理について
(2)仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方について
(3)生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応について
4. 議事内容
事務局より、資料1に沿って、説明が行われた。
議題について、自由討議が行われた。
以上
[更新日 2025年7月3日]
お問い合わせ
特許庁総務部総務課制度審議室
TEL:03-3581-1101 内線2118
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資料1
産業構造審議会知的財産分科会
第20回意匠制度小委員会
議事次第・配布資料一覧
日
時:令和7年6月30日(月)13時00分開会
会
場:特許庁庁舎16階特別会議室+Web会議室
(議事次第)
1.開会
2.これまでの議論の整理について
3.仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方について
4.生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応について
5.閉会
(配布資料)
議事次第・配布資料一覧
委員名簿
資料1 意匠制度に関する検討課題について
資料2
令和7年6月 3 0 日
第 20 回意匠制度小委員会
産業構造審議会
知的財産分科会
意匠制度小委員会
委員名簿
相澤
清晴
東京大学情報基盤センター
特任教授
青木
大也
大阪大学大学院法学研究科
准教授
小川
亮
公益社団法人日本パッケージデザイン協会 専務理事/
株式会社プラグ
代表取締役
長田
新子
一般社団法人 Metaverse Japan
代表理事
影広
達彦
一般社団法人日本デジタル空間経済連盟
株式会社日立製作所研究開発グループ
R&D 先端 AI イノベーションセンタ
加藤
正敏
日本商工会議所
黒田
薫
阿部・井窪・片山法律事務所
せきぐち
委員長
あいみ
主管研究長
パートナー弁護士
VR アーティスト
善之
東京大学大学院法学政治学研究科
野田
一隆
日本知的財産協会意匠委員会
教授
委員長/
日本たばこ産業株式会社知的財産部
松本
直子
薫
Digital Innovation
理事・産業政策第一部長
田村
バヒスバラン
理事/
シティユーワ法律事務所
日本弁理士会
課長代理
意匠委員会
弁護士
委員/弁理士
(敬称略、五十音順)
資料3
資料1
意匠制度に関する検討課題について
産業構造審議会知的財産分科会 第20回意匠制度小委員会
令和7年6月30日
1.これまでの議論の整理
1
1.仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方
現状と課題
➢ VR技術等の発展を受けて、現在、現実空間・仮想空間のビジネス主体の双方が、仮想空間の利活用を前提とした
様々なビジネスを展開している。仮想空間市場は、2027年度に日本でも2兆円以上に及ぶと予測されており、更
なる発展が見込まれる。
➢ このような中で、現実空間・仮想空間の双方のデザインが無断で模倣、販売等される被害が生じており、仮想空
間におけるデザインの権利保護に向けた意識は十分でない。海外では意匠法による保護に向けた環境整備が進む
中、我が国では、意匠法を含め法律による保護は限定的であり、意匠法による保護を求めるユーザーニーズが存
在する。
本小委員会における議論
➢ 本小委員会では、(1)意匠制度見直しの必要性があるか、(2)意匠制度を見直す場合にどのような制度的措
置の方向性で検討するかについて、議論を行った。
➢ その結果、(1)意匠制度見直しの必要性及び(2)意匠制度を見直す場合に制度的措置の方向性③(画像の意
匠において、操作画像及び表示画像に加え、仮想物品等の形状等を表した画像を保護対象とする方向性)で検討
を進めることについて、おおむね御承認をいただいた。その上で、制度的措置の方向性③の具体的内容に関する
論点のうち、保護対象及び意匠の類否判断について検討を開始したところ。
➢ 今後の検討にあたっては、クリアランス調査の負担軽減の対応は各論点の検討を踏まえて総合的に考えるべき、
権利の実効性とクリアランス調査の負担とのバランスが重要といった御意見をいただいた。
今後の検討の方向性
➢ 意匠制度を見直し、仮想物品等の形状等を表した画像を保護対象とする制度的措置を講じる方向で検討を進める。
➢ 上記制度的措置の具体的内容に関しては、保護対象、意匠の類否判断、実施行為及び効率的な調査環境の整備と
いった論点について、我が国の意匠制度との整合性や、権利の実効性とクリアランス調査の負担とのバランスに
配慮しつつ、引き続き検討を行う。
2
2.生成AI技術の発達を踏まえ意匠制度上の適切な対応
現状と課題
➢ 生成AI技術の発達に伴い、デザインの創作においても生成AIの利用が進んでいる。生成AIを利用したデザインの
作成は、創作過程における人の関与が従来よりも小さい、大量のデザインを短時間に低コストで生成・公開でき
る等の特徴を有しており、生成AIによってデザイン創作の在り方は変わりつつある。そのため、意匠制度におい
ても、生成AI技術の発達を踏まえた適切な対応を検討する必要がある。
➢ 意匠法と同様に創作法である特許法については、発明者を人工知能とする特許出願に関して既に訴訟事件が生じ
ており、特許法に基づき特許を受けることができる「発明」は、自然人が発明者となるものに限られる旨の判決
(ダバス事件控訴審判決)が令和7年1月に言い渡された。また、令和7年5月には「人工知能関連技術の研究
開発及び活用の推進に関する法律」が成立するなど、AIに関する検討の動きは政府全体で活発な状況である。
本小委員会における議論
➢ 本小委員会では、令和6年度調査研究等を踏まえ、生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応として
考えられる法的論点を整理し、3つの観点(Ⅰ.デザイン創作の実態や技術の発展状況を踏まえ、検討の必要性が
高い論点か/Ⅱ.デザイン創作に関わるステークホルダーの意見を踏まえ、検討の必要性が高い論点か/Ⅲ.国内
外における諸情勢を踏まえ、検討の必要性が高い論点か)から分析を行った。
➢ その結果、①意匠、②創作者、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外について相対的に早期に考え方を整理
していくことについておおむね御承認をいただいた。
➢ また、今後の検討にあたっては、特許法と共通する点や意匠法固有の点に留意して考えるべきである、国際的な
動向を踏まえて議論すべきである等の御意見をいただいた。
今後の検討の方向性
➢ ①意匠、②創作者、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外について、相対的に早期に考え方を整理すべく検
討を進める。
➢ 上記検討においては、引き続きヒアリング等を通じた実態把握を行いつつ、特許法等における議論状況や国際的
な動向に留意する。
3
2.仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方
4
仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方
前回の内容を踏まえた今回の本小委員会の予定
<これまでの本小委員会の内容>
➢ 制度的措置の方向性③ (画像の意匠において、操作画像及び表示画像に加え、仮想物品等の形状
等を表した画像を保護対象とする方向性)に関し、他人の意匠権のクリアランス調査の負担軽減
のための対応について、保護され得る画像の限定、実施行為(侵害となる行為)の限定、用途及
び機能に基づく類否判断、効率的な調査環境の整備等の対応策を念頭に、引き続き検討を行うこ
とになった。
➢ 前回の本小委員会においては、保護対象(保護され得る画像及び意匠の認定)の基本的な考え方、
意匠の類否判断の基本的な考え方について事務局から御報告・御提案を行い、各委員から御意見
をいただいた。
<今回の本小委員会の予定>
➢ 今回の本小委員会では、クリアランス調査の負担軽減のための対応に関連する検討課題として、
実施行為について事務局から御報告・御提案。
➢ その上で、事務局からの御報告・御提案について御議論いただきたい。
➢ なお、実施行為については、次回以降の本小委員会においても引き続き検討予定。
5
<参考>制度的措置の方向性③の具体的内容に関する論点(第19回資料から再掲)
➢ 制度的措置の方向性③の具体的内容に関して、下記1~4の論点について検討し、明確にすること
は、制度ユーザーにとって、権利の実効性や安定性、予見性の観点から重要である。
➢ 加えて、仮想空間のデザインの創作等を行う第三者にとっても、他人の意匠権のクリアランス調
査を含む、自身に課される注意義務の在り方に大きく影響するため重要といえる。
制度的措置の方向性③の具体的内容に関する論点
1.保護対象(保護され得る画像及び意匠の認定)
創作したデザインが意匠法上の意匠であるか否か
2.意匠の類否判断
新規性の有無はどのように判断するか/意匠権の効力はどの範囲に及ぶか
3.実施行為/侵害行為
どのような行為が、意匠の実施行為/意匠権の侵害行為に該当するか否か
4.効率的な調査環境の整備(日本意匠分類の整備)
他人の意匠権をどのように調査するのか
➢ よって、上記1~4の論点について、我が国の意匠制度との整合性や、権利の実効性とクリアラン
ス調査の負担とのバランスに配慮しつつ、仮想空間における創作実態や技術の進展を踏まえた適切
な対応を検討する必要がある。
6
実施行為
意匠権の効力と実施
➢ 意匠法第23条は「意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専
有する。」と規定している。したがって、意匠権者の許諾なく、業として(※)登録意匠と同一又は
