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スタートアップ政策推進分科会 第1回

2026-02-04一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

議事録

第1回スタートアップ政策推進分科会議事要旨 (開催要領) 1.開催日時:令和8年2月4日(水)17:30~18:31 2.場 所:中央合同庁舎第4号館4階共用第4特別会議室 3.出 席 者:城内 河西 実 スタートアップ担当大臣 康之 内閣官房スタートアップ創出総括官 内閣官房日本成長戦略本部事務局長代行 小林 浩史 内閣官房日本成長戦略本部事務局次長 福山 光博 内閣官房日本成長戦略本部事務局参事官 井上 諭一 内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官 内閣官房グローバル・スタートアップ・キャンパス構想推進室次長 阿久澤 孝 内閣府規改革推進室長 井上 俊剛 金融庁企画市場局長 蓮井 智哉 デジタル庁統括官(戦略・組織グループ担当) 布施田 英生 総務省国際戦略局長 西條 正明 文部科学省科学技術・学術政策局長 辺見 聡 厚生労働省政策統括官(総合政策担当) 堺田 輝也 農林水産省大臣官房技術総括審議官 菊川 人吾 経済産業省イノベーション・環境局長 鶴田 浩久 国土交通省総合政策局長 飯田 博文 環境省大臣官房政策立案総括審議官 小杉 裕一 防衛装備庁装備政策部長 芦澤 美智子 慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授 井上 智子 Red Capital株式会社代表取締役マネージングパートナー 岡田 光信 株式会社アストロスケールホールディングス創業者兼CEO 小川 尚子 日本経済団体連合会産業技術本部長 小澤 隆生 Boost Capital株式会社代表取締役 郷治 友孝 株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)代表取締役CEO 日本ベンチャーキャピタル協会会長 田中 邦裕 さくらインターネット株式会社代表取締役社長 藤野 英人 レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役社長 室伏 謙一 室伏政策研究室代表政策コンサルタント 米良 はるか READYFOR株式会社代表取締役CEO (議事次第) 1.開 会 1 2.議 事 (1)スタートアップ政策推進分科会の開催について (2)スタートアップのスケールアップを加速するエコシステム 3.閉 会 (資料) 資料1-1 スタートアップ政策推進分科会の開催について 資料1-2 スタートアップ政策推進分科会の取扱いについて 資料2 事務局説明資料 資料3 経済産業省提出資料 資料4 金融庁提出資料 資料5 芦澤委員提出資料 資料6 井上委員提出資料 資料7 岡田委員提出資料 資料8 郷治委員提出資料 資料9 藤野委員提出資料 資料10 室伏委員提出資料 ○河西スタートアップ創出総括官 日本成長戦略会議の「スタートアップ政策推進分科会」第1回を開催する。 本分科会の出席者の御紹介は資料1-1をもって代えさせていただく。 この会議の取扱は、資料1-2のとおりとさせていただく。 また、本日の議題は資料のとおりである。 まず、分科会長の城内スタートアップ担当大臣から御発言をいただく。 その前にプレスが入室する。 (報道関係者入室) ○河西スタートアップ創出総括官 それでは、城内大臣、よろしくお願いする。 ○城内分科会長 本日は、大変御多忙の中、本日のスタートアップ政策推進分科会に委員の皆様、関係者 の皆様、御出席いただき感謝申し上げる。 スタートアップは、新しい技術やアイデアによって社会課題を解決し、日本の経済成長 を牽引する重要な存在である。「日本列島を、強く豊かに。」これを目指している高市内 閣において、私がこの夏に取りまとめる日本成長戦略では、スタートアップを8つの分野 2 横断的課題の一つに掲げた。これは成長戦略の肝である危機管理投資・成長投資の担い手 としてもスタートアップが大きく期待されていくことを示している。 そのため、昨年11月に取りまとめた総合経済対策において、スタートアップ政策につい ては、国内外からの投資促進、大学発・高専発スタートアップや起業家人材の育成による 地域のイノベーション創出といった諸政策を盛り込んだ。 さらに、成長戦略においては、世界に伍するスタートアップエコシステムの形成に向け て、施策を大きく強化したいと考えている。このため、今般、スタートアップの世界の第 一線で御活躍されている皆様に本日お集まりいただき、本分科会を新たに立ち上げた。 なお、本分科会においては、スタートアップのスケールアップが一つ、もう一つはディ ープテック・スタートアップの支援、3つ目は地域の経済社会を担うスタートアップの創 出・育成、こういった3つの柱に焦点を当て、今後のスタートアップ政策の戦略を5月ま でにまとめていきたいと考えている。 初回となる本会合では、スケールアップを加速するエコシステムをテーマとして、成長 資金の供給拡大、出口の多様化、グローバルネットワークの強化などについて、有識者で ある委員の皆様方から忌憚のない御意見をいただきたい。 我が国発のスタートアップが主要なプレーヤーの一つとして活躍する強い経済の実現に 向け、どうかよろしくお願い申し上げる。 (報道関係者退室) ○河西スタートアップ創出総括官 初めに資料2に沿って、本分科会での検討の方向性、今後の予定等について、事務局か ら御説明する。 ○福山日本成長戦略本部事務局参事官 世界的に資金調達環境が厳しくなる中でも、この数年、官民を挙げた取組によってスタ ートアップの数は2万5,000社へと増えているが、大きく成長するスタートアップが不足 していることが課題であると受け止めている。 そうした中で、本分科会においては3つの柱に焦点を当てて、施策の在り方について検 討を進めたい。 柱1がスタートアップのスケールアップ、柱2がディープテック・スタートアップの支 援、柱3が地域の経済社会を担うスタートアップの創出・育成である。 3ページ目は、ただいま申し上げた3つの柱に沿って、本年の主要な取組を御紹介した ものであるが、本日はこの後、経済産業省と金融庁からそれぞれ(1)のスケールアップ についての説明がある。 本日は第1回目の分科会となるが、今後、3月頃に開催する2回目の分科会ではディー プテックと地域の課題を御討議いただければと思っている。その上で、4月から5月上旬 頃に第3回目の分科会を開催し、議論を取りまとめていければと考えている。 3 ○河西スタートアップ創出総括官 続いて、資料3について、経済産業省からスタートアップのスケールアップに係る政策 について御説明をお願いする。 ○菊川イノベーション・環境局長 今日のテーマは、柱が3つあるうちの1つ目のスタートアップのスケールアップが論点 であるので、それに関する課題感を整理している。 課題は3つある。 1つ目は、アメリカ等に比べて非常に資金供給が小規模になっていること、ファンド規 模が小さいため、なかなかミドル・レイターのところへの資金供給力が低いというところ が課題である。オーバーバリュエーションのような課題もあるとは聞いているが、ここの 論点をどうするかということもある。 2つ目が、IPO中心のEXITになっているということなので、M&A、またセカンダリー取引 のところをどうするかというところが課題である。 3つ目が、海外プレーヤーとのネットワーク形成、ここについての課題をどうするか。 なかなか国内のプラクティスなんかもグローバルスタンダードとの関係で課題になってい ないかというところがある。 これまで主要な施策として諸々やってきた。税制で申し上げると、海外からの資金を入 れるのに対して、JVCAのお力も非常に借りて、PE課税特例は相当グローバルなスタンダー ドに近づいた。 ②出口の多様化ということで、オープンイノベーション促進税制、これはM&Aの税制を促 進するための税制であり、ここも去年の年末、拡充強化をすることができた。 ③グローバルネットワークとの関係でいうと、「Global Startup EXPO」、去年の万博の 際に海外からプレーヤーをたくさん呼び、相当の商談とかも成立した。これも引き続き今 年やっていく予定にしているが、こういったネットワークをどう強化していくかというこ とをやってきた。 ただ、まだまだ足りないというところで、対応の方向性についての課題感、そして解決 方法について御議論いただきたい。 ○河西スタートアップ創出総括官 続いて、資料4について、金融庁からスタートアップのスケールアップに係る政策につ いて御説明をお願いする。 ○井上企画市場局長 スタートアップへの成長資金の供給促進に向けた金融庁の取組について御説明する。 スタートアップエコシステムの活性化に当たっては、スタートアップへの資金供給をよ り一層強化し、スタートアップの成長を後押しすることはもとより、それを通じて関係す る各主体にも裨益するような好循環を生み出していくことが重要。 金融庁では、ベンチャーキャピタルや投資信託といった投資の運用の専門家を通じた投 資と、投資家による直接投資の両面でスタートアップに対する資金供給量の増加や供給手 4 法の多様化に向けた環境整備を進めている。 セカンダリー市場の整備も重要だと考えている。 このため、金融庁では、2024年に金商法を改正して、非上場株式の仲介を行う事業者の 登録要件を緩和するなど、流通プラットフォーム創出のための規制緩和も実施してきた。 今後の取組ということで、日本証券業協会との共催で開催した「スタートアップ企業等 への成長資金供給等に関する懇談会」のポイントについて。昨年9月に公表した報告書の 中で、一般投資家向けの施策として、特定投資家への移行要件は満たすものの、移行手続 を行っていない者を対象とする勧誘取引制度に係る新たなルール整備の検討について提言 があった。 今後、金融庁で法整備を予定している項目について2点御紹介する。 まず、金融審議会において、成長資金の供給促進のための開示制度の見直しに関する検 討を行ってきた。有価証券届出書の提出免除基準の見直しについてである。 現行、1億円となっている届出書の提出免除基準について、投資家保護にも留意しつつ、 5億円に引き上げる方向で見直すことを検討している。 次に、プロ向けの資金調達方法である特定投資家私募制度の見直しについて。先ほどの 懇談会の報告書でも御紹介した特定投資家要件を満たして高い判断能力あるいはリスク許 容度を有する、しかし特定投資家への移行手続を行っていない者を特定投資家私募の勧誘 の相手方に追加する方向で検討していく。 このほか、特定投資家の移行要件の見直しについても検討していく。 金融庁としては、このような政策を通じて、日本のスタートアップエコシステムのさら なる発展に貢献したいと考えている。 ○河西スタートアップ創出総括官 続いて、構成員である有識者の皆様から順番に御発言をいただく。 ○芦澤委員 スタートアップのスケールアップということで、資料を出している。資料5である。か なり長く全般にわたっているが、全体的なこととして申し上げる。 スタートアップのスケールアップをめぐっては、長年、鶏と卵の議論が続いてきた。ス タートアップがスケールしないのは、十分な資金がないからなのかという資金面、もしく は、それとも資金を投入するほどのスタートアップがないからなのか、つまり事業面、こ ちらの双方がお互いのせいだというような議論が大分長いこと続いてきている。これをど う解決すればいいのか。 資金面については、基本的な考え方としては、日本のスタートアップの年間投資が少な くて、これを大型化しなければいけないということである。 それから、一方の事業面は、資金を増やしても、スケール可能な企業が継続的に生まれ なければ資金が循環しないということになる。 この鶏と卵の問題、様々あるが、今、政府が取るべき勝ち筋政策は何かと問われたら、 大企業と政府調達を戦略的に活用することだと考えている。特に防衛・防災分野は政府が 5 顧客となる。技術需要が明確で、初期市場を形成しやすい領域、ここでは例えばアメリカ ではスペースXやモデルナの成功例が知られるように、ブレンデッド・ファイナンスとい う設計が必要になってくる。つまり、民間資金と政府の資金との組合せ、それから、政府 のほうで一体的に長い時間をかけて育てていくという観点の制度設計である。 私が申し上げたいことは、資金だけではスケールが起きないということである。少なく とも4つはそろえないといけない。1つ目が強いシーズ、2つ目が強い人材、3つ目が勝 てる資金、それから4つ目が勝てるビジネスモデル、これら一体の設計を特にまずは防衛・ 防災分野から着手し、鶏と卵問題を突破、そして5月にこの道筋を成長戦略会議で描いて いただきたい。 ○井上委員 まず、内外からの新成長資金の供給拡大については、スタートアップのスケールアップ には海外からの成長資金の呼び込みも非常に重要。先ほどの経済産業省からの御説明でも あったとおり、経済産業省及び金融庁の皆様がPE特例などの制度改正を進めてこられたこ とで、投資環境の改善は一定の成果が見られると認識している。 一方で、競争も激しく、各国で魅力的な誘致策が強化される中、より分かりやすいイン センティブを設計していくことが求められている。 また、国内資金についても、グローバルに比較すると、オルタナティブ資産に世界の機 関投資家は10%~20%前後を配分しているのに対し、国内機関投資家は目標値に達してお らず、量と配分の双方で引き続き改善の余地がある。 また、出口の多様化についても、M&Aの支援であったり、様々な施策が取られていること によって改善は見られてきているが、米国やイスラエルなどでもセカンダリー取引が一つ の出口として定着しており、適切なリスク配分という点でも機能している。この点につい ても整備が優先的に必要だと考えている。 そして3番のグローバルネットワークの強化も、さらなる支援をぜひ検討いただきたい。 資料ではイスラエルのYozma Programについて触れているが、ある程度ローカルのVCエコ システム、スタートアップエコシステムが出来上がってきたところで、さらに大きく成長 するために資する施策だったと現場でも聞いている。こういったこともぜひ検討いただき たい。 ○岡田委員 今日はスケールアップということで、誰に何をするのかということに絞って持ってきた。 まず誰にだが、これまでのスタートアップ施策は、不特定多数のスタートアップを生む にはとても効果的なものであった。しかし、スケールアップをするには、恐らく特定少数 のものに集中して施策を取ることがよかろうと、それがインパクトであろうと考えている。 ここでは30社~50社程度、例えば17分野で割るのであれば、1分野当たり2~3社という ことである。これらが時価総額が100億円のものが1,000億円に、あるいは1,000億円のもの が1兆円になっていくと、恐らく5年後にはまた次のステップの施策が打てるのではない か。 6 この選択と集中は、実は政府にとってはリスクが少なくて、こういった会社は既にサー ビスや製品のPoCは終わっていて、多くの代表顧客を持っていて、ガバナンスもしっかりし ていて、あるいは政府の施策にも一部合致しているような企業であり、リスクは少ないの ではないか。 では、こういった会社に何をするのかだが、大きくこういった会社のスケールの課題は 2つある。1つのパターンは、全く新しい市場に入っていって、需要と供給を両方、ブレ ーキとアクセルを踏みながら育てなければならない。ここは黒字化にすごく時間がかかる ところがある。 もう一つのパターンが、もう既存の市場があるのだが、日本ではやっているのだが、海 外に出られないと。そのため、成長が停滞してしまっているというところの、2つある。 施策は異なる。まず、最初のパターンのところには辛抱強いキャピタルが必要。よく直 接金融から間接金融へ転換してスケールアップせよと言うが、そこにはグラデーションが あり、その段階に達したスタートアップの直接金融は大きなお金が必要になってくるし、 間接金融もなかなか銀行がまだ入ってこられない。そのため、そこに対しては、スケール アップファンドの創設による30社、50社に対する直接金融、そして政府保証による間接金 融、ここはリスクは少ないと思っているので、やってもいいのではないか。 加えて、政府による太くて長い政府調達というのが、このときのリスクを政府が負って、 技術が進展し、だんだんコマーシャライズしていくというプロセスを生むので、太くて長 い政府調達を期待している。 海外展開については、多種多様であるので、これからの時代においては、政府の役割は 環境整備のほうに特化したほうが、むしろ個別の課題を企業が解いていくという形になる のではないか。 ○小川委員 3点申し上げる。 まず、スケールアップに向けては、大型の資金供給の機会の提供拡大、そしてグローバ ル市場への展開が不可欠。そのために、海外投資家、特にTier1の海外VCを重点的に呼び込 んで、日本のスタートアップのより早いステージから参画させ、グローバルに戦えるスタ ートアップを数多く生み出す環境を構築すべき。 シンガポールの例なども参考に、政府もマッチング拠出をすることによって、大型の海 外のVCを誘致するという政策を、思い切って、諸外国並みではもはや追いつけないと思う ので、諸外国に伍するあるいはそれを上回る誘致策を取り組んでいただきたい。 また、海外投資家の誘致については、セカンダリーマーケットの整備も必要。 2つ目が野心、グローバル意識の向上である。私は宇宙の担当もしており、宇宙のスタ ートアップの方々は、衛星を打ち上げれば全て、全世界をカバーするので、初めからグロ ーバルに考えているとおっしゃっているが、むしろそういったスタートアップは例外的。 生まれたときからグローバル市場を目指すという野心の大きいスタートアップを目指すべ く、今取り組んでいらっしゃるJ-StarXなどの取組を一層拡大していただいて、海外の投資 7 家、企業とのネットワーク形成も支援いただきたい。 また、ベンチャーキャピタリストのほうも、グローバル仕様のキャピタリストになって いただくべく、大量にシリコンバレーに送り込んで修行してきていただくということも進 めていただきたい。 最後、出口のところに関して、大企業によるM&Aを、毎回もっと増やせと求められている。 経団連では、大企業に意識改革、行動変容を促すべく、2022年からスタートアップフレン ドリースコアリングというものを実施している。大企業の様々なスタートアップ関連の取 組をアンケート調査して、それに採点をしてランキングをつけるという、なかなかこれも 野心的だと思っているが、この中でM&Aをすると非常に配点割合が高くて、一件でもM&Aを するとぐぐっとランキングが上がるという形になっている。こうしたことも刺激になって か、最近少しずつ大企業のM&Aも増えてきている。 他方で、これも名立たる大企業のトップの方の言葉だが、「スタートアップ連携を考え たいのだけれども、どうも小粒なのが多いよね」と。この小粒というのは、やはり野心の 大きさではないかと思っており、グローバルに展開する大企業が組むのは、やはりグロー バルなレベルの野心を持てるスタートアップなのだろうと思う。そのため、鶏と卵だが、 野心の大きなスタートアップが出てくればまた大企業も連携の意識も高まってくる。私た ちは私たちで大企業の行動変容に引き続き取り組んでまいりたい。 ○小澤委員 私自身が1997年からeコマースの起業をしたときから、見違えるようにスタートアップ 業界にお金が入ってきた。私の会社は、1社目は楽天、2社目はヤフーに買収され、その 後、大企業の中で最終的に私はPayPayという事業を立ち上げることになり、恐らく今年数 兆円と。これもある意味、大企業出身のスタートアップと言えるかもしれない。 私自身がものすごく皆様のおかげでお金を出していただき、感謝申し上げたいと同時に、 反省しなければいけないのは経営者サイドの質の低さである。我々が受け皿として残念な がら機能できていないというのは事実だし、小粒上場で満足してしまっているというとこ ろもある。 そのため、この経営者の質をどう上げていくかというのは、民間のみならず、制度とし て今回、100億円の上場維持基準というのはすばらしいと思う。退場しなさいということで あるから、それ以上目線を上げるというのはすばらしいことなので、これをより厳しくす るかどうかは別として、こういった制度はスタートアップを成長させる際の経営者の目線 を上げる、経営者の質を上げるためには必ず今後も必要だろう。 また、買収というのも本当に経営者を育てる。私のような中途半端な会社を経営してい る者が、大企業に買収されることによって一からスクラッチで、もう一回市場に出てくる と。今何が起きているかというと、本当に優秀なのにたまたま間違えて市場を選んでしま い、たまたま間違えたビジネスモデルをやっているけれども、上場してしまっているから やめられないというもったいない人がいっぱいいる。そういう人はどんどん買収しなけれ ばならない。買収されて、もう一回スタート。この日本におけるシリアルアントレプレナ 8 ーの小ささ、ユニコーンというのは1,000人なれるものではない。50人、100人というもの をどう見つけるか。田中委員とか岡田委員みたいな人にお金をつけるのはよい。ただ、訳 の分からない人に皆さんのお金を出してはいけない。そういう人間をちゃんと見定めてや るためには、買収。 そのためにPEもこれからもっと大きくならなければいけない。日本のPEが少な過ぎると、 アメリカにやられている場合ではないと、思うので、買収と経営者を育てる、この2点を ぜひ盛り込んでいただきたい。 ○郷治委員 世界トップ企業の時価総額、米中日のGDPを並べているが、NVIDIAの時価総額が日本の GDPを超えている。また、トップ5企業の時価総額を合わせると中国のGDPに匹敵する。こ ういった会社をつくっていかなければいけない。そのために目線を相当上げないといけな いのではないか。 今回の御提言を、ほかの国が行っている政策と比較した表を示している。政府による需 要創出で言えば、やはり中国はすごい。新質生産力という全く新しいクオリティーの生産 力のある分野を指定して、その言葉をいろいろな政策に使っている。 政府系の投資ファンド、去年12月にできた国家創業投資引導基金は22兆円。ファンド・ オブ・ファンズで新質生産力のスタートアップにシード・アーリーで入れるファンドに7 割以上投資するということをやったり、機関投資家のお金もオルタナティブ投資に入れて いる。さらには株式市場の新興市場においても、新質生産力のスタートアップに投資をす るお金を年金基金の運用としてマンデート付与し、投資しなさいということをやっている。 中国は個人のエンジェルであるとか起業家にも非常に優しい税制をつくっている。大衆 創業・万衆創新政策というものがあるが、これはいわゆるエンジェル税制で、新質生産力 のスタートアップに投資すると7割を課税所得から引けるといった政策があったり、日本 より税率は低い。こういったことをがんがんやっている。 我が国のすばらしい技術は東京だけではなくて全国にある。今、5,000社、大学発ベンチ ャーがあると言われているが、その6割ぐらいは地方、すなわち東京以外にあるが、そこ には日本のVCのお金も必要だが、海外市場に出ていくサポーターになる海外のお金を引っ 張ってくるというのも非常に大事。地方の大学は技術があってもなかなかお金が集まらな いことが多いので、そうした地方の大学発のスタートアップへの国内のVCと海外のVCの共 同投資を促進するために、国内の主要VCや海外のVCとの接続をすることが重要。以上のよ うに、ほかの国も見ながら政策を考えていかなければいけないということを申し上げたい。 ○田中委員 日本には投資したいスタートアップがそれほどないということに尽きる。上場しても数 十億円、1,000億円、1兆円に行くという志がほとんど見えない中で、先日アメリカに行っ たときに、日本の投資家にかなりお会いした。ただ、彼らは何とあろうことか、アメリカ のVCに500億円、1,000億円投資しているのに、そのVCは日本には投資をしないし、その投 資家自身は日本のVCにも投資をしていないということを見ていると、日本にはお金はある 9 が、日本に投資をするに値するスタートアップがないということを感じる。 ただ、その糸口として幾つかあって、まずは政府調達というのは非常に大きい。シリコ ンバレーだと最初にフェアチャイルド社がアポロ計画で大量のお金を調達して、実際そこ からインテルができ、テキサス・インスツルメンツができということで、それがシリコン バレーになり、そのお金が2回転、3回転してウェブに投資されて、今のマフィアがつく られている。 そのため、スタートはやはり政府の大きな調達、タイミングを合わせて防衛予算が非常 に大きくなるということで、単にそれを浪費するのではなくて、それがスタートアップに 適正に投資がなされ、その人たちが新しい研究開発を行い、結果として実際にそれで技術 が出てくる。その会社が1,000億円、1兆円となっていくという、ちょうどいいタイミング なのではないか。 ただ、何千億円、何兆円をつぎ込むに値するスタートアップが日本にはほとんどない。 資金を受け入れるに値する質をいかにつくっていくか。要は政府が何百億円、何千億円供 給して伸びるような会社をいかにつくるか。 最後に申し上げたいのは、我々は30年目の会社だが、さくらインターネットがもし創業 5年目だったらすごく理想的だが、30年もかかっている。本当は我々ぐらいの会社が5年 でつくられるように、先行者の人たちをいかに研究するかということも重要。とにかくス ケールをいかに増すかということかと思う。 ○藤野委員 我が国のスタートアップ政策を次の段階に進めるために重要となる資金循環と市場の在 り方、それを支える制度設計について報告したい。 日本で起業促進、アーリーステージ支援が進展していて、創業の裾野は拡大してきたが、 レイターステージから上場前後にかけての資金供給が足りない。特に50億円以上の規模の 未上場資金調達は年間約2,000億円にとどまり、日本全体の成長力を制約する構造的課題 になっている。 また、市場面では、TOPIXやスタンダード市場が相対的に底堅い一方、グロース市場は低 迷が続き、IPOの件数の減少と上場廃止の増加が目立つ。これは、上場が成長の通過点では なく、到達点として機能しているということを示している。 この背景には、未上場市場と上場市場が制度面・資金面で分断されていて、成長ストー リーがIPOというところで断ち切られやすい日本固有の構造がある。 この分断を乗り越える中核的手段が、一つはクロスオーバー投資やベンチャー上場投資 法人を通じたレイターステージ投資の充実である。未上場から上場後までを一体として支 えることで、成長を途切れさせない市場インフラを構築するということ。 公募投信等における未上場の投資比率は現行で15%だが、これを20%程度まで引き上げ るだけでも、さらに投資比率が上がるということになる。 また、市場制度面では、グロース市場とTOKYO PRO Marketを一体的に捉えた設計が不可 欠である。TOKYO PRO Marketをグロース市場への通過点として位置づけ、流動性向上に向 10 けた制度改革を進めるということが重要。 上場前の事業売却とか株式売却の環境整備をすることが重要で、起業家や投資家が次の 挑戦に移行しやすくなることが重要。というのは、一度起業して成功した人たちのプール があるので、アントレプレナーをつくるというのも重要だが、シリアルアントレプレナー をどんどんつくっていくということのほうが、非常にレバレッジがかかることではないか。 そのために政府の役割は自らがリスクを負うことではなくて、民間のリスクマネーを成 長段階に応じて円滑に循環する制度環境を整えること。今、2,000兆円ある家計金融資産を 成長機会、NISAの外枠に日本未来投資枠というものを創設して、例えば年間120万円の非課 税枠で、日本国債であったり、日本企業の国内株式、あと未上場企業や上場企業を一体と して支えるクロスオーバー投資、ベンチャー上場投資法人などの投資をできるような、国 内に投資することで資金循環をつくるということも重要。 ○室伏委員 今回、スタートアップの数を増やしましょう、そしてスケールアップをしましょうとい う話であるが、やみくもにスタートアップの数を増やせばいいのか、やみくもにスケール アップをすればいいのかというところからもう一回ちゃんと考え直すというよりも、しっ かりその辺を固めた上でやっていかなければいけないだろう。 なぜスタートアップをつくるのか。結局スタートアップというものをつくるというか、 スタートアップというもの自体が、政府による大規模・長期・計画的な投資の結果として 大学等で生まれた技術を実用化して、商用化をする段階で、別な言い方をすれば大学から スピンアウトということになるが、そこで生まれるものがスタートアップ。それを育てて いく、そこの技術というものをしっかりとさらに発展させていく。そのための施策でなけ れば、国として推進する意味がどこまであるのだろうかと考えている。 もちろんVCの役割はVCの役割としてあるが、イノベーションを起こす、イノベーション というのは2~3年で起こる話ではなくて、大規模・長期・計画的な投資の結果、10年、 20年、そういった投資を経てできるものであり、それをしっかりと政府が支援をして、生 まれるからこそ、そこから先に今度はVCのビジネスチャンスが出てくるという話だと思う。 政府の役割というところと、イノベーションを起こすためのスタートアップの育成。そ の意味で言うと、政府の調達、しかもこれは単年度ではなくて長期的に行うということ、 今、我々が使っている、恩恵を受けている、皆さんスマホをお持ちだと思うが、この中に 使われている技術というものは、全てアメリカ軍、アメリカ政府が大規模・長期・計画的 な技術開発の結果、生まれたものを、商用として転用して使っているものであるから、こ れは別にガレージから生まれたものでも何でもない。 そういう観点からすると、イノベーションを起こす、それを商用化・実用化をし、それ をさらに引き伸ばしていく。その結果として、我が国の成長、強い経済の実現、そして「日 本列島を、強く豊かにする。」そこにつなげるような形でやらなければ、端的に申し上げ て意味がないと思うので、そのような観点から、金融政策にしても様々な制度というもの を整備していただくことが必要。 11 ○米良委員 インパクトスタートアップの価値というのは、時価総額とか事業規模だけでは測れない と考えており、複雑化する社会課題を民間の創意工夫で解決手法をつくり、社会実装して いくということ自体は非常に重要であるが、この課題は第2回目のテーマであるので、ま た2回目にお話しさせていただいて、今日はスケールアップというところについてお話し させていただく。 スケールアップを実現するという意味では、市場規模という観点がやはり大事かなと思 っており、市場規模の議論なしに、スタートアップだからといって政府主導の成長戦略を 立ててしまうと、結局スタートアップ側の強度であったりとか自律性を落としかねない可 能性もあるのではないかと思う。 経済産業省の資料に書かれていたミドル・レイター期の成長資金が薄いこと、EXITがIPO 偏重になっていることなど、この辺りの課題感は私も非常に共感するが、こうした中で、 政府が直接投資を増やすということもよいが、それ以上に、民間資金をより流れやすくす る仕組みの設計、あるいは規制緩和というところに政府は注力いただきたい。 20年前には約1,400兆円だった個人金融資産が足元では2,100兆円ということで、民間で も出資をできるような金額は十分あるかなと思っているので、こういった民間の投資した くなるような環境を整えるということが重要。 そのためには、VCを通じた資金供給であったりとか、あるいは投資家の直接投資の促進、 そういったところを手厚く今後もやっていただいて、民間資金を呼び込む市場形成を後押 しいただきたい。 READYFORで富裕層の寄附のアドバイザリー業務をやっているが、やはり社会課題を解決 するようなスタートアップに出資していきたいという個人はどんどん増えていると思って いるので、こういった資金が入ってくる土壌を整えていただきたい。 また、大企業とスタートアップの協業、M&AというEXITも本当に大事。オープンイノベー ション税制などもやっていただいているが、これは加速いただきたいし、私の周りでも大 企業と数十億円、数百億円のM&Aの実行が最近起こっているが、やはりまだ契約関係などの ノウハウが十分ではないかなと思っており、こういった事例を大成功に導いていただいて、 日本が持つ大企業の重要な資産を、スタートアップとの協業を通じて相互に最大限に活用 し、大規模なスタートアップの創出につながる環境整備をお願いしたい。 ○河西スタートアップ創出総括官 2巡目の御発言を御希望される方がいらっしゃれば、他の委員の皆様の御発言に触発さ れたこと、あるいはおっしゃりたかったのだけれども足りなかったこと、その他あれば御 発言をお願いしたい。 ○郷治委員 規制改革とか規制緩和に関する議論がなかったので、他国の例も踏まえてお話しできれ ばと思う。特に伸ばすべきスタートアップの領域、しかもかつ規制業種というのはスター トアップが不利なことが多い。どうしても規制業種だと、スタートアップではなかなか基 12 盤がないことが多い。いろいろな領域があるが、AIにせよ、あるいはブロックチェーンの ような領域にせよ、あるいは核融合のような領域もあるが、様々な規制がある。 当然、ブロックチェーンであれば、金融であれば金融庁、核融合であれば原子力規制庁 であったり様々だが、こういった領域の中で特に伸ばすべきスタートアップ、伸びる可能 性があるところについては、早期のライセンスが取得できる環境整備もぜひ検討いただけ るとありがたい。 ○城内分科会長 私、規制改革担当大臣でもあるので、今の郷治委員の御発言、しっかり受け止めた。 ○芦澤委員 規制改革に関して、私、規制改革推進会議の委員をしているが、M&Aの阻害要因になって いるのれんの件が懸案になっているので、引き続き御検討をお願いしたい。 いろいろな委員から防衛の話が出てきているので、防衛装備庁に3点ある。ハードでは なくてソフトが重要になってくるという意味においての重点を今後増やしていく予定があ るかということと、2点目が、デュアルユースの議論を加速する必要があるかということ についての御方針。3つ目が、みずほ銀行の産業調査部のレポート、1年前のものを拝見 したが、防衛省の調達はほとんど大企業になっているという数字が出ており、スタートア ップを増やすのにSBIRをお使いになるのか、その方針というところで、3点、御質問する。 ○小杉装備政策部長 お尋ねの1点目のハードとソフトの関係だが、当然ソフトの面も調達ということは引き 続き考えている。例えば、無人機といった面でも、ハードの面だけではなくソフト面も重 要になってくるので、そこは優秀なスタートアップとかがあれば、そこと契約というよう なことは将来的にも当然ある。 それから、デュアルユースも当然考えていかなければいけないことで、防衛だけではな く民需のほうで使えるというものは、例えば、有事等で急に増産が必要となった際に、民 需で使っていたラインを使えるといった観点もあるので、デュアルユースの規模感を生か すという点も重要だと考えている。 それから、みずほ銀行のレポートだが、大企業への調達が多いというのは、防衛装備品 というのは信頼性がないと困るため、調達の実績のあるところというのは、どうしてもプ ライム企業のものが多くなってきているというのがこれまでの流れではある。 他方で、スタートアップの活用については、例えば無人機とか、AIとか、宇宙とか、こ ういったものに関してスタートアップの持つ先端技術を生かしていくことは重要であり、 今後促進していくことを考えている。 ○芦澤委員 スタートアップの育成に非常に重要であるというところがいろいろな委員から出ている し、米国のスペースX等の動きもある中で、ぜひ引き続きお願いしたい。 ○田中委員 上場と未上場の境目ということが非常に気になっており、情報提供としてお話しさせて 13 いただく。 上場をして小粒になって、そのまま放置されている銘柄が非常に多いというのは非常に もったいないと思うし、VCの償還期限もあり、どうしても早く上場せざるを得なくなって しまっている会社も多い。 加えて、一番根本的な問題として、その当事者の人たちがここに出てくることはほとん どなく、VCや投資家、また政府関係の方と、スタートアップの人が出てくるが、何を隠そ う我々も21年前に上場して、100億円を超えて上場したが、あっという間に10億円ぐらいの 時価総額に落ちてしまった。 ちなみに、東証が出している100億円未満の上場廃止の資料の中に、100億円未満で上場 したけれども、その後、1,000億円を超えている会社というリストがあり、実は当社がリス トアップされているが、ほとんどの会社はユニコーンにすらならないまま消えていくとい う状況がある。そのため、スタートアップでユニコーンがついたとしても、上場して数百 億円、数十億円に落ち込んでいってしまうという会社を無視して議論はできないのではな いか。 私自身、VCからの期待もあって上場せざるを得なかったが、上場してリーマンショック が来て、すぐにもう10億円になってしまって、事業意欲が下がった時期もあったが、ちょ っと頑張ろうかということで頑張って、今は千数百億円で維持している。そういった途上 においてくすぶっている起業家、せっかく上場したのに次の成長に繋げられていない起業 家であるとか、もう少し解像度を上げたほうがいいのではないかなと思っており、ここで 議論されている問題の当事者の人たちを、いかに解像度を上げて、逆説的にその人たちに もう少し奮起させるのか、こういったこともスタートアップの出口として議論し、先人が しっかりやれば後進もしっかりと上場したいとか、EXITしたいということになるのではな いか。 ○井上委員 スタートアップの成長を支えるうえで、働き方に関する制度面も見落とされがちながら 重要な論点である。日本では労働基準法をはじめとした制度がしっかり整備されている一 方、画一的な基準が、スタートアップのようにスピード感をもって事業を進めたい場面で は柔軟性とのバランスが課題となる。創業メンバーを中心に強い意欲をもって取り組む実 態も踏まえ、適切な保護を維持しつつ、多様で柔軟な働き方を可能とする制度・運用の在 り方についても論点に入れていただけると非常によい。 ○室伏委員 結局、防衛需要、それから防衛に対する危機感というものが技術開発を生み、その結果 としてスタートアップが生まれていって、それを政府が株式の保有等で支えているという ところがあって、それがアメリカの実態だが、日本でもそういうことも頭に入れた上でス タートアップ推進政策ということをやる必要があると思うが、それは頭に入れておいてい ただきたいというのが1点。 我が国のイノベーション、経済成長、強い経済の実現につながるような技術開発の現場 14 は、やはり中心は大学だと思うが、現行の特に国立大学法人制度というものがその手かせ、 足かせになっているのではないか。端的に言えば国立大学法人制度の問題だと思うが、こ れについてはスタートアップの推進、スタートアップとかベンチャーというと、もともと 大学発ベンチャーなんていう話があったから、その点についての議論、検討はどうなるの か。この辺についても今後の検討の中で議論をさせていただければ、そして御検討いただ ければと思う。 ○西條科学技術・学術政策局長 大学発ベンチャーの部分について、資金の研究開発に対するバックアップのみならず、 制度的な隘路もあるので、そこについてかなり緩和できるところは緩和してきている。た だ、今後進めていく中でさらに緩和しなければいけないところは、こういった議論の中で 提示いただいたものについて、我々のほうでも前向きには考えていきたい。 ○菊川イノベーション・環境局長 防 衛 調 達 の と こ ろ に つ い て は 、 例 え ば 産 業 技 術 総 合 研 究 所 で や っ て い る よ う な 技 術を 色々防衛装備庁の方にも見ていただいたり、関心を持っていただくような、そういった色々 マッチング的なこともやっているし、あとスタートアップを防衛装備庁と一緒に見ていた だくということの取組をやっている。 In-Q-Telの話でいえば、将来の色々なシグナリング効果で、それとまた調達の話とかが セットになって資金が集まってくるということなので、こういったことについては参考に しながら、また防衛省とも色々とスタートアップ政策という観点で御議論させていただき たいと思っている。色々と御議論はさせていただいているということの御紹介である。 ○小杉装備政策部長 これはアカデミアとの協力という観点ということだと思うが、大学との関係というのは 微妙な関係がこれまでもあり、今はそれなりにいろいろお話ししたり、徐々に協力関係を 深めているところ。引き続き粘り強くアカデミアとの関係を構築していければと考えてい る。 ○郷治委員 大学発ベンチャーにずっと投資しているが、実はかなりオープンになってきていると感 じている。大学の先生や大学の事務局が直接防衛関係のことをやるのは確かに今でも難し いと思うが、私どものようなベンチャーキャピタルが支援して会社化した後はどんどんや っている。実はあまり制約はないと思う。 ○河西スタートアップ創出総括官 最後に、城内大臣から御発言をお願いする。 ○城内分科会長 本日は、スタートアップのスケールアップの問題について、構成員の皆様から、事前に 資料を御用意いただいたり、検討していただいたりして、今日は本当に貴重な御意見をい ただき感謝申し上げる。 次回、第2回の分科会では、ディープテック・スタートアップの支援、そして地域の経 15 済社会を担うスタートアップの創出・育成について、また御議論していただくことになっ ているが、私の印象は、もっと激論が交わされるのかと思ったが、とはいえいろいろな論 点があぶり出されたので、その点については事務方でしっかり論点をテークノートして、 それに対する解というか、回答というか、今後の方針というか、そういうものはすぐ出な いにしてもしっかりフォローアップすることが大事だと思うので、事務方のほうも大変だ が、よろしくお願いする。 また、3月の第2回分科会については、もうちょっと時間があってもいいのではないか。 今日は非常に活発な御議論だったが、せっかくお集まりいただいて、どうしてもお忙しい 人は途中で帰ってもらってもいいと思うが、2時間ぐらいやっても。忌憚のない、ぶつか り合っていいと思う。ただ会議のための会議はやる意味がないので、それぞれの立場から 理論武装していただいて、いろいろどんどん御提示いただいたほうがいいのではないかな と思うので、今日のスケールアップについても、別にこれでおしまいではなくて、第2回 の分科会のテーマはまたあるが、そこら辺もまた再度議論するというような機会もあって もいいのではないか。また形式はこういう形だが、もうちょっと時間を取って、活発に往 復で議論するとか、そういう工夫をしていきたい。 いずれにしても、事務方の皆さんもいろいろ御準備が大変だと思うし、構成員の皆さん も本当に御準備いただいて、大変私も勉強になったので、また今後ともよろしくお願いす る。 ○河西スタートアップ創出総括官 以上をもって本日の会議を終了する。 16

