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産業構造審議会 知的財産分科会 第19回

2024-03-12一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

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議事要旨

。 第19回知的財産分科会 議事要旨 1.日時・場所 日時:令和6年3月12日(火曜日)14時00分から16時00分 場所:特許庁16階特別会議室(オンライン併催) 2.出席委員 益分科会長、出雲委員、加藤委員、齋藤様(鬼頭委員代理)、小松委員、鈴木委員、竹中委員、田村委員、長澤委員、中村委員、廣田委員、藤木委員、狩山様(藤原委員代理)、増島委員、松山委員、麿委員、山田委員 3.議題 出願・審査の現状 イノベーション創出のための知財エコシステムの構築に向けて 各小委員会の報告 産業競争力強化法等の一部を改正する法律案のうちINPIT法関連箇所について 4.議事内容 事務局より、資料を基に説明をした後、各論点について御議論いただいた。 主な意見は以下のとおり。 (1)出願・審査の現状 [議題1関係] GX技術など、日本が推進するイノベーション分野における国別の出願データや分析をタイムリーに一般国民が把握できるような仕組みづくりを期待する。 資料中には記載されていないが、日本の実用新案の出願件数が少ない。オープンイノベーションにおける中小企業や個人発明家の役割の拡大を考えると、日本の実用新案制度は、簡易で早期に権利化できる使い勝手のよい制度となるよう改善が必要ではないか。 実用新案制度の改善について検討をする場合には、実用新案制度が本当に改善に値するほど産業財産政策に寄与するかという観点からも検討されたい。 一次審査期間や権利化までの期間が早くなったり遅くなったりするよりも、予見性のあるタイミングで審査結果が得られることを重視する。 早期審査は権利化までの期間が短く、事業化において有利であるから、国全体として知的財産権の取得・活用を促進するためにいっそう早期審査に力を入れて欲しい。そのためには審査官の増員や文献調査能力の向上等、審査官の負担を減らしながら審査期間を短くする対策が必要である。 特許庁では昨年10月にAI担当官を増員しているので、AIを使ったビジネス関連技術の審査の判断の質について、今後の改善効果を注視していきたい。 (2)イノベーション創出のための知財エコシステムの構築に向けて [議題2関係] 知財領域では、企業価値に反映することが難しい知財等の無形資産の価値について対外的なコミュニケーションが不足している課題がある。対外的なコミュニケーションによる理解を促すためには、標準化や共通ツールの提供が必要。この観点からは、令和5年度に実施したIPランドスケープの具体的手法に関する調査研究は重要な取組といえる。また、当該調査研究で作成されたガイドブックに盛り込まれた仮想実施事例は、企業にとって実務上役立つものであるから、工夫して普及させて欲しい。 無形資産の活用に関する施策やVCを通した企業支援は、地方企業には余り届いていないので、金融機関等の地方企業に近しいところにも知財のノウハウを広めてほしい。また、各種施策を地域のスタートアップに展開していくことは地方創生という観点でも重要であるから、注力して欲しい。 地域経済活性化や中小企業支援については長年同様の支援行われているが、地方では未だ知財についての情報は不足しており、支援の効果や問題点についての分析をしたほうがよい。 地方創生については、特許庁・INPIT・日本弁理士会・日本商工会議所の四者の連携である「知財経営支援ネットワーク」をうまく活用して欲しい。 AI関連技術等の新しい分野では、日本と諸外国との間で審査基準の違いが見られる中、ユーザーがグローバルなライセンス交渉や権利行使を円滑に行えるようにするため、審査基準や運用の調和が重要。 GXTIは海外投資家等へのアピールにも有効な取組のため、世界に展開し、情報開示に活用できるようにして欲しい。また、GXTIの活用促進に向け、産業界の意見も聴取して、きめ細やかな分類の設定や、より有効な活用事例の見せ方について検討して欲しい。 I-OPENや地方創生の取組等、専門家がチームを組んでプロジェクトを支援することは質の高いビジネスのロールモデルの創出につながり、イノベーションの源泉になることが期待されるため、今後も継続・拡大して欲しい。 特許出願非公開制度は、米国の秘密特許制度とも調和する使いやすい制度となったが、損失補償の問題は残っているし、実際に動き始めてから明らかになる問題もあるだろう。国民に余計な不安を煽らぬよう、適時の情報発信に努めてほしい。また、運用開始後所定のタイミングで、保全審査が行われた件数などの実際の統計データも出してもらえると参考になる。 令和6年度に調査予定である「ステークホルダーとの建設的な対話に資する知財経営の開示の在り方」について、現在、政策保有株式の縮減という大きな流れがある中で、投資家との対話が企業の課題となっている。企業としては、開示できる範囲を事前に仕分けしたうえで、知財が成長性戦略や差別化戦略に貢献していることを投資家に理解してもらう必要があるので、今後は投資家との対話の機会を増やす予定。 AI関連技術の審査事例は出願人にも審査官にも判断の基準として参考になるので、蓄積された事例の公表を進めて欲しい。また、今後、業界別なり分野別でシリーズ化して事例を追加してもらえると参考になる。 国際卓越研究大学や地域中核特色ある研究大学強化促進事業の対象大学にモデル契約書や大学知財ガバナンスガイドラインの活用を徹底させ、地域知財経営支援ネットワークを構築することが重要。その中で創出された大学発スタートアップが上場し、それが中核となって各地域に知財活用エコシステムが構築されていく。 [更新日 2024年4月12日] お問い合わせ 特許庁総務部企画調査課 電話:03-3581-1101 内線2152 このページの先頭へ 知的財産権関連リンク集 サイトマップ プライバシーポリシー このサイトについて 住所:〒100-8915 東京都千代田区霞が関3丁目4番3号 電話番号:03-3581-1101(代表) Copyright © Japan Patent office. All Rights Reserved.

資料1

産業構造審議会 第19回知的財産分科会 議事次第 日 時:令和6年3月12日(火)14時~16時 会 場:特許庁庁舎特別会議室 ※オンライン会議とのハイブリット開催 (議事次第) 1. 開会 2. 出願・審査の現状 3. イノベーション創出のための知財エコシステムの構築に向けて 4. 各小委員会の報告 5. 産業競争力強化法等の一部を改正する法律案のうちINPIT法関連箇所に ついて 6. 閉会 (配付資料) 議事次第 委員名簿 資料1:出願・審査の現状 資料2:イノベーション創出のための知財エコシステムの構築に向けて 資料3:各小委員会の報告 資料4:産業競争力強化法等の一部を改正する法律案のうちINPIT法関連箇 所について

資料2

令和6年3月12日 第19回知的財産分科会 産業構造審議会 知的財産分科会 委員名簿 出雲 充 株式会社ユーグレナ 代表取締役社長 加藤 百合子 株式会社エムスクエア・ラボ 鬼頭 雅弘 名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 知財・技術移転部門長/教授 小松 百合弥 IA パートナーズ株式会社 取締役 鈴木 一永 日本弁理士会 会長 竹中 俊子 ワシントン大学ロースクール-慶應義塾大学大学院法務研究科 教授 田村 善之 東京大学大学院法学政治学研究科 教授 長澤 健一 日本知的財産協会 副会長 中村 栄 旭化成株式会社 知財インテリジェンス室 シニアフェロー 廣田 尚子 女子美術大学 藤木 実 株式会社 IP Bridge 代表取締役 CEO 藤原 加奈 株式会社フジワラテクノアート 会長 益 一哉 代表取締役社長 教授/ヒロタデザインスタジオ 代表 代表取締役副社長 東京工業大学 学長 増島 雅和 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士 松山 智恵 TMI 総合法律事務所 パートナー弁護士 麿 秀晴 TOPPAN ホールディングス株式会社 柳川 範之 東京大学大学院経済学研究科 教授 山田 理恵 東北電子産業株式会社 代表取締役社長 代表取締役社長 CEO (敬称略,五十音順)