類似の意匠の実施をする行為は、意匠権を侵害する(直接侵害)。
➢ 意匠の「実施」に該当する行為は、物品に加えて建築物及び画像を意匠の定義に追加した令和元年
の意匠法改正以降、物品の意匠、建築物の意匠及び画像の意匠についてそれぞれ規定されている
(意匠法第2条第2項各号)。
(※)個人的家庭的な実施に過ぎないといえない行為については「業として」の実施と判断される可能性がある。
(意匠権の効力)
第二十三条 意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。ただし、その意匠権について専用実施権を設
定したときは、専用実施権者がその登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
(定義等)
第二条 (略)
2 この法律で意匠について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一 意匠に係る物品の製造、使用、譲渡、貸渡し、輸出若しくは輸入(外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませる行為を含む。
以下同じ。)又は譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為
二 意匠に係る建築物の建築、使用、譲渡若しくは貸渡し又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
三 意匠に係る画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等(特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第二条第四項に規定するプロ
グラム等をいう。以下同じ。)を含む。以下この号において同じ。)について行う次のいずれかに該当する行為
イ 意匠に係る画像の作成、使用又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出(提供のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
ロ 意匠に係る画像を記録した記録媒体又は内蔵する機器(以下「画像記録媒体等」という。)の譲渡、貸渡し、輸出若しくは輸入又は譲渡
若しくは貸渡しの申出をする行為
3 (略)
7
実施行為
<参考>間接侵害(意匠法第38条)
➢ 第三者による登録意匠と同一又は類似する意匠の実施がなければ、意匠権侵害(直接侵害)は成立
しないが(意匠法第23条)、意匠権の効力の実効性を保つ観点から、意匠法は、侵害の予備的又
は幇助的行為のうち、直接侵害を誘発する蓋然性が極めて高い一定の行為についても侵害とみなし
(間接侵害(意匠法第38条))、意匠権者による差止めや損害賠償請求の対象としている。
➢ 物品の意匠権の間接侵害として規制される行為は、以下のとおりである。
① 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ用いる物品又はプログラム等若しくはプログラ
ム等記録媒体等、いわゆる「のみ品」(専用品)の譲渡等の行為(意匠法第38条第1号)
② 「のみ品」(専用品)に限らず、登録意匠等に係る物品の製造に用いる物品等であって、当該登録意匠等
の「視覚を通じた美感の創出に不可欠なもの」を、その意匠が登録意匠等であること及び当該物品等が意
匠の実施に用いられることを知りながら、業として譲渡等する場合(同条第2号)
③ 意匠権を侵害する物品を譲渡等(譲渡及び貸渡し)又は輸出を目的として所持する行為(同条第3号)
➢ 建築物及び画像についても、物品の間接侵害規定と同様の行為が間接侵害行為として規定されてい
る(意匠法第38条第4号~第9号)。
8
実施行為
意匠の実施として規定されている行為
➢ 現行意匠法において、物品の意匠、建築物の意匠及び画像の意匠の実施として規定されている行為
は、それぞれ以下のとおり。
物品の意匠(意匠法第2条第2項第1号)
製造・使用・譲渡・貸渡し・輸出・輸入
譲渡の申出・貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む)
建築物の意匠(意匠法第2条第2項第2号)
建築・使用・譲渡・貸渡し
譲渡の申出・貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む)
画像の意匠(意匠法第2条第2項第3号)
画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等(※)を含む)
作成・使用・電気通信回線を通じた提供
電気通信回線を通じた提供の申出(提供のための展示を含む)
画像を記録した記録媒体又は内蔵する機器(「画像記録媒体等」)
譲渡・貸渡し・輸出・輸入
譲渡の申出・貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む)
(※)特許法第2条第4項に規定するプログラム等をいう。
9
実施行為
画像の意匠の実施行為(1)
➢ 現行意匠法は、画像の意匠の実施行為として、基本的には物品の意匠と同様に制作段階・流通段
階・使用段階における行為を規定しているが、画像の意匠の性質を踏まえ、画像そのものが対象と
なる場合(意匠法第2条第2項第3号イ)と、画像記録媒体等が対象となる場合(同号ロ)に分け
て、実施行為を規定している。
➢ 具体的には、画像そのものが対象となる場合の実施行為として、「製造」に代わる概念として「作
成」と規定した上、ネットワークを通じた画像の提供行為が実施に含まれるよう「電気通信回線を
通じた提供」を規定している。また、画像記録媒体等が対象となる場合の実施行為として、「譲渡、
貸渡し、輸出若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出」を規定している。
➢ なお、意匠に係る画像を用いたアプリケーションがアップロードされたサーバーを管理する行為は、
実施行為には含めないこととされている。
類型
実施の対象
意匠に係る画像
画像
(その画像を表示する機能を有する
プログラム等を含む)
制作段階
流通段階
使用段階
作成
電気通信回線を通じた提供
その申出(提供のための展示を含む)
使用
譲渡、貸渡し、輸出、輸入
譲渡・貸渡しの申出(譲渡・貸渡しのための展示を含む)
意匠に係る画像記録媒体等
物品
意匠に係る物品
製造
譲渡、貸渡し、輸出、輸入
譲渡・貸渡しの申出(譲渡・貸渡しのための展示を含む)
使用
10
実施行為
画像の意匠の実施行為(2)
➢ 画像の意匠の実施行為においては、画像の作成や譲渡は、実質的には当該画像を表示するためのプ
ログラムの作成や譲渡に当たることから、現行意匠法は「画像を表示する機能を有するプログラム
等」が画像に含まれる旨を規定している(意匠法第2条第2項第3号柱書)。
•
ここでいう「プログラム等」とは、特許法第2条第4項における「プログラム等」と同義であり、プログ
ラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたもの)その
他電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものをいう。
•
「プログラム等」の「等」に該当する部分である「電子計算機による処理の用に供する情報であってプロ
グラムに準ずるもの」とは、電子化などの手法により直ちにコンピュータによる処理に用いることが可能
な状態にされた情報であって、コンピュータに対する直接の指令ではないためプログラムとは呼べないが、
コンピュータの処理を規定するものという点でプログラムに類似する性質を有するものを意味する。その
具体例としては、コンピュータに対する直接の指令ではないが、そのデータ自身が有する構造によりコン
ピュータによる処理内容が規定されるようなものが想定される。
➢ また、記録媒体に記録された状態や機器に内蔵された状態で取引されるという画像の意匠の性質を
踏まえ、現行意匠法は 「画像記録媒体等」(画像を記録した記録媒体(※1) 又は画像を内蔵する
機器(※2))についても実施の対象となる旨を規定している(意匠法第2条第2項第3号ロ)。
(※1)例えば、画像を記録したUSB端末やCD-ROM等の記録媒体を指す。
(※2)例えば、画像を含むアプリケーション等がインストールされたスマートフォンや画像を表示する機能を有するプログラム等を内蔵する洗濯機やDVDプレイヤー等を指す。
11
実施行為
制度的措置の方向性③における意匠の実施行為(1)
➢ 制度的措置の方向性③における実施行為の在り方について検討を進める前提として、まずは、制度的措置の方向
性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合に、誰のどのような行為が実施行為
に該当し得るか、整理を行いたい。
➢ なお、上記整理を踏まえ、制度的措置の方向性③において、具体的にどのような実施行為を規定するかは、権利
の実効性や、クリアランス調査の負担、クリエイターの創作活動や仮想空間市場への萎縮効果等を考慮して、慎
重に検討を進める必要がある。
<制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合>
• 仮想物品等の形状等を表した画像については、制作段階・流通段階・使用段階における各行為が実施行為になるものと考えられる。
• 具体的には、仮想物品等の形状等を表した画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等を含む)については、作成、電気
通信回線を通じた提供とその申出、使用、画像記録媒体等については、譲渡、貸渡し、輸出、輸入、譲渡・貸渡しの申出が実施行
為になるものと考えられる。