資料1

第1回スタートアップ政策推進分科会 議 事 次 第 令 和 8 年 2 月 4 日 ( 水 ) 17 時 30 分 ~ 18 時 30 分 中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室 1.開 会 2.議 事 (1)スタートアップ政策推進分科会の開催について (2)スタートアップのスケールアップを加速するエコシステム 3.閉 会 資料1-1 資料1-2 資料2 資料3 資料4 資料5 資料6 資料7 資料8 資料9 資料 10 スタートアップ政策推進分科会の開催について スタートアップ政策推進分科会の取扱いについて 事務局説明資料 経済産業省提出資料 金融庁提出資料 芦澤委員提出資料 井上委員提出資料 岡田委員提出資料 郷治委員提出資料 藤野委員提出資料 室伏委員提出資料

資料2

資料1-1 スタートアップ政策推進分科会の開催について 令 和 8 年 1 月 2 0 日 日本成長戦略会議議長決定 1 日本成長戦略会議におけるスタートアップ分野の検討を進めるため、日本成長戦略会議の下 に、スタートアップ政策推進分科会(以下「分科会」という。)を開催する。 2 分科会の構成員は、次のとおりとする。ただし、分科会長は、必要があると認めるときは、関 係者の出席を求めることができるものとする。 分 科 会 長 副分科会長 構 成 スタートアップ担当大臣 スタートアップ政策を担当する内閣府副大臣 金融関係事項を担当する内閣府副大臣 経済産業大臣が指名する経済産業副大臣 スタートアップ政策を担当する内閣府大臣政務官 金融関係事項を担当する内閣府大臣政務官 員 芦澤 美智子 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 准教授 井上 智子 Red Capital 株式会社 代表取締役マネージングパートナー 岡田 光信 株式会社アストロスケールホールディングス 創業者兼 CEO 小川 尚子 日本経済団体連合会 産業技術本部長 小澤 郷治 隆生 友孝 田中 藤野 室伏 米良 邦裕 英人 謙一 はるか Boost Capital 株式会社 代表取締役 株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC) 代表取締役社長 CEO 日本ベンチャーキャピタル協会 会長 さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役社長 室伏政策研究室 代表 政策コンサルタント READYFOR 株式会社 代表取締役 CEO 3 分科会の庶務は、経済産業省その他の関係行政機関の協力を得て、内閣官房日本成長戦略本部 事務局において処理する。 4 前三項に定めるもののほか、分科会の運営に関する事項その他必要な事項は、分科会長が定め る。

資料3

資料1-2 スタートアップ政策推進分科会の取扱いについて 1.分科会は、原則として非公開とする。 2.配布資料は、原則として公開とする。 3.議事要旨は、分科会の終了後、できるだけ速やかに公開する。

資料4

資料 2 事務局説明資料 2026年2月 内閣官房 日本成長戦略本部事務局 スタートアップの現状と課題  世界的に資金調達環境が厳しくなる中にあっても、我が国のスタートアップ数は25,000社へと増加(過去最多)。  その裾野は拡大しつつあるが、エコシステムが国内に小さく閉じ、大きく成長するスタートアップが 不足。 スタートアップ数 国内ユニコーン数 対2021年比で約1.5倍に増加 ユニコーン企業 (社) 全体 30,000 20,000 大学発スタートアップ数 10,000 毎年増加傾向で、 2024年は過去最高の伸び。 0 増加分の約57%は東京都以外で創業 (2021年:3,305社→2024年:5,074社) 25,000 16,100 大学発 3,305 21年 22年 23年 5,074 24年 25年 柱2:ディープテック・スタートアップの支援 ディープテックスタートアップに対する資金供給と ユニコーンに占めるディープテックスタートアップの割合は増加傾向 (%) 400 300 200 100 0 19 30 53 80 94 105 172 219 168 27 297 - 国内ユニコーン企業 上場企業(※2)と合計すると、 1 Preferred Networks 累計ユニコーンは41社。 諸外国のユニコーン企業数 米国:690 英国:55 フランス:28 シンガポール:15 韓国:13 2 スマートニュース 3 Playco 4 SmartHR 5 Spiber 6 Opn 7 GO 8 Sakana AI (出典)ユニコーン数については、CB Insights。PitchBook Data, Inc.のデータを基にPwCコンサルティング作成。いずれも2025年4月現在の数値。 ディープテックスタートアップの存在感 ($B) (2021年:6社→現在:8社) ※1:時価総額10億ドル超の未公開企業 ※2:2013~2024年に上場したスタートアップ企業のうち、 上場後に一度でも時価総額が10億ドル超になった企業 (出所)〇株式会社Uzabase, 「スピーダ スタートアップ情報リサーチ」 〇日経BPコンサルティング「令和6年度技術開発調査等推進事業大学発ベンチャー の実態などに関する調査」 421 数の推移 (※1) (2021年:16,100社→2025年:25,000社) 500 柱1:スタートアップのスケールアップ 地域別の資金調達の割合 柱3:地域の経済社会を担うスタートアップの創出・育成 日本のスタートアップによる資金調達は東京に偏重している (資金調達社数割合 67.6% 資金調達額割合 77.2%) 東京都 30 25 世界のディープテック・ユニコーンの割合 20 2019年:14%→ 2024年:25% 15 (出典)左記:PitchBook Data, Inc.(内閣府「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想関連調査」より) (「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想に関する有識者会議」(第6回)参考資料2より) ※ “ディープテック関連”は、公的レポート等でディープテック領域とされる産業・技術分野(AI、コンピュータ、エネルギー・環境、バイオ・医療ヘルスケア、素材・産業、航空・宇宙、食糧農業)に該当する、 PitchBook上の各インダストリー・カテゴリを選択(同有識者会議資料より)右記:Startup Genome“The Evolution of Tech Unicorns: From Traditional Software to AI and Deep Tech” 神奈川県 京都府 愛知県 大阪府 福岡県 その他 3.7 % 4.4 % 3.3 % 2.8 % 2.5 % 2.2 % 1.8 % 3.1 % 1.4 % 2.6 % 10.1 % 資金調達額割合 17.3 % (出典)”2024 Japan Startup Finance”(スピーダ)を元に作成 77.2 % 67.6 % 資金調達社数割合 1 本分科会での検討に当たっての3つの柱  地方のエコシステムの活性化を含めて、更なる裾野の拡大を進めつつ、スタートアップの創業後の成長力 を高め、スケールアップによる産業インパクトを創出することが求められる。新技術の社会実装主体 としてのスタートアップを大きく成長させるための集中支援が重要ではないか。  本分科会においては、①スタートアップのスケールアップ、②ディープテックの支援、③地域の経済 社会を担うスタートアップの創出・育成の3つの柱に焦点を当て、スタートアップ政策強化のあり方 について検討を進めたい。 柱1 柱2 柱3 スタートアップのスケールアップ ディープテック・ スタートアップの支援 地域の経済社会を担う スタートアップの創出・育成 • 高いイノベーション力を通じて、 リスク対応・社会課題解決を 牽引。 • 17の戦略分野における官民 連携投資の先導的な担い手。 • 地域における成長・イノベー ションの担い手として、持続可 能性の確保に貢献。 • 大きな成長ポテンシャルを通じ て、成長を牽引。 「強い経済」の実現に貢献。 2 2026年の主要な取組(2025年12月24日第2回日本成長戦略会議資料) 主要な取組 2025年のGlobal Startup EXPO の模様 セッションの様子 日本進出の表明 (1)スタートアップのスケールアップ 大きな成長ポテンシャルを通じて、成長を牽引。「強い経済」の実現に貢献。 ① 内外からの成長資金の供給拡大 ・ 政府系金融機関等からの資金供給の強化に向けた検討(~26年夏)。 ・ 中小機構による債務保証制度枠の拡充、上場後のスタートアップへの対象拡大 (26年度~) 。 ・ 資金調達時の有価証券届出書の提出免除基準の引上げ (1億円→5億円) 等 (金融商品取引法改正、次期通常国会への法案提出を目指す) 。 ② 出口の多様化 ・ スタートアップが早い段階からM&Aを視野に入れるよう、「M&Aガイダンス」を策定 (25年度内) 。 ・ プライマリー・セカンダリー取引の活性化に向けた、プロ投資家(特定投資家)等による投資促進のための制度見直しを検討 (~26年夏) ③ グローバルネットワークの強化(グローバル・スタートアップ・エキスポの開催(26年度) 、起業家等の海外派遣を行う「J-StarX」の拡充 (26年度~)) (2)ディープテック・スタートアップの支援 高いイノベーション力を通じて、リスク対応・社会課題解決を牽引。17の戦略分野での官民連携投資の先導的な担い手となる。 ① 経済産業省、NEDO、JETRO等による伴走支援体制を構築(25年度内) ② スタートアップと経営人材とのマッチングを強化(26年度~) ③ 政府・大企業によるイノベーション調達を通じた安定的な需要の確保について、検討を加速(~26年夏) ④ グローバル・スタートアップ・キャンパス構想を推進するため、必要な法制上の措置を具体化(次期通常国会への法案提出を目指す) (3)地域の経済社会を担うスタートアップの創出・育成 地域における成長・イノベーションの担い手として、持続可能性の確保に貢献。 ① スタートアップ・エコシステム拠点都市に対し、官民連携に向けた実践ガイドを活用した事例創出を支援 (26年度~) ② 地方の大学・高専発スタートアップなど担い手の創出 ・ 人材派遣会社と連携した高専発スタートアップ支援を継続。新たに、国立高等専門学校機構における起業支援体制を構築(26年度) ・ NEDOによる地方大学・高専等と連携した人材発掘・起業家育成を強化(26年度~) 3 今後のスケジュール(案) スタートアップ政策推進分科会 2026年2月4日 第1回分科会 ①スタートアップのスケールアップ 日本成長戦略会議 2025年12月24日 第2回 日本成長戦略会議 2026年3月頃 第2回分科会 ②ディープテック・スタートアップの支援 ③地域の経済社会を担うスタートアップの創出・育成 2026年4月~5月上旬頃 第3回分科会 分科会とりまとめ 夏頃 成長戦略 4

