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規制改革推進会議 スタートアップ・イノベーション促進WG 第9回

2026-02-05一次資料(出典)

議事録・配布資料の全文(政府公表資料より。要約でなく原文に基づく参照用)。

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議事録

スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループ(第9回) 議事録 1.日 時:令和8年2月5日(水)14:00~16:05 2.場 所:オンライン 3.出席者: (委員等)落合孝文座長、芦澤美智子座長代理、堀天子委員、御手洗瑞子委員 瀧俊雄専門委員、岩崎薫里専門委員、藤本あゆみ専門委員 川本明専門委員、増島雅和専門委員、宮下和昌専門委員 (事務局)内閣府規制改革推進室 阿久澤孝室長、菱山大次長、幕内浩参事官 (関係者)加藤健 4.議 特定非営利活動法人新公益連盟事務局長 関口宏聡 特定非営利活動法人新公益連盟政策提言担当 幡谷拓弥 特定非営利活動法人新公益連盟政策提言担当 豊田祐子 日本弁護士連合会司法制度調査会委員 矢野領 日本弁護士連合会司法制度調査会委員 桑原義浩 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長 島幸明 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員 竹林俊憲 法務省大臣官房審議官 田中普 法務省民事局商事課長 題: 法人登記の代表者住所非表示措置の対象拡大及び運用改善について ○幕内参事官 定刻となりましたので、ただ今から、規制改革推進会議第9回スタートアップ・イノ ベーション促進ワーキング・グループを開催いたします。 委員、専門委員の皆様におかれましては、御多用中、御出席いただきまして誠にあり がとうございます。 初めに、事務局から会議に関する連絡事項を申し上げます。本日はオンライン会議で すので、会議資料は画面共有いたしますが、お手元にも御準備いただければと思います。 また、会議中は通常マイクをミュートにしていただき、御発言される際にミュートを 解除するようお願いいたします。 続きまして、本日のワーキング・グループの出欠状況について御報告いたします。構 1 成員の委員・専門委員につきましては、大橋専門委員が御欠席との御連絡を承っており ます。 以後の議事進行につきましては、落合座長にお願いいたします。 ○落合座長 落合でございます。 それでは、本日の議題に入りたいと思います。本日は、「法人登記の代表者住所非表 示措置の拡大及び運用改善」について、御議論いただきます。 最初にヒアリングを行います。出席者の皆様におかれましては、質疑時間を確保する ため、時間内での説明に御協力いただきますようお願い申し上げます。 まず、法務省からヒアリングを行います。本日は御説明者として法務省大臣官房審議 官、竹林俊憲様にお越しいただいております。 それでは、10分ほどで御説明いただきたいと思います。 ○法務省(竹林審議官) 法務省の竹林でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 最初に、代表者住所非表示措置が創設された経緯について御説明させていただきます。 お配りしております資料の1枚目上部をご覧ください。会社の代表者の住所は、会社の 代表者を特定する情報として重要であるほか、民事訴訟法上の裁判管轄の決定及び送達 において重要な役割を果たしているため、会社法の規定に基づき登記しなければならな いこととされております。 他方で、登記簿に記録されている事項は登記事項証明書の請求や登記情報提供サービ スの利用によって誰でも確認することができるため、個人情報保護の観点からその取扱 いを見直すべきであるという指摘を受けまして、平成29年4月に開始した法制審議会会 社法制部会においてその見直しについて議論されました。 また、このことについては内閣総理大臣により設置されたデジタル臨時行政調査会で も取り上げられまして、同調査会が令和4年12月に作成したデジタル原則を踏まえたア ナログ規制の見直しに係る工程表においては、法人代表者住所の表示内容や閲覧対象者 の範囲など、商業登記制度における情報開示の在り方について、制度の趣旨・目的に照 らして検討し、令和5年度中に制度の見直しを行うとされました。更に、令和5年6月 に 閣 議 決 定 さ れ た 新 し い 資 本 主 義 の グ ラ ン ド デ ザ イ ン 及 び 実 行 計 画 2023改 訂 版 に お き ましても、見直しを行うこととされました。 このような議論や政府方針を踏まえまして、会社代表者の住所の一部を非表示とする 措置を創設する商業登記規則等の一部を改正する省令案を立案いたしまして、令和5年 12月から令和6年1月までの間でパブリックコメントの手続を取った上で、省令を同年 4月に公布し、同年10月から施行してございます。 続きまして、非表示措置制度の概要について御説明させていただきます。資料1枚目 の中ほどをご覧ください。非表示措置制度は株式会社の代表者等の住所の一部を一定の 2 要件の下、登記事項証明書等に表示しないこととすることでプライバシーの保護を図り、 安心して起業することができるようにするものです。非表示措置の対象者は株式会社の 代表取締役、代表執行役、又は代表清算人となってございます。これは制度の目的とい たしまして起業の促進という政策的な観点も含まれておりましたことを反映し、当省と して対応可能であると判断したところから取り組むこととし、まずはニーズの最も強い 株式会社を対象とする制度を創設することといたしました。その運用状況、特に何らか の弊害を生じないかを慎重に見極めることといたしたものでございます。 また、非表示措置の申出は、設立の登記など代表取締役等の住所を登記すべき事項に 含む登記の申請と併せて、上場会社におきましては株式会社の株式が上場されているこ とを認めるに足りる書面を添付して、非上場会社におきましては株式会社の実在性を証 する書面や代表取締役等の住所等を証する書面等を添付して行うこととされてござい ます。 このような非表示措置を設ける一方で、実務上必要なときは代表取締役等の住所の情 報を取得できるようにすることで、その住所を登記する趣旨・目的を損なわないように してございます。資料1枚目の下部をご覧いただければと思います。まず、非表示措置 によって非表示措置を講じた会社自身が不利益を被ることも想定されますので、その会 社の申出により非表示措置を終了させることができることとしてございます。また、非 表示措置を講じた会社の本店所在場所に郵便物等が送達・送付できないこととなった場 合には代表取締役等の住所を利用する必要がございますので、非表示措置が講じられた 会社の本店がその所在場所において実在すると認められないときは、職権で非表示措置 は終了させることとしてございます。 さらに、官公署等から請求があった場合には代表取締役等の住所の情報を提供してお りますほか、利害関係人につきましては登記簿の附属書類の閲覧という方法で非表示措 置が講じられた代表取締役等の住所を確認することができることとしてございます。 続きまして、資料の2枚目をご覧ください。制度の見直しにつきまして、制度の運用 状況、制度見直しの要望、課題・懸念、課題への対応方針の順番で御説明させていただ きます。 まず、制度の運用状況について御説明させていただきます。非表示措置につきまして は、令和7年末の時点で約1万6,000件の申出がされております。令和6年12月末時点、 統 計 の 取 り 方 に よ り ま し て 確 定 的 な 数 字 を 申 し 上 げ る の が 令 和 6 年 12月 末 時 点 な の で すけれども、この株式会社の現存数が約215万件となってございますので、制度の利用率 は1%弱という状況になります。 次に、制度の見直しに関する御要望について御説明させていただきます。先ほど御説 明いたしましたとおり、まずはニーズの強い株式会社を対象として制度の運用を開始し ておりますが、株式会社以外の会社やその他の法人を非表示措置の対象とすることにつ いて、御要望が寄せられてございます。 3 また、登記の申請と同時ではなく単独で非表示措置の申出をすることができるように することや、既に登記されている代表取締役等の住所を非表示措置の対象とすること、 非表示措置が講じられている場合でもその会社自身や弁護士等の資格者には代表取締 役等の住所が記載された登記事項証明書の交付を認めることについても御要望がある ものと認識してございます。 次に、こうした御要望を頂いている制度の見直しを検討するに当たっての課題や懸念 について御説明させていただきます。まず、非表示措置を講じることによりまして、登 記事項証明書等によって法人の代表者の住所を証明することができず、金融機関から融 資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類が増えた りするなど、取引への影響について制度の運用状況を見極めながら検討を行う必要がご ざいます。また、消費者被害があった際に法人への責任追及が困難になるなど、消費者 被害対策等への影響についても検討を行う必要がございます。 続きまして、非表示措置の対象とする法人を拡大するに当たりましては、代表者の住 所の登記が法人の種別ごとに果たしている役割が株式会社の代表取締役等と異なる場 合がございますので、そのような役割への影響についても検討を行う必要がございます。 また、御要望のあった制度の見直しについて、登記申請の処理を行う登記情報システ ム等における対応の可否や予算の確保についても検討を行う必要がございます。 その他にも、非表示措置の申出が増加することにより登記所における業務量が増加し、 登記所の本来業務でございます登記申請の事務処理を滞らせるかどうかといったこと などの影響についても検討を行う必要があると考えてございます。 こうした課題への対応としましては、経済団体や資格者団体等から御意見を聴 取し、 取引や消費者被害対策等への影響を継続して把握していく必要があると考えてござい ます。また、登記情報システム等の改修の要否や費用対効果についても検討を行ってい くことが必要であると考えてございます。 さらに、法人類型ごとに住所が登記されている趣旨や目的は様々でございます ので、 各所管府省庁に対しても法人の代表者の住所を非表示することによる弊害がないかな ど、意見照会を行うことが考えられまして、所管の法人が非表示措置の対象となること について、ここは既に意見照会させていただいているのですけれども、異論はないとい うことを確認してございます。引き続きまして、所管府省庁との間で必要な調整をして まいりたいと考えてございます。 最後に、制度の見直しの方針につきまして御説明させていただきますと、制度の利用 状況を注視しつつ、ただ今、御説明させていただいた対応を通じまして、見直しによる 影響や具体的なニーズ、システム改修の要否、費用対効果等を把握しながら検討してま いりたいと考えてございます。 以上、法務省からの説明になります。ありがとうございました。 ○落合座長 4 竹林様、どうもありがとうございました。 次に、特定非営利活動法人新公益連盟、加藤健様、幡谷拓弥様より10分ほどで御説明 を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○特定非営利活動法人新公益連盟(加藤事務局長) ただ今、御紹介いただきました、新公益連盟事務局長の加藤と申します。本日は貴重 なお時間を頂戴しましてありがとうございます。 本題に入ります前に、新公益連盟について少しだけ御紹介させていただければと思っ ております。新公益連盟は現在200を超える団体が加盟している日本国内のNPOを 中 心としたソーシャルセクターの連盟組織です。特に直近1年間では40以上も加盟団体数 が増えておりまして、様々な地域で活動するNPOの皆様にお入りいただいております。 そんな中、様々な現場で社会課題解決に取り組むNPOのためのプラットフォームと して、全国各地様々な分野で活動を行う加盟団体の皆様から現場のリアルな声や課題感 等をお伺いする機会もございます。そういった背景もありまして、この後、事前資料を 基に御説明させていただくのは幡谷という者なのですけれども、もともとNPOの現場 にも身を置いておりまして、現在はその経験をベースに企業や他の団体の皆様とも連携 して活動している方です。そうしたNPOの現場の実情を踏まえつつ、今回お手元の資 料を基に御説明させていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいた します。 では、幡谷さん、お願いします。 ○特定非営利活動法人新公益連盟(幡谷政策提言担当) 幡谷と申します。よろしくお願いします。新公益連盟の加藤様に代わりまして、新公 益連盟から今回の内容について御説明いたします。 「NPO法人等における代表者住所非表示装置の導入に向けて」という形で今回、資 料を作成させていただきました。まず背景としてございますのが、もちろん株式会社の 代表者の方々と同じようなところでもございますが、現状、法人の登記簿に関して代表 者の住所が記載・表示されているのが特定非営利活動法人並びに非営利活動を行う一般 社団法人の方々等も今、表示されている状態でございます。そして、第三者が容易に個 人住所を取得できる状態にあるという現状でございます。特にNPO法人など社会課題 の解決に取り組む団体の方々は活動内容が比較的社会的関心も集めやすく、なおかつ、 いわゆる賛否を伴うテーマということもありまして、例えば、子供でしたり、女性、信 仰の問題、人権、難民支援などを扱うケースがあります。そのため、ソーシャルネット ワークサービス等を通じた誹謗中傷だったり、個人攻撃の対象となる事例が昨今増えて きておりまして、代表者やその家族までの嫌がらせだったり深刻な危害を加える対象と なるリスクが現実化してきております。 