制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合のイメージ
流通段階
制作段階
電気通信回線を通じて提供する行為
使用段階
使用する行為
作成する行為
画像記録媒体等を譲渡等する行為
12
実施行為
制度的措置の方向性③における意匠の実施行為(2)
➢ 仮想物品等の形状等を表した画像は、実際には仮想物品等の形状等を表した画像を表示する機能を
有するプログラム等(例えば3Dモデル)によって表示されるものであることから、仮想物品等の
形状等を表した画像の作成や電気通信回線を通じた提供は、実質的には当該画像を表示するための
プログラム等の作成や電気通信回線を通じた提供に当たる。
➢ したがって、制度的措置の方向性③においても、現行意匠法における画像の意匠と同様に「画像を
表示する機能を有するプログラム等」を実施の対象に含める必要があると考えられる。
➢ また、記録媒体に記録された状態や機器に内蔵された状態で取引されるという画像の意匠の性質は、
仮想物品等の形状等を表した画像においても同様であると想定されるため、制度的措置の方向性③
においても、現行意匠法と同様に「画像記録媒体等」を実施の対象に含める必要があると考えられ
る。
仮想物品等
仮想物品等の形状等を表した画像
画像を表示する機能を有するプログラム等
(例えば3Dモデル)によって表される
13
実施行為
制度的措置の方向性③における意匠の実施行為(3)
➢ 制度的措置の方向性③において実施の対象となる「意匠に係る画像」とは、仮想物品等の形状等を
表した画像(仮想物品等の形状等を表した画像を表示する機能を有するプログラム等を含む)であ
り、以下の要件を満たす必要がある。
・(画像として表される)仮想物品等の形状等が、一の立体的形状を有し、任意の視点から見ることが可能
なものであること
・(画像として表される)仮想物品等が、仮想物品等としての用途及び機能を備えていること
仮想物品等としての用途及び機能を備えていることが必要
特許庁
14
保護対象(保護され得る画像及び意匠の認定)
<参考>制度的措置の方向性③の概要(第19回資料から再掲)
➢ 意匠制度見直しによって保護を図るべきターゲットは、仮想空間で用いられる(※)物品等(以下
「仮想物品等」という。)の形状等である。
➢ 仮想物品等の形状等を保護する方法として、仮想物品等の形状等を直接の保護対象とする方法もあ
り得るが、制度的措置の方向性③は、「仮想物品等の形状等を表した画像」を保護対象とすること
で、実質的には、仮想物品等の形状等の保護を図る考え方。
➢ (制度的措置の方向性③にいう)画像として表される仮想物品等の形状等は、一の立体的形状を有
し、任意の視点から見ることが可能なものを想定している。
(※)「仮想空間で用いられる」とは、現に仮想空間で用いられていることを要さず、仮想空間で用いられ得るものも含む。
15
保護対象(保護され得る画像及び意匠の認定)
<参考>「仮想物品等の形状等を表した画像」(第19回資料から再掲)
➢ 制度的措置の方向性③によって新たに保護対象となる「仮想物品等の形状等を表した画像」とは、
仮想物品等の形状等を任意の視点から見た場合に現れる無数の画像から構成されるものである。
➢ 現実空間にいる人間は、仮想物品等の形状等について、仮想物品等の形状等を任意の視点から見た
場合に現れる無数の画像を通じて捉える。
➢ この点を踏まえると、仮想物品等の形状等それ自体を直接保護せずとも、仮想物品等の形状等を任
意の視点から見た場合に現れる無数の画像を一の意匠として保護することで、実質的には、仮想物
品等の形状等を保護することは可能と考えられる。
「仮想物品等の形状等を表した画像」
仮想物品等(
ラ)の形状等
を
視した場合に現れる画像
(
仮想物品等
ラ)の形状等を
視した場合に
仮想物品等(
ラ)の形状等
を正 視した場合に現れる画像
現れる画像
(
仮想物品等
ラ)の形状等を
視した場合に
仮想物品等(
ラ)の形状等
を
視した場合に現れる画像
現れる画像
仮想物品等(
ラ)の形状等
を
視した場合に現れる画像
16
保護対象(保護され得る画像及び意匠の認定)
<参考>出願意匠の認定と公知意匠の認定(第19回資料から再掲)
出願意匠の認定
➢ 制度的措置の方向性③における出願意匠の認定は、現行意匠制度上の意匠の認定と同様に、願書の
記載及び願書に添付した図面等を総合的に判断することにより行う。
➢ 制度的措置の方向性③における出願意匠の用途及び機能に関する具体的な認定の手法については、
以下のとおり。
✓ 仮想物品等は、「意匠に係る物品」の欄に記載の「○○の形状を表した画像」の「○○」(物品の名称)で判断
する。
✓ 出願意匠の用途及び機能は、主に仮想物品等から社会通念上導き出される用途及び機能であると判断する。
✓ 「意匠に係る物品の説明」の欄に、社会通念上導き出される用途及び機能以外の用途及び機能をも備えているこ
とが記載されていれば、社会通念上導き出される用途及び機能に加え、当該記載に係る用途及び機能をも備える
ものと判断する。
公知意匠の認定
➢ 制度的措置の方向性③における公知意匠の認定は、現行意匠制度における公知意匠の認定と同様
とする。
➢ 仮想物品等やその用途及び機能については、物品に関する表示や説明、画像として表される仮想
物品等の形状等や使用状況等から総合的に判断し、認定する。
✓ 物品に関する表示や説明がなく、仮想空間で用いられる「もの」の形状等や使用状況等から総合的に判断
してもなお、何らかの用途及び機能を有する「物品」として認識できず「物品」が明らかでない場合は、
「意匠」には該当しない。
17
意匠の類否判断
<参考>意匠権の効力範囲と意匠の類似について(第19回資料から再掲)
➢ 意匠権の効力について、意匠法第23条は、「意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する
意匠の実施をする権利を専有する。」と定めており、意匠権の効力は、登録意匠と同一の意匠の
みならず類似する意匠にまで及ぶ。
関連規定
(意匠権の効力)
第二十三条 意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。ただし、その
意匠権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする
権利を専有する範囲については、この限りでない。
(登録意匠の範囲等)
第二十四条 登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図 に記載され又は願書に添附した写真、ひな形
若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならない。
2 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行
うものとする。
(参考)意匠権の効力範囲の考え方を示した図
類似範囲=意匠権の効力範囲
登録意匠
18
意匠の類否判断
制度的措置の方向性③における意匠の類否判断と登録意匠に係る権利の実効性
➢ 制度的措置の方向性③における登録意匠に係る権利の実効性について、前回の本小委員会において
整理した意匠の類否判断の基本的な考え方も踏まえると、以下のとおりになると考えられる。
•
前回の本小委員会では、制度的措置の方向性③における意匠の類否判断の基本的な考え方として、
(1)制度的措置の方向性③における意匠の類否判断においても「画像」が類否判断の対象であるところ、制度的措置の方向
性③において実質的に保護を図るものは仮想物品等の形状等であるため、仮想物品等を対象とする類否判断をもって「画像」
を対象とする類否判断とする。
(2)仮想物品等を対象とする類否判断においては、仮想物品等の需要者の視点から、(仮想物品等の形状等の類否判断に加
え)仮想物品等の用途及び機能の類否判断を行う。
(3)そのため、侵害が問題となる場 においても、登録意匠に係る仮想物品等の用途及び機能と、登録意匠に係る意匠権の
侵害が疑われる画像(「被疑侵害意匠」)に係る仮想物品等の用途及び機能が、当該仮想物品等の需要者の視点から類似する
と判断された場合、(形状等が同一又は類似であれば)被疑侵害意匠は登録意匠に類似すると考えられる。
と整理した。
•
ここで、(2)「仮想物品等の需要者の視点から、仮想物品等
の用途及び機能の類否判断を行う」とは、仮想物品等は、必ず
しも現実の物品等と同じような用途及び機能を実際に有してい
るとは限らないことに鑑み、例えば、仮想空間で用いられる際
の仮想物品等の形状等や使用方法等によって特定の仮想物品等
として認識させることも当該仮想物品等の用途及び機能として
認定することができる場合、この点についても考慮した上で、
仮想物品等の用途及び機能の類否判断を行うことをいう。
現実の物品等(椅子)と同
じような用途及び機能(着
座機能)は有していないが、
特定の仮想物品等(椅子)
として認識させる用途及び
機能を有する仮想物品等の
例
上記(2)によって、仮想物品等の実態に即した柔軟な意匠の類否判断が可能となることから、制度的措置の方向
性③における登録意匠に係る権利の実効性は、一定程度確保できるものと考えられる。
19
今回の本小委員会におけるこれまでのまとめ
制度的措置の方向性③における意匠の実施行為(1)
➢ 実施行為の在り方の検討を進める前提として、まずは、制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行
為の在り方を当てはめて整理すると、以下の行為が実施行為になるものと考えられる。
・仮想物品等の形状等を表した画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等を含む)の作成、電気通信回線を通じた提
供とその申出、使用
・画像記録媒体等の譲渡、貸渡し、輸出、輸入、譲渡・貸渡しの申出