資料5

資料 3 第1回スタートアップ政策推進分科会 経済産業省資料 イノベーション・環境局 2026年2月4日 柱1:スタートアップのスケールアップ <意義・狙い> 大きな成長ポテンシャルを通じて成長を牽引。「強い経済」の実現に向けた貢献。 <課題> ① 日本のスタートアップへの資金供給は、米国等に比べて極めて小規模で、国内のVC・CVCによる資金供給に依存。 VCが機関投資家や海外投資家から資金調達できておらず、米国と比較してファンド規模が小さいため、特に成長段階 (ミドル・レイター期)のスタートアップへの資金供給力が低い。国内に閉じた成長戦略とオーバーバリュエーション (先行投資者の過大評価)により後続の海外投資家等の大型資金供給者が参入できないとの指摘も存在。 ② EXITはIPOが中心であり、IPO時の時価総額・資金調達額は欧米と比べて小規模であり、上場後の成長も停滞。大企業 によるM&Aや、セカンダリー取引も欧米と比べて件数・規模ともに低調。 ③ 海外プレイヤーとのネットワーク形成が不十分。プラクティスがグローバルスタンダードになっていないとの指摘もある。 <これまでの主要な施策>※番号は施策の説明スライドに対応 ① 内外からの成長資金の供給拡大 • • • PE課税特例 ①-1 JIC等からの資金供給の強化 ①-2 中小機構による債務保証制度の拡充 ①-3 2 ③ グローバルネットワークの強化 ② 出口の多様化 • • • オープンイノベーション促進税制 M&Aガイダンス ②-2 投資契約ガイドライン ②-3 • IPOとM&Aの両方のエグジット見据え たスタートアップ・VCのエコシステム形 成 ②-1 • • • J-StarX(起業家等の海外派遣) ③-1 LP出資を通じた海外VC誘致・連携 ③-2 ③-3 Global Startup EXPO • 日本のスタートアップのグローバル展開 強化、ボーングローバルの創出 • 海外VC・海外機関投資家とのネットワー ク強化、日本への誘致 • 海外スタートアップの東証上場の推進 <対応の方向性> • 成長段階のスタートアップへの資金供給 の強化 • 機関投資家・海外投資家からVC・スター トアップへの資金供給の拡大 • 個人等多様な主体からの資金供給の拡大 • M&A・セカンダリー取引の活性化 2 ①参考資料(データ類) ②参考資料(施策類) 3 参考(データ類) (参考)我が国のスタートアップへの資金供給環境 • リスクマネー層が薄く資金供給が小規模。海外からの投資が少なく、国内VCも小規模であるため、特にレイター期に必要となる大型資金供給が不足。 • このような環境から後続の大型投資を前提としない資本政策・事業戦略をとっていること、またシナジー目的の投資等によるオーバーバリュエーションが、後 続の大型投資家の参入障壁となっている可能性も指摘される。 国内スタートアップに対する資金供給不足 スタートアップを支えるVCのファンドサイズと投資フェーズ Sequoia Capital Andreesen Horowitz JAFCO (出典)第4回 研究開発税制等の在り方に関する研究会「資料8 事務局資料(スタートアップへの成長資金供給用に係る税制の論点について」(2025年7月9日,経済産業省) IMF 「World Economic Outlook」 、PitchBook Data, Inc.のデータを基に作成。データは2025年6月取得時点。 グロービス (出典)第3回スタートアップファイナンス研究会「資料3 事務局資料」(2024年2月8日,経済産業省) 各社公開情報よりNRI推計。あたりの案件規模は、2018年~2022年の5年間のファンドレイズを投資件数で割る形で算出(1ドル=148円として計算) (外円)金額ベース (内円)件数ベース シード 日本 (2023年度) * N数はVCファンドに対す るLP出資機関数 * ファンドへの出資者の数 の構成であり、出資金額の 大きさは考慮していない * 日本、米国、韓国は 2025年3月22日時点、英 国、フランス、シンガポー ルは2025年3月23日時点 (出典)JETRO「日本と東南アジア等諸外国とのスタートアップエコシステムの比較調査報告書」(2025年6月) JVCA協力の下、Preqin Proのデータを基に調査チーム作成 アーリー レイター 米国 (2023年) (出典)株式会社ユーザベース「Japan Startup Finance 2024 上半期」、Q3 2024 Pitchbook-NVCA Venture Monitor, NVCA 2024 Yearbook、一般財団法人ベン チャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書2024」日本における「アーリー」には(出典)の分類における「エクスパンション」を含む。米国における「レイ ター」には(出典)の分類のうち「ベンチャーグロース」を含む。日米共に国内VCによる海外スタートアップへの投資額は含まない。 日本の投資件数は1,285件、投資 金額は1,730億円。米国の投資件数は13,586件、投資金額は1706億ドル。 4 参考(データ類) (参考)我が国のスタートアップのIPOの状況 • スタートアップの上場後の成長が停滞し、グロース市場は低迷している状況。IPO数は64社(2024年)から41社 (2025年)に減少。新規上場時の時価総額や資金調達額は増加が見られるものの、未だ小規模な状況。 • グロース市場の上場維持基準の見直しが2030年3月1日より適用されるにあたり、今後はさらに、スタートアップのIPO 以外の出口の多様化と、上場スタートアップの更なる成長の促進が必要。 上場後の成長停滞(グロース指数の低迷) 上場後の動向(中央値)¹ ³ ⁴ 2024年 2025年 売上高 17億円 33億円 経常利益 1億円 4億円 純資産の額 8億円 17億円 初値時価総額 88億円 135億円 新規上場時 ファイナンス規模² 15億円 31億円 (出典)株式会社東京証券取引所 「2025年のIPO動向」 ※1 市場区分の変更及びTOKYO PRO Marketを経由した上場を除く ※2 新規上場時のファイナンス規模=公募+売り出し(OA含む)。なお、TOKYO PRO Marketの新規上場時のファイナンス規模は、 特定投資家向け取得勧誘または特定投資家向け売付勧誘等を指す ※3 1億円未満四捨五入 ※4 IFERS採用企業については、「売上高」=「売上収益」 「経常利益」=「税引前利益」 「純資産の額」=「資本合計」を記載 (出典)市場区分の見直しに関するフォローアップ会議(第25回)「資料2 2026年の方針・取組みについて」 (2026年1月14日,東京証券取引所) グロース市場の上場維持基準の引き上げ 上場維持基準を、上場5年経過後から、時価総額100億円以上 へと変更 (旧:上場10年経過後から、時価総額40億円以上 ) 5 参考(データ類) IPO以外のEXIT(M&A) • IPOとM&Aの割合は、日本と韓国がIPOの比率が他国に比べて明らかに高い傾向。 • 件数ベースでみると、IPO比率の高い日本・韓国においても近年M&AによるExitの比率が上がっているものの、 金額ベースでみると、近年においても日本・韓国ではIPOの方がM&Aよりも多い。 IPO IPO M&A M&A 件 数 (出典)JETRO「日本と東南アジア等諸外国とのスタートアップエコシステムの比較調査報告書」(2025年6月) PitchBook Data, Inc.; *The cited data has not been reviewed by PitchBook analysts and may be inconsistent with PitchBook methodology. * データは2025年3月時点で取得したもの * 本分析の対象スタートアップは2010-2024年にIPOまたはM&A取引を行った企業のうち、取引時点までにVCからの出資を受けたことが ある企業としている * M&AはPitchbookによる分類「合併/買収」、「買収/LBO」、「経営陣による投資家買収」、「対等合併」、「逆さ合併」のうち、「合併/ 買収」のみを対象としている 金 額 (出典)JETRO「日本と東南アジア等諸外国とのスタートアップエコシステムの比較調査報告書」(2025年6月) PitchBook Data, Inc.; *The cited data has not been reviewed by PitchBook analysts and may be inconsistent with PitchBook methodology. * データは2025年3月時点で取得したもの * 本分析の対象スタートアップは2010-2024年にIPOまたはM&A取引を行った企業のうち、取引時点までにVCからの出資を受けたことが ある企業としている * M&AはPitchbookによる分類「合併/買収」、「買収/LBO」、「経営陣による投資家買収」、「対等合併」、「逆さ合併」のうち、「合併/ 買収」のみを対象としている * USD以外の通貨で完了した取引については、取引成立日の為替レートでUSDに変換している 6 ①参考資料(データ類) ②参考資料(施策類) 7 (参考)PE課税特例(外国組合員に対する課税の特例)の見直し • ①-1 日本にGP(無限責任組合員)がいるファンドに対して、海外投資家(非居住者・外国法人)がLP(有限責任組合員)として出資する場合、ファンドを通 じて得た国内源泉所得に対して課税されるのが原則であるところ、一定の要件を満たす者については非課税とする特例。 • 当該特例について、国内への投資の障壁となっているとの指摘があることから、出資上限の引き上げを含めた必要な見直しを行う。 現行制度 • • 改正概要 組合契約事業は組合員の共同事業であることから、国内にあ る恒久的施設(PE)を通じて事業を行う組合の組合員は、 国内にPEを有するものとして扱う(所基通164-4)ため、LP は国内源泉所得に対する所得税・法人税が課税されるところ。 本特例の適用にあたり海外投資家が満たすべき要件について、以下 の通り見直しを行う。 当該特例制度は、外国LPのうち、一定の要件を満たすものに ついて、国内源泉所得に対する所得税・法人税を非課税とす るもの。 持分割合を25%未満から50%未満に ①持分割合要件 引き上げ。 出資 LP出資 海外LP 国内LPS 分配金 売却 原則:国内源泉所得に対する課税 特例:国内源泉所得に対する非課税 国内 SU 要件 改正内容 ※諮問委員会を設置している場合に限る ②業務執行要件 税法上の業務執行行為から 利益相反取引の承認等を除外。 ③他にPE 帰属所得を有さな 本要件を廃止。 い旨の要件 8 ①-2 (参考)JICによるスタートアップへの資金供給 • 2023年1月、産業革新投資機構(JIC)の子会社であるベンチャー・グロース・インベストメンツ(VGI)が運用する 2号ファンドを設立(ファンドサイズ2,000億円))。 • また、2023年9月、セカンダリーマーケットや上場済みスタートアップに対する資金供給を行うJIC VGIオポチュニ ティファンド1号(400億円)を設立。 実績 JIC VGI 1号ファンド 投資件数 投資金額 47件 758.1億円 ※2024年3月末時点 JIC VGI 2号ファンド 投資件数 投資金額 18件 63.9億円 JIC VGIオポチュニティファンド 投資件数 投資金額 ※2024年3月末時点 3件 約140億円 ※2025年3月末時点 また、JICは民間VCに対して、2025年3月末時点で累計45件、1,903億円を出資約束。 国内VCやスタートアップとの連携強化等を目的として、海外VCへの出資も実施。 (出典)産業革新投資機構 記者会見資料(2024年12月18日)、JICグループの投資活動に関する資料(2023年度) 9 (参考)ディープテックスタートアップ向け債務保証制度 • ①-3 設備投資等により資金ニーズが大きく、安定した収益事業に成長するまでに時間がかかる課題を有しているディープ テックスタートアップの資金調達手段の多様化の観点から、中小企業基盤整備機構が実施するディープテックスタート アップ向け債務保証制度の対象を拡充し、上場後も含めた成長を支援。 【事業概要】 1. 革新的技術円滑化債務保証制度の対象の拡充 現行の債務保証制度の対象は、非上場のディープテックスタートアップに限定されているが、これを一定の上場ディープテックスタートアップに拡充。 2. 中小企業基盤整備機構に対する出資金の積み増し(R7補正:19億円) 制度の拡充に伴い、必要な出資金を確保するために中小企業基盤整備機構に対する出資金の積み増しのための予算要求。 10 ②-1 (参考)オープンイノベーション促進税制の延長等 • 事業会社とスタートアップの協業の更なる促進や、スタートアップの出口戦略の多様化を後押しする観点から、M&A型について、マイ ノリティ取引(50%以下の発行済株式取得)の対象化及び吸収合併時の5年間での均等取り崩しを可能とするとともに、本税 制の適用下限額を引き上げた上で適用期限を2年間延長する。 改正概要 【適用期限:令和9年度末まで】 株式取得額の25%を所得控除 (50%以下の発行済株式取得は20%を所得控除) (成長に資するM&A時は発行済株式も対象) 資金などの経営資源 対象法人:事業会社 革新的な技術・ビジネスモデル (国内事業会社又はその国内CVC) 新規出資型 対象株式 新規発行株式 株式取得 上限額 50億円/件 株式取得 下限額 大企業2億円/件 中小企業1千万円/件 ※海外スタートアップの場合、 一律5億円/件 M&A型 スタートアップ (設立10年未満の国内外非上場企業) 売上高研究開発費比率10%以上かつ赤字企業の場合 設立15年未満の企業も対象、発行済株式を取得する場合(50%超 及び50%以下の取得時)は海外スタートアップを除く 成長投資 (研究開発、設備投資) 発行済株式 (50%超の取得時) 発行済株式 (50%以下の取得時) 200億円/件 年間500億円/社まで 7億円/件 事業成長 (売上高) 3億円/件 5年内に成長要件を満 ・5年以内に成長要件を満たさない場合等 た ・3年以内に50%超まで議決権比率を引き 3年経過までに株式譲渡した さない場合等 上げなかった場合 益金算入要件 場合等 ※吸収合併は吸収合併 ※吸収合併は吸収合併後5年均等取り崩 後5年均等取り崩し し M&A型については、5年以内に 成長投資・事業成長の要件 を満たさなかった場合等には、 所得控除分を一括取り戻し ※赤字部分が改正部分 11 (参考)M&Aガイダンス(案) • ②-2 スタートアップによるEXITとしてのM&Aをより加速・活性化していくうえで、スタートアップの経営者が留意すべき事項、買手側(大企業 等)が留意すべき事項をそれぞれ体系的ガイダンスを作成。今年度内の公表を予定。 章立て構成(現状の想定) 第1章.スタートアップM&Aを取り巻く状況・課題 • 日本におけるEXITの現状等 第2章.売り手へのガイダンス(1) • 経営の早期段階からM&Aも意識するべき理由、EXIT手段の考え方 第3章.売り手へのガイダンス(2) • 経営早期から、M&Aも意識する際に具体的に留意すべき事項(資本政策、ガバナンス、事業戦略、人材確保) 第4章.買い手へのガイダンス • 買い手側が留意すべき事項(トップによるコミットメント、体制整備、制度的理解等) 第5章.M&A実行時の留意点 • M&Aの流れ、ストラクチャーの検討、契約時の留意点等、M&A実行時の留意点について 第6章.ケーススタディ • 実際のM&A事例をもとに、留意事項の解説 12 (参考)新スタートアップ投資契約ガイドライン 「我が国における健全なベンチャー投資に係る主たる留意事項」増補版の策定 ②-3 • 2025年9月、スタートアップの投資契約ガイドラインである「我が国における健全なベンチャー投資に係る主たる留意事項」の増補版を策定。 • 増補版において、スタートアップの成長に資するガバナンス設計の提示と、海外の契約・慣習との異同を踏まえた投資契約実務のアップ デートを推奨。 POINT ① 大規模な資金供給が可能な 海外投資家がスムーズに投資 参入するための投資環境の整 備 投資契約実務のアップデート • 契約上の広範な拒否権: 事業やガバナンスの進捗に応じて、適時、適切な 範囲に見直すべきことを明示 • 株式買取請求権の設定: 設定しないこと、又はトリガーを横領等の背信行 為に限定する等明確にすべきことを明示 • 上場努力義務: 設定しないこと、又はEXIT手段を上場に限定し ないこととすべきことを明示 POINT ② M&AによるExitの選択肢にも 配慮した実務を周知 経済産業省「我が国における健全なベンチャー投資に係る契約の主たる留意事項」増補版 - スタートアップの成長に資するガバナンス設計と投資契約実務のアップデート -」 https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/startup_investment_agreement_guidelines/r7_startup_investment_agreement_guidelines_expanded.pdf 13 ③-1 (参考)起業家等の海外派遣・育成事業「J-StarX」 • 起業初期から海外を目指す起業家の育成や、スタートアップの海外での販路拡大・資金調達支援を目的とし欧米やアジアの主要15都 市に起業家らを派遣し、人材育成や、現地の投資家や企業とのマッチングを実施。 • 2023年度からスタートし、2024年度末までに791人を派遣。 分類 対象 実施内容 派遣期間 渡航・滞在支援 ①Basic(学生) シード・アーリー期の 若手起業家 (CEO) 現地の大学と連携し、スタートアップの経営に関する講義や、 将来の海外進出時に必要となる投資家や顧客の紹介・交流 を行う。 2週間程度 原則、あり ②Basic シード・アーリー期の 起業家(CEO) 女性起業家や地域起業家など、特有の課題を抱える起業 家らが対象。現地の起業家育成機関と連携し、スタートアッ プの経営に関する講義や、投資家や顧客との交流を行う。 2週間程度 原則、あり ③Intermediate ミドル・レイター期の スタートアップのCXO 世界の主要都市のうち、エコシステムが発達した都市にて、特 3週間~ 有の産業領域に知見のある起業家育成機関と連携し、投資 3ヶ月 家や顧客への個別紹介。 原則、あり (滞在支援の み) ④Advanced レイター期の スタートアップのCXO 主要な産業領域のエコシステムが発達した都市にて、現地の 起業家育成機関と連携し、投資家や顧客への個別紹介。 1週間程度 原則、なし 若手投資家 日本のVCのレベル向上を目的に、将来のファンド組成を目指 す若手投資家を全世界のスタートアップ投資の4割が集中 するシリコンバレーのVC育成機関に派遣し、集中育成する。 1週間程度 原則、なし ⑤投資家育成 14 (参考)海外投資家呼び込みに向けたLP出資 • ③-2 海外VCによる日本のスタートアップへの投資や国内VCとの連携を促進するべく、政府系ファンドから海外VCに対するLP出資を通じて、グ ローバルネットワークの強化を実行。 JIC 中小機構 グローバルスタートアップ成長投資事業(令和4年度補正予算額:200億円) 【LP出資先海外ファンド一覧】 ※出典:中小機構プレスリリースより 名称 特徴・強み Headline Japan 5 号 運営主体である Headline Asia は、北米、欧州、南米、アジアに ネットワークを構築する Headline グループの一員。ネットワークを活か した出資先スタートアップの海外展開支援に強みを持つ。 投資事業有限責任組合 → NEA, Atomico, Vertexによる国内VC/SUとの面談数:延べ面談数累計約500件 投資先海外VCによる国内SU検討/投資件数:250件超検討し、7件投資(含む見込) 4BIO Ventures III LP 先端医療分野特化。優れたスタートアップへのシード・アーリー期の投 資によりアンメット・メディカル・ニーズの解決に寄与。無限責任組合員 である 4BIO Partners LLP は、関連分野で豊富な知見を持つ研 究者や投資実績を有するメンバーで構成。 Pangaea Ventures Opportunity Fund, LP ヘルスケア、バイオテクノロジー、新素材、半導体等のサイエンステクノ ロジー企業に投資を行うファンド。各分野の高い専門性を持つメン バーが投資先をリードし、企業価値向上を支援。 Jolt Capital V ディープテックのグロース投資に特化。主に AI、ロボティクス、先端材 料等の先進技術を持つスタートアップに投資を行い、積極的なハンズ オン支援を通じて投資先の成長・グローバル化を促進 → 中小機構出資金額分以上は日本のスタートアップへの投資が条件 15 ③-3 (参考)Global Startup EXPO 2025 開催 • 経済産業省は、近畿経済産業局、日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、 ディープテック領域を中心としたスタートアップの技術やサービスの世界への発信、国内外の起業家、投資家等の交流促進などを目的 に、大阪・関西万博の会場内で、9月17日及び18日の2日間にわたり、Global Startup EXPO(GSE)2025を開催。 実績 来場者数 9,560 (※主催者・スタッフは除く) ブース出展を行った社数 145 (21の国・地域から出展) セッションの数 セッションの様子 赤澤前スタートアップ担当 大臣による閉会御挨拶 ブース出展の様子 ピッチの様子 37 (海外スピーカー比率6割) 成立したマッチング(商談)の数 1,194 (起業家から投資家への事業説明の様子) 16 (参考)GSE 2025における海外VCなどからの日本進出等の発表 ①Alumni Ventures(米国) 1 2 3 4 ③-3 (有力大学卒業生からの出資で運用。’14年設立ながら米国トップ20のVC。) • • 東京オフィスの開設、COOの日本駐在 日本と米国のスタートアップへの約150億円の投資 ②Jolt Capital(フランス) (ディープテックへの投資に特化するファンド) • • 東京オフィスの開設 直近で運用開始するファンドから日本のスタートアップへの投資 ③New Enterprise Associates(NEA)(米国) (’77年設立。約4兆円を運用する世界最大級のVC。) • 日系スタートアップへの4件目の投資 ④SVG Ventures(米国) (農業テック分野に強みを持つVC。JETROと起業家育成で連携。) • 日系スタートアップ(EF Polymer社)への投資 ⑤Berkeley SkyDeck(米国) (カリフォルニア大学バークレー校の起業家育成機関) • 経済産業省、JETROを含めた3者が、ディープテック領域における大学 等の研究成果や次世代技術の社会実装の加速、スタートアップの成長 促進のための協力深化を目的とする共同声明に署名。 5 ← (左から順に)式典に臨む • • • Berkeley SkyDeckのCaroline Winnett氏(Executive Director) 大串経済産業副大臣(当時) JETRO石黒理事長 17