資料3

資料1 出願・審査の現状 産業構造審議会 第19回知的財産分科会 令和6年3月12日 【特許】直近の出願動向 ー特許出願件数ー 特許出願件数は2020年以降横ばい傾向であったが、2023年は前年比3.6%増。 近年、化学・情報通信分野の出願は増加している一方、機械分野の出願は減少している。 特許出願件数の推移 (件) 350,000 300,000 325,989 318,721 318,381 318,481 313,567 307,969 288,472 289,200 289,530 300,133 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 (出願年) 1 【特許】直近の出願動向 ー特許審査請求件数ー 審査請求件数は引き続き横ばい傾向。 特許審査請求件数の推移 (件) 300,000 250,000 245,535 241,412 240,455 240,118 234,309 235,182 232,215 238,557 233,780 230,184 200,000 150,000 100,000 50,000 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 (請求年) 2 【特許】直近の出願動向 ーPCT出願件数ー PCT出願件数は、2020年以降横ばい傾向。 今後PCT出願を含めたグローバル出願を増加させる見込みの企業も一定数あることから、 今後は回復に向けて一定の増加が見込めるが、引き続き注視が必要。 PCT出願件数の推移 (件) 60,000 51,652 50,000 47,425 41,292 43,097 48,630 49,314 49,040 48,719 47,372 44,495 40,000 30,000 20,000 10,000 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 (出願年) 3 【意匠】直近の出願動向 意匠登録出願件数(国際意匠登録出願以外)は前年比で微減。日本企業からの出願件数が 開発製品数の減少等により減少傾向。さらに、海外企業からの出願が国際意匠登録出願に シフトしている。国際意匠登録出願件数は前年比で増加。 意匠登録出願件数全体としては横ばいで推移。 意匠登録出願件数/国際意匠登録出願件数の推移 (件) 35,000 国際意匠登録出願 意匠登録出願(国際意匠登録出願以外) 30,000 452 2,083 29,451 28,796 2,216 2,261 2,072 2,986 3,303 29,745 29,145 29,417 28,812 29,222 3,353 4,160 28,358 27,587 25,000 20,000 15,000 29,738 10,000 5,000 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 (出願年) ※2022年1月1日に発効したハーグ協定の共通規則の改正により国際意匠登録出願の標準公表期間が6月から12月に 延長されたため、2022年下半期は標準公表された国際登録意匠出願が原則として存在しないことに留意。 4 【商標】直近の出願動向 商標登録出願件数及び国際商標登録出願件数は、いずれも直近2年で減少。①コロナ禍で 一時的に増えていた分野(衛生マスク等)、②中国など主要国からの出願の減少等が影響。 長期的には、商標登録出願件数は高い水準で推移。 商標登録出願件数/国際商標登録出願件数の推移 (件) 200,000 国際商標登録出願件数 180,000 商標登録出願件数 160,000 17,802 19,450 17,924 20,094 19,769 13,835 140,000 120,000 17,328 17,397 15,984 12,672 100,000 173,611 80,000 60,000 148,024 166,681 171,323 163,148 164,537 150,506 146,664 131,299 111,770 40,000 20,000 - 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 (出願年) 5 【特許】日米欧中韓の出願件数の推移 中国における特許出願件数が2019年に鈍化したものの、その後は再度増加。 日米欧中韓における特許出願件数の推移 (万件) 180 160 CNIPA(中国) USPTO(米国) JPO(日本) KIPO(韓国) 161.9 EPO(欧州) 140 120 100 80 59.4 60 40 29.0 20 23.8 19.4 0 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (出願年) 6 【特許】出願人居住国別のPCT出願件数の推移 中国出願人によるPCT出願件数は大きく増加してきたが、近年は横ばい。 出願人居住国別のPCT出願件数の推移 (万件) 8.0 欧州 韓国 中国 日本 7.0 米国 7.0 6.0 6.0 5.9 5.0 5.0 4.0 3.0 2.2 2.0 1.0 0.0 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (出願年) 7 【意匠】日米欧中韓の出願件数の推移 主要五庁における意匠登録出願件数は、2022年は概ね横ばい。 日米欧中韓における意匠登録出願件数の推移 (万件) CNIPA(中国) KIPO(韓国) JPO(日本) 100 EUIPO(欧州) USPTO(米国) 40.0 79.8 80 60 40 10 10.9 6.1 5.6 3.2 20 0.0 0 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (出願年) 8 【商標】日米欧中韓の出願件数の推移 米国、中国における商標登録出願は、2020年に大きく増加し、2021年も高い水準で推移 していたものの、2022年に急減。 日米欧中韓における商標登録出願件数の推移 (区分:CNIPA(中国)) (万件:CNIPA(中国)以外) 80 1,000[万] 70 60 USPTO(米国) KIPO(韓国) JPO(日本) EUIPO(欧州) 900 751.6 800 CNIPA(中国) 700 50 54.5 40 600 500 25.6 30 400 17.2 20 300 200 10 17.0 0 100 0 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (出願年) 9 【特許】審査の現状 2014年に設定された政府目標は、 2023年度末において一次審査期間は平均10月以内、権 利化までの期間は平均14月以内。 あわせて審査の質の向上に取り組んでいる。 特許審査の 平均一次審査期間・権利化までの期間の推移 (月) 特許審査全般の質についてのユーザー評価 2012年度 1.4% 2013年度 1.5% 43.5% 47.5% 7.3% 0.2% 14.0 2014年度 2.7% 44.4% 44.0% 8.4% 0.5% 12.0 2015年度 3.8% 50.5% 39.4% 6.2% 0.2% 2016年度 4.2% 52.8% 37.0% 5.7% 0.3% 2017年度 5.3% 53.0% 35.2% 6.2% 0.3% 2018年度 7.4% 2019年度 6.5% 2020年度 9.1% 55.2% 33.0% 2.4% 0.3% 2021年度 8.4% 54.6% 32.0% 3.7% 1.2% 2022年度 8.6% 52.7% 34.4% 3.7% 0.6% 2023年度 7.2% 54.0% 35.5% 3.2% 0.2% 16.0 15.0 14.6 14.1 14.1 14.3 15.0 15.2 14.7 10.0 8.0 9.7 9.4 9.3 9.3 9.5 10.2 10.1 10.0 6.0 4.0 一次審査期間 2.0 権利化までの期間 0.0 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (年度) 0% 30.2% 11.3% 54.8% 32.1% 50.7% 20% 満足 56.6% 36.5% 40% 比較的満足 60% 普通 80% 比較的不満 0.5% 4.9% 0.7% 5.8% 0.5% 100% 不満 10 【意匠】審査の現状 バッチでの審査を年間2サイクル行っており、平均一次審査期間は6~7ヶ月で推移。 ユーザーによる意匠審査の質に関する評価の調査を2015年度から実施。 意匠審査の質全般について、「満足」と「比較的満足」を合わせた上位評価の割合は、 61.3%(2023年度)。 意匠審査の 平均一次審査期間・権利化までの期間の推移 意匠審査全般の質についてのユーザー評価 (月) 8.0 6.9 7.0 6.7 7.0 6.8 7.1 7.4 7.0 2015年度 2016年度 6.0 6.1 6.1 5.9 6.2 6.0 6.3 6.4 6.0 4.0 2.0 一次審査期間 権利化までの期間 0.0 2017年度 10.6% 14.6% 11.5% 2018年度 13.6% 2019年度 17.6% 2020年度 18.0% 2021年度 21.4% 41.1% 42.7% 46.4% 4.9% 0.8% 36.0% 46.5% 45.9% 41.5% 38.8% 2.9% 0.3% 37.0% 3.5% 0.0% 4.9% 0.0% 32.2% 3.1% 0.3% 26.5% 5.8% 0.0% 35.9% 46.4% 46.3% 3.0% 0.0% 2022年度 17.4% 43.0% 34.5% 4.1% 0.9% 2023年度 18.5% 42.8% 34.9% 3.1% 比較的不満 不満 0.7% 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (年度) 満足 比較的満足 普通 11 【商標】審査の現状 2022年度末に、一次審査までの期間を6.5ヶ月、権利化までの期間を8ヶ月とする政府目標 の達成に向けて、審査官増員及び審査処理の効率化等の施策を実施した結果、審査期間の 短縮を実現し、政府目標を達成。 商標審査の質全般について、「満足」と「比較的満足」を合わせた上位評価の割合は、 52.0%(2023年度)。 商標審査の 平均一次審査期間・権利化までの期間の推移 (月) 12.0 10.9 11.2 7.7 9.9 6.8 8.0 5.8 7.9 6.0 4.3 4.9 2015年度 5.6% 2016年度 6.7% 2017年度 5.6% 2018年度 10.0 6.9 8.0 6.3 4.0 2.0 9.6 9.3 10.0 商標審査全般の質についてのユーザー評価 5.4 一次審査期間 2019年度 8.0% 5.0% 2020年度 6.9% 2021年度 8.4% 2022年度 9.2% 2023年度 11.4% 42.1% 38.3% 43.8% 11.7% 2.3% 43.5% 4.6% 1.5% 42.7% 44.5% 6.4% 0.8% 39.7% 45.3% 6.7% 0.3% 37.2% 9.0% 48.0% 40.8% 0.8% 43.6% 8.1% 0.6% 41.5% 41.8% 7.8% 0.5% 40.1% 42.0% 8.4% 0.3% 6.3% 0.3% 40.6% 41.5% 権利化までの期間 0.0 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (年度) 満足 比較的満足 普通 比較的不満 不満 12 特許審査に関する取組 知財政策に関する基本方針 2014FY 施策1 世界最速 最高品質 国際展開 2024FY 施策1 FA10,STP14に向けた 迅速性の確保 施策2 質の向上 • 先行技術調査(特に外国語文献や非特許文献) の充実による品質向上 • 協議等を活用した均質性の高い審査 施策3 国際展開 日本の審査実務や運用を新興国等に浸透させる ことで、日本企業の国際展開を支援 特許審査のレジリエンス向上による迅速性(STP14)の維持 AIなどの新たな技術の急速な発展、技術の複合化・融合化及び技術分野毎の接受件数の変動、審 査官数や登録調査機関の受注能力の制約に起因する審査処理能力の変動等に対応しつつ、我が国が 誇る世界最速の特許審査を維持する。 FA10、STP14という世界最速の特許審査を 確保し、真っ先に審査結果を海外庁に発信 施策2 世界最速・最高品質の特許審査を基礎とした イノベーションの創出支援 質のさらなる向上 生産性の高い先行技術調査や均質性の高い審査をベースに、言語の多様化、技術の複合化・融合化 に対応しながら、出願人とも共創しつつ、世界に通用する「強く・広く・役に立つ権利」を創出す る。 施策3 環境変化に対応したイノベーションの創出支援 外部環境変化に適切に対応しつつ更なるイノベーションの創出に貢献するため、スタートアップ 等に対するプッシュ型支援等のイノベーション促進策や、特許出願非公開制度の着実な実施など、 ユーザー等の関係者を共創パートナーとしながら、特許審査部門の新たな機能を発揮する。 施策4 知財外交の推進 我が国発イノベーションの海外における保護・活用や、GX技術等を活用した環境問題の解決に関 する国際協力に向けて、これまでに醸成した外国特許庁の審査官(補)との信頼関係をさらに強 化・拡充するとともに、我が国特許庁の特性を活かした協力を推進する。 • AIの活用による質と生産性の向上 • 出願構造の変化等に対応するため の組織の柔軟性向上 • 必要なリソースの整備 2024年度以降の施策を着実に実施するためには、 イノベーションの創出支援の土台である“長期的に安定した審査体制” を整備することが不可欠。 13 意匠審査に関する取組 意匠審査部門では、ユーザーが安定した意匠権を適時に取得・活用しやすい環境を実現するために、 令和3年度に中期計画を立て、5つの柱に沿って、意匠審査に関する取組を進めている。 令和6年度以降も、世界最速・最高品質の意匠審査に向けて、取組を引き続き進めていく。 第1 迅速な意匠審査の遂行 第3 意匠審査実務及び知財行政に必要な能力の向上 (主な取組) (主な取組) ⚫ 実施庁目標(令和5年度:平均FA5~7月)を達成すべく、 審査スケジュールを策定し、徹底した期間管理を実施。 ⚫ 審査バッチの一層の多サイクル化を進めるとともに、案件 ごとの先行意匠調査の範囲及び期間を最適化。 ⚫ 審査資料が年々増加する問題に対応するため、特許庁デー タベースに蓄積する審査資料の厳選化を推進するとともに、 審査資料の閲覧性を高めた多図面ブラウザを内製開発し、 審査に活用。 第2 審査品質の一層の向上 (主な取組) ⚫ 強く・広く・役に立つ意匠権を設定すべく、平成26年に 策定した「意匠審査の品質管理に関するマニュアル」に 則した統一的な品質管理を実施。 ⚫ 毎年開催される審査品質管理小委員会における改善提言 についての着実な対応。 ⚫ 判断の妥当性を確保するため、国際意匠登録出願、画像 意匠・建築物意匠・内装意匠の出願等の審査において、 決裁官に加えて他の審査官とも協議する仕組みを構築。 ⚫ 学会・セミナー等への参加や、展示会、企業訪問、技術研 修等を通して、最新の技術・デザイン動向を把握。 ⚫ 審査官が行政官として幅広い視野を持つことができるよう、 庁内外における現場実習や民間派遣研修等を実施。 第4 ユーザーニーズの把握と意匠制度の普及啓発 (主な取組) ⚫ ユーザーとの意思疎通を図りつつ審査を実施。出願人・代理 人から面接の要請があった場合には、原則全件実施。 ⚫ 企業訪問等を通じて、意匠審査に関するユーザーニーズ等に ついて情報を把握しつつ、意匠関連施策等を積極的に紹介。 第5 働き方改革の推進・組織の活性化 (主な取組) ⚫ 持続的な行政サービス提供のため、テレワークを導入す るとともに、テレワーク中の審査官への問い合わせに迅 速に対応できる仕組みを構築。 ⚫ 生産性が高く働きやすい職場環境づくりを目指し、全審 査室にフリーアドレスを導入。 14 商標審査に関する取組 令和5年6月14日に法律第51号として公布された「不正競争防止法等の一部を改正する法律」に対応するため、商標審査基準 ワーキンググループを開催し、商標審査基準の改訂に係る検討を行うなど、運用面の整備を進めている。 審査期間について、近年は延伸傾向であったが、2022年度末に一次審査通知までの期間(FA)を6.5か月、権利化までの期間 (TP)を8か月とする政府目標を達成。今後も審査の質の維持・向上とともに、適正な審査期間を堅持すべく、審査業務の効率 化及び審査体制の充実を図る。 改正商標法施行に向けた取組 審査期間に係る政府目標の達成 ⚫ コンセント制度導入に伴う審査基準改訂 他人の先行登録商標と同一又は類似する出願商標は登録できな いが(第4条第1項第11号)、第4条第4項の新設に伴い、同号 に該当する商標であっても、先行登録商標権者の承諾を得てお り、かつ、先行登録商標との間で混同を生ずるおそれがないも のについては、併存登録が可能となった。 そのため、「承諾」や「混同を生ずるおそれがない」ことの判 断方法等について審査基準を作成した。 ⚫ 近年の出願増の影響等により、一次審査通知までの期間(FA)及 び権利化までの期間(TP)は長期化。 ⚫ 他人の氏名を含む商標の登録要件緩和に伴う審査基準改訂 創業者やデザイナー等の氏名をブランド名に用いることの多い ファッション業界を中心に、他人の氏名を含む商標の登録要件 緩和の要望があったため、第4条第1項第8号における「他人 の氏名」に一定の知名度の要件と、出願人側の事情を考慮する 要件(政令要件)が課されることになった。 そのため、一定の知名度の要件や政令要件について、それぞれ の審査基準を作成した。 ⚫ 改訂後の基準は、令和6年4月1日以降の出願に適用される。 具体的な取扱いを定めた運用指針である商標審査便覧も改訂予定。 ⚫ 改訂基準・便覧は、ホームページに掲載するとともに、説明会等を通じて 周知予定。(基準公表日:2/28) ⚫ 2022年度末にFAを6.5か月、TPを8か月とする政府目標の達 成に向けて、審査官増員及び審査業務の効率化等の施策を実施 した結果、審査期間の短縮を実現し、政府目標を達成。 ⚫ 今後も審査の質の維持・向上とともに、適正な審査期間を堅持 すべく、審査業務の効率化及び審査体制の充実を図る。 (月) 12.0 10.9 11.2 9.3 10.0 8.0 6.0 6.8 7.7 5.8 7.9 6.0 6.3 4.0 2.0 4.1 4.3 9.9 4.9 9.6 10 6.9 8.0 5.4 FA期間 TP期間 0.0 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 (年度) 15