制度的措置の方向性③における意匠の実施行為(2)
➢ 制度的措置の方向性③においても、「画像を表示する機能を有するプログラム等」及び「画像記録媒体等」を実施の対象
に含める必要があると考えられる。
制度的措置の方向性③における意匠の実施行為(3)
➢ 制度的措置の方向性③において実施の対象となる「意匠に係る画像」とは、仮想物品等の形状等を表した画像(その画像
を表示する機能を有するプログラム等を含む)であり、以下の要件を満たす必要がある。
・(画像として表される)仮想物品等の形状等が、一の立体的形状を有し、任意の視点から見ることが可能なものであること
・(画像として表される)仮想物品等が、仮想物品等としての用途及び機能を備えていること
制度的措置の方向性③における意匠の類否判断と登録意匠に係る権利の実効性
➢ 「仮想物品等の需要者の視点から、仮想物品等の用途及び機能の類否判断を行う」とは、仮想物品等は、必ずしも現実の
物品等と同等の用途及び機能を実際に有しているとは限らないことに鑑み、例えば、仮想空間で用いられる際の仮想物品
等の形状等や使用方法等によって特定の仮想物品等として認識させることも当該仮想物品等の用途及び機能として認定す
ることができる場合、この点についても考慮した上で、仮想物品等の用途及び機能の類否判断を行うことをいう。
上記のまとめを踏まえつつ、次ページ以降において、想定事例を用いて御説明を行いたい。
20
3Dモデルの一般的な流通プロセス(全体像・フローマップ)
3Dモデル制作者
(クリエイター/3Dモデル制作会社/仮想空間プラットフォーム運営会社/ゲーム制作会社等)
3Dモデルの制作プロセス(例)
納品等
アップロード
スケッチ等
コンテンツ
プラットフォーム
モデリング作成
提供
(有償・無償)
納品等
ダウンロード・購入
•
リギング(ボーンの作成・設
定)
•
アニメーションの作成・設定
•
テクスチャ・マテリアルの作
成・設定
•
ギミックの作成・設定
3Dモデルファイルを含む一連の
ファイルの保存
仮想空間
プラットフォーム
運営会社
ユーザー
制作会社
仮想空間プラットフォームにアップロード
記録媒体等に記録
仮想空間プラットフォーム
記録媒体等
(ゲーム等)
サービスの提供
ゲーム等が記録された記録媒体等の販売
ユーザー
(※1)本小委員会における「仮想空間」の捉え方は下記のとおりであり、ゲーム空間、シミュレーター、デジタルツイン等も下記を満たす場合には仮想空間に含まれ得る。
「本小委員会においては、仮想空間での利用を想定して創作されたデザインを広く議論の対象とするため、現時点では「仮想空間」を「現実空間(物理的に存在して
いる三次元空間)とは別に、ディスプレイを備えた機器等(VRデバイス、AR/MRデバイス、PC、スマートフォン等のディスプレイを備えた機器全般をいう)を使用
することで人間の知覚の上では三次元的に存在すると感じられる空間」として捉えることとする。 」
(※2)コンテンツプラットフォームには、主に、①コンテンツの取引を目的とするコンテンツマーケットと、②コンテンツの制作ツールを提供し、そのために使う素材を供
給し、コンテンツ制作環境をトータルに提供するコンテンツ制作プラットフォームがある。
21
実施行為(仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合の整理)
意匠権者による実施の例
➢ 意匠権者は、業として登録意匠及び登録意匠に類似する意匠の実施をする権利を専有するところ(意匠法第23
条)、制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合、意匠権者
は、制度的措置の方向性③の登録意匠及び登録意匠に類似する意匠に係る画像(画像を表示するための機能を有
するプログラム等を含む)について、例えば、以下のような行為を独占して行うことができると考えられる。
<シャツの仮想物品>
登録意匠(※1)
①シャツの
3Dモデルの制作
意匠権者:A
意匠に係る物品:
シャツの形状を表した画像
(※1)説明のため図や願書の記載は簡
略化している。また、本事例は新規性・
創作非容易性やその他の登録要件等につ
いて説明をするためのものではない。
A
①
②
③
④
②シャツの3Dモデル
を仮想空間PF(※2)に
アップロード
A
③シャツの3Dモデル
を仮想空間PFで
着用
A
④シャツの3Dモデル
をコンテンツPFで提供
A
意匠権者Aは、シャツの3Dモデルを制作した。
意匠権者Aは、シャツの3Dモデルを仮想空間PFにアップロードした。
意匠権者Aは、シャツの3Dモデルを仮想空間PFにおいてアバターに着用させた。
意匠権者Aは、シャツの3DモデルをコンテンツPFで顧客に提供(有償・無償)した。
<制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合> (※2)
•
•
•
•
①シャツの3Dモデルを制作する行為は、登録意匠と同一又は類似する意匠に係る画像(画像を表示するための機能を有するプロ
グラム等を含む)の「作成」に該当すると考えられる。
②シャツの3Dモデルを仮想空間PFにアップロードする行為は、アップロードにより3Dモデルの複製が行われている場合には
登録意匠と同一又は類似する意匠に係る画像(画像を表示するための機能を有するプログラム等を含む)の「作成」に該当する
と考えられる。
③シャツの3Dモデルを仮想空間PFでアバターに着用させる行為は、登録意匠と同一又は類似する意匠に係る画像(画像を表示
するための機能を有するプログラム等を含む)の「使用」に該当すると考えられる。
④シャツの3DモデルをコンテンツPFで顧客に提供(有償・無償)する行為は、登録意匠と同一又は類似する意匠に係る画像
(画像を表示するための機能を有するプログラム等を含む)の「電気通信回線を通じた提供」に該当すると考えられる。
(※2)「PF」とはプラットフォームの略記である。(※3)本事例でいう3Dモデルは、意匠に係る画像(画像を表示する機能を有するプログラム等を含む)を指すものとする。 22
実施行為(仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合の整理)
意匠権者以外の者による実施の例(登録意匠に同一又は類似する意匠の実施)(1)
➢ 意匠権者は、業として登録意匠及び登録意匠に類似する意匠の実施をする権利を専有するため(意匠法第23
条)、意匠権者以外の者によって制作・流通・使用されている意匠が登録意匠と同一又は類似する意匠である
場合には意匠権の効力が及び得る一方で、非類似の意匠である場合には意匠権の効力が及び得ない。
➢ 制度的措置の方向性③における意匠の類否判断は、仮想物品等の需要者の視点から行われる。
<浮き輪の仮想物品>
登録意匠A(※1)
意匠権者:A
意匠に係る物品:
浮き輪の形状を表した画像
(※1)説明のため図や願書の記載は簡略
化している。また、本事例は新規性・創作
非容易性やその他の登録要件等について説
明をするためのものではない。
意匠権者以外の者による行為(※2)
②指輪の3Dモデルを
コンテンツPFで提供
①指輪の3Dモデル
の制作
B
B
指輪の3Dモデル
を制作した
C
指輪の
3Dモデル
③指輪の3Dモデルを基に
浮き輪の3Dモデル
を制作
④浮き輪の3Dモデル
をコンテンツPFで提供
C
C
浮き輪の
3Dモデル
指輪の3Dモデルを基に
浮き輪の3Dモデルを制作した
行為主体:B
行為主体:C
① Bは、指輪の3Dモデルを制作した。
② Bは、指輪の3DモデルをコンテンツPFでCへ提供
(有償・無償)した。
③ Cは、指輪の3Dモデルを基に浮き輪の3Dモデルを制
作した。
④ Cは、浮き輪の3DモデルをコンテンツPFで顧客へ提供
(有償・無償)した。
(※2)本事例でいう3Dモデルは、意匠に係る画像(画像を表示する機能を有するプログラム等を含む)を指すものとする。
23
実施行為(仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合の整理)
意匠権者以外の者による実施の例(登録意匠に同一又は類似する意匠の実施)(2)
<制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合> (※1)
【Bの作成した指輪の3Dモデルに係る画像として表される仮想物品等の形状等が、登録意匠Aに係る画像として表される
仮想物品等の形状等と同一又は類似する場合】
• Bによる①指輪の3Dモデルを制作する行為や②コンテンツPFで顧客へ提供(有償・無償)する行為は、指輪の3
Dモデルに係る仮想物品としての用途及び機能と浮き輪の3Dモデルに係る仮想物品の用途及び機能が、当該仮想物
品の需要者の視点で類似しないと判断された場合には、登録意匠に「類似」する意匠の実施とはいえないため、意
匠権を侵害しないものと考えられる。
【Cの作成した浮き輪の3Dモデルに係る画像として表される仮想物品等の形状等が、登録意匠Aに係る画像として表され
る仮想物品等の形状等と同一又は類似する場合】
• Cによる③指輪の3Dモデルを基に浮き輪の仮想物品として認定される3Dモデルを制作する行為は、登録意匠と同
一又は類似する意匠に係る画像(画像を表示するための機能を有するプログラム等を含む)の「作成」に当たり、
業として行った場合には意匠権を侵害する可能性があると考えられる。
• Cによる④浮き輪の3DモデルをコンテンツPFで顧客へ提供(有償・無償)する行為は、登録意匠と同一又は類似
する意匠に係る画像(画像を表示するための機能を有するプログラム等を含む)の「電気通信回線を通じた提供」
に当たり、業として行った場合には意匠権を侵害する可能性があると考えられる。
【前頁を再掲】
<浮き輪の仮想物品>
①指輪の3Dモデルの制作
登録意匠A(※2)
意匠権者:A
意匠に係る物品:
浮き輪の形状を表した画像
②指輪の3Dモデルを
コンテンツPFで提供
B
B
指輪の3Dモデル
を制作した
