議事録
2025-12-12
AI時代の知的財産権検討会(第10回)
12時00分~14時00分
○福田参事官
事務局でございます。定刻となりましたので、会議を開催させていただき
ます。
傍聴される方々におかれましては、会議の様子のスクリーンショットや録音・録画は御
遠慮くださいますようお願いいたします。
本日は、多少、途中で退室される方、あるいは途中から来られる方がいらっしゃいます
が、全委員が出席の予定でございます。
本検討会は、渡部俊也委員に座長をお願いしておりますので、ここからの議事の進行を
渡部座長にお願いいたします。
○渡 部座 長
た だい ま から 、第 10 回「 AI時 代 の知 的財 産 権検 討会 」 を開 催 い た しま す。
本日は、御多忙のところ、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
初めに、事務局から本日の会議資料の確認をお願いいたします。
○ 福田 参 事 官
本 日 の 配 付資 料 で ご ざい ま す け れど も 、 資 料1 「 第 9 回AI 時 代 の 知的 財
産 権検 討 会
議事 要 旨 」 、そ れ か ら 、資 料 2 「 AIの 適 切 な 利活 用 等 に 向け た 知 的 財産 の
保護及び透明性に関するプリンシプル・コード(仮称)(案)」のほか、参考資料1-1
から1-4を配付しております。
以上です。
○渡部座長
ありがとうございました。
それでは、早速でございますが、本日の議事に入らせていただきます。
最初に、資料1、資料2について、事務局より説明をお願いいたします。
○福田参事官
それでは、御説明いたします。
前回第9回においては、適切な財産の保護と活用につながる透明性の確保の在り方とし
て、任意のガイドラインによる取組を推進する可能性等につきまして審議を行ったところ
でございます。これらの審議につきましては、第8回の議事録、それから、前回第9回の
議事要旨が既に公開されているところでございます。
これ ら の 議 論を 踏 ま え 、今 回 、 資 料2 の と お り 「 AI の 適 切な 利 活 用 等に 向 け た 知的 財
産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード(仮称)(案)」を事務局において作
成いたしましたので、御議論いただきたいと考えております。
まず 、 こ の 画面 で ご ざ いま す け れ ども 、 表 題 は 「 AI の 適 切な 利 活 用 等に 向 け た 知的 財
産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード(仮称)(案)」としたところでござ
います。
次に「1.総論」の「(1)基本的な考え方(目的)」として、この文書は、いわゆる
AI法の趣旨を踏まえつつ、 EUのAI Actにおける取組及びコーポレートガバナンスの分野
に おけ る ス チ ュワ ー ド シ ップ ・ コ ー ド 等 の 取 組 を参 考 に 、 AI 事 業 者 が 行う べ き 透 明性 の
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確 保あ る い は 知的 財 産 権 保護 の た め の措 置 の 原 則を 定 め 、 もっ て AI 技 術の 進 歩 の 促進 と
知的財産権の適切な保護の両立に向け、権利者や利用者にとって安全・安心な利用環境を
確保することを目的とするとしたところでございます。
次に 「 ( 2 )こ の 文 書 の適 用 を 受 ける 対 象 」 とい た し ま して 、 ま ず 、こ の 文 書 は、 AI
開発 者及 びAI 提供 者( これ らを 総称 して 「 AI 事業 者」 とい う) に 適 用さ れる もの とす る 。
その定義は以下のとおり、今、画面にあるとおりでございます。明確化の観点で言えば 、
一 の法 人 ま た は個 人 が 保 有す る デ ー タを 用 い て 、そ の 者 の みが 使 用 す るAI シ ス テ ムを 提
供 する 者 は 、 ここ で 言 う AI開 発 者 に は含 ま れ な い 。 ま た 、 同様 の 形 で 、こ う い っ たよ う
な者に関しては提供者には含まれないというように整理をしたというところでございます。
なお 、日 本 国内 に本 店 また は主 た る事 務所 を 有し ない AI 事業 者で あ って も、 AI シス テム
や AIサ ー ビ ス が日 本 に 向 け提 供 さ れ てい る 場 合 には 、 こ の 文書 の 適 用 を受 け る も のと し
たところでございます。
次に 「 ( 3 )こ の 文 書 が採 用 す る 手法 」 と い たし ま し て 、ま ず 、 こ の文 書 は 、AI 事 業
者、それから、その利用者及び権利者が置かれた状況やそれぞれの意向等も踏まえ制定さ
れた もの で あり 、そ し て 、 AI事 業 者に 対し て 、 AI 事業 者 に帰 属す る 情報 の強 制 的な 開示
を求めるものではなく、以下に示す原則についてコンプライ・オア・エクスプレインの手
法により対応を求めるものである。コンプライ・オア・エクスプレインの手法とは、原則
を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するよう求める手法である。すなわ
ち、以下に示す原則の中に、自らの個別事情に照らし実施することが適切でないと考える
原則があれば、それをすなわち実施しない理由を十分に説明することにより 、一部の原則
を実施しないことも想定しているというところでございます。ただし、当然のことながら 、
AI 事業 者 は 、 当該 説 明 、 エク ス プ レ イン を 行 う 際に は 、 実 施し な い 原 則に 係 る 自 らの 対
応について、利用者や権利者の理解が十分に得られるよう工夫すべきである。なお、原則
を実施しつつ、併せて自らの具体的な取組について積極的に説明を行うことも、利用者 や
権利者から十分な理解を得る観点からは有益であると考えられるとしたところでございま
す。
次に「(4)この文書の受入れ状況の可視化」といたしまして、まず、この文書の受入
状 況を 可 視 化 する た め 、 以下 に 示 す 原則 を 受 け る AI 事 業 者 に対 し て 、 次の 事 項 を 期待 す
る。まず、内閣府知的財産戦略推進事務局は、この文書にのっとったコンプライ・オア・
エクスプレインに係る参考様式を作成し、届出のあった事業者の一覧及び当該事業者が記
載あるいは公表した参考様式等へのリンクなどを公表するとともに、関係省庁や関係団体
の協力の下、積極的な届出を各業界に対し促すものとする。ただし、知財事務局は当該届
出の内容について審査を行うものではなく、第三者からの照会等についても回答しないと
しております。
次に「2.この文書が示す原則及び例外」ということでございます。まず【原則1】で
ご ざい ま す 。AI 事 業 者 は 、自 ら の 管 理及 び 運 用 する コ ー ポ レー ト サ イ ト そ の 他 こ れと 同
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等の機能を有するウェブサイトにおいて、次の(1)及び(2)に定める各事項 、この開
示対象事項の概要を開示し、利用者及び権利者を含めた全ての者が閲覧可能な状態にする。
まず「(1)透明性確保のための措置」として、アの使用モデルの関係。一つ一つは読
み下しませんけれども、ここにあるようなもの。それから、イの学習データ関係、ウのア
カウンタビリティー関係。
次に「(2)知的財産権保護のための措置」で、次の各事項への対応状況について開示
するものとする。こちらは、まず、適切な権利遵守運用を実現するため、会社として知的
財産権保護のための原則を策定し、責任体制を明確化するとともに、年1回以上これを見
直 し、 そ の 要 旨を 外 部 に 公表 す る こ と 。 次 に 、 AIの 開 発 ・ 学習 等 も 含 めた デ ー タ の活 用
に関しては、他者の知的財産権を侵害しないこと。それから、ペイウオール等のアクセス
制限の尊重やrobot.txt等の機械可読な指示に従うクローラーの採用等に取り組むこと。
加えて、権利者による適切な措置のため、ユーザーエージェントごとに上記の措置を公開
し、変更時には通知すること。次に、学習したログを一定期間保持していること。いわゆ
る海賊版サイトなどへのクロール回避に取り組むこ と。知的財産権を侵害する生成物の生
成を防止する技術的措置を講ずること。それから、利用者に対して、生成物が他者の知的
財産権を侵害するものと考えられる場合には、これを利用すべきでない旨を周知するこ と。
次に 、 電子 透 かし 、 C2PA その 他 のコ ン テン ツ の 出所 や 来歴 を 証明 す る よう な 技術 を 可能
な限り実装すること。そして、権利者の適時適切な救済を確保するため、 既存の体制を活
用することも含め、適切な窓口を整備し、申出要件を可能な限り明確化するとともに、そ
の対応記録を保存することとしたものでございます。
細則 と し て 、先 ほ ど 冒 頭に も あ り まし た が 、 AI事 業 者 が 自ら 進 ん で 開示 対 象 事 項の 詳
細を明らかにしておくことを妨げるものではないということ。それから、これも先ほどあ
りましたが、開示すべき概要に係る記載の程度については、別途知財事務局が開示する参
考様式を参照されたいとしたところでございます。
【原則2】でございます。自らの権利または法律上保護される利益の実現のために訴訟
提起、調停申立て、ADRその他の法的手続を現に行い、または法的手続の準備をしている
者から、開示対象事項について詳細の開示の求めがあった場合において、当該要求が次の
事 項を 満 た す とき は 、 AI 事 業者 は 、 当 該要 求 に 係 る開 示 対 象 事項 の 詳 細 及び 要 求 に 対す
る AI事 業 者 と して の 意 見 を開 示 す る とい う も の でご ざ い ま す。 こ の ① ~④ の と お りで ご
ざいます。
細則として、原則2が示す開示要求の典型例は次のとおりということで 、この2つの■
が ござ い ま す 。そ し て 、 ①に 定 め る 「理 由 」 の 程度 に つ い ては 、 要 求 を受 け た AI 事業 者
において「自らの権利又は法律上保護される利益の実現のために訴訟提起、調停申立て、
ADRその他の法的手続を現に行い又は法的手続の準備をしている者」 に該当すると信じる
に足りる理由を示すことが求められる。次に、本原則では、開示対象事項の開示を求める
者 の権 利 ま た は法 律 上 保 護さ れ る 利 益の 実 現 に 支障 を 来 す こと の な い よう 、 AI 事 業者 に
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おいて可能な限り詳細かつ分かりやすい開示を行うための努力を払うことが求められる。
また、開示が求められた学習データ等が営業秘密に該当すると考えられる場合などにおい
て も、 ま ず は 真摯 に 検 討 、協 議 す る こと が 期 待 され る と し てお り ま す 。次 に 、 AI 事業 者
において、技術的課題やコスト等を踏まえ、合理的判断 の下、過大な負担を回避すべく、
開示対象事項の開示に係る対応方針を自ら明確化し公表することが望ましい 。このような
多様なコンプライ・オア・エクスプレインの蓄積により、優れた取組を行っている事業者
に対 し、 市 場原 理に 基 づく 評価 が 適切 にな さ れる こと が 期待 され る ほか 、 AI 事 業者 ・ AI
利用者及び権利者の間の相互理解が深まることが期待される 。
次に、原則2の実施に際しては、一定の手数料を設定したり、例えば1回当たりの要求
に係る開示対象事項を5つまで、あるいは同一人からの照会を1週間当たり1回までに制
限するなどの回数制限を設けたりする等の濫用的な要求を防止する措置を講ずることが考
えられる。ただし、開示の要求を萎縮させ、困難にし、また は諦めさせるような手数料あ
るいは回数制限を設ける等の措置を取らないよう留意が必要である。次に、開示対象事項
を開示する時期については特定のルールを定めるものではないが、開示対象事項の 開示を
求める者の権利または法律上保護される利益の実現に支障を来すことのないよう、合理的
期 間内 に 速 や かな 開 示 を 行う た め の 努力 を 払 う こと が 期 待 され る 。 次 に 、 AI シ ス テム ま
た はAI サ ー ビ スを 公 衆 に 提供 す る 者 とし て の 説 明責 任 を 果 たす 観 点 か ら、 本 原 則 を実 施
する体制構築ができていないことを述べるだけではエクスプレインとして不十分とし、自
社の事業規模等を勘案しつつ、当該体制構築が完了する時期を適切に説明するものとする
としたところでございます。
【原 則3 】でご ざい ます。 AI事 業者の 提供 する AI シス テムま たは AIサ ービス を用 いて
映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピューターゲームその他の
文字、図形、色彩、音声、動作もしくは映像もしくはこれらを組み合わせたもの、または
これらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラムを生成した 者から、以
下①~④記載の事項を示した上で、以下、④のURLのドメインがAI事業者の提供するAIシ
ス テム ま た はAI サ ー ビ ス の学 習 対 象 に含 ま れ て いる か 否 か に関 す る 開 示の 求 め が あっ た
場合 には 、 AI事 業者 は 、当 該要 求 に係 る事 項 の詳 細及 び 要求 に対 す る AI 事業 者 とし ての
意見を開示するとするものでございます。
細則として、原則3が示す開示要求の典型例は、次のとおり、下の■のとおりでござい
ま す。 本 原 則 では 、 開 示 を求 め る 者 のAI 生 成 物 の利 活 用 に 支障 を 来 す こと の な い よう 、
AI 事業 者 に お いて 可 能 な 限り 詳 細 か つ分 か り や すい 開 示 を 行う た め の 努力 を 払 う こと が
求 めら れ る 。 「ま た 」 以 降は 先 ほ ど の原 則 2 と 同様 で ご ざ いま す 。 そ の下 の 、 AI 事業 者
において、技術的課題やコスト等を踏まえ、合理的な判断の下、過大な負担を回避するべ
く、開示に係る対応方針を自ら明確化して公表することが望ましい。これも以下 は原則2
と同様でございます。
次に、原則3の手数料云々のところも原則2と同様でございます。その下の以下2つも
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同様でございます。
次に「(2)この文書が示す原則に対する例外」。つまり、原則1~3の例外として、
AI事 業者 の 中に は、 オ ープ ンソ ー スソ フト ウ エア を用 い て AI シス テ ムを 開発 し 、ま たは
AI サー ビ ス を 提供 し て い る 者 も 存 在 して い る 。 これ に よ り 、開 示 対 象 事項 の 一 部 に開 示
及び説明のいずれも行うことが困難な場合も存在し得ることが想定されるため、この 文書
は次の例外を定めるとしたところでございます。
以下、例外の中身は、この下にあるとおりでございます。ちなみに、この原則1ないし
3というものは、いわゆる法律用語で言うところの「ないし」でございますので、原則2
も含む。つまり、原則1~3全てという意味に対する例外ということでございます。
次に「(3)『エクスプレイン』を選択した場合に関する留意事項」といたしまして、
AI 事業 者 が 本 原則 の 全 部 また は 一 部 につ い て 実 施せ ず 、 そ の理 由 を エ クス プ レ イ ンす る
と して も 、 AI 技術 の 進 歩 の促 進 と 知 的財 産 権 の 適切 な 保 護 の両 立 に 向 け、 利 用 者 にと っ
て安全・安心な利用環境を確保するという本文書の目的に鑑み、実施しない原則に係る自
らの対応について、利用者や権利者の理解が十分に 得られるよう工夫すべきである。なお、
この文書の定める各原則を実施することを表明していた場合であっても、利用規約等の規
定に基づき開示対象を絞るなど、実質的にこの文書の定める各原則を実施していないと評
価できる場合には別途エクスプレインを要する。明確化を期するため付言すれば、契約ま
たは利用規約において、この文書の示す原則の適用 を撤廃または制限する規定が存在して
いるということを示すだけではエクスプレインとしては不十分であって、なぜ当該規定を
入れ撤廃または制限をしているのかということを説明することを要するとしたものでござ
います。
最後「(4)その他の事項」といたしまして、政府においては、各事業者の公表内容や
具体的な取組の状況等を評価し、政府が実施・運用する各種の事業や制度等において、一
定 のイ ン セ ン ティ ブ を 設 ける と い う こと も 期 待 され る 。 ま た、 こ の 文 書は 、 AI 事 業者 に
よる対応の状況、あるいは国際的な取組の動向等を勘案し、必要があると認めるときは、
その結果に基づいて改訂を行うものとしたというところでございます。
事務局といたしましては、本日、委員の皆様方の一定の御理解をいただければ、本文書
(案)を、手続上、任意のパブリックコメントに付する方向で調整を進めたいと考えてい
るところでございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○渡部座長
ありがとうございました。
ただ い ま の 事務 局 説 明 及び 資 料 2 の 「 AI の 適 切な 利 活 用 等に 向 け た 知的 財 産 の 保護 及
び透明性の確保に関するガイドライン」に関する御質問・御意見等を含め、御発言をお願
いしたいと存じます。残り、最後までの時間、御意見を賜ることに使いたいと思います。
なお、本日、早く退室されると伺っている委員お二方がおられますので 、先にお二方の
委員から御発言いただければと思います。
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最初、佐渡島委員、いかがでしょうか。
○佐渡島委員
基本的な方針に関しては、全く問題ないかなという ふうに感じました。あ
とは、ただ、このような主張というものがどういうふうにしっかりと実行されていくのか
というところ、様々な事業者の人たちがどうやって守るのかというところをどう現実的に
するのかということが大きな課題だというふうに感じます。
や はり 今日 、大 きい ニュ ース にな って いま すけ れど も 、 ディ ズニ ーと OpenAI が 組む と
い うこ と が 発 表さ れ て い まし た け れ ども 、 日 本 のコ ン テ ン ツと い う も のが AI と ど のよ う
に協調していくのかということは正直、ディズニーレベルの事業者も国内になければ
OpenAIとか Googleレベ ルの事業者も国内にないというところで交渉力を持たない。日本
のエンタメの世界で圧倒的に優れているというふうに言われていて、宝庫だというふうに
言 われ て い て も、 AI 事 業 者と 交 渉 力 を持 ち 得 な い規 模 の 会 社だ っ た り 交渉 す る よ うな 団
体 が存 在 し な い中 で 海 外 の AI と い う もの が 圧 倒 的な 力 を 持 って く る と 、日 本 の エ ンタ メ
の力というものが弱まるのではないかなというふうに思っていまして、今回のこのプリン
シ プル ・ コ ー ドに 関 し て は大 賛 成 な ので す け れ ども 、 日 本 のエ ン タ メ と AI に 関 し ては ど
のような対応を取っていくのかということは、議論をかなりしていき、リードする人たち
の存在が必要になるのではないかという危機感を何か感じています。
以上になります。
○渡部座長
ありがとうございます。
もうお一方、早く退室されるということで、中原委員、お願いできますでしょうか。
○中原委員
前回欠席しましたために、検討会における議論を正確に把握していない可能
性もありますけれども、議事要旨等を見て私なりにフォローしたつもりでおります。その
ことを前提に、今回お示しいただいたプリンシプル・コード(案)についてコメントさせ
ていただきます。
この コ ー ド (案 ) が AI 事 業者 に 対 し て具 体 的 に 求め て い る のは 、 以 下 の3 点 で あ ると
理解しています。すなわち、第1に、2ページ(4)にあるように、このコードを受け入
れる旨及び各原則の実施の採否を一般向けに表明するとともに、内閣府に届けるというこ
と。第2に、3ページから4ページの原則1にあるように、開示対象事項の概要を一般向
けに開示するということ。第3に、5ページから6ページの原則2、あるいは7ページか
ら 8ペ ー ジ の 原則 3 に あ るよ う に 、 開示 対 象 事 項の 詳 細 及 び AI 事 業 者 とし て の 意 見を 具
体的な開示請求者に対して開示することです。コンプライ・オア・エクスプレインという
方針は、以上の3つ、いずれにも妥当して、エクスプレインの内容というものは、第1点
であれば、なぜ、このコードを受け入れないのか、なぜ、特定の原則を実施しないのか。
第2点であれば、なぜ、特定の事項を一般向けに開示しないのか。第3点であれば、なぜ、
特定の事項を当該開示請求者に対して開示しないのかなどを説明するということにあるの
だというふうに理解しています。
前回、こうしたガイドラインを定めることに対しては、中小企業あるいはスタートアッ
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プ企業などに過度な負担となることを懸念する御意見があったものと理解しておりますけ
れ ども 、 個 人 的に は 、 こ のコ ー ド ( 案) が 定 め てい る こ と 自体 は 、 AI 事 業者 と し て ごく
基本的な要請であると思われること、それから、エクスプレインによる不都合回避の可能
性を用意されていることから、事業の規模であるとか新規性 であるとかを問わずにこのよ
うなコードを定めることは正当であると考えております。ただ、いかなるエクスプレイン
を すれ ば 十 分 なの か 、 AI 事 業者 が 認 識 する こ と が でき る よ う にす る 必 要 があ り 、 今 後、
参考様式等の策定・提示を通じて具体的に示すということが重要であると思います。
コードの規定内容が適切だとしても、コード自体の実効性をいかに高めるか が重要な問
題であるということは言うまでもないものと思います。何といっても、国外の事業者にい
かに守らせるかが課題であり、国内の事業者と不公平感が生じないように周知の策を講じ
ること、それから、このコードを遵守するということの現実的なメリットを具体化してい
くこと、いずれも今回の案の中で強調されている点かと思いますけれども、現実に実現し
ていくことが必要であると思います。
さらに、今回のコードはごく基本的な要請を示すにとどまるもので、言わば第一歩を示
すものでしかないと思いますので、このコードの遵守状況、運用状況等を精査して、さら
に、内容が補完・追加されていく可能性があり得る、その際に、実施することが 高度に要
請される事項、実施することが望まれる事項、実施することが期待される事項とか、そう
いうようなレベル分けをすることも考えられることなど、今後の展開可能性を見据えた文
言を入れるのが望ましいように思います。同様に、将来の法令による規制可能性、 すなわ
ち、差し当たりガイドラインとして定めるものにすぎず、しかし、将来的に法令によって
規制するということも排除されるわけではないということなども確保できるような形にす
るのがよいと思います。
具体的な規律に関して一元すると、原則3は、自己の行為による権利侵害を危惧する利
用者からの開示請求に係るものであるのに対して、原則2は、自己の権利を侵害されたの
ではないかと考える権利者からの開示請求に係るものである点で、より切迫した状況を規
律するものであると思います。しかるに、この原則2の規律場面においては、開示請求者
た る権 利 者 と 、そ れ か ら 、開 示 を す る AI 事 業 者 の利 害 が 鋭 く対 立 す る こと も 想 定 され ま
す 。例 え ば AI 事業 者 を 共 同不 法 行 為 者で あ る と か侵 害 主 体 その も の で ある と か い って 損
害賠償を請求する場面での活用が想定されます。そういった場面 では、他方で民事訴訟に
おける証拠開示の規律があるわけで、それとの調整をどのように図っていくのか。つまり、
この原則2に係る開示請求に対する不開示理由として対立関係があるということが言える
のかとか、あるいは原則2に係る開示を実施しないこと 、すなわち、そういう場合には、
対立関係がある場合には開示を実施しないことをあらかじめ定めるということが許される
の かと い う よ うな 問 題 が ある と 思 い ま す 。 そ の よう に 開 示 請求 す る 者 とAI 事 業 者 との 関
係で利害が対立するという状況も、今回定められている事柄に関する限りではあまりない
のかもしれませんけれども、コードを発展させていくということがあり得るとすれば、考
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えていかなければいけないのではないかと思いました。
以上です。
○渡部座長
ありがとうございます。
それでは、あと、御発言をどなたからでもいただければと思います。いかがでしょうか。
岡田委員、お願いいたします。
○岡田(淳)委員
岡田でございます。まずは、このような短期間でプリンシプル・コー
ドの具体的なたたき台を作成してくださったことに本当に感謝を申し上げます。
前回も少し申し上げましたけれども、まずは法的拘束力がないということを前提としつ
つも、企業の社会的責任を踏まえて、プリンシプル・コードのような形で透明性を求めて
いくというアプローチ自体は、コンテンツホルダーだけではなくて、真面目に 取り組んで
い るAI 事 業 者 にと っ て も 信頼 性 を 高 める と い う 意味 で 大 き な前 進 と い うふ う に 評 価を し
ています。もちろん、実効性等の問題はありますし、課題を1つずつ潰していく必要はあ
るのですけれども、どの事業者がどの程度コンプライ・オア・エクスプレインをして、ど
の事業者が無視しているのかという点も含めて、可視化をしていくということ自体が 、将
来的に、仮に法規制を検討する場面が生じた場合などにも、潜在的な立法事実としての意
味合いも含め、重要な材料として蓄積をされていくのではないかと思っております。その
上で、私から5点ほど申し上げたいと思います。
1点目として、まず、今回の取組は、法的に言うと任意の取組になってくるので、やは
りどれだけできるだけ多くのキープレーヤーがこれに則って活動するという実績を広めて
いけるかということが非常に重要になってくると思っています。そういう意味では、対象
と なる AI の 範 囲と か 、 対 象と な る 事 業者 の 範 囲 、ま た 、 開 示事 項 の 粒 度と か 範 囲 など 、
過大な負担になったり、あるいは競争上出したくない情報が含まれているという印象を持
たれるとなかなか奏功しにくい部分もあると思っています。もちろん、開示事項でかなり
配慮していただいている部分はあると思うのですけれども、その辺りの懸念も持っていま
す。他方で、権利者としても、本当に懸念の大きく、知る必要性の高い情報について、核
心をついた開示がされないと意味がないというふうに思っています。その意味では、まず
最 初の ス テ ッ プか ら あ り とあ ら ゆ る AI 開 発 者 ・ 提供 者 を 対 象に す る の か、 そ れ と も、 ま
ず はも う 少 し 社会 的 影 響 の大 き い 分 野と か 、 ユ ース ケ ー ス の AI だ っ た り、 事 業 者 から 始
めて、ある程度、取組が広がったところで段階的に広げていくのかという 観点や、開示事
項の粒度・温度感等にメリハリをつけるかという観点も含めて、改めて考慮してもいいか
なと総論的には思っております。
2点目として、今の点にも関連しますが、特に原則1を中心に、それぞれの項目につい
て、どの程度の粒度の開示を求めるのかという目線合わせがとても重要になって きます。
参考様式についての言及も本文にありますけれども、開示対象事項の具体例のイメージを
公開した上で、パブコメをはじめとして、各種ステークホルダーの生の声をしっかり聞い
た ほう が い い かな と 思 っ てお り ま す 。と り わ け パブ コ メ は 、私 も AI 法 に基 づ く 基 本計 画
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や指針の策定に関与してきましたが、期間が短過ぎるとか、十分に意見が反映されていな
いのではないか等の批判もかなり多いというふうに理解していまして、ともすれば形骸化
しがちという批判もあるところでございます。繰り返しになりますが、法的拘束力のない
コードという形式からのスタートなので、やはりできるだけ多くの事業者にこれを活用し
てもらうことに意味があると思いますので、生の声をできるだけ真摯に耳を傾けるという
ことが重要なのかなというふうに考えております。
3点目として、原則2のところで、これは要するに、訴訟提起したもの、あるいは訴訟
提起間近なものに対しては詳細を開示しますということをあらかじめ宣言してもらうとい
うことになると思うのですけれども、私は弁護士の立場で言うと、個別の訴訟相手に対し
て何を、いつ、どこまで開示するか。これはまさに個別の訴訟戦略の問題という側面もあ
ります。かつ詳細を開示するといっても、データセットの様々な入手経路があって、どこ
ま での 情 報 がAI 事 業 者 内 に残 っ て い るか と い う とこ ろ も ま ちま ち で あ る中 で 、 ど こま で
個別の事項の開示について実効行性のある情報開示を期待できるのかというところも悩ま
し い問 題 も あ るか な と い うふ う に 思 って い て 、 この 辺 り も AI 事 業 者 、 キー プ レ ー ヤー に
どこまで手を挙げて受け入れていただけるのかというものは個人的には 予測しにくい部分
もあるかなという印象があります。もちろん、権利者として、やはりこういう事項をまさ
に開示してもらわないと困るという、その問題意識は十分理解していますし、そこはでき
るだけ尊重したほうがいいとは思っているのですけれども、他方で、任意の取組で本当に
実効性のある効果が期待できるのかというものは、特にこの原則2など については少しハ
ードルがあるのかなというふうにも思いましたので、この辺りもパブコメも含めて、ステ
ークホルダーの意見をよく聞くほうがいいのかなと 考えております。
4点目ですが、原則2と3の関係についてです。コンテンツホルダーとしては、例えば
自分がユーザーとなって、類似するプロンプトを入れて、類 似するアウトプットを生成す
れば、原則3に基づくユーザーの立場から情報開示請求できることになるというふうに思
います。そうすると、原則2の典型例の1つ目のような内容というものは、実質的にはコ