近年、都市部のみならず地方においてもNPO法人をはじめとする社会課題の解決だ ったり、新しい社会の創造を目指す法人が増加しておりますが、このような状況下では 5 地域を問わず法人の代表者の個人情報を適切に保護しなければならないかなと私たち 新公益連盟含む加盟団体の皆さんの方で認識を合わせているところでございます。 主にどういった被害があるのかというところで新公益連盟から加入している団体の 方々にアンケート調査を実施しまして、その中から出てきた言葉を一部抜粋させていた だいております。 まず一つ目、寄附者からのストーキング被害といったところでございます。寄附者は もちろんお金を出しているというところで非常に組織にとって重要なステークホルダ ーの方々ではあるのですけれども、お金を出しているという対等性が揺らぐ部分でもあ りまして、寄附者からお金を出しているからこそ何となく好意を寄せられてネット上で ストーキング被害を受けたり、又は場合によっては自宅まで押しかけられる可能性も非 常に強く感じたり、あとは代表者の住所が公表されているということもありまして、そ うした情報をX(旧ツイッター)などといったソーシャルネットワークサービスで公開 されてしまったケースもございます。 もう一つが、脅迫・暴力的メッセージの受信と自宅の訪問でございます。いわゆる殺 人だったり強姦の意思が明確に記載された脅迫メールが団体の代表住所に届いたり、登 記簿を見て代表者住所のところに突然の訪問を経験されたりということも被害の例と して挙げられました。 また、非営利組織の皆様は現場の支援みたいなことをやっていらっしゃる団体さんが 非常に多くて、特に、例えば、若者の支援をする中でいわゆる非行の傾向のある若者が 代表者個人の住所を調べて家に訪問してきてしまうことや、あと、若者の中でもそうし た支援をする中で、その団体に向けて敵対心を持つ攻撃的な集団などが家の前で張り込 んだり、何かしら常に見張られているような状態になってしまうなど、代表者がそうし た対外的な部分での被害を非常に強く受けてしまっているということも実情としてご ざいました。 株式会社における非表示措置の創設は非常に私たち非営利業界の中でも素晴らしい 施行だったかなとは認識しておりまして、根拠法や代表者住所の取扱いを私たちの方で も改めて整理しましたところ、基本的に根拠法となるところが一般社団法人であれば、 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律で、NPO法人さんや社会福祉法人などは 組合等登記令が根拠法となる。ここの部分がもし代表者住所を非表示にしていただく暁 には、何かしら改定を加えていただくところなのかなと私たちは認識しております。 ですので、非表示対象法人の拡大だったり、あと現住所だけではなく過去の住所だっ たり過去の代表者の住所も対象とし、個人情報が過去の分からも追跡されない仕組みを お願いしたいと思っております。そうした過去住所が残ることで本人だけでなく家族が 物理的・心的な危険にさらされるおそれもあるということを認識しております。 先ほど御説明もありましたとおり、任意のタイミングでの申請も可能にということを 要望させていただきます。今のところ登記変更時などのタイミングで限られております 6 が、必要に応じていつでも非表示申請できる仕組みを設けます。特にストーキング被害 だったり脅迫の受信などに関しては、不安を感じる段階において迅速に安全を確保でき るようにするためのことでも非常に重要なものかと認識しております。 一方で、悪意のある法人が住所非開示の申請を行ったとしても、何かしらトラブルだ ったり、訴訟の手続等においては弁護士法人の皆様が住所の表示について手間が掛から ないような仕組み自体も同時に創設することを私たちも求めております。 以上で新公益連盟からの発表を終了させていただきます。ありがとうございま した。 ○落合座長 加藤様、幡谷様、どうもありがとうございました。 次に、日本弁護士連合会司法制度調査委員会委員、矢野領様より10分ほどで御説明を 頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○日本弁護士連合会(矢野委員) よろしくお願いいたします。ただ今、御紹介いただきました、弁護士の矢野と申しま す。 この後、画面共有してお話しさせていただければと思います。 では、私からこちらについて御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 この後、こちらの目次に沿ってお話しさせていただければと存じます。 初めに、実務上の課題についてお話しさせていただこうと思います。導入前後の状況 を比較してどのような課題があるのかというところを御説明いたします。まず私どもと いたしましても、プライバシー保護は非常に重要であると認識しておりまして、実は私 自身も弁護士会の登記などで事務所ではなく自宅登記がされているというものがたく さんありますし、弁護士会・弁護士法人でも先ほど新公益連盟様から御報告があったよ うな被害が生じているという実態もありますので、非表示措置の拡大自体は図られる必 要があると考えております。 一方で、非表示措置の結果、被害者が被害回復の機会を逸するような事態となっては なりません。訴える相手方がどこの誰かすら分からなくなってしまうというのは非常に 問題だと思っております。現状ではその問題が解消されていないように私どもとしては 考えているので、今日はお話しさせていただければと考えております。 その上で内容に入りますけれども、まず平成12年にオンラインでの情報取得ができる ようになりまして、弁護士業務では非常に重要なツールとなっています。この後のお話 に関係するところでは、法律相談を受けている最中にその場で相手方となる会社の正確 な登記情報や代表者の氏名や住所を確認することができるようになっていました。また、 特に代表者を被告とするような詐欺事案の場合ですと、その住所から不動産の登記も確 認し、仮差押えの可否等も検討するということができていました。それが非表示措置が なされた後は、非表示措置がされていると代表者の住所が分かりませんから、それを確 認する必要があるといった場合には別途調査しなければならないということになりま 7 した。その調査制度として先ほどお話しいただきました附属書類の閲覧制度というもの がありますけれども、これでは時間も手間も費用もこれまでとは比較にならないほど掛 かるようになってしまいまして、その改善が必要であると認識しております。代表例と いたしましては消費者被害の案件といったものとなりますけれども、裁判等で被害回復 できるかを検討する前に被告とする代表者の住所を知るためだけに多額の費用の負担 を余儀なくされるようになってしまっているということがございます。 今のところをもう少し細かく御説明したいと思いますけれども、代表者住所が表示さ れていることでできたことはこういったことになります。 (1)は、先ほどお話しした法律相談中の確認と検討といったものになります。 (2)は、契約解除等の通知を出すときに会社に届かない可能性があるという場合な どには同時に代表者の住所に宛てても出すということができていましたが、これは期限 が迫っているときなどは有効なのですけれども、これができなくなってしまっていると いうこともあります。 (3)は、裁判となったときの話です。こちらは最初に添付する登記事項証明書をそ のまま利用できていたということがありますけれども、それができなくなるということ があります。 非表示措置の悪用事例として典型例と思われるものは消費者被害の案件ということ になりまして、特に、こうしたものにおいて弊害が認められるかと思います。特に②の 方につきましては、代表者等の役員も被告とするという関係上、仮差押えも検討する必 要があるといった案件なのですけれども、相談段階において、そうしますと代表者の住 所も早期に知った上で仮差押え等も検討するということになります。 今回、前回の改正後、非表示とされた代表者の住所を確認する制度として法務局での 閲覧制度が認められているということになっておりますけれども、私どもとしては問題 があると感じています。まず、利害関係を証する書面を出す必要があるとされています。 これは商業登記法11条の2が根拠となりますけれども、こちらによりますと利害関係の ある者は閲覧できると定めているのですけれども、商業登記の規則の方を見ると証する 書面を出すとされていて、証明することを求められています。裁判で自らの権利を証明 するためにその証拠を入手するということのために法務省に閲覧の申請をすると、閲覧 を認める前提として権利の証明を求められるという矛盾が生じているという実態もあ りまして、この問題は非表示措置だけに限らない話でして、法務局等への提出書類自体 は公的書類で最良の証拠の一つということになっておりますから、今回、私どもから制 度改正の要望とは別に閲覧制度に関する制度改正も全般的には御検討いただきたいと 考えています。 また、問題はこれだけではございませんでして、これまでは即見られたものが、まず 申請するための相談票の作成から始まるということになりまして、仮に申請が即認めら れても閲覧まで2週間程度は要するということになります。仮差押えが必要となる事案 8 の場合には、この時間が命取りにもなりかねません。 また、時間だけではなく費用も掛かるようになりました。これまでは330円ほどでネッ トで見られたということなのですけれども、証明するための書類の取得費用も必要です し、実際は閲覧申請というのは自分で作成するということも可能は可能なのですけれど も、なかなか難しいというところもありますので、閲覧するということになりますと弁 護士等に依頼するということになるかと思います。 そう言いましても、弁護士側といたしましても閲覧申請の書類を作成するということ になりますと相当の時間も掛かるということになりますから、作成に伴うフィー等も頂 くということにならざるを得ないという現状があります。そうしますと、その場合、結 局、無事閲覧できたとしても、その後また相談や検討も必要になるということになりま して、結局、代表者の住所を確認するだけで従前の何十倍から百倍超もの費用と時間を 負担しなければならないということになるかと思います。 弁護士の場合、ここには記載がないのですけれども、弁護士法23条の2に基づく照会 という制度もありますけれども、これも閲覧ほどではありませんけれども実費で1万円 ほどと、弁護士の依頼に伴うフィーや2~3週間ほどの時間が掛かるということになっ ておりまして、この時間は資産隠匿や更なる被害者を生む時間としても十分な時間とな るかと思います。 そしてまた、(2)のとおり非表示措置は終了させられることとなっていますけれど も、そんなに簡単ではないということもあります。 こちらの(3)は、非表示措置を終了させる場合などに必要な手間や負担ということ になりまして、特に星印のところが調査報告で求められる内容ということになりますけ れども、こちらは逆にプライバシーへの配慮という点から非常に疑問のあるものも含ま れているのではないかとも思います。こちらは主として裁判における公示送達等で求め られる内容なのですけれども、どうしてもこの実務が固まった時代というのがプライバ シーの配慮というものが少々乏しい時代にできたものということになっておりまして、 現在の目線で見たときに申立人に対して不可能、あるいは違法となりかねない行為を強 いていないかということはよく検討しなければならない事項かと思います。 その上で、最後に私どもとして必要と考えている制度はこちらになりますので、この 点をお話しさせていただければと思います。 一つ目が、職務上請求になります。現在、依頼を受けた事件に対して必要な範囲で住 民票や戸籍などを取得することができる制度がありまして、これを商業登記にも利用す るという形で開示いただくということはあり得るのかなと思います。この場合の費用は 郵送費や交通費程度で済むということになりますけれども、ただ、時間が若干掛かると いうことになります。 それで、二つ目に記載してありますオンライン上での情報取得を是非お願いしたいと いうことが主として第一の希望となります。これはどちらかといえば職務上請求のもの 9 をオンライン化していくというイメージとなりますけれども、こうしたことができれば、 その場で確認して迅速な被害回復にもつながるということになるかと思います。この場 合、参考となるものとしては、民事訴訟法の改正に伴いまして訴訟代理人は独自のID を付しているといったこともありますから、こうした制度を利用するといったことも可 能かと思います。 そして、2番の方が一つ目よりも有用だと考えている点は、紙ではないという 点と、 不正な取得に対しても対処しやすい点です。1の職務上請求は、今、紙で行うというこ とになっておりまして、実はこれを処理しているのは各市区町村の担当者ということに なって、人の手間を掛けています。オンライン化すればこうした手間はなくなりますし、 また、紙の場合、その原本は申請場所に保管されているということになりますので、不 正な取得も確認するのは非常に大変ということになります。オンライン申請であればそ の履歴も簡単に取得できますから、不正時でも対応は容易だと考えます。 三つ目は、少し異なっておりまして、裁判所で訴えた後の話になります。現状ですと 非表示となっていると届かない時には、別途調べてまたということになりますけれども、 裁判所においてバックオフィス連携で住所を確認するといった形にしていただければ と思います。 私どもとしましては、被害回復のために以上のような改正をお願いしたいと考えてお ります。 私からの話は以上です。御清聴ありがとうございました。 ○落合座長 矢野様、御説明どうもありがとうございました。 そうしましたら、質疑に入りたいと思います。御意見、御質問がある方は挙手ボタン により挙手をお願いいたします。私から指名いたしますので、それから発言をするよう にしてください。限られた時間になりますので、御質問や御意見、また、御回答は簡潔 にお願いいたします。 なお、新公益連盟におかれては、この後一旦御退室され、15時半頃を目途に再度御入 室いただく予定です。参加者の皆様におかれましては、新公益連盟への御質問は15時30 分以降にお願いいたします。新公益連盟が戻られましたら、改めて私より御案内を申し 上げます。 それでは、瀧委員、お願いいたします。 ○瀧専門委員 法務省様への御質問でございます。 ファクト確認みたいなところではあるのですけれども、現状、例えば民間の調査等に おいても非表示措置を利用していない理由の大半が制度を知らなかったみたいなとこ ろがあるのかなと思っていまして、自分の住所を積極的にさらしたい人というニーズを 考えた時に、もう少し積極的なPRが不足しているのではないかという思いを持ってお 10 りまして、その観点で、例えば、こういったそもそも中小事業者さんが制度について確 実に知るような取組であったり、登記のタイミングで法務局さんのところで御案内をさ れたり、あと中小事業者さんは商工会議所さんや商工会にお世話になっていることも多 いですので、そういった周知を実態として図られているのかについてお聞きをしたい次 第でございます。 また、現状の非表示になっている水準がまだ非常に少ないわけですけれども、例えば、 諸外国と比べた時にこれは低いものなのか、そもそも諸外国と比較した時にこの制度は どのように捉えているのかというところをまずファクトとしてお聞きしたいです。 一旦お願いします。 ○落合座長 ありがとうございます。 本日、十分時間があるので一人ずつと思いますので、では、法務省様、今の瀧委員か らの御質問に御回答をお願いいたします。 ○法務省(竹林審議官) 法務省民事局でございます。 一つ目の周知についての御質問でございますけれども、代表取締役等住所非表示措置 につきましては、法務省のホームページにおける周知や制度利用者の方に向けた各法務 局でのチラシの配布等させていただいているほか、会社の経営者の方に向けました各種 の商業雑誌への寄稿などによりまして行っているところでございます。そのほか、経済 団体やスタートアップ関連団体にも依頼させていただきまして、当省の。 ○落合座長 すみません、電波が切れているようなので、画面も消えてしまいましたね。法務省様 がおられないと他の方に質疑というわけにもいかないので、事務局の方で法務省にも御 連絡していただけますでしょうか。 ○幕内参事官 かしこまりました。少々お待ちいただければと思います。 ○増島専門委員 ちなみに瀧委員、クラウドで会社設立などをするSaaSがあると思うのですけれど も、ああいうSaaSでは案内していたりされるのでしょうか。 ○瀧専門委員 自社サービスについては確認ができていないのですが、多分そんなに至っていないか なという気はしていまして、これは提言する手前でそこまでの意識が及んでいなかった かなとは思うのですが、確かに会社設立事務というのは今、会計ソフト会社が顧客獲得 のためにやっているところがあるので、そこは確かにやっても良いなというアウェアネ スが当方になかった辺りが逆に言うと周知不足の証なのかもしれないという自虐気味 11 なコメントなのですけれども、そういうことかなと思っております 1 。 ○増島専門委員 ありがとうございました。お答えづらいことを聞いてすみません。 ○幕内参事官 事務局でございます。今、法務省さんは戻られましたでしょうか。 ○落合座長 ありがとうございます。 事務局に確認ですけれども、今の増島委員と瀧委員のやり取りは議事録に残すという ことで恐らくいいのですね。 ○幕内参事官 確認いたしますけれども、今、公開で行われていたものではございました。 ○瀧専門委員 大丈夫です。 ○落合座長 分かりました。 では、議事録の取扱いはまた追って事務局と調整させていただきますが、公開されて いるものですので、公開される可能性が高いのではないかとも思いますが、よろしくお 願いいたします。 では、法務省様におかれては、今、一言増島委員と瀧委員でやり取りがありましたが、 元の瀧委員からの御質問の点が途中で切れてしまっておりましたので、大変恐縮ですが 最初からもう一度御回答いただいた方が分かりやすいかなと思いますので、すみません が、もう一度御回答のほど、お願いいたします。 ○法務省(竹林審議官) 申し訳ありませんでした。御回答させていただきます。 ○瀧専門委員 お願いします。 ○法務省(竹林審議官) 代表者等住所非表示措置につきましては、法務省のウェブページにおける周知や制度 利用者の方に向けた各法務局でのチラシの配布など、あるいは会社の経営者に向けた各 種の商業誌への寄稿などによって行っているところでございます。また、経済団体、ス タートアップ関連団体にも依頼して当省のホームページの周知をお願いしたりしてい るところでございまして、今後も広報には積極的に努めてまいりたいと考えてございま 1 会議終了後、瀧専門委員から、マネーフォワードクラウド会社設立サポートサイト」に おけるのよくあるご質問(FAQ)内において、非表示措置の申出への対応が案内されて いる旨の発言修正があった。 https://biz.moneyforward.com/support/establish/faq/establish2/f088.html 12 す。 また、外国の関係でございますけれども、私どもが過去に行いました調査で確認でき た中では、代表者の住所については公開している例が多く見られたところでございまし て、登記であったりそうでなかったりということはあるのですけれども、アメリカにお いては公開されているということとなってございますし、フランスなどでは登記事項、 イタリアにおきましても登記事項、カナダにおきましても登記事項となっていると承知 してございます。 ただ、実際にここで何らか公開しないような措置を取ることができるとか、その取ら れている割合などについてまで、申し訳ないのですが把握しているわけではございませ ん。 御回答できるのは以上になります。 ○瀧専門委員 ありがとうございます。 主観的にと言いますか、今、周知のレベルがどれぐらい至っているという感覚をお持 ちなのかであったり、あるいはちょっとコメント含みの質問になるのですけれども、こ の代表者の住所という情報は東京のスタートアップなどだと転居などもあるのかなと いう気はしますけれども、地方に行きますと非常に一戸建てで玄関のドアというものも ない御家庭も多い中ですので、地方のスタートアップなどになってくると、よりこのト ピックは深刻な課題をはらむものだと思っていまして、細かく状況を見ていただかない と改善の図り方も難しいなとは思っておりますので、今の時点で主観的に例えばどうい うところが高めに出ているとか、何らか中央と地方で違うかというばらつきなどにコメ ントがございましたら、教えていただきたく思います。 ○落合座長 では、法務省様、再度お願いいたします。 ○法務省(田中課長) 法務省民事局商事課長、田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 体感のところということでございますが、私どもでそこまで具体的な数字を持ち合わ せているものではございませんので、なかなかお答えするようなことが難しいかなとは 思ってございます。 実際の利用としては、やはり都市部の利用の方が多いというところはあるのですけれ ども、当然、都市部の方が法人の数が多いといったところもございますので、なかなか それだけでは把握はできていないというところでございます。 御指摘いただいたとおり、そういった具体的な周知の状況などは法務省としてもしっ かりと把握できるような形で今後しっかりと検討していきたいと思っております。 以上でございます。 ○瀧専門委員 13 ありがとうございます。 ただのコメントですけれども、どれぐらいの人が知っている上で採用しないと言いま すか、非表示にしていないという判断をしているかが分からないと、政策の事後判定が できませんので、是非そこは御勘案いただきますようよろしくお願いいたします。 私からは一旦以上です。 ○落合座長 どうもありがとうございます。 法務省様に今の瀧委員のと関連して、1点お伺いしたいなと思ったのですけれ ども、 周知されていてと言うので、例えば、法務局でというお話をされていましたけれども、 恐らく結構、司法書士の先生などにお願いされている方も多いのではないかと思ってお りまして。そういう場合は、今ですと、法務省のホームページを見ないといけないか、 司法書士の先生が自発的に御連絡していただくか、どちらかをしないと、法律専門家で はない方は、この情報に接することができないということになりますでしょうか。 ○法務省(田中課長) 法務省民事局商事課長、田中でございます。 おっしゃるとおりで、実際に司法書士の方は当然知っているという状況かとは思うの ですけれども、それ以外の方でどこまで周知が図られているかというのは、先ほど御指 摘いただいた私ども法務省のホームページやそういった法務局でのチラシを配布して いるという限りというところでございますので、それから先にどこまで行っているかと いったところまでは把握ができていないというところでございます。 当然、経済関係団体の商工会議所といったところにはいろいろ働き掛けはしていると ころでございますが、その先でどこまでといったところは私どもとしてもしっかり把握 していく必要があるかなと思ってございます。 以上でございます。 ○落合座長 分かりました。ありがとうございます。 瀧委員もその辺りはいろいろな方にということだと思いますので、是非、御検討いた だければと思います。 お待たせいたしました。宮下委員、お願いいたします。 ○宮下専門委員 陳情内容に基づく本日の論点は大きく2種類の論点があって、一つは新公益連盟さん から陳情のあった制度対象の拡大の是非という論点で、もう一つが日弁連さんから陳情 のあった士業による簡易アクセスの整備の是非。方向性がこの2種類は全く違う話なの で、まずは、前者についての委員としての意見を述べさせてください。後者については、 もう少し考えを整理します。 まず、前者について結論を申し上げますと、非表示措置の対象は株式会社に限定せず 14 に、他の法人類型に拡大していくべきだと考えます。その理由は大きく2つです。 まず一つ目が、そもそも現行制度が株式会社のみを対象としていることについて、特 に合理的な理由があるわけではないのですね。どういうことかというと、この制度導入 時の説明、これは法務省さんの説明なのですけれども、それを振り返ると、まずはニー ズの強い株式会社での対応を目指したいという言い方をされていました。つまり、株式 会社に限定するという積極的な趣旨があったわけではなくて、今はまずこの制度のパイ ロットケースとして株式会社が選ばれた、私はそういう理解です。2024年10月から運用 が開始されていて、2025年末時点で1万6,000件の申出と、これは私は割合というよりも 絶対数を見ても制度に対する強いニーズを裏付けるものではないかなと思いますし、テ スト運用の段階は終わったと十分評価して良い裏付けではないかなと思います。 ちなみに割合ということを言うのであれば、先ほど瀧さんから御指摘があったように、 215万件を母数とするのではなくて、そのうち本当にこの制度を実質的にも利用でき る ような社数を母数にしなくてはいけない。休眠を除いたり、ペーパーカンパニーを除い たり、そもそもこの制度を知らないような会社さんを除いた上で本来的なニーズを考え るべきだろうと思いますが、私は絶対数を見るだけでも十分なニーズが裏付けられてい るのではないかと思っています。 二つ目の理由が、論点の二つ目にもちょっと関わるのですけれども、制度趣旨に遡っ てしっかりと議論しなければいけないかなと。この制度趣旨の捉え方を誤ると制度設計 そのものが当然ゆがむわけです。私の理解は、そもそも代表者住所が登記事項とされて いる趣旨というのは民事訴訟法上の裁判管轄の決定と送達の便宜だと理解しています。 つまり、民訴法4条4項です。何が言いたいかというと、代表者の個人責任を追及する ことを目的とした制度ではないというのが私の理解です。 そうであれば、裁判管轄の決定と送達の便宜という制度趣旨を前提にして代表者住所 を一般に公示し続けるニーズと、そしてプライバシー保護という対立する保護法益との 比較考慮が必要だということになります。前提となる制度設計として裁判管轄の決定と 送達の便宜というニーズが仮に顕在化する場面があったとしても、情報そのものは附属 書類として登記所に提出されているわけですから、利害関係人による附属書類閲覧請求 制度のアクセス手段も制度的に担保されている。 ここは私の感覚なのですけれども、株式会社と他の法人を比較した時に、私の感覚は 経済取引において最も用いられている株式会社においてすら、裁判管轄の決定と送達の 便宜という制度趣旨とプライバシー保護という保護法益を比較考慮した結果、後者を優 先するという制度設計がなされたという感覚なのですね。いわんや他の法人類型をや、 これが一般的な感覚ではないかなと思います。 仮に株式会社と比較して他の法人類型において、繰り返しになりますが裁判管轄の決 定及び送達の便宜という制度趣旨が顕著に優先するという特殊事情があるのだったら 別ですけれども、そういう事情がないのであれば、先ほど申し上げた1万6,000件に裏付 15 けられるニーズに照らして順次対象を拡大していく、これが筋論ではないかと思います。 まずは、委員としての意見を述べさせていただきます。以上です。 ○落合座長 御意見ありがとうございます。 これは、特に御回答は求めないということでよろしかったでしょうか。 ○宮下専門委員 大丈夫です。 ○落合座長 承知しました。どうもありがとうございます。 では、続きまして、御手洗委員、お願いいたします。 ○御手洗委員 御手洗でございます。 まず法務省さん、ここまで進めていただいてどうもありがとうございました。私はこ の案件を最初に扱わせていただいたときから携わっておりましたので、なかなか難しい ところもきっとあったと思うのですけれども、代表者住所が実際非表示にできるように なって、実際、1万件以上の会社が利用されているという実績も出てきているのは素晴 らしいなと思っております。御礼申し上げます。 法務省さんからの最初の発表資料に行っていただきたいのですけれども、まず前提と してお話しすると、私は自分も携わった案件なので、今、どれぐらい使い勝手が良いも のになっているか確認しようと思って、自分の住所の非表示について行政書士さんなど にお願いせず自力で先日やりましたところ、案の定、めちゃくちゃ大変で、それは広ま らないわけだと思うようなところもあったりしました。 