行為主体:B
C
指輪の
3Dモデル
③指輪の3Dモデルを基に
浮き輪の3Dモデルを
制作
④浮き輪の3Dモデルを
コンテンツPFで提供
C
C
指輪の3Dモデルを基に
浮き輪の3Dモデルを制作した
浮き輪の
3Dモデル
行為主体:C
(※1)本事例でいう3Dモデルは、意匠に係る画像(画像を表示する機能を有するプログラム等を含む)を指すものとする。
(※2)説明のため図や願書の記載は簡略化している。また、本事例は新規性・創作非容易性やその他の登録要件等について説明をするためのものではない。
24
実施行為(仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合の整理)
侵害・非侵害の観点からの分析結果
➢ 制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合の整
理に関し、侵害・非侵害の観点からの分析結果は、以下の表のとおり。
➢ 以上の整理を踏まえた上で、権利者及び第三者にとってバランスのとれた適切な制度とすべく、制
度的措置の方向性③における実施行為の在り方については、権利の実効性や、クリアランス調査の
負担、クリエイターの創作活動や仮想空間市場への萎縮効果等を考慮して、具体的にどのような実施行
為を規定するか、慎重に検討を進める必要がある。
行為の態様として
考えられる主なもの
制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を
当てはめた場合(侵害・非侵害の観点からの分析結果)
•
仮想物品等の形状等を表した画像
(※)の作成、使用、電気通信回線
を通じた提供等
•
•
意匠権者以外の者が、登録意匠と同一又は類似する意匠に係る仮想物品等の形状等
を表した画像の作成等を業として行った場合、これらの行為は意匠権を侵害する可
能性があると考えられる。
なお、意匠権者以外の者が作成等を行った仮想物品等の形状等を表した画像が登録
意匠と類似しない場合であっても、別の者が当該仮想物品等の形状等を表した画像
を基に登録意匠と同一又は類似する仮想物品等の形状等を表した画像の作成等を業
として行った場合、これらの行為は意匠権を侵害する可能性があると考えられる。
ただし、意匠権者以外の者が、これらの行為を業として行っていない場合、意匠権
を侵害しない。
(※)その画像を表示する機能を有するプログラム等を含む。
以上の整理に関連して、意匠権者以外の者が、仮想空間(ワールド等)の制作時に、登録意匠と同一又は類似する意匠
に係る仮想物品等の形状等を表した画像を当該仮想空間に組み込むために使用する行為や、当該仮想物品等の形状等を
表した画像を含む仮想空間を電気通信回線を通じて提供等する行為をそれぞれ業として行った場合、登録意匠に係る意
匠権を侵害する可能性があるとの考え方もあり得るところ、この点も引き続き分析が必要である。
25
仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方
御議論いただきたい事項
<制度的措置の方向性③において、仮に現行意匠法と同様の実施行為の在り方を当てはめた場合の整理>
•
今回の本小委員会では、制度的措置の方向性③における実施行為の在り方について、現行意匠法における実施規
定や、本小委員会でこれまで検討した他の論点に係る考え方を踏まえ、まずは仮に現行意匠法と同様の実施行為
の在り方を当てはめた場合に誰のどのような行為が実施行為に該当し得るか、整理を行った。
•
かかる整理を踏まえた上で、権利者及び第三者にとってバランスのとれた適切な制度とすべく、制度的措置の方
向性③における実施行為の在り方に関しては、権利の実効性や、クリアランス調査の負担、クリエイターの創作
活動や仮想空間市場への萎縮効果等を考慮して、具体的にどのような実施行為を規定するか、慎重に検討を進め
る必要がある。
<次回に向けた進め方>
•
そこで、制度的措置の方向性③における実施行為の在り方について、その前提となる保護対象や意匠の類否判断
の基本的な考え方を含め、仮想空間ビジネスのステークホルダーや知財法の有識者に対し、次の観点に留意しつ
つヒアリングを実施し意見を聴取する。
✓
✓
✓
✓
✓
•
権利の実効性
クリアランス調査の負担
クリエイターの創作活動や仮想空間市場への萎縮効果
法的観点からの整合性
海外の意匠制度との整合性
次回以降の本小委員会において、事務局からヒアリング結果を御報告し、実施行為の在り方等について引き続き
御議論いただきたい。
上記の整理や次回に向けた進め方について、御意見をいただきたい。
26
3.生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応
27
生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応
前回の内容を踏まえた今回の本小委員会の予定
<前回の本小委員会の内容>
➢ 前回の本小委員会においては、①意匠、②創作者、③引用意匠適格性、④新規性喪失の例外、⑤
創作非容易性及び⑥記載要件という6つの論点について検討を行った。
➢ その結果、①意匠、②創作者、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外について、相対的に早
期に考え方を整理していくことについておおむね御承認をいただいた。
今回の本小委員会の予定
⚫ ①意匠、②創作者、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外について、前回までの本小委員会
の内容、現行意匠法における考え方、調査研究の結果等を踏まえ、事務局にて今後の検討の方向
性を整理した。
⚫ 今回の本小委員会では、各論点に関する今後の検討の方向性や留意すべき事項等について、御意
見をいただきたい。
(注)本資料において、「AI自律デザイン」とは、生成AIを利用して作成したデザインのうち、(人が創作に関与しておらず)生成AI
が自律的に作成したデザインをいうものとする。また、単に「生成AIを利用して作成したデザイン」といった場合は、AI自律デ
ザインを含むものとする。
28
①意匠について(1)
生成AIを利用して作成したデザインは、「意匠」(第2条第1項)に該当し得るか
➢ 意匠法第2条第1項は、「意匠」を、「物品…の…形状等…、建築物…の形状等又は画像…であ
つて、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義している。
(定義等)
第二条 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこ
れらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器
の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。
次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条
第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
➢ 意匠法における「意匠」の定義(第2条第1項)には、「思想」、「創作」といった文言は用い
られていない。そのため、「意匠」(第2条第1項)は、定義上、物品等の美的外観に尽きるも
のであり、創作過程における人の関与を必ずしも前提としていないとの考え方(※)もあり得る。
➢ 他方、現行意匠法は昭和34年に制定されたものであり、その当時、デザインの創作の担い手は人
であった。そのため、意匠法は、近年の生成AI技術の急激な発達や、生成AIが従来人の担ってき
た創作過程に関与してデザインを作成することを想定して制定されたものではない。また、意匠
法は、意匠の創作の奨励(第1条)を目的とする創作法であることも併せ考えれば、「意匠」
(第2条第1項)は、創作過程における人の関与を当然に前提としているとの考え方もあり得る。
(※)「意匠」(第2条第1項)は、定義上、創作過程における人の関与を必ずしも前提としていないと考えたとしても、当該意匠に
ついて、後述する創作者に該当する者が存在しなければ、現行法上、意匠登録を受けることはできず(第6条第1項第2号)、
意匠法では保護されない。
29
①意匠について(2)
➢ もっとも、いずれの考え方に立っても、生成AIを利用して作成したデザインのうち、(少なくと
も)人が創作に実質的に関与したものについては、「意匠」(意匠法第2条第1項)に該当し得
る。デザイン創作における生成AIの利用が進んでいる現在において、かかるデザインを「意匠」
に該当し得ると考えることは、「意匠の創作を奨励し、もつて産業の発達に寄与すること」とい
う意匠法の目的(第1条)とも整合する。
➢ なお、令和6年度調査研究(アンケート調査)において、本論点に関連して生成AIを利用して作
成したデザイン(AI自律デザインを除く)について意匠権による保護を望むか否か質問したとこ
ろ、意匠権による保護を受けることを望むとの回答が優勢であったところ、生成AIを利用して作
成したデザインのうち、(少なくとも)人が創作に実質的に関与したものについては「意匠」
(第2条第1項)に該当し得ると考えることは、デザイン創作に関わるステークホルダーの意見
にも沿うものと解される。
<今後の検討の方向性>
⇒ 生成AIを利用して作成したデザインのうち、(少なくとも)人が創作に実質的に関与したものに
ついては、「意匠」(第2条第1項)に該当し得るという方向性(※)で検討を進めてはどうか。
(※)生成AIを利用して作成したデザインのうち、人が創作に実質的に関与したものが「意匠」(第2条第1項)に該当し得ると考え
たとしても、意匠登録を受けるためには、新規性、創作非容易性等の登録要件を満たす必要がある。また、登録要件を満たして