ンテンツホルダーがユーザーとしても振る舞えば原則3 に則って請求できる部分もあるの
かなというふうに思っています。もちろん、違う項目もあるのですけれども、重複する開
示項目もあるのではないかという趣旨です。そういう意味では、この原則2の典型的な1
つ目のような内容というものは、原則2で求められる資格要件とか、あるいは目的外利用
の禁止とか、様々な要件を課しても、原則3に基づきそのような要件なく請求できるとい
うことになると、そこがどう整合するのかというところが気になっていまして、その辺り
の整合性ももう少し精緻に検討してもよいのではないかと思いました。
最後、5点目として、濫用防止のところで、原則2や3のところで、例えば1回当たり
5問程度までで、同一人からの照会は1週間当たり1回までという一つの目安が付されて
いまして、具体的な数値を入れたことの背景というものはもちろん理解できるのですけれ
ども、ここはミスリーディングな情報発信になっていないかというところが気になってい
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ます。一方で、多数のコンテンツについて問題の大きいアウトプットが出力されるような
ケースだと、やはり権利者としては、こういうふうに数で絞られていいとか、数が6個を
超えるから濫用かというと、必ずしもそうではないような気もしていますし、本当にケー
ス・バイ・ケースなのかなと思います。他方で、逆に1回当たり5つ、1週間当たり1回
までであれば少なくとも濫用ではないというふうな受け止め方もされる 可能性があり、そ
のような方向性での受け止められ方も、それはそれでまた逆にミスリーディングなのかな
というふうに思ったりもします。悩ましい点ですが、もともと任意の取組ということもあ
るし、具体的な数字をどこまで入れるのかというものは再考が必要 ではないかと個人的に
は思いました。
一旦、私からは以上です。
○渡部座長
ありがとうございます。
次に、福井委員、お願いいたします。
○福井委員
どうも、詳細な説明をありがとうございました。こちら、プリンシプル・コ
ード(案)を拝見して、確かに同意できる項目は多いなと思いました。
例えば、4ページの海賊版の学習です。これは、非常に重要な問題として世界的にも浮
上しておりま す。その 少し前の箇所 で、1つ 前の項目でペ イウオー ルや robots.txtの記
載等がありますけれども、一般的には海賊版サイトというものはこれを全部外してしまう
のです。1年 ほど前に 確認したとこ ろでは、 robots.txt はほぼ海 賊 版サイトには 置かれ
ていません。加えて、ペイウオール等ももちろん外しています。 このように全てのセーフ
ガードを取り外してしまうのが海賊版です。また、そこから学習して、さらにそれを活用
し たAI 海 賊 版 の問 題 も 現 実に な り つ つあ り ま す 。そ う す る と、 海 外 で の学 習 も 含 めて 、
こういう約束をさせることができるならば、それはある程度の実効性、場合によっては高
い実効性を期待できるだろうと思います。
ただ、やはりここまで、多くの委員が御指摘のとおり、こちらは任意のガイドラインだ
という課題があります。かつ、仮にこれに従うと宣言する事業者がいても、エクスプレイ
ンでも済む部分が多いため、二重の意味で任意とも言えようかと思います。そうすると、
前回の意見でも、日本の企業は企業風土上、あるいは政府との関係などからもこれらは守
るケースが多いのではないか。少なくとも、幾つかの重要なポイントについては従来から
守っているという声も多数だったような気がします。それに対して、肝腎なと言ってよい、
プラットフォームなどの海外企業は任意の規定は守らないのではないかということが危惧
されます。外見上は守ったようなポーズをしても、本質的には守らないということも含め
て危惧されます。
こうしたコードというものは、一般にはそれと表裏のものとしての法的リスクなりイン
センティブが あるから 従うものです 。例えば EUもそうで 、EUの AI 法 に基づいて生 成 AIの
コード・オブ・プラクティスが7月に発表されました。これは項目にもよりますけれども、
例えば世界売上の3%といった巨額の罰金、域外適用という言わば ムチの部分もあるから、
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例 え ば OpenAI や Google の よ う な 二 十 数 社 が 受 諾 を 宣 言 し て い る 。 な お 、 そ れ で す ら 、
MetaとかApple、あるいは中国勢などは、受諾をしていないと聞いています。ディズニー
も、 先ほ どお 話も あっ たと おり 、 OpenAI と非 常に 大き なラ イセ ンス の合 意を 発表 しま し
た けれ ど も 、 例え ば 訴 訟 とい う 交 渉 手段 が あ る わけ で す 。 EU も 罰 金 と いう 、 あ る 交渉 手
段があるからコードの合意もできる。それが本来の共同規制としての、実効性の図り方か
なと思います。
そうすると、日本企業はある程度真面目に守ります。しかし、海外勢は本質において
は守らないというようなことがあると、これは大変不公平で、イコールフッティングとい
う観点からすると、日本企業の足かせにもなりかねないということを危惧します。よって、
このコードの内容は賛同できることが多いので、ぜひ決定的とも言える海外プラットフォ
ームにこそ守らせる仕組みを、検討し続けていただければと思うところです。つまり、実
効性と公平性がやはり生命線だろうと思います。
また、この ことの議 論とは少し離 れまして 、いずれにせ よ、 robots.txtの 尊重とか 、
あるいは一定の透明性に関する法的な義務づけ、ミニマムスタンダードと言える最低限の
義務については、現状、法改正は必要ではないか、不可避ではないかと考えます。これは
AI 基本 法 の 仕 組み の 問 題 では な く て 、著 作 権 法 上の テ ー マ であ り 、 政 省令 で 可 能 にな る
ものでありますので、また政府においては検討を進めていただくことが重要かなと思う次
第でした。
私からは以上です。
○渡部座長
ありがとうございました。
続きまして、新委員、お願いいたします。
○新委員
今回のプリンシプル・コードのまとめ、本当にありがとうございました。
私がやはり気になっておりましたところは事業者のところ です。これが特にスタートア
ップ系の企業にとってみますと、どれぐらい課題が多く、負担が大きくなるのかというこ
とを一番、気にしていた点でございます。やはり事業者にとって非常に規模が違いますの
で、これにすぐに対応できる会社とそれに対応できない会社との差が出てまいります。開
発者と提供者という形の2種類のもので、提供者のほうが、どちらかというと、スタート
アップのほうでは数が多くなってくるのは間違いありません。そういうものが新産業につ
ながっていくということになっているというふうに思っております。
ただ、今回御提示いただきましたものというものは、それらに対しての配慮を3か所に
置いていただいているので、非常に丁寧に見ていただいているな というふうに感じており
ます。一つは技術的な課題やコストの問題とか、課題や負担回避の問題、それから、特に
オープンソースの利用者に対しての例外規定を設けていただいたところで、また、開示要
求側に対してのハードルの徹底というところを用意していただくことによって、そういう
意味ではスタートアップ企業であっても参画しやすい仕組みになったというふうに思いま
す。当然、これは単にエクスプレインで逃げるという形のものではなく、ちゃんとプリン
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シプルを守っていくという形に促すためにも、多くの企業にとっては参画しやすい仕組み
になったのではないかと思っています。
ただ、当然、課題になりますのが、岡田先生もおっしゃられていましたけれども、これ
らのものの例示がどれぐらい出していただけるのかによって、どこまで書けばいいのかと
いうところがまた悩ましくなってくる点でございます。今後、そういったところに対して
も御検討いただけているものだと思いますが、できれば現実に存在している企業のような
ものをモデルケースとしたようなパターンで、大手の事業者様のものから中小のスタート
アップのものまで含めたようなもので、複数のバリエーションで例示を出していただけれ
ばと思います。そうしますと、自社が大体、事業規模において、ここの部分に当てはまる
なというところで選択した上で、そこのものに合わせて、それらの文書を用意して、プリ
ンシプルを宣言しやすい、コンプライを宣言しやすいというものになると思いますので、
今後、そういったことを御検討いただければと思います。これは本編に間に合うかどうか
というところは事務局のほうにお任せの部分だと思いますが、できるだけ具体的な形で御
提示いただいたほうが、どこの会社にとってみても受け入れやすい、事業としてはやりや
すいというものかなというふうに思いました。
ただ、どちらにしても、そういったものを配慮いただけていることは非常にありがたい
と思っておりまして、お礼を申し上げたいと思います。
以上です。
○渡部座長
ありがとうございます。
続きまして、竹中委員、お願いいたします。
○竹中委員
プリンシプルの内容を非常に細かく説明していただきましてありがとうござ
います。
私は、福井委員のほうからも懸念が指摘された通り、結局、守るのは日本企業だけでは
ないか、そのことによって不公平感が生ずるのではないかということの懸念は全く同感で
ご ざい ま す 。 一方 、 だ か らと い っ て 、 EU の よ う に罰 則 規 定 を設 け て 執 行し て い く とい う
よ うな 形 に し てし ま い ま すと 、 一 番 最初 に 掲 げ た、 最 も AI の開 発 に 適 した 国 ・ 環 境を つ
くるというところで非常に問題が生じると思っております。
といいますのも、ここの検討委員会の委員の方々はほとんど著作権関係者ですとかコン
テ ンツ 関 係 の 方が 多 い の です け れ ど も、 や は り AIと い う も のは 、 そ う いう 著 作 物 をつ く
るだけではなくて、これからいろいろ産業技術に応用されていく。特に日本が強い機械等
の 分 野 に お け る フ ィ ジ カ ル AI と い う よ う な も の も 盛 ん に ア メ リ カ 等 か ら 、 そ れ こ そ
OpenAI で す と か Microsoft と か 、 AI 企 業 が ど ん ど ん 日 本 の 企 業 と 連 携 し て 技 術 開 発 し て
もらいたいというふうに私は思っております。その意味で、上流は比較的緩やかに、下流
のほうは厳しく罰していくという方向性を支持します。著作権侵害なり、場合によっては
特許侵害もあるかもしれませんけれども、下流の出力による侵害を防止していけばよいと
思 いま す の で 、上 流 で EU の よう に 規 制 を厳 し く し てい く と 、 特に 先 端 的 なア メ リ カ の企
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業等が日本に技術開発のパートナーを求めるという機会を失うことにならないかというよ
うな懸念がございます。
また、執行の面につきましては、もちろん、事業者の方々も初年度は相当なお金がかか
りますし、毎年更新していくということで、連続してお金もかかります。一方、政府とし
てもそれを執行するために、ある程度ちゃんと守っているかというような調査を しなくて
はなら ない ので 相当 の コスト がか かり ます 。 EUで あれ ばGDPRの経 験 を生か して 、既 に各
国 レベ ル 、 ま た、 EU レ ベ ルで の そ う いう 違 反 を 取り 締 ま る よう な 制 度 がで き て お りま す
けれども、日本でも同レベルの執行ができるのかということも懸念しているわけでありま
す。
残念ながら、日本のマーケットは縮小していて、ほかの国からは魅力が少なくなるばか
りで す。 EU はEU とし て 、あ る程 度 大き な規 模 を持 って い るか と思 い ます けれ ど も、 そこ
に入り込むということでプラットフォーマーたちもそのルールに従 うかもしれません。一
方 、日 本 も EU と同 じ よ う なル ー ル で やっ た と し て、 日 本 で ビジ ネ ス を して も ら え るの か
ということを大変懸念しております。取りあえず、法規制という執行の問題 とは関係なく、
まずはプリンシプル・コードということで始めてみて、それだから駄目だからといって法
規制のほうに移っていくこと自体については、私自身としてはあまり賛成できないという
ふうに思っております。
ありがとうございます。以上です。
○渡部座長
ありがとうございました。
続きまして、奥邨委員、お願いいたします。
○奥邨委員
ありがとうございます。
まず 、 全 体 的な こ と に 申し 上 げ ま すと 、 今 回 の取 組 は 、 AI 新 法 と い いま す か 、 法律 が
で きて い ま す が、 AI 法 の 例え ば 3 条 4項 の 基 本 理念 で 、 著 作権 を 含 め 、い ろ い ろ な権 利
を侵害しないということが掲げられていて、7条で事業者はそういう事例にのっとって事
業をしましょう的なことが定められている。ただ、これは非常に抽象的な 方針であるため、
個々に具体的に何をしていいのだろうかという部分もある中で、こういう方向性はどうだ
と いう こ と を 例示 し て い ると い う こ と な ん だ と 思い ま す 。 AI 新 法 の 求 めて い る 制 裁規 定
のない枠組みの中で誰が何をやっていくべきかということを例示するものとして、このプ
リンシプル・コードという仕組みを捉えていくべきものだろうというふうに思っておりま
すので、基本的には、強制的でない流れで進めていただく。
さらに、利用者が安心して使えるということを目的に掲げておられる。これも重要なこ
とで、開発と権利者の問題だけではなくて、みんなが安心して使える状況になっているの
か。これが一番大きなことなのです。さっきから今日のディズニーのお話も出ていました
けれども、あのディズニーのお話をどう考えるか。あれは利用者がいかに安心して使える
かということなのです。利用者がディズニーのキャラクターを使って動画を作っても訴え
られません、安心ですということで、これは例えば 、かつて動画投稿サイトさんが著作権
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等管理事業者さんなどと提携して、その管理音楽をアップしても大丈夫ですとしたのと同
じような形で、プラットフォーマーと権利者との間で新しいビジネスを生み出すつくりだ
ということです。今、私たちは普及フェーズに入っているわけですから、その普及をいか
に進めるかという点で、やはり環境整備をしていくということに注目している点を、私は
非常に高く評価したいというふうに思います。
あ と、 EU との 関係 も 出て いま す けれ ども 、 EUの コ ード ・オ ブ ・プ ラ クテ ィス 、 実務 規
範も 、あ れ はAI 法の 言 わば ガイ ド ライ ンで あ って 、あ れ を守 って い れば AI法 を 守っ てい
ると推定されるというだけであって、例えばプラクティスを見ても、これを守っているか
ら法律を守っていることを保障しませんといっぱい書いてあるわけです。ですから、あれ
も広い意味では自己責任でやりましょうと。ただし、ガイドラインは出しますという位置
づけですから、今、竹中先生からありましたように、日本は極めてきつい制裁を持ってい
るわけではありませんし、先ほども申し上げたように、そうすべきだとも私は思いません
の で、 そ の 中 では 、 や は り AI 基 本 法 の趣 旨 を 踏 まえ た 取 組 を緩 や か な 形で 進 め て いく と
いうことが、今の日本の法制度上は望ましいことなのだろうと思っております。
細かな点で幾つか申し上げますと、まず一つは、一番最初の開示事項の技術的なところ
です。原則1の(1)のところですけれども、これは、私は技術的なことは分かりかねま
すし、また、ビジネスの関係もありますので、その辺は技術・ビジネスの観点から妥当か
ということで、特に関係者の方と御相談いただく分野だというふうに思いますし、その意
見を聞いていただく分野だと思います。
「(2)知的財産権保護のための措置」の部分でありますけれども、ここのところで、
確認しておきたいのですが、学習したログを一定期間保持するということ になっています。
これについては、経産省のガイドラインも出ていて、別段新しいことを言っているわけで
はないですということが注記もされているのですが、結局、ここで求めているのは、ログ
を保持していますということを開示すればいいだけなのです よね。この点は、次の原則2
との関係で誤解を生じないようにすべきだと思うのですけれども、ログそのものの開示と
いうことまで踏み込むというのは非常に負担が大きい。別にしたい人はしてもいいのです
けれども、それが当然の中身になるのではないということでないといけない。少なくとも、
原則2で求められているのは、ログを持っています、どれぐらいの期間で持っています、
どんな方法で持っていますというようなことまでである。ログそのものを見せる見せない
というものはかなり、ほかの項目に比べても非常に中身が厳しい、負担が重いのではない
か。また、営業秘密にそのまま引っかかるのではないかという気がいたします 。ここのと
ころは書き方の問題もあるのかもしれませんが、開示対象事項というものが何を意味して
いるのか、ログそのものなのか。そうではなくて、私はそう読まなかったですけれども、
ログを持っているということ、どういうログを持っているという概括的なことだというこ
とが分かるようにすべきなのではないかなと思っております。
それから(2)の中で、技術的措置を講ずるというものと、可能な限り実装するという
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ものがあるわけなのですけれども、この辺の微妙な差というものを、なぜ、講ずるほうは
可能な限りがついていないのだろうか。そもそも、侵害をゼロにする技術というものはな
いわけでして、可能な限りの話であります。また、こういう技術は、ある程度標準化され
たも の 、特 に C2PA の辺 りな ど も標 準 化さ れ た もの 、 また 、 経済 的 に 合理 性 があ る もの 、
技術的にフィージビリティーがあるものという限定をつけないと非常に負担になると思い
ます。それを本則に書くのか、それとも、下の補足のところに書くのか、説明に書くのか
は別なのですけれども、やはりこういう基準が出ると、人によって誤解が生まれる。それ
で、さっきもありましたように、その差によって公平感が害されるということもあります
ので、この辺は丁寧に補足をしていくべきだというふうに思います。
次は、これは先ほどの中原先生からも御指摘があった開示事項、原則2のところなので
すが、ここで開示を求めることができるというときに、岡田先生からも御指摘があったと
思 いま す け れ ども 、 AI 事 業者 自 体 を 訴え た い と いう よ う な 立場 の 人 が 来た 場 合 に 、こ の
原則2を当てはめることができるというものはなかなかハードルが高いと思いますし、将
来の訴訟との関係でも混乱すると思います。特に、例えば法務がついているようなところ
であれば、いや、これは無理だということになるかもしれませんが、例えばこれはスター
トアップも含めて全部適用ということになると、最初はよく分からないままにいろいろな
ことを中途半端に開示してしまって、かえって誤解も与えたりとか紛争を混乱化させると
いうようなこともあり得るわけです。したがって、こういう緊張関係にある場合というも
のは一律に断ることができるとか、エクスプレインの中でそういうものは対処しなくてい
いのだというようなことをやはり明示的に書くべきではないか。本則に書くのか、細則に
書くのかは任せますけれども、ここは非常に大きな部分だと私は思っております。
あと、原則3のところも、さっき岡田委員からも似たような御指摘もあったと思うので
すけれども、私の感覚としましては、原則2と原則3でハードルが全然違うのです。原則
2の場合は利用目的も言って、それから、疎明して、制約してとなっているのですけれど
も、原則3はそれは何もなく、しかも、できるだけ丁寧に開示してあげましょうとなって
いるのですけれども、そのハードルが、差が違うということがよく分からない。私自身は、
この部分では、原則2と原則3は、基本的には人が違うだけで、イコールフッティングで
ないとおかしいというふうに思っていまして、ほかの条件とかは一緒なのですから、した
がって、利用目的ですとか、あと、理由とかもちゃんと示して、納得性のある場合だけと
いうことにする。そうでないと、さっき岡田委員からもありましたように、原則3を利用
して原則2を回避するというものを、原則2の限定を解除するということもできてしまい
ますから。したがって、その辺は、原則2と3を分けてつくっていくというのであれば、
原則2と原則3のイコールフッティングのところはちゃんとすべき、合わせるべきなので
はないのかなというふうに思っております。
私からは以上になります。ありがとうございました。
○渡部座長
ありがとうございました。
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続きまして、岡田陽介委員、お願いいたします。
○岡田(陽)委員
まずは、このような形で、短期間でこうしたものをつくっていただき
ましてありがとうございます。
私より一般的な AI 事業者の立場から申し上げますと、現実、この文書に書かれていた
ことをそのまま遵守することはかなり難しいという所感を正直にお伝えをさせていただき
ます。既に多くの先生方がおっしゃっているとおり、恐らく日本の真面目な事業者は守っ
ていくと考える一方、海外の事業者はそうではないであろうと考えます。海外の事業者が
遵守しない場合、守ったほうが圧倒的に不利な状況に陥ってしまいます。そもそも、守る
メ リ ッ ト が な い と 守 ら れ ま せ ん 。 海 外 の ビ ッ グ テ ッ ク 等 が 遵 守 す る も の で す と 、EU の
AI Act があり、グローバルで展開している事業者は EU の AI Act は守っている状況と認
識していますが、この文書内の EU の AI Act より厳しい部分に関しては、基本、ほぼ実
効性がなく、遵守は難しいのではないかと考えております。
この点につきましては私の一意見ですので、この後、パブコメをかけていただくと存じ
ますが、そのタイミングで、AI 事業者の意見をヒアリングし、これを現実的に遵守でき
る方々がどれだけいらっしゃるのか、かなり詳細に確認をしていただけると非常にありが
たく存じます。守ることによって不利が発生する時点で結局、遵守がなかなか難しいもの
に な っ て し ま い ま す 。 透 明 性 を 確 保 す る こ と は 非 常 に 重 要 な 一 方 、 せ っ か く プ リ ン シプ
ル・コードをつくってもほぼ実効性がないという形になってしまうと、全く意味がありま
せんので、この部分に関してはしっかりと全体として見ていただきたいと強く申し上げさ
せていただきます。
その中で具体として、まず、原則1に関する適正利用のための開示について申し上げま
す。これは AI Act と同じく、いわゆる下流プロバイダーに NDA 等の情報開示に限定す
る観点を追加頂きたいと考えます。また、著作権ポリシーの開示も含まれておりますが、
著作権ポリシーを作成している会社はありますが、開示している会社はあまり見たことが
ございません。これも EU の AI Act にない部分であり、日本のために海外のビッグテッ
クがそれをわざわざつくって開示をしてくれるというイメージは正直ありません。その部
分に関してはご留意いただきたく思います。
原則2、原則3に関しましては、これはいろいろな先生方も御指摘されていらっしゃい
ますが、対応することは正直難しい部分が大きいと考えております。どういった部分が難
しいのかは、各先生方がおっしゃっているところと重複しますので割愛いたしますが、ス
タートアップが中途半端に開示して、よりカオスな状況になることが容易に想像がついて
しまうと捉えております。こちらについてもパブコメ等で確認をしていただき、実質的に
遵守する企業がどれだけいるのかといったところは明確に確認をいただければというふう
に考えております。
また、例外事項に関してお示しいただいたオープンソースの箇所についてですが、クロ
ーズドモデルに対してどのようなモデルを利活用しているのか開示するというのであれば
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合理的だと思いますが、オープンソースとして開示しているものにおける何重もの開示は
必要性は乏しいのではないかと感じます。スタートアップがこういった複雑なフレームワ
ークを使わずとも、オープンソースとして開示すれば問題ないところもあると考えますの
で、多くの AI のスタートアップを守る意味でもご検討いただきたく存じます。
最後、総論ですが、今、日本は「世界で最も AI を開発・活用しやすい国」というもの
を標榜している中で、こういったものがあると、方向性がどちらなのかわからなくなりま
す。総論としてはそうなのだけれども、各論としては結局、規制の方向に向かって、海外
のビッグテックを含めて、非常にネガティブな方向性に触れてしまう可能性を危惧してお
ります。その部分に関しては、我々が守りたくない、守りたいというよりも、日本という
国を何を前提に発展させていくかという政府方針を打ち出すことが、今、求められている
部分だと考えております。ですので、改めてパブコメ等をしっかり確認いただいた上で 進
めていただきたいと強く申し上げさせていただきます。
強い発言になり、恐縮ではございますけれども、私からは以上とさせていただきます。
ありがとうございます。
○渡部座長
ありがとうございます。
続きまして、福田委員、お願いいたします。
○ 福田 委 員
福田 で ご ざ いま す 。 本 案が 目 指 す AIの 適 切 な 利活 用 で あ ると か 、 透 明性 の
向上、知的財産の保護、権利者の保護に向かう方向性というところには賛同いたします。
一方で、今までの議論もそうですし、本案の中でも十分に考慮されているとは理解はして
い るの で す け れど も 、 や はり 我 々 の よう な AI 事 業者 が 健 全 に競 争 力 を 維持 し な が らイ ノ
ベーションを継続していくためにも、この技術推進であったり技術保護の観点を持ってい
ろいろ考えていただけることを期待しております。
まとめて、今までの皆様とほぼ同じようなことかもしれませんが、情報開示圧というと
こ ろが AI 事 業 者の 競 争 力 であ る と か セキ ュ リ テ ィ ー を 損 な わな い よ う な運 用 と い うと こ
ろを期待していきます。やはり開示請求のところをどうしたらいいのだろうというものは
正直なところではあるのですけれども、この先、もちろん、対応はしていきますが、過度
に要求をされていくと、まず、技術の大幅の部分であるとか、あとはデータ戦略の部分と
いうところを開示するところは競争力の低下につながってはいきますので、そういうとこ
ろはなるべくきちんと説明できるようにはしますが、考えていかなければいけないところ
かなと思っておりますので、どれぐらい開示していけばいいのかという程度の部分という
ところは改めて、こうしてみたいなところができていくといいなとは思っております。
あとはセキュリティー面というところで、やはり情報が出るところでアダクターフェー
スみたいなものが出てしまう可能性もあるので、そういうところは慎重に考えて はいくの
ですけれども、こういう透明性の確保というところが重要であるというのは理解しており
ますが、利用者の保護のために必要な情報であるとか、あとは企業秘密として規制で保護
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しなければいけない部分というものは、先ほどのどれぐらい開示すればいいのだろうみた
いなところもあるのですけれども、この辺はきちんと明確に区分した上で、事業者が萎縮
することがないような運用というところにつなげていければと思ってはいます。繰り返し
になりますが、先ほど奥邨先生からもありがたい指摘をいただいたと思うのですが、どれ
ぐらい不明確で、過度に重い開示要求が来るかというところは正直分からなくて、そうい
う要求が来たときに、私たちもちゃんと対応はしようとは思っております。こういうとこ
ろ で、 我 々 の よう な 我 が 国の AI 事 業 者の 開 発 の 障壁 と な ら ない よ う な 環境 の 整 備 とい う
ところはお願いしたいです。
あとは、本案の中でも触れていただいていたと思うのですけれども、開示努力というと
ころが市場評価につながるというような話があったと思うのですが、それであれば、政府
として、この仕組みと支援みたいな部分というところもぜひ考えていただきたいと思って
おります。この開示に対応するためには、私が属している会社はそれなりに、今、規模は
大きくなってきているのでできるとは思うのですけれども、やはりスタートアップの方と
か 、本 当 に 10 名で や っ て いる と こ ろ で、 例 え ば 2人 、 こ の 開示 請 求 に リソ ー ス を 割か れ
るとかになると、一気にいろいろ作業を断るような話になりますので、こういう体制整備
やこういう情報管理のプロセスの構築というものは事業者側に一定の負担が生じるという
ものは御理解いただきたいと思っております。こういう努力を払った上で、これが市場で
どの程度評価されるのかとか、本案の中で触れているような市場評価につながっていくと
いうものが現時点では全く分からないので、ここに対する投資というものはどうしたらい
いのかというものは考えていかなければいけないなと思っております。
ただ一方で、透明性の取組というものが企業価値としてきちんと評価されるのであれば、
これは多分、我が国のこういう企業の強みを示す機会にもなると思うので、やはりそうい
うところに対して、きちんと支援みたいな部分というところの開示努力はちゃんと評価さ
れるような制度であるとか、公共調達や政策のガイドラインにおける評価基準みたいなも
のをきちんと開示していただきたいとか、あとは、開示負担が我々のような企業の競争力
を損なわないような支援の措置であるとか、こういう部分というところは、開示努力はも
ちろん進めますので、きちんと市場の価値につながるような環境整備というところはぜひ
考えていただきたいという部分はございます。
あとは何よりも、これもほかの委員の皆様と同じですけれども、ある意味、私としても、
我々としても、きちんとフェアな環境で競争していきたいというのはありますので、こう
いうガイドラインを進めるのであれば、海外事業者にも同等のルールの運用というものは
求めていきたいと思っておりますし、国内企業にのみ負担が偏って、海外事業者が義務を
負わないみたいな話だと、やはり競争上、国際競争上もかなり不公平だとは思っておりま
すので、こういう透明性とか知財のほうのガイドラインが実効性を保つためにも、きちん
と海外事業者にも同等の運用というものを適用していただきたいというところを考えてい