資料4

資料2 イノベーション創出のための 知財エコシステムの構築に向けて 産業構造審議会 第19回知的財産分科会 令和6年3月12日 1.イノベーション創出の現状と課題 1 イノベーション創出を促進する知財エコシステムの強化 • 「失われた30年」 の間、日本では世界を席巻するようなイノベーションの創出が停滞し、日本企業の競争力が 世界から遅れを取った状態となってしまっている。 ⇒ 近年、企業価値に対する無形資産の重要性が高まる中、知財をはじめとした無形資産を戦略的に経営 に活用していくことで、企業のイノベーションと「稼ぐ力」の強化につなげていく必要がある。 • 気候変動や資源価格の高騰、国際的な軍事衝突の危機等、我が国を取り巻くビジネス環境は急激に変化 し、企業の短命化が進んでいる。 ⇒ いわゆるVUCAの時代において、多様な「知」を結集し、社会に対して魅力的な価値を創造するイノベー ションを創出していくことが必要。 VUCA: Volatility(変動性), Uncertainty(不確実性), Complexity(複雑性), Ambiguity(曖昧性) • イノベーションの創出を促進する知財エコシステムを強化していくことが特許庁の重要な責務。 各国グローバルイノベーション指数 (GII)ランキングの年次推移 世界時価総額ランキングTOP10 1989年 2023年(12月末) 順位 企業名 順位 企業名 1 NTT 1 Apple 2 日本興業銀行 2 Microsoft 3 住友銀行 3 Saudi Aramco 4 富士銀行 4 Alphabet 5 第一勧業銀行 5 Amazon.com 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 1 4 7 10 13 16 19 22 25 9 13 16 20 22 21 19 13 13 13 14 13 15 16 スイス シンガポール 米国 6 IBM 6 NVIDIA 7 三菱銀行 7 Meta 31 Exxon 8 Tesla 34 日本 8 37 中国 9 東京電力 9 Berkshire Hathaway 10 Royal Dutch Shell 10 Eli Lilly 28 25 韓国 40 43 2 イノベーション創出に向けた課題に対応する知財行政 • 気候変動問題の深刻化、技術の複雑化・融合化とAI技術の急速な発展、多様性の促進等の様々な課題 は、新たな価値を生み出しイノベーションを創出する原動力となり得る。また、知財においても経済安全保障と いう新たな視点が加わっている。 • こうした情勢の変化を敏感に捉えた施策を実行することで、無形資産の価値を高め、多様な主体による知財 エコシステムの協創を通じたイノベーションの創出を目指す。 知的財産を創造し、保護し、活用 する循環を示す知的創造サイクル の概念に加え、 そこから生まれる知的財産を基に、 人々が互いに、また、社会に対し て好影響を及ぼし、 自律的に新たな関係が構築され、 新たな「知」が育まれ、新たな価 値が生み出される、 いわば知的財産の生態系 特許庁MVV の策定 経済安全保障 への取組 知財エコシステムとは 国際連携 地方創生 社会問題解決 スタートアッ プ支援 (特許庁HP: https://www.jpo.go.jp/introduction/tokkyo_mvv.html) AI対応 知財経営 の深化 多様性・包摂性に向 けた取組(D&I) GXに向けた 取組(GXTI) 知財エコシステム概要 3 2.イノベーション創出のための 知財エコシステムの構築に向けた取組 4 知財経営の深化 知財・無形資産を取り巻く状況 企業価値に占める無形資産の割合 コーポレートガバナンス・コードのコンプライ率 • 企業価値(時価総額)に占める無形資産の割 合は、日本市場では3割程度と低い • 2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コー ドのコンプライ率は6~8割程度 • 企業価値向上において、無形資産の活用が日 本企業の伸び代 • 知財投資の開示・監督について、手探り・様子見の状 況 新設 された 規定 概要 コンプライ率 (2021年12月比) プライム スタン ダード 補充原則 3-1③ 【新設】 • 経営戦略の開示にあたって、自社のサステナ ビリティについての取組みを適切に開示、人 的資本や知的財産への投資等について、分 かりやすく具体的に情報を開示・提供すべき • プライム市場上場会社は、TCFD又は同等 の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進 めるべき 62.5% (-4.2pt) 59.4% (+0.8pt) 補充原則 4-2② 【新設】 • 取締役会は自社のサステナビリティを巡る取 組みについて基本的な方針を策定すべき • 人的資本・知的財産への投資等をはじめと する経営資源の配分、事業ポートフォリオに 関する戦略の実行が、企業の持続的な成 長に資するよう、実効的に監督すべき 86.4% 67.2% (+6.2pt) (+3.5pt) ※ 株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2022年7月14日時点)」 に基づき特許庁作成 出典:新しい資本主義実現会議(第5回)資料1(2022年) 5 知財経営の深化 知財・無形資産ガバナンスガイドラインVer.2.0の全体像 出典:内閣府知的財産戦略推進事務局 「知財・無形資産ガバナンスガイドラインVer.2.0」(2023年) 6 知財経営の深化 知財経営に関する従前の調査成果 知財経営を実践するための事例集 • 知財経営を実践するための事例集を2019年から毎年発行 • 近年は、経営層と知財部門とのコミュニケーションにも着目 経営における 知的財産戦略事例集 (2019年) 経営戦略を成功に導く知財戦略 【実践事例集】 (2020年) 新事業創造に資する 知財戦略事例集 (2021年) 企業価値向上に資する 知的財産活用事例集 (2022年) 知財経営の実践における課題と解決策(2023年) 知財経営の実践に向けた コミュニケーションガイドブック (2023年) 1.知財部門・知財の役割に対する「意識」のギャップ →経営層・知財部門及び関係部門が、 それぞれ知財部門の役割モデルを再定義する • 経営層が、また、知財部門自身が、知財部門の役割を、将来の経営や事業を見据え、 それに対して知財で貢献するという位置づけに再定義 2.知財部門に経営層の情報・視点が不足する「情報」のギャップ →経営層・知財部門の議論の機会を積極的に創造し、 濃密な議論を繰り返し、相互が情報の差を埋める • 知財部門は、もつべき情報を「経営課題」とも紐づけて意識し、経営層等に刺さる情報を 意識的に収集・分析・発信し、フィードバックを受けて修正を繰り返す 7 知財経営の深化 令和5年度の調査結果 知財経営の実践と開示 IPランドスケープの具体的手法 • 知財・無形資産を活用するためには、下図の「本質的 な強みの掘り下げ」を含む3ステップを循環させることが 重要 • IPランドスケープ実践に向けて、目的別の分析手法、 仮想実施事例、活用可能な無償のデータベース・ツー ルを掲載したガイドブックを作成 • 知財部門は、自社の知財・無形資産としての強みを 特定し、他部門と伴走することで各部門の課題解決 を支援する役割を担う • 仮想実施事例として、新規事業創出、事業戦略策 定、買収候補抽出の3パターンを用意 • 情報開示によって、企業価値向上のほか、知財マイン ドが全社に浸透し、知財・無形資産の活用を社全体 で進める環境構築につながる 8 知財経営の深化 令和6年度の調査方針(予定) • 保有する知財・無形資産に基づく自社の強みを把握し、強みを財務価値につなげる知財戦略を策定し、適切 な開示によって投資を呼び込み、企業価値向上を図ることが喫緊の課題 • 経営・知財・投資の専門家チームを企業に派遣し、ステークホルダーとの建設的な対話に資する知財経営の 開示の在り方の議論を通じて、知財・無形資産ガバナンスガイドラインVer.2.0で定められたコミュニケーション・ フレームワークに沿った対話及び知財経営の適切な開示を企業に浸透させるために必要な事項について現地 調査を実施予定 現地調査の概要 専門家チーム 経営・知財 コンサルタント 企業開示 アドバイザー 企業 • ステークホルダーとの建設 的な対話に資する開示 の在り方に関する議論 • 知財経営の適切な開示 に関する議論(価値創 造ストーリー、因果パス、 知財・無形資産と経営 情報との紐づけ) • 開示資料に関する支援 投資家 企業内チーム 意思疎通 ・連携 【経営デザインシート等】 知財部門 事業部門 広報・IR部門 経営企画部門 経営層 • 経営デザインシート等を活用した、 知財戦略に紐づく価値創造ストーリーの構築 • 開示の範囲、開示資料について議論 (実際の開示は任意) 9 グリーン・トランスフォーメーション技術区分表 (GXTI: Green Transformation Technologies Inventory) GXTI • 特許庁では、グリーン・トランスフォーメーション(GX)関連技術を5つの技術区分と横断的な4つの視点に より俯瞰できるようにした技術区分表(GXTI)を、2022年6月に公表。 • 各技術区分に対応する特許文献を抽出し、技術動向を把握するための検索式を併せて公表。 10 GXTI GXTIを用いた調査結果概要 • 特許庁は、グリーン・トランスフォーメーション(GX)技術に関する各国・地域の特許出願動向を概括するため、 特許庁が作成したグリーン・トランスフォーメーション技術区分表(GXTI)を用いた網羅的な調査を初めて実施 (調査結果は、特許庁HPにて、2023年5月に公表)。 出願人国籍・地域別国際展開発明件数 (2010年から2021年までの合計;平均値を1とする) 日本 米国 欧州 中国 エネルギー供給(gxA) における 出願人国籍・地域別国際展開発明件数ランキング 韓国 2011-2013 gxA01 太陽光発電 4 gxE01 CCS・CCUS・ ネガティブエミッション gxD01 バイオマスから の化学品製造 3 2017-2019 日本 米国 欧州 中国 韓国 日本 米国 欧州 中国 韓国 gxA03 風力発電 太陽光発電 1 2 3 5 4 1 3 2 4 5 太陽熱利用 3 2 1 4 5 4 2 1 3 5 風力発電 3 2 1 4 5 4 2 1 3 5 2 地熱利用 3 1 2 4 4 3 2 1 4 5 1 水力発電 3 2 1 4 5 4 2 1 3 5 海洋エネルギー発電 5 2 1 4 3 4 3 1 2 5 バイオマス 3 1 2 5 4 4 2 1 3 5 原子力発電 3 1 2 5 4 4 1 2 5 3 燃料電池 1 2 3 5 4 1 3 2 5 4 水素技術 3 2 1 5 4 2 3 1 5 4 アンモニア技術 3 2 1 5 4 3 2 1 4 5 0 gxA09 燃料電池 gxB01 建築物の省エ gxC01 二次電池 ネルギー化(ZEB・ ZEH等) gxB05 電動モビリティ (※)国際展開発明件数とは、二つ以上の国・地域へ出願された発明、EPOへ出願された発明、又はPCT出願された発明の数。 IPF(International Patent Family)と称されることもある。 11 GXTI GXTIの活用 • 企業等は、自社の有するGX関連技術の強みや弱みを把握でき、エビデンスドベースで自社の経営戦略や研 究開発戦略の立案に活用できる。 • 企業等は、投資家等に対し、GX関連技術に関する自社の研究開発力の優位性を特許情報に基づいてエ ビデンスドベースで説明できる。 • 政府機関やNPO等は、特許情報を活用することで、途上国を含めた世界各国・地域のGX関連技術の動 向を可視化でき、エビデンスドベースで世界各国・地域のGXへの取組を後押しできる。 GXTIに対応した 商用データベースの例 • • Japio-GPG/FX xlscout 民間企業の活用例 • パナソニック ホールディングス • 日本電信電話株式会社 GXTIに基づく全世界の環境関連特許の情報分析 (パナソニックホールディングス「統合報告書2023」第26頁) 「統合報告書2023」*1 HP(サステナビリティ)*2 政府機関での活用例 *1: https://holdings.panasonic/jp/corporate/investors/pdf/annual/2023/pana_ar2023j_a4.pdf *2: https://group.ntt/jp/csr/cultures/challenge05.html 文部科学省 科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会環境エネルギー科学技術委員会 第7回革新的GX技術開発小委員会(令和5年12月19日)にて紹介。 政策立案に際して、GXに関する産業界の技術動向の指標の一つとして活用。 GXTIの活用は拡大中。国内外へのさらなる普及を目指す。 企業等が特許情報分析に基づく情報開示等を行う際に、GXTIが活用されることを期待。 12 スタートアップ支援 ベンチャーキャピタルへの知財専門家派遣事業(VC-IPAS) • 知財アクセラレーションプログラム(IPAS)では、知財専門家及びビジネス専門家からなる知財メンタリングチームをスタートアップ に派遣することにより、事業戦略に連動した知財戦略構築等を支援してきた。 • 一方、スタートアップの多くは、VCからビジネス面の助言やハンズオン支援を受けており、VCが事業計画も踏まえた知財戦略策 定支援を合わせて実施できれば、効率的なスタートアップへの支援が期待できる。 • しかしながら、VCによっては、ビジネス目線を踏まえた知財戦略構築支援の知見が十分に蓄積されているとはいえないことから、 VCを公募し、採択されたVCに対して知財専門家を派遣することにより、VCのキャピタリストと知財専門家が協働して、ス タートアップに対して知財面からも支援を行えるようにする。 スタートアップ ベンチャーキャピタル(VC) キャピタリスト 知財専門家 知財支援の 知識を涵養 キャピタリスト 知財専門家 知財専門家がキャピタリストと 協働しスタートアップを支援 特許庁/INPIT 知財専門家を派遣 知財専門家 ビジネス専門家 知財専門家・ビジネス専門家 からなるメンタリングチームを派遣 令和4年度は5社、令和5年度は10社に派遣。令和6年度は15社まで拡大予定。 知財戦略の 構築を支援 13 スタートアップ支援 知財アクセラレーションプログラム(IPAS)の実績とINPITへの移管 • 平成30年度から令和5年度までで104社に支援。IPAS支援後に出願された特許件数は460件、IPAS支援後に資金調達 した企業数は42社、EXITした企業数は2社(いずれも令和4年度事業までの支援対象に関する集計。2023年7月現在) • IPASは、令和6年度よりINPITに移管。INPITの専門窓口の専門家(知財戦略エキスパート)などと連携して、シナジーを 向上させたスタートアップ支援体制を構築。 • INPIT移管後は2年事業として実施し、公募は常時受付け、2年間で4回、10社ずつスタートアップを採択。移管後も引き続 き知財専門家とビジネス専門家(知財戦略プロデューサー)からなるチームを創業期のスタートアップに派遣し、ビジネス戦略と、 それに基づく知財戦略の構築等についてメンタリング支援を行う。 ■平成30年度~令和5年度の実績 ● 支援企業数 ■令和6年度以降 ● IPAS支援後に 出願された特許件数 * 104 460 社 件 ● IPAS支援後に 資金調達した企業数 * ● EXITした企業数 * 2 42 社 社 従来のIPASと同様の体制 メンタリング チームが派遣 知財専門家&ビジネス専門家のチーム 創業期 スタートアップ (知財戦略プロデューサー) 連携 フォロー、 相談対応など M&A 1社 IPO1社 INPITの専門窓口の専門家 * 令和4年度事業支援企業について 2023年7月時点 (知財戦略エキスパート) INPIT移管後は2年で4回、各10社採択。同趣旨のメンタリング支援を実施。 14 スタートアップ支援 スタートアップ知財支援基盤整備事業(IP BASE) 我が国のスタートアップコミュニティにおいて、創業期に知財戦略を練らないままビジネスに注力した結果、成長期に 知財課題が顕在化し、さらなる成長の妨げとなる傾向が見られた。 • 知財ポータルサイト運営・冊子発行・各種メディア広報・勉強会開催を通してスタートアップコミュニティー向けへ の知財情報発信を強化。 • 知財イベントを通じてスタートアップコミュニティと知財専門家の関係を強化。 • IP BASE AWARDを通してスタートアップ・スタートアップ支援者による知財活動を奨励。 ■情報発信 ■イベント開催 冊子発行 ・IPAS成果事例、IPAS運営の手引き等、調 査事業による各種成果を発信 ・スタートアップ向けの勉強会、知財イベント開催 ・スタートアップ・知財専門家・支援者間での 交流を促進する交流会の開催 ■IP BASE AWARD 知財ポータルサイト ・スタートアップ・支援者向け知財情報 ・IPAS成果事例の紹介 ・勉強会アーカイブの配信 ・知財専門家インタビュー記事掲載 ・IP BASEイベント告知 メディア広報 ・Youtube ・ X ・ メルマガでの告知・情報発信 ・優れた知財活動を行うスタートアップ等を表彰 令和6年度は対面イベントでの交流促進に注力 15 スタートアップ支援 オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(大学編) • • • 公正取引委員会の調査や未来投資会議での検討を受けた政府の取組 「想定シーン」のもと、大学・スタートアップ・事業会社の連携を通じ、知財等から生み出される事業価値の 総和を最大化できるような契約書の例を提示 「秘密保持契約」、「PoC契約(技術検証)」、「共同研究開発契約」、「ライセンス契約」、「利用契約」と いった、複数の契約形態に対応 令和5年度は大学編の解説パンフレット・マナーブックを作成中。令和6年度公表予定。 ライセンス契約 ✓ 専用実施権を付与するが、スター トアップが一定期間正当な理由な く未実施の場合には、非独占的通 常実施権に変更 ✓ ライセンスの対価として新株予約 権を導入 共同研究開発契約 ✓ 当面は共有としつつ、事後にスタート アップが大学の持ち分を買い取る権利 を留保 ✓ スタートアップが一定期間正当な理由 なく未実施の場合には、大学の第三 者へのライセンス禁止を解除 出典:特許庁ウェブサイト「オープンイノベーションポータルサイト」 (https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/index.html) 共同研究開発契約 ✓ 知財を共有とし、独占的通常実施権 を付与 ✓ 正当な期間理由なく未実施の場合に は、非独占に切り替え ✓ 「産学官連携による共同研究強化の ためのガイドライン」で提唱された「知へ の価値付け」を含めた対価設定 ✓ 研究者の関与時間報酬(タイム チャージ)や一定の成果を達成した際 の成功報酬など 16 *PASS: “Push-type Assistance Service for Startups“ の略称 スタートアップ支援 スタートアップに対するプッシュ型支援(PASS*) <これまでの課題> 面接審査、スーパー早期審査等の支援策について、出願人の申請がないと実施していない。 →制度利用の経験がない又は少ないスタートアップは十分に活用できず、 結果として、事業に対応した使いやすい権利を取得できない、迅速な権利化ができない等の場合がある。 スタートアップに対するプッシュ型支援(PASS)・・・令和6年度から実施 ・特に支援すべき対象であるスタートアップに対して、特許庁側からプッシュ型でアプローチ。 スタートアップ対応面接活用早期審査(面接の実施、スーパー早期審査での対応)等を紹介し活用を促進。 ・面接を行う場合、関心に応じてスタートアップ支援策や特許庁の施策を紹介。 出願 スタートアップ 制度に詳し くないので、 ぜひ利用し たいです。 PASS 特許庁側から プッシュ型で アプローチ 審査請求 スタートアップからの 審査請求を発見! 連絡しよう PASSの実施イメージ (代理人) 特許庁から連絡 スタートアップ よろしけ れば面接 しません か。関連 施策も紹 介します。 特許庁 (調整課) 特許庁 ★早いタイミングで実施、 質の高い権利化をサポート 面接の実施 (代理人) 面接審査/早期審査 審査 <従来> 出願人側からの申請が あって初めて実施 スタートアップ 発明の技術や その意義、事 業戦略上の位 置づけ等 (スタートアップ対応面接活用早期審査) きめ細やかなサ ポートを提供し、 質の高い権利取 得を支援 特許性に関す るアドバイス、 特許庁の支援 策の紹介等 審査官 17 地域ブロック毎の知財経営支援強化(地域知財経営支援ネットワーク) 地方創生 • 知財経営支援を通じ、中小企業、スタートアップ等の稼ぐ力を磨き上げ、付加価値拡大による地域経済の好循環を実現。 • 地域ブロックにおいて、弁理士会(地域会)、INPIT、経産局・特許庁が知財経営支援のコアとなり、地域の実情に応じて、全国の商工 会議所と連携し、「地域知財経営支援ネットワーク」を形成する。「地域知財経営支援ネットワーク」は、各支援機関との連携を強め、 ワンストップ機能を更に強化する。 地域知財経営支援ネットワーク 地方支局 (財務局等) 商工会議所 商工会議所 地方自治体 商工会議所 【知財経営】 知財(技術、ブランドなど)を強み として活かして経営力強化 “稼ぐ力”の向上 商工会議所 知財経営支援 (地域本部) 商工会議所 発明協会 商工会議所 INPIT (各地) 商工会議所 (ブロック機能) よろず 支援拠点 商工会議所 弁理士会 (地域会) 地域 金融機関 中小機構 知財経営支援のコア 経産局・特許庁 商工会議所 マッチング 支援機関 日本商工会議所 商工会議所 JETRO (各県) 515商工会議所 商工会議所連合会 中小企業・スタートアップ 新たな付加価値の創造・拡大 ニーズ・相談 中小企業・スタートアップ・大学 地域経済の好循環の実現 良質な仕事と雇用の創出 18 地方創生 連携協定の下での地方創生に向けた取組 • 福島県、特許庁及び福島イノベーション・コースト構想推進機構との間で「知的財産の保護及び活用に関する連携協定」を締結 • 石川県、特許庁、農林水産省、北陸農政局及び中部経済産業局との間で「知的財産の保護及び活用に関する連携協定」を締結 • 連携協定の下、知財経営支援ネットワークも活用し、全国に広く共有されるような地域支援のロールモデルとなることを目指す 福島県 石川県 ➢ 福島知財活用プロジェクト(平成30~令和2年度) ➢ ふくしま知財協議会の設立(令和3年8月) ➢ 福島県知財戦略推進計画の策定(令和4年2月) ➢ 「知的財産の保護及び活用に関する連携協定」の 締結(令和6年1月22日) ➢ 「知的財産の保護及び活用に関する連携協定」 の締結(令和5年4月14日) ① ② ③ ④ 普及啓発 人材育成 実務支援 福島県での復興・イノベーション創出に資する 企業(県外からの進出企業も含む)の支援 福島県内における知的財産関連の取組を後押しし、 福島県のイノベーションの推進・復興と地方創生に寄与して いく ① 植物新品種等の知的財産の適切な管理 の推進 ② 普及啓発 ③ 人材育成 ④ 事業者への高度専門家派遣 農水省等とも連携し、石川県発の農産物や食品 等の知的財産保護を支援していく。 19 知財経営支援モデル地域の創出 • 地方創生 地域の中小企業等が持続的に知財を活用した経営戦略・事業活動を行うためには、知財経営支援ネットワーク(4者連携) と地域の様々な支援機関とが一体となった企業支援が必要不可欠 • 知財を活用した地域の企業成長や地域活性化に意欲的な自治体と連携し、当該地域に先導(ハブ)となるプロデューサー (チーム)を形成することで、様々な支援機関の連携を強化・OJTの中で支援人材の育成を行うと共に、支援ネットワークを活 用した支援事例を創出(成果事例を積重ね) • 地域の支援ネットワークの連携強化と地域企業のイノベーション創出を通じて、持続的な知財活用の促進を目指す地域を創出(モ デル地域の創出) 20 地方創生 第5期中期目標期間におけるINPITの成果(AsIs) • INPITは、独立行政法人通則法に規定された中期目標管理法人であり、主務官庁である経済産業省は、達成 すべき業務運営に関する目標を定め、これを公開しなければならない。 • 令和5年度は第5期中期目標期間(4年間)の最終年度にあたり、第5期の目標達成度を評価することが求め られているところ、以下セグメント(3本柱)を中心に各種施策を実施してきたが、中小企業を中心に知財活用の すそ野拡大に貢献し、一定程度の成果を上げたと評価することができる。 第2の柱 第1の柱 「産業財産権情報の提供」 J-PlatPat検索回数 3億3,000万回以上 明治以降の国内外の 1億5,000万 件以上 の産業財産権情報を収録 「権利の取得と戦略的活用の支援」 知財総合支援窓口相談件数 12万件以上 各窓口・関係機関との連携件数 15,000 件以上 第3の柱 「知的財産関連人材の育成」 ICTを活用した知財人材育成用教材の利用者数 18万名以上 21 地方創生 第6期中期目標期間に向けたINPITのあるべき姿(ToBe) • INPITの強み(ユニバーサルサービス)を一層活かし、弱みを克服し、ステイクホルダーの満足度を最大限に高め るために、INPITは以下のように業務を見直す必要がある。 権利取得・戦略的活用支援事業(個社支援)の見直し/強化 ①関係機関とのネットワークを活用した集中投下 予算約100億円、職員数が100人弱であることを踏まえ、関係機関とのネットワーク(知財経営支援ネットワーク等)を活用し、真 に支援すべき対象に対し、集中的に支援を投下する。地域ごとの調整も重要。 ②ステイクホルダーへの最適な対応 中堅・中小、スタートアップ企業及び大学、関係機関等のニーズ及び地域特性等を個別に把握して支援を提供する。組織の縦割り を排除し、各部門が保有する多様な支援ツールをステイクホルダーごとに最適化して提供する。 ③INPITの知名度強化 支援の成功事例の横展開を通じ、知財を活用した経営改善(稼ぐ力の向上)にはINPITの支援が効果的であることを、様々な チャンネルを駆使して広く周知する。 ④支援データの積極的活用 蓄積された過去の支援データを分析し、支援対象へのツール当てはめ等に活用し、労働工数の最小化に努める。 ユニバーサルサービスの安定稼働 提供している情報、コンテンツが、“稼ぐ力の向上”に如何に貢献しているかの把握に努め、ステイクホルダーの利便性向上を目指し て内容、機能を常に見直す。セグメント間の連携も重要。 審査等支援サービスの継続 限られた予算、人員の中でも、安定的なサービスを特許庁に対し提供するため、DX化を押し進め、特許庁と連動して業務改革を 推進する。 22 地方創生 第6期中期目標期間における各セグメントの業務概要 • INPITは、相互に連携する以下4つのセグメントにおいて個別目標を掲げ、知財経営支援の中核機関として、イノ ベーションを促進する社会の実現を目指す。 1.知財エコシステムを支える知財課題発掘―知財形成―知財の戦略的活用のワンストップ支援 知財の課題発掘から知財の形成、戦略的活用まで、関係機関とも連携しながらワンストップで支援する支援エコシステ ムを形成し、優れた技術を持つ中堅・中小・スタートアップ企業等の事業成長、知財の海外流出対策、海外展開におけ る知財戦略の構築や大学等の研究開発成果の社会実装に向けた支援を行う。 2.知財エコシステムを支える産業財産権情報インフラの整備とその活用 特許公報等の産業財産権情報はイノベーションの基礎となる情報であり、INPITは引き続き産業財産権情報のインフ ラを整備し、迅速かつ安定的な情報提供を行う。また、産業財産権情報を知的財産経営に有効に活用する方策を広く 普及する取組を促進する。 3.知財エコシステムを支える人材育成 中堅・中小・スタートアップ企業、大学等における知財の戦略的活用の重要性の高まりを踏まえ、経営層や他機関の支 援人材、専門家などターゲットを明確化して研修プログラムを充実させる。そして、特許庁及びINPITが有する知識、経験 及びノウハウに基づいて開発・作成した知財人材育成教材等について、広く提供するためのプラットフォームを積極的に活 用して知的財産関連人材の量的・質的拡大を図る。 4.世界最速・最高品質の審査を始めとする特許行政への貢献 INPITが実施している特許庁職員等に対する研修及び特許庁の審査資料の整備・提供等の業務は、特許庁の最重 要政策である「世界最速・最高品質の審査」の実現を支援するものであり、着実に実施する。 イ ノ ベ ー シ ョ ン を 促 進 す る 社 会 の 実 現 23 社会課題解決 知財を活用して社会課題解決を:I-OPENプロジェクト ⚫ 社会課題解決に取り組むスタートアップ企業、非営利法人、個人等が、知財やビジネスに精通 した専門家の伴走支援を受け、知財を活用しながら、社会課題解決を目指すプロジェクト。 ⚫ このプロジェクトを通じて生まれた、社会価値を共創するツールとしての知財の活用事例等を、 2025大阪・関西万博でも世界に情報発信するべく、国際会議の場でも積極的に発言中。 豊かな社会を願い、想いと創造力から生まれる知的財産をいかして、未来を切り拓く 情熱を有する人(I-OPENER)を生み出すエコシステムの実現を目指す ●コミュニティの構築 基盤づくりと中期ビジョン 策定を目指して実証中 “I-OPEN Supporters” I-OPENERを生み出す コミュニティ 知財専門家(弁理士・弁護士)、社会課題解 決の専門家(デザイナー、社会起業家、経営 Web等のメディア 者等)等 での展開 メンタリング等 による社会実装支援 ●社会的価値の創出 伴走型支援を通じて、知財 を活用した社会課題の解決 を推進 ●情報発信 例えば、環境問題、ジェンダー平等、 貧困問題等の社会課題に取り組む ソーシャル・イノベーター ・COMMUNITY GUIDEの公開 ・フォーラム開催 など (出典)特許庁、I-OPENプロジェクト特設サイト https://www.i-open.go.jp/ 24 社会課題解決 I-OPENプロジェクトの実績 63名のメンターによる31者への伴走支援 (令和3~5年度の支援実績) 2023年グッドデザイン賞を受賞 社会課題解決に必要な、ミッション策定、ブラン ディング等の多角的な支援に加え、知財による 仲間を増やす支援も実施。 社会を導く「よいデザイン」であるとの評価や、それに 伴う認知度向上を最大限に活用し、2025年大 阪・関西万博に向けた取組みも加速。 25 社会課題解決 万博に向けた取組 ~知的財産の活用による社会課題解決の実現~ • I-OPENプロジェクトを通じて生まれた知財活用事例等や社会価値の共創に役立つ新技術を 実演・展示予定 • 世界知的所有権機関(WIPO)等と連携し、社会課題解決に向けた知財活用の促進等に関する国際 フォーラム等を開催予定 • 関係団体による展示・実演 (実施主体)特許庁、I-OPENプロジェクト参加企業等、日本弁理士会、その他関係団体等 (実施場所)会場内(メッセ、スタジオ)、特許庁特設HP (実施期間)約1週間 世界的な社会課題を解決し、SDGsを達成するためのツールとして、 知財が有益であることを世界に発信する。 提供:2025年日本国際博覧会協会 大阪・関西万博 公式キャラクター 「ミャクミャク」 提供:2025年日本国際博覧会協会 26 D&I 知財エコシステムにおける多様性と包摂性 • 持続可能な経済成長を実現するために、女性活躍をはじめとしたダイバーシティ(多様性)の推進が求められていると ころ。女性活躍躍進がイノベーションや企業業績等にプラスの効果を与えるとする報告が存在。 • イノベーションを創出するには、異なる属性(性別、年齢、国籍、価値観、キャリア、経験等)を有する人材の多様性 の強みを生かすことが重要であり、属性面での人材多様性を高めるだけでなく、多様な人材を組織内に包摂する取 組が同時に行われることが不可欠。 • また、知財エコシステム全体として、イノベーションに寄与するような多様な人材を新たに包摂することも肝要。 (PCT)発明者における女性の割合・ 女性発明者を少なくとも1名含む出願の割合 コーポレートサステナビリティを表す取組としてふさわしい取組 女性研究者の割合の国際比較 (各社3つまで選択) 1,000,000 50% 40 800,000 40% 30 600,000 30% 20 400,000 20% 200,000 10% 0 0% 50 2022 10 0 CN FR Total US IT KR CA GB DE JP 発明者における女性の割合 女性発明者を少なくとも1名含むPCT出願の割合 出典:WIPO IP Statics Dataに基づき、特許庁作成 GB IT FR 女性研究者数 DE KR JP 男性研究者数 女性研究者の割合 ※日本は2023年の数値、イタリア・フランス・ドイツ・韓国は 2021年の数値、英国は2017年の見積値。 