ごめんなさい、これではなくこの次のページに行っていただいて良いですか。 まず、 この要望にも関わってくるのですけれども、このページですね。まず現在、例えば私は 宮城県気仙沼市に会社があるのですけれども、その場合、法務局の気仙沼支局では手続 できなくて、仙台法務局での手続になりますね。登記業務が本局なのでそうなってしま うのかもしれないですけれども、もちろん支局でできたら便利なところ、法務局の本局 まで出向かなくてはいけないというのも大変ですし、加えて、ウェブサイトで一体何の 書類を準備してどういった形で提出すれば良いのかといったことが、だんだん改善して きているのは観察しておりますけれども、それでも分かりにくくて、かつ、仙台法務局 さんの登記係にお電話して聞くと、出る担当の方ごとにちょっとずつ御説明が違ったり して非常に大変な思いをしました。その結果、書類を何度も郵送で往復しなくてはいけ なくなったりして、これは私の方でも業務負担が大きかったですけれども、法務局さん の御担当の方でも大きかったのではないかなと思います。 今後、登記の申請と同時でなくてもできるようにとか、過去を非表示できるようにと か、支局でも手続できるようにという要望が挙げられているかと思いまして、この点、 16 法務省さんのボトルネックとしてはシステム改修費と業務負担増というところかと思 いますけれども、システム改修費の方は私は何とも言えないところでお願いしますとい う要望しかできませんが、業務負担に関しては、今、相当非効率が発生しているところ、 ガイドラインが分かりにくいとか、フォームが用意されていなくて各自で手打ちしなく てはいけないといったところを整理していくことでも、大分負担軽減できるのではない かなと思います。 登記のタイミングでしか手続できないとなると、わざわざこの非表示のために引っ越 さなくてはいけないみたいなことに代表者がなってきますし、是非、ここは業務見直し をした上で、こうした御要望に順次お応えしていっていただけたらなというのがお願い でございます。 以上です。 ○落合座長 ありがとうございます。 今の点、回答はどうされますか。求められますか。 ○御手洗委員 お願いします。 ○落合座長 では、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(田中課長) 田中でございます。 まず、先ほどの気仙沼支局で取り扱っていないという点につきましては、法務省の商 業登記の関係につきましては集中化ということでより専門的に業務を行えるような形 でサービスの質を上げていこうということで、都道府県の各法務局では、大規模なとこ ろではまた別なのですけれども、先ほどおっしゃられたように宮城県の場合ですと仙台 法務局1か所で商業法人登記の事務を行わせていただいているという状況でございま す。そこについてはそれ以外のところでの取扱いというのはしていないところでござい ますので、御理解いただければと思っているところでございます。 一方で、郵送等や電話等でいろいろやり取りいただいたというところでございますが、 その中でそもそものフォームの形といったところが不親切だという御指摘ですとか、あ とは担当でのレベルが違っていたという御指摘につきましては、そこは私どもも改善の 余地があるのかなと思っておりますので、しっかりと法務局の商業法人登記の担当の指 導というのは進めてまいりたいと思ってございます。 また、要望を頂きましたところで、今は登記の申請と同時に行っていくというところ でございますが、単独でやってほしいといったニーズがあるといったところは私どもに ついても承知しております。単独でやる場合には円滑に処理をするに当たってシステム 改修が必要になってくるというところもございますので、そういったところの予算の確 17 保みたいなところを踏まえると、若干お時間が掛かってしまうのかなというところがご ざいますが、あとは私どもの懸念としてもう一つ、登記所の負担が増えてしまうという ことも挙げさせていただいているところでございます。そこは先ほど先生がおっしゃら れたようなことで業務の効率化みたいなところも内部でしっかりとやっていくといっ たところは非常に重要な視点かなと思ってございますので、そういったところも含めて、 あとはそのためのシステムの改修といったところもしっかりと検討しながら、私どもと しても対応についてはしっかりと検討していきたいと思っております。 ○御手洗委員 ありがとうございます。 ごめんなさい、落合座長、一瞬だけ。 ○落合座長 どうぞ。 ○御手洗委員 まだ0.6%しか非表示がされてい ないというのは周知不足もあると思いますけれども 、 単に登記のタイミングでしかできないので、社長が代わった時や住所が変わった時など しか手続できないからだという面もあると思うのですね。 でも一方で、先ほど公益連盟さんが発表されていたようなストーカー被害みたいなこ とや、ストーカーだけではなくて、例えば、私もこうやって規制改革に出ていると反対 意見のある案件も扱ったりしますので、そうすると代表者の住所が割れているとなかな かリスキーなことというのが数多くありますので、そこは是非とも随時手続ができるよ うにということは大変だと思いますけれども業務の効率化や、システムのところは何と も言えないと言ったとおりですけれども、万難排して御対応いただきたく思います。よ ろしくお願いします。 ○落合座長 ありがとうございます。 法務省様、今の点、是非、御検討をお願いできればと思います。 ○法務省(竹林審議官) 恐れ入ります。法務省から1点補足させていただいてもよろしいでしょうか。 ○落合座長 お願いいたします。 ○法務省(竹林審議官) 先ほど、DV等の関係について御指摘を頂きましたけれども。 ○御手洗委員 違います。DVに関しては、措置されているのを知っています。でも、DV以外でも リスクがありますよねと申し上げました。ストーカー、DV被害に関しては特別な措置 があるのは存じ上げています。 18 ○法務省(竹林審議官) それであれば、こちらから御説明を改めさせていただくことはございません。失礼し ました。 ○落合座長 ありがとうございます。 今の御手洗委員からの御指摘の趣旨も逆に明確になったと思いますので、その点も踏 まえて御検討いただければと思っております。 では、次に藤本委員、お願いいたします。 ○藤本専門委員 御説明ありがとうございました。 御手洗委員と同じく、私も実は4か月前に起業しまして、せっかくこれに携わらせて いただいたので、非表示の手続というのをやらせていただきました。先ほどの広報のと ころにもつながるのですが、やはり司法書士の方がなかなか御存じではないというとこ ろと、概要は御存じなのですが、その時に頂いたアドバイスとしては、手続上できるの ですが銀行の融資が受けづらくなるのですけれども良いですかというところを言われ ました。なので、そういった観点で本当にこれがどういう制度であるかというところと、 どういうところがあるかというところの周知がなかなか一番の関係者に届いていない のではないかというところは大変懸念に思っています。 その中で、法務省のサイトに融資に不利という表現がされているというところも結構 問題ではないか。私たちの場合はそれをご覧になってそういうコメントをされたという ことだったので、この制度を広げていく中でそういったところでのコミュニケーション の統一化みたいなところをどのように考えていらっしゃるのかだったり、FAQだった り、誤解の是正の広報みたいなところをどのように考えていらっしゃるのかという点に ついて、お伺いできればと思います。 ○落合座長 では、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(田中課長) 田中でございます。 先ほどのホームページの記載につきましては、法務省といたしましても制度開始に当 たってこの非表示といったところが社会的にはどういう評価をされるかといった心配 があったといったところもございまして、ですので、実際そこが本当に不利益になるか どうかというところまでの見極めというのはできていなかったといったところもある のですけれども、そこは可能性があるという形で、実際に利用される方の希望によって この措置というのは使っていただくというものになってございますので、そこはそうい ったところも踏まえた上で十分に検討された上でこの措置の申出を行っていただきた いということでホームページでも周知していたというところでございます。 19 これにつきましては、法務省としましても金融機関の中での取扱いの状況などといっ たところをしっかりとヒアリングなどもいたしまして、そこで特に不利益が生じていな いということであれば、そういったところの記載の見直しといったところもしっかりと やっていきたいかなと思ってございます。御指摘を踏まえて検討させていただきたいと 思います。 ありがとうございました。 ○藤本専門委員 ありがとうございます。 追加で、この点に関して、金融機関と法務省さんでお話合いというのは、何かされた りしているのでしょうか。 ○法務省(田中課長) まだそんなに制度の利用が進んでいないような昨年の6月ぐらいに一旦何社かの金 融機関の方には若干お話は聞いているところで、まだなかなか利用が進んでいないとい うところもございましたので、明確なところでそこの時点での御意見等というのがはっ きりとは聞かれていなかったところですけれども、基本的に大きな支障にはなっていな いのではないかなというところも伺ったところではございます。そういったところは、 引き続き、私どもとしても継続してヒアリングしていきまして、そのようなホームペー ジでの周知の仕方みたいなところを考えていきたいと思っております。 ○藤本専門委員 改めて、特にこれを更に周知していくことが重要であるということで皆さんからも今 日お話があったと思いますので、改めてそこをお願いしたいのと、特にスタートアップ において住所の非表示の大事さと共に融資の大事さというところも両方ありますので、 そこの支援が頂けると良いかなと思っています。 個人的な体験のところで言うと、銀行さんにもこれは関係あるのですかと私たちも聞 いてみて、いろいろな御意見を頂いているのですが、1点、住所を非表示したことによ り、追加での郵送物を送って実際その住所が本当に存在するかどうかの確認手続が必要 というプロセスが1個増えたというところはありましたので、その辺もお互いプロセス が増えて、やはりこれは使えないよねとならないように是非対応いただければなと思い ます。 私からは以上です。 ○落合座長 今の点はそのままでよろしいですか。 ○藤本専門委員 要望なので、大丈夫です。 ○落合座長 分かりました。ありがとうございます。 20 では、次に岩崎委員、お願いいたします。 ○岩崎専門委員 岩崎です。よろしくお願いいたします。 私からは、法務省様に2点お伺いしたいと思います。 一点目は、対象法人の拡充についてなのですが、先ほども少し説明があったのですけ れども、他省庁との協議が今行われているというお話でしたけれども、これがどの程度 進んでいるのか。実際に代表者住所が非表示になった場合にどのような法人形態でどの ような点が論点になっているのかといったことを、お分かりになる範囲で教えていただ きたいというのが一点目です。 二点目につきましては、非表示によって課題や懸念があると法務省様も先ほどおっし ゃっていましたし、また、日弁連様からもいろいろな御懸念が指摘されたと思うのです けれども、これまでのところ、非表示が導入されたことで何か問題が生じているのか、 この措置が導入されて日が浅いのであまりたくさんの例はないと思うのですけれども、 把握なさっている範囲で教えていただければと思います。 以上2件、よろしくお願いいたします。 ○落合座長 では、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(竹林審議官) お答えさせていただきます。 まず、法人類型の拡充でございますけれども、合名会社、合資会社、士業に関する法 人等におきましては、社員が債務者に直接的に債務を負っているなど法人類型ごとに住 所が登記されている趣旨、目的が異なり得るということはあると認識しています。 ただ、この点につきましては、先ほど府省庁へ意見照会を行いましたところ、 特段、 非表示措置の対象となることについての問題ではないという回答がございました。 そこで、今後、私どもといたしましては、御指摘も頂きましたように、法人類型ごと にニーズが異なるわけではないということから対象の範囲の拡大ということを検討し てございます。特に問題がなければ、今、登記をされているような法人類型全てを対象 として制度を行うということを考えてございます。 他方で、今、非表示措置を取ることによりまして問題が生じていることをこちらで何 か認識しているかということにつきましては、ヒアリングなどをさせていただいている 限りでは、あまり具体的な問題点があると承知はしてございません。 以上です。 ○岩崎専門委員 どうもありがとうございました。 ○落合座長 岩崎委員、それでよろしいですか。 21 ○岩崎専門委員 はい。ありがとうございました。 ○落合座長 承知しました。 続きまして、増島委員、お願いいたします。 ○増島専門委員 ありがとうございました。 そうしましたら、今のところとの関係で1つ確認させていただいた上で御質問したい と思うのですが、今、法人類型の差にかかわらずとおっしゃったところですが、法人以 外にも組合が登記をされているという実態がございますが、今、おっしゃっていただい た法人類型の差にかかわらずというのは組合も含む趣旨でおっしゃっていただいたで しょうかということと、あと、法人の中には外国法人がいらっしゃって、外国法人の日 本支店の登記をする時に、もちろん日本支店の代表者も登記されますが、外国の本店の 社長も登記されるという仕組みになっておりまして、今の法人類型の差にかかわらずと いうのはこの外国法人についての視点プラス本国の社長さん、代表者も含む趣旨でおっ しゃっていただいているかどうかについて確認させてください。 ○落合座長 ありがとうございます。 そうしましたら、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(田中課長) 法務省商事課長、田中でございます。 