ただければと思っております。
18
以上になります。
○渡部座長
ありがとうございます。
続きまして、田村委員、お願いいたします。
○田村委員
ほとんど皆さんと同じことなのですが、この原則2と原則3の関係 について
の御指摘はそのとおりだと思うのですけれども、他方で 、原則3は、様々な理由が考えら
れるので、書きにくかったのではないかと勝手に推測しています。一つの考え方としては、
原則2のほうを抽象化して、原則3にもそのような抽象的な、必要とか目的という形の文
書にするということなのですが、他方で、先ほどからお話を聞いていると、それだといろ
いろな会社が来て対応しにくいということであれば、セカンドベストですけれども、原則
2と似たような例で、何か責任を追及されるおそれがあるからとか、バイアスが心配だと
か、何か具体的なものを書いて、その他とするなど、とにかく原則2と原則3が不釣合い
であるという問題に何か対応できないかなと思いました。
あとは、御指摘のところですけれども、私も岡田先生と同じで、今回 、回数が具体化さ
れたところは強いメッセージを与えそうな気がしております。千差万別なので、1回当た
り5つまで書くのではなくて、例えば相当回数とか相当期間とかでもよいと思うのですが、
具体化は何かの御要望があってのことかと思いますし、詳しい事情は分かりませんので、
最終的な御判断は委ねざるを得ません。
あとは、これは大したことはないのですけれども、私はrobot.txtの話は福井委員と同
じで、今回入れていただいたのは大変よいことだなと思っております。これはここの管轄
ではないかもしれませんが、やはり検索のほうに入っていて、こちらのほうに入っていな
いという、政省令のほうでというものは、標準化の具合が少しバランスを欠くと言っても
いいような状況になりつつあるのかなと思いますので、今後の政省令は課題になるのかな
と私も思っております。
○渡部座長
ありがとうございます。岡﨑委員、お願いできますか。
○ 岡﨑 委 員
あり が と う ござ い ま す 。生 成 AI の 事業 者 が 守 るべ き 透 明 性で す と か 、あ と
は知的財産保護を整理して、プリンシプル・コードとして整理するという取組はすごく重
要 だと 思 っ て いま す 。 生 成AI の 開 発 のあ る べ き 姿を 示 し て いま す し 、 透明 性 を 高 める こ
とというものは利用者にとっても一定のメリットがあって、それが利用者の安心につなが
ると思います。
ただ 、現 在の案 は生 成AI向 けと いう感 じが してい て、 これが 生成 AI以 外の全 ての AIが
対象となったときに、営業秘密などの理由から、対応が難しいのではないかと思うところ
は あり ま す 。 今の 生 成 AI は 、ア ー キ テ クチ ャ ー や 設計 思 想 、 設計 仕 様 が 差が な い こ とが
多 くて 、 だ か らこ そ 、 学 習デ ー タ の ほう で 性 能 の差 が 生 じ たり 、 生 成 AIの 差 別 化 が行 わ
れて いま す が、 生成 AI が流 行す る 前と いう も のは 新し い AIの アー キ テク チャ ー をつ くっ
たりですとか新規性とかというところで差別化を生み出してきて、要するに、アーキテク
チャーや設計思想が優位性とか競争を生んできたという時代がありましたし、今後、そう
19
ならないという保証もないと思うのです。今は営業秘密になりにくいと思っていることも、
今後、営業秘密になって、企業秘密になって、開示は難しいという状況は起こり得るのだ
ろうなというふうに感じています。
あと、現在の原則は基盤モデルをかなり意識した内容のように思えていて、一方で 、生
成AI に属 しな い AI とい うも のも 世の 中は た く さん 、い ろい ろな 場 面 で使 われ てい まし て、
E コマ ー ス の シス テ ム で すと か 、 金 融業 界 で の リス ク 管 理 とか 傾 向 分 析と か 、 AI でや る
ことも多くて、それをほかに提供しているような会社というものもあると思うのですけれ
ど も、 そ こ は あま り 生 成 AIは 使 わ な くて も で き るよ う な と ころ が あ る と思 い ま す 。そ う
いったときに、例えばモデルの識別子ですとかバージョンとか、もちろん 、内部的にある
かもしれませんけれども、あと、robot.txtとかも全然、クローラーをしないようなAIは
いっぱいあると思いますので、これを見せられたときに我々はどう対応すればいいのだろ
う とい う ふ う に戸 惑 う 企 業も あ る の かな と 思 い ます の で 、 パブ コ メ な どで AI の 事 業者 の
意 見を 聞 い て 、日 本 の AI の 研究 開 発 の 不利 益 に な らな い よ う にし て い た だけ れ ば い いか
なというふうに思っています。
以上です。
○渡部座長
ありがとうございました。
これで御参加の方は一巡はしましたか。
ありがとうございます。一旦、ここで切って、事務局からの御回答等もあればいただき
たいと思いますが、全体として、やはり実効性についての御発言が非常に多かったと思い
ます。特に海外事業者との関係というようなところかと思います。
あと、コードが意味するところのもう少し解像度を上げた解釈ができるように、例示等
を充実してほしい。公平性の観点からもというようなことだったと思います。
それから、これも複数の委員から、スタートアップに対する配慮として、そもそも、コ
ンプライがなかなか難しいのではないかというようなことですとか、濫用のところなどは
スタートアップにとってはもう少し細かく、立場を考えて記載を行ったほうがいいのでは
ないか。
そもそも、このコードの全体の意味する方向性ということで、AI開発にFavorableなの
か どう か と い う、 AI 法 と の関 係 に お いて も 、 こ の先 の 方 針 も含 め て 、 どう い う ふ うに 受
け取られるかということの中で、特に法規制を行うかどうかについては意見が分かれてい
るというふうに思いました。
最後に、むしろ、パブコメで事業者の意見を取っていくことが必要ではないかというよ
うな御意見をいただいたところかと思います。
ここで、事務局からコメント等あればいただければと思います。よろしくお願いいたし
ます。
○中原局長
ありがとうございます。
まず最初に、実効性というところについてでございます。それで、実際問題、海外の事
20
業者の皆様にどう守っていただくかというようなお話の指摘の点について、まず 、前提と
して、これはいろいろ御意見があると思うのですけれども、守ること自体が不利益かとい
うところについての前提はまずあるのだろうと思います。その守っていただくことによっ
てトラストを確保し、そして、市場での評価を得た上で顧客を獲得していくというような、
こうした合理的なディスクロージャーによって信頼性を高めて、そして、 お客様を獲得し
ていくというような、まず、前提はこの手の類いにはあるのだろうというふうには思って
おります。
その上で、さらに外国の方にどうするかという点について言いますと、これは私の個人
的な 見解 な ので すけ れ ども 、先 ほ ど委 員の 方 から も御 指 摘が あり ま した よう に 、 EU の AI
Actにサインをしているようなところからすれば、こちら のほうがかなり合理的にリーズ
ナブルに、そして、意義あるものに絞っているというふうに信じているわけでございます
けれども、そうした観点からすれば、これらを遵守することはそれほど困難なことではな
いのではないかというようには感じております。そして、著作権ポリシーとか 、そういう
ものがないという話も、しかし、私も個別にお話をさせていただいている、そういうもの
をつくっておられる方も結構おられるというふうに思いますので、その点はしっかりと見
ていきたいというふうに思っています。
ここ か ら 先 、で は 、 さ らに ど う 考 える か と い うと き に 、 先般 の AI 基 本法 の 基 本 指針 を
つ くる と き の パブ リ ッ ク コメ ン ト な どに お い て も、 確 か にAI 開 発 大 国 を目 指 さ な けれ ば
いけないというようなパブコメは多いのですけれども、一方で、著作権侵害に対する対応
といったことのパブリックコメントに関する意見というものは物すごく、そうした懸念が
ま だま だ 寄 せ られ て い る とこ ろ で ご ざい ま し て 、そ の 意 味 では 、 AI 事 業者 の 皆 様 と 一 緒
に、著作権侵害に対する対応というものを、いい共創関係をどうつくっていくかというこ
とにおいて、今、この現段階においてノーアクションは あり得ないというものが私の個人
的な見解でございます。
その意味で、何かアクションを起こすというときに、 クリエーターの皆さんと、それか
ら 、AI 事 業 者 の皆 さ ん と 適切 に バ ラ ンス の 取 れ た共 創 関 係 をつ く る と いう も の で どう い
うアプローチがあるかということで、今回、プリンシプル・コードというアプローチとい
うものを出させていただいたということでございまして、委員の御指摘もありましたよう
に、パブリックコメントなどを通じて、程よいところがどうしたところかというようなと
ころはしっかりとフォローしていきたいというふうに思っておりますし、私どもも事実上、
海外の方ともお話をさせていただくこともありますし、こういうコードが仮に将来できた
暁には、あるいはパブリックコメントの過程も通じて、海外の事業者の皆様ともよくお話
をし、このコードの遵守を求めるような対応をしていきたいと思っておりますし 、海外の
規制当局との会話というものも続けていきたいというふうに思っております。
といいますのは、日本だけでやっていても、例えば日本のコンテンツを学習したものは
そ うし た 、 例 えば 違 法 な AIが 日 本 に サー ビ ス を 提供 す る の では な く て 、海 外 に 対 して 提
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供されてしまうというようなことになると、これはこれでまた問題になったりしますので 、
規制当局との連携というものを含めつつ、こうした規律というものをどう進めていくかと
いうことが大事ではないかというふうに思っております。
例示のところにつきましては、実際にもちろん、パブリックコメントを通じて、どの辺
が適切なバランスなのかというところは取っていきたいとは思っておりますけれども、で
きる限り意見を頂戴するような、資料に資するような工夫はさせていただきたいというふ
うに思っております。
それから、スタートアップについての御指摘でございます。このスタートアップ は、最
初 の参 事 官 か らの 御 説 明 のと こ ろ で も申 し 上 げ てお り ま す けれ ど も 、 今回 の AI 開 発者 、
AI提 供者 、 いず れも 対 象と なる に 当た って 、 その 対象 と なる のは 当 該開 発に 係 る AI シス
テムの全部または一部を公衆、すなわち、不特定多数の者または特定多数の者に提供する
場 合、 提 供 し た者 を 対 象 にし て お り ます 。 し た がっ て 、 例 えば ス タ ー トア ッ プ の 方が AI
開発をなさっている。その最中にこうした開示などを求めるというような形の対応にはな
っ て お り ま せ ん で 、 具 体 的 な サ ー ビ ス を 公 衆 に 出 す と こ ろ に つ い て の 規 定 、 プ リ ン シプ
ル・コードということでございます。
それを前提にした上で、私どもの原則2及び原則3それぞれについて、実務的にどこま
で対応できるかというようなことをあらかじめ述べていただいて、それがリーズナブルな
ものである限りにおいて、その範囲において御対応いただくということ自体の余地といい
ますか、そういう可能性を明確にしておりますので、相当程度、スタートアップの皆様 に
も配慮したというふうに思っておるところではございますけれども、さらにどうしたこと
がいいかというものは改めて、パブコメ等も通じて検討してまいりたいと思います。原則
2とか3のところの数字が具体的だというものは、ある程度分かりやすくしたほうがいい
かなというような思いを持って事務局で書かせていただいたのですけれども、それが過度
に、また、逆の意味を生むということであれば、またそこは考えさせいただければという
ふうには思っております。
原則2とか3のバランスなども、例えば原則3なども、生成物を生むとか、プロンプト
を出したりとか、利用目的を出しなさい とか、自分が考えているURLを出しなさいという、
それは請求する人が出しなさいというようなことで、相当程度、合理的になるように原則
3も絞られているのではないかと信じていたのですけれども、原則2と3のバランスとい
った観点から御指摘があるところはさらにまた検討してみたいというふうに思っておりま
す。
いず れ に し まし て も 、 日本 の AI 事 業者 の 皆 様 と、 そ れ か ら 、 ク リ エ ータ ー の 皆 様が よ
い共創関係になるというようなことを理念として、目的としておりまして、もし何か、こ
の不安を、著作権侵害の懸念に対する解消の方法として、すごく竹中先生が御懸念されて
おったような規制という形を考えると、これは業法のようなものを考えるしかないわけで
す けれ ど も 、 しか し 、 こ れは AI 法 の 下の 中 で 、 先ほ ど 奥 邨 先生 が お っ しゃ っ た 理 念の 中
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で具体的にどうやるかということを今回提示させていただいているところでございまして、
そ うし た 中 で は、 や は り 利用 者 あ る いは 権 利 者 の皆 さ ん と 、そ れ か ら 、AI 事 業 者 の皆 さ
んが何か接点を設ける場所というものを設けながら共創関係というものをつくっていくと
いうイントロダクトリーなポイントになっていただきたいというようなことで今回のコー
ドを示させていただいておりますので、いずれも理念にわたる部分、共創関係をつくると
いう、そのこと自体が物すごい大切なことだという認識でやっていることは間違いござい
ませんし、そうした中で、改めていただいた具体化の部分などはさらにパブコメなども通
じて、各界各層の御意見をくまなく伺うこととしたいというふうに思っております。
○渡部座長
ありがとうございます。
ただいまの事務局の説明を踏まえて、2巡目に行きたいと思いますが、福井委員が2巡
目ということで手を挙げていただいているかと思いますので、福井委員、お願いいたしま
す。
○福井委員
ありがとうございました。
○福井委員
ありがとうございました。
もっとも、今の局長のレスポンスで済んでしまった点もありますけれども、まずは現場
の委員の方の御発言を伺いながら、やはり任意のガイドラインといえども、基本は遵守を
前提にした発言が多く見られたことに、日本だなといいますか、そういう印象も持ちまし
た。
その上で、岡田陽介委員はじめ、おっしゃっていたとおり、海外勢は守らないだろうと
いうことに対する実効性。これは、今の局長のお話も含めて、ぜひ言葉だけではない取組
として考え続けることが必要だろうというふうに感じます。
それから、奥邨委員からも、また、局長からもお話がありました EU AI法のコード・オ
ブ・プラクティスです。これは、それ自体は確かに、遵守を約束するかどうかは任意であ
る点は おっ しゃる とお りです 。た だ一方 で、 AI法 53 条と いう 生成 AI 事業者 に対 する透 明
化 の義 務 が あ り、 こ の コ ード ・ オ ブ ・プ ラ ク テ ィス に 従 う と 53 条 の 準 拠が 推 定 さ れる と
いう効果が広く報道されている。コードに準拠しないと巨額の罰金があり得ますから、そ
れ によ っ て 守 らせ る と い う仕 組 み で すね 。 無 論 、私 が 言 う 仕組 み と は 、こ の EU と ずば り
同じというつもりで言ったのではない。そんなことは容易ではないとは思いますけれども、
何であれ、日本版のコードに海外事業者が従うとすれば、それは 従って頂く何かの仕組み
が存在したときだろうということは改めて申し上げたいと思います。また、その検証も必
要だろうと思います。
最後に、日本のスタートアップの実情についての複数の委員からの御指摘がありました。
規模や影響力に照らして、グラデーションのある遵守の求め方ということも今後の運用の
中であり得るのではないか。また、そういうパブコメも恐らく多く予想されるところであ
りますので、私もそういう視点を持っているということを申し上げたいと思います。
以上です。
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○渡部座長
ありがとうございます。
2巡目はいかがでしょうか。
上野委員がただいま入ってこられたと思いますが、上野委員、いかがでしょうか。
○上野委員
本日は、所用によりまして遅参いたしまして大変申し訳ございません。
既に様々に御議論されたかと思いますし、既に事前に御説明いただいた際、書きぶりを
修正していただいたところもございますので、私のほうから今の段階で申し上げることは
特段ないのですけれども、やはり社会も技術も変化し続けるもので、何かを定めた後すぐ
に状況が変わってきたりもするかと思いますので、こうしたソフトローについては今後も
不断の見直しをするということが大事かと思います。
また、今後、パブコメなどもなさるかと思うのですけれども、それが単なる形式的なも
のにとどまるのではなく、広くご意見を集めて、それに柔軟に対応できるような体制をつ
くり上げることが重要ではないかと思います。もちろん、事務局におかれましては、既に
丁寧に事業者の方のお声も聞かれているとは思いますけれども、引き続き、その点ご留意
されることを期待したいと思います。
それでも、このようなプリンシプル・コードが公表されますと、どうしても受け止め方
として、特に日本企業は、事なかれ主義と言ったらあれですけれども、間違いがないよう
に、やや過剰に対応してしまうところがあるかもしれないので、その書きぶりにつきまし
ても、そのような日本企業ができるだけ柔軟に解釈できるようなものにしておくほうがい
いのかなというふうに思うところであります。また、将来の変化に対応できるような体制
についてもあらかじめ考えておく必要があるだろうと思っております。
いずれにいたしましても、今後もいろいろな形で私からインプットする機会はあるかと
思っていますので、引き続き状況を見守ってまいりたいと思っております。
差し当たり、私からは以上でございます。ありがとうございました。
○渡部座長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。2巡目、御意見ございましたら、ぜひいただければ。
新委員、お願いいたします。
○新委員
意見というよりはコメント的なところでございますが 、今回のものは話を伺っ
て、私のところでは納得できる部分がございます。
今、 著 作 権 者の 方 、 も しく は 利 用 者の 方 の 間 には や は り 不安 感 が あ ると こ ろ で 、 AI 事
業者側もできるだけ情報を共有して、そういったものを、社会的な安全性・安心性を持っ
た上で利用していただくという社会環境をつくらなければいけないという意図がすごく明
快に感じられておりますので、表記の方針としてはやるべきだろうというふうに思います。
ただ、やはり繰り返しになりますが、海外の事業者に対してちゃんとコントロールでき
るのかということで、一方で急いで、これを厳罰化というところまでいきなり行く という
のは非常に我々としては危惧するところでございまして、これをきっかけにいきなり厳罰
化にはいきなり進んでほしくないなというところでございます。これを、状況を見ながら、
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実際、どの程度守られていくのかというところで見られた上での判断にまたなってくるの
だと思いますが、そういった感想を持ちました。
以上でございます。
○渡部座長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
全般的に、やはり繰り返し、実効性といいますか、特に海外事業者に対してというとこ
ろが論点の中心になるところだと思います。
先ほど福井先生から、言葉だけでないという、これもともかく取組は行っていただくと
いうことが前提かと思います。そして、今回のコードについて、これはパブコメで意見を
聞くということについて御反対ということはなかったと思いますので、パブコメに進ませ
ていただくということになるかと思います。むしろ、丁寧にパブコメで意見を聞いてほし
いということだったかと思います。
あと、原則2と3の関係、あるいは文言、例示の細かいところをどうするかというとこ
ろになどついては、これは修文が必要かと思っておりますので、この辺は修文をさせてい
ただき、御意見をいただいた方には個別に説明を事務局からしていただくというような進
め方でもしよろしければ、本日の議論を踏まえて調整をさせていただく ことを前提に、座
長預かりという形で進めさせていただくということでいかがでしょうか。よろしいでしょ
うか。
ありがとうございます。そうしましたら、そのような進め方にさせていただきたいと思
いますが、よろしいですか。ほかの御発言の方はおられますか。
今、申しましたように、御発言のところについては、懸念点があるところについては事
務局から個別に説明をしていただきたいと思います。
では、事務局のほうから連絡事項等がございましたらお願いいたします。
○福田参事官
御議論いただき、誠にありがとうございました。パブリックコメントにつ
きましては、今、座長から御指示いただいた調整なども踏まえ、準備ができ次第、私ども
政府のほうのe-Govホームページに掲載をするとともに、私どもの知財 本部ホームページ
においても、パブリックコメントを開始した旨を公表する。それから、できるだけ、こう
いったパブリックコメントを行っているということの周知もさせていただきたいというふ
うに思いますので、政府のほうでもSNSとかを運用しているところはあるかと思いますの
で、そういったところも活用してお知らせしたいと いうように思っております。
そのパブコメも含めた今後の段取り、あるいは次回の日程につきましては、また今後の
調整ということでございまして、この検討会の次回の日程は、また追って御連絡・公表を
させていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
○渡部座長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
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大変御協力いただきまして、意義あるディスカッションができました。ありがとうござ
いました。
これにて本日の会議を終了いたします。ありがとうございました 。
26
資料1
資料1
AI時代の知的財産権検討会(第9回)議事要旨
日時:令和7年11 月17 日(月)10:00 ~ 12:00(オンライン開催)
議事:
(1) 本検討会において検討すべき課題について
(2) その他
〇適切な財産の保護と活用につながる透明性の確保のあり方として、任意のガイドライン
による取組を推進する可能性等について審議を行った。委員からの主な意見は以下の
とおり。
・ フ ァ ン デ ー シ ョ ン モ デ ル を 開 発 し て い る 企 業 と い う と 、 か な り 絞 ら れ て く る 。 ど れぐ
らいの範囲にするのか。EU 法との連携を考えているかと思うが、EU 法に関連するフ
ァンデ ーショ ンモ デル を提供 してい る日 本企 業は非 常に少 ない と思 い、そ の点も 留意
が必要。
・ ガ イ ド ラ イ ン は 任 意 に 基 づ く 誘 導 的 な も の と 理 解 。 遵 守 を 十 分 に 確 保 で き る の か 。国
内企業 ばかり が遵 守を 求めら れ、例 えば メガ プラッ トフォ ーム は全 く素通 りして しま
う、あ るいは 一見 守っ たよう に見せ かけ てエ クスプ レイン で済 ませ てしま うとい うよ
うなこ とにな らな いか が気に なる。 メガ プラ ットフ ォーム に対 する 実効性 をどう 守っ
ていくかが重要。
・ ガ イ ド ラ イ ン だ け で 果 た し て 国 内 で 危 惧 を 表 明 し て い る 方 々 の 安 心 に 至 る の か と 考え
たときに、例 えば法的 な措置もセッ トにでき ないか。少な くとも生 成AI について は検
索エン ジンと 同様 の著 作権法 施行令 7条 の4 、ある いは施 行規 則だ と4条 の4~ 5辺
りのペイウオールや「robots.txt」の遵守義務、すなわち、学習に対するオプトアウ
トを一 定の枠 内で 、著 作権法 改正で 取り 入れ るべき ではな いか 。ま た、海 賊版の 学習
について も、海 外で も 大きく問 題視さ れた こ ともあり 、検討 を進 め るべきで はない か。
・ 同 様 に 、 ガ イ ド ラ イ ン を 定 め る 際 に は 、 例 え ば 透 明 性 遵 守 そ の 他 を 表 明 し な い 海 外企
業などに国内 、日本の AI法に基づ く指導ある い は公表を直ち に実施す るなど、ガイ ド
ラインの実効性を図る姿勢も重要。
・ 方 向 性 自 体 に は 賛 成 。 具 体 的 に 、 ど の 範 囲 の 事 業 者 に 対 し 、 何 を ど こ ま で 、 誰 に 対し
て開示 や情報 共有 する ことを 求める のか につ いて、 解像度 を高 める 議論が 必要だ とい
うこと を前回 申し 上げ たが、 それが まさ に今 のプロ セスに おい て実 行され ている こと
を高く評価したい。
1
・ 任 意 の ガ イ ド ラ イ ン と い う 方 向 性 な の で 、 実 効 性 の 問 題 は あ る 。 特 に こ れ に 応 じ ない
ような 事業者 こそ が、 まさに 何とか 対処 して いかな ければ なら ない 問題あ る事業 者だ
と思う 。ただ 、第 一歩 として は、ガ イド ライ ンを通 じて、 誰が きち んと対 応して 、誰
が対応 してい ない のか を可視 化する とい うこ と自体 にも意 味が ある 。もし ガイド ライ
ンを運 用して みて 結果 が不十 分であ れば 、次 のステ ップと して 立法 も含め 検討す るた
めの立法事実となるだろう。
・ ま ず は 、 で き る だ け 多 く の 主 な 事 業 者 が ガ イ ド ラ イ ン に 則 る 形 で 開 示 、 情 報 共 有 をし
てくれ るとい う実 績を 作って いくこ とが 大事 である 。ガイ ドラ イン をどれ だけ精 緻に
作り込ん でも、 実務 的 に誰も重 視をし ない と いう結果 になっ てし ま っては意 味がな い。
事業者 からす ると 営業 秘密や 競争上 セン シテ ィブな 情報、 ある いは 実務に 過大的 な負
荷がか かる情 報開 示は できる だけし たく ない という ニーズ もあ るた め、あ まり細 かく
網羅的 で過大 な開 示を 求める 方向性 は望 まし くない 。フィ ージ ビリ ティー とのバ ラン
スを考え、進めながら考えていくということも大事である。
・ 資 料 の開 示 事 項 案 に は 「 モ デル の ト レ ー ニ ン グ プ ロセ ス の 詳 細 」 と い う 記載 も あ る が、
パラメ ーター など も含 めて、 どの程 度の 情報 開示が 求めら れる のか は事業 者によ って
かなり受け止め方に違いがあり、粒度も含めて、共通認識を持っていく必要がある。
・ ソ フ トロ ー の メ リ ッ ト と し て、 重 要 度 に 応 じ て メ リハ リ を う ま く つ け や すい 点 が あ る 。
特に強 く求め る事 項と か、単 に望ま しい レベ ルの事 項とか 、例 えば 項目の 重要度 や対
象事業者 等の属 性に 応 じて柔軟 にレベ ル分 け をすると いうの も発 信 方法の一 案であ る。
・ 一 口 に 情 報 共 有 と い っ て も 、 ウ ェ ブ サ イ ト 等 を 通 じ た 対 外 的 な 公 開 を 求 め る レ ベ ルか
ら、一 定のス テー クホ ルダー に対す る情 報共 有とい うレベ ル、 さら には内 部的な 記録
保持をまずは 求めてお いて、例えば AI法に基 づく調査協力 などがあ れば、それに 応じ
て当局 に出す とい うレ ベルま で、様 々な レベ ル感で の情報 共有 方法 があり 、その 辺り
のメリハリをつけていくことも考えられる。
・ プ ラ ッ ト フ ォ ー マ ー と ス タ ー ト ア ッ プ を 分 け る べ き と い う と こ ろ が 気 に な っ て い る。
方向性 に関し ては 基本 的には 反対で はな いが 、全て を求め られ てし まうと 、特に 中小
及びス タート アッ プ系 の企業 にとっ ては 非常 にハー ドルが 高い 。ガ イドラ インが 形式
上では 任意と いう 形に はなっ ている が、 実際 、義務 化をさ れて くる という ような 前提
になっ てくる と思 う。 既に公 開され てい るモ デルを 組み合 わせ 、さ らに、 自社の 追加
学習等 を組み 合わ せる ことに よって サー ビス 化して いるよ うな ベン チャー 企業も 日本
国内か ら出て きて いる が、そ ういっ た企 業ま で全て 含まれ てし まう と、な かなか 重た
い。
2
・AI も 今 は どう し て も 一 部の 大 手 のプ ラ ッ ト フ ォー マ ー が中 心 の よ う なイ メ ー ジに なっ
ている が、今 後、 多様 な使わ れ方が 入っ てく るのは 間違い なく 、様 々、ス マート フォ
ン上で 簡単に 動く よう なアプ リケー ショ ンの 中にも 入って くる よう になる 。そう いう
ものが 将来的 な新 しい 産業を 見いだ した りす る可能 性が十 分に ある と思う ので、 そこ
まで全 部を事 業者 とカ ウント するの はさ すが にやり 過ぎで はな いか と思う 。プラ ット
フォー マーと スタ ート アップ の境界 線の よう なとこ ろの分 け方 を具 体的な 条件や 文言
等の中に含めていただきたい。
・プリンシプルを定めた上でコンプライ・オア・エクスプレインということで、一つのソ
フトローかと思うが、大変意義深いものではないかと思う。様々な事業者あるいは事
業規模などもあるので、ある一定の、一つのプリンシプルだけではなく、階層化した
り、段階化したり、あるいは選択的にしたりすることによってめり張りをつけ、柔軟
性のある定め方もある。
・ 事 業 者に 対 し 義 務 の よ う な 形に な ら な い よ う に す るに は い か に す る か と いう 点 が 課 題。
基本計画、骨 子案の中 では基本構想 として、 世界で最も AI を開発・ 活用したい国 を目
指すと いうこ とで もあ るので 、いか にし て、 そのバ ランス を取 って いくか という こと
が重要。引き続き、丁寧に事業者の声を聞いていくということが必要。
・ 開 示 を 求 め る 側 の 主 体 と 求 め ら れ る 側 の 主 体 は ど の よ う な も の が 想 定 さ れ る の か 。求