資料6

資料 4 日本成長戦略会議 スタートアップ政策推進分科会 金融庁説明資料 2026年2月4日 Financial Services Agency, the Japanese Government スタートアップへの資金供給における目指すべきエコシステムの姿  スタートアップへの資金供給にかかる各主体において、目指すべきエコシステムの姿について認識の共有 を図ることで、スタートアップへの資金供給を活性化し、成長を後押しするとともに、関係する各主体にも裨 益するエコシステムを創出していく。 資金供給主体 仲介/取引所 資金供給先 CVC等を通じた投資 事業会社 官民 ファンド 事業シナジー の創出 ハンズオン投資 証券会社 (仲介、マッチング) 金融機関 投資信託・ PE CVC等を通じた投資 ベンチャーデット 資金供給 機関 投資家 独立系 VC 非上場 スタートアップ クロスオーバー投資 エンジェル投資等 個人 投資家 取引所 東証グロース市場改革 成長の果実の享受 上場グロース株投資 上場 スタートアップ • 仲介・FA業務等による収益獲得 • グロース市場の魅力向上 -1- スタートアップへの成長資金の供給促進に向けた近年の取組み(全体像) ベンチャーキャピタル、 投資信託 等 投資家 A スタートアップ B 証券会社 C 既存投資家 (売り手) 投資家 (買い手) 証券会社 B A 投資運用の専門家を通じた資金供給の促進  ベンチャーキャピタル(VC)を通じた投資 投資家の直接投資による資金供給の促進  プロ投資家による投資 ⑦ 資金調達の枠組み(J-Ships)を整備したほか、 個人がプロ投資家になるための要件を緩和 ① 「VCにおいて推奨・期待される事項」(VCRHs)を策定・周知 ② 金融・資産運用特区において、VCへの出資要件を緩和 ③ 銀行の投資子会社による投資先企業の要件を緩和 ④ 新興運用業者促進プログラム(日本版EMP)を策定  投資信託等を通じた投資 ⑧ 米国並みの資金調達環境の整備(日本版Rule506) による更なる活性化  一般投資家による投資 ⑨ 株式投資型クラウドファンディングの規制を緩和 ⑤ 非上場株式に投資する投資信託の枠組みを整備 ⑩ 少額の資金調達に係る届出書様式の簡素化 ⑥ 非上場株式に投資する上場投資法人の規制を緩和 ⑪ 株主コミュニティへの勧誘対象を拡大 C 非上場株式の流通市場の整備 ⑫ 非上場株式の流通プラットフォーム創出のための規制を緩和 -2- スタートアップへの成長資金の供給促進に向けた近年の取組み A 投資運用の専門家を通じた資金供給の促進 ベンチャーキャピタル(VC)を通じた投資(2025年 約3,100億円) ① 「VCにおいて推奨・期待される事項」(VCRHs)を策定・周知 (2024年10月)  VCのガバナンス向上や投資先企業の支援等を促し、 機関投資家からVCへの資金供給やスタートアップの成長等を活性化 ② 金融・資産運用特区において、VCへの出資要件を緩和 (2024年11月)  一定の知識経験を有する投資家による出資額の上限規制を撤廃し、 起業経験等のあるエンジェル投資家による投資を活性化 B 投資家の直接投資による資金供給の促進 プロ投資家による投資(累計 約260億円) ⑦ 資金調達の枠組み(J-Ships)を整備したほか、 個人がプロ投資家になるための要件を緩和(2022年)  一般投資家を対象とする場合の厳格な情報開示を要さずに、広く 個人も含めたプロ投資家による投資が可能となる ⑧ 米国並みの資金調達環境の整備(日本版Rule506)による 更なる活性化(2025年2月・3月) • インターネットを含む様々な媒体による勧誘の利便性向上 • 個人がプロ投資家になるための要件の明確化 ③ 銀行の投資子会社による投資先企業の要件を緩和(2024年11月)  プロ投資家へ移行するメリットや要件がわかりやすくなり、投資家の  スタートアップの設立年数要件を緩和(10年→20年未満)し、 銀行グループによる投資を活性化 裾野を拡大 一般投資家による投資(累計 約220億円) ④ 新興運用業者促進プログラム(日本版EMP)を策定(2023年12月) ⑨ 株式投資型クラウドファンディングの規制を緩和(2025年2月)  金融機関等の運用における新興運用業者の活用を活性化 投資信託等を通じた投資(公募投資信託の純資産総額 約820億円)  企業の発行上限(1→5億円)や投資家の投資上限(50万→最大200 万円)の緩和により、投資家保護に支障のない範囲で投資を促進 ⑤ 非上場株式に投資する投資信託の枠組みを整備(2024年2月) ⑩ 少額の資金調達に係る届出書様式の簡素化(2025年2月)  リスクを理解・許容できる一般投資家による投資が広がるほか、 スタートアップの上場後も投資が継続することが期待される ⑥ 非上場株式に投資する上場投資法人の規制を緩和 (2024年3月・2025年2月)  開示内容を緩和・自己投資口の取得を解禁し、投資法人の参入促進 C  記載が必要な監査済み財務諸表の数を縮減等 ⑪ 株主コミュニティ(地域に根差した非上場企業の株式を売買する枠組み) への勧誘対象を拡大(2024年11月)  発行企業の取引先の役職員等への参加勧誘を可能とし、投資家保 護に支障のない範囲で投資を促進 非上場株式の流通市場の整備 ⑫ 非上場株式の流通プラットフォーム創出のための規制を緩和(2024年5月金商法改正、2024年11月・2025年5月施行)  小粒上場を回避し、株主の換金機会を拡大するため、非上場株式の仲介を行う証券会社の登録要件を緩和する等、証券会社の参入を促進 -3- 日証協・金融庁共催「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」報告書 (2025年9月5日公表)のポイント ◆KGI:「市場仲介者が関与する資金調達額を2027年度までに1,800億円とすること」 ◆KGIを達成する上での参考指標 KGI・参考指標 ・非上場会社のセカンダリー取引の状況、J-Shipsの利用状況 ・非上場株式を組み込んだSPVスキーム・投資信託等ビークルを通じた資金調達額 ・未公開株に関する苦情相談件数 ◆大規模投資家等の市場参加促進 大規模投資家等 ・VCの魅力向上 ・アセットオーナーの運用対象資産の多様化 ・官民ファンドの活用 ・オープンイノベーション促進税制の対象拡大、PE課税特例の見直し ・市場関係者によるアドバイザリー・サービス等の更なる取組み ◆SPVスキーム、投資信託、 エンジェル投資家による投資拡大のための推進施策 SPVスキーム・ 投資信託・ エンジェル投資家 ・SPVスキームのモデル契約の整備 ・非流動性資産を組み込んだ投信の規制緩和・新たな組成・販売の枠組み ・スタートアップ企業等への投資を税制面から促進する取組み ・J-Shipsの利活用拡大(特定証券情報等の見直し、取引制約の緩和等) プライマリー リスク許容度・投 資判断能力のあ る投資者等 制度周知等 ・特定投資家による投資の活性化(特定投資家の移行要件の弾力化等) ・準特定投資家(特定投資家の移行要件を満たす投資者)を対象とする勧誘・取引制度に係る ルール整備 セカンダリー ・取次型登録PTS及び株主コミュニティにおける価格情報の公表等の見直し (対象顧客がリスク許容度や投資判断能力の高い者等に限られる場合) 原則勧誘禁止 ・非上場株式の原則勧誘禁止を見直し、日証協の規則に定める取引制度※に基づく勧誘へ転換 ※J-Shipsや株式投資型クラウドファンディングなど ・積極的な周知活動の実施、効果的な周知活動・推進施策について検討 ※ 「SPVスキーム」とは、複数の投資家による特定少数のスタートアップ企業等へのシンジケート投資を、投資家が直接的な株主にはならない形で実現するために、LLC(Limited Liability Company:合同会社)等のSPV(Special Purpose Vehicle)を利用した投資スキームをいう。米国や欧州のスタートアップ企業等への投資において活用されている。 -4- スタートアップ等への成長資金の供給促進のために予定している施策①  スタートアップ・成長企業への資金供給を更に促進するため、投資者保護に留意しつつ、開示負担にも配慮した段階的な開 示制度を整備 一般投資家向けの資金調達に係る開示規制の緩和  有価証券届出書の提出免除基準を1億円から5億円に引上げ  5億円以上10億円未満の資金調達については、簡易な様式による有価証券届出書の提出(少額募集)を利用可能に ※ 少額募集の場合における有価証券届出書は、連結情報が不要とされている。さらに、2025年2月に、以下のような簡素化を実施している。 • 初めて届出書を提出する場合の財務諸表を、監査済みの2期分から、(比較情報を含む)監査済みの1期分とする • 特別情報としての3期分の財務諸表は記載を不要化 • ガバナンスに関する情報は事業報告と同程度の記載で可 • サステナビリティ情報の開示を任意化 10 億 円 5 億 円 調達金額 調達金額 見直し前(現行) 通常の募集 [有価証券届出書を提出] 見直し後 通常の募集 10 億 円 [有価証券届出書を提出] 少額募集 [簡易様式の有価証券届出書を提出] 少人数 私募 5 億 円 少額募集 少人数 私募 [簡易様式の有価証券届出書を提出] 1 億 円 少額免除 1 億 円 少額免除 [有価証券届出書の提出は不要] [有価証券届出書の提出は不要] 50人 勧誘対象者数 50人 勧誘対象者数 -5- スタートアップ等への成長資金の供給促進のために予定している施策②  特定投資家私募(プロ向けの私募)の勧誘の相手方に、特定投資家と同等の能力を有する「潜在的特定投資家」を追加 プロ投資家(特定投資家)向けの資金調達に係る勧誘対象範囲の拡大  特定投資家を相手方とする資金調達手段である特定投資家私募では、証券会社の仲介の下、簡易な開示様式による情報 (監査不要)の提供又は公表を条件として開示規制を免除している。特定投資家の範囲の見直し等の制度整備を進めてきた が、資金調達の事例は限定的であり、特定投資家の裾野の拡大が必要  そのため、特定投資家要件を満たし、高い情報分析能力を有するものの、行為規制上の保護を受けることを希望することか ら特定投資家への移行手続を行っていない者 (潜在的特定投資家)を、特定投資家私募の相手方の範囲に追加  潜在的特定投資家を相手方とする勧誘行為に適用される金商法上の規制は、以下のとおり。 見直し前(現行) 見直し後 特定投資家私募(開示規制)の相手方の範囲 特定投資家 特定投資家、 潜在的特定投資家 適合性原則、説明義務等(行為規制)が適用 されない者の範囲 特定投資家 特定投資家 ※ 潜在的特定投資家は、行為規制上は一般投 資家として取り扱われる -6-