まず一点目に、組合とおっしゃられていましたが、例えば、法人格を持っているよう な農業協同組合といったものにつきまして、基本的には法人格を持っているものについ ては対象として広げていこうといったところで検討の中に含めているところでござい ます。 また、組合の中でも法人格を持っていないような有限責任事業組合といったものがあ るかと思いますが、そういったものも登記されてそこで公示されているというところで は同じような形なのかなというところで、対象の拡大の検討に含めるという形で考えて いるところでございます。 もう一つ、2点目のところでございます。外国会社につきましても基本的には対象に していくのかなと考えているところでございますが、あとは外国会社の日本における代 表者の方の住所といったところが、ここは当然、日本における連絡先というところでの また別の意味合いを持っているというところもございますので、こういったところの位 置付けを踏まえて、どういった対応が必要かというのは、少し検討が必要かなと考えて いるところでございます。基本的には検討の中で、そういった外国会社についても検討 していきたいと考えているところでございます。 22 以上でございます。 ○増島専門委員 ありがとうございます。テクニカルな部分ですが、大事なポイントに正面から答えて いただいたと思います。 今のは補足だったのですけれども、1つ教えていただきたかったのは、変更のタイミ ングについての話なのです。今、変更のタイミングというのはまさに登記の変更時にや っているということで、これは恐らく法務局さんの観点からすると登記の変更は実際に 発生した時から2週間以内にやりなさいというルールになっている中で、タイムライン の中での変更というのをやっていただいていて、法務局さんの職員さんの方もそういう ルーチンの中でこの処理を一定やっていただいているのかなと感じているところなの ですけれども、これは随時受付、若しくは過去のものを受け付けますという話になりま すと、いわゆる登記事項の変更は発生をしていない中での受領みたいな話になってくる わけですけれども、そういうタイミングでの受付が入ってきた時に、何か法務局さんの グラウンドレベルで発生してくるであろう課題、不都合みたいなものがありやなしやみ たいなところで、要するに14日以内に処理をしなければいけないものと、いつやっても いいようなものが、入ってきたときにどちらをどういう順番でやるのかとか、何か発生 があるだろうなと思われるような実務上・事務上の課題感みたいなものがもしあれば、 教えていただきたいなと思いました。 ○落合座長 では、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(田中課長) ありがとうございます。 登記の処理の中での課題ということで、先ほど14日以内ということで御指摘いただき ましたけれども、あくまでも登記の申請の方を14日以内にしなければならないというと ころでございますので、その後の処理というのは法務局の中では迅速にはやるのですけ れども、14日に必ず縛られていないというところは御理解いただければなと思ってござ います。 この関係で、先ほど登記申請とは別に申出ということが出てきますと、処理の中でも 2つのルートで申出がされるという形になりますので、事務のラインをどうするのかと いったところもございますし、あとはシステムの中でもそのように別に受け付けるよう な仕組みというのも当然設けなくてはいけないところもございます。 あとはどちらを先に優先するかというところですが、基本的には来た順にやっていく のかなとは考えているところなのですが、そうすると通常の登記の申請処理というのが、 随時の申出というのがまとまって来てしまった場合には大分遅れてしまうという懸念 というのも私どもとしてはございますので、そういったところで先ほどの課題といった ところでは挙げさせていただいているところでございます。 23 私からは以上でございます。 ○増島専門委員 ありがとうございました。 実際、法務局さんも登記の混んでいる時期があって、そういう時は、1か月掛かって しまったりというのがあるのもよく存じておりまして、変更の重要性ということもあま りないのかもしれないですけれども、登記事項の変更の14日以内で出していただくもの を先に処理しなければいけないのではないかなという感じもしつつ、どういう事務を作 っていくというのが恐らく中であられるのかどうかというのが知りたかったという趣 旨でございましたが、大変よく分かりました。ありがとうございます。 ○落合座長 どうも質疑ありがとうございます。 少しやり取りされている中で、実際プライバシーに関する侵害等のおそれがあるとこ ろというので、措置を拡大していただくというお話になってきているかなと思いますけ れども。その実施時期みたいなところというのは、例えば、令和8年といったところを 目指してやっていかれるといった形でよろしいのでしょうか、法務省様。 ○法務省(田中課長) 法務省でございます。 基本的には今、具体的に各省にも照会をかけたりなどして検討を進めているというの がございます。私どもとしては令和8年度中には実際にこれを実現するようにしたいな ということで考えているところでございますが、ニーズもいろいろ強いというところも ございますので、この検討をできるだけ早くして、早めの時期での施行ができればなと いうところでは考えております。 以上でございます。 ○落合座長 どうもありがとうございます。 では、堀委員、お願いいたします。 ○堀委員 ありがとうございます。 これまで、代表者の住所非表示については、女性活躍の観点からも是非お願いしたい という要望もあったところでありまして、株式会社についてこの措置を導入していただ いたというのは、非常に前進だと思っておりまして、感謝しております。 ただ一方で、これを利用することによって逆の意味でプライバシーは保護されるのだ けれども、金融機関の融資が通らないであるとか、いろいろとスタートアップを起業し てこれからやっていくという時に金融機関との取引が難しいみたいなことになってし まうと、設立した意味もなくなってしまうということになりますので、この措置がかえ ってデメリットを生んでいるということであるとすると、そこは直していかないといけ 24 ないのではないかなと思っております。 その観点から3つですけれども、一つは、法人や代表者が自ら例えば金融機関等に提 出するなどの必要性に応じて自分で住所入りの登記事項証明書を作成したいと申請し てきた場合、これは認めても良いのではないかと思うのですけれども、法人や代表者が 表示するという観点の意思に対して応じていただけるのかどうか、この点の検討状況は いかがかというのが一点目です。 二点目は、金融機関や融資に回るということであるとするとクレジット、それから貸 金業者さんなども法人登記を見ながら個人の方の住所を特定し、どのぐらいの融資がで きるかということを実際確認されている。あとAML(アンチ・マネー・ロンダリング) の観点から、最近は銀行のみならず送金業者さんなども法人登記を見ながら実際に海外 ではないかどうかであるとか、AMLの判断にも利用していると承知しておりまして、 こうしたプロの金融業者さん、金融機関、金融事業者さんが必要に応じて請求してくる という場合に、これは必要性があるということで表示を認めるという運用もあり得るの ではないかと思いますけれども、この点はいかがかというのが二点目でございます。 最後は、職務上請求です。ここは実際には裁判等も行っておりますと、送達管轄の観 点からそれを確認するというのがまず一丁目一番地になりますので、これがなかなかハ ードルが高いということになりますと早期の被害回復が難しいということになります し、特に保全手続などでは極めて時間的なタイミングが限られている中での提起という ことになりますので、こちらについて日弁連様からの要望事項については必要性という 意味ではそのとおりだなと思っております。もちろん職務上請求というのは必須だと思 いますし、オンデスクでの情報取得というものもできないと、なかなか今のできている ことができなくなるという弊害になってしまうのかなと思います。この日弁連様の第二 の点についての法務省様からの御回答はいかがでしょうか。 この3点、いずれも法務省様にお願いできればと思います。 ○落合座長 ありがとうございます。 そうしましたら、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(田中課長) 法務省でございます。 まず一つ目、法人自身が請求した場合に住所が表示されているような登記事項証明書 が取得できるようにすべきではないかという御指摘と理解いたしました。これについて は、現状は法人自身でも全て同じような非表示とされたものが出てくるというところで ございますが、そういったニーズなども踏まえつつ、どういった対応ができるのかとい うのは私どもとしても検討はしていきたいかなと思ってございます。 ただ、今は非表示になっている証明書が出るという前提での仕組みになってございま すので、対応するとした場合にはシステム上そういったところを見直していく必要があ 25 るのかなといったところもございますので、そういったところも含めて検討していきた いかなと考えてございます。 二つ目のAML事業者ということで、プロの方が請求した場合にそういうものができ るかといったところについては、今回はプライバシー保護という形で非表示措置を導入 したという前提がございまして、こういったところとの関係で、まずどういった範囲で 広げるかみたいなところもございますし、あとは結局プライバシー保護という形でやっ た趣旨というのが認められなくなってしまうのではないかという懸念もありますので、 そこは慎重な検討が必要かなとは考えているところでございます。 三点目の職務上請求の話でございます。こちらは、現時点での法務省の考えでござい ますけれども、これは、これまでも検討させてはいただいているのですけれども、現行 の戸籍や住民票といったところの職務上請求と同じような仕組みということで御提案 いただいているのかなとは思っているところでございます。このような請求については、 基本的にそもそも本人だけが取得可能だという仕組みの中で、第三者でも必要性を判断 した上で請求が認められていて、その代わりとして、資格者の方がそのような情報を取 れるという位置付けになっているのですけれども、現行法の法務省の会社の登記の仕組 みとしてはそういうものにはなっていないところがございますので、そこをどのように 検討していくかというところは一つ課題があるのかなと思っております。 一方で、先ほども御説明したとおり、住所を弁護士の方などが必要に応じて取得でき るようにするために、登記簿の附属書類の閲覧の仕組み、あとは先ほどの弁護士会照会 などでも対応ができるということでの対応もしているところでございますけれども、こ れまでのところで実際にそれが利用されたという実績については私どもとしてはなか なか把握していないという状況でございまして、そういった制度的な検討課題というの もありますし、あとは実際にどこまでのニーズがあるのかということも、当然、御説明 いただいたような形でそういう抽象的なニーズというのはあるかなと思っているとこ ろでございますが、実際に今のところ見ていると、これは利用の件数がまだなかなか少 ないという部分もあるのかもしれないですけれども、実際にそこの住所が必要だといっ たところで請求されたといったところがないという状況の中で、そこの必要性をどう説 明できるのかといったところも含めて、私どもとしては考えていかなくてはいけないか なと考えているところでございます。 現状の私どもの考え方としては以上でございます。 ○落合座長 堀委員、いかがですか。 ○堀委員 2点だけコメントさせていただければと思います。 代表者が自ら表示したいという場合の住所入りの登記事項証明書の公表を認めて良 いかどうかということについては、御検討いただけるという方向で承りましたので、是 26 非お願いしたいと思います。 それから、金融機関、金融事業者の必要に応じてというのは、プライバシーの保護と いうのも非常に大事ではありますけれども、一般的に公表されているということと、業 務上必要に応じてそれをやっている業者さんがあって、その業者さんのプロセスに乗っ ていかないがために結果的に会社を設立された代表者の方、会社の方々が不利益を被る というのは本末転倒だろうと思いますので、そこはできればよく金融庁とも協議して、 どういう形であれば、どういう方に限れば、そこはプライバシー保護を優先することが できるのかということの協議を是非お願いしたいと思っております。 最後の職務上請求につきましては、職務上請求自体についての要望については取り上 げていただけるように伺いましたので、御検討いただけるのかなと理解しました。是非 お願いしたいと思っております。数が必要だということでも、今の段階で母数が少ない ので実例が少ないということであるとすると、そこは必ずしも今後拡大していくという タイミングの中であらかじめ打っておくべき事柄ではないかと感じたものですから、そ の点も前広に御検討いただければありがたいなと思います。 以上です。 ○落合座長 ありがとうございます。 今の点はもう一度コメントいただきますか。 ○堀委員 特に何かあればあれですけれども、他の皆さんも手が挙がっていますので。 ○落合座長 分かりました。 では、私の方で1点、今のに関連してというところでもありますけれども、少し前の ところで、藤本委員との関係でも御議論があったかなと思いますけれども。例えば、こ ういった非表示制度をした時に、本当に取引上不利益になるのか、主に金融機関のお話 などをされていましたが、例えば、不動産なども見られるかもしれませんので、金融庁 というお話も堀先生からありましたけれども、例えば、そういう金融機関そのものを所 管省庁、国交省であったり、不動産会社であったりといったところとの協議を行った上 で、そもそも取引に関する不利益について、本当に実態があるのかないのか。あるので あれば、こういった合理的に設計された制度であれば、それを理由に不合理に差別され るということが適切かどうかということの周知は必要かもしれませんので。