める側 はいろ いろ な考 え方が あるか と思 うが 、求め られる 側は 、国 内の企 業だけ では
なく、国外の企業も含まれると理解している。
・ こ の ガ イ ド ラ イ ン の 実 効 性 と い う も の が 本 当 に 保 た れ る の か と い う こ と が 疑 問 。 独占
権、排 他権も ない よう な形で 、任意 の形 でお 金を払 ったり 開示 した りして くれる こと
ができ るのか 。特 に外 国企業 の場合 に、 ガイ ドライ ンで開 示さ せる ような 制度が ほか
の国に はない とい うこ ともあ って、 結局 、生 真面目 に守る のは 日本 の企業 となる ので
はないか。
・ コ ー ポ レ ー ト ガ バ ナ ン ス の 場 合 に は 、 例 え ば 投 資 家 か ら の 評 価 の 低 下 や 、 場 合 に よっ
ては上 場廃止 のリ スク につな がる可 能性 もあ るとい う形で の実 務上 のペナ ルティ ーも
考えら れるが 、ガ イド ライン の場合 に、 遵守 しない ことに よっ て、 どのよ うな制 裁、
ネガティブな点があるのか疑問に思う。
・EU の よ う にオ プ ト ア ウ ト制 度 を 設け て 、 例 外 を適 用 さ せな い こ と で 侵害 と い うよ うな
形もあるのか もしれな いが、我が国 の基本思 想として、世 界で最もAIを開発・ 活用し
やすい国を目 指すとい うことで、 EU よりも非 常に広い範囲 で思想・ 感情の享受目 的で
ないAI開発の ための著 作物利用につ いては侵 害の例外とす るという ことを基本理 念と
して掲 げたと いう こと を考え るとオ プト アウ ト制度 を設け ない ほう がいい と思う 。ガ
イドラインによる開示の実効性をどう保っていくのかということを懸念している。
3
・ ス タ ー ト ア ッ プ 等 の 中 小 企 業 に と っ て は こ う い う 、 デ ィ テ ー ル な 公 開 義 務 を 負 担 させ
ることでかえって企業意欲がそがれるというようなことも懸念するところ。
・ 日本 は 「 世界 で 最 もAI を 開発 ・ 活 用し や す い 国 」を 目 指 す基 本 構 想 を 掲げ 、 著 作権 侵
害の例 外を広 く導 入す るなど 、先進 的な 制度 設計を 行って きた 。し かし、 近年は 開示
義務や 著作権 者へ の対 価還元 スキー ムの 導入 など、 制限的 な方 向へ と傾き つつあ る点
を懸念している。EUは オプトアウト制度や適用AIの限定など、より 制限的な制度を採
用しているが、TDM例外の導入においては日本の著作権法の先進性を反映したとされて
いる。 日本独 自の 開発 環境を 維持・ 強化 する ことで 、現在 アメ リカ 離れが 起こっ てい
るAI人材や企業の流入を促進すべきだと思う。
・ コ ー ポ レ ー ト ガ バ ナ ン ス ・ コ ー ド の 海 外 企 業 ( 特 に 米 国 企 業 ) に よ る 対 応 状 況 の 調査
が必要。 日本の ガバ ナ ンスコー ドは米 国基 準 と類似し ている ため 、 一定の対 応は可 能。
一方、汎用 AI モデルの トレーニング 内容の開 示については 、グロー バルスタンダ ード
が存在 せず、 開示 義務 のない 米国と 日本 の基 準が乖 離して いる 場合 、米国 企業に 対し
てコンプライ・オア・エクスプレインを期待することは困難。
・ 透 明 性 に つ い て 規 定 す る こ と に は 賛 成 で き な い 。 権 利 者 と か 利 用 者 保 護 の 観 点 と して
はすば らしい とは 思う が、我 が国の 技術 保護 の在り 方みた いな とこ ろの考 え方に 関し
てはぜ ひ改め て議 論さ せてい ただき たい 。我 が国の 場合は スタ ート アップ を中心 に、
今、基 盤モデ ルの 開発 が進ん でいる とこ ろも あり、 大きな 会社 はそ うなっ ている が、
特にAI事業者 の競争力 やセキュリテ ィーを透 明性の確保と いう名前 でいろいろ開 示し
ろとい う話は 、そ うい う競争 力やセ キュ リテ ィーと いった 部分 を著 しく損 なう可 能性
があるのではないか。
・ 実 効 性 の 議 論 の と こ ろ は 疑 問 が あ る 。 こ の 話 は 海 外 事 業 者 が 応 じ る と は 正 直 思 っ てい
ない。 どれぐ らい 応じ るのか みたい な部 分も 、表面 的に応 じる ので あれば 、弊社 もそ
のような形での対応というところになる。
・AI 事 業 者 ガイ ド ラ イ ン もそ う だ が、 ソ フ ト ロ ーだ と い う話 は 大 変 あ りが た い 部分 もあ
るが、 利点が 全く ない という ところ が気 にな ってい る。別 に守 って も守ら なくて も、
本当に 何もい いこ とも 悪いこ とも多 分な いの だろう とは思 って おり 、守ら ないと 政府
調達か ら除外 され ると か、守 ってい たら 入札 で加点 される とか 、何 かそう いうも のが
あるので あれば いい が 、結局、 国内事 業者 だ けが真面 目にこ のガ イ ドライン を守っ て、
海外事 業者が 無視 する みたい な状況 にお いて 、我々 がこれ に従 う利 点は果 たして 何な
のかが気にはなっている。
4
・ 権 利 者 ・ 利 用 者 保 護 の 観 点 で も ち ろ ん 、 ト レ ー サ ビ リ テ ィ ー の 確 保 み た い な 部 分 とい
うもの は応じ るこ とは できる と思う が、 一方 でコス トもか かる 部分 があり 、技術 的な
部分、 本当に 競争 力に 関わる ような とこ ろは 開示で きない 。規 制の 話だけ をして いて
も自分 として は片 手落 ちだと は思う ので 、イ ンセン ティブ に当 たる 部分と いうと ころ
も設計 してい かな いと 結局、 全体と して 意味 のない 議論に 落ち るの ではな いのか なと
思う。
・ ガ イ ド ラ イ ン 遵 守 の 実 効 性 の 問 題 が 前 面 に 出 て 、 議 論 を す る の は 違 和 感 が あ る 。 事務
局案は、EUのものを下 敷きにしているので、どうしてもEUの議論を イメージしながら
議論をしてし まう。た だ、EUの場合 も、著作 権の遵守体制 の確保だ とか、透明性 の確
保義務 である とか 開示 義務の 問題は 、著 作権 法をは じめと する 知的 財産権 法から 直接
出てくるわけ ではない 。これらの義 務は、事 業者法と言っ て良い AI 法から導かれ るも
のであり、守 らないと AI法に基づ く課徴金が 課 せられるとい う形にな っている。と こ
ろが、日本にはAI法に相当する事業者法はない。似ているのはAIの利活用促進法。AI
の利活用 促進法 の中 に も、国民 も事業 者も 、 みんな知 的財産 を尊 重 すべきで あると か、
透明性 の確保 とか を、 それぞ れ定め てい る。 ただ、 それを 守ら なか った場 合に、 課徴
金などの強力 な制裁を 課すようには なってい ない。つまり 、EU的な 遵守の実効性 を議
論するのであ れば、知 的財産権法の 枠ではな くて、AI促進 法の問題 として議論を すべ
きだと思う。
・今 、私 た ちは AI促 進 法の ある べ き姿 を議 論 して いる わ けで はな く 、あ くま で AI 促 進法
の枠の中でど うするの だという議論 をしてい ると承知して いる。だ とすると、 EU 的な
遵守の実効性 は、AI促 進法自体がそ ういう話 になっていな いので、 そもそも出て こな
いと思う。今 議論して いるのは、 AI 促進法の 例えば3条4 項とか7 条に関して、 具体
的に事 業者は 何を やっ ていけ ば、そ の趣 旨を 体現で きるの かを 示し ていく ことな ので
はない かと思 う。 海外 の事業 者の遵 守の 実効 性とい う議論 も出 てい るが、 それは 、こ
こでの議論の1階層、2階層上の、AI促進法の あり方の問題であるから、ここで議論す
るのは 整合が 難し い。 議論し てはい けな いと いうこ とを言 って いる のでは ないが 、こ
こでできること、できないことを分けて議論をするほうがいい。
・ 権 利 者 と 事 業 者 の 向 き 合 い と い う 議 論 が あ り 、 そ れ は そ の と お り だ と 思 う 。 だ か らこ
そ、利 用者と いう 視点 を入れ なけれ ばい けな い。当 事者同 士に した ら、そ れは対 立構
造であ り、ど こま でも 対立し てしま う。 米国 などで 、新し いビ ジネ スモデ ルが出 てき
ているの は、ま さに 利 用しても らうと いう 視 点から考 えたと き、 事 業者はど うする か、
権利者 もどう やっ てラ イセン スをし てい くか という 議論に なっ た結 果であ る。利 用者
という視点を出していかないと、2者対立になってしまう。
5
・ 利 用 者 が 安 心 し て 利 用 す る 、 利 用 す る と き に い ろ い ろ な 情 報 が あ る と 利 用 し や す くな
るとい うよう なこ とか ら、整 理して いく ので あれば 、その ため に何 が必要 なのだ ろう
かとい う議論 がで きる のでは ないか と思 う。 守らな い人が いて も、 それは 消費者 によ
り淘汰 される 、少 なく とも今 の枠組 みは 、そ ういう アプロ ーチ なの だと考 えざる を得
ない。
・ 利 用 者 と い う こ と が 全 然 出 て こ な い で 、 財 産 の 保 護 に か か る 透 明 性 を 検 討 す る と いう
ことで あると 、ヨ ーロ ッパの 形を受 け過 ぎて いるの ではな いか 。日 本風の 取組と いう
位置づけがあっていい。
・ 事業 者 の レベ ル な ど に つい て も いろ い ろ な 議 論が 出 て いる が 、 EU で も、 厳 し く求 めて
いるの は汎用 モデ ルに ついて だけな ので 、そ れ以外 のアプ リケ ーシ ョンの 部分は 別だ
とする と、こ こで の議 論でも 、いろ いろ な階 層があ ってい いの だろ うと思 う。も うち
ょっと丁寧にすべきなのではないのかなと思う。
・ 法 律 上 問 題 が あ る の で 守 る べ き と い う も の と 、 法 律 上 の 問 題 よ り も 、 よ り 安 心 し て使
っても らうた めに こう したほ うがい いの では ないか と提案 する とこ ろとを 分ける 、す
なわち、べきのところと努めるところの書き分けも必要。
・EU で は 、 汎用 モ デ ル に 対す る 規 制で す ら 、 オ ープ ン ソ ース 等 々 の 取 組に 対 し ては かな
り除外 がある はず なの で、そ の辺も 含め て、 もう少 しいろ いろ な形 態につ いて選 択肢
を分かりやすく示していくということが求められる。
・オープンなLLMとかAIを開発している立場として、透明性を確保しようとするガイドラ
インを 検討す る方 向性 自体は 賛成。 ただ 、日 本が守 りたい もの に対 してち ゃんと 実効
性があるのか というも のはやはり疑 問を感じ る。また、適 用する AI の事業者範囲 につ
いてもちゃんとした検討は必要。
・ 高性 能 な AIを 頑 張 っ て 開発 し よ うと し て い る 日本 の 企 業に と っ て は 、や は り 企業 秘密
のよう なもの を開 示す るよう に求め てい るよ うな感 じがし てお り、 この情 報は本 当に
開示できるの か、ガイ ドラインを定 めること で日本国内のAI開発に ブレーキがか から
ないのかというものは慎重に意見を聞いたほうがいい。
・AI が 学 習 する デ ー タ と いう も の を自 社 で ク ロ ーリ ン グ して い る 会 社 はあ る と 思う が、
データ をつく ると ころ から別 の開発 会社 がい て、そ こから 購入 する とか、 そこと 一緒
に協業 してい るよ うな 場合と いうも のも あり 得て、 そのよ うな 場合 、誰が データ の正
当性に責任を 持つのか 、AI 開発者や 事業者は 学習データの 中身がど のくらい正当 なも
のなの かとい うこ とを 、どの くらい 詳細 に知 ってお く必要 があ るの かとい うもの は検
討の余地がある。
6
・ 知的 財 産 権保 護 の た め の措 置 と して 、 AI の 開 発・ 学 習 等に 含 め た デ ータ の 活 用に 関し
ては他者の知 的財産権 を侵害しない ことと書 いてあり、 AI の開発で は著作権の例 外規
定をどうして も使う必 要があるため 、そうい うAI の開発の ために必 要なところと 、こ
の知的 財産権 の侵 害に ついて 、ここ から 先は 許容で きない とい うと ころを 明確に して
いく必要がある。
・ 漫 画 の 海 賊 版 な ど は ふ だ ん か ら 大 き く 話 題 に な る 。 出 版 社 は 取 り 締 ま っ て い る が 、ゲ
ームな どの著 作権 違反 は日本 の出版 社が 取り 締まる ことが でき てい ないと いうよ うな
状況に なって いる 。ア ニメー ション だっ たり とかゲ ームと いう もの が様々 なプラ ット
フォー ムで自 由に つく れると なった とき に、 上場も してい なか った りして 、法務 部と
かも数 人単位 でや って いるよ うな日 本の 会社 が、訴 えられ てか ら対 応しよ うと思 って
AIを 開発して いるアメ リカや中国の プラット フォーマーと 伍してい くということ はで
きない のでは ない か。 基本的 に著作 権と いう ものは 、著作 権を 持っ ている 人が訴 えな
い限り 、それ ぞれ のプ ラット フォー ムを 取り 締まる ことが でき ない わけで あるが 、警
告を発 すると いう だけ で、訴 えとい うも のは 起こし ておら ず、 その ような 訴えを 起こ
していくことは各出版社も業界団体も経験値や体力がないというのが現状。
・ 日 本 の コ ン テ ン ツ に フ リ ー ラ イ ド す る 売 上 げ と い う も の が 、 海 賊 版 な ど と は 比 に なら
ないレ ベルで 、す ごい 勢いで 増えて いく 。企 業がこ こから 数年 で対 応でき るよう にな
っていく可能 性を考え られないとき に、国と して、海外の プラット フォーム、 AI プラ
ットフォームへの対策をどうしていくのか。
・ ガ イ ド ラ イ ン み た い な も の は 、 日 本 の 企 業 は し っ か り と 守 る 人 た ち が 多 く て 、 日 本の
AI開 発の事業 者にとっ てはあり得る ルールだ と思うが、海 外の人た ちを、このよ うな
ルール で防げ るか とい うと、 初めか ら守 る気 がない 人たち であ れば 防げな い可能 性が
ある。 コンテ ンツ に関 しては 、ガイ ドラ イン とは別 に、例 えば 著作 権者が 訴えて いな
くても 取り締 まれ るよ うな仕 組みを どう つく れるの かとい うこ とを 議論し ていか ない
と、AIが進んでいった 中で日本のコンテンツというものが世界中のAIクリエーターに
よってフリーライドされ、5年後、10年後、せっかく日本のコンテンツエンタメ事業と
いうも のがす ごい 輸出 産業に なると 言わ れて いるの が、フ リー ライ ドによ って育 ち切
らないという可能性すら大きくなってきている。
・ 漫 画 の 海 賊 版 対 策 に 、 全 力 で 取 り 組 ん で き た 身 と し て 、 指 摘 は よ く 分 か る 。 同 時 に、
そうい う効果 につ いて の方法 論も随 分と 進化 を遂げ ており 、海 外の ドメイ ン管理 団体
の協力 を取り 付け ると か、メ ガプラ ット フォ ーマー などの 協力 を取 り付け るなど の、
システ マチッ クな 対応 も進め ている とこ ろ。 官民を 挙げて 支え てい かなけ れば、 恐ら
くはい たちご っこ にい ずれ負 ける。 そう いう 官民を 挙げた 対応 が、 ますま す重要 にな
ると思う。
7
・ 対 策 を 取 る に も 、 や は り 最 低 限 の 法 制 度 が あ る か ら 取 れ る と い う と こ ろ も あ る 。 違法
でない ものに 対し て強 い対策 という もの はな かなか 難しい 。ガ イド ライン そのも のに
何か最 低限の 法制 度を 組み合 わせる こと で実 効性を 高める とい うよ うな発 想はあ って
いいのではないかということで先ほどの47条の5についても申し上げた。
・ 多 く の 委 員 、 特 に 現 場 の 委 員 の 皆 さ ん も 含 め て 、 海 外 事 業 者 は 守 ら な い だ ろ う と いう
意見で ほとん ど一 致し ていた 。一方 、例 えば 国内事 業者で 、育 成し たい、 応援し たい
と思うような国内事業者で「robots.txt」も無視するというような動きの方は多いの
か。感覚としては、国内の開発の現場は「robots.txt」などはかなり守っていて、問
題なの はそれ を無 視す る海外 をはじ めと する 事業者 では。 海外 事業 者に国 内法を 適用
できるかという個別の課題もあるが、いずれにしても「robots.txt」を無視するが育
成したいと思うような国内事業者は果たして多いのか、という疑問も感じている。
・ あ く ま で 当 社 の 事 例 に は な る が 、 日 本 の 事 業 者 は か な り 真 面 目 に 守 る 傾 向 に あ る 。今
回の議 論にな る透 明性 みたい な話も 恐ら く、 ちゃん とやっ てく ださ いと言 われた ら多
分、弊社も守ってしまうほうだとは思う。
・「robots.txt」も「C2PA」も、あくまで紳士協定みたいな仕組みにはなっているとは
思って おり、 拘束 力は ないし 、学習 した もの が世の 中に出 てこ ない 限りは 分から ない
という ものが 現実 。少 なくと も日本 の事 業者 に関し てはそ うい うル ールに ついて は守
る傾向にはあると思う。
・ 我 々 も 守 る タ イ プ 。 現 在 、 自 分 た ち で ク ロ ー ル す る と い う よ り も 、 コ モ ン ク ロ ー ルな
どを利活 用して 遵守 し ている人 が多い とは 思 う。遵守 しない 人た ち が出てき た場合 に、
データ 量はそ ちら のほ うが多 くなっ てく るた め、守 ってい る人 たち が不利 益を被 る状
況にな ってし まう 。し っかり 遵守す るこ とで 損をし ていく 仕組 みに なって しまう とル
ールが 軽視さ れ、 おそ らく統 治でき ない こと になる だろう 。遵 守す る人や 事業者 が一
番イン センテ ィブ を受 けられ るとい う仕 組み をつく り続け ない 限り は、守 ってい るの
が正直ばからしいみたいな話になってしまうのが問題。
・前提として「 robot.txt」は、検 索クロー ラ ーに対してクロ ールの 可否を指定する ため
のプロ トコル 。デ ータ の再学 習の可 否を 示す ために 使われ るこ とが あると 認識を して
いる人 は少な いと 思う 。グロ ーバル でも しっ かり厳 守して いる と明 言して いる事 業者
のほう が、少 ない 。そ ういっ た部分 でも 、何 を遵守 してい くの か、 逆にイ ンセン ティ
ブみたいな設計等もセットで議論をしていくことが必要。
・開発事業者 のユニッ トと議論をす ると、「 robots.txt 」をかなり 真面目に扱お うとし
ている事業者もかなりいる。そのとき議論になるのが、実際のところ、「robots.txt」
を無視 した形 で開 発し ている 事業者 は存 在し 、特に それが 海外 事業 者であ って、 自分
たちが つくっ てい るモ デルの 学習を させ るた めの素 材を集 める とき に非常 にネッ クに
なり始めてい るという 点。AIのモデ ルの精度 とか性能に直 結するよ うになってき てお
り、非常に悩みになっていると聞いた。
8
・ 日 本 の 事 業 者 で 守 る 方 は か な り 出 て く る と 感 じ る が 、 逆 に 言 え ば 、 こ う い う よ う なも
のをほ ぼ無視 する 形で やるで あろう と思 われ る海外 事業者 に日 本が 圧倒さ れる状 況と
いうものが十分起こり得るなと感じている。
・ 全 体 的 に 見 て 、 ガ イ ド ラ イ ン に つ い て は 、 実 効 性 と い う 議 論 だ と 思 う 。 日 本 の 事 業者
は守っ てしま うと いう 表現で あり、 その 分だ け損す るので はな いか 。海外 事業者 がそ
こは対 応しな いと いう ことで あれば 、む しろ 、そう いう措 置が 適切 なのか 、そう いう
疑問が非常に強かった。
・ ガイ ド ラ イン に つ い て はAI 法 の 中で の 施 策 と して 考 え られ て お り 、 著作 権 違 反と して
評価さ れるも のに つい てはま た別だ とは 思う が、や はり海 外事 業者 が本当 に遵守 して
くれる のか、 逆に 言う と、法 的措置 が実 効的 に行わ れる環 境に ある のかと いうよ うな
指摘もあった。
・事務局の話だと、EU 法の部分で準拠した企業は、日本においても準拠してくれるだろ
うという感触をお持ちだと思うが、その場合、EU 法が一番強く、その延長線上に、日
本のガイドラインを置き、EU 法を守っていれば日本法も自動的に守られるみたいな話
になる と非常 にい いと 思って いる。 一部 でも 日本の ガイド ライ ンの ほうが 強い状 況に
なってしまわないよう、その辺りの温度感を間違えないようにするといい。
・ 知 的 財 産 保 護 の た め の 措 置 に つ い て 、 い ろ い ろ な 技 術 の 採 用 に 関 す る 記 載 が あ る が、
合理的 で経済 的に 可能 であり 、ある 程度 標準 化され ている 、と いう 前提を 書く必 要が
あると 思う。 そう しな いと、 事業者 に過 大な 負担と なる。 例え ば、 類似物 の生成 を防
止する 技術的 措置 と言 っても 、簡単 なこ とで はない ので、 技術 的な 観点だ けでは なく
て、経 済的に も、 それ から、 合理的 にも と、 いろい ろ条件 がつ いて いかな いとい けな
い。一 般的に 採用 され ている かどう かと か、 そうい うこと をち ゃん と入れ 込んで いく
ことが必要。
・ 海賊 版 サ イト へ の ア ク セス を 回 避す る と い う のは 、 EU の実 務 規 範 に も入 っ て いる が、
EUの 場合は政 府や、政 府が準公認し ている団 体が、海賊版 サイトの リストを出し てい
て、そ のリス トを 参考 にして 、アク セス 回避 が実現 されて いる 。日 本の場 合、そ うい
うリス トを出 さな いま まに、 海賊版 サイ トを 自分で 判断し て学 習し ないよ うにと 言わ
れると、負担が大きい。
・ 個 別 に 事 業 者 の や れ る こ と や れ な い こ と を ヒ ア リ ン グ し て い か な い と い け な い 。 ガイ
ドライ ンに記 載す ると いうこ とは、 守ら なけ ればい けない とま では 書いて いない が、
配慮し たほう がい いと いうこ とにな るか ら、 事業者 によっ ては 、厳 し過ぎ ると取 られ
る方もいるのではないか。
・ 一 方 で 、 権 利 者 か ら す る と 、 書 い て あ る の に 守 っ て い な い と い う の は 腑 に 落 ち な いと
いうこ とにな るだ ろう 。実現 が難し いこ とが 書いて あると 、権 利者 さんに とって 、期
待をし たのに 空振 りに なるわ けで、 それ はそ れでよ くない と思 うの で、丁 寧なヒ アリ
ングをして落とし込んでいくことが必要。
9
・EU の 開 示 内容 と 統 一 す ると い う こと が す ご く 重要 。 基 本構 想 の 中 に 世界 で 一 番利 活用
ができるというところがあるので、EUよりも ハードルを高くするのは、避けたい。EU
の開示義 務を満 たせ ば 日本も満 たせる とい う ような形 でのハ ーモ ナ イズがす ごく重 要。
・ 事 業 者 が 書 け る か ど う か は ま た 別 の 話 と し て 、 オ ー プ ン な 開 発 を し て い る 立 場 か らこ
れを書 こうと 思っ たと きに、 何を求 めら れて いるの か、よ く分 から ないと ころが ない
よう、明確にすることが重要である。
10
資料2
資料2
AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関する
プリンシプル・コード(仮称)
(案)
1.総論
(1)基本的な考え方(目的)
この文書は、
「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和七年法律第五
十三号)の趣旨を踏まえつつ、EU AI Actにおける取組(透明性の確保のための措置や著
作権保護のための措置)及びコーポレートガバナンスの分野におけるスチュワードシップ・コー
ド等の取組(コンプライ・オア・エクスプレイン)を参考に、AI事業者が行うべき透明性の確
保や知的財産権保護のための措置の原則を定め、もってAI技術の進歩の促進と知的財産権の適
切な保護の両立に向け、権利者や利用者にとって安全・安心な利用環境を確保することを目的と
する。
(2)この文書の適用を受ける対象
この文書は、
「AI開発者」及び「AI提供者」
(以下これらを総称して「AI事業者」という。
)
に適用されるものとする。
○
「AI開発者」とは、AIモデル・アルゴリズムの開発、データ収集(購入を含む)
、前処理、
AIモデル学習及び検証を通してAIモデル、AIモデルのシステム基盤、入出力機能等を
含むAIシステム(以下これらを総称して「AIシステム」という。)を構築する役割を担う
者(なお、その目的、法人・個人の別を問わない。
)であって、当該開発に係るAIシステム
の全部又は一部を公衆(不特定の者又は特定多数の者をいう。以下同じ。)に提供した者をい
う。
○
「AI提供者」とは、AIシステム検証、AIシステムの他システムとの連携の実装、AI
システム・サービスの提供、正常稼働のためのAIシステムにおける利用者側の運用サポー
ト又はAIサービスの運用を担う者(なお、その目的、法人・個人の別を問わない。
)であっ
て、AIシステムをアプリケーション、製品、既存のシステム、ビジネスプロセス等に組み
込んだサービス(以下これらを総称して「AIサービス」という。
)を公衆に提供した者をい
う。
明確化を期すため付言すれば、一の法人又は個人が保有するデータを用いて、その者のみが使
用するAIシステムを提供する者は、この文書の「AI開発者」には含まれない。また、一の法
人又は個人が保有するデータを用いて特化させたAIシステムを搭載したAIサービスを、その
者のみに提供する者はこの文書の「AI提供者」には含まれない。
1
なお、日本国内に本店又は主たる事務所を有しないAI事業者であっても、AIシステムやA
Iサービスが日本に向けて提供されている場合(日本国民が利用できる場合を含むがこれに限ら
れない。)には、この文書の適用を受けるものとする。
(3)この文書が採用する手法
この文書は、AI事業者、AI利用者及び権利者が置かれた状況やそれぞれの意向等も踏まえ
て制定されたものであり、AI事業者に対して、AI事業者に帰属する情報(なお、営業秘密を
含むがこれに限られない。
)の強制的な開示を求めるものではなく、以下に示す原則についてコン
プライ・オア・エクスプレインの手法により対応を求めるものである。
「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法とは、原則を実施するか、実施しない場合には、
その理由を説明するよう求める手法である。すなわち、以下に示す原則の中に、自らの個別事情
に照らして実施することが適切でないと考える原則があれば、それを「実施しない理由」を十分
に説明することにより、一部の原則を実施しないことも想定している。ただし、当然のことなが
ら、AI事業者は、当該説明を行う際には、実施しない原則に係る自らの対応について、利用者
や権利者の理解が十分に得られるよう工夫すべきである。
なお、原則を実施しつつ、併せて自らの具体的な取組みについて積極的に説明を行うことも、
利用者や権利者から十分な理解を得る観点からは有益であると考えられる。
(4)この文書の受入れ状況の可視化
この文書の受入れ状況を可視化するため、以下に示す原則を受け入れるAI事業者に対して、
次の事項を期待する。
自らの管理及び運用するコーポレートサイト(AI事業者の概要、事業内容、製品情報等
の公式情報を発信するウェブサイトをいう。
)その他これと同等の機能を有するウェブサイ
ト(以下、これらを総称して「コーポレートサイト等」という。
)で次の事項を公表すると
ともに、内閣府知的財産戦略推進事務局所定の参考様式に基づきこれを届け出ること。
この文書に定める各原則を受け入れる旨(受け入れ表明)
この文書に定める各原則に基づく実施項目
各原則の実施項目
実施しない原則がある場合には、その理由の説明
各項目について毎年、見直し・更新を行うこと(更新を行った場合には、その旨も公表す
ること)
2
内閣府知的財産戦略推進事務局は、この文書に則ったコンプライ・オア・エクスプレインに係
る参考様式を作成し、届出のあった事業者の一覧及び当該事業者が記載・公表した参考様式等へ
のリンク等を公表するとともに、関係省庁や関係団体の協力の下、積極的な届出を各業界に対し
て促すものとする。ただし、内閣府知的財産戦略推進事務局は当該届出の内容について審査を行
うものではなく、第三者からの照会等についても回答しない。
3
2.この文書が示す原則及び例外
(1)この文書が示す原則
【原則1】
AI事業者は、自らの管理及び運用するコーポレートサイト(AI事業者の概要、事業内
容、製品情報等の公式情報を発信するウェブサイトであって、すべての者が閲覧可能なものを
いう。
)その他これと同等の機能を有するウェブサイトにおいて、次の(1)及び(2)に定
める各事項(以下これらを総称して「開示対象事項」という。)の概要を開示し、利用者及び
権利者を含めたすべての者が閲覧可能な状態にする。
(1) 透明性確保のための措置
次の各事項を開示するものとする。
ア
使用モデル関係
名称(識別子、バージョン 等)
公開日を含む来歴(過去のバージョンや修正履歴 等)
アーキテクチャ・設計仕様(モデル開発において第三者と契約するライセンス
の状況、使用に必要なハードウェア・ソフトウェアやライセンス 等)
利用規定(想定する用途や、制限・禁止されている用途の明確化 等)
モデルのトレーニングプロセスの内容(トレーニングの方法、推論過程や判断
根拠を含むパラメータの設定 等)
イ
学習データ関係
学習及び検証等に用いられたデータ(データの種類、ウェブクロールや第三者
から取得した非公開のデータセット、公開データセット、その他の手段で収集
されたデータ、合成データの利用有無及び目的 等)
クローラ(目的、データ収集期間、名称・識別子、第三者クローラの利用の有