資料7

資料5 スタートアップのスケール加速への提言 令和 8 年2月4日 慶應義塾大学 芦澤美智子 インターネットの普及により新たな産業が創出され、地球規模で経済・社会変化がもたらされました。この変 化を牽引してきたのがスタートアップであり、米国シリコンバレーのような地域にエコシステムが形成されて きました。日本では東京がスタートアップエコシステムランキングで 11 位(GSER2025)に位置付けられていま す。しかしながら、世界トップレベルとは差がある状況です。 今後の破壊的イノベーションの主舞台がディープテックに移るなかで、スタートアップエコシステムのさらな る成長は急務です。せっかくわが国がディープテックに強いのに、太陽光パネル、液晶モニター、リチウムイ オン電池のように、経済的果実を海外のスケール化力のあるディスラプターに持ってかれるような事態は二度 とあってはならないと考えます。政策の中核を、スタートアップの数を増やすことからスケール化に抜本的に 転換する、その観点から喫緊の課題に関する提言をいたします。 1.グローバル No.1 を目指す価値創造戦略の構築とグローバル市場への連結 (ア)ビジネスモデルまで踏み込んだ議論、その体制の構築 政府は単なる産業分野の提示にとどまらず、「グローバル市場においてどのように勝つか」という価値創造戦 略やビジネスモデルにまで踏み込んだ議論を行う必要があると考えます。日本では、スケール化と言うと昭和 の時代の工業化モデル、大量生産ビジネスを想起するきらいがあります。これでは、上記したように、経済的 果実を海外のスケール化力のあるディスラプターに持ってかれてしまいます。 そうしたビジネスモデルまで踏み込んだ議論をする体制作りが極めて重要です。一見門外漢のように見える、 データを用いたビジネスを作ってきた人を招聘する、外部の専門人材を積極的に登用することも必要でしょ う。また、価値創造戦略を検討する初期段階から、「規制改革」と「税制支援」を政府支援の中核として認識 し、一体的に議論することが重要であると考えます。 (イ)ボーングローバルのための支援 日本の GDP は世界全体の約 4%にとどまり、人口も減少局面にあります。経済規模や資本市場規模を踏まえる と、日本国内市場に閉じたままではスタートアップのスケールには限界があります。そのため、スタートアッ プは創業当初からグローバル市場を志向する必要があります。 ①創業からグローバル人材を入れたチームを組むことが重要です。世界で活躍する日本人、特にシリコン バレー等のスタートアップエコシステム経験を積んだ日本人と、国プロ研究(強いシーズ)とのマッ チング支援体制作りを提案します。 ②投資初期からグローバル水準での投資契約、キャップテーブルの組成が必要です。大学 VC と米国トッ プ VC との連携支援の政策を提案します。 ③世界市場で成功した日本人起業家の事例を体系的に整理・蓄積し、後続世代が参照できるアーカイブを 構築することが有効であると考えます。 1 ④地理的・時差的に比較的近いシリコンバレーのスタートアップエコシステムとの連携のため、官民学双 方の、交流の機会支援を強化していっていただきたいです。 2.資本面でのスケール化 (ア)原則的考え方 資本主義システムにおいては、リターン率が同一である場合、投下される元手の絶対額が累積的な差を生み出 します。また、ディープテック分野のスタートアップでは、研究開発から事業化までに長期かつ大規模な資金 を必要とします。そのため、可能な限り大きな資本を確保することが重要です。あわせて、日本が比較優位を 有する分野、強いシーズに重点的に資本を投下することが重要です。 (イ)ファンド規模拡大支援 米国のトップ民間 VC では、新規組成ファンドの規模が 1 兆円を超える事例が見られます。一方、2025 年に日本 で組成されたファンドのうち最大規模のものは、UTEC6 号ファンドの 461 億円にとどまっています(2026 年 1 月 21 日 スピーダ「スタートアップ調達トレンド 2025」)。ファンド規模の大型化のための政策が必要と考え ます。 ①複数の金融機関やファンドが連携し、合同ファンドを組成するなど、ファンド間連携を通じて規模拡大 を促す制度の検討が必要であると考えます。 ②スタートアップへの資金供給を拡大するよう、独占禁止法における銀行・保険会社の議決権保有規制の 見直しを進めるべきと考えます。 (ウ)Blended Capital の高度化 世界のディープテックスタートアップにおいては、「Blended Capital(政府調達・補助金、大企業との連携、 民間 VC 投資の組み合わせ)」がスケール化に寄与した事例が複数確認されています。日本においても、NEDO、 SBIR、JIC 等が Blended Capital を担う制度として整備されていますが、さらなる発展が必要です。 ①NEDO および SBIR については、政府調達が明確に見込まれる案件、あるいは産業育成に向けた事業計画 が一定程度具体化している案件を重点的に支援することで、Blended Capital としての機能をより効果 的に果たすことが可能となります。 ②エクイティに限定せず、デット等も含めた総合的な金融戦略の立案および実行を担う組織(例:米国の Office of Strategic Capital)の設置についても、検討課題と考えます。 ③ 大企業からの資本投下および M&A の促進:現在、経済産業省において「スタートアップ M&A ガイダン ス」が策定中であり、その実効性に期待されます。また、大企業が内部留保を将来投資に積極的に振 り向けるよう、来年度予定されているコーポレートガバナンス・コード改訂において制度的に後押し されることが望まれます。加えて、M&A の阻害要因となっている日本ののれん会計の見直しは、喫緊の 課題です。 ④ デュアルユースの制度化:ディープテック分野の中でも、安全保障領域では政府が最大の需要者とな るケースが多く、今後、政府調達および補助金予算の拡大が見込まれます。この方向性は米国におけ る SpaceX 育成プロセスと類似しており、大きな可能性を有しています。一方で、日本の防衛予算は米 2 国等の大国と比べて一桁小さい規模にとどまります。そのため、防衛分野で培われた技術を民生分野 へ展開するデュアルユースの制度化が不可欠です。 3.人材、ネットワーク、文化の強化 (ア)理系 PhD と MBA の双方を有する人材の育成 ディープテックスタートアップには、「技術/サイエンスの素養」「ビジネス素養」を兼ね備えたグローバル経 営人材が必要です。理工系博士号と MBA の双方を持つ人材を増やすため、各大学における理工系学部とビジネ ススクールの連携を政策的に後押しすることが求められます。また、そのカリキュラムの中で、グローバル実 践経験を組み込むことが重要です。 (イ)国際会議を通じた発信力強化 国際的な注目度が高い会議、特に毎年 1 月に開催されるダボス会議において、日本のスタートアップが効果的 に発信できるよう、Japan パビリオンの設置等を通じた支援を行うことが重要です。 (ウ)グローバルエコシステムへの理解促進 起業家がグローバルなスタートアップエコシステムに対する実践的理解を深められるよう、CES や SXSW 等の国 際イベントへの派遣を、これまで以上に拡充することが望まれます。 4.その他 (ア)「スタートアップ育成 5 か年計画」の KPI 見直し 2022 年 11 月に策定された「スタートアップ育成 5 か年計画」については、策定時以降の世界および日本のマク ロ環境の変化を踏まえ、KPI の見直しおよび改訂を行うことが必要であると考えます。 3

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資料6 第一回スタートアップ政策推進分科会 Red Capital 株式会社 代表取締役マネージングパートナー 井上 智子 スタートアップのスケールアップについて 1. 内外からの成長資金の供給拡大 スタートアップのスケールアップには、海外からの成長資金の呼び込みが重要である。 これまで政府が海外投資家向けの制度整備を進めてきたことは、日本の投資環境の改善に 一定の成果をもたらしてきた。一方で、各国が税制・規制面で魅力的な誘致策を強化する 中、海外 VC が日本のスタートアップにアクセスしやすくなる、より「わかりやすい」イ ンセンティブが求められている。 また、国内資金についても、金融庁が主導された新興運用業者の新規参入を促進するた めのプログラム(日本版 EMP)は、日本における投資環境の多様性と活性化につながる点 において一定の成果が得られている。しかしながら、世界の機関投資家がオルタナ資産に 平均 20%前後を配分するのに対し、国内最大の公的年金である GPIF の比率は約 1.6%に とどまり、EMP においても VC への配分が限られている点は、量と配分の双方で課題が残 る。VC への資金の流れが広がるよう、評価指標や投資枠組みの工夫が期待される。 2. 出口の多様化 出口の多様化については、これまで政府が M&A 支援や PMI 環境の改善を進めてきたこ とで、市場全体の動きは確実に前進していると感じている。一方、成長ステージにおける 流動性供給については、さらなる必要性を現場のスタートアップからもきく。 米国やイスラエルでは、創業者・従業員・初期投資家が適切にリスクを再配分し、次の 成長ラウンドの資金効率を高めるために、セカンダリー取引が重要な役割を果たしてい る。政府が現在進めているプロ投資家向けセカンダリー市場の整備は、海外投資家を呼び 込むうえでも市場の厚みをつくる重要施策であり、成長資金の循環を加速するうえで優先 度の高い取り組みである。 3. グローバルネットワークの強化 グローバル展開については、これまでの起業家を後押しする施策が実を結んでいると感 じる。一方で、 「海外のディープテック投資家や成長ファンドとの接続が不足している」と いう声も根強い。イスラエルなどでは、ローカル VC が初期を支え、成長段階で海外 VC と自然に協働するエコシステムが形成されている。 海外投資家との協働を制度的に後押しする仕組みとして、イスラエルの Yozma Program のような共同投資優遇制度を提案したい。成功時に民間 VC が政府持分を低利で買い取れ る仕組みは高いリターンを保証し、海外 VC との自然な協働を促した。日本でも官民が協 働し、海外 GP との共同投資の枠組みや、VC 側の国際ネットワーク構築の後押しが進む と、スタートアップのグローバルスケールに向けた一段の推進力になると考える。