出典:日本は2023年(令和5年)科学技術研究調査、その他の国はOECD Main Science and Technology Indicatorsに基づき、特許庁作成 出典:PwC 「コーポレートサステナビリティ調査2022」に基づき特許 庁作成 https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/20 22/assets/pdf/corporate-sustainability2022.pdf 27 D&I 人材の多様性や包摂性のイノベーションへの貢献に関する調査 • 人材の多様性や包摂性をイノベーション創出に結びつけるためには、多様性や包摂性が効果を発揮するための 環境(組織体制、文化等)が重要 知財エコシステムにおけるジェンダーの多様性と包摂性に関する調査研究 ➢ 知財エコシステムを構成する女性人材を中心とした約20者(発明 者、起業家、知財部員、弁理士、知財関係機関等)にヒアリング 調査を行い、女性の活躍を促進するための環境整備の在り方を検 討 発明者のチームの多様性に着目した特許の質や量 に関する調査 ➢ 発明者チームの多様性(女性比率)と、審査官 による特許文献の被引用件数等との関係性につ き統計学的手法により分析し、来年度には分析 結果を公表予定 被引用件数 特許出願における発明者の多様性の 指標(女性比率)と審査官による被 引用件数との間における相関関係の 有無を分析中 発明者チーム における女性比率 今後、特許出願公開情報分析に基づく大規模アンケート調査をおこなうことで、イノベーションや発明の創出 プロセスにおける人材の多様性や、多様な人材を組織内に包摂する取組の状況等についての事例を収集し、イ ノベーションや発明の創出に寄与する環境に関する知見を発信していく 28 D&I D&I推進のための庁内活動及び国際連携の動き • 多様な人材が活躍できる方策をデザイン思考によって検討することを目的として、特許庁デザイン経営プロジェク トチーム内に「D&Iチーム」を令和5年8月に発足 • 近年、イノベーションの源泉として多様性を重視する国際的な動きが加速。各国知財庁・知財機関と連携を進 め、国際的なD&I活動に貢献するとともに、我が国の知財分野におけるD&I活動のさらなる推進を目指す D&Iチームの活動 ⚫ 職員のキャリアビジョン形成の取組 庁内外の知財関係者へのインタビューを通じて、主体的なキャリアビジョンの形成を支援。 ⚫ 若手職員から組織に提言 多様な人材を包摂し、個々の能力を最大限に生かす組織を実現するため、若手ならで はの観点から組織改革を提言 国際連携 ⚫ グローバルメンタリング試行プログラム(GMP) グローバルなIPシステムにおける多様性の向上を目的に、各知財庁職員間で実施される メンタリング試行プログラム。JPOを含む15知財庁・知財機関が参加 ⚫ 女性知財シンポジウム(Women in IP Symposium) イノベーション経済における女性のグローバルな活躍にについて包括的に議論。国際女性 デーに合わせ、共同声明文を採択 ⚫ WIPOジャパンファンドによる女性活躍支援 南米先住民族への女性起業家支援プロジェクト等 ペルー先住民族への女性起業家支援 (Photo Credit: Melissa Inga) 29 国際連携 知的財産権活用に係る特許庁の国際的取組 • • • 企業活動が国籍や国境を越え、日本企業の海外進出が進む中、日本企業が海外でも知的財産権を円滑かつ 予見性高く取得し活用しやすい環境を構築。 日本からの海外出願件数の8割以上が米欧中韓。日米欧中韓の五庁間での制度・運用の調和が重要。 新興国・途上国への日本企業の進出増を踏まえ、新興国・途上国の知財システムの整備が課題。 特許庁の国際的取組 制度・運用調和 海外審査の迅速化 海外との審査情報の共有 バイ・マルチの国際会合・交渉を通じて、知的 財産権制度・運用の調和を図る。 特許審査ハイウェイ(PPH)は、日本で特許可 能と判断された出願につき、他の国で簡易な手 続により早期に審査を受けられる制度。 各国特許庁と審査経過情報を共有するIT環境 を構築し、各国の審査の予見性を高める取組を 推進。 新興国・途上国支援 エンフォースメント強化(司法分野) 海外への事業展開支援 専門家の派遣や研修の提供を通じて、我が国と 同水準の審査実務の浸透を図る。 知財高裁など様々な関係機関と連携し、模擬 裁判等を通じた知財司法分野の国際交流に 貢献。 「政府模倣品・海賊版対策総合窓口」を含む模 倣品対策支援に加え、海外での中小企業等によ る知的財産の権利化、ブランド構築などを推進。 経済連携協定 経済連携協定をツールとして、知的財産の適切 な保護と活用を目指す。 (参考)特許庁関連の主な国際会合 ・WIPO総会 ・五庁(IP5)会合 ・意匠五庁(ID5)会合 ・商標五庁(TM5)会合 ・三極長官 会合 ・日中韓/日中/日韓長官会合 ・日ASEAN特許庁長官会合 ・G7知財庁長官級会談 等 30 国際連携 先進国との協力(五庁(日米欧中韓)、G7) IP5(特許) 世界の特許出願件数の約85%を占める日米欧中韓の五庁 によって知的財産における世界的な取組をリードすべく、 2007年より五庁長官会合を継続して開催。 主に、特許分類改正、特許情報サービス改善、制度運用調 和、審査結果の相互利用、特許統計データ提供などの課題 について議論。 直近では、第16回五庁長官会合(2023年6月、米国)に おいて、気候変動分野(グリーン技術に関する調査)やAI 関連発明に係る協力(審査実務に関する資料収集)等を進 めていくこととなったところ。 TM5(商標) 日米欧中韓の知財庁が、商標分野における国際的な協力を 推進し、商標が世界各国で適切に保護、活用される環境を 整備することで企業のグローバルな事業活動を支援するこ とを目的として、2011年に創設。 様々な協力プロジェクトが行われているところ、日本は「 悪意の商標出願プロジェクト」等の複数のプロジェクトを リードしている。 直近では、第12回TM5年次会合(2023年9月、韓国)に おいて、各協力プロジェクトの進捗状況及び今後の進め方 について議論。 2024年は日本がホストとなり開催予定。 ID5(意匠) 日米欧中韓の主要五庁が、意匠制度及びその実務に関する 国際的な連携を強化・推進するための協力枠組として 2015年に創設。 様々な協働プロジェクトが行われているところ、日本は「 登録意匠に係る表示」等の複数のプロジェクトをリードし ている。 直近では、第9回ID5年次会合(2023年9月、韓国)にお いて、各協力プロジェクトの進捗状況及び今後の進め方に ついて議論。 2024年は日本がホストとなり開催予定。 G7知財庁長官級会談 G7を構成する仏米英独日伊加(議長国順)の知財庁長官 及びWIPO事務局長(オブザーバー)等が一堂に会し、知 財に関するグローバルな問題を議論。 2021年に開始され、直近の第3回会談(2023年12月)は 日本が議長国として、メタバース空間上で開催。包括性・ 多様性を広げるための知財普及啓発活動やデジタル領域に おける知財の課題について議論。 31 国際連携 新興国・途上国に対する支援 知財人材の育成 1996年から、アジア、アフリカ、中南米など新興国・途 上国の知財庁職員/民間企業等に対し、審査実務や知財活 用に関する研修を提供し、知財制度及びその運用の確立・ 強化を支援。 これまで(1996~2022年度)に、100以上の国・地域に おいて、延べ7,600名以上が研修を修了。 特許庁職員の派遣 JICAと協力して、特許庁職員を知的財産制度に関する専 門家として途上国に派遣し、途上国での知的財産法法制度 整備や人材育成を支援。 ✓ インドネシア:知的財産制度整備の支援、人材育成協力、 普及啓発活動等を目的に、1993年度からJPO職員をイン ドネシア知的財産総局へ派遣。 ✓ 2021年~2023年に、JPOから 特許審査官1名を長期専門家と してベトナム国家知的財産庁へ 派遣し、特許審査基準の改定、 人材育成等を支援。 多国間協力 日ASEANの知財に関する協力覚書(MOC)に基づき、毎 年度、日ASEAN特許庁長官会合を開催し、日ASEAN知財 アクションプランを策定。ASEAN全体として取り組んで いる課題の解決を後押し。 2023年度は、東アジア・アセアン経済研究センターと協 力した新規知財調査事業の開始、第4回日ASEAN特許専門 家会合の開催、人材育成事業の実施等に合意。 二カ国間協力 MOC締結、インプリメンテーションプラン策定などを行 い、各国の事情に応じた支援・協力を実施。また、様々な 機会を利用して知財庁間ハイレベル会談等を実施。 2023年度は、以下の取組を実施。 ✓ MOC締結(バングラ、カンボジア、カザフスタン) ✓ 審査官派遣(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリ ピン、ベトナム) ✓ データ交換合意(メキシコ) ✓ 知財金融ワークショップ開催(サウジアラビア) 32 国際連携 世界知的所有権機関(WIPO)との協力 WIPOは、世界193か国が加盟する知的財産に関する国連の専門機関(1970年設立)。事務局長はダレン・タン氏 (星国籍)。本部はスイス・ジュネーブ。国際的な知財ルールの構築、国際出願や情報提供等のグローバルサービス、 途上国支援が主な活動。2006年に日本事務所を設立。 我が国は、加盟国中最大の約7.2億円(2023年度)を任意拠出金(ジャパン・ファンド、Funds-in-Trust Japan Industrial Property Global(FIT Japan IP Global))としてWIPOへ拠出。 直近では、WIPOによる環境技術マッチングの取組(WIPO GREEN)や、大阪・関西万博等に関する協力を強化。ま た、2024年2月のタン事務局長訪日時、スタートアップ支援に関する協力についても合意。 【WIPO GREEN】 概要 ◆ 環境技術の活用を促進するためのプラットフォーム。 ◆ オンラインDBや地域の活動を通じ、環境技術の希望者と提供者をマッチング。 ◆ 12万件以上の技術、ニーズ、専門家が登録されたDBは、世界中で2,500人以上の ユーザーが利用。 日本の貢献・今後の課題 ◆ 特許庁は、2020年2月19日にパートナーとして参加。 アジア太平洋地域の知財庁の中で最初のパートナー。 ◆ 世界で150超の組織がWIPO GREENパートナーに参加。日本はパートナー数 において世界第1位。 ◆ 近年、WIPO GREENを通じた実際の環境技術マッチング(成功事例)を増 やすことが課題。 ラテンアメリカ・アクセラレーションプロジェクト ◆ 任意拠出金を活用し、アルゼンチン、チリ、ブラジル、ペルーでの農業分 野を支援。 ◆ 対象国が関心を持つグリーン技術分野について、その分野の技術を必要と する企業等と、技術を提供できる先進企業等とのマッチングを促進。 【WIPOジャパンファンド】 概要 • 拠出金としてWIPOジャパンファンド事業を編成し、途 上国(地域)を対象とした知的財産関連の制度、執行 面の整備、情報化等を支援。 • 2023年度の拠出金額は、約7.2億円。 スタートアップ支援協力(2024年2月) • ジャパンファンド事業においても、近年、中小・スター トアップ企業支援を新たに推進し始めているところ、ス タートアップ支援の実績を有する日本特許庁とWIPO間 で連携強化に関する共同声明に署名。 【大阪・関西万博における協力】 • WIPOとも連携し、社会課題解決(SDGs)に向けた知財活 用の促進等に関する事例の発信等を予定。 33 国際連携 (参考)中小企業等への海外での権利化支援(補助金) • 中小企業等に対して、海外での出願から権利化までに要する費用を助成し、グローバルな知的財産権の 取得・事業化を支援。令和6年度事業では、年度をまたいだ補助事業の実施を可能とする予定。 事業概要 ※詳細検討中 ◆概要 中小企業、中小スタートアップ企業、大学等による国際的な知的財産戦略の構築を支援するため、外国出願費用、審 査請求費用*、拒絶理由通知への応答等の中間手続費用*を助成します。 ◆支援の内容 海外特許庁への手数料(①出願、②審査請求*、③中間手続*)、翻訳費用、海外出願に要する国内代理・ 現地代理人費用 等の 1/2補助 *②③は特許のみ ◆対象・要件 中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学等 ◆公募時期 年3回程度(令和6年度は、年度をまたいだ補助事業の実施も可能とする予定。) 国 2 債 年 34 国際連携 (参考)特許庁の海外ネットワーク • 特許庁の知財専門家を世界各地に配置。現地の知財動向の収集・発信に加え、現地の知財関係者や企業の駐在 員とのネットワークの形成など、企業の海外展開を支援。 中国(ジェトロ北京事務所) 担当範囲:中国 ドイツ(ジェトロデュッセルドルフ事務所) 担当範囲:欧州・ロシア アメリカ(ジェトロニューヨーク事務所) 中国(ジェトロ香港事務所) 担当範囲:北米 担当範囲:中国 スイス (世界知的所有権機関) 韓国(ジェトロソウル事務所) 担当範囲:韓国 フランス (経済協力開発機構) 台湾(日本台湾交流協会台北事務所) 担当範囲:台湾 アメリカ (新エネルギー・産業技術総合開発機構 シリコンバレー事務所) UAE(ジェトロドバイ事務 所) 担当範囲:中東・アフリカ インド(ジェトロニューデリー事務所) 担当範囲:南西アジア(インド) タイ(ジェトロバンコク事務所) 担当範囲:タイ、ミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジア ブラジル(ジェトロサンパウロ事務所) シンガポール(ジェトロシンガポール事務所) 担当範囲:シンガポール、インドネシア、マレーシア、 フィリピン、ブルネイ,オーストラリア、ニュージーランド 担当範囲:中南米 インドネシア (法務・人権省知的財産権総局) (東アジア・アセアン経済研究センター) 35 (令和6年2月現在) AI対応 AI技術の進展をふまえた発明の保護の在り方への対応 知的財産推進計画2023 (施策の方向性) ・創作過程におけるAIの利活用の拡大を見据え、進歩性等の特許審査実務上の課題やAIによる自律的 な発明の取扱いに関する課題について諸外国の状況も踏まえて整理・検討する。(短期)(内閣府、経 済産業省) ・これまで以上に幅広い分野において、創作過程におけるAIの利活用の拡大が見込まれることを踏まえ、 AI関連発明の特許審査事例を拡充し、公表する。また、AI関連発明の効率的かつ高品質な審査を実 現するため、AI審査支援チームを強化する。(短期)(経済産業省) ●調査研究の実施(2023年8月~2024年3月)・・・【対応中】 諸外国の状況も踏まえて、以下の事項の整理・検討を開始。 (1)最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況 (2)創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題 (3)AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題 ●AI審査支援チームの体制強化(2023年10月)・・・【対応済】 AI担当官を13名から39名に増員し、全ての審査室に1名ずつ配置。 →これまでAI技術の活用がみられなかった分野においてもAI関連発明の審査を適切にサポート。 ●AI関連発明の特許審査事例の拡充・公表(2023年度中)・・・【対応中】 AI関連発明の特許審査事例を年度内に追加予定。 →出願人等にAI関連発明の特許審査の運用を分かりやすく説明。 36 AI対応 AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究 ➢ 公開情報調査、国内外へのアンケート・ヒアリング等を実施し、委員会での検討の上、 2024年3月末までに報告書を作成し、2024年度公開予定。 <調査項目> (1)最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況 ・最新のAIの技術水準(特に生成系AI) ・発明の創作におけるAIの活用実態(人間がどの段階で関与するか、 その関与の程度や、 AIが自律的に創作した発明の有無を確認) ・各技術分野における創作過程にAIを活用した発明の事例 (2)創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題 ・進歩性に関する課題(進歩性を認める水準や当業者の定義等に与える影響) ・記載要件に関する課題(明細書における開示の程度等に与える影響) ・その他の課題(冒認出願等) (3)AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題 ・発明の創作における人間の関与が小さくなる場合の影響(発明者の認定等) ・発明者としてAIを記載した場合の取扱い ・AI自体に権利の主体を認めることへの要望、影響 37 AI対応 AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究 ➢ 国内外へのアンケート・ヒアリング結果等を踏まえた調査結果の概要は以下のとおり。 (1)最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況 ➢ マテリアルズ・インフォマティクスにより、新規材料の開発が効率化。 ➢ 発明の創作過程における生成AIの利用方法が検討され始めている(壁打ち等)。 ➢ 現在のAIの技術水準では、発明の創作に人間の関与が一定程度必要であり、AIが自律的に発明を 創作する事例は確認されなかった。 (2)創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題 ➢ 進歩性判断への影響について現段階では、当業者が用いる出願時の技術常識や研究開発のための 通常の技術的手段等にAIが含まれることを考慮すれば、現行の考え方で適切な判断が可能。 ➢ 一方で、今後AIが更に発展することにより、技術分野を超えて発明を組み合わせることが容易になる等、 進歩性の動機付け等の実務に影響を与える可能性があるという指摘もあった。AI技術の進展や諸外 国の状況を引き続き注視していく必要がある。 (3)AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題 ➢ 創作過程にAIが利用された発明について、現状は発明の創作に人間の関与が一定程度必要であるこ とから、発明の技術的特徴部分の具体化に創作的に関与した者を発明者とする現行の発明者要件の 考え方で対応可能であるという意見が多数であることが確認された。 ➢ 今後AIが更に発展し人間の関与が小さくなったとしても、創作的に関与する者がいる限り、その者を発 明者として認定すれば良いという指摘もあった。 38 AI対応 AI審査支援チームの体制強化 ◆ AI関連技術は複数の審査部門にまたがる代表的な融合技術であり、各審査部門が担当する技術分野を 超えて連携することが必要。 ◆ 管理職員等とAI担当官から構成される「AI審査支援チーム」を2021年1月20日に発足。 ◆ AI審査支援チームは、各審査部門が担当する技術分野を超えて連携し、最新のAI関連技術に関する知 見や審査事例の蓄積・共有及び特許審査施策の検討等を実施。 ◆ AI担当官は、AI関連発明に関する審査の“ハブ”として、各審査部の知見を集約し相互に活用しつつ相談 対応や、審査官向けの研修等を実施。2023年10月にAI担当官を13名から39名に増員。 ◆ 2024年4月にAI担当官に研修・助言を行うAIアドバイザー(外部有識者)を設置。 39 AI対応 AI関連技術に関する審査事例の拡充 ➢ 2023年12月8日に開催された審査基準専門委員会WGにおいて、追加の10事例案について議論。 ➢ 2024年3月末までに追加の10事例を公表予定。 追加事例 特許要件 名称 備考 人間が行う業務の生成AI(大規模言語モデル) を用いた単純なシステム化に関する事例 大規模言語モデルに入力するためのプロンプト 生成AI(大規模言語モデル)の適用における特徴 用文章生成方法 (プロンプト生成)に関する事例 放射線画像の輝度調節に用いられる学習済みモ 入力データから出力データを推定する学習済み デルの学習方法 モデルの学習方法に関する事例 1 進歩性 カスタマーセンター用回答自動生成装置 2 進歩性 3 進歩性 4 進歩性 5 実施可能要件、 蛍光発光性化合物 サポート要件 AIによりある機能を持つと推定された物の発明に関 する事例(マテリアルズ・インフォマティクス) 6 サポート要件 教師データ用画像生成方法 教師データの生成に関する事例 7 サポート要件 ネジ締付品質の機械学習装置 教師データに含まれる複数種類のデータの間の 入出力関係が不明/明確である事例 8 発明該当性 教師データ及び教師データ用画像生成方法 教師データに関する事例 9 発明該当性 宿泊施設の評判を分析するための学習済みモデル 10 明確性要件 レーザ加工装置 人間が行う業務のシステム化に関する事例 パラメータセットとして構成された学習済みモデル に関する事例 異常に対して実施すべき作業内容を出力するた 「プログラム」か否か不明である学習済みモデルに めの学習済みモデル 関する事例 ※令和5年12月8日時点の案 40 AI対応 アクション・プラン(令和4~8年度改定版) • 平成29年度、特許行政事務の高度化・効率化に向けたAI技術の活用に関する6カ年の計 画を記載した「人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン」を公表 • 令和4年5月、同アクション・プランの終期を迎えるにあたり、近年の特許行政事務を巡る状況 の変化やAI技術の急速な進展を踏まえ、今後5カ年の新たなアクション・プランを策定 • アクション・プランに沿って、各事業の技術実証やツールの開発・試験的な導入を実施 人工知能(AI)技術の活用に向けた アクション・プラン(令和4~8年度版) 各事業の進め方 ●特許庁内で、解決すべき 業務課題を検討・抽出 事業 ●業務課題に対して、AI 技術の実現可能性の等、 技術実証を外注 ●技術実証の結果を考慮 して、特許庁内でツールを 内製・アジャイル開発 開発されたツールは試行 的に導入され、審査官等の 評価を受けて随時更改 (※)各事業の取組は大まかな想定であり、開発の進捗状況や予算の状況、その他の諸情勢により、変更がありうる。 41 AI対応 特許審査とAIとの関係 • 特許審査のプロセス中、「分類付与」・「先行技術調査」においてAI技術を試行的に導入中 • 審査官からのフィードバック等を通じて精度向上を図っているところ 分類付与 本願発明の理解 先行技術調査 先行技術文献検索 • AI技術により、国内文献の 分類を学習し、外国文献に 分類を機械付与。外国文 献も同じ分類で検索可能に なり、審査の効率が向上。 外国文献を 日本語テキストやFI等で 検索可能 • 機械翻訳文を用いた外国語 文献の検索。 • 先行技術文献を検索するた めに、分類+キーワードから なる検索式を作成する際に AI技術により検索に有用な ワードを推定、提示。 特許性判断 スクリーニング • 機械翻訳文による外国語文 献のスクリーニング。 • 検索で得られた文献群から、 技術的に近い文献を探索。 AI技術により、より本願に似 た文献を先に表示。 42 特許出願の非公開制度への対応(令和6年5月1日開始) 経済安全保障 特許出願の非公開制度を導入することにより、 ⚫ 公にすることにより国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が記載されている特許出願につき、出願公開等 ※出願から1年6か月経過 又は ※出願から3年以内 出願公開請求があった場合 の手続を留保するとともに、その間、必要な情報保全措置を講じることで、特許手続を通じた機微な技術の公開や情報流出を防止。 ⚫ これまで安全保障上の観点から特許出願を諦めざるを得なかった発明者に特許法上の権利を受ける途を開く。 特 許 庁 内 閣 府 の 審 査 部 門 ( 年 間特 約 3許 0出 万願 件 ) 第一次審査 ・特定技術分野に該当 又は ・出願人からの申出 3 か 月 以 内 書 類 送 付 出 通常の特許手続(特許法) 願 公 開 通 常 の 特 許 手 続 へ 出願 取下げ 通 常 の 特 許 手 続 へ 指定せず 審 査 請 求 特許査定 又は 拒絶査定 ※指定解除から3か月以内 (保全指定中も可) 特許庁が担う 新たな業務 保全審査 ※1年ごとに延長の要否を判断 機微性の検討 ・出願人との対話 ・専門家からの聴取 ・特許庁に情報提供依頼 ・防衛省等に意見照会など 産業への影響等の検討 ・出願人との対話 ・専門家からの聴取 ・関係省庁に意見照会など 出 願 人 の 意 思 確 認 総 合 評 価 に よ る 判 断 保 全 指 定 指定中は、 ・出願取下げ不可 ・実施は許可制 ・開示は原則禁止 ・適正管理義務 ・他者への共有は承認制 ・外国出願禁止 特定技術分野該当発明は、 外国出願禁止 (第一国出願義務) 国内出願後、保全審査に付されず、又は 10か月以内に保全指定されなければ禁止は自動的に解除 ※禁止対象に当たるかどうかの事前確認制度あり 指 定 解 除 ⚫ 第一次審査 特定技術分野 に該当する案件等を抽出 ⚫ 保全審査における内閣府へ の協力 ⚫ 保全指定された案件の出願 公開、査定を確実に抑止 ⚫ 外国出願禁止に当たるかの 事前確認 等 実施制限等により 出願人が受ける 通常生ずべき損失を補償 43 経済安全保障 (ご参考)特定技術分野の概要 ● 特定技術分野:(1)~(25)の技術分野について、国際特許分類(又はこれに準じて細分化したもの)に従って規定。 【我が国の安全保障の在り方に多大な影響を与え得る先端技術が含まれ得る分野※】 (10)スクラムジェットエンジン等に関する技術 (1)航空機等の偽装・隠ぺい技術 (11)固体燃料ロケットエンジンに関する技術 (2)武器等に関係する無人航空機・自律制御等の技術 付加要件対象分野 付加要件も満たさないものは (12)潜水船に関する技術 内閣府への送付対象外 (外国出願も禁止されない) (13)無人水中航走体等に関する技術 (14)音波を用いた位置測定等の技術であって潜水船等に関するもの (3)誘導武器等に関する技術 (4)発射体・飛翔体の弾道に関する技術 (5)電磁気式ランチャを用いた武器に関する技術 (6)例えばレーザ兵器、電磁パルス(EMP)弾のような 新たな攻撃又は防御技術 (7)航空機・誘導ミサイルに対する防御技術 (15)宇宙航行体の熱保護、再突入、結合・分離、隕石検知に 関する技術 (16)宇宙航行体の観測・追跡技術 (17)量子ドット・超格子構造を有する半導体受光装置等に (8)潜水船に配置される攻撃・防護装置に関する技術 関する技術 (9)音波を用いた位置測定等の技術であって武器に関するもの (18)耐タンパ性ハウジングにより計算機の部品等を保護する技術 (19)通信妨害等に関する技術 付加要件: ①我が国の防衛又は外国の軍事の用に供するための発明 ②国又は国立研究開発法人による発明 ③国の委託等に係る発明 【我が国の国民生活や経済活動に甚大な被害を生じさせる手段となり得る技術が含まれ得る分野※】 (20)ウラン・プルトニウムの同位体分離技術 (21)使用済み核燃料の分解・再処理等に関する技術 (22)重水に関する技術 (23)核爆発装置に関する技術 (24)ガス弾用組成物に関する技術 (25)ガス、粉末等を散布する弾薬等に関する技術 ※ 上記(1)~(19)、(20)~(25)について、主にどちらの考え方に着目して選定したものであるかを記載。 44 経済安全保障 特許出願非公開制度の運用開始に向けたスケジュール 令和5年4月28日 基本指針 閣議決定 令和5年8月9日 政令の公布(特定技術分野・付加要件等) 令和5年10月21日 ~11月19日 内閣府令・共同府省令案(保全審査手続、適正管理措置、一次審査手続、 外国出願事前確認手続等)のパブリックコメント ※その他、特許法施行規則等の省令改正が必要なところ、 令和6年1月5日~2月3日までパブリックコメント、2月29日 に公布済 令和5年12月18日 内閣府令・共同府省令の公布 適正管理措置に関するガイドラインの公表 制度に関するQ&A(損失補償等)の公表 制度の周知・広報 令和6年5月1日 制度運用開始 ⚫ ホームページで制度概要、Q&A等の情報発信 ⚫ 令和5年度法改正説明会(全国約20カ所)を含め、 全国各地で説明会、セミナー、意見交換等を実施 ⚫ 弁理士、知財支援総合窓口担当者向けに研修実施 ⚫ INPITにて説明動画を配信 ⚫ 知財雑誌への寄稿 等 45 内閣府・特許庁 令和6年5月1日から、特許出願の非公開制度が施行されます 経済安全保障 ➢ 本制度は、安全保障上拡散すべきでない発明の内容が含まれる特許出願が、出願公開されることを防ぐためのものです。 ➢ そのため、非公開の対象となり得る技術分野(特定技術分野、詳細は裏面参照)に該当しない発明の特許出願は、出願から 特許の取得までの流れや出願公開に変更はありません。 ➢ 一方で、外国出願の禁止の対象となる場合には注意する必要がありますので、下のフロー図をご参照ください。 国内特許のみ 取りたい 国内と外国の両方の特許を取りたい 先に国内出願 先に外国出願 外国特許のみ 取りたい <国内出願のみ> <国内出願後、パリ優先権 主張をして外国出願> <国内出願をしていない状態で外国出願> ほとんどの出願において、 本制度について特別な対応は 必要ありません。 必要な場合、出願日から 3か月以内に通知※1します。 全ての国内出願について、 本制度による審査を行います。 (日本国内でした発明であって公になっていないもので) 特定技術分野に該当する発明は、 外国出願(PCT出願含む)禁止です。 優先権証明書及びアクセスコードについて 本制度により非公開の対象か否かを 判断する間※2 、優先権証明書・アクセス コードの発行を留保します。 審査の結果、非公開の対象外と判 断されれば、制約なく外国出願でき るようになります※2。 特定技術分野に該当しない 発明は、 審査結果を待たずに、 外国出願(PCT出願含む) 可能です。 (違反に対しては罰則※3が科せられます。) まずは、特定技術分野であるか確認してください※4。 Point 特定技術分野に該当する発明であっても、 先に国内出願し、非公開の対象外と判断されれば、 外国出願禁止が解除され、外国出願できるようになります。 特定技術分野に該当する場合や、判断が付かない場合は、 先に国内出願するのも一案です※4 。 特定技術分野に該当しない発明は、 外国出願(PCT出願含む)可能です。 ※1 特許出願に特定技術分野に属する発明が記載されている場合等には、特許庁から内閣府に出願書類を送付して非公開の対象とすべきかの検討をします。この場合、送付をした旨を特許出願人に対して通知します。 ※2 判断期間は、通常は3か月以内ですが、特定技術分野に該当する場合は、非公開の対象とすべきかの検討が必要なため、最長で10か月かかります。 ※3 一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金、又はこれを併科。また、対応する国内出願があれば却下される場合があります。 ※4 国内出願をせずに、外国出願の禁止に該当するか否かについて特許庁長官に確認を求めることができる制度(事前確認制度、手数料25,000円)も新設されます。 ただし、先に国内出願(出願手数料14,000円)をした場合、特定技術分野に該当しても、非公開の対象とすべきかの検討をした結果、対象外と判断されれば、外国出願禁止が解除され、外国出願が可能となりますが、 事前確認制度では、そのような検討を行う過程がないため、特定技術分野に該当するものは、非公開の対象にならないことが明らかであるものを除き、外国出願が禁止される旨の回答となります。 ▲詳細はこちら 46 特許庁MVVの策定 特許庁のミッション・ビジョン・バリューズ(MVV)の策定 • 急速に大きく変化する社会情勢や知的財産を取り巻く環境の変化に柔軟に対応し、時代に即した知財行政 を行っていくため、特許庁は、ミッション・ビジョン・バリューズ(MVV)を更新。 • MVVは、特許庁職員が同じ方向に向かって進む旗印であり、また、知財に関わる全ての人と目標を共有し、 その実現に向けて協力していくためのもの。 ミッション(使命・目的・存在意義) 「知」が尊重され、一人ひとりが創造力を発揮したくなる社会を実現する ビジョン (ミッションのために組織は何を成すのか) 産業財産権を通じて、 未来を拓く「知」が育まれ、新たな価値が生み出される 知財エコシステムを協創することで、イノベーションを促進する バリューズ(ビジョンのために職員はどのような指針で行動・判断するのか) • 透明性をもって、公正、公平に実務を行う • ユーザーの立場で考える • 前例にこだわらず、改善を続ける • プロフェッショナルとして主体的に行動する • 特許庁全体の視野に立つ (出典)特許庁「特許庁の新しいミッション・ビジョン・バリューを公表します」 https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210615004/20210615004.html 47