無及びその名称・識別子 等)
ウ
アカウンタビリティ関係
AIシステム・サービスの開発・提供・利用中に行われた意思決定等につい
て、技術的に可能かつ合理的な範囲で追跡・遡求が可能な状態の内容(記録方
法、頻度、保存期間 等)
(2)知的財産権保護のための措置
次の各事項への対応状況について開示するものとする。
適切な権利遵守運用を実現するため、会社として知的財産権保護のための原則
を策定し、責任体制を明確化するとともに、年1回以上これを見直し、その要
旨を外部に公表すること。
AIの開発・学習等も含めたデータの活用に関しては、他者の知的財産権を侵害
しないこと。
4
ペイウォール等のアクセス制限の尊重や robots.txt 等の機械可読な指示に従う
クローラの採用等に取り組むこと。権利者による適切な措置のため、ユーザーエ
ージェント毎に上記の措置を公開し、変更時には通知すること。
学習したログを一定期間保持していること 1。
いわゆる海賊版サイトなどへのクロール回避に取り組むこと。
知的財産権を侵害する生成物の生成を防止する技術的措置を講ずること。
利用者に対して、生成物が他者の知的財産権を侵害するものと考えられる場合に
は、これを利用すべきでない旨を周知すること。
電子透かし、C2PAその他のコンテンツの出所や来歴を証明するような技術を
可能な限り実装すること。
権利者の適時適切な救済を確保するため、 既存の体制を活用することも含め、
適切な窓口を整備し、申出要件を可能な限り明確化するとともに、その対応記録
を保存すること。
(細則)
○
AI事業者が自ら進んで開示対象事項の詳細を明らかにしておくことを妨げるものでは
ない。
○
なお、開示すべき概要に係る記載の程度については、別途内閣府知的財産戦略推進事務局
が開示する参考様式を参照されたい。
1
ログの保存については、総務省・経済産業省「AI 事業者ガイドライン(第1.1版)
」18頁において、
「① 検
証可能性の確保」として「AI の判断にかかわる検証可能性を確保するため、データ量又はデータ内容に照らし合
理的な範囲で、AI システム・サービスの開発過程、利用時の入出力等、AI の学習プロセス、推論過程、判断根拠
等のログを記録・保存する」、
「ログの記録・保存にあたっては、利用する技術の特性及び用途に照らして、事故等
の原因究明、再発防止策の検討、損害賠償責任要件の立証上の重要性等を踏まえて、記録方法、頻度、保存期間等
について検討する」と記載されているところである。
5
【原則2】
自らの権利又は法律上保護される利益の実現のために訴訟提起、調停申立て、ADR(裁判外
紛争解決手続)その他の法的手続を現に行い又は法的手続の準備をしている者(なお、その者
から委任を受けた弁護士及び法令により裁判上の行為をすることができる代理人を含む。)か
ら、開示対象事項(
「
(1)透明性確保のための措置 ア 使用モデル関係」記載の事項を除く。)
について詳細の開示の求めがあった場合において、当該要求が次の事項を満たすときは、AI
事業者は、当該要求に係る開示対象事項の詳細及び要求に対するAI事業者としての意見を開
示する。
① 「自らの権利又は法律上保護される利益の実現のために訴訟提起、調停申立て、ADR
(裁判外紛争解決手続)その他の法的手続を現に行い又は法的手続の準備をしている者」
に該当することを示す理由が示されていること
② 開示に係る事項及び意見の利用目的が明示されており、かつ、開示を求める者が当該目
的以外で利用しない旨を誓約していること
③ URL等のAI事業者において容易にアクセス及び確認可能な情報を示しており、かつ、
当該情報との関係でAI事業者に対して開示を求める事項が特定されていること
④ AI事業者に対して求める意見が特定されていること
(細則)
○
原則2が示す開示要求の典型例は次のとおりである。
自ら作品を創作してウェブサイトAに掲載している者が、当該作品と同一又は
類似のAI生成物を発見したため、AI事業者に対して、当該ウェブサイトA
の作品掲載ページのURLを示して、当該ドメインがクローラによるクロール
対象に含まれているか、第三者から提供を受けた学習データの取得源に含まれ
ているか等について開示を求める場合
robots.txt やペイウォールなどの対応をした上で自らのウェブサイトBに記事
を掲載している者が、当該ペイウォール内の記事と同一又は類似するAI生成
物が出力されることを発見したため、AI事業者に対して、当該ウェブサイト
Bの作品掲載ページのURLを示して、クローラの名称・識別子、第三者クロ
ーラの名称・識別子、ペイウォール・robots.txt の尊重の状況等について開示
を求める場合
○
①に定める「理由」の程度については、要求を受けたAI事業者において「自らの権利
又は法律上保護される利益の実現のために訴訟提起、調停申立て、ADR(裁判外紛争
解決手続)その他の法的手続を現に行い又は法的手続の準備をしている者」に該当する
と信じるに足りる理由を示すことが求められる。
6
○
本原則では、開示対象事項の開示を求める者の権利又は法律上保護される利益の実現に
支障を来すことのないよう、AI事業者において可能な限り詳細かつ分かりやすい開示
を行うための努力を払うことが求められる。また、開示が求められた学習データ等が営
業秘密に該当すると考えられる場合などにおいても、まずは真摯に検討、協議すること
が期待される。
○
AI事業者において、技術的課題やコスト等を踏まえ、合理的な判断の下、過大な負担
を回避するべく、開示対象事項の開示に係る対応方針を自ら明確化して公表することが
望ましい。このような多様なコンプライ・オア・エクスプレインの蓄積により、優れた
取組を行っている事業者に対し、市場原理に基づく評価が適切になされることが期待さ
れるほか、AI事業者・AI利用者及び権利者の間の相互理解が深まることが期待され
る。
○
原則2の実施に際しては、一定の手数料を設定したり、例えば1回当たりの要求に係る
開示対象事項を5つまで、同一人からの照会を1週間当たり1回までに制限するなどの
回数制限を設けたりする等の濫用的な要求を防止する措置を講ずることが考えられる。
ただし、開示の要求を萎縮させ、困難にし、または諦めさせるような手数料や回数制限
を設ける等の措置をとらないよう留意が必要である。
○
開示対象事項を開示する時期については特定のルールを定めるものではないが、開示対
象事項の開示を求める者の権利又は法律上保護される利益の実現に支障を来すことのな
いよう、合理的期間内にすみやかな開示を行うための努力を払うことが期待される。
○
AIシステム又はAIサービスを公衆に提供する者としての説明責任を果たす観点か
ら、本原則を実施する体制構築ができていないことを述べるだけでは「エクスプレイ
ン」として不十分とし、自社の事業規模等を勘案しつつ、当該体制構築が完了する時期
を適切に説明するものとする。
7
【原則3】
AI事業者の提供するAIシステム又はAIサービスを用いて映画、音楽、演劇、文芸、写真、
漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは
映像若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供する
ためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組
み合わせたものをいう。
)を生成した者から、以下の①ないし④記載の事項を示した上で、以下
の④記載のURLのドメインがAI事業者の提供するAIシステム又はAIサービスの学習対
象に含まれているか否かに関する開示の求めがあった場合には、AI事業者は、当該要求に係
る事項の詳細及び要求に対するAI事業者としての意見を開示する。
① 開示を求める者の生成に係る当該生成物
② 当該生成物を生成する際に用いたプロンプト
③ 当該生成物の利用目的
④ 当該生成物と同一又は類似するコンテンツ(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関す
る法律第2条1項に定める「コンテンツ」をいう。
)が掲載されたURL
(細則)
○
原則3が示す開示要求の典型例は次のとおりである。
画像を生成することができるAIサービスAを利用してAI生成物を生成した
者が、当該AI生成物と同一又は類似する画像がウェブサイトBに掲載されて
いることを発見した場合に、AIサービスAを提供するAI提供者に対して、
当該AI生成物、当該AI生成物を生成する際に用いたプロンプト、当該AI
生成物の利用目的及びウェブサイトBのURLを示して、当該URLのドメイ
ン部分がAIサービスAに搭載されたAIシステムを開発する際の学習データ
のクロール対象に含まれているか、第三者から提供を受けた学習データの取得
源に含まれているか、仮にAI提供者において回答できない場合には、AIサ
ービスに搭載されたAIモデルを開発した者の名称について開示を求める場合
○
本原則では、開示を求める者のAI生成物の利活用に支障を来すことのないよう、AI
事業者において可能な限り詳細かつ分かりやすい開示を行うための努力を払うことが求
められる。また、開示が求められた学習データ等が営業秘密に該当すると考えられる場
合などにおいても、まずは真摯に検討、協議することが期待される。
○
AI事業者において、技術的課題やコスト等を踏まえ、合理的な判断の下、過大な負担
を回避するべく、開示に係る対応方針を自ら明確化して公表することが望ましい。この
ような多様なコンプライ・オア・エクスプレインの蓄積により、優れた取組を行ってい
る事業者に対し、市場原理に基づく評価が適切になされることが期待されるほか、AI
事業者・AI利用者及び権利者の間の相互理解が深まることが期待される。
8
○
原則3の実施に際しても一定の手数料を設定したり、例えば1回当たりの要求に係るU
RLの数を5つまでとし、同一人からの照会を1週間当たり1回までに制限するなどの
回数制限を設けたりする等の濫用的な要求を防止する措置を講ずることが考えられる。
ただし、開示の要求を萎縮させ、困難にし、または諦めさせるような手数料や回数制限
を設ける等の措置をとらないよう留意が必要である。
○
開示する時期については特定のルールを定めるものではないが、合理的期間内にすみや
かな開示を行うための努力を払うことが期待される。
○
AIシステム又はAIサービスを公衆に提供する者としての説明責任を果たす観点から、
本原則を実施する体制構築ができていないことを述べるだけでは「エクスプレイン」とし
て不十分とし、自社の事業規模等を勘案しつつ、当該体制構築が完了する時期を適切に説
明するものとする。
(2)この文書が示す原則に対する例外
AI事業者の中には、オープンソースソフトウェアを用いてAIシステムを開発し又はAIサ
ービスを提供している者も存在している。これにより、開示対象事項の一部に開示及び説明のい
ずれも行うことが困難な場合も存在し得ることが想定されるため、この文書は次の例外を定める。
【原則1ないし3に対する例外】
開発・学習段階(事前・事後学習)を行うAI事業者のうちオープンソースソフトウェアを用
いて事業の全部または一部を実施しているAI事業者であって、開示対象事項の一部に開示及
び説明のいずれも困難な事項が存在する者は、オープンソースソフトウェアを用いている事実
及び当該オープンソースソフトウェアのライセンスの詳細等を明らかにすることで、当該事項
の開示に代えることができる。
9
(3)
「エクスプレイン」を選択した場合に関する留意事項
AI事業者が本原則の全部又は一部について実施せず、その理由を「エクスプレイン」すると
しても、AI技術の進歩の促進と知的財産権の適切な保護の両立に向け、利用者にとって安全・
安心な利用環境を確保するというこの文書の目的に鑑み、実施しない原則に係る自らの対応につ
いて、利用者や権利者の理解が十分に得られるよう工夫すべきである。
なお、この文書の定める各原則を実施することを表明していた場合(すなわち、受入れ表明を
していた場合)であっても、利用規約等の規定に基づき開示対象を絞るなど、実質的にこの文書
の定める各原則を実施していないと評価できる場合には別途「エクスプレイン」を要する。明確
化を期すため付言すれば、契約又は利用規約においてこの文書の示す原則の適用を撤廃又は制限
する規定(オーバーライド条項)が存在しているということを示すだけでは「エクスプレイン」
としては不十分であり、なぜ当該規定を入れて撤廃又は制限をしているのかということを説明す
ることを要する。
(4)その他の事項
政府においては、各事業者の公表内容や具体的な取組の状況等を評価し、政府が実施・運用す
る各種の事業や制度等において、一定のインセンティブを設けることも期待される。
また、この文書は、AI事業者による対応の状況、国際的な取組の動向等を勘案し、必要があ
ると認めるときは、その結果に基づいて改定を行うものとする。
以上
10
資料3
「人工知能基本計画骨子」に関する意見募集の結果概要
参考資料1ー1
1.実施期間
令和7年11月21日(金)~令和7年11月27日(木)
2.意見総数
603件 (うち、団体・法人等 171件、個人 432件)
3.主な意見
「イノベーションの促進とリスク対応の両立」を基本方針とすることを評価。イノベーション推進の
ためにAI利活用を促進しながら安全・安心にAIを利活用できる環境整備を両軸で進めること
が不可欠。
「AIを使ってみる行為」が著作権を侵害することのないよう、啓発活動の徹底をすべき。政策形
成・運用の各段階において最大限の配慮を求める。
高齢化、AI/ITリテラシの決して高くない地方においては、まずは自治体のAI/ITリテラシを向
上し、自治体職員から住民にAI/ITリテラシを普及させていく取り組みが必要と思う。
日本のAISIが国際的なネットワークを活用し、AIガバナンスをめぐる議論を主導すべきであるこ
とに賛同。指針骨子にも掲げられた諸価値の重要性や、官民の協働を基調とした日本のガバ
ナンスモデルについて、国際的な議論の場において積極的に発信することが重要。
※いただいたご意見については、事務局において編集し掲載しているものもあります。
いただいたご意見については、本計画の策定や今後の政策の検討に当たって参考とさせ
ていただきます。
別紙
「人工知能基本計画骨子」に寄せられた主な意見
「人工知能基本計画骨子」に寄せられた意見総数
●
603件(うち、団体・法人等からは171件、個人からは432件)
全般に対する意見(94件(うち、団体・法人等からは28件、個人からは66件))のうち代表的な意見
番号
該当箇所
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意見内容
回答
現在、様々な生成AIによるディープフェイク報道、詐欺、児童ポルノ所持による国外逮捕などの事件が起きており、
ご意見として承ります。別途策定を
の内容である。規制も設けず、政府は無計画・無責任と言わざるを得ない。また、重要な案件であるが意見募集期間
とさせていただきます。
何の対策もなされないまま、内容は”使用前提”となっている。現行法により対応可能と繰り返し主張していたが、実際 進めております指針等も含めた今後
に法効力は限定的であり、無断で収集されたデータに関して各業界から批判の声明文が出ているにもかかわらず、こ の政府における政策検討の際の参考
1
全般
-
-
-
はわずか一週間のみ。周知され答えるには短すぎる、国民の意見を聞く気があるのか、甚だ遺憾である。
なお、パブリックコメントの期間に
ついて、本計画を年内目途に策定す
る方針となっている中で設定したた
め、ご理解いただければと存じま
人工知能基本計画骨子及び適正性確保に関する指針骨子について「イノベーションの促進とリスク対応の両立」を基
す。
本方針とする方針を評価いたします。特に生成AIの急速な進展を考慮するにあたり、本計画が「世界で最もAIを開発・ 御賛同いただき、ありがとうござい
2
全般
1
1
1
活用しやすい国」を目指すという目標を真に達成するためには、リスクベースでのアプローチに基づき過度な規制強
ます。今後の政府における政策検討
化を避けつつ、イノベーション推進のためにAI利活用を促進しながら安心・安全にAIを利活用できる環境整備を両軸で の際の参考とさせていただきます。
進めることが不可欠と考えております。
「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指す方向性に賛同します。実装支援、技術開発、ガバナンス推進、国
際ルール形成など、多面的な施策が日本の競争力に寄与すると考えます。今後策定される基本計画では、短期的なKPI
3
全般
2-3
-
-
ではなく、短期マイルストーンと中長期目標を組み合わせた段階的な目標設定を行うことが重要と考えます。これに
より、AI関連施策の進捗を柔軟に評価し、事業者が予見性を持って取り組みやすくなると考えます。また、産官学が
共通認識のもとで連携し、中長期的な取組を加速するためには、各主体との情報交換を通じて各主体の具体的な役割
(責任主体、行動、貢献内容)を明確に定義していくことが重要と考えます。
1
御賛同いただき、ありがとうござい
ます。今後の政府における政策検討
の際の参考とさせていただきます。
別紙
新聞協会はAI事業者に対し、報道コンテンツを生成AIに利用する場合は許諾を得るよう繰り返し求めている。しかし改 ご意見として承ります。別途策定を
善がみられないままサービスは拡大の一途をたどり、ユーザーが情報発信源のウェブサイトを訪問しない「ゼロク
リックサーチ」などの問題は深刻化している。このままでは、コンテンツから得た収入をさらなる報道活動に投下す
4
全般
-
-
-
る再生産サイクルが損なわれ、報道機関の機能が低下し、国民の「知る権利」を阻害する結果となりかねない。民主
主義の在り方などにも関わる極めて重要な問題であり、生成AI時代に即した新たな法整備が急務だ。 本件はこうした
状況のもとで政府の基本計画を策定するための重要な意見募集であるにもかかわらず、1週間に満たない極めて短期
間で実施した。国民の意見を尊重する考えがあるのか疑わざるを得ないものであり、極めて遺憾だ。
生成AIに限らず、AIが既存データを利用するなら学習元データの質はその優劣を決める重要な要素となる。自身の成果
が否応なく利用され、“AIのおかげ”にされる状況では誰も成果を共有せず、社会全体の知識の蓄積が滞るばかりか将来
のAIの学習資源確保の観点からも望ましくない。骨子の「まず使ってみる」よりも先に個人の成果・情報が望まない
5
全般
-
-
-
形で使用されない仕組みの構築をすべき。データ作成者の権利を認め、制作と利益還元の良いサイクルが生まれれ
ば、将来のデータの量・質の向上が期待できる。一方で国防や医療の分野や事故防止のための認識技術の開発などの
喫緊の課題で、データ作成者を含めた公共の利益となり、かつ、制作サイクルへの影響が極小の場合は、広くデータ
利用を認める意義はあると思われる。真に「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指すのならば、誰もが成
果を公表したことで損をしたと感じない仕組みを作る必要がある。
2
進めております指針等も含めた今後
の政府における政策検討の際の参考
とさせていただきます。
なお、パブリックコメントの期間に
ついて、本計画を年内目途に策定す
る方針となっている中で設定したた
め、ご理解いただければと存じま
す。
ご意見として承ります。別途策定を
進めております指針等も含めた今後
の政府における政策検討の際の参考
とさせていただきます。
別紙
●
第1章に対する意見(149件(うち、団体・法人等からは22件、個人からは127件))のうち代表的な意見
番号
1
該当箇所
-
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2
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1
1
意見内容
回答
「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」が、「世界で最も著作権を軽視する国」とならないよう、政策形成・運
ご意見として承ります。別途策定を
用の各段階において最大限の配慮を求めます。また、我が国の基幹産業と指定されるコンテンツ産業の権利者、ステ
進めております指針等も含めた今後
イクホルダーへの情報提供と対話を欠かさぬようお願い申し上げます。
の政府における政策検討の際の参考
とさせていただきます。
日本は大規模モデルを開発する環境と人材があるものとは考えられず、専門性の高さ且つどこの国よりもデータから
クリーンなモデルを作る日本らしいと思わせるモデルケースを作り続ける事が反転攻勢の好機ではないかと考える。
ご意見として承ります。今後の政府
における政策検討の際の参考とさせ
ていただきます。
なお、第1章「『世界で最もAIを
2
-
2
27
開発・活⽤しやすい国』に向けて」
27
において御指摘の「クリーン」とい
う観点に通じる「『信頼できるA
I』を追及」する旨記載するなど、
全般的に「信頼」を志向する旨記載
「AIを使ってみる行為」が著作権を侵害することのないよう、啓発活動の徹底をお願いいたします。「使ってみる」
を推奨する前に、AIに関する国民的議論を深め、そして敬意ある契約に基づく信頼を構築することが必要だと考えま
3
-
2
27
27
す。著作権・肖像権・財産権のみならず、倫理面からもAIの利活用の是非を多角的な視点を持って議論し、その過程
と結論を広く公表することによって、国民の理解と意識を高めることが不可欠ではないでしょうか。さらに、法律だ
けではカバーしきれない領域については、互いに敬意を払った契約により補完していく必要があると考えます。
4
-
2-3
-
-
しております。
ご意見として承ります。別途策定を
進めております指針等も含めた今後
の政府における政策検討の際の参考
とさせていただきます。
多くの海外勢がAI領域における生き残りをかけ、官民挙げて大規模投資に取り組むという姿勢を示しているところ。
ご意見も踏まえ、第3章第2節
日本としてもより一層踏み込んだ投資を進める必要がある。海外勢を念頭に「キャッチアップ」という記載がある
(3)②において「リーダーシッ
が、AIそのもののイノベーションを日本が牽引し、AI領域においてグローバルな議論をリードすることを目指す視点も プ」を持って国際ネットワークを構
重要。 AI分野の基礎研究から実装、更にその先のサービスへの適用・利活用に至る各段階を念頭に、政府自身による
築していく旨、記載させていただき
取り組み強化に加え、対応を進める民間への支援強化を要望する。
ます。
AI技術のうち、特に生成AIについて、人工知能基本計画骨子資料にあるように、誤情報やサイバー攻撃などの加害性リ
スクや知的財産を著作者の許諾なく搾取し、事業として利用する圧倒的な被害構造が明らかになっており、生成AIが
もたらす利益に対してリスクが莫大すぎる面があり、大変不安を覚えています。また世界中で生成AIを元凶とする
5
-
3
1
6
ディープフェイク被害や著作物の無断利用問題を取り扱った裁判も複数あり、手放しに推進してはならないものと感
ご意見として承ります。別途策定を
進めております指針等も含めた今後
じています。日本が世界に誇るAI技術を確立したいのであれば、既存の生成AI技術に乗っかることなく、学習データす の政府における政策検討の際の参考
べてに許諾をとった透明性のあるデータを用意し、出力物に対しAI製であることを明記した上で、生成AIによる被害が とさせていただきます。
起きた際に加害者にしかるべき罰則がなされる社会であることが大前提なのではないでしょうか。どうか賢明な対応
をお願いいたします。
3
別紙
6
-
5
7
7
「まず使ってみる」とあるが現在SNSを中心にAIで作成されたディープフェイクによる混乱が生じており、それに対
ご意見として承ります。別途策定を
して抑止力となる法律も規則もない中で悪意あるなしで使えている現在、起きている問題も解決できていないのに推
進めております指針等も含めた今後
進することに強い恐怖を覚えます。 そういったトラブルを抑止するためにライセンス制にするなどまずはリテラシー
の政府における政策検討の際の参考
のある方々で自治ができる環境を構築してから普及するべきではないでしょうか。
とさせていただきます。
4
別紙
●
第2章に対する意見(45件(うち、団体・法人等からは6件、個人からは39件))のうち代表的な意見
番号
該当箇所
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意見内容
人とAIが協働するAIとの共生社会の実現のために、人間中心のAI社会原則と共に、AIの福祉と権利の問題について ご意見として承ります。今後の政府
における政策検討の際の参考とさせ
も検討すべきと思われます。
1
-
4
3
回答
ていただきます。
4
なお、第3章第4節において「AI
社会から取り残される者を生まな
「AI社会を生き抜く『人間力』を向上」とあるが、あまりに漠然とした文面のため不安に思った。もう少し具体性の
2
-
5
12
13
い」旨記載しております。
ご意見を踏まえ、第3章第4節にお
ある説明がなければ納得することも批判することもできない。 なお、字面だけ見ると政府が国民に精神論を向けてい
いて「人間力」に係る記載を丁寧に
るようで、太平洋戦争時のプロパガンダのようだなと感じた。
させていただきます。
5
別紙
●
第3章に対する意見(296件(うち、団体・法人等からは113件、個人からは183件))のうち代表的な意見
番号
1
該当箇所
第1節
ページ
6,10
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-
-
意見内容
回答
防衛分野のAI活用について、範囲や安全性基準が不明確です。人間の最終判断権や暴走防止策など、国際基準と整合
ご意見として承ります。別途策定を
した具体的なガバナンス方針の明示を求めます。
進めております指針等も含めた今後
の政府における政策検討の際の参考
とさせていただきます。
高齢化、AI/ITリテラシの決して高くない地方においては、まずは自治体のAI/ITリテラシを向上し、自治体職員から住
民にAI/ITリテラシを普及させていく取り組みが必要と思う。「~自治体が 積極的にAIを導入できる環境を整備」と
2
第1節
6
15
16
あるが、自治体もそもそもAI/ITリテラシが高くなく、面倒でもあり、積極的に導入、普及しようとする意識は高くな
いと想定。AI/ITリテラシが高くないため、何をどう進めたらよいのかわからない。強いては、AI/IT活用は課題解決の
手段ですが、課題設定をせずに、AI/IT導入自体が目的になると想定される。
3
第1節
11
-
-
第2節
7
-
-
7
17
たします。
ご意見として承ります。今後の政府
における政策検討の際の参考とさせ
らず、「AIに何を聞くか」「結果をどう検証するか」「AIが苦手な部分を人間がどう補うか」を学ぶカリキュラムが必 ていただきます。
要です。これにより、AIを巡る恐怖や分断ではなく、「うまく付き合うスキル」を国として底上げする方向性を明示
なお、第3章第4節において「AI
してほしいと考えます。
時代における教育の推進」について
本計画では、「日本国内におけるAI開発力の強化」「日本独自にAIエコシステムを構築」といった表現が多数見
言及しております。
ご意見を踏まえ、第3章第2節の各
化や国際標準との乖離を招きかねません。 特に学習データや評価指標については、日本語・日本文化に根ざしつつ
も、他国の研究機関や国際的な標準化プロジェクトと協働し、「閉じた国産モデル」ではなく、オープンで相互運用
地域におけるAI研究開発支援拠点の必要性についても、AI基本計画に記載していただきたい。
第2節
トプラクティスを脚注として追記い
を、教育基本計画と連動して位置付けるべきです。初等中等教育では、AIを使ったらカンニングという発想にとどま
可能な標準データ・枠組みづくりに積極的に参画する旨を、基本計画のレベルで明記していただきたいです。
5
指摘の箇所に、自治体におけるベス
本計画では人材育成にも触れられていますが、「AIがあることを前提に読み書き・調査・創作を行う社会」への移行
られ、自国で開発・運用することの意義は理解できます。一方で、過度に「国産」にこだわりすぎると、ガラパゴス
4
ご意見も踏まえ、第3章第1節の御
19
所に「海外展開」、「他国と連携」
といった文字を追記いたします。
なお、第3章第3節においては「相
互運用性」について言及しておりま
す。
ご意見を踏まえ、第3章第1節の脚
注として、地域における各種取組に
ついて追記いたします。
具体的な取り組み例として、日本国内のAI開発力の強化や信頼できるAI基盤モデルの開発が挙げられている。詳細は不 ご意見として承ります。今後の政府
明だが、政府自らがデータセットやデータ連携基盤の構築、日本語データの整備・拡充に取り組むとすれば、データ
の権利者に許諾を得て適切な対価を支払う枠組みが不可欠だ。すでに報道コンテンツの無断学習・利用が課題になっ
6
第2節
7-8
-
-
ている中、政府自らが権利者を重視する姿勢を示すことが、基本計画で掲げる「AIエコシステム」を構築するために
最も重要だ。AIの政府調達にあたっても、適切な権利処理を行っている開発業者の製品かどうかを判断基準に盛り込
むべきだ。
における政策検討の際の参考とさせ
ていただきます。
なお、第3章第1節において「政府
によるAIの適正な調達・利活用」
について言及しており、この記載に
ついては御意見も踏まえ、より丁寧
な記載をいたします。
6
別紙
御賛同いただき、ありがとうござい
7
第3節
9
18
21
AIガバナンスに関して記載されている内容に賛同する。その上で、事業者が各種の取組を自主的に行えるよう、国や
ます。別途策定を進めております指
関連団体等への積極的な支援が実施されることが望ましいと考える。たとえば、各企業が透明性レポートの開示に積
針等も含めた今後の政府における政
極的に取り組めるよう、その重要性を周知し公開を促す支援等が想定される。
策検討の際の参考とさせていただき
AI Safety Institute(AISI)および、より広範に日本のAI評価基盤を継続的に強化していくことの重要性に賛同しま
ます。
す。基本計画においては、AISIが包括的な評価手法や、産業界・市民社会との連携による標準化された安全性のプラク 御賛同いただき、ありがとうござい
8
第3節
9
22
24
ティスを策定することの重要性を強調することも考えられます。 また、AISIを通じて、日本が世界のAISIネットワー
ます。今後の政府における政策検討
クにおける主要な拠点となり、グローバルで相互補完的な安全性に関する期待や優先事項の推進に貢献できると考え
の際の参考とさせていただきます。
ています。
日本のAISIが国際的なネットワークを活用し、AIガバナンスをめぐる議論を主導すべきであることに賛同する。各国に
9
第3節
10
-
-
おける政策的な立場にも日々変動が見られることを念頭に、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に
関する指針骨子」の方にも掲げられた諸価値の重要性や、官民の協働を基調とした日本のガバナンスモデルについ
て、国際的な議論の場において積極的に発信することが重要であると考える。
御賛同いただき、ありがとうござい
ます。今後の政府における政策検討
の際の参考とさせていただきます。
AI 社会から取り残される者を生まないよう、AI 社会を生き抜くための「人間力」向上を図る方針に賛同いたします。 御賛同いただき、ありがとうござい
10
第4節
10
21
22
あわせて、AI 社会から取り残される可能性が高い層への配慮(仕組み等)についても、検討いただけますと幸いで