資料9

資料7 スタートアップ政策推進分科会 スタートアップのスケールアップを加速するエコシステムの構築について 岡田光信 本提言は、スタートアップのうちスケールアップ期(時価総額 100 億円→1000 億 円、1000 億円→1 兆円)に到達し得る企業に政策資源を重点投入することを目的とす る。この段階のスタートアップは、技術・サービスの POC 完了、複数の代表顧客の 獲得、売上の連続的な成長、一定のガバナンス確立、一定程度の政策との整合性とい った条件を満たしており、事業拡大の「壁」を突破すれば、国全体に大きな波及効果 をもたらすポテンシャルを持つ。不特定多数のスタートアップの支援を行うよりも、 客観的なデータで選ばれた 30~50 社程度の重点支援に「選択と集中」する方が国家的 インパクトを最大化できる。仮に 5 年で 30~50 社が時価総額 10 倍を達成すれば、産 業構造や雇用創出、税収面、それらスタートアップを起点とした M&A など、様々な 観点で大きな効果が期待できる。例えば、日本成長戦略会議における 17 の戦略分野ご とに2~3社のスタートアップを選ぶことも考えられる。 1.スケールアップ期の主要課題 スケールアップ期には大きく以下の二種類の課題が存在する。 (A)需要創造を伴う新規市場創出型の課題 事業が新規市場創出型であり、需要形成と社会実装を同時に進める必要があるため黒 字化まで時間を要する。リソース制約の中、アクセルとブレーキを両方踏みながらの 事業成長なので、短期回収を求めない資金および需要創造支援が必要になる。 (B)既存市場はあるが海外展開停滞型の課題 国内では一定程度の顧客基盤ができているが、海外展開できず成長が鈍化するケース である。近年の地政学リスクやブロック経済化の影響もあり現地化を伴う海外展開が 必要だが移行できない。 この2つの課題は性質が異なるため、政策対応も分けて設計する必要がある。 2.課題(A)への対応:辛抱強い資金と政府調達による需要創出 (1) 辛抱強いキャピタルの供給 新規市場創造型の事業では、黒字化直前に、 「直接金融→間接金融」への移行期が存 在し、この期間は資金ギャップが生じやすい。ここに政策的支援の正当性がある。 例えば、スケールアップファンドの創設が考えられる。民間資金を呼び込みレバレ ッジをかけてもよい。スケールアップ期(上場前後問わない)のスタートアップへの 大型出資は、成長資金の真水としても、ファンド期限が 10 年程度の既存 VC のエグジ ット機会の確保としても使うことができる。 銀行融資については都銀など数百兆円にものぼる銀行アセットのうちスタートアッ プへの融資は 0.1%にも満たないと考えられる。それほどに融資審査は厳しい。他方で 「選択と集中」で選ばれた将来性のあるスタートアップには積極的な融資が行われる べきである。政策としては、銀行融資に政府保証を付与することでクレジット力を高 め、間接金融の参入を促すことができる。 これらの施策は、資金供給において、成長ステージに応じたグラデーションを持 つ、辛抱強い資金供給体系を構築するものである。制度設計と KPI が特に重要とな る。 (2) 複数年に渡る政府調達による需要創出 政府調達は、政府が一定のリスクを許容することで「技術進展を促す→技術の成熟 化と価格低減を実現する→民間需要の拡大へと繋がる」という明確な因果関係があ る。直接金融で調達した資金をもとに開発した製品やサービスが、社会のプラットフ ォーム化・社会実装化し、スケールアップするまでの過程には、施設拡充、R&D、人 材育成などの大きな投資と運転資金が必要になる。複数年に渡る政府調達によって、 スタートアップとして予見可能性が高まり投資を促進することができる。 特に上記の重点 30~50 社には「太く・長い」政府調達が、スケールアップの過渡期 に有効である。上記の(1)の施策の呼び水になることに加え、この政府調達を通じて一 度プラットフォーム化・社会実装化が実現しキャッシュフローが黒字化すれば、あと は間接金融で成長が可能になる。 3.課題(B)への対応:海外展開・現地化の支援 今日の国際環境では、従来のような「日本で開発・製造→海外に販売する」モデル では競争が難しい。自由貿易から“Sovereign Capability(自国の開発力)”重視に進む 「現地での雇用」 、 「現地サプライチェーンの確保」、 「現地ガバナ 中で、海外展開には、 ンス体制構築」などが不可欠である。 ただし、海外展開のボトルネックはスタートアップによって大きく異なり、  規制・認証  ローカルサプライチェーン構築  高度な英語力・文化理解力を要するガバナンス など多岐にわたる。ゆえに、一律の政策では効果が出にくく、現場起点での課題解決 が不可欠である。一方で政府ができるのは、  各国政府との経済交流  規制・標準の国際調整  現地におけるビジネスハブ機能  輸出管理ルールの整備 など、下支えとなる環境整備である。場合によっては海外展開の支援補助金制度で後 押しをすることもありえる。 4.まとめ:スケールアップ政策として提言する事項 1. 特定少数(例:30~50 社)のスケールアップ企業を重点支援し、国家的イ ンパクトを最大化(政府が客観的なデータに基づき勝ち馬に乗る戦略) 2. 辛抱強い資金(官民スケールアップファンド、政府保証付きローン)で資金 ギャップを埋め、成長ステージのグラデーションに応じた資金供給体系を整 備(既存 VC 等の出口戦略にもなる) 3. 複数年に渡る政府調達を積極活用し、需要創出・技術進展・民間市場拡大の 好循環を作り、プラットフォーム化・社会実装化を促進する 4. 海外展開については現地化を前提とし、政府は国際ルール・経済交流・規制 や標準の国際調整など環境整備に注力する

資料10

日本成⾧戦略会議 スタートアップ政策推進分科会 第1回 日本の科学と技術を基盤に 高みと広がりのある企業群を育てる スタートアップエコシステムと投資環境について 2026年2月4日 郷治 友孝 ㈱東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)代表取締役社⾧CEO 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)会⾧ Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 1 自己紹介  株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)共同創業者・代表取締役 社⾧CEO/マネージングパートナー、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)会⾧。  前職の通商産業省(現経済産業省)にて、我が国VCファンドの根拠法となった投資事 業有限責任組合法(1998年制定)を起草。そのほか同省でスタートアップによる技術 革新の実用化を促進する中小企業技術革新制度(SBIR)(1999年制定)、文化庁で著作 権等管理事業法(2001年制定)、金融庁で信託業法(2003年制定)の起草に携わる。  2004年に退官し株式会社東京大学エッジキャピタル共同創業。以来、UTEC1号か ら6号までの投資事業有限責任組合(ファンド累計約1300億円) の設立・運営、 UTECのチームビルディング、UTEC投資先の投資育成及びエグジットの指導を 担ってきた。これまでに国内外で22社がM&A等、20社が株式上場を果たす。  2007年、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)にUTEC入会。2014年10月に理事 に就任、2015年7月より常務理事、2022年7月より副会⾧、2023年7月より会⾧。  1996年東京大学法学部卒、2003年スタンフォード大学経営学修士(MBA)。2016年 に東京大学工学系研究科博士課程に入り、無数の研究論文データから有望なスター トアップの創業機会を見出すモデルを研究し、2020年博士(工学)。 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 2 グローバルテック企業の時価総額と主要国GDP 世界時価総額トップ5企業はいずれも、つい最近までスタートアップだったテック企業。いずれもハー ドウェア面にも技術基盤あり。 NVIDIA($4.56兆ドル、1993年創業)の時価総額は、創業33年にして日本のGDP($4兆ドル)を上回る。 世界トップ5企業の時価総額の合計で中国のGDP($19.4兆ドル)にほぼ匹敵。 世界の時価総額トップ5企業 vs 米中日GDP vs 日本トップ5企業 世界トップ5企業 (時価総額) 主要国 GDP (名目) 日本トップ5企業 (時価総額) ※数値は兆ドル (Trillion USD)。日本企業は$1=150円換算の概算値。 Data Sources: Google Finance (Jan 2026), IMF/World Bank Projections (2024-2025) Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 3 日本のGDPにおけるスタートアップの存在感 JVCAの提唱で2024年から始まった政府の経済波及効果調査では、スタートアップによる日本のGDP創 出額は直接効果12.19兆円、間接波及効果含め22.33兆円(日本のGDPの約4% 、 2023年比で15%増)。 スタートアップのマクロ経済へのインパクトが認知されつつある。 (出典) 2024年7月経済産業省「スタートアップによる経済波及効果」調査概要 2025年6月JETRO「日本と東南アジア等諸外国とのスタートアップエコシステムの比較調査報告書 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 4 日本の科学技術のポテンシャル 日本は自然科学分野での今世紀のノーベル賞受賞者数で世界2位。国際特許出願も世界トップ10に3つ の地域が入る。 世界的に高みと広がりのある企業群を育てるためには、科学力と技術力をフル活用することが有効。 自然科学分野の主要各国のノーベル賞受賞者数 In the 21st century (persons), as of Oct 2025 世界の地域ごとのPCT国際特許出願数 In 2025 Rank 100 2025年ノーベル賞受賞者 93 90 坂口志文教授 (医学生理学賞) 80 北川進教授 (化学賞) 70 60 50 40 30 20 10 21 19 13 10 0 Source: MEXT "MEXT Statistical Abstract"; "Science and Technology Review"; WIPO "PCT Yearly Review 2025“. Area Country Number of applications Share 1 Tokyo-Yokohama Japan 135,129 10.3% 2 Shenzhen-Hong KongGuangzhou China/Hong Kong 117,542 9.0% 3 Seoul Republic of Korea 71,318 5.4% 4 San Jose - San Francisco U.S. 50,813 3.9% 5 Beijing China 49,792 3.8% 6 Shanghai-Suzhou China 42,819 3.3% 7 Osaka-Kobe-Kyoto Japan 38,307 2.9% 8 San Diego U.S. 26,713 2.0% 9 Boston-Cambridge U.S. 19,333 1.5% 10 Nagoya Japan 16,724 1.3% 5 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 5 大学発スタートアップの増加 大学発スタートアップの数は10年で3倍に増加。2023年度から増加した786件のうち、約57%は東京 都以外で、地方での創業割合に高まり。 年間調達額は10倍以上の1,777億円まで成⾧。日本全体の調達額のうち2割程度が大学発。 大学発スタートアップ数の推移 社、2005-2024 大学発スタートアップによる年間調達額 億円、2013-2023年 2,000 1,777 1,500 12.5x 1,272 1,033 1,000 1,368 1,027 916 530 500 410 142 0 出典: 経済産業省 318 162 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 出典: Initial Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 6 日本ベンチャーキャピタル協会会員数推移 VC/CVC会員で304社、賛助会員含め407社 協会の会員企業数推移 (社) 450 400 374社 336社 350 302社 300 274社 240社 250 202社 200 140社 150 100 50 0 94社 117社 42 6 46 47 15 55 2014 年度 2015 年度 52 23 167社 54 38 68 61 56 69 70 65 75 85 102 2016 年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 85 393社 98 賛助会員 103社 123 128 CVC会員 135社 167 VC会員 169社 2024 年度 2025.10 .12 時点 91 79 74 101 407社 114 120 127 143 160 2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 7 日本の科学と技術を基盤に、国内外の資金循環を太くし加速することで、 提言: スタートアップ発で世界的に高みと広がりのある企業群を育てる 1 ディープテック・重点分野での政府調達の創出・拡大 5 規制業種でのスタートアップの早期挑戦環境整備 ・スピード感あるSUの 時間軸でライセンス取得を可能とする環境整備 ・経済安保・防衛・インフラ等重点17分野での戦略的政府調達を制度化 ・SBIR政府調達の横断的拡充とその継続性を前提としたIPOプロセス整備 ・サンドボックス制度の拡充とその許認可プロセスの大幅短縮 ・政府関連機関による民間VC・金融機関との協調的投融資の促進 2 3 段階に応じたスタートアップへの投資資金の流入促進 6 ・カーブアウト/スピンオフ時のVC導入のインセンティブ ・ M&Aの経営指標化:上場企業のSU M&A件数・金額の開示義務化 ・大企業/SU連携: SUからの購入・調達を促進するインセンティブ ・エンジェル税制の拡充(非課税枠の拡大等)・簡素化(事前確認の不要化等) ・個人資金を呼び込むVCT(ベンチャー・キャピタル・トラスト)制度の創設 ・年金基金のオールタナティブ投資の拡大 ・年金基金のグロース株式市場への投資マンデート付与 国内外のスタートアップ投資資金の循環の促進 ・世界市場進出を目指すSUへの国内VCと海外VCの共同投資の促進 ・世界市場の成⾧を日本に取り込むための海外SU/VCへの投資規制緩和 大企業の新規事業リセット / VC連携 / M&A促進 ・人材流動化促進:大企業社員のSU挑戦を後押しする人事・社会保障制度 7 地域スタートアップへのリスクマネー・人材の循環 ・地域VCファンドへの民間LP出資を促進する公的LP出資の仕組の拡充 ・地方大学発ディープテックSU支援強化:主要VCや海外VCとの接続 ・地域金融機関と主要VC/海外VCの連携スキーム構築 ・起業家人材を呼び込み引き留める国際的に有利で魅力的な税制の整備 4 スタートアップ融資の⾧期化・大規模化 ・ 重点分野の成⾧資金供給に対する 政府債務保証制度の抜本的拡充 ・ 銀行・金融機関(地方含む)の融資インセンティブ整備 2027年目標 スタートアップ時価総額 100兆円達成 デカコーン (1兆円超) 複数創出 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 8 海外スタートアップ政策との比較 ~ 日本(本提言) vs 米国・中国・欧州(英・仏・EU諸国)~ 政策領域 ➀政府による 需要創出 ➁機関投資家 年金資金 ➂政府系投融資機関 直接・間接投融資 日本(本提言) 米国 ・重点17分野での戦略的政府調達 ・SBIR/STTR $70B超 実績 ・ SBIR 政府調達の横断的抜本強化 ・In-Q-Tel (CIA) 直近2.5年75件投資 ・政府機関×民間VC・金融機関との協調 ・DARPA 年 $4B超 ・年金基金によるオルタナティブ投資の拡大 ・CalPERS等が大規模VC投資 オルタナティブ投資 5-10% 割当 ・政府機関×民間VC協調 ・ In-Q-Tel (CIA傘下公的VC) ・政府関連機関による民間VC協調投融資 ・国防総省DIU、各省庁VC活動 ・地域VCファンドへの民間LP出資を促進する公的LP 出資の仕組の拡充 ➃融資 債務保証 ➄個人投資家資金 ・重点分野への融資の 政府債務保証拡充 中国 欧州(英・仏・EU諸国) ・ 「新質生産力」「硬科技」企業への重点支援 新質生産力: AI、半導体、量子技術、宇宙、核融合、ブ ・ EIC Accelerator 2026年 €634M ロックチェーン等、生産効率が異なる新たな産業力 ・ 補助金+エクイティ投資 硬科技: 製造業の高度化やエネルギー革命に資する ハードテック ・ 全国社会保障基金のVC オルタナティブ投資拡大 ・ 年金のオルタナティブ投資推奨 ・ Solvency II緩和議論 ・半導体産業投資ファンド 国家集成電路基金(大基金) ・ 仏: Bpifrance (政府系投資銀行) 第3期(2024~29) 7兆4000億円 (第1・2期合計額以上) ・ EU: EIC Fund直接投資 ・ 国家創業投資引導基金 (2025年12月始動 22兆円) 期限20年の忍耐資本ファンド・オブ・ファンズ。多 くの子ファンドに出資し民間資金の呼び水効果狙う 70%以上を「新質生産力」シード/アーリーSUへ ・中小企業庁(SBA)ローン保証 ・ 国家開発銀行融資 ・ EIB融資 ・ベンチャーデット市場発達 ・ 地方政府信用保証 ・ British Business Bank保証 ・エンジェル税制の抜本的拡充・簡素化(米国QSBS型)・QSBS(Qualified Small Business Stock) (連邦) ・エンジェル税制(州別) ・VCT制度創設 (英国型) 投資時税控除+運用益非課税 ・401(k)を通じてSU投資可 ・「大衆創業・万衆創新」政策~エンジェル税制~ 設立初期の「新質生産力」(特に「硬科技」 )SU への投資額の70%を課税所得から控除。利益を「新 質生産力」SUに再投資すれば課税繰延べ又は免除 ・ 英: VCT20-30%控除,EIS30% ・ 仏: PEA税優遇 ➅規制業種 許認可 ・重点分野でのSU早期ライセンス取得環境整備 ・Regulatory Sandbox ・ 「新質生産力」産業で規制緩和 ・ 英: FCA Sandbox ・サンドボックス拡充 ・州別特例ライセンス ・ パイロットゾーン ・ EU: Innovation Hub ➆大企業連携 M&A促進 ・カーブアウト/スピンアウトVC導入優遇 ・M&Aは大企業の経営戦略の中核 ・ 国有企業による買収増、軍民融合 ・ 英: R&D Tax Credit最大 25% ・CVC活発、R&D Tax Credit ・ BATH(Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei)存在感 ・ 仏: CIR(イノベーション税額控除) ➇株式市場 新興市場活性化 ➈税制 その他 ・M&A件数・金額の経営指標化 ・SUからの購入・調達の促進 ・グロース市場の各種向上策(投資家、企業、プロセス) ・ Direct Listing 実績多数 ・年金基金にグロース市場投資のマンデート付与 ・国際的に有利で魅力的な起業家税制の整備 ・2024~25年 科創板(上海)/創業板(深圳)改革 ・英国2023年年金基金改革で確定拠出型企業年金に 「新質生産力」SU優先、赤字IPO再開、 M&A活性化 非上場株・新興上場株投資のマンデート5%割当 ・ TSP/CalPERS等の公的年金に新興上場株投資のマン ・大基金/全国社会保障基金に科創板や創業板含む新興 ・ノルウェー政府年金基金で株式投資のベンチマークに デートを付与 上場株投資のマンデートを付与 小型株を組み入れ、新興上場株投資のマンデート拡大 ・ QSBS Exit時$10M 非課税 ・ ISOs優遇 ・既に日本より低い総合所得課税率と金融所得課税率 ・英: Entrepreneurs' Relief 前者: 最高45%、後者: 個人国内上場株売却益非課税 ・仏: PEA-PME優遇 ・世界進出するSUへの国内・海外VCの共同投資の促進 ・世界市場を取り込む海外SU/VCへの投資規制緩和 ・地方大学発SUと主要VC/海外VCとの接続 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 9 Appendix Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. JVCA委員会・部会体制 ベンチャー エコシステム 委員会 VCナレッジ部会 VC広報部会 ベンチャーキャピタリスト能力育成に関する活動 VC及びベンチャーの認知度向上を目指したメディアコミュニケーション活動 政策部会 規制や基準などに関する政策提言活動 LPリレーション部会 LPとのエコシステム構築に関する活動 ファンド エコシステム 委員会 オープン 大企業連携部会 ベンチャーと大企業との連携推進、CVCベストプラクティス共有に関する活動 産学連携部会 VCと大学との連携推進、大学発ベンチャー成⾧に関する活動 地方創生部会 地域のスタートアップエコシテム活性化に関する活動 グローバル部会 グローバルから学ぶ機会創出、海外各組織との連携に関する活動 イノベーション 委員会 企画部 受託事業、政府省庁対応ならびに政策提言支援活動、機関投資家対応支援活動、研修企画 コンプライアンス推進室 法令順守やコンプライアンスに対する意識向上に関する活動 ダイバーシティ・エクイティ &インクルージョン室 業界のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進に関する活動 Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 11 活動方針(2025-2026) VCが我が国の新産業創出の牽引者となり、多様で持続可能なスタートアップエコシステムの実現に 貢献する 1.資金供給の促進 4.グローバル展開の加速 2.イノベーションと多様性の促進 5.データの整備と活用 投資マネーの更なる供給の拡大に向けて、ファン ドパフォーマンスの可視化と十分な投資成果の創 出を通じて、民間(機関投資家/事業会社)、公 的部門、海外投資家からの多様な資金循環を加速 させる。 スタートアップと大企業双方の企業価値の最大化 を目指し、両者による共創やM&A等を通じたイ ノベーションの創出を図るとともに、スタート アップエコシステムにおける多様性を促進する。 日本から世界で通用するメガベンチャーを数多く 創出するべく、海外のベンチャーキャピタル/機 関投資家/事業会社/スタートアップ/人材とも戦 略的に連携し、日本のスタートアップのグローバ ル展開を加速する。 ベンチャーキャピタルやスタートアップが日本の GDP/雇用/所得に与える経済的インパクトを可視 化することをはじめ、データ基盤を整備して政策 や施策に活用する。 3.M&Aや株式市場等の環境の高度化 スタートアップの成⾧機会の拡大に向けて、ス タートアップや大企業によるM&Aの活性化を推 進するとともに、株式市場の高度化とセカンダ リー市場の充実を図る。 Copyright© Japan Venture Capital Association all rights reserved. 12 JVCAが目指すところ JVCAが目指すところ 2027年までに、 上場・非上場含むスタートアップの株式時価総額の 合計額を100兆円規模とする Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 13 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB 5階 ■TEL:03-6432-4667 ■FAX:03-6432-4664 東京メトロ日比谷線 神谷町駅から 徒歩1分 東京メトロ南北線 六本木一丁目駅から 徒歩10分 ■E-mail:jimukyoku@jvca.jp ■Homepage:http://www.jvca.jp ※お問い合わせ等ございましたらお気軽にご連絡ください リモートワークを併用しておりますのでメールでご連絡をいただけますと幸いです Copyright © Japan Venture Capital Association all rights reserved. 14