意匠登録を受けた場合も、意匠権者は、当該登録意匠がその意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業と
して当該登録意匠に類似する意匠の実施をすることができない(第26条第2項)。
30
①意匠について(3)
<留意事項等>
今後、生成AI関連技術が発達することで、デザインの創作過程における生成AIの関与が更に増
加する一方、人の関与が相対的に減少していくことも想定されるところ、生成AIを利用して作
成したデザインのうち、人が創作に実質的に関与していないもの(AI自律デザインを含む)が、
「意匠」(第2条第1項)に該当し得るかについても、引き続き検討をする。
今後の検討に当たっては、
✓ 本論点は、②創作者、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外といった他の論点と相互に
関連し得ること(※1)
✓ デザイン分野により創作過程の在り方や成果物の在り方は異なり得ること
✓ 特許制度小委員会における発明論点の議論状況(※2)や国際的な動向についても注視する必要
があること
について留意する。
(※1)後述するとおり、特に本論点と③引用意匠適格性の論点は、いずれも意匠法における「意匠」という文言をいかに解釈すべき
かという点で共通するため、相互に関連し得る。
(※2)第54回特許制度小委員会では、発明論点に関する今後の検討の方向性(案)として、「発明創作過程における自然人の関与が
減少したとしても、自然人がAIを利活用して行った発明は特許法に規定する「発明」に該当するという方向で検討を進めてはど
うか。」とされている。
31
②創作者について(1)
➢ 意匠法第3条第1項柱書は、「意匠の創作をした者」(創作者)がその意匠について意匠登録を
受けることができる旨定めているが、創作者の定義に関する明文規定はない。
(意匠登録の要件)
第三条 工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について
意匠登録を受けることができる。
➢ 裁判例(※1)上、創作者とは、意匠の創作に実質的に関与した者をいうとされており(以下「創作
者に関する従前の考え方」という。)、次の者は創作者に該当しないと考えられている。
・主体的意思を欠く補助者
・単に課題を指示ないし示唆したにとどまる命令者
・アイデアを提示した者
・資金や設備を提供した者
➢ 意匠登録出願の願書には、創作者の氏名及び住所又は居所を記載する必要がある(意匠法第6条
第1項第2号)。また、創作者の氏名は、意匠登録証(意匠法施行規則第16条第4号)にも記載
される(※2)。
➢ また、職務意匠(従業者等が創作した意匠であって、その性質上使用者等の業務範囲に属する意
匠であり、かつ、その創作をするに至った行為が使用者等における従業者等の現在又は過去の職
務に属する意匠)について、創作者である従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、使
用者等に意匠登録を受ける権利の取得等をさせたときは、相当の利益を受ける権利を有する(意
匠法第15条第3項、特許法第35条第4項)。
(※1)大阪高判 成6年5月27日( 成5年(ネ)第2339号)、東京地判令和3年9月1日( 成30年(ワ)第38585号・ 成31年(ワ)第10171号)
(※2)創作者は、意匠登録出願の願書や意匠登録証に創作者としての氏名を記載される権利(人格権としての創作者名誉権)を意匠の完成と同時に取得する、
と考えられている。
32
<参考>創作者に関する裁判例
大阪高判平成6年5月27日(平成5年(ネ)第2339号)
⚫ 「意匠登録を受ける権利を有する創作者とは、意匠の創作に実質的に関与した者をいい、具体的には、形態の創
造、作出の過程にその意思を直接的に反映し、実質上その形態の形成に参画した者をいうが、主体的意思を欠く
補助者や、あるいは単に課題を指示ないし示唆したにとどまる命令者はこれに含まれないものと解される」
大阪地判平成29年10月12日(平成27年(ワ)第8271号)
⚫ 「共同創作に係る意匠において共同創作者のうちの1人といえるためには,その創作過程において,単にアイデ
アを提供したのではなく,補助者,助言者にとどまらない立場で創作に現実に加担したことが認められる必要が
ある。そして,ここにいう創作とは,意匠登録を受ける権利を共有させる根拠となる以上,その内容,程度が,
当該意匠を登録意匠足り得ることに寄与するものでなければならず,当該物品の部分の意匠の改変にとどまって
いて物品全体から起こされる美感に影響を及ぼさない程度の意匠の創作に関与しただけであったり,また誰でも
容易に創作できるようなありふれたデザインの修正を提案したりしたというだけでは,登録意匠となった当該意
匠の創作をしたというに足りないというべきである。また製品化のための設計段階で本件意匠のデザインに影響
を与える形状の改変を施したとしても,その改変が既提案のデザインを製品化するための強度確保や機構組込み
のための技術的観点から不可避的にされたものであるなら,それをもって意匠の創作があったとはいえないから,
やはり,その改変を伴う設計をした者は本件意匠の共同創作者とはいえないというべきである。
なお,本件意匠の創作過程は,各関係別紙のとおり,その完成に至るまでにデザインの修正案等が多数,検討
対象となっているが,提案されたデザインの修正案が完成した本件意匠の構成に残されていないのなら,そのデ
ザイン案を提案した者は創作に加担したとはいえないことはいうまでもない。」
知財高判令和5年6月12日(令和5年(行ケ)第10008号)
⚫ 「意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物の形状
等又は画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるもので(意匠法2条1項)、工業上利用できるもののうち、
公知、公用意匠と同一ないし類似しない新規性及び創作性を備えるものをいう(同法3条1項)から、意匠の創
作者であるといえるためには、当該意匠における美観の創作行為に現実に加担したこと、すなわち、美観の創作
行為、とりわけ従前の意匠に係る部分とは異なる特徴的部分の完成に現実に関与することが必要である。」
33
②創作者について(2)
【1】誰がどのような場合に創作者となり得るか
➢ 生成AIを利用して作成したデザインについては、例えば、(1)生成AIの開発者、(2)追加学習によ
り生成AIのファインチューニングを行った者、(3)生成AIに指示・入力をした者、(4)生成AIが
作成したデザインを評価・選択した者、(5)生成AIが作成したデザインを調整・仕上げを行った者等
が関与する。
➢ 令和6年度調査研究(アンケート調査)では、生成AIを利用して作成したデザイン(AI自律デザインを
除く)を意匠権で保護する場合に誰を創作者とすべきかについて、「最終調整・仕上げを行った者」
(18者(67%))、「生成AIへ創作を指示した者」(17者(63%))、「生成AIにより試作した意匠
(デザイン)を評価・選択した者」(12者(44%))、「生成AIのタスクやパラメータの調整(ファ
インチューニング)を指示した者」(10者(37%))といった回答が多かったが、「生成AIを開発した
者」(1者(4%))といった回答もあった。また、AI自律デザインについて意匠権で保護する場合に誰
を創作者とすべきかについても、様々な回答があった。
➢ 先述のとおり、創作者に関する従前の考え方では、単に課題を指示ないし示唆したにとどまる命令者は
意匠の創作に実質的に関与したとはいえず、創作者に該当しないと考えられている。それゆえ、生成AI
を利用して作成したデザインについても、同考え方を適用すると、例えば、(3)生成AIに指示・入力
をした者が単に課題を指示ないし示唆したにとどまる場合には、意匠の創作に実質的に関与したといえ
ず、創作者に該当しない可能性も考えられる。
<今後の検討の方向性>
⇒ 以上の点も含め、生成AIを利用して作成したデザインについて、創作者に関する従前の考え方を適用し
た場合、誰がどのような場合に創作者となり得るか、整理してはどうか。
34
②創作者について(3)
【2】生成AIを創作者として認めるか
➢ 特許法に関するダバス事件では、発明者の氏名の欄に「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」
と記載した出願に係る出願却下処分の違法性が問題となった。いわゆるAI自律発明の発明者に関して、
既に訴訟事件が生じ裁判所の判断が示されていることからすると、意匠法において、AI自律デザインに
ついて、生成AIを創作者として認めるべきか、検討する必要性がある。
➢ 意匠法第3条第1項柱書は、「工業上利用することができる意匠の創作をした者は…その意匠について
意匠登録を受けることができる。」と規定しており、同項にいう創作者は、意匠登録を受ける権利の主
体となり得る者、すなわち、権利能力のある者であると解される(ダバス事件控訴審判決(※)参照)。
もっとも、生成AIは、他の法律(民法等)においても権利能力のある者として考えられていないと解さ
れ、仮に、意匠法において生成AIを創作者と認めれば、他の法律との整合性の点で問題が生じる。
➢ 令和6年度調査研究(アンケート調査)においても、生成AIそれ自体を意匠権の主体として認めること
に対して、「要望しない」、「生成AIが意匠権の権利者となることは、意匠制度の趣旨に反する可能性
があるため、慎重に判断すべきと思われる」との回答があった。
(※)知財高判令和7年1月30日(令和6年(行コ)第10006号)
<今後の検討の方向性>
⇒ AI自律デザインについて、生成AIを創作者としては認めないという方向性で検討を進めてはどうか。
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②創作者について(4)