そういった ことと、また、逆に法令対応などの場合、堀委員がさっきおっしゃられたのは、犯罪収 益移転防止法といったものの関係で同一性を同定しないといけない。ただ、氏名だけで 同定できないような場合などもあると思いますので。そういった場合などもどういった 時にできなければならないのかといったところも実態をつかんでいただくということ が大事なのではないかと思うのですけれども。法務省様で、今後、所管省庁に限らず、 27 実際の事業者の方にも、登記情報を実務上利用されるような、また、取引に大きく影響 するような事業者の方とも対話していただくと良いのではないかと思うのですけれど も、そういったものを進めていっていただくということはできないでしょうか。 ○法務省(田中課長) 法務省でございます。 頂いた御指摘を踏まえまして、私どもとしてもこのような制度を作っているというと ころもございますので、やはりそこがしっかりと使われていくというところは必要なの かなと思っております。そういったところでいろいろ当初の懸念というところもありま すし、そういったところを解消していくような取組というのも私どもとしては必要なの かなというところでございます。どういった形でやるかというところは、また検討させ ていただきますけれども、いろいろそういった懸念がされるようなところについては、 ヒアリングを行うとか、意見交換を行うみたいなところは私どもとしても対応していき たいと考えてございます。 先ほど私の申し上げ方があれだったかもしれないのですけれども、登記事項証明書の 非表示がされていない証明書の請求の関係で専門職の方にというところなのですけれ ども、そこはなかなかどの範囲でそこを認めるか、先ほど金融庁とお話をしてといった ところもございまして、そういったところの話をしていくというのも必要かと思います が、なかなかその限界というのを決めるのが難しいかなといったところも私どもとして は懸念として思ってございます。そういったところも踏まえて、必ず実現できるかとい うところまではあれなのですけれども、どういった対応ができるかというのは検討させ ていただきたいと思います。 もう一点、職務上請求の関係につきましては、こちらは、仮に職務上請求は、法制的 にどういう立て付けしていくのかというところも、なかなかハードルが高いのかなと思 っているところでございます。あとは、実際に職務上請求を導入した場合にも、その請 求に応じて良いかどうかといったところの必要性みたいなところは今の戸籍の制度で も同じような形で、そういったところの必要性というのは判断した上で、提供されてい るということで認識してございます。それが今、私どもの用意している附属書類の閲覧、 なかなか時間が掛かっているという御指摘もございましたけれども、そういったところ との関係でどれだけ差異があるのかといったところで、今ある仕組みに加えて更にそう いったところまでも作る必要があるのかどうかということも含めて、そこは慎重に検討 していきたいかなとは思っているところでございます。全く検討しないということでは ございませんが、いろいろと検討する課題が多いのかなと認識しているところでござい ます。そういったところは、御承知おきいただければと思います。 以上でございます。 ○落合座長 どうもありがとうございます。 28 私から御質問した点も、お話しして、言っていただくということで良いのかなと思い ますし、まず、そこの実態をつかむような取組というのが、まだ少ないのではないかと いうところに問題意識がありますので。そこを進めていっていただくということが大事 かなと思いますし、ニーズというのも上がってくるまで待っているとというのが、実際 はなかなか言い出しにくいというのがやはりあって、この規制改革をやっていても、そ ういうことはすごくありますので。しっかり対話して、むしろ引き出していくというと ころも是非見ていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。 堀委員も、私の方で別な質問というか、関連質問を投げ掛けてしまいましたが 、今、 補足も頂きましたが、いかがですか。 ○堀委員 なかなか既存の条文がない中でそれを入れていくという立法的な難しさがあるとい うのは認識しましたが、是非、必要性との関係で御検討いただけたらと思いました。 以上です。 ○落合座長 どうもありがとうございます。 では、続きまして、川本委員、お願いいたします。 ○川本専門委員 遅れての参加で申し訳ございません。専門委員の川本でございます。 資料は拝見いたしております。法務省さんに私から質問させていただきたいと思いま す。 法務省さんがプライバシーの保護を重視して非表示措置を導入されていることに、敬 意を表するものです。その上で、今日、新公益連盟さんから要望のあった過去住所の非 表示の件で質問させていただきたいと思ったのですけれども、実態として、私の理解す るところでは、例えば、株主総会で代表取締役が再任されたということで、その再任さ れたことを登記されるという場合に、その時に、非表示措置をお願いするということに なると思うのですけれども、それで、今回就任した点について住所は非表示になるのだ けれども、その方は前にもずっと代表取締役をやられていて、過去の登記した事項につ いては私の理解では現行制度では非表示にできないということで、そうしますと、これ はプライバシーの保護という法務省さんの制度導入の趣旨から言って、やや表現はあれ ですけれども、まさしく尻抜けになってしまって、せっかく制度を導入されたのに趣旨 としては全く効果が今の制度では実現できていないのではないかなと心配します。それ がゆえに新公益連盟さんも要望されてきていると思うのですけれども、そこら辺はもち ろんいろいろシステムの改修の問題などがあるとお聞きしたのですけれども、せっかく 導入した制度なのにそもそもそれがプライバシーの保護になっていないとすると、当然 それは利用する人もそんなに多くないでしょうし、その辺は、全体の問題としてここは 是非しっかりと過去分も含めて非表示にできるようにしていただくのが適切なのでは 29 ないかと思うのですけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。 ○落合座長 川本委員、ありがとうございます。 1点、事務的に、新公益連盟様が再入室されましたのでお知らせをいたします。新公 益連盟様に御質問のある方については、適宜御質問を直接していただければと思ってお ります。 まず、川本委員から御質問がありましたので、法務省様、今の点に御回答をお願いい たします。 ○法務省(田中課長) 法務省でございます。 先ほど、川本委員から御指摘いただいた点については、私どももそういったお話を聞 いておりますし、おっしゃるとおりで再任して同じ住所が登記されるけれども次の登記 のところだけ非表示になっているということではあまり意味がないのではないかとい うところは、確かに現状の制度ではそうなってしまっているところがあるので、そこは 課題であるとは認識しておりまして、そういったところもどう対応していくのかという のを我々でしっかりと検討していきたいと考えてございます。 ○落合座長 ありがとうございます。 川本委員、よろしいでしょうか。 ○川本専門委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。 ○落合座長 ありがとうございます。 では、再度宮下委員、お願いいたします。 ○宮下専門委員 ありがとうございます。 先ほど考えを留保した二つ目の論点、士業による簡易アクセスの整備の是非というと ころについて、私も弁護士なので、当然職務上請求の対象になるということであれば、 ありがたいことは、間違いない。ただ、制度設計に当たっては当然のことながら必要性 だけではなくて正当化根拠というのも必要になって、自分の中でその部分についての考 えがまとまり切らないので、質問させてください。法務省さんと日弁連さんに同じ質問 をさせてください。 質問は、代表者住所の公示制度の制度趣旨とは何なのかという質問です。非表示制度 の趣旨ではなくて、代表者住所を公示している今の制度趣旨が何なのかという質問です。 考えを整理するお時間も必要だと思いますので、先に私の考えを述べたいと思います。 二点目の論点、士業による簡易アクセスの整備の是非を検討するに当たっては、二段階 30 に分けた分析が必要ではないかと思っています。 まず、一段階目として確認するべきは、ニーズの確認ではなくて制度趣旨に照らした ニーズが実際にどれくらいあるのかということを確認する必要がある。先ほど繰り返し 私の理解を申し上げているのですけれども、代表者住所の公示制度の趣旨に関する私の 理解は、民訴法上の裁判管轄の決定、送達の便宜という理解なのですね。民訴法4条4 項との関係で登記事項とされている。したがって、ここで確認すべきニーズというのは、 具体的には法人に対する訴訟提起において法人の本店所在地を前提とする管轄決定や 送達は奏功しないけれども、代表者個人の住所に基づく管轄決定、送達であれば奏功す るというケースが本当にどれくらいあるのかということだと思うのですね。率直に申し 上げて、私にはこのケースがどれくらい多いのかというイメージが持てません。仮に代 表者個人の責任を追及するために住所が必要だとか代表者個人に対する執行を行うた めに住所情報が必要だということがニーズとして挙げられるのであるとすると、それが 果たして代表者住所の公示という制度趣旨が本来保護しようとしている利益なのかと いう点に私は若干疑問があるので、先ほどの質問させていただきたいということです。 仮にこれが確認できたら、第二段階目の分析として、例外的アクセスの要件、手続を どのように設定していくのかという話に移るのかなと。プライバシーに配慮した非表示 措置の例外的アクセスをどのような要件、手続で認めるのか、つまり、附属書類閲覧請 求制度という現在存在している制度をどれぐらい透明性高くプロセスを進められるよ うにするのかとか、あと23条照会では十分ではないのかという議論に移ってくるかと思 うので、まずは第一段階目のところの制度趣旨に照らしたニーズという観点でそもそも 制度趣旨とは何なのかという質問を法務省さんと日弁連さんそれぞれにさせていただ きたいと思います。 ○落合座長 では、どちらから先にお答えいただきますか。 ○宮下専門委員 では、法務省さんから。 ○落合座長 では、今、宮下委員から御質問がありました件、法務省様にまず御回答いただ いて、 次に日弁連様に御回答いただいて、それからまた宮下委員に戻したいと思います。よろ しくお願いいたします。 ○法務省(竹林審議官) 法務省でございます。 私どもといたしまして、この制度を始めるに当たりまして、そもそも代表者住所がな ぜ登記されているかという趣旨につきましては、先ほど宮下先生から御説明いただいた とおり、私どもといたしましても民事訴訟法上の裁判管轄、あるいは送達場所の決定と いうことにおきまして、本店所在地についての送達などが奏功しないという時に代表者 31 住所が意義を有してくる。そういった時に備えて登記しているという認識でございまし た。 以上でございます。 ○落合座長 では、日弁連様、お願いいたします。 ○日本弁護士連合会(矢野委員) 日弁連の矢野ですけれども、私は、この点を専門的に何か研究しているといった者で はございませんので、正直に申し上げて知見がないということを申し上げざるを得ませ ん。 ただ、前の非表示措置が始まった時に、そうした民事訴訟法上の送達のためだという 趣旨については、これが主であるということについては何の異存もないというところで ありますけれども、果たして本当にそれだけが趣旨だったのだろうかというのは正直前 の段階から少々疑問を持っております。商業登記制度自体ができたのは相当以前という ことで、民事訴訟法の送達自体の制度とどちらが先なのだろうかと。恐らく民事訴訟法 の送達というのは、たしか大正15年改正あたりが比較的現代につながっているものでは ないかと思いますけれども、商業登記制度はそれより前からあるのではないかとも思い ます。その辺の比較はたまたま前からあって使っているというものなのか、そうしたと ころも含めて、私はそこの考察等はできておりませんので、これ以上は申し上げられな いところでありますけれども、日弁連から参加の他の委員の方からお話しできることが あれば、お願いいたします。 ○日本弁護士連合会(島委員) 日弁連の島と申します。消費者問題対策委員会の委員で、若干補足させていただきま す。 今、先生からお話があったうちの二つ目の代表者住所への送達のケースがどの程度あ るのかということなのですが、私個人だけで言っても相当数経験させていただいており ます。直近、SNS型投資詐欺で法人口座が利用されるようなケースが非常に多くござ いまして、一旦商業登記上の本店所在地に送達するのですけれども届かないということ で、必ず次は代表者の住所への送達を図るということになりまして、そこが届かないと 申立代理人の方で現地調査まで行くということがございます。実態としてはそういう事 情がございます。 以上でございます。 ○法務省(竹林審議官) 法務省からも、1点補足させていただければと思います。 ○落合座長 承知しました。お願いいたします。 ○法務省(竹林審議官) 32 商業登記で代表者住所の意義でございますけれども、こちらからの御説明で1点漏れ ておりまして、確かに取引に当たりまして会社の代表者が誰かということを特定すると いう意味がございます。ただ、この点は商業登記だけによって必ずしも特定されなけれ ばならないということでございますので、取引に当たって必要な書類も併せてもちろん 御利用いただくことはできるとは認識しております。 以上でございます。 ○落合座長 では、宮下委員、今、何名かからそれぞれ御発言がありましたけれども、いかがでし ょうか。 ○宮下専門委員 私の理解は、先ほど申し上げたとおり、民事訴訟法上の裁判管轄の決定と送達の便宜 が制度趣旨であり、この制度趣旨を前提にしたニーズがどれくらいあるのかということ が、今回議論する上での前提になるのかなと。その点に関しては、先ほど島先生がおっ しゃっていただいたように、先生が受任されている案件の中でも相当数という言い方を されていましたけれども、それを数字を使いながら御説明いただいて、そのニーズの裏 付けを取った上で、本当に23条照会では駄目なのかということを正面から議論していく、 これが正しい方向性ではないかな、筋論ではないかなと思っています。 