資料5

資料3 各小委員会の報告 産業構造審議会 第19回知的財産分科会 令和6年3月12日 1 弁理士制度小委員会 ➢ 第20回弁理士制度小委員会の概要 2 審査品質管理小委員会 ➢ 審査品質管理小委員会の開催実績・予定(令和5年度) 3 不正競争防止小委員会 ➢ 不正競争防止小委員会での活動概要 ➢ 「逐条解説」の改訂について ➢ 「秘密情報の保護ハンドブック」の改訂について 4 財政点検小委員会 ➢ 財政点検小委員会の開催実績(令和5年度) ➢ 歳出歳入、剰余金の推移 1 1.弁理士制度小委員会の報告 2 第20回弁理士制度小委員会の概要 ➢ 令和6年1月29日に第20回弁理士制度小委員会を開催 ➢ 弁理士制度の現状と今後の課題、最近の弁理士会の取組について討議された。 ➢ そのほか「標準化と知的財産の一体的活用」について、経済産業省産業技術環境局基準認証政策課 と特許庁総務部秘書課弁理士室から報告があり、知的財産と標準化を一体的に活用するオープン&ク ローズ戦略における弁理士の活動等について紹介された。 ⚫ 討議の結果、以下のとおり了承された。 <弁理士業界を取り巻く環境の変化への対応> • 弁理士には、出願手続のみならず、ビジネス戦略や標準化戦略に絡めた知財の取得や活用を助言 するコンサルタント業務等、知財専門家としての役割が期待されている。 • 限られたリソースの中で、弁理士にしかできない業務に集中するためには、AI技術の導入と活用 が有効である一方で、AI技術の導入にあたっては、様々な課題もある。 • これらの状況を踏まえ、日本弁理士会において、弁理士によるAIツールの適切な利活用を促すた めのガイドラインを作成する。 <弁理士試験の論文式筆記試験(選択科目)の見直し> • 毎年度、受験者が5人に満たない選択問題が散見される。 • 受験者が少人数となると、問題作成に対するフィードバックが乏しく、難易度の公平性を担保す ることが難しい。 • これを踏まえ、適切な試験運営のため、各科目において一定数の受験生を確保するべく、弁理士 試験の論文式筆記試験(選択科目)の見直しについて、工業所有権審議会弁理士審査分科会弁理 士試験制度部会において議論する。 特許庁 3 2.審査品質管理小委員会の報告 4 審査品質管理小委員会の開催実績・予定(令和5年度) 【第1回】令和6年2月19日開催 ●議題1:審査品質管理の実施体制・実施状況に関する評価結果(案)について 評価結果(案)について自由討議が行われ、了承された。 ●議題2:審査品質管理の実施体制・実施状況に関する各委員の改善提案について 改善提案について自由討議が行われた。示された主な改善提案は以下の通り。 ➢ 国際的に遜色のない水準の審査官数の確保と、AI関連発明等の先端技術を適切に審 査し得る人材の育成に努めるとともに、審査業務をさらに効率化することで、審査の 質を維持・向上することを期待する。 ➢ 面接審査や様々なユーザーとの意見交換を積極的に実施し、ユーザーとのコミュニ ケーションのさらなる充実と相互理解の深化を期待する。 ➢ 判断の均質性等の審査の質についての課題への効果的な施策を講じることと、これら の取組の成果を外部に効果的に情報発信することを期待する。 ➢ 先行文献調査を含む審査業務でのAI技術の利用を促進するとともに、新たなAI技 術の適用可能性を追求することを期待する。 【第2回】令和6年3月開催予定 ●議題1:令和5年度審査品質管理小委員会報告書(案)について 改善提案に基づく本小委員会の改善提言を含め、報告書(案)について審議される予定。 5 3.不正競争防止小委員会の報告 6 1.不正競争防止小委員会での活動概要 • 令和5年11月~令和6年1月にかけて計3回の審議を行った。 第1回議題: • • • 今後の議題・スケジュールについて 令和5年不正競争防止法の一部改正と施行準備及び周知・啓発の取組状況(報告) 主な関係資料の改訂方針(案) 「逐条解説」、「限定提供データに関する指針」、 「秘密情報の保護ハンドブック」 など 第2回議題: • • • 主な関係資料の改訂案 「限定提供データに関する指針」、「秘密情報の保護ハンドブック」 など 従業員向け啓発資料(案) 外国公務員贈賄に関するワーキンググループにおける審議経過(報告) 第3回議題: • • 不正競争防止法の解釈明確化のための逐条解説の改訂について 「限定提供データに関する指針」及び「秘密情報の保護ハンドブック」の改訂に向けた パブリックコメントの結果について 7 2.「逐条解説」の改訂について <改訂の基本方針> ⚫ 令和5年不正競争防止法改正、直近の改訂(令和元年5月)以降の社会経済情勢の変化等を踏まえて 改訂。  令和5年不正競争防止法の改正に関連する修正 ○以下の法改正事項に関連して、「逐条解説」の記載を修正・追記する。 ⑴デジタル空間における形態模倣行為の防止【第2条第1項第3号】 ⑵限定提供データの定義の明確化【第2条第7項】 ⑶損害賠償額算定規定の拡充【第5条】 ⑷使用等の推定規定の拡充【第5条の2】 ⑸コンセント制度導入に伴う、不正競争防止法の適用除外規定等の新設【第19条第1項第3号・第2項第3号】 ⑹国際的な営業秘密侵害事案における手続の明確化【第19条の2・第19条の3】  社会経済情勢の変化等を踏まえて、解釈の明確化のための修正 1.問題意識 • 我が国企業・研究機関から海外への技術流出が、依然として続いている。 • こうした中、外国の法令遵守のために、日本の不正競争防止法に違反する行為がなされる可能性が懸念される。 2.逐条解説の改訂 • 不正競争防止法では、海外への営業秘密漏えい対策の一環として、海外重罰規定を設けており、相手方が 日本国外においてその営業秘密を使用する目的を 有することを知った上での営業秘密不正開示行為について、 通常より重い処罰を規定している。(第21条第4項第2号・同条第5項第2号) • 上述の懸念に対応すべく、逐条解説中の海外重罰の対象となる「開示」に関して、脚注において以下のような文言を 追記し解釈の明確化を図る。 ➢ 営業秘密侵害罪について、当該行為が、政府に対して情報提供を義務付けることを内容とする外国の法令に 基づく行為であることの一事をもって、違法性が阻却されるものではない。 8 3.「秘密情報の保護ハンドブック」の改訂について <改訂の基本方針> ⚫ 直近の改訂(令和4年5月)以降の社会経済情勢の変化・関係法令の進展等を踏まえて改訂。 ⚫ 一方、啓発資料として産業界・関係団体に行き渡っていることから、構成・基本的内容については、現行版を 踏襲しつつ、以下の観点を踏まえて、ハンドブックの内容を補強・追記する形で改訂。  関連する「法制度の見直し・ガイドラインの改訂」に伴う修正 • • ハンドブック策定後の進展、例えば、「法制度の見直し」に伴う修正として、令和5年の不競法改正で見直された①「限定 提供データ」の保護範囲、②使用等の推定規定の拡充、③国際的な営業秘密侵害事案における手続の明確化等に 関する記載を追加。また、個人情報保護法の改正に関連する記載の整理も実施。 この間に発出された「各種ガイドライン」(例:「水産分野における優良系統の保護等に関するガイドライン」・「養殖業に おける営業秘密の保護ガイドライン」(水産庁))の内容等を反映。  営業秘密・秘密情報をとりまく「環境の変化」に伴う修正 • • • AI(人工知能)の利活用の進展などの近年の環境変化に合わせて、意図しない情報漏えいインシデントを 防ぐ上での留意点・流出リスクに関する記載を追加。 近年のトラブルを踏まえると、営業秘密・秘密情報を保有する主体として、企業だけでなく、大学・研究機関も 考えられることから、大学・研究機関においても本ハンドブックの管理措置が参考になる旨を追記。 海外への重要な技術情報の流出への懸念が高まっている中 、外国から日本企業が保有する秘密情報が 狙われるリスクについて、過去の漏えい事件を踏まえ、啓発コラムの見直し(記載の拡充)を図る。 • ✓ 「従業員向け」啓発資料の作成 • 従来作成した資料(「秘密情報の保護ハンドブック」・「ハンドブックのてびき」・「営業秘密管理指針」)は主として 企業において営業秘密管理を担う経営層・担当者向けの内容であるが、実際に営業秘密に接する従業員等に とって、どのような行為が不正競争防止法違反となるのか(刑事・民事の責任が発生するのか)など、「従業員 目線」にたって留意事項を理解できる啓発資料を、今後作成・公表する。 9 4.財政点検小委員会の報告 10 財政点検小委員会の開催実績(令和5年度) 第6回 令和5年6月26日 議題:特許特別会計の財政運営の状況等 1.令和4年度決算見通し 2.財政シミュレーション 3.令和6年度概算要求の方向性 4.中小減免制度見直し 5.情報公開の在り方 第7回 等について議論 令和5年11月27日 議題:特許特別会計の財政運営の状況等 1.令和4年度決算 2.財政シミュレーション 3.令和6年度概算要求 4.中小減免制度見直し 5.情報公開の在り方 等について議論 11 歳出歳入、剰余金の推移 2,200 歳入(前年度剰余金除く) 2,163 歳出 2,000 機械化庁費 剰余金 1,800 1,746 ・特許審査請求料を引き上げ ・特許出願料・特許料を引き下げ 1,600 2022年4月~ 料金引き上げ 【特許料、商標登録料、国 際出願関係手数料】 中小企業減免拡充・ 審査請求料引き上げ 旧料金での 駆け込み納付(※) 各種料金の引き下げ 1,569 1,514 【特許出願料・審査請求料・特許料、商標出願料・登録料、 意匠登録料等】 1,548 1,493 1,479 1,449 1,438 1,426 1,454 1,400 1,353 1,375 1,242 【億円】 1,200 1,277 1,227 1,190 1,182 1,144 1,049 1,040 1,003 1,000 901 934 800 685 600 725 748 庁舎改修による歳出増(~2022年) 400 システム最適化計画による歳出増(~2026年) 200 276 任期付審査官(約500名)採用 269 280 320 334 379 358 274 0 年度 H14fy H15fy H16fy H17fy H18fy H19fy H20fy H21fy H22fy H23fy H24fy H25fy H26fy H27fy H28fy H29fy H30fy R1fy R2fy R3fy R4fy 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 歳入 1040 1041 1199 1268 1383 1548 1269 1098 1145 1154 1057 1122 1070 1126 1190 1144 1182 1227 1277 1479 1449 歳出 1003 1040 1306 1046 1044 1074 1095 1094 1093 1060 1049 1076 1168 1282 1353 1375 1454 1569 1493 1438 1426 PB 期末 剰余金 37 1 -108 222 324 431 166 -6 50 94 9 46 -98 -156 -163 -231 -272 -342 -216 40 23 934 935 827 1049 1372 1803 1970 1963 2014 2108 2116 2163 2065 1909 1746 1514 1242 901 685 725 748 ※2022年4月からの料金引き上げの直前に駆け込み納付があったため、2021年度の歳入が増加し、2022年度に反動減が生じたと考えられる。 12