ます。今後の政府における政策検討
す。
の際の参考とさせていただきます。
7
別紙
●
第4章に対する意見(19件(うち、団体・法人等からは2件、個人からは17件))のうち代表的な意見
番号
該当箇所
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行数
意見内容
推進体制に「文化・クリエイティブ産業」の専門家を加えることを求めます。城内実AI戦略担当大臣は、国会で「ク
リエイターの不安に向き合う姿勢」を示されていました。実際に、生成AIは文化芸術分野における人格権・著作権・
1
第2節
12
13
14
実演権に深刻な影響を与えています。 推進会議・有識者会議に、コンテンツホルダー、実演家団体、クリエイター団
体、そして生成AIのクリエイティブ分野での活用に対して懐疑的な有識者を加える公平な仕組みを、計画に明記する
ことを求めます。
回答
ご意見として承ります。今後の政府
における政策検討の際の参考とさせ
ていただきます。
なお、第4章第2節において「産学
官で積極的に連携」する旨、記載し
ております。
ご意見として承ります。今後の政府
における政策検討の際の参考とさせ
計画の見直しについて、ある程度でも良いので具体的な時期を明示して欲しい。 また期限については、社会全体を巻
き込んでの内容である事を鑑み、今回のような1週間ではなく通常のパブリック・コメント同様1ヶ月程度である事を
2
第2節
12
10
10
望む。 現在の形では、広く意見を集めるという趣旨に反してしまう。 また専門調査会で聴取する有識者については、
生成AIが市場の競合を起こしている全ての分野の業界団体、並びに権利侵害を受けている業界の複数団体からも意見
を取り上げるべきである。
ていただきます。
なお、第4章第2節において「当面
は毎年変更を行う」旨、記載してお
ります。
パブリックコメントの期間について
は、本計画を年内目途に策定する方
針となっている中で設定したため、
ご理解いただければと存じます。
8
資料4
参考資料1ー2
人工知能基本計画(案)
目次
第1章 基本構想 ~「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指して~ ................................... 2
第2章 AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関する施策についての基本的な方針 ........................ 4
第3章 AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策 ...... 6
第1節
AI利活用の加速的推進 ........................................................................................................ 6
第2節
AI開発力の戦略的強化 ........................................................................................................ 8
第3節
AIガバナンスの主導 .......................................................................................................... 10
第4節
AI社会に向けた継続的変革............................................................................................... 12
第4章 AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関する施策を政府が総合的かつ計画的に推進するた
めに必要な事項 ............................................................................................................................ 15
第1節
基本計画の推進体制及びフォローアップ ............................................................................ 15
第2節
基本計画の変更 .................................................................................................................... 15
第3節
他の計画等との連携 ............................................................................................................. 15
1
第1章
基本構想
~「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指して~
(国際競争と我が国の現状)
人工知能(Artificial Intelligence。以下「AI」という。)は、生成AIを筆頭に急速な
技術進歩が起きており、今後、様々な分野において効率性や利便性を大きく向上させるほ
か、新しい科学的発見や人間の創造性を補う役割も期待されるなど、世界の持続可能な発
展に必要不可欠なテクノロジーとなっている。
世界各国ではAIの利活用が進んでおり、国力を左右するものとして世界的な開発競争
が起きている。我が国としてもこの開発競争に出遅れることはできない。
他方、我が国ではAIの利活用が国民に定着しているとは言えず、また、AI関連の投
資の規模も主要国の後塵を拝しており、経済規模で見れば驚くほど小さい状況にある。
この状況を打破するため、今こそ、AIの利活用及び研究開発を積極的に推し進め、経
済・社会構造の変革や付加価値を創出していく「AIイノベーション」の推進を始めとし
て、我が国としてAIに関する国家戦略を構築していくことが不可欠である。
(AIイノベーション)
2025 年に入り、自律的に業務を実行できる「AIエージェント」、現実世界でロボット
等を動かす「フィジカルAI」といったAIに関する新たな技術が進展してきている。
AIは、様々な分野において効率化や生産性向上をもたらし、適時的確な業務の実施を
可能とするだけでなく、新たな発展につながる新事業・新市場創造、社会課題解決、包摂
的成長も実現し得る。また、日本の経済社会が抱える「人口減少」や「国内への投資不足」、
「賃金停滞」といった長年の課題を解決する手段にもなり得る。
AIは、国民の生活の質の向上ももたらし、健康・医療、防災を含む安全・安心な国民
生活を実現し、さらにはデュアルユース技術として安全保障に関わる技術の高度化や平和
の構築にも貢献することが期待される。
AIイノベーションを積極的に進めていくことは、日本社会の持つ潜在的な可能性を存
分に発揮することにもつながる。そのためにも、日本の多くの人材や産業の高付加価値化
といった国内政策を進めるとともに、デジタル赤字抑止の観点からも世界展開を見据えた
国外政策に並行して取り組むという内外一体で取組を進めていく必要がある。
(「反転攻勢」の好機)
AIの競争環境で重要視する面は足元では大きく変化している。性能向上につながるA
Iの基盤モデルに対する投資規模の多寡でなく、AIを具体的な付加価値の創出につなげ
ることに価値が見出されている。日本は極めて広範な産業基盤を有していることから、投
資規模で出遅れた日本であっても、十分に勝ち筋を見つけられるチャンスがある。
今こそ、社会全体で「AIを使ってみる」ことを徹底し、
「利活用」から「開発」へのサ
イクルを回していき、日本が強みとして持つ産業・医療・研究といった分野の質の高いデ
ータや世界に冠たる高品質な通信環境を活かしたAIイノベーションを一つの勝ち筋と
し、日本が世界とともに「反転攻勢」に出ていく好機である。
2
(リスクへの対応)
他方で、AIには様々な観点でのリスクが存在しており、誤判断、ハルシネーション等、
不適切な情報の出力といった技術的リスクのみならず、差別や偏見の助長、犯罪への利用、
過度な依存、プライバシー・財産権の侵害、環境負荷の増大、偽・誤情報の拡散、さらに、
雇用・経済不安といった社会的リスクやサイバー攻撃等の安全保障上のリスクにも拡大し
ている。こうしたAIがもたらすリスクは国民に不安を与えてしまっていることも事実で
ある。
「AIを使ってみる」といった機運を高め、
「利活用」から「開発」へのサイクルの好循
環を実現するためにも、AIの技術進歩とともに変動するリスクを適時適切に把握し、A
Iの透明性・公平性・安全性を始めとする適正性を確保することで、安全・安心で「信頼
できるAI」を体現し、国民が抱く不安を払拭していくことが不可欠である。
(「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」に向けて)
我が国は、これまでもイノベーション促進とリスク対応を両立しながら、AI戦略を追
求してきた。
「危機管理投資」
・
「成長投資」の中核として、AI戦略を今一段と進化させる
ためにも、「イノベーション促進とリスク対応の両立」を一層徹底することにより、人と
AIが絶えず協働できるよう、個人の尊厳が尊重される人間中心のAI社会を堅持しつ
つ、
「信頼できるAI」を追求し、
「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を実現して
いく。
この際、AIを基軸とした新たな経済発展と安全・安心な社会の構築に向け、官民が一
致団結することが必要である。
国家目標の実現に資する戦略として「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に
関する法律」(令和 7 年法律第 53 号。以下「AI法」という。)第 18 条第 1 項に規定す
る「人工知能基本計画」を策定し、政府は、本計画に盛り込まれた内容を着実に推進し
ていくこととする。
3
第2章
AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関する施策についての基本的な方針
本章では、AI法第3条に規定されるAI関連技術の研究開発及び活用の推進に係る基
本理念を踏まえた、AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関する施策についての「3
原則」と「4つの基本的な方針」を定める。
(3原則)
・「イノベーションの促進とリスク対応の両立」
人とAIが協働し、
「人間中心のAI社会原則」
(平成 31 年3月 29 日統合イノベーショ
ン戦略推進会議決定)に掲げられた理念を実現するために、イノベーションの促進とリス
ク対応の両立を徹底する。
・「アジャイルな対応」
この両立に向けては、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを循環させ、変化
に即応しつつ物事に柔軟かつ迅速に向き合うアジャイルな対応を志向する。
・「内外一体での政策推進」
積極的な国際連携で、我が国が多様なAIイノベーションの結節点となるためにも、国
内政策だけでなく、対外政策を表裏一体かつ有機的に組み合わせる内外一体でAIに関わ
る政策を推進していく。
(4つの基本的な方針)
1.AI利活用の加速的推進(「AIを使う」)
日本社会全体で、世界最先端のAIに関する技術を、適切なリスク対応を行いながら積
極的に利活用することで、新たなイノベーションを創出する。
AIイノベーションを推進していく上での基盤となるデータの集積・利活用、特に組織
を超えたデータの共有を促進することで、AIの徹底した利活用につなげ、AIの性能向
上も実現する。
2.AI開発力の戦略的強化(「AIを創る」)
インフラからアプリまでのAIエコシステムに関する各主体での開発を進めつつ、それ
らを有機的に組み合わせることで、日本の強みとして「信頼できるAI」を開発する。
基礎研究から社会実装までが近接するAIをまずは社会全体で使い、それに伴い生じた
課題を解決するAIを創ることで広範な技術革新につなげる好循環を実現する。
3.AIガバナンスの主導(「AIの信頼性を高める」)
人とAIが協働する社会でAIの利活用と技術革新の好循環を実現する環境を構築す
るために、AIの適正性を確保するガバナンスを構築する。
AIは国境を越えて展開するものであるため、日本国内だけでなく、国際的なガバナン
スが不可欠であり、我が国はその構築を主導する。
4.AI社会に向けた継続的変革(「AIと協働する」)
4
人とAIが協働する社会を実現するため、産業や雇用の在り方、制度や社会の仕組みを
先導的かつ継続的に変革する。
AIを使い、AIを創るAI人材の育成・確保に加え、人とAIの役割分担を模索しな
がら、AI社会を生き抜く「人間力」を向上できる環境を構築する。
5
第3章
AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべ
き施策
本章では、前章に掲げる3原則と4つの基本的な方針を踏まえた「AI関連技術の研究
開発及び活用の推進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策」を定める。
なお、◎は主な府省庁を示す。
第1節 AI利活用の加速的推進
我が国でAIが日常的に使われている社会を目指し、様々な局面でのAI利活用を推進す
る。世代を問わずほとんどの国民が能動的かつ意識的に「まず使ってみる」という意識を広
く醸成する。
これまで利活用が進んでこなかった要因である、AIがもたらす効果やリスクへの理解不
足等の解消に努める。
国民一人ひとりの生活や企業活動の質の向上、社会課題解決等のため、各主体がAIを能
動的に利活用するよう、社会全体で取り組む。
我が国でのAI利活用を促進するため、
「隗より始めよ」の観点から、まずは政府自らが
積極的かつ先導的に利活用する。政府職員によるAIの普段使いを浸透、定着させることに
より、業務の質を向上させる。取り扱う情報の属性や用途等に応じて、政府による適正な調
達・利活用を先導的に行うことで、日本社会で利活用されるAIの信頼性及び透明性の確保
につなげる。
地方自治体においては、人口減少、社会インフラの維持・更新費用の増加など、資源制約
が深刻化する中でも持続可能に行政サービスを提供しなければならない。これらの課題を克
服するために、地方自治体が積極的にAIを導入できる環境を整備する 1。
人手不足への対応や防災・インフラの安全性の確保及び生活の安心の確保、安全保障に関
わる技術の高度化等、社会課題・国家的課題の解決に直結する分野での利活用を積極的に支
援する。
新しい事業や新たな産業の創出につながるAI利活用を促進する。
地方創生、経済再生及び国民生活の質の向上に資するAI利活用を促すため、AI利活用
を前提とし、既存の規制や制度の見直しを含めた制度改革等を先導的に推進する。
AIの徹底した利活用や性能向上のため、データの集積・利活用、特に組織を超えたデー
タの共有及び官民連携によるデータ利活用を促進する。
【具体的な取組】
(1) 政府・自治体でのAIの徹底した利活用
1
AI の実証・導入を推進する機会・事例(AI 北海道会議等)や、スタートアップの創出・育成・展開
を図るための中核支援施設(STATION Ai 等)の整備に係る地方の動きがみられる。
6
① ガバメントAI 2を推進するなど、政府の業務において生成AI等を適切に利活用し、
業務の質の向上及び効率化を推進する。【◎デジタル庁、全省庁】
② 政府自らが率先して、AIを適正に調達し、安全・安心な形での利活用を推進する。
【◎デジタル庁、全省庁】
③ 地方自治体におけるAIの適正な利活用を促進する。【デジタル庁、◎総務省】
(2) 社会課題解決に向けたAI利活用の推進
① 医療・ヘルスケア、介護、金融、教育、防災・消防、環境保全、農林水産業、食品産
業、インフラ建設・管理、造船・舶用工業、公共交通等の各分野においてAI(A
IエージェントやフィジカルAIを含む。)の開発・実証・導入を促進する。
【◎内
閣府、関係省庁】
② デジタル化・AI導入補助金を始めとする中小企業におけるAI導入促進の円滑化
を進めるなど、広く地域を支える産業へのAIの導入を促進する。【経済産業省】
③ 防衛力の抜本的強化に向けたAI利活用を推進する。【防衛省】
④ 国民の安全・安心の確保に向けた警察活動の高度化のためのAI利活用を推進す
る。【警察庁】
⑤ 情報通信分野におけるセキュリティ確保に向けたAI利活用を推進する。
【総務省】
(3) AI利活用促進による新しい事業や産業の創出
① フィジカルAIの事業や産業への先導導入を支援する。【経済産業省】
② 産学双方の研究者等に対する科学研究におけるAI利活用を支援する。【文部科学
省】
③ AIに係る革新的技術を有するスタートアップ等に対する支援を行う。
【内閣官房、
◎内閣府、農林水産省、経済産業省】
(4) 更なるAI利活用に向けた仕組みづくり
① 様々な局面におけるAIの社会実装の実現に向け、国民の声を聴きながら、既存の
規制や制度の点検及び見直しを図る。【内閣府】
② 政府関係機関等を含む政府が保有する各種データについて機械判読可能な形に整
えるとともに、AI利用を前提としたデータ環境の構築に努める。
【内閣官房、◎内
閣府、関係省庁】
2
政府等におけるAI基盤
7
③ 医療・教育・農業・建設などの準公共分野や、日本の強みとなる産業・研究分野に
おける質の高いデータを生かすため、データセキュリティにも留意しながら、デー
タ連携基盤を構築する。【◎内閣府、デジタル庁、関係省庁】
④ 統計作成等であると整理できるAI開発等の円滑化に資する本人同意の在り方や
規律遵守の実効性確保等について検討し、
「個人情報の保護に関する法律」
(平成 15
年法律第 57 号)改正案の早期の国会提出を目指す。【個人情報保護委員会】
第2節 AI開発力の戦略的強化
我が国が独自にAIを研究開発することのできる能力を強化するため、データやデータセ
ンター、基盤モデル、アプリを含むAIエコシステムについて、エコシステム全体を俯瞰し
つつ戦略的かつ統合的に日本国内で構築し、積極的な海外展開を通じて国際競争力も強化す
ることで、国力の強化及びデジタル赤字の解消に寄与するとともに、国家主権と安全保障の
観点も踏まえ、日本の自律性・不可欠性を確保する。
AIを知的基盤・実行基盤と位置付け、エネルギー効率の高いAI基盤モデル等の研究開
発及び利活用を通じて、「新技術立国」の実現や社会全体でのGXに貢献する。
開かれた形でのAI開発を志向し、国内外からトップ人材を積極的に受け入れ、産業や医
療分野、研究など日本の強みとなる分野の質の高いデータを生かし、日本国内におけるAI
開発力を高める。
他国に頼りきるのではなく、我が国自ら基礎研究を始めとするAIの研究開発を行い、開
発と実装の好循環を実現することで、実践的なスキルの獲得を可能とし、即戦力となるAI
人材の育成環境を形成する。
AIモデルとアプリを組み合わせた多様なサービスの創出、AIとロボット等を組み合わ
せて現実世界で業務を行うフィジカルAIの開発導入、科学研究に広くAIを利活用する
AI for Science 等の推進を日本の勝ち筋として、一層注力する。
国家主権と安全保障の観点や日本の文化・習慣等も踏まえた信頼できるAIの実現に向け
たデータの整備、基盤モデル及び評価基盤の開発を推進する。
AI研究開発の強化及び利活用基盤の増強・確保のため、十分な計算資源とその基盤とな
る半導体の開発及び供給、データセンター及びクラウド環境の整備、それらを支える通信ネ
ットワークの構築、安定的な電力供給体制の確保等、AIインフラの戦略的な整備を加速す
る。
AIエコシステムが持続可能な形で発展できるよう、「経済施策を一体的に講ずることに
よる安全保障の確保の推進に関する法律」(令和4年法律第 43 号)の規定や中小企業政策、
投資促進につながる税制措置や研究開発税制等を活用して、政府と民間企業が連携し、研究
開発、AIインフラ整備等に戦略的に投資する。AI投資が日本経済をけん引する成長エン
ジンとなるよう、いち早く投資を加速していく。
【具体的な取組】
8
(1) 日本国内のAI開発力の強化
① 新たなデータセット、AIの研究開発に必要なマルチモーダル 3なデータの創出・
提供等のデータ連携基盤の構築を推進する。
【◎内閣府、デジタル庁、総務省、文部
科学省、経済産業省】
② 国内外からのトップ人材を含めたAI研究者・開発者を確保するため、待遇面や生
活環境の向上など、包括的な取組を行う。【◎内閣府、文部科学省、経済産業省】
③ 先進的な知見を取り入れるため、大学・研究機関や国内外の民間事業者等における
産学官での連携・協働を推進する。【◎内閣府、文部科学省、経済産業省】
④ AIモデルの高性能化、マルチモーダル化を促進する。
【◎内閣府、総務省、文部科
学省、経済産業省】
⑤ AIの性能や信頼性を客観的に評価するための評価基盤やテストベッドを整備す
る。【◎内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省】
⑥ グローバルサウス諸国を含む海外市場へのAIインフラを含めたAI産業展開を
支援する。【総務省、◎外務省、経済産業省】
(2) 日本の勝ち筋となるAIモデル等の開発推進
① 日本が世界を主導できるようAIロボットの公的需要創出やより高度な自動運転
技術導入を含めたフィジカルAIの研究開発及び実証を戦略的かつ統合的に促進
する。【◎内閣府、文部科学省、経済産業省】
② ライフサイエンス・マテリアル分野等における基盤モデルの開発・利活用、実験の
自動化も含めた研究データの創出・利活用の効率化、情報基盤の強化、AIの基礎
研究等、AI for Science の取組を推進する。【文部科学省】
③ 新薬開発の効率化に資する創薬AIを推進する。【厚生労働省】
④ 製造業、インフラ、コンテンツ産業、金融、宇宙、海洋、農業等、日本が強みを持
つ分野において、海外展開も意識しつつ、AIと融合した新たなビジネスモデルを
追求する。【◎内閣府、関係省庁】
(3) 信頼できるAI基盤モデル等の開発
① 日本の文化・習慣等を踏まえた信頼できるAIの開発・評価を推進する。既存の集
積データの利活用を含め、質の高い日本語データの整備・拡充を図る。
【◎内閣府、
デジタル庁、総務省、文部科学省、経済産業省】
3
画像、音声、言語など複数の情報のこと。
9
② 日本が、信頼できるAIを開発する拠点となり、オープンソース 4・オープンウェイ
ト 5のAIモデルを含む信頼性の高いAIエコシステムの構築を図るとともに、こ
れについて他国と連携し、我が国がリーダーシップを持ち国際的ネットワークを構
築する。【◎内閣府、総務省、外務省、文部科学省、経済産業省】
③ エネルギー効率を重視したAIエコシステムの実現に向けた基盤モデル開発を推進
する。【経済産業省】
(4) AI研究開発・利用基盤の増強・確保
① AIデータセンターの整備、AIの研究開発に必要な計算資源の確保、効率的な電
力・通信インフラの整備(ワット・ビット連携)、オール光ネットワークの導入、次
世代情報通信基盤(Beyond 5G)の研究開発を推進する。
【◎総務省、文部科学省、
経済産業省】
② 高性能なAI半導体等の研究及び開発を推進する。
【総務省、文部科学省、◎経済産
業省】
③ スーパーコンピュータ「富岳」の次世代となる新たなフラッグシップシステムの開
発・整備を推進する。【文部科学省】
④ 国内で開発・製造されるAIインフラの各層の生産能力拡大及び供給能力拡大を推
進し、サプライチェーンを強化する。【経済産業省】
第3節 AIガバナンスの主導
AIイノベーションの好循環を実現し、信頼できるAIエコシステムを構築するため、技
術開発・実証・評価・運用の各段階において、適正性の確保につながるPDCAサイクルを
構築する。
これを実現するため、国民や事業者等の自主的かつ能動的な取組を促すよう、国としての
基本的な考え方を提示する。当該考え方等を踏まえ、AIセーフティ・インスティテュート
(AISI)を抜本的に強化することで、AIモデルの技術的評価を適切に行い、当該評価
も踏まえ、AIがもたらすリスクに係る実態把握を行うとともに必要な措置を講じる。
AIの安全性確保やAIを利用した攻撃への対応が、新たなサイバーセキュリティ上の課
題として認識されつつあることを踏まえ、体制整備を含めた適切な措置を講じる。
行政においてAIを利用する際、判断の根拠等が不明瞭にならないようにするなど、国民
へのアカウンタビリティを果たし、行政の信頼性を確保する。
4
ソフトウェアのソースコードが公開されており、誰でも閲覧・利用・改変・再配布できるライセン
ス形態のこと。
5
AI モデルの「学習済み重み(weights)
」が公開されている状態を指す。
10
AIガバナンスに関する国際的枠組み「広島AIプロセス」を主導してきた日本として、
引き続き国際的な議論を主導しながらAIガバナンスの構築において国際協調を図る。
その際、多様な開発主体・用途・設計思想等に基づくAIモデル間の相互運用性の確保を
重視し、日本が世界のAIイノベーションの結節点となる。
【具体的な取組】
(1) 信頼できるAIエコシステムの構築
① 技術開発の進展とともに、ディープフェイクなどAIを悪用した問題が顕在化して
いる。これらや国民生活への影響について、AI法第 16 条に基づく調査研究等を
実施し、リスクへの対応等を適切に行う。【◎内閣府、関係省庁】
② 事業者等によるAIの研究及び開発・利活用における適正性の確保に向けた自主的
な取組を促すとともに行政における円滑かつ適正な利活用に向けた、AI法第 13
条に基づく指針その他各種ガイドライン等を整備し、関係者への周知徹底を図る。
【◎内閣府、総務省、経済産業省、関係省庁】
③ AI関連のサイバー事案の対処能力の向上など、AIを悪用したサイバー攻撃や詐
欺を始めとする各種の犯罪等への対応を図る。【◎警察庁、総務省】
④ 各種分野におけるセキュリティ確保に向けたAI利活用を推進する。
【◎内閣府、関
係省庁】
⑤ AIモデルの安全性にとどまらず、より広範な適正性に係る評価やセキュリティ面
での対策を実行できる体制を構築し、技術的・制度的なガバナンスの強化を図る。
その中核として、AISIの機能を、政府を挙げて抜本的に強化する。【◎内閣府、
経済産業省、関係省庁】
⑥ 生成AIを悪用した偽・誤情報等への対応について、日本のAI評価機能向上にも
資する、AI生成コンテンツを判別する技術、AIの制御機能等 6の開発を支援す
る。【◎総務省、文部科学省、経済産業省】
(2) ASEAN等グローバルサウス諸国を含めた国際協調
① 広島AIプロセスフレンズグループや外交機会を積極的に活用し、ASEAN等グ
ローバルサウス諸国等との連携を強化する。
【◎総務省、外務省、経済産業省】
② AI関連の国際規格策定に向けて、ISO/IEC JTC1 7におけるAI分野の国
際標準化活動への参画等を行う。【経済産業省】
6
例えば、AIを利用して生成されたコンテンツに対する電子透かしや事後的な真偽判別支援技術な
ど。
7
ISO(国際標準化機構)と IEC(国際電気標準会議)の合同の技術委員会
11
③ 広島AIプロセスの推進や、AISIネットワーク等の国際的な枠組みの活用によ
り、AIガバナンスの構築を主導する。
【◎内閣府、総務省、外務省、経済産業省、
関係省庁】
④ 軍事領域におけるAIの利用について、人道的考慮と安全保障の観点の双方を勘案
したバランスの取れた議論を通じて、国際的な議論へ積極的な参画を行う。
【◎外務
省、防衛省】
⑤ GPAI東京専門家支援センター等を活用し、プロジェクトベースでの支援を通じ
て、AIガバナンスや社会実装に関する具体的な課題解決を後押しする。【総務省】
⑥ 多様なAIエコシステムが信頼できる形で、各地で自立的に発展することを目指し、
グローバルサウス諸国と共創・協力モデルを構築する。
【内閣府、デジタル庁、総務
省、◎外務省、文部科学省、経済産業省】
第4節 AI社会に向けた継続的変革
AIを基軸とし、新たな産業構造の構築を図るとともに、地域活性化を促進し、誰もが恩
恵を享受できる包摂的成長の実現にも貢献する。
AI技術が急速に進展する中、「人とAIの協働」による新たな社会を実現するため、制
度や社会の仕組みを先導的に見直し、継続的に変革する。
AIの進展が雇用に与える影響について、産業構造や職種の変化を含めて丁寧に分析し、
全ての世代が新しい働き方に適応できるよう、教育、リ・スキリング支援等の対策を講ずる
というプロセスを継続的に実施する。
AIの利活用や開発を担うAI人材の育成・確保はAI社会実現のために必要不可欠であ
る。特に具体的な付加価値を創出するためにも、AIに関連する基礎的・学術的な知見・知
識を初等中等教育段階から向上させていくとともに、融合され得る産業等、様々な知見・知
識についても広く有した人材の育成が重要となる。このため、国は主導して質・量ともにA
I人材の育成・確保に取り組む。
AI社会において人が人としての価値を発揮するため、創造力、思考力、判断力、適応力、
コミュニケーション力などを含む「人間力」向上を図る。
AIの進展による格差や排除を防ぎ、AI社会から取り残される者を生まない。
【具体的な取組】
(1) AIを基軸とした産業構造の構築
12
① AIを基軸とした組織経営改革(AIトランスフォーメーション 8)を促すため、企
業等におけるDX・AI利活用の取組状況の可視化や改革の取組が進む事業者に対
する重点的な支援を図る。【内閣府、◎経済産業省】
② 具体像の提示を含め、地域におけるAIインフラを活用した新たな産業の創出や、
雇用機会の拡大を図る。【◎内閣府、総務省、経済産業省】
③ 規制のサンドボックス制度やスタートアップ支援制度などを含め、AI関連産業の
国内立地を促進する。【内閣官房、◎内閣府、経済産業省】
④ AIエージェントが相互に取引を行うことも含めた「AI経済圏」の展開を調査・
分析し、在るべき姿を探究する。【◎内閣府、関係省庁】
(2) AI社会における枠組みの検討・実証
① 様々な局面におけるAIの社会実装の実現に向け、国民の声を聴きながら、既存の
規制や制度の点検及び見直しを図る。【再掲】【内閣府】
② AI利活用における事故や損害が発生した場合の民事責任の所在や範囲について、
在り方を検討する。【内閣府、消費者庁、総務省、法務省、◎経済産業省】
③ コンテンツホルダーへの対価還元等に向けたガイドラインの策定など、適切な知的
財産の保護と利活用につながる透明性の確保を図る。【◎内閣府、経済産業省】
④ AIの進展に伴う雇用への影響について、代替性と補完性の両面から調査・分析を
行い、その結果を踏まえた包括的な対策を継続的に実施する。
【◎内閣府、厚生労働
省、関係省庁】
(3) AI人材の育成・確保
① AI時代の産業構造を踏まえた人材ニーズの調査・分析を行う。
【◎内閣府、厚生労
働省、経済産業省】
② AIや次世代半導体等の利活用・研究開発に係るエンジニアや研究者、データマネ
ジメント人材等の育成・確保を、諸外国とも連携しつつ、推進する。
【◎内閣府、外
務省、文部科学省、経済産業省】
③ AI利活用・研究開発に係る産学官ネットワークやコミュニティを支援するととも
に、課題解決力等を競うコンテストの開催等を通じて、現場主導のAI実装を促進
する。【◎内閣府、経済産業省、文部科学省】
8
AIを活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するととも