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資料9 スタートアップ政策推進分科会 議論用資料 2025.02.04 レオス・キャピタルワークス株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1151号 加入協会:一般社団法人 投資信託協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会 起業家支援の重要性 【日本列島を強く、豊かに。】 挑戦する人、頑張る人とは、 まさに「起業家」  挑戦する人が評価され、頑張る人が報わ れ、困ったときには助け合い、安心して 家庭を持ち、夢を持って働ける国へ。 地域まで行き届く起業家への支援強化が 必要ではないか? ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 2 3つのテーマと取り組むべき課題 本日のテーマ 3つのテーマ 取り組むべき課題 ①スタートアップの資金循環  レイター・新興市場への資金流入を促す政府主導 の後押し ②ディープテックを どうやって育成するか ③ローカルスタートアップの育成  好循環、持続可能性を生むための投資の主体性、 当事者意識の醸成  地方を中心とした国主導の明確な目標の設定。具 体的なアイデアを基にした雰囲気醸成  中長期目線での人材育成、マインド醸成 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 3 現状認識:東証3市場のなかで、グロース市場が低迷 TOPIX主導 スタンダード 追随 グロース 劣後 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 4 現状認識:東証3市場でのIPO・上場廃止の状況  2025年にIPO件数は減少。反対に、上場廃止は大幅増加。 (社) 150 100 123 92 30 29 50 0 ▲ 50 63 2020年 ▲ 57 93 87 88 17 23 80 17 70 65 63 2021年 2022年 2024年 ▲ 86 ▲ 77 2023年 ▲ 61 ▲ 94 60 19 41 2025年 ▲ 125 ▲ 100 ▲ 150 IPO(Growth) IPO(Prime, Std) 上場廃止 出所)JPX上場会社情報よりレオス・キャピタルワークス作成 ※上場社数はテクニカル上場を含まない。廃止数は「上場廃止銘柄一覧」より集計している。 ※2023年以前は、マザーズへのIPOをIPO(Growth)、市場第一部、市場第二部、JASDAQへのIPOをIPO(Prime, Std)として集計 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 5 現状認識:TOKYO PRO MarketでのIPOの状況  IPO件数は徐々に増加しつつあり、直近2年では50社前後が上場している。 (社) 60 50 40 30 50 20 32 10 0 46 10 13 2020年 2021年 出所)JPX上場会社情報よりレオス・キャピタルワークス作成 21 2022年 2023年 2024年 2025年 TPM ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 6 現状認識:日米のベンチャーキャピタル投資先ステージ  日本では、本来より大きな金額を必要とするはずのレイターステージへの投資金額が少ない。 100% 90% VC投資先ステージ別投資金額(構成比) 18.0% 80% 70% 60% 50% 40% 66.4% レイター 26.2% アーリー 7.4% シード 68.2% 30% 20% 10% 0% 13.8% 日本 米国 出所 : 一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書2025」掲載情報に基づきレオス・ キャピタルワークス作成。 ※米国(2024年):出所分類のうち「プレシード/シード」を「シード」、「アーリー」を「アーリー」、「レイター」「ベンチャーグロース」を合わせて「レイター」として集計 ※日本(2024年度):出所分類のうち「シード」を「シード」、「アーリー」「エクスパンション」を合わせて「アーリー」、「レイター」を「レイター」として集計 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 7 現状認識:未上場市場における資金調達動向  50億円以上の資金調達規模での資金調達額は、過去5年で概ね横這いにとどまる。 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 8 目指すべき姿(案) 「挑戦する人が評価され頑張る人が報われる」を体現する目標設定が重要  新興市場の市場規模 ☞東証グロース市場 時価総額 20兆円  新興市場への資金流入目標 ☞非課税投資枠等により、年間1兆円  IPO数 ☞プロマーケット 年間100社、東証グロース市場 年間70社 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 9 資金循環に関する政策対応(案)  非課税投資枠の追加創設、 エンジェル税制の拡充   クロスオーバー投資、 上場投資法人の推進   グロース市場と連動した プロマーケットの活性化 未上場セカンダリーの促進    新興市場への1兆円の追加資金流入を生むためにも日本国債・日本国内株・グロース市 場・クロスオーバー投資に投資をする投資信託やベンチャー上場投資法人などを含め て日本国内投資を進める「未来日本投資枠」(120万円)の追加創設 リスクある未上場投資のリスク分散を可能とするファンドを通じた投資を円滑化する ためのエンジェル税制の拡充(税制対象のファンドの投資要件の制限緩和(当年→5 年以内) 資金不足が顕著なレイターステージ投資の「クロスオーバー投資」「ベンチャー上場 投資法人」等を通じた充実(50億円以上規模での未上場資金調達額を、年間2,000億円 から5,000億円へ)。そのために必要となる環境整備の充実。クロスオーバーファンド の未上場部分部分をファンドの15%から20%へ。 地域での資金循環をより活発化させる地域由来の上場株も入れた「地域版クロスオー バーファンド」の組成推進 グロース市場と一体となった市場環境整備を通じたベンチャー企業の企業価値向上 (含むバリュエーション向上)、資金調達環境の充実。グロース市場の時価総額を倍 増(9兆円から20兆円)へ グロース市場につながる東京プロマーケットの活性化、そのための流動性を高める制 度改革。東京プロマーケットへの各都道府県一社の上場目標設定(「東京プロマー ケット甲子園」) 上場前の事業売却環境整備を通じたシリアルアントレプレナーの育成 これを可能とする1,000億円規模の官民連携セカンダリーファンドの創設。促進税制創 設等による支援 ※後述の「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご確認ください。 10 当資料のお取扱いにおけるご注意   投資信託のお取引は、金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として損失が生 じることとなるおそれがあり、基準価額の下落により元本欠損が生じる可能性があります。信託財産に生じた利益および損 失は、すべて投資者に帰属します。投資信託は、預金等や保険契約とは異なります。 当資料は、スタートアップ政策推進のための情報提供資料としてレオス・キャピタルワークスが作成したものです。投資信 託のお申込みにあたっては、事前に販売会社よりお渡しする「投資信託説明書(交付目論見書)」の内容を十分にお読みに なり、ご自身でご判断ください。  当資料は作成月における信頼できる情報に基づき作成しておりますが、内容の正確性・完全性を保証するものではなく、ま た記載されている内容は予告なく変更される場合があります。  当社の許可なく、当資料を加工、複製及び再配布することはできません。 作成:2026年2月 11

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資料10 真にイノヴェーションに資するスタートアップ推進に向けて 室伏政策研究室 代表 政策コンサルタント 室伏謙一 令和8年2月4日 イノベーヴェーションとスタートアップを巡っては多くの誤解が 存在 イノヴェーション の起源について の誤解  スタートアップがイノヴェーションの源泉である  VCはリスクを取ってスタートアップを育成し、イノ ヴェーションを牽引する  政府は経営のことが分からないどころか、実際の 経済のことも分からない  政府には目利き力がない イノヴェーション  政府にはイノヴェーションを牽引する能力はない における政府の  政府はリスクを取ろうとしない 役割をめぐる  政府は硬直的で状況今日の変化に柔軟に対応 誤解 できない  決定に時間がかかりすぎてビジネスの速度につ いて行くことができない © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. 2 イノヴェーション、スタートアップを巡る実際 1 政府が推進すべきスタートアップ:大学等の研究機関における中長期的な研究 の結果として生まれた技術等を商用化して市場に出すに当たり設立されるもの。 2 スタートアップ推進の目的はその技術や製品を継続的かつ安定的に供給する ことであって、設立自体や規模拡大のための規模拡大が目的ではない 3 我々がヴェンチャー企業、スタートアップ企業が起こしたイノベーションだと思っ ているものは、ほとんどというより全てが、政府による投資と支援と保護の産物 4 イノヴェーションにまず必要なのは、スタートアップでもVCでもなく、そのための 金融市場の整備でもなく、政府の長期・大規模・計画的な支援 5 スタートアップ、起業は経済が成長し、需要が増えている時であって、スタート アップが増えれば成長するわけではない 6 VCの役割はヴェンチャーの支援ではなく、リスクの少ない段階かつ商業化のメ ドが立った段階で出資等することの方が多い(リスクを取るのは政府) © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. 米国の政府による長期・大規模・計画的投資の仕組み 4 国防高等研究計画局 (DARPA) 中小企業技術革新研究 プログラム (SBIR) 稀少疾病用医薬品開発 (Orphan drugs) 国家ナノテクノロジー・ イニシアティヴ (NNI) © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. イノベーション、技術開発における国の役割(米国を例に) 米国政府による研究・開発支援・投資 米国政府による実用化支援 VC © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. 5 米国の政府による長期・大規模・計画的投資の仕組み 国防高等研究計画局 (DARPA)  ソ連のスプートニク打ち上げ成功に対する危機感から設置。  目先ではなく、芽が出るかどうかも分からない、成功するのかどう 6 かも分からない、長期的な技術開発への資金供給のみならず、新 技術機関の設立支援、コンピュータと人間のインターフェイスの研 究支援、インターネット技術開発・管理、パソコンの基礎技術開発、 コンピュータサイエンス学部の設立支援、専門人材のネットワーク 化、必要な最新のマイクロチップを無料で利用可能に © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. アップル社のiPhoneを例に 「実際、iPhoneの裏にある技術で、公的研究費以外で実現したもの は一つもない。」 (マリアナ・マッツカート『企業家としての国家』より)  完成品としてのiPhoneは確かにジョブスの作品であり、Apple社 の製品である。あのカッコいいデザインについてもまたしかり。  ここに使われている技術、iPhoneをiPhoneたらしめている技術は ジョブスの発明ではないし、その開発にも全く関わっていない。  アップル社は新技術開発に集中的に尽力したのではなく、既にあ る技術の巧妙な組合せと製品デザインに注力 (前掲同書より) © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. 7 iPhoneを構成する主なコア技術はこうして開発された ICチップ  ベル研究所、フェアチャイルドセミコンダクター社、インテル等 が製造販売。初期は高額でとても販売できなかったが、米空 軍(ICBM用)とNASA(アポロ計画用)が継続的に調達、製造 コストを低減させ、一般利用・流通を可能ならしめた。  日本が半導体の生産・開発で世界をリードしていることに危 機感を持ち、戦略的コンピューティングイニシアティブを開始、 1983年から1000億円以上投資、更に半導体製造技術コン ソーシアムを設立し、関係企業や大学等の研究機関をネット ワーク化、毎年120億円の財政支出。 タッチパネル  英国ロイヤル・レイダー・エスタブリッシュメント+欧州原子核 研究機構+ケンタッキー大学+オークリッジ国立研究所(米 国)、これらの研究機関での研究の成果の積み重ねの結果。  これをマルチタッチスクリーンにしたのは米国デラウェア大学 で、国立科学財団(NSF)とCIAの研究奨学金プログラムによ る支援を受けた研究者。その後フィンガーワークス社としてス ピンアウト、最終的にアップルが買収。 © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. iPhoneを構成する主なコア技術はこうして開発された インターネット  核戦争時の情報通信網の分散化のために当時は空軍の組 織だったランド研究所を中心に開発  これに必要なコミュニケーションプロトコル、OSとしてのUNIX、 e-mailを研究支援を通じて開発 HTML, HTTP等 英国の研究者が開発、欧州原子核研究機構で実装 GPS   SIRI   世界中の地理情報のデジタル化のために米国国防省が開発、 民間にも利用開放 システムの維持・向上に米国空軍は年間800億円投資 軍の仮想アシスタントシステムとしてDARPA主導で全米の 20の大学と共同で開発 その後スピンアウトし、またアップルが買収 © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。. iPhoneを構成する主なコア技術はこうして開発された 液晶画面  先行する日本への危機感(日本から購入せざるを得なくなる ことへの危機感。)から、国防省の100%支援でウェスティン グハウス社で開始。  しかし途中で社の判断で中止したため開発責任者がアップル も含め出資者等を探ったが全て門前払いで、最終的に DARPAが完成品を9億円で買うと契約してマグナスクリーン 社を設立し完成に漕ぎ着けた。 アップル社 自身が・・・  アメリカ政府と米軍が資金を供給して開発した技術を利用  技術開発のみならず、企業としての成長の初期段階で政府 の直接株式投資(政府による株式保有)を受け、政府による 調達(需要の創出)、税制上の優遇措置、海外進出支援等も 受けていた 実は Googleも・・・   インターネットやパソコンにつながる技術がなければ設立し得 ない 国立科学財団からの補助金がによってGoogleのアルゴリズ ム、つまり同社のビジネスの核となる技術を開発した。 © 室伏政策研究室 無断転載等を禁じます。.