資料6

資料4 産業競争力強化法等の一部を改正する法律案のうちINPIT法関連箇所について 令和6年3月12日 特許庁総務課 新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等 の一部を改正する法律案の概要 (※) ※産業競争力強化法(産競法)、投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)、独立行政法人工業所有権情報・研修館法(INPIT法) 、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法(NEDO法) 法律の概要 1. 戦略的国内投資の拡大に向けて、戦略分野への投資・生産に対する大規模・長期の税制措置及び研究開発拠点としての立地競争力を強化する税制措置を講じる。 2. 国内投資拡大に繋がるイノベーション及び新陳代謝の促進に向けて、我が国経済のけん引役である中堅企業・スタートアップへの集中支援等の措置を講じる。 1.戦略的国内投資の拡大 ① 国際競争に対応して内外の市場を獲得すること等が特に求められる商品を定義し (電気自動車等、グリーンスチール、グリーンケミカル、持続可能な航空燃料(SAF)、 半導体)、これを生産・販売する計画を主務大臣が認定した場合、以下を措置 ➢ 戦略分野国内生産促進税制(物資毎の生産・販売量に応じた税額控除) - EV40万円/台、グリーンスチール2万円/トン等の生産・販売量に応じた税額控除 ➢ 日本政策金融公庫による大規模・長期の金融支援(ツーステップローン) 第2条第14項【定義】、第21条の20第2項第2号【実施指針】、第21条の24第1項第1号【ツーステッ プローン】、第21条の35第2項【課税の特例】 ② 政府が事業活動における知的財産等の活用状況を調査できる規定を新設し、一定の 知的財産を用いていることを確認できた場合には以下を措置 ➢ イノベーション拠点税制(イノベーションボックス税制) - 対象知財:国内で自ら研究開発して生み出した、特許権及びAI関連ソフトウェアの著作権 - 対象所得:対象知財のライセンス所得及び譲渡所得 - 30%の所得控除(法人実効税率ベースでは、29.74%を約20%相当まで引下げ) 第21条の17【調査等】 2.国内投資拡大に繋がるイノベーション及び新陳代謝の促進 (1)中堅企業関連措置 (2)スタートアップ企業関連措置 ③ 常用従業員数2,000人以下の会社等(中小企業者除く)を「中堅企業者」、特に 賃金水準が高く国内投資に積極的な中堅企業者を「特定中堅企業者」と定義。 特定中堅企業者等について、成長を伴う事業再編の計画を主務大臣が認定し、 以下を措置 ➢ 中堅・中小グループ化税制(特定中堅企業者又は中小企業者が、複数回の M&Aを行う場合の税制優遇) - 株式取得価額の最大100%・10年間、損失準備金として積立可能に ➢ 日本政策金融公庫による大規模・長期の金融支援(ツーステップローン) ➢ 知財管理に関するINPITの助成・助言 等 ※別途、特定中堅企業者が地域未来投資促進法の計画承認を受けた場合に、設備 投資減税を拡充(最大6%の税額控除 ※現行は最大5%) ④ 産業革新投資機構(JIC)が有価証券等の処分を行う期限を2050年3月末までに 延長(現在の期限は2034年3月末) 第110条第2項、第3項【有価証券の譲渡その他の処分等】 ⑤ NEDOによるディープテック・スタートアップの事業開発活動への補助業務の追加 NEDO法第15条第3号の2【業務の範囲】 ⑥ LPS(投資事業有限責任組合)の取得可能資産への暗号資産の追加 等 LPS法第2条第1項【定義】、第3条【投資事業有限責任組合契約】 ⑦ スタートアップがストックオプションを柔軟かつ機動的に発行できる仕組み(ストックオプ ション・プール)の整備(株主総会から取締役会に委任できる内容・期間を拡大) 第21条の19【募集新株予約権の機動的な発行】 (3)企業横断的措置 第2条第24項【中堅企業者の定義】、第2条第18項【特別事業再編の定義】 、第22条~第46条の2 【特別事業再編計画に係る実施指針・認定等】、第46条の2【課税の特例】、第35条第1項第2号・第3 号【ツーステップローン】、 第34条の2【特定中堅企業者の定義、INPITによる助成・助言】 ⑧ 企業・大学等の共同研究開発に関する、標準化と知的財産を活用した市場創出の計 画を主務大臣が認定し、INPIT・NEDOが助言 第2条第11項【特定新需要開拓事業活動の定義】、第21条の12~第21条の17【特定新需要開拓 事業活動に係る実施指針・認定等】 ※その他、事業適応計画における成長発展事業適応の廃止や特定新事業開拓投資事業計画の廃止等の措置を講ずる。 ※産競法については、平成25年制定時に規定された同法第23条第5項第4号及び平成30年改正時に改正された同法第107条第1項について、表現の適正化を行う。 1 INPIT法改正の概要 • INPITは、中小企業・スタートアップの知財経営支援の中核機関として、情報提供・研修・相談業 務等を実施してきたが、さらなるワンストップ知財支援の実現に向け、INPIT法を改正し、機能強 化を図る。 • 具体的には、INPITの業務として新たに中小企業等に対する助言・助成業務を追加するほか、 INPITの目的規定にも、こうした助言・助成業務を明記することで、今後のINPITの主要業務と して位置付ける。 ⚫ 特許法上の中小企業者※1 ・試験研究機関等※2に対する助言・助成を 第3条 目的規定においても明確に記載。 (INPITの目的) ⚫ 上記の業務を名実ともに、既に目的規定において記載されている情報提供・ 研修業務に並んで、INPITの主要業務に位置付け。 第11条 (業務の範囲) ⚫ 以下の業務を新設。 ➢ 特許法上の中小企業者・試験研究機関等に対する助言・助成 ➢ 産競法において新設される「特定中堅企業者※3」のうち、事業再編 計画の認定を受けた者に対する助言・助成 ➢ 産競法において新設される「特定新需要開拓事業者※4」への助言 (※1)中小企業者・・・いわゆる中小企業・個人事業主や、事業協同組合・商工組合等 (※2)試験研究機関等・・・大学・大学共同利用機関、公設試験研究機関(地方公共団体の試験研究機関)等 (※3)特定中堅企業者・・・中堅企業者(従業員数2000人以下で中小企業者でない企業)のうち、さらなる成長を見込むものとして経済産業省 令で定める基準に該当するものとして産競法において定義。 (※4)特定新需要開拓事業者・・・事業者と大学等が共同で行う研究開発の成果について、新たな市場を開拓するために標準・知的財産を一体的 に活用するオープン&クローズ戦略を検討・策定し行う事業(特定新需要開拓事業)を実施する者として産競法において定義。 2

資料7

産業構造審議会 第19回 知的財産分科会 コメント 令和6年3月12日 鬼頭 雅弘(名古屋大学) 本日、出席が叶わないため、書面にて意見を申し上げます。 【資料1】「出願・審査の現状」について ●大学知財ガバナンスガイドライン 1等を踏まえ、単独出願や海外出願の重要性が高まって いることを十分に認識し、大学としても費用を確保している。 ●「特許審査のレジリエンス向上による迅速性( STP14 )の堅持」について、STP14 の 目標が達成可能な状況は喜ばしい。審査結果が本当に早く必要なものについては、早期審 査を活用させていただくし、一般的には、FA とか STP が早くなったり遅くなったりする よりは、予見性のあるタイミングで審査結果を出してもらうと有難い。 ●「長期的に安定した審査体制」「必要なリソースの整備」については、昨年のこの分科会 での議論を踏まえて進めていただき感謝。大学でも、優秀な理系人材を確保することが難 しくなっているが、通常の審査官や任期付審査官についても優秀な人材を確保してもらい たい。大学等で研究開発する人材も大事だが、イノベーションを推進する人材も重要。 【資料2】「イノベーション創出のための知財エコシステムの構築に向けて」について ●モデル契約書がカバーしている、知財を中心とする各種契約(秘密保持契約、技術検証 (PoC)契約、共同研究開発契約、ライセンス契約等)毎から発展し、大学側の施設・機 器利用、利益相反等も含めて、スタートアップと大学とで包括的な基本契約を結ぶこと で、個別契約を締結する煩雑さを低減するような取組を本学で検討し始めている。これに より、早期の社会実装を目指し、スタートアップと大学とで Win-Win の関係を構築できれ ばと考えている。 ●「知財アクセラレーションプログラム(IPAS)」は、本学発のスタートアップに対しても 支援していただいた実績があって、評判もよい。他方で、予算の関係で採択にハードルも あると承知。各経産局でも、スタートアップ支援の施策があるが、経産局とも是非連携し ていただき、IPAS の取組が浸透するようにしていただければ有難い。 1 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/daigaku_gov/pdf/shiryo1.pdf ●「スタートアップに対するプッシュ型支援(PASS)」については、出願人であるスター トアップに対して特許庁側からプッシュ型で、施策を紹介していただいたり、適宜、手続 きの円滑化等に結び付けていただいたりすると大変有難い。 ●地域知財エコシステムのためのプロデューサーは、知財も分かっていて、経営も分かっ ているという方が望ましい。両方兼ね備えている方を採用することはなかなか難しいかも しれないが、是非そういう人材が確保されると良い。INPIT における「知財の課題発掘か ら知財の形成、戦略的活用」支援等についても、同様に、知財も分かっていて、スタート アップ等も分かっている人材を確保していただきたい。 ●特許庁の MVV 策定のプロセスのように、適宜、デザイン経営を活用しながら、組織が 一丸となって動いていくことも重要。特許庁内で適宜フォローアップすることに加え、こ うした取組が特許庁外へも広がりを持つことが望ましい。イノベーションを担う社会全体 にとっても、製品や役務の差別化にデザイン等の果たす役割は大きいので、デザイン経営 が中小、スタートアップ等に広がっていくような取組ができないか。その際、地域にネッ トワークを持つ INPIT を活用する等も一案である。I-OPEN プロジェクトの理念である 「知財を活用しながら、社会課題解決を目指す」という視点の下、こうした取組や、2025 大阪・関西万博の機会も通じて、中長期的に、一人ひとりが創造力を発揮したくなる社会 が実現されていくことを期待。 ●海外での権利化支援(補助金)事業については、大学としては、公募の期間が増えたこ とは前向きに捉えているし、一般論としても、より柔軟な手続になると有難い。中長期的 には、受付期間がシームレスになり(年間通して受付を可能となり)、受付期間から交付決 定までの期間が短縮化されたり、補助の割合の拡充等が実現されると有難い。 ●「特許出願非公開制度」については、実施状況に鑑み、適宜、フォローアップを行って いただき、必要に応じて、QA の充実等を図っていただきたい。 (了)

資料8

産業構造審議会 知的財産分科会 会長 益 一哉 殿 ワシントン大学ロースクール 竹中俊子 第 19 回知的財産分科会開催の 3 月 11 日はフランス出張中で、日本時間の 14 時は、現地時間 の 6 時となりますので、参加できない可能性が高いので、事前説明に基づき、コメントを提出 します。 1. 出願・審査の現状 a. 実用新案 報告に実用新案の統計は含まれていないが、ドイツと比べ出願数は半分。オープンイ ノベーションにおける中小企業や個人発明家の役割増大や早期権利化により使い勝手 の良い制度への改善が必要ではないでしょうか?(例えば保護対象の拡大や分岐制度 の導入など) b. 意匠 法改正を行ったのに、出願件数がまったく増加していないのが気になります。 2. イノベーション創出のための知財エコシステム a. GXTI GXTI は日本企業のサステナビリティへの取り組みを海外機関投資家にアピールするう えで有効な取組だと思います。是非、世界レベルでの取り組みに拡張し、日本企業の ESG 情報開示に有効に利用できるようにして頂くことを希望します。 b. 多様性 日本企業における人材の多様性は、海外機関投資家による投資先選定の重要なファクタ ーとなるだけでなく、私が委員会の委員長を務めた調査研究の結果によると、イノベー ションニーズ発見・課題解決アプローチの選択、知財保護の各仮定でポジティブな影響 を与えることが確認されました。今年度の調査研究はジェンダーに焦点を当てました が、今後、障害の有無、年齢や国籍等に調査研究を拡大していき、より多様性の高い人 材による知財エコシステムを構築し、優秀な人材を海外から呼び寄せる取組が必要だと 思います。 c. AI 技術の進展をふまえた発明の在り方 2024 年 2 月 23 日にアメリカ特許商標庁が具体例を示した AI を利用した発明の発明者 認定ガイダンスを公表したが、日本特許庁もなるべく早く同様の審査基準と例を公表す る必要があると思います。アメリカではクレームの構成要素のいずれかに直接または間 接的に重要な貢献があれば発明者と認定され、重要かどうかについても、①クレームに 記載された発明の着想又は実施化への何らかの重要な態様(in some significant manner) での貢献であって、②その貢献が発明全体と比較して質的に重要でないとされる貢献で はなく、③真の発明者に対する現在の技術水準や周知概念の単なる説明ではないという 極めて低いハードルで判断されます。日本の知財高裁判例に基づく発明者認定基準はよ り厳格で、発明特有の課題解決手段を基礎づける部分である発明の特徴的部分の完成に 創作的に寄与することを必要とされます。USPTO ガイドラインで重要な貢献と認めら れる、AI への指示や AI 出力への加工だけでは特徴的部分への寄与と考えられない場合 も多いのではないでしょうか。内閣府知的財産戦略本部の AI 時代の知的財産権検討会 において、AI 利用発明の発明者認定が、現行法の基準で対応可能か検討していますが、 特許庁は、学習用データの選択や学習済みモデルへの指示等で自然人が発明の技術的特 徴部分の具体化に創作に関与し発明者として認定可能とするという見解を示していま す。(令和 5 年 12 月 11 日 第 4 回検討会 資料4の 43 頁)このような見解が知財高 裁に支持されれば、日米に大きな違いは無いと考えることができますが、AI 利用発明以 外の共同発明者認定基準からは乖離しているようにも思われます。日本では裁判例も少 ないことを鑑みると、出願人や審査官の混乱を最小限とするためにも、特許庁がリーダ ーシップをとり、AI の利活用の現状に沿った具体例をなるべく多く含めた審査基準を公 表すべきだと思います。 以上

資料9

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