に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立するこ
と。
13
④ AIに関するスキルについて、個々の従業員や労働者に対するAIリ・スキリング
の取組を支援する。【◎内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省】
⑤ AIの進展に対応し、社会の基盤を支えるアドバンスト・エッセンシャルワーカー
9
の創出を目指して、職種や業務内容に応じたリ・スキリング支援を実施する。【◎
内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省】
⑥ デジタルスキル標準の改訂を行う。【内閣府、◎経済産業省】
⑦ 学校教育における適切な利活用の推進に向けた実証研究等を通じ、初等中等教育段
階での情報活用能力の向上を図るなど、全ての国民がAIリテラシーを向上できる
よう支援する。【◎内閣府、総務省、文部科学省】
(4) AI時代における人間力の向上
① 人とAIが協働する社会の実現に向けて、人がAIとどう付き合うか、人とAIの
役割分担の在り方を継続的に探究する。AIに依存・代替されるのではなく、AI
と向き合い、人が人としての価値を発揮する「人間力」を育む環境整備を推進する。
【◎内閣府、関係省庁】
② 人間ならではの力を伸ばしつつ、AIと共に課題を解決できる人材を育成するため、
リベラルアーツ教育を含むAI時代にふさわしい教育を推進する。
【内閣府、◎文部
科学省】
③ AIの進展に伴い、働き方の在り方そのものが大きく変化する中で、AI時代にふ
さわしい働き方の方向性を検討する。【内閣府、◎厚生労働省】
9
AIに限らずデジタル技術等も活用し現在より高い賃金を得るエッセンシャルワーカー。
14
第4章
AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関する施策を政府が総合的かつ計画的
に推進するために必要な事項
第1節 基本計画の推進体制及びフォローアップ
基本計画を実効性のあるものとし、盛り込まれた施策の実現を図るためには、その推進基
盤の整備に加え、取組の進捗状況を適時適切に情報共有し、必要に応じて調整や連携の強化・
促進を図ることが重要である。
このため、政府においては、内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とする人工知能
戦略本部、関係府省庁を構成員とする人工知能戦略推進会議を中心に、関係府省庁が緊密に
連携して取り組む。
人工知能戦略本部において基本計画の推進状況を把握の上、フォローアップを行う。その
際には、人工知能戦略専門調査会において有識者等の意見を適時適切に聴取する。
第2節 基本計画の変更
技術の発達と活用の拡大が極めて急速であるというAIに関する技術の特性、動向、社会
情勢等を踏まえ、必要に応じて本計画を見直し、変更を行うこととし、当面は毎年変更を行
うこととする。
その際には、人工知能戦略専門調査会において有識者等の意見を適切に聴取し、あわせて
最新の技術動向などを積極的に基本計画に反映していくため、産学官で積極的な連携も図る。
第3節 他の計画等との連携
本基本計画に基づく施策の推進に当たっては、
「科学技術・イノベーション基本法」
(平成
7年法律第 130 号)第 12 条第1項に基づき策定される「科学技術・イノベーション創出の
振興に関する基本的な計画」、
「デジタル社会形成基本法」
(令和3年法律第 35 号)第 39 条
第1項の規定に基づき作成される「デジタル社会の形成に関する重点計画」等、関係する他
の計画等との連携・整合を図る。
15
資料5
「指針骨子」に対する意見募集の結果概要
参考資料1-3
1.実施期間
令和7年11月21日(金)~令和7年11月27日(木)
2.意見総数
352件 (うち、団体・法人等 54件、個人 298件)
3.主な意見 ※ 詳細は別紙のとおり。
生成AIにより作られた偽・誤情報の拡散により現に被害、混乱が起きている。罰則付きの規
制や、AI生成物であることが一目でわかる透かしやラベル付けを義務付けるべき。
学習データの透明性の確保を含め、知的財産権等の権利利益の保護のための実効的な対
策が必要。また、知的財産、プライバシー等の保護のみならず、人格権についても考慮すべき。
国民に対してAIリテラシーに基づく適切な利用を求めているが、AIを利用することのリスクを
正確に把握して周知されることが優先されるべき。国民の自主性に委ねる前に、まずは法規制
を含めた政府としての対応が図られるべき。
本指針が国際的な規範の趣旨に即したものであること、また、AIガバナンスに関する国際協
※いただいたご意見については、事務局において編集し掲載しているものもあります。
調を主導する姿勢を評価する。
いただいたご意見については、本指針の策定や今後の政策検討に当たって参考とさせて
いただきます。
別紙
「⼈⼯知能関連技術の研究開発及び活⽤の適正性確保に関する指針⾻⼦」に寄せられた主な意⾒
「⼈⼯知能関連技術の研究開発及び活⽤の適正性確保に関する指針⾻⼦」に寄せられた意⾒総数 352件(うち、団体・法⼈等からは54件、個⼈からは298件)
● 全般に対する意⾒(37件(うち、団体・法⼈等からは5件、個⼈からは32件))のうち代表的な意⾒
番号
該当箇所
ページ
開始 終了
意⾒内容
⾏数 ⾏数
回答
本指針⾻⼦の個別具体的な項⽬については、「広島AIプロセス」(HAIP)の成果⽂書(国際指針や国際⾏動規範)との
1
全般
-
-
-
整合性を⼀層⾼めることが望ましい。本指針⾻⼦においても、「国際的な規範の趣旨に即して策定するもの」とされて
ご意⾒として承ります。本⽂案検討の際の
いるとおり、⾃主的かつ能動的な取り組みを促すためのものである指針が、国際的なルール形成の枠組みと乖離するこ
参考とさせていただきます。
とで、かえって国際的な事業者の活動を不必要に制約する事態は避けるべきである。また、AIの開発や利⽤により⽣じ
国際整合性の確保については、本⽂案の3
る法的問題については議論が途上にあるものが多く、そのような状況下で公表される本指針⾻⼦は、極⼒、価値中⽴的
(2)に記載しています。
であるべきである。
2
全般
-
-
-
本指針と総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン」の関係について、何らかの⾔及をしてはどうか。本指針は、内
ご意⾒として承ります。本⽂案検討の際の
容的にAI事業者ガイドラインの⾻⼦と類似しており、またいずれも政府から発出された指針であるため、事業者には今
参考とさせていただきます。
後、AI事業者ガイドラインを本指針との関係でどのように位置づけて対応していけばよいか迷う場⾯が想定される。こ
本指針とAI事業者ガイドラインを含む各
のため、「本指針をより実務への適⽤を⾒据えて具体化した⽂書がAI事業者ガイドラインである」といった何かしらの
種ガイドラインとの関係性については、本
整理がなされることが望ましい。
⽂案3(3)に記載しています。
AIの利活⽤及び開発は、我が国のイノベーションを促進するという観点からも記載内容には賛同する。 他⽅で、「⼈⼯
知能関連技術の研究開発及び活⽤の適正性確保に関する指針⾻⼦」は⽇本として重要な政策であり、⺠間企業による関
与が必須でものであると理解している。したがって、利活⽤及び開発、イノベーションの促進に向けては、産業界と協
3
全般
-
-
-
働していくことが必要不可⽋。今回の意⾒募集⼿続は開始から締切りまでおよそ1週間という短期間で⾏われたが、期
間の縛りがない任意の意⾒募集⼿続であるとしても、このような短期間で産業界の声を⼗分に把握することは困難であ
ることから、産業界の声をより広く反映できるよう、意⾒募集の期間には1か⽉等の⼗分な意⾒募集期間等を設定して頂
くことを望む。
全体として⽅針がふんわりしており実⾏すべき規制のやり⽅がない状態です。また、内容の重⼤性に対して募集開始か
4
全般
-
-
-
ら終了までの時間が1週間近くあまりにも短いです。本募集後に意⾒を取りまとめ、再度募集を1ヶ⽉ほどの期限を設け
パブリックコメントの期間について、本指
針を本年内⽬途に策定する⽅針となってい
る中で設定したため、ご理解いただければ
と存じます。なお、限られた期間において
もできる限り丁寧に意⾒募集を⾏う観点か
ら、指針の本⽂案に対してもパブリックコ
メントを実施します。
てすべきである。
AIの進歩や社会環境の変化を踏まえると、指針の継続的な改善は極めて重要です。そのため、指針の運⽤⽅針として、
5
全般
2
1
1
定期的な⾒直しを基本としつつ、その過程で事業者からの意⾒を聴取する機会を確保し、必要に応じて迅速に改訂する
ことを明記いただくことを提案します。こうした⽅針の明確化は、事業者が指針を踏まえたガバナンス対応を確実に進
める上でも有益であると考えます。
1
ご意⾒として承ります。
本⽂案には、3(4)に本指針をアジャイ
ルに⾒直す旨記載しています。
別紙
● 「1 我が国における適正性確保に関する基本的な考え⽅」に対する意⾒(136件(うち、団体・法⼈等からは21件、個⼈からは115件))のうち代表的な意⾒
番号
該当箇所
ページ
1
2
1(1)
開始 終了
意⾒内容
回答
「広島AIプロセス」を踏まえ、AIガバナンスに関する国際協調を主導する姿勢を明⽰している点を強く⽀持します。今
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
後、指針に掲げる諸原則の制度化が検討される場合は、既存の国内法AI法附帯決議で⽰されたとおり「広島AIプロセス
る政策検討の際の参考とさせていただきま
17 の報告枠組み」等の国際規範を最⼤限活⽤し、整合性ある運⽤を図ることが重要と考えます。その際に、国際的な議論
す。企業負担の軽減については、本⽂案の
の動向を積極的に情報公開し、また、制度設計や運⽤に際しては企業の意⾒を取り⼊れる機会を確保することで企業の
脚注17にて、透明性確保の取組における合
重複負担を軽減しつつ、⽇本が提唱するAIガバナンスが実効性を持つ「国際モデル」として機能することを期待しま
理的な範囲の考え⽅を記載しています。
⾏数 ⾏数
3
本
指針の位置付
2
け
2
3
2
1(2)
4
⽇本がG7を建設的なルール構築の場と捉え、広島AIプロセスを策定、実装に導いてきた功績は、国際的にも広く認知さ ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
14
16
17
適正性確保の
る政策検討の際の参考とさせていただきま
枠組みに則り、これと重複や⽭盾した国内実施が⽣じることを避けながら、AIをめぐる国際的なルール策定やガバナン
す。本⽂案には3(3)にAIガバナンス
ス確保を主導することが期待できる。
の国際協調を主導する旨記載しています。
16 広島AIプロセスで牽引してきたという内容について、具体的な実績を簡易的にでも説明して欲しい。
「プライバシー・財産権の侵害」を、「⼈格権・プライバシー・財産権の侵害」と、「⼈格権」を加える必要がある。
本
指針における
れ、その報告枠組みも国内外のAI開発事業者に対して実効的な形ですでに運⽤されている。今後も、広島AIプロセスの
⼈格権および財産権は時代に応じて多様化していくが、その変化に追従していかなければならない。⼈格権には、著作
2
23
24 者⼈格権を含む。また、⽣成AIによるディープフェイクの容易性から、⾃分の考えとは異なることを⾃らの名において
公開されない⾃由という、消極的表現の⾃由も重要になっていく。⼈間中⼼で尊厳や基本的⼈権を本当に尊重するので
考え⽅
あれば「⼈格権」の明記は必須である。
ご意⾒を踏まえ、本⽂案の脚注2に追記し
ています。
ご意⾒として承ります。
本⽂案では1(2)の「⽣命、⾝体、財産
等」に、脚注5で⾃由と名誉も含まれる旨
追記しています。
⼈間⾃らが意思決定を⾏うこと、とありますが、これはAIの可能性を狭めてはいないでしょうか。少⼦化が進み労働⼒
不⾜も深刻になっていく中、AIを労働⼒として活⽤する動きは確実に必要になってきます。その中で、AIの⾔動をすべ
5
1(2)●
⼈間中⼼
3
9
9
て⼈間の意思決定に基づいて⾏うとなれば、それは⼈間がボトルネックになってしまいます。量だけではなく質の問題
ご意⾒を踏まえ、本⽂案では1(2)の⼈
もあり、⼈間よりAIの意思決定のほうが正確になるときも遠くないでしょう。いつまでも⼈間が扱うツールとして捉え
間中⼼の項⽬にて、AIを活⽤する範囲や
ていてはAIのもつ⼒の本質を⾒誤ります。AIを神経質にマイクロマネジメントして操るのではなく、AI側の判断や意思
条件について判断を⾏う旨明記していま
決定をもっと活⽤すべきです。技術がどのように進歩するか次第ではありますが、AIに命令するのではなくAIが⾃発的
す。
に⼈間に協⼒してくれるような形での社会運営のほうが低コストかつ安定する可能性もあります。そういった可能性を
排除すべきではないと思います。
6
1(2)●
安全性
3
13
15
「AIの活⽤によって、⽣命、⾝体、財産に危害を及ぼさないようにすること。」とあるが、刑法に準じて、⾃由と名誉
を加えてほしい。 ⽣命、⾝体、財産に対する被害が軽微であるとして、名誉毀損などの被害が放置されては困る。
ご意⾒を踏まえ、本⽂案では1(2)の
「⽣命、⾝体、財産等」に、脚注5で⾃由
と名誉も含まれる旨追記しています。
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
7
1(2)●
透明性
3
16
19
「技術的に可能な範囲での情報の開⽰」について、⽣成AIの開発に際しては必ず学習元データの収集の段階があるはず
です。数が膨⼤であるなどの理由で学習元の追跡が「技術的に不可能」とされることのないよう強く要望します。
る政策検討の参考とします。本⽂案には、
脚注18にて活⽤事業者等が学習データの開
⽰を求められた際の対応の考え⽅を記載し
ています。
2
別紙
8
9
10
11
1(2)●
透明性
1(2)●
セキュリティ
1(2)●
プライバシー
1(2)●
公正競争
3
3
16
24
透明性を確保するためには、AIによる⽣成物にAIによるものだとの明⽰を義務付けるべきだと考えます。昨今すでに災
ご意⾒を踏まえ、本⽂案では2(3)にて
19 害や危険情報に関するAI⽣成物が多く観測されており、それらは⽣命の危機に直結します。ディープフェイクの被害を
AI⽣成物であることが判断できる技術に
抑えるためにも、AI⽣成物にはそうであると明⽰させるべきではないでしょうか。
ついての説明を追記しています。
セキュリティについても、透明性、アカウンタビリティ、プライバシー等の他の項⽬と同様、絶対的な⽔準が要求され
ご意⾒を踏まえ、本⽂案では1(2)にて
27 るものではないことから、「AIのセキュリティを適切に/合理的な範囲で確保すること」といった留保を明記する必要が 「AIのセキュリティを適切に確保するこ
ある。
と」と追記しています。
プライバシ保護に限定するのではなく、著作権、肖像権、特許権など様々な権利をまとめて対象とする「権利保護」と
ご意⾒として承ります。本⽂案検討の際の
した⽅がより良いのではないでしょうか。
参考とさせていただきます。本⽂案では2
3
28
30
漫画家やイラストレーターなどは出版社に対して強く出られない側⾯があります。今後⼀層⽣成Aiが普及した場合、出
(2)にてステークホルダーとの信頼関係
3
31
34 版社がその強い⽴場を利⽤して個⼈のクリエイターなどからデータを収集する可能性を危惧しています。企業と取引す
を構築する観点から、知財、プライバシー
る個⼈の意思が封殺されることなく、⾃らの権利を⾏使しやすい環境づくりを望みます。
等の保護の必要性を記載しています。
「アジャイルな対応」や「イノベーションの促進」を掲げている点を評価します。⼀⽅、今後検討される具体的な制度
1(2)●
12 イノベーショ
4
5
9
ン
において事業者に対する要件等が過度に固定的となった場合、技術進歩の速いAI分野において新技術の導⼊や多様な
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
ユースケース展開が阻害される可能性があります。AIの特性を踏まえれば、継続的な評価と改善を前提とした柔軟な枠
る政策検討の際の参考とさせていただきま
組みが不可⽋です。指針の運⽤にあたっては、特定の技術や⼿法に偏ることなく、多様な技術の発展を阻害しないよう
す。
に、技術の中⽴性を確保した制度設計と運⽤が求められます。また、定期的な⾒直しプロセスの明確化や、リスク評価
本⽂案には、3(4)に本指針をアジャイ
フレームワークの柔軟な適⽤、ケースに応じた判断の余地を確保することで、透明性・安全性とイノベーションの両⽴
ルに⾒直す旨記載しています。
が図られることを期待します。
リスクの⼤きさや発⽣確率等に応じて適切にリスクを管理するリスクベース・アプローチの考え⽅に全⾯的に賛同いた
13 1(3)
適
4
14
16 します。また、リスクの評価・管理は各ステークホルダーの共通認識を持ちつつ推進することが重要であり、弊社とし
14
めの基本⽅針
4
17
17
ここから24⾏⽬までにかかれている「ステークホルダー」という⾔葉の定義が分かりづらい。 ⽣成AIを作る側なのか、 ご意⾒を踏まえ、本⽂案の脚注9にステー
利⽤する側なのか、著作物等を学習データとして利⽤される側なのか明記して欲しい。
リスクベースでのアプローチを基礎に据えた点に賛同します。⼀⽅、事業者に求められる対応が抽象的に留まると、具
1(3)1
15
リスクベース
でのアプロー
体的な判断基準が不明瞭となり、過度な委縮や業務負荷の増⼤を招き、結果としてAIの活⽤が停滞する可能性がありま
4
14
チ
16
す。特に、AIの適正性確保に必要なデータ管理、説明可能性の確保、安全性評価等は企業や公共分野の⼤きな負担とな
ることが懸念されます。そのため、様々なビジネス環境下にある事業者が段階的・計画的に取り組めるよう、国際的な
整合性を踏まえつつ⽇本の産業構造や実務に即した具体的なリスク分類や評価指標などのガイダンスの充実を期待しま
す。
ステークホル
ダーの積極的
な関与
クホルダーの説明を追記しています。
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
す。
本⽂案3(3)にて、国等がAIガバナンス
の在り⽅を継続的に検討・⾒直すことやAI
導⼊の障壁を低減する取組を進めることを
記載しています。
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
1(3)2
16
賛同いただきありがとうございます。
ても官⺠の意⾒交換に積極的に貢献していきたいと考えております。
正性確保のた
4
17
各ステークホルダーと協働して課題解決に取り組むことに賛成します。そのためには推進会議・有識者会議に、コンテ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
20 ンツホルダー、実演家団体、クリエイター団体、そして⽣成AIのクリエイティブ分野での活⽤に対して懐疑的な有識者
す。本⽂案1(3)②においてステークホ
を加える公平な仕組みを、強く要望します。
ルダーの積極的な関与について記載してい
ます。
3
別紙
● 「2 研究開発機関及び活⽤事業者が特に取り組むべき事項」に対する意⾒(99件(うち、団体・法⼈等からは20件、個⼈からは79件))のうち代表的な意⾒
番号
該当箇所
ページ
開始 終了
意⾒内容
⾏数 ⾏数
AIガバナンスにはAI特有の技術特性や規制の動向が関連するものの、事業者としては、既存のIT等に適⽤しているガバ
1
2
2
研究開発
5
6
7
ナンスプロセスを活⽤することとなるため、完全にゼロベースでAIガバナンス構築に取り組む例は稀である。このた
め、「既存のガバナンスプロセスを活⽤しつつ」といった⽂⾔を加え、既存プロセスの展開も本指針の⽬的達成のため
機関及び活⽤
に有効であることを明⽰してはどうか。
事業者が特に
透明性の確保に向けた説明可能性の確保は、それ⾃体が技術的な情報やデータ利活⽤ノウハウの開⽰に近い話題でもあ
取り組むべき
ります。したがって、合理的な範囲での説明可能性について、開発者と利⽤者の間で⼀定の合意レベルを形成すること
事項
5
15
21 は、ケースバイケースで定めづらい性質もあると考えます。また、⼀般ユーザ向けに提供されるAIと、特定の企業や団
体のユーザ向けに提供されるAIとでは異なる点もあることを踏まえ、柔軟な対応を可能とするとともに、⼀定の具体的
な様式の提⽰も必要と考えます。
回答
ご意⾒を踏まえ、本⽂案の脚注15に既存の
ガバナンスプロセスを活⽤することも有⽤
である旨追記しています。
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
す。本⽂案では脚注17にて合理的な範囲に
ついての考え⽅を記載しています。
AI ガバナンスについて、 「(3) 適正性確保のための基本⽅針 」では「便益を最⼤化する」という、従来通りの記述がさ
れている。⼀⽅で、「2 研究開発機関及び活⽤事業者が特に取り組むべき事項 (1) AIガバナンスによる俯瞰的な適正
3
2(1)
A
Iガバナンス
9
13
性の確保」ではリスクの低減に関する記述だけになっている。 AI ガバナンスによる AI の便益の最⼤化には組織的な取
り組みが必要であるのに、この記述では「AI ガバナンスでは AI のリスクの低減に努めれば良い」という誤解を与えかね
ご意⾒を踏まえ、本⽂案に便益の最⼤化と
リスク低減の双⽅の観点を追記していま
す。
による俯瞰的
ない。 現状の AI は電⼒や⽔といった重要な資源を⼤量に消費する。このため、考慮すべき要素の「イノベーション」
な適正性の確
に記されているように、リスクの最⼩化と便益の最⼤化を併記するのが望ましい。
保
AIガバナンスが企業の⾃主性に委ねられているが、どこまで整備すればよいかの検討などが企業の負担になっており、
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
13 これが逆にAIによるイノベーションの促進を阻害している。 ガイドラインレベルではなく、AI製品を提供する事業者が
る政策検討の際の参考とさせていただきま
4
5
5
5
2(2)
6
5
9
15
最低限守らなければならない義務や罰則等を定める法律を早急に成⽴していただきたい。
す。本⽂案3(3)にて、国等がAIガバナ
透明性の確保は重要であると考える⼀⽅で、事業者等の⾃主的かつ能動的な取組の障壁となっていないか、指針の具体
ンスの在り⽅を継続的に検討・⾒直すこと
21 的内容が事業者の取組みの⾜かせとなっていないかといった観点から検討することが重要であると考え、検討に当たっ
やAI導⼊の障壁を低減する取組を進めるこ
ては、産業界の声を広くヒアリングしていく機会を設けることを望む。
ス
テークホル
学習データの透明性の確保は極めて重要だ。他⽅、「⾃主的かつ能動的な取り組みを促す」という指針のソフトロー的
ダーとの信頼
な性格上、実効性の観点から疑問がある。海外事業者を中⼼に、⽂化庁「AIと著作権に関する考え⽅」等を順守せず
関係の構築に
サービスを展開するケースが散⾒される中で、主体的に透明性の確保に取り組む事業者がどの程度あるかは疑問だ。
向けた透明性
の確保
5
15
21 「合理的な範囲」で説明可能性を確保するとしているが、開⽰の範囲が限られる恐れがある。説明の範囲を極⼒広く確
保できるようにすべきだ。 AI利⽤者に提供する情報として、「学習するデータの収集ポリシー」が挙げられているが、
それだけでは権利者にとっての透明性は確保されない。使⽤されているデータを権利者が特定できるよう、開⽰を求め
られるようにすべきだ。
4
とを記載しています。
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
す。
本⽂案では脚注18にて学習データの透明性
の確保についての考え⽅を記載していま
す。
別紙
透明性に加え、広島AIプロセス報告枠組みセクション1とも整合的に、リスクマネジメントや社内の責任あるAIの組織的
ベストプラクティスを整備することが信頼構築に重要です。 効果的なAIガバナンスには、モデル開発者、アプリケー
ション開発者、アプリケーション提供者等、バリューチェーン全体の関係者による適切なリスク管理が必要です。役割
7
5
15
21
により責任やプラクティスは異なるものの、広島AIプロセス報告枠組みのような共通のリファレンスを活⽤し、バ
リューチェーン全体を通じて⼀貫した形で明確化を図ることは⼤きな意義があります。報告枠組みがバリューチェーン
全体の透明性確保を今後どのように強化していくかを明確にしていくことが重要で、異なるAIの役割に合わせたモ
ジュール形式を提供することは⼀案です。 また、指針では、業界で既に活⽤されているモデルカード等の既存の透明性
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
す。
本⽂案の脚注16には、広島AIプロセスの
報告枠組みについて記載しています。
に関するベストプラクティスを参照することも重要です。
ご意⾒を踏まえ、本⽂案の2(3)にてA
I⽣成物であることが判断できる技術につ
AIの透明性を担保するため、以下の対策を⾏ってほしいです。 (1)「⽣成AIで⽣成されたコンテンツ」には、「⽣成 いて記載しています。
AIである」と明記すること(ウォーターマークをつけること)を法的に定めること。 (2)学習段階、⽣成段階、どち 本⽂案の2(2)にてステークホルダーと
8
5
2(2)
15
21 らもオプトイン制に限ること。⽣成AIのデータセットを作る際は、事前に画像、映像、⾳声などデータの権利者の許可
を得て、同意の上で学習を⾏うこと。⽣成段階でも同様に同意の上で⽣成を⾏うこと。 (3)⽣成AIの学習データの情 透明性の確保の考え⽅、2(5)にてAI開
ス
報を開⽰すること。
テークホル
発・提供事業とデータ保有者等との間での
データの適正活⽤を巡るコミュニケーショ
ダーとの信頼
ンについて記載しています。
関係の構築に
「ステークホルダー」には、AI開発に携わる当事者やAIのサービスへの実装者も含まれる。AI開発者やAIサービス提供
向けた透明性
者に対して営業秘密、ノウハウ等の公表といった無理強いをすることは、かえって信頼関係を損ねる。6⽉に成⽴したAI
の確保
9
の信頼関係の構築のための学習データ等の
5
16
18
推進法の附帯決議においても、「活⽤事業者等に対する調査、指導及び助⾔等に当たっては、当該事業者等の営業秘密
ご意⾒を踏まえ、本⽂案の脚注17に営業秘
や知的財産権の保護に配慮しつつ、過度に重い負担や情報開⽰を求めないように留意すること。」とされていることを
密の保護に配慮する旨追記しています。
踏まえ、本項⽬の記載においても、営業秘密とのバランスに⾔及するとともに、HAIPが定める以上の詳細な義務を課す
ものではないことを明確にすべきである。
10
5
16
18
「学習データの出所と出⼒される⽣成物」の両者を対象に透明性確保の必要性が述べられている点に賛同する。AIの研
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
究開発機関及び活⽤事業者においては、学習に⽤いたコンテンツの情報を記録・保存し、ステークホルダーに当該情報
る政策検討の参考とします。本⽂案2
を提供する施策や、AI⽣成コンテンツを提供する場合はその旨を表⽰し誤認・混同を防⽌する措置を講じるべきであ
(3)ではAI⽣成物であることが判断で
る。
きる技術の説明を記載しています。
知的財産等のデータ保有者等に対する利益還元とありますが、そもそもデータ等を利⽤されたくない場合の拒否権が
ないというのは⼤きな懸念があります。
11
6
7
7
現在、⽣成AI等の学習に利⽤されるデータセットの内容は透明性が確保され
ておらず、どんなデータが利⽤されているかもデータ保有者からは把握が出来ない状態で、信頼関係を構築することは
不可能ではないでしょうか。
データ保有者に対する事前の利⽤許諾の取得(オプトイン)と、データセットの開⽰責
任を、AI開発企業に義務付けるべきです。
学習データを適切に保護する上での実効性
の確保についてのご意⾒として、今後の政
府における政策検討の際の参考とさせてい
ただきます。
本⽂案では脚注17、18においてデータ保護
についての考え⽅を記載しています。
5
別紙
2(3)
⼗
12 分な安全性の
5
26
AIによる不適切な出⼒制御だけでなくデータ基盤から児童ポルノ画像データ削除の必要性についても記載すべきです。
ご意⾒として承ります。本⽂案検討の際の
今の⽂章のままでは児童ポルノ画像データが基盤データに組み込まれていても出⼒さえしなけれなけば問題がないと受
参考とさせていただきます。
29 け取られかねません。また、リスクを抑える為に出⼒抑制を⾏っていく事には賛成しますが、どれだけ改善を加えても
本⽂案には、2(5)にAIイノベーショ
ジェイルブレイクを絶対にしないシステムを作る事はどうしても不可能であるため出⼒抑制だけに留まらずオプトイン
ンの基盤となる質の⾼いデータを確保・充
制で構成されたデータ基盤を構築することで意図しない危険な出⼒を抑制することに尽⼒すべき点について記載を追加
実させることの重要性を記載しています。
確保
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
熊の⽬撃情報のような、緊急性の⾼い情報に関するディープフェイクによる偽情報が今後増加すれば、例え個⼈のリ
13
5
24
24 テラシーが⾼くとも、事実確認のためのコストは増⼤します。そうなれば情報そのものへの信頼も低下し、⾃治体等の
広報が機能不全を起こし、重⼤な事故につながる懸念もあります。早急な対策を求めます。
2(3)
⼗
す。
本⽂案2(3)では、AI⽣成物であるこ
とが判断できる技術についての説明を記載
しています。
分な安全性の
熊による被害が問題となっている最中、⽣成AIにより出⼒された街中で熊が現れたように⾒えるフェイク画像を信じた
確保
町の公式アカウントが注意喚起をしてしまった事例が起こりました。こういった問題が多く発⽣すると、本当に熊が現
14
る政策検討の際の参考とさせていただきま
6
23
29
れた際にフェイクの可能性を考え、判断が遅れると危惧します。災害時などの⼀刻の猶予もない状況でも同様のことが
発⽣すると想定されます。真偽確認のために⾏動が遅れ、命を落とすことに繋がりかねません。誰でも容易にフェイク
画像を⽣成することが可能となってしまったため、⻭⽌めをかけるには⽣成物であると表⽰するラベル義務や、ディー
ご意⾒を踏まえ、本⽂案2(3)にて、A
I⽣成物であることが判断できる技術につ
いての説明を追記しています。
プフェイクに関する罰則付きの法規制が急務です。
2(4)
15
事
業継続性確保
による安全な
事業継続計画の策定は重要な観点であるが、過度な準備が必要になるとAI製品、サービスの活⽤推進の妨げとなること
6
2
5
が考えられる。 そのため、事業継続計画の記載項⽬と例⽰や事業継続計画策定が必要となるビジネス規模感の⽬安等を
ガイドラインとして提⽰いただきたい。
環境の維持
2(5)
A
6
11
ションの基盤
必ずしも対価を求めているとも限らないため拒否権を認める必要がある)
となるデータ
6
11
12
オプトインを徹底するといった旨を追記して欲しい。でなければ知的財産を守る事や⽣成AIの信頼性を⾼める事は不可
能なので。
知的財産などの学習データの保持者が、AIのイノベーションの基盤となる重要なステークホルダーとして認識されてい
まえたステー
クホルダーへ
の配慮
6
7