<留意事項等>
【1】~【2】の今後の検討に当たっては、
✓ 本論点は、①意匠、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外といった他の論点と相互に関
連し得ること
✓ AI自律デザインについて、生成AIを創作者としては認めない場合、特定の自然人を創作者で
あると偽って出願する可能性が生じること(いわゆる「僭称問題」)
✓ デザイン分野により創作過程の在り方や成果物の在り方は異なり得ること
✓ 特許制度小委員会における発明者論点の議論状況(※1)や国際的な動向(※2)も注視する必要が
あること
について留意する。
(※1)第54回特許制度小委員会では、発明者論点に関する今後の検討の方向性として、「人間の関与程度の低下やAIを利活用した研
究開発におけるステークホルダーの多様化を念頭に置き、例えば発明に向かって特化型AIを作り上げたAI開発者の扱いなども含め
た「発明者」の柔軟な解釈について、本小委員会で引き続き検討を行ってはどうか。」、「「発明者」認定の具体的な基準につい
ては、適切な利益分配といった観点からも明確化は必要と考えられるが、「発明者」について現行法に明文上の定義が無く、調査
研究等を踏まえても様々な意見が見られることから、本小委員会で引き続き検討を行ってはどうか。」、「ただし、仮にいわゆる
「AI自律発明」が行われたとしても、AIそれ自体を発明者としては認めないという方向で検討を進めてはどうか。」とされている。
(※2)例えば、米国について、USPTOが2024年2月に発行した「AIの支援を受けた発明の発明者適格に関するガイダンス」では、
「発明者および共同発明者は、自然人でなければならない。」とするとともに、発明者の認定に関する指針が示されている。
JETRO NY「USPTO、AIの支援を受けた発明の発明者適格性に関するガイダンスを発行(2024年2月13日)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2024/20240213.pdf
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③引用意匠適格性(新規性)について(1)
【1】意匠登録出願前に生成AIを利用して作成・公開されたデザインは、新規性の登録要件に係る拒絶理由の根拠
として引用する「意匠」となるか
➢ 意匠法第3条第1項は、意匠登録出願された意匠に新規性があることを登録要件として定めている。すなわち、
意匠登録出願された意匠について、その出願前に、公然知られた意匠や頒布された刊行物に記載された意匠又は
電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠と同一又は類似である場合、登録要件である新規性を満たさ
ず、意匠登録を受けることはできない(第3条第1項)。
(意匠登録の要件)
第三条 工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受ける
ことができる。
一 意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠
二 意匠登録出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に
利用可能となつた意匠
三 前二号に掲げる意匠に類似する意匠
➢ 上記のとおり、第3条第1項柱書(「次に掲げる意匠を除き」)及び各号(「意匠」)は、「意匠」という文言
により、新規性に係る拒絶理由の根拠として引用する対象を定める一方、先述のとおり、第2条第1項は、
「「意匠」とは、物品…の…形状等…、建築物…の形状等又は画像…であつて、視覚を通じて美感を起こさせる
ものをいう」と定義している。
(定義等)
第二条 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結
合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供さ
れるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条
第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同
じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
➢ このように、意匠法は、第2条第1項と第3条1項柱書及び各号において「意匠」という同一の文言を
用いている。
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③引用意匠適格性(新規性)について(2)
➢ ここで、生成AIを利用したデザインの作成は、(1)デザインの創作過程における人の関与が従
来よりも小さい、(2)大量のデザインを短時間に低コストで生成し、公開することができる、
(3)デザイン創作に関する専門的な知識や技術がなくても、誰でも何らかのデザインを生成で
きる、(4)当該デザインを製品化して取引する意思や能力がなくとも、気軽にデザインを生成
できる等の特徴を有する。
➢ そのため、(上記特徴を備えた)生成AIを利用して作成したデザインが、新規性に係る拒絶理由
の根拠として引用する「意匠」に該当するとした場合、(拒絶理由の根拠として引用する)「意
匠」には、従来とは量的・質的に異なるものが含まれることになり、登録要件である新規性の在
り方に影響を与える可能性がある。
➢ この点に関連して、令和6年度調査研究(ヒアリング調査)では、「AI創作物が多数公開される
ことによる公知意匠の増加に伴い拒絶の増加が懸念され、実施品の権利化が不安定になるおそれ
がある。」、「先行意匠が大量に増えることで、意匠権利化が難しくなるおそれがある。」等の
意見もあった。
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③引用意匠適格性(新規性)について(3)
➢ もっとも、現在の生成AIの技術水準において、あるデザインが生成AIを利用して創作されたも
のか、事後的に判別することは可能かについて、令和6年度調査研究(ヒアリング調査)では、
「生成AIの利用有無を推定するAIができたとしても、生成AI技術の進歩とのいたちごっこであ
る」との回答があったほか、根本的に判別可能とする技術を挙げた回答は無かった。また、この
判別について、そもそも生成AIの利用有無の定義(生成AIの利用方法はさまざまであるところ、
何をもって利用したと定義するのか)が判然としないと指摘する回答もあった。
➢ このような回答を踏まえると、生成AIを利用したデザインが登録要件である新規性の在り方にも
たらす影響を念頭に、拒絶理由の根拠として引用する「意匠」に関連して何らかの対応をすべき
場合にも、生成AIを利用したか否かを直接的に要件や基準とする対応は適切ではないと考えられ
る。
<今後の検討の方向性>
⇒ 生成AIを利用した作成したデザインが、新規性に係る拒絶理由の根拠として引用する「意匠」に
該当するとした場合に、登録要件である新規性の在り方にどのような影響を与えるかをより分析
してはどうか。
⇒ その上で、生成AIを利用したデザインが登録要件である新規性の在り方にもたらす影響を念頭に、
拒絶理由の根拠として引用する「意匠」に関連して何らかの対応をすべき場合にも、生成AIを利
用したか否かを直接的に要件や基準とはしない対応を検討すべきではないか。
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③引用意匠適格性(創作非容易性)について(1)
【2】意匠登録出願前に生成AIを利用して作成・公開されたデザインは、創作非容易性の登録要件に係る拒絶理由
の根拠として引用する「形状等又は画像」となるか
➢ 意匠法第3条第2項は、意匠登録出願された意匠に創作非容易性があることを登録要件として定めてい
る。すなわち、意匠登録出願された意匠について、その出願前に、その意匠の属する分野における通常
の知識を有する者(当業者という)が、公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線
を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易にその意匠の創作をすることができた
場合、登録要件である創作非容易性を満たさず、意匠登録を受けることはできない(第3条第2項)。
(意匠登録の要件)
第三条
2 意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において
公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた形状等
又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは、その意匠(前項各号に掲げるものを
除く。)については、同項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。
➢ 上記のとおり、第3条第2項(「形状等又は画像」に基づいて)は、「形状等又は画像」という文言を
用いて、創作非容易性に係る拒絶理由の根拠として引用する対象を定めている。
➢ 「形状等」とは、第2条第1項で「形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合」の略称として規定
されているものであり、物品又は建築物とは離れた抽象的なモチーフ、自然物、景色、著作物等の形状
等も含まれる。
➢ また、「画像」は、画像全般を指し、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結
果として表示されるものに限定されない(第2条第1項参照)。