私の今の感覚は、プライバシー保護という観点からすると、弁護士個人の判断でとい うことよりも、弁護士会のチェックを通した上でしっかりとその情報にアクセスできる 仕組み、つまり23条照会の仕組みというのはそんなにおかしな立て付けではないのでは ないかなと思っておりますので、それを超えるような強烈なニーズ、制度趣旨に照らし たニーズというのはどれくらいあるのかを、まさにデータを積み重ねていただいて法務 省との間で話をしていただくという進め方が良いのではないかなと思います。 ちょっと私は、今、この段階で答えは出ないかなと思っております。 ○落合座長 ありがとうございます。 そうしましたら、本日、途中から一時席を外されていて、あまり委員の方でも、もし かしたら御質問しにくかったかもしれないので、感想みたいな形になってしまうかもし れませんが、新公益連盟様の方でも、今、いろいろな議論が委員と本日の出席者の中で 出ているところがありまして。改めてここは強調したいという御発言であったり、ここ の部分についてはこう思ったということで何かお気づきの点があれば、是非、御発言い ただけませんでしょうか。 ○特定非営利活動法人新公益連盟(加藤事務局長) 新公益連盟の加藤と申します。改めてよろしくお願いいたします。 私の方で簡単に所感をお話しさせていただいた上で、幡谷さん、関口さん、もし補足 があればお願いできればなと思っておりますけれども、改めて今日の場に参加させてい 33 ただきましてありがとうございました。途中聞き切れていないところもあって大変恐縮 なのですけれども、基本的には私たちが御説明させていただいた形の代表者住所の非開 示に関して、NPO法人等のところにも広げていくという話のところは、ポジティブな 話もありつつネックになるところもあるかなとは思っているので、そこはしっかり皆さ んに議論いただいていて、私たちが認識していなかったハードルもあるなと思っている ので、そこは非常に勉強になりました。 ただ、改めてですけれども、私たちも思っているところとしては、代表者住所がさら されるリスクというものは、非常に地域の優秀な若者や女性などをはじめとした方々か らも聞く機会がありまして、結果としてNPOを起業するとか経営することに対する参 入障壁というハードルになっているという現場の声は確実にあるなと思っているので、 そういったところをしっかり後押しするという観点でも、どのように実現していけるか ということを私たちも考えていければなと思っておりますし、そこを御了承いただけれ ばありがたいなと考えている形になっております。 私からは以上ですが、幡谷さん、関口さん、いかがでしょう。 ○落合座長 御発言はありますでしょうか。 ○特定非営利活動法人新公益連盟(関口政策提言担当) 関口と申します。ありがとうございます。 私も席を外しておりまして、失礼いたしました。改めましてこういった場を設けてい ただきましてありがとうございます。 お話がいくつかあったと思うのですけれども、今、おっしゃっていただいたと おり、 株式会社等に比べれば法人数は数としてはそこまでもちろん多くはありません。NPO 法人で5万弱というところですし、一般法人も10万行くか行かないかというレベルでは あるものの、とは言え、株式会社の皆さんに比べてもよりセンシティブと言いますか、 社会課題というのはなかなか理解が難しいというか、理解されない分野でも活動されて いる団体さんもいっぱいいらっしゃいますので、そういった団体さんがどうしても活動 を萎縮してしまうとか、あるいは、これもよくあるパターンなのですけれども、代表に なると登記簿で住所が出てしまうので、本来は代表をやるべきと言いますか、担うべき 立場の方が平理事といった住所が開示にならない立場になってしまうというか、そちら で対応するみたいなことも、実務的なテクニックというわけではないのですけれどもあ ったりしますので、そうすると、本来当事者性を持っている方々が伸び伸びとトップに なってやるべきところが、例えば女性だったりするわけですが、その女性がトップにな らずに住所が開示されても問題ない人間がトップをやるという本末転倒なことになっ てしまうこともあるので、そこは是非、安心してマイノリティーというか、弱い立場の 方々がしっかりと代表をやれるような状況、もちろん日弁連さん等がおっしゃるとおり、 問題がある法人に対してはきちんと開示するというのは大前提だと思いますので、そこ 34 を是非、前向きに御検討いただければと思います。 以上です。 ○落合座長 どうもありがとうございます。 他は、新公益連盟様ではよろしいですか。大丈夫ですか。 ○特定非営利活動法人新公益連盟(幡谷政策提言担当) 幡谷からは大丈夫です。ありがとうございます。 ○落合座長 ありがとうございます。 では、続きまして、堀委員、お願いいたします。 ○堀委員 ありがとうございます。 お時間があれば、是非、お伺いしたいと思いましたが、現状でも登記簿の附属書類の 閲覧等ができる。これによって、利害関係を証する書面を提出した場合には、非表示と されている代表者の住所も確認できる余地があるという形で運用されていると伺って おりますが、その通達の中で利害関係を証する書面が、例えば訴状の写しの案までが必 要だという形で運用されているということなのですけれども、この辺りはとても狭い運 用になってしまっているのかなと。訴状の案まで作るということはまさに裁判所に提出 する直前ということになりますから、その前の段階でもっといろいろなことを検討して いく必要性もあるのではないかと思っている観点からすると、利害関係を証する書面と いうものの運用を見直していただける余地があるのかどうか、その辺りについての法務 省様のお考えを教えてください。 ○落合座長 ありがとうございます。 では、法務省様、お願いいたします。 ○法務省(田中課長) 法務省からお答えいたします。 御指摘いただきました登記簿の附属書類の閲覧の制度ですけれども、こちらは登記簿 の附属書類が専ら登記官が登記するに当たりその可否等の審査をするために必要な資 料として提出されたものであって、登記事項なので公示されるものではないということ を考慮して利害関係人に限り認めているといったところでございます。この利害関係と いったところについては、例えば会社を相手方として訴訟提起しようとしているものの ほか、あとは非表示措置を申し出た当該会社本人といったところが考えられるところで ございます。 こちらは、非表示措置が講じられた住所というのが元々公示される登記事項であった ということがございまして、その他の附属書類の閲覧により認められる利害関係の範囲 35 よりも広げることも考えられるといった御指摘というのも、私どもも頂いているところ でございます。 ただ一方で、当該範囲を広げることでプライバシーを保護するという非表示措置の趣 旨を損なうことにならないかといった点も検討する必要があるのかなと思っておりま して、こちらの利害関係のところについて見直しをしていくということについては慎重 に検討する必要があるのかなというところで、現時点では考えているところでございま す。 ○堀委員 いろいろと御要望の出ているルートがいくつかあって、職務上請求が認められるので あれば利害関係のところは厳しくても良いのかもしれませんし、一方で23条照会という のもありましたけれども、あれは非常に時間が掛かると私も体感しているところであり まして、23条照会で結論を待っていてもなかなか回答が来ないということもあったりす るので、あまり実際の訴訟に携わっていく面からすると、迅速性という観点からすると 劣るのではないかと思いますが、それも御検討いただいても良いと思っていて、この利 害関係人の範囲を明確にしていただいたり、そこの手続を少し広げていただくことで、 先ほどの利害関係人というのも、例えば当該法人と金融取引を行う事業者も含むとか、 分かりませんけれども、そういう方向で認めていくということであれば、それも是非、 御検討いただきたいとも思いましたし、いずれにしてもプライバシーの保護は大事なの ですけれども、実務的に今の法人ができていることが劣ってしまわないような形で措置 していただきたいと思った次第です。 以上です。 ○落合座長 ありがとうございます。 ○堀委員 ちなみに、裁判所の先ほどのオンライン請求というのも、私は確かに日弁連で要望さ れているオンラインのID付与については一案ではないかと思っていまして、と言いま すのは、弁護士でもちゃんと裁判実務をやっていて、そのようなことを職務上やってい るということで付与していただいて実際使われているIDということになりますし、法 務省さん所管の裁判所から付与いただいているものですので、そういうものでIDとし て証明できるということでオンライン請求を認めていただくというのも、私は現実的に は可能性があるのではないかなと思っているところではありますけれども、所管が違う というお答えだったのですが、是非、法務省さんの中で御検討いただければと思いまし た。 以上です。 ○落合座長 ありがとうございます。 36 今の点は法務省様の御所管と違うところもあるので、御意見としてそういうものがあ ったということでと思います。 では、御手洗委員、お願いいたします。 ○御手洗委員 私から法務省さんに、先ほど新公益連盟の方が御発表いただいた内容は本当に重たい お話だなと思っています。代表者住所がさらされてしまうリスクから、女性や小さなお 子さんがいらっしゃる方が本来その能力があるのに代表になることを固辞されるとか、 社会的に意見が分かれるようなテーマについて扱われるような職務から外れられるな ど、本当に日本社会にとっても損失ですし、その方々の可能性も大きく奪うものです。 本当に代表者の住所が出るということによって案外そういう点でリスクにさらされて いる人や、人事がゆがんでしまうという影響というのは、ものすごく実は大きいと思っ ておりますので、私からは新公益連盟さんからのコメントを受けての再度の要望ですけ れども、スケジュール等も早め早めに動いていただいて、過去住所の非表示等も含めて、 また、登記のタイミング以外の申請ということも含めて、是非、万難排して進めていた だきたいと思っています。 再度のお願いです。よろしくお願いします。 ○落合座長 ありがとうございます。 どうしますか、これは法務省様には意見を求めますか。 ○御手洗委員 どちらでも結構です。新公益連盟さんのお話を受けて同じことを言ってしまったので、 よろしくお願いします。 ○落合座長 分かりました。 そうしましたら、法務省様、今の点にお答えを頂ければと思います。 ○法務省(田中課長) 法務省でございます。 いろいろ本日も様々なお話を聞かせていただきました。そういったところも踏まえて、 私どもも、しっかりと検討は進めていきたいと思います。 あと、先ほど新公益連盟様の説明の中でも、まさにストーカー被害みたいなことを受 けているという御説明も頂いたところでございます。こちらは先ほど御手洗先生から既 に御承知だというところでお話があったのですけれども、DV被害やストーカー被害を 受けている方については、公的証明書を法務局に出していただく必要はあるのですけれ ども、そういった方については代表者の方の住所を非表示にするという仕組みがござい ますし、それは随時の申出も頂けますし、過去のものについても非表示できるような仕 組みになってございます。私どもはこういったところも併せて周知広報はしっかりとし 37 ていきたいと考えております。 引き続き、頂いた意見を踏まえて法務省としてもしっかり検討していきたいと思って おります。 以上でございます。 ○御手洗委員 それは承知しているのですけれども、私が再三言っているのは、ストーカー被害、D V被害以外についてどういうリスクがあるか、法務省さんの理解の解像度が低いのでは ないかと感じていたので、新公益連盟さんからのお話を受けて、また再度お話ししたの です。社会的に意見が分かれるテーマなどで代表者に対して嫌がらせが行われるとか、 小さいお子さんがいて、例えば、家の目の前まで脅しに来る人がいたりすると怖いわけ です。私だって、規制改革にこのように出ていたりすると、脅迫めいたものを受け取っ たりすることもあるわけです。そういうものはDV、ストーカー被害だけではなくて、 非常に様々リスクが高いですので、全般的に進めてくださいということをお願いした限 りです。 ○落合座長 では、今の点は御意見という形でよろしいですね。 そうしましたら、そのほか、御発言を求められる方はおられますでしょうか。 では、おられないように見受けられますので、本日の議論はここまでとさせていただ きたいと思います。委員、専門委員の皆様におかれましては、時間の制約で発言できな かった御質問等がある場合には、事務局に対して2月6日金曜日までに御連絡をお願い いたします。事務局から所管省庁へまとめて御連絡いたします。 本日は、法人登記の代表者住所非表示措置の対象拡大及び運用改善について議論いた だきました。本日の会議では、株式会社以外の法人においても登記において、代表者住 所が表示されることにより、プライバシー侵害やストーカー被害だけに限らず、様々な 社会的に議論があるような場面への露出をしたり、様々な社会活動において障害になり 得る場合があるということであったり、多くの起業家にとって法人設立・運営や代表者 等に就任するといったことに関する心理的障壁となっていることが明らかになりまし た。また、非表示措置を講じた後に、代表者の住所を把握する理由のある者が、適切に 情報を確認できない現状についても指摘されました。 本日の会議を踏まえ、法務省に御検討いただきたい内容を申し上げます。 まず、法人代表者や法人代表者以外で、住所が登記されている者のプライバシーを保 護し、都市部のみならず地方においても多様な起業家が、安心して法人を設立・運営で きる環境を構築するために、本制度の利用拡大の観点から、以下に述べる事項を内容と する商業登記規則の改正や、システムの整備等の検討を速やかに開始し、結論を得次第、 可能なものから速やかに、所要の措置を講じるようにお願いいたします。 