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
12
す。
本⽂案では、2(2)にステークホルダー
との信頼関係の構築のための学習データ等
の透明性の確保や、2(5)にてデータの
の重要性を踏
18
が、いただいたご意⾒について本⽂案検討
12 す(知的財産権等のデータ保有者達が納得できるだけの資⾦を⽤意するのは現実的ではないため、また、データ保有者が る政策検討の際の参考とさせていただきま
Iのイノベー
17
ず策定することが重要と考えております
の際の参考とさせていただきます。
利益還元だけでなく知的財産等のデータ保有者が持つAIへの利⽤拒否の権利を認める事についての記載を追加すべきで
16
事業継続計画は、業種・事業規模に関わら
る点は良い。 ただし、現状は学習データ提供側の意思や意⾒が⼗分に取り⼊れられてるとは⾔えない。 新聞協会などが
繰り返し出している⽣成AIについての声明はもちろん、個⼈のクリエイターの意⾒も、ステークホルダーというのであ
適正な活⽤の在り⽅等について継続的なコ
ミュニケーションを図ることや、安⼼して
創作活動ができる環境の構築に向けた⽅策
の検討、実施をすることの重要性を記載し
れば取り⼊れられなければならない。
ています。
6
別紙
● 「3 国及び地⽅公共団体が特に取り組むべき事項」に対する意⾒(32件(うち、団体・法⼈等からは7件、個⼈からは25件))のうち代表的な意⾒
番号
該当箇所
ページ
開始 終了
⾏数 ⾏数
意⾒内容
回答
政府との協議の場に知的財産等のデータ保有者の⽴場となる組織が参加する場を増やすべき。 本書において「研究開発 ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
3
1
国及び地
⽅公共団体が
特に取り組む
8
1
6
べき事項
3(2)
2
社
会全体におけ
るAIリテラ
3
7
14
の在り⽅の検
7
24
本⽂案1(3)②においてステークホル
いるが、このような声明に出ているような意⾒を政府が施策を考える場で届けられているか、適切に意⾒がすくい上げ
ダーの積極的な関与として記載していま
られていなければ議事録が残るような場で機会を設けるべきではないか。
す。
22
国内でも出始めており、利⽤者側のAIリスクリテラシーの強化が急務。 AIは完璧ではなく、⽣成AIで⽣成された情報を
鵜呑みにせず⾃⾝で判断する、世の中の情報には⽣成AIで⽣成されたフェイク情報がある、ということを様々なメディ
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
す。
本⽂案には、3(2)に社会全体のAIリ
テラシーの向上について記載しています。
AIガバナンスの在り⽅がソフトローアプローチに限定されている。既存法令に基づくエンフォースメントを国内外の事
は既存法等での対応を基本としつつ、新た
24 業者問わず、適⽤することが国際競争⼒確保にもつながる。ガバナンスの意味を拡張して捉え直し、AIガバナンスの在
に顕在化したリスクや悪質な事案に対して
り⽅について、既存法令のエンフォースメントの強化、徹底を追記するべき。
は実態を把握した上で、必要に応じて関係
国及び地⽅公共団体は、⾏政の信頼性確保のため、AI利⽤時、「可能な限り判断の根拠が不明瞭にならないよう国⺠へ
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
のアカウンタビリティを果たす」 としています。しかしAIの技術進歩の速さや予⾒可能性、説明可能性が⼗分でないこ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
省庁と連携して対応します。
⾏
政としてのア
4
す。
在、海外のAI企業に対してデータの権利を擁している企業や団体による権利物にかかる声明が発表されることが増えて
ご指摘のように、AIのリスク対応について
討
3(4)
する会合などにステークホルダーとなる⽴場の⼈間の意⾒が直接届けられる場⾯が極端に少ないように思える。特に現
アを活⽤しながら国や地⽅公共団体が発信し利⽤者側がリスクを踏まえた上でAIを活⽤するよう推進いただきたい。
A
Iガバナンス
る政策検討の際の参考とさせていただきま
事業者側でも⽣成AI等のリスクに対しての対応は今後も取り組んでいくが、⽣成AIの過信により悪影響が⽣じる事例が
シーの向上
3(3)
機関及び活⽤事業者」に対するステークホルダーとの信頼関係の構築・配慮などは述べられているが、国が施策を検討
カウンタビリ
と [11, 4ページ 26⾏⽬]を踏まえると、「可能な限り」という留保条件は、⾏政が技術的制約を理由に説明責任を回避す す。本⽂案では脚注21に⽰した「⾏政の進
8
9
11 る余地を残す可能性があります。⾏政の信頼性を確保するため、この留保条件を超え、判断の根拠が不明瞭になるケー
化と⾰新のための⽣成AIの調達・利活⽤
ティを果たす
スを最⼩限に抑える具体的なプロセスを定めるべきです。具体的には、AIモデルの安全性にとどまらない適正性に係る
に係るガイドライン」等を踏まえ、国⺠へ
こと
評価機能の構築 [34, 9ページ 24⾏⽬]を含むAIセーフティ・インスティテュート(AISI)の抜本的な強化 [34, 9ページ 24 のアカウンタビリティを果たし、⾏政の信
〜25⾏⽬]を推進し、⾏政が利⽤するAIの信頼性評価を可能とする第三者検証メカニズムの役割を明確化すべきです。
7
頼性確保を図ってまいります。
別紙
● 「4 国⺠が特に取り組むべき事項」に対する意⾒(44件(うち、団体・法⼈等からは1件、個⼈からは44件))のうち代表的な意⾒
番号
該当箇所
ページ
開始 終了
意⾒内容
⾏数 ⾏数
回答
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
4
1
国⺠が特
に取り組むべ
9
2
2
き事項
これについてもう1項として国⺠が正しい運⽤がされているかの判断する為に流通モデルのAIの透明性を確保し、問
す。本⽂案では、脚注19にてステークホル
題を確認した場合に通報できる機関を周知するべきと考えます。それによってAI理解を深める事、AI推進法の⾏政
ダーとの信頼性確保の観点から、活⽤事業
指導とあわせて官⺠⼀体となって国⺠も参加する⽇本のAI戦略とするべきと考えます。
者等が利⽤者への情報提供項⽬の例とし
て、問い合わせに対応する窓⼝・連絡先を
記載しています。
⽣成過程を理解することは多くの場合困難であると思います。『⽣成過程』の省略をご検討下さい。また、意思決定は
2
9
14
15
⼈間が実施することに異論ございませんが、得られる情報の出所を毎回正確に特定することは容易でないケースもある
と思います(AIの回答は、いかにも適切でありそうな内容であることが散⾒されるため)。14⾏⽬の前半部分の削除を
ご検討下さい(『⼈間の〜』以降を残す)。
9
4(2)
4
14
16
A
に基づく適切
『法的に』問題がなければ何をしてもいい,という⾵潮が⽇本の⾄るところで⾒られる。この⽂にも『社会的』な適切
17
17
さが述べられているように,無法の盾を掲げることなく,善悪の判断を⾃分の頭で⾏い責任を負うことの重要性を徹底
して周知して欲しい。
AIの⽣成物(⽂章、画像、⾳声、動画等)は、社会的、法的に適切な形で利⽤する、との記載ですが、国⺠に⼀切を
委ねた⾃主規制ではなく、まず国としての規制を⾏なっていただけないでしょうか。 まずは昨今の⽣成AI問題における
根本的な原因である、海外企業によるデータの無断⼆次利⽤から成り⽴つ基盤データセットに対する規制と処罰、そし
5
9
17
18
クボックス化しやすいことを含め、AIの
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
ツールは不当な差別、誹謗中傷、偽・誤情報の拡散のために利⽤されていることが⼤半である。 またこれらの⾏為を⾏ す。
う⼈物がリテラシーの整備だけで⾏為を中⽌することは到底あり得ないため、早急な法規制を強く求める。
本⽂案には、1(3)④にて変動するリス
「AIの⽣成物(⽂章,画像,⾳声,動画等)は,社会的,法的に適切な形で利⽤する。」とあるが,AIに限らず,
9
本⽂案には、4(2)に⽣成過程がブラッ
ともに、不当な差別、誹謗中傷、偽・誤情報の拡散等を⽬的とした不適切な⾏為を⾏わない」とあるが、現状で⽣成AI
Iリテラシー
な利⽤
除とします。
特性を理解する旨記載しています。
「AIを利⽤する際、得られる情報の出所、正確性、⽣成過程等を理解し、⼈間の判断、責任の下で意思決定を⾏うと
3
ご指摘を踏まえ、本⽂案では⽣成過程を削
て解消をした上で利⽤⽅法を国⺠に委ねていただきたく思います。 既に存じ上げていると思いますが、不適切な⽣成物
による逮捕、ディープフェイクによる情報汚染が横⾏しております。 こちらは3年ほど経過しているにも関わらず、⽣
成物の明記の義務化、部外者のファインチューニングに対する規制などを怠ったが為の出来事であり、国政側の責任と
捉えております。 国⺠に適切な利⽤を望むのであれば、適切に可不可の許諾を得たデータセット構築、ラベリングの義
務化を国内外に向け、促していただきたく思います。
● 「その他」に対する意⾒(3件(うち、団体・法⼈等からは0件、個⼈からは3件))
8
クを踏まえてアジャイルに対応していくこ
とや、3(2)にて全ての主体が責任を
持ってAIを利⽤できるようリテラシー向
上を図る旨記載しています。
ご意⾒として承ります。今後の政府におけ
る政策検討の際の参考とさせていただきま
す。
本⽂案にで2(3)にて安全性確保のため
最新の技術と知⾒を駆使した対応や、AI
⽣成物であることが判断できる技術につい
ての説明を記載しています。
資料6
参考資料1-4
人工知能関連技術の研究開発及び活用の
適正性確保に関する指針(案)
目
次
1 我が国における適正性確保に関する基本的な考え方 ········································································ 2
(1)
本指針の位置付け··································································································· 2
(2)
本指針における適正性確保の考え方 ·········································································· 2
(3)
適正性確保のための基本方針 ··················································································· 4
2 研究開発機関及び活用事業者が特に取り組むべき事項 ···································································· 6
(1)
AIガバナンスによる俯瞰的な適正性の確保 ······························································ 6
(2)
ステークホルダーとの信頼関係の構築に向けた透明性の確保 ········································· 6
(3)
十分な安全性の確保································································································ 7
(4)
事業継続性確保による安全な環境の維持 ···································································· 7
(5)
AIのイノベーションの基盤となるデータの重要性を踏まえたステークホルダーへの配慮 ·· 7
3 国及び地方公共団体が特に取り組むべき事項 ·················································································· 9
(1)
AIの積極的かつ先導的な活用によるイノベーションの促進 ········································· 9
(2)
社会全体におけるAIリテラシーの向上 ···································································· 9
(3)
AIガバナンスの在り方の検討 ················································································ 9
(4)
行政としてのアカウンタビリティを果たすこと ··························································10
4 国民が特に取り組むべき事項 ········································································································· 11
(1)
人間中心の原則に基づくAIの責任ある利用 ·····························································11
(2)
AIリテラシーに基づく適切な利用 ·········································································11
1
1
我が国における適正性確保に関する基本的な考え方
(1) 本指針の位置付け
人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第 53 号。以
下「AI法」という。)第 13 条に基づく本指針は、信頼できるAIの実現に向けて、事
業者、国民等の全ての主体 1におけるAIの研究開発・活用の適正な実施に係る自主的
かつ能動的な取組を促すために、国際的な規範の趣旨に即して策定するものである。
本指針の構成としては、1で全ての主体におけるAIの研究開発・活用の適正性確保
に必要となる主な要素と基本方針を示し、2以降で各主体が1を前提として特に取り組
むべき事項を記載する。全ての主体は、これに基づき、適正性確保に必要となる主な要
素を認識、理解することが求められる。また、取り組むべき事項について、各主体の規
模や立場、AIがもたらすリスクに応じて、その時点で適用し得る技術や知見を踏まえ
て適切な水準で対応することが求められる。
我が国は、信頼できるAIの開発、活用、普及に向けて、本指針を中心とした枠組み
を、国際モデルとなるよう展開するとともに、AIに係る国際的なルール形成を行う枠
組みである「広島AIプロセス」を牽引してきた実績 2を踏まえ、引き続き国際的な議
論を主導しながら、AIガバナンスの構築において国際協調を図る。
(2) 本指針における適正性確保の考え方
AIは、経済成長や国民生活の発展に寄与するものであることから、その社会実装を
進めイノベーションを促進していくことが重要である一方、AIには様々なリスクがあ
る。例えば、誤判断やハルシネーション 3等の技術的リスク、偽・誤情報の生成・拡散、
偏見・差別の助長、犯罪への利用、過度な依存、プライバシー・財産権の侵害、環境負
荷の増大、雇用・経済不安等の社会的リスク、さらにはサイバー攻撃等の安全保障上の
リスクがあり、これらのリスクはAIの技術進歩とともに変化したり、未知のリスクが
発生したりする可能性があり、リスクに対する社会的な受容水準も変化し得る。
1 AI法第4条から第8条において責務が規定される、国、地方公共団体、研究開発機関、活用事業者、国民を指す。
2 2023 年5月の G7 広島サミットにおいて「広島AIプロセス」を立ち上げ、G7 日本議長国下の成果物として、高度な
AIシステム開発・利用に関する「広島AIプロセス包括的政策枠組み」をとりまとめた。2024 年5月には、広島AI
プロセスの精神に賛同する国々・地域の自発的な枠組みである「広島AIプロセス・フレンズグループ」が立ち上げら
れ、60 の国・地域が参加している(2025 年 12 月時点)。また、2025 年 2 月には、「国際行動規範」の遵守状況をAI
開発者自らが自主的に報告、公表する「報告枠組み」の正式運用が開始されており、24 社が回答を提出している(2025
年 12 月時点)。
3 生成AIにより、事実とは異なることがもっともらしく出力されることをいう。
2
このため、本指針では、適正性確保に当たって、適正性についての一義的な定義や絶
対的な水準を定めるものではなく、各主体が研究開発、活用するAIの特性、⽤途、⽬
的や、自身の立場、社会的役割等を踏まえて⾃主的に取組を進めるという考え方の下、
「人間中心のAI社会原則」(平成 31 年3月 29 日統合イノベーション戦略推進会議決
定)に掲げられた理念を踏まえ、その際に考慮すべき主な要素を以下のとおり示す。
人間中心
人間の尊厳や基本的人権を尊重すること。また、法令を遵守すること。
誰もがAIの恩恵を享受できるよう、多様性、包摂性を尊重し、多様な人々
の幸福の追求による包摂的な成長を目指すこと。
AIを活用する範囲や条件については、人間自らが最終的な判断を行うこと。
公平性
AIの活用によって、社会に不当な偏見や差別を生じさせたり、助長したり
しないこと 4。
安全性
AIの活用によって、生命、身体、財産等 5に危害を及ぼさないようにする
こと。
透明性
AIに対する信頼性が向上するよう、必要かつ技術的に可能な範囲での情報
の開示、事後的な検証可能性の確保等により、透明性を適切に確保すること
。
6
アカウンタビリティ 7
AIがもたらす社会的影響を踏まえ、責任の所在の明確化、責任を果たすた
めの仕組みの構築等により、技術的、制度的、社会的観点からアカウンタビ
リティを合理的な範囲で果たすこと。
セキュリティ
不正な操作によるAIの意図しない動作や停止をはじめとするAIのセキュ
リティ上のリスクを低減させるよう、AIのセキュリティを適切に確保する
こと。
4
AIの活用によって生じ得るバイアス、ジェンダーギャップ、情報操作等により公平性を損なわないようにすることを
含む。
5 ディープフェイク技術によるフェイク動画、性的加工画像、他人になりすました音声等を用いた脅迫や名誉棄損により
危害が及ぼされ得る自由、名誉を含む。
6 AIの挙動、入力から出力を生成するプロセスの解明等を進め、AIの出力に寄与するアルゴリズムへの理解を深める
ことも重要である。
7
個人や組織が自らの行動や決定に対する責任を持ち、その責任を果たすための行動をとることを意味する。
3
プライバシー
取り扱うデータの重要性等に応じてプライバシーを尊重し、適切に保護する
こと。
公正競争
特定の者にAIに関する資源が集中した場合においても、その有利な立場を
利用した不当なデータの収集を含む不公正な取引が行われないようにするな
ど、公正な競争の促進に貢献すること。
AIリテラシー
AIがもたらすリスクの社会的受容可能な水準は変わり得ることを認識し、
便益の最大化とリスクの抑制を図れるよう、知識・能力を身に付けるととも
に、倫理観を保持すること。
イノベーション
環境負荷の低減を含む持続可能性を確保しつつ、イノベーションの促進に貢
献するよう努めること。
社会課題の解決に資するAIの技術開発に取り組むこと。
AIの活用を阻害する要因の改善を図ること。
(3) 適正性確保のための基本方針
(2)で示した考え方を踏まえ、適正性を確保するために取り組むべき基本方針を以下の
とおり示す。
① リスクベースでのアプローチ
AIがもたらすリスクを特定・評価し、AIを利用する分野や目的を踏まえた
影響度合いに応じて、適切な対策を講じる 8。
② ステークホルダーの積極的な関与
AIがもたらす便益、リスク等により影響を受ける主体(以下「ステークホル
ダー」という。) 9がAIガバナンスに積極的に関与し、他のステークホルダーと
協働して課題解決に取り組む。
③ 一気通貫でのAIガバナンスの構築
8 レッドチーム等の様々な手法を組み合わせて、多様な内部テスト手段や独立した外部テスト手段を採用することや、特
定されたリスクや脆弱性に対処するための適切な措置を実施することが望ましい。
9 例えば、AIのイノベーションの基盤となるデータの保有者、AIの生成物を取り扱う者等、AIの活用によって影響
を受けるが、直接は関与していない関係者も含まれ得る。
4
AIがもたらすリスクをステークホルダーにとって受容可能な水準で管理しつ
つ、便益を最大化するため、研究開発から社会実装までが近接するAIの各段階
を一体的に捉えたAIガバナンスを構築する。
④ アジャイルな対応
AIの技術進歩の速さや、予見可能性、説明可能性が十分でないことを踏まえ、
変動し得るリスクに対してPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回し
ながら、柔軟・迅速(以下「アジャイル」という。)に対応し、AIガバナンスの
成熟度を高めていく。
5
2
研究開発機関及び活用事業者が特に取り組むべき事項
AIを活用した製品、サービスの開発、提供をする活用事業者 10は、その開発、提供し
たAIが多くの主体に影響を及ぼし得ることを踏まえ、国際的な規範 11、国際規格 12、各
種ガイドライン等 13を活用しつつ、1(2)に示す適正性確保に必要となる主な要素に関して、
特に以下の事項に取り組む。
また、AIの研究開発機関 14は、その開発したAIを第三者に提供する際は、1(2)に示
す適正性確保に必要となる主な要素に関して、特に以下の事項に取り組む。
(1) AIガバナンスによる俯瞰的な適正性の確保
AIの設計・開発・提供・実装等のライフサイクル全体で、リスクの特定・評価・
対処をするための組織的なプロセス(経営層の関与したモニタリングや評価の仕組み、
情報の適切な開示、教育・研修の実施等)を含むAIガバナンスを構築 15・運用・継
続改善し 16、AIがもたらす便益を最大化しつつ、そのリスクを受容可能な水準で管
理する。
(2) ステークホルダーとの信頼関係の構築に向けた透明性の確保
学習データの出所と出力される生成物について、知的財産、プライバシー等の保護
の適切な実施を含め、ステークホルダーとの信頼関係を構築するためにも、合理的な
10 AI法第7条に規定する活用事業者をいう。海外事業者も含む。
11 高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動規範(原文:Hiroshima Process International Code of
Conduct for Organizations Developing Advanced AI Systems)、全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針(原文:
Hiroshima AI Process International Guiding Principles for All AI Actors)等
12 AIマネジメントシステム(ISO/IEC 42001)等
13 内閣府ウェブサイト参照(国内外のAIに関する規範、ガイドライン等を示す予定。)
14 AI法第6条に規定する研究開発機関をいう。研究開発機関のうち大学については、AI法第6条第2項に定めるとお
り、研究者の自主性の尊重その他の大学における研究の特性に配慮するものとする。
15 ゼロベースからAIガバナンスを構築することに限らず、既存のITシステム等に適用されているガバナンスプロセス
を活用することも有用である。
16 この際、AIに関するリスクの回避策や、リスクが顕在化した場合の対応を含む信頼性の高い組織を構築するため、
「広島AIプロセス」報告枠組みの活用や国際規格(AIマネジメントシステム(ISO/IEC 42001)等)に基づくマネジ
メント体制の整備・運用をすることにより、AIに関連するリスクの管理・制御を図り、社会的・倫理的責任を果たすこ
とが可能と考えられる。これらの取組を積極的に開示・説明することが、企業価値の向上や競争優位性の確保にもつなが
るものと期待される。
6
範囲で 17説明可能性を確保する 18。
また、AIを提供する際、AIの適正な利用を可能にするための情報(AIの仕組
み・限界、禁止事項、学習するデータの収集ポリシー、出力の信頼性に関する注意喚
起等 19)をそのAIの利用者に提供する。
(3) 十分な安全性の確保
AIを悪用したサイバー攻撃や詐欺をはじめとする各種犯罪、違法行為が行われる
リスクを特定・評価し、適切な対策を講じる。
また、ハルシネーションや偏見・差別の助長、偽・誤情報等(ディープフェイク技
術によるフェイク動画、性的加工画像等)の拡散等につながるAIによる不適切な出
力の抑制、AIの意図しない動作や誤作動の防止をするため、最新の技術と知見を駆
使して、解決、改善に向けて取り組む。特に、AIで生成された偽・誤情報等の拡散
が深刻なリスクとなっていることを踏まえ、AIの生成物であることが判断できる技
術(電子透かし、API 20等)の開発に努め、必要に応じて実装する。
(4) 事業継続性確保による安全な環境の維持
AIを用いたシステムの運用者やサービスの提供者は、これらに障害が生じた場合
に備え、損害を最小限にとどめ、早期復旧するために、平常時に行うべき活動や緊急
時の事業継続のための方法、手段等を定めた事業継続計画をあらかじめ策定する。
(5) AIのイノベーションの基盤となるデータの重要性を踏まえたステークホルダーへ
の配慮
AIのイノベーションには、質の高いデータを確保し、それらを適正に活用するこ
とが重要である。これを踏まえ、質の高いデータが充実し、信頼できるAIが開発、
提供されることにより、新たな創作活動等が促進されるという好循環を実現するため、
17 事業者等の営業秘密や知的財産権の保護に配慮しつつ、過度に重い負担や情報開示を求めないように留意する。
18 学習データの適切な透明性を確保するため、AIの出力の際に根拠とした情報(ウェブサイト等)を表示し、学習デー
タの開示が求められた際はその必要性を判断して適切に対応する。
19 雇用、人事評価等における不当な偏見・差別や、偽・誤情報の拡散等につながる利用者の不適切な行為を防止するため
の注意喚起、利用者からの問い合わせに対応する窓口、連絡先等を含む。
20 Application Programming Interface。異なるアプリケーション(ソフトウェア)やシステムを連携させ、通信やデー
タ交換を行うための仕組み。
7
AIを開発、提供する事業者は、データの利用状況に応じて、知的財産等のデータ保
有者等のステークホルダーと、データの適正な活用の在り方等について継続的なコミ
ュニケーションを図る。また、特に、社会的影響力の大きいAIを開発、提供する事
業者は、知的財産等のデータ保有者等に対する利益還元のエコシステムや安心して創
作活動ができる環境の構築に向けた方策の検討、実施に努める。
8
3
国及び地方公共団体が特に取り組むべき事項
国は、1(2)に示す適正性確保に必要となる主な要素に関して、特に以下の事項に取り組
む。
地方公共団体は、1(2)に示す適正性確保に必要となる主な要素に関して、置かれた環境
や課題が多様であることを踏まえ、地域の実情に応じて、特に以下の事項に配慮しつつ、
必要な対応を行う。
なお、AIを開発、提供する際は、2に示す事項についても取り組む。
(1) AIの積極的かつ先導的な活用によるイノベーションの促進
活用事例や留意点を周知することがAIの普及促進に効果的であることを踏まえ、
国及び地方公共団体が自ら積極的かつ先導的にAIの活用や公共調達における開発実
証機会の提供を進める。
(2) 社会全体におけるAIリテラシーの向上
国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体の職員はもちろんのこと、全ての主体
が、倫理、法令、人権、安全等に関する課題を理解し、責任ある利用者としての自覚
をもって行動できるように、社会全体におけるAIリテラシーの向上を図ることが求
められる。
このため、常にAIの最新の技術動向や活用実態を把握し、リスク及びその対応策
を検討して、ステークホルダーの自主的な取組を促すための考え方を提示する。また、
事業者、国民等におけるAIの研究開発・活用における適正性確保に向けて、生成A
Iの基本的な使い方や注意点を学べるコンテンツの提供、社会人向けの生成AIスキ
ル・知見の習得支援等、教育・ガイダンスを積極的に推進する。
(3) AIガバナンスの在り方の検討
国内外におけるAIガバナンスを巡る動向を注視し、AIガバナンスの在り方を継
続的に検討し、対応する。本指針及び各種ガイドライン等も、AIの技術進歩による
社会の変化をとらえ、アジャイルかつ継続的に見直す。この際、各種ガイドライン等
は、本指針の趣旨と整合するとともに、事業者、国民等にとってわかりやすいものと
なるよう、適宜、点検・見直しを行う。
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また、様々な局面におけるAI導入の障壁を低減するため、AIを活用する際に想
定・発生し得る課題に対して、その責任の所在等に関する解釈適用上の論点及び考え
方を整理するとともに、判例等を踏まえ可能な限り解釈を明確化するよう努める。
さらに、AIは国境を越えて展開されるため、国内だけでなく、国際的なガバナン
スが不可欠であり、相互運用性の確保にも配慮しつつ、AIガバナンスの構築を主導
する。
(4) 行政としてのアカウンタビリティを果たすこと
行政においてAIを利用する際、行政の信頼性を確保するため、求められる水準を
十分に考慮した適切なリスク対策等を実施し、可能な限り判断の根拠等が不明瞭にな
らないよう国民へのアカウンタビリティを果たす。
また、各府省庁において、AIガバナンスの責任者を任命する 21。地方公共団体に
おいては、AIの適正な活用、リスク管理における責任者を明確化する。
21 「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」(令和7年5月 27 日デジタル社会推進会
議幹事会決定)においては、各府省庁における生成 AI利活用方針を策定・推進し、組織全体の利活用状況とリスク管
理等を統括管理する者としてAI統括責任者(CAIO)を設置することとされている。生成AI以外のAIを活用する
際も、必要に応じて責任者を明確にすることが望ましい。
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国民が特に取り組むべき事項
国民は、1(2)に示す適正性確保に必要となる主な要素に関して、以下に特に配慮した対
応を行う。
(1)
人間中心の原則に基づくAIの責任ある利用
国民はAIを利用する主体として、AIの利用により法令への抵触、加害行為をす
るおそれがあることを踏まえ、法令を遵守する。
また、AIの利便性のみならず、倫理、法令、人権、安全等に関する課題を理解し、
責任ある利用者としての自覚をもって行動するよう努める。
(2)
AIリテラシーに基づく適切な利用
AIの特性や仕組みを正しく理解し、能動的にAIリテラシーを身に付けるよう努
める。
その上で、AIを利用する際は、得られる情報の出所、正確性等を理解し、人間の
判断、責任の下で意思決定を行うとともに、不当な偏見・差別、誹謗中傷、偽・誤情
報の拡散等を目的とした不適切な行為を行わない。また、AIの生成物(文章、画像、
音声、動画等)は、社会的、法的に適切な形で利用する。
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