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③引用意匠適格性(創作非容易性)について(2)
➢ 新規性について述べたことと同様、(上記特徴を備えた)生成AIを利用した作成したデザインが、
創作非容易性に係る拒絶理由の根拠として引用する「形状等又は画像」に該当するとした場合、
登録要件である創作非容易性の在り方に影響を与える可能性がある。
<今後の検討の方向性>
⇒ 生成AIを利用した作成したデザインが、創作非容易性に係る拒絶理由の根拠として引用する「形状等又
は画像」に該当するとした場合に、登録要件である創作非容易性の在り方にどのような影響を与えるか
をより分析してはどうか。
⇒ その上で、生成AIを利用したデザインが登録要件である創作非容易性の在り方にもたらす影響を念頭に、
拒絶理由の根拠として引用する「形状等又は画像」に関連して何らかの対応をすべき場合にも、生成AI
を利用したか否かを直接的に要件や基準とはしない対応を検討すべきではないか。
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③引用意匠適格性(新規性・創作非容易性)について
<留意事項等>
【1】~【2】の今後の検討に当たっては、
✓ 本論点と①意匠の論点は、いずれも意匠法における「意匠」という文言をいかに解釈すべき
かという点で共通するため、相互に関連し得ること
✓ 本論点と④新規性喪失の例外の論点は、新規性や創作非容易性の登録要件に係る拒絶理由の
根拠としてどのようなデザインを引用するかに関わる点で共通するため、相互に関連し得る
こと
✓ デザイン分野により創作過程の在り方や成果物の在り方は異なり得ること
✓ 特許制度小委員会における発明論点の議論状況(※)や国際的な動向についても注視する必要が
あること
について留意する。
(※)第54回特許制度小委員会では、今後の検討の方向性(案)として、「AI利活用による情報の大量生成・大量公開への懸念を念
頭に、「刊行物の記載及び本願の出願時の技術常識に基づいて、物(方法)の発明について、当業者がその物を作れる(その方法
を使用できる)こと」など、引用発明と認定するために満たすべき要件や基準の考え方を本小委員会で整理してはどうか。」、
「ただし、引用発明と認定するための満たすべき要件や基準の考え方には、AIの利用有無の確認を含めない方向で検討を進めては
どうか。」とされている。
42
④新規性喪失の例外について(1)
意匠登録出願前に出願人の既存デザインに基づき第三者が生成AIを利用するなどして作成・公開したデザインは、
新規性や創作非容易性の登録要件に係る拒絶理由の根拠から例外的に除外すべきか。
➢ 公然知られた意匠(意匠法第3条第1項第1号)や頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回
線を通じて公衆に利用可能となった意匠(同項第2号)に該当する意匠は、登録要件である新規性を満
たさず、意匠登録を受けることはできない。
➢ しかし、意匠は人の目に触れればすぐに模倣される可能性があり、権利者の意に反して出願前に公知に
なる機会は多い。また、意匠は、販売、展示、見本の頒布等により売行きを打診してみて初めて一般の
需要者に適合するかどうかの判定が可能である場合が多い。一度販売等を行えば新規性を喪失し、その
後に出願しても拒絶されるとすれば、余りに社会の実情に沿わないため、意匠法は、新規性を喪失した
意匠について、次の場合には、一定の要件のもと例外的に新規性を喪失するに至らなかったものとして
扱うとしている(第4条)。
(1)意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して新規性を喪失した場合(第4条第1項)
(2)意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を喪失した場合(第4条第2項)
(意匠の新規性の喪失の例外)
第四条 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つ
た意匠は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同
項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたも
のとみなす。
2 意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つ
た意匠(発明、実用新案、意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同項第一号又は第二号に
該当するに至つたものを除く。)も、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出
願に係る意匠についての同項及び同条第二項の規定の適用については、前項と同様とする。
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④新規性喪失の例外について(2)
➢ 令和6年度調査研究(アンケート調査)では、生成AIの普及に伴い、自身の創作した既存の意匠
に基づき第三者が生成AIを用いて作成・公開した意匠が、新規性・創作非容易性の拒絶理由の根
拠となって、意匠登録出願が拒絶されたことがある者は確認されなかったものの、そのような拒
絶がされ得ることに対する懸念を示す者が一定割合存在した。そして、これらの者の約半数が、
(関連意匠制度を活用した意匠登録出願を含め)拒絶され得ること自体を非常に問題がある又は
非常に懸念があると考えていた。
➢ このようなステークホルダーの意見を踏まえると、意匠登録出願前に出願人の既存デザインに基
づき第三者が生成AIを利用するなどして作成・公開したデザインは、(1)意匠登録を受ける権
利を有する者の意に反して新規性を喪失した場合(意匠法第4条第1項)又は(2)意匠登録を
受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を喪失した場合(第4条第2項)に該当し、新規
性や創作非容易性の登録要件に係る拒絶理由の根拠から例外的に除外されるか、仮に(1)又は
(2)に該当しないとした場合に何らかの対応をすべきか、検討する必要性は高い。
➢ もっとも、何らかの対応をすべきである場合にも、先述したとおり、生成AI利用の有無を判別す
ることは困難であることを踏まえ、生成AIを利用したか否かを直接的に要件や基準とする対応は
適切ではないと考えられる。
44
④新規性喪失の例外について(3)
<今後の検討の方向性>
⇒ 意匠登録出願前に出願人の既存デザインに基づき第三者が生成AIを利用するなどして作成・公開
したデザインは、(1)意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して新規性を喪失した場合又
は(2)意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して新規性を喪失した場合に該当し、新
規性や創作非容易性の登録要件に係る拒絶理由の根拠から例外的に除外されるか、仮に(1)又
は(2)に該当しないとした場合に何らかの対応をすべきか、引き続き検討してはどうか。
⇒ その上で、何らかの対応をすべきである場合にも、生成AIを利用したか否かを直接的に要件や基
準とはしない対応を検討すべきではないか。
<留意事項等>
今後の検討に当たっては、
✓ 本論点と③引用意匠適格性の論点は、新規性や創作非容易性の登録要件に係る拒絶理由の根
拠としてどのようなデザインを引用するかに関わる点で共通するため、相互に関連し得るこ
と
✓ デザイン分野により創作過程の在り方や成果物の在り方は異なり得ること
✓ 特許制度小委員会における議論状況や国際的な動向についても注視する必要があること
について留意する。
45
生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応
御議論いただきたい事項
<①~④の論点に関する今後の検討の方向性と留意事項等>
•
今回の本小委員会では、前回までの本小委員会の内容、現行意匠法における考え方、令和6年
度調査研究の結果等を踏まえ、①意匠、②創作者、③引用意匠適格性及び④新規性喪失の例外
について、今後の検討の方向性と留意事項等を整理した。
<次回に向けた進め方>
•
①~④の論点について更なる検討を進めるためには、生成AI技術の発展を的確に捉えつつ、現
行意匠法の各規定の趣旨やその解釈、デザイン創作に関わるステークホルダーが抱える懸念や
課題、諸外国の法制度や議論の状況等をより具体的に調査分析することが必要。
•
そのため、有識者やデザイン創作に関わるステークホルダーに対して、補充のヒアリングを実
施して、実態把握を行った上、次回以降の本小委員会において、事務局からヒアリング結果を
御報告し、意匠制度上の適切な対応について引き続き御議論いただきたい。
①~④の論点に関する今後の検討の方向性と留意事項等や次回に向けた進め方について、御意見
をいただきたい。
46
次回の意匠制度小委員会について(予定)
47
次回の意匠制度小委員会について(予定)
➢ 開催予定時期
• 令和7年夏~秋頃(予定)
➢ 御議論いただく内容
• 仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方及び生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度
上の適切な対応について、本日いただいた御指摘を踏まえて引き続き御議論いただく予定。
※その他、御審議いただく必要がある議題が生じた場合には、議題を追加させていただきたい。
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