第一に、プライバシー侵害等のおそれは、株式会社に限らず、全ての法人に共通する 38 課題であるとの指摘を踏まえ、令和8年度中までに、必要に応じて各種法人制度を所管 する省庁と連携し、非表示措置の対象を、外国法人を含む全ての法人や組合等の登記を される組織に拡大すること。なお、プライバシー保護の必要性は、会社の支配人や、合 同会社の代表社員が法人である場合における職務執行者など、代表者以外で住所が登記 される者にも共通され得るという点を踏まえ、法人の代表者以外で法令上住所が登記さ れることになっている者についても、非表示措置の対象とすること。 第二に、現状では非表示措置を講じる前に登記された住所は、制度の対象外であるた め、退任した代表者の住所や、非表示措置前に登記された現在の代表者の住所が公示さ れ続け、住所変更がない場合などには、プライバシー侵害等のおそれがあるとの指摘を 踏まえ、非表示措置を講ずる以前に登記された代表者住所も、非表示措置の対象に追加 すること。 第三に、現状では非表示措置の申出が、法人の設立や、代表者の就任等の登記申請時 に限られているため、住所を非表示とする必要性が生じた際に、直ちに非表示措置を講 ずることが困難との指摘を踏まえ、登記申請時に限らず、常時申出に対応可能とするこ と。 第四に、非表示措置の利用が金融取引、その他の取引に悪影響を生じさせ得るとの説 明が専門家等になされることもあったとの指摘も踏まえ、関係省庁及び金融機関、その 他の関係事業者との対話を行い、制度への誤解や、実際の取引の不利益があることが判 明した場合には、非表示措置の利用により、不利益を生ぜしめるべきではないことにつ いて、必要な周知を行うこと。 ここまでが、非表示措置の拡充に係る事項です。その上で、非表示後に代表者住所を 確認するための制度の改善についても申し上げます。 非表示措置を講じた法人では、現状、代表者本人であっても、住所が表示された登記 事項証明書を発行できず、本人として取引を行う際に、不利に取り扱われる懸念を生じ させていることや、代表者住所非表示措置を講じた法人を悪用した詐欺が発生した際、 士業が代表者住所を迅速に把握することが困難になっているとの指摘があります。そこ で、法務省は代表者住所を取得する正当な理由を有する者が、簡易かつ迅速に住所情報 を確認・取得できることとなるよう、以下に述べる事項を検討し、結論を得次第、可能 なものから、速やかに所要の措置を講じるようにお願いいたします。 第一に、非表示措置を講じた法人代表者本人等が、代表者住所の表示された登記事項 証明書を取得できるようにすること。 第二に、利害関係人としての附属書類の閲覧請求について、非表示後の代表者住所の みを弁護士が依頼者のために閲覧する場合等を念頭に置いて、利害関係を証する書面の 内容を必要な範囲で合理化すること。 第三に、既存の他の情報公開・開示・閲覧・その他の制度も参考に、正当な理由を有 する第三者や、その依頼を受けた弁護士等が代表者住所の表示された登記事項証明書を 39 取得できるようにすること。この際の正当な理由を有する第三者の範囲や、実際の取得 をできると認める場合については、関係省庁及び金融機関、その他の関係事業者との対 話を行った上で、関係事業者の実務への影響を合理的なものとするよう要件整理を行う こと。 なお、第二と第三の点は、一方の対応で足りるのか、あるいは両方対応する必要があ るのか、といったことも含めて検討をお願いいたします。 最後に、非表示措置を利用していない主な理由として、制度を知らなかったと回答す る起業家が多いとの指摘、専門家に対する周知にとどまっていると思われる状況、専門 家によっては非表示措置を知らない場合があることを踏まえ、登記時に制度の案内を行 い、司法書士だけではなく、起業家等の制度利用者そのものに、情報が伝達されるよう な対応を行うなどの措置を講ずることにより、制度の周知を強化してください。 本日は、法務省、特定非営利活動法人新公益連盟及び日本弁護士連合会の皆様 には、 御説明及び質疑対応に御対応いただき、誠にありがとうございました。 以上で議事は全て終了しましたので、本日のワーキング・グループを終わります。 次回の日程につきましては、事務局から追って御連絡いたします。 (以 40 上)

資料1

規制改革推進会議 スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループ(第9回) 議事次第 令和8年2月5日(木) 1 4 時 ~ 1 6 時 オ ン ラ イ ン 会 議 議題 資料1 資料2 資料3 法人登記の代表者住所非表示措置の対象拡大及び運用改善について 法務省提出資料 特定非営利活動法人 新公益連盟提出資料 日本弁護士連合会提出資料

資料2

代表取締役等住所非表示措置について 原 会社法の規定に基づき株式会社の代表取締役等は住所を登記しなければならない。 則 問題の 所 在 資料1 ⇒登記事項証明書等を取得することにより誰でも代表取締役等の住所を確認することができる。 インターネット・SNSの普及等を踏まえ、「住所」という個人情報の公開が、 住所を公開することへの抵抗感からの起業の躊躇 、ストーカー等の被害、過度な営業行為等の誘発 などにつながることを懸念する声が、スタートアップを始めとした経済界から高まっている。 プライバシーの保護を図り、誰もが安心して起業することができるよう見直しを行う必要性 商業登記規則等の改正により 代表取締役等住所非表示措置 を創設(令和6年10月1日施行) 一定の要件の下、株式会社の代表取締役等の住所の行政区画以外の部分につき登記事項証明書等において非表示とする。 (従来の登記情報) (非表示措置後の登記情報) 要件1 登記の申請と同時に申し出ること (※ 代表取締役等の住所が登記すべき事項に含まれる登記の申請に限る。) 要件2 以下の書面を添付すること (※ 上場会社については必要な書面を簡略化) 【①株式会社の実在性を証する書面、②代表取締役等の住所等を証する書面、③株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面】 代表取締役等のプライバシーの保護につながり、起業の促進も期待される。 住所を登記する趣旨*を踏まえ、実務上、必要時には住所を表示させることが可能 (* 会社の代表者を特定する情報、訴訟における管轄の決定、訴訟における訴状の送達先 等) ・ ・ ・ ・ 代表取締役等住所非表示措置を希望しない旨の申出は、いつでも可能とする。 株式会社の本店所在場所における実在性が失われた場合は、登記官が職権で代表取締役等住所非表示措置を終了させる。 官公署等から請求があった場合は、住所の情報を提供する。 利害関係人は、住所の記載された書面を閲覧することができる。 代表取締役等住所非表示措置の見直しについて 法務省民事局 令和8年2月 運用状況 ● 代表取締役等住所非表示措置は、令和6年10月1日から運用を開始したところ、令和7年末時点で約1万6千件の申 出がされている。 ※ 令和6年12月末時点の株式会社の現存数は約215万件。 ◆制度見直しの要望 ・ 株式会社以外の会社やその他の法人を非表示措置の対象とすること。 ・ 登記の申請と同時でなくても非表示措置の申出ができるようにすること。 ・ 既に登記されている代表取締役等の住所を非表示措置の対象とすること。 ・ 非表示措置が講じられている場合でも、当該株式会社等には代表取締役等の住所が記載された登記事項証明書の交付を 認めること。 課題・懸念 ● 取引や消費者被害対策等への影響 ● 代表者の住所の登記が法人の種別ごとに果たしている役割への影響 ● 登記情報システム等における対応の可否・予算の確保 ● 登記所における業務量が増加することによる事務処理への影響 ◎課題への対応 ・ 経済団体や資格者団体等の関係団体からの意見聴取 ・ 法人制度所管省庁からの意見聴取・調整 ・ 登記情報システム等の改修の要否や費用対効果の検討 方針 制度の利用状況を注視しつつ、上記の対応を通じて、見直しによる影響や、具体的なニーズ、 システムの改修の要否、費用対効果等を把握し、検討を進める。

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資料2 NPO法人等における 代表者住所非表示措置の導入に向けて 新公益連盟 2026年2月5日 背景①: NPO代表者住所表示の現状とリスク ● 現在、法人の登記簿には代表者の住所が記載・表示 されており、第三者が容易に個人住所を取得できる状態にあ る。 ● NPO法人など社会課題の解決に取り組む団体は、活動内容が社会的関心を集めやすく、賛否を伴うテーマ(例:子ど も・女性・貧困・人権・難民支援など)を扱うことも多い。 ● そのため、SNS等を通じた誹謗中傷や個人攻撃の対象となる事例が増えており、 代表者や家族が嫌がらせや危害 の対象となる深刻なリスクが現実化している。 ● 近年、地方においてもNPO法人をはじめとする社会課題の解決・新しい社会の創造を目指す法人が増加しており、会 員の活動は都市部に限定されず、全国的に広がりを見せている。このような状況下では、地域を問わず、法人代表者 の個人情報を適切に保護する仕組みが求められている。 2 参考:代表者等住所の表示に伴う被害 主な被害例(新公益連盟 加入団体アンケート調査より) ○ 寄付者からのストーキング被害 寄付者から好意を寄せられネット上でストーキング被害 を受けた際に、自宅まで押しかけられないか不安 を感じたり、代表者の住所として一方的に住所をXなどのSNSで公開された。 ○ 脅迫・暴力的メッセージの受信と自宅の訪問 殺人・強姦の意思が明確に記載された脅迫メールの受信や、突然の訪問を経験。 ○ 現場支援に伴う危険 若者支援をする中で、非行傾向のある若者が代表個人の住所を調べて家に訪問 してくることや、敵対心 を持つ攻撃的な集団などが家の前で張り込みや偵察 をするなど危機が及んでいる。 3 背景②:株式会社における非表示措置の創設 ● 令和6年10月1日から、商業登記規則の改正により、株式会社の代表取締役住所の一部を非表示(都道府県・市区 町村まで表示)とすることが可能になりました。 ● 一方で、NPO法人を含むその他の法人では同様の措置が認められていません。 根拠法令 代表者住所の扱い 主な法人例 商業登記規則 一部非表示可 株式会社 (都道府県・市区町村までは表示) 一般社団法人及び一般財団法人に 非表示不可 関する法律 一般社団法人 一般財団法人 組合等登記令 NPO法人 社会福祉法人 医療法人 等 非表示不可 4 要望:代表者住所の非表示措置を NPO法人にも ● 非表示対象法人の拡大 株式会社に導入された代表者住所非表示措置を、NPO法人等の非営利法人にも適用してください。 社会的活動を担う団体の代表者も、同様の安全確保が必要です。 ● 過去住所の非表示 現住所だけでなく、過去住所・過去代表者の住所も対象とし、個人情報が過去分からも追跡されない仕組みをお願い します。 登記簿に過去住所が残ることで、本人や家族が物理的・心理的な危険にさらされる恐れがあります。 ● 任意のタイミングでの申請を可能に 現行制度では非表示申請できるタイミングが登記変更時などに限られますが、必要に応じていつでも非表示申請でき る仕組みを求めます。 被害や脅迫など緊急対応が必要な場合はもちろん、不安を感じる段階においても迅速に安全を確保できるようにする ためです。 ● なお、悪意のある法人が住所非開示の申請行ったとしても、訴訟手続き等において弁護士法人などが住所表示について手 間がかからないように配慮されたい 5

資料4

資料3 法人登記の代表者住所非表示措置 の対象拡大および運用改善について 日本弁護士連合会 第1 非表示措置により生じる実務上の課題 1 検討のための視点 2 弁護士が通常業務を実施するに際し、導入前にできていたこと 3 消費者被害の救済や犯罪対策等 目 次 第2 代表者住所を適時に把握可能とする制 度改正の方向性 1 職務上請求の有用性 2 オンデスクでの情報取得の有用性 3 民事訴訟法改正に伴うバックオフィス連携 第1 非表示措置により生じる実務上の課題 1 検討のための視点 ・ 弁護士が非表示措置導入前にできていたことと現状の比較。 ・ 非表示措置導入の意義、メリットは認識しているが、反面、従前できてい たことが、非表示措置導入によりできなくなったことがある。 ◎ オンラインでの情報取得 一般財団法人民事法務協会が平成12年6月1日から運用開始。 現在は、登記情報からの住所情報の取得は、市町村(東京都は特別区、 政令指定都市は区)までしか見ることはできない。 ◎ 登記事項証明書からの情報取得 代表者住所は、商業登記導入当初から表示されていた。 現在は、代表者住所を把握するためには、弁護士等の資格者から情報 提供により非表示措置を終了させるか、利害関係を証明して附属書類 の閲覧請求の手続をとることが必要。 2 弁護士が通常業務を実施するに際し、導入前に できていたこと。 (1)オンデスクでの代表者情報の取得、利用 (2)法人を名宛て人とする解除通知、期限の利益喪失通知等 (内容証明郵便)を当初から代表者住所向けに発出すること。 (3)訴状等の裁判所書類の送達先を(新たな調査を要すること なく)添付書類として提出する登記事項証明書に記載された代 表者の住所とすること。 3 消費者被害の救済や犯罪対策等 【典型事例】 ①SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺 〜 指定される振込口座は、実際に詐欺を実行している者ではな い可能性が高く、訴状等が届かないことが多い。 ② 法人による大規模な投資詐欺 〜 代表取締役等の役員も被告とする可能性が高い。 住所が判明していないと訴状等の送達ができない上、執行も できず意味がない。 3 消費者被害の救済や犯罪対策等 (1)迅速に代表者に関する情報を収集する必要性 オンデスクで取得できていた情報が、実際に法務局に出向いて「利害関 係」を証する書面を提出して閲覧する必要(商業登記法11条の2)。 令和6年6月24日から、ウェブ会議サービスを利用した登記簿の附属書 類の閲覧が認められたが、日程調整、録画の許可等の手間を要する。 (申請から2週間程度) (2)非表示措置を終了させることの困難性 情報提供により非表示措置を終了させるためには、内容証明郵便また は配達記録付きの郵便を発出し、「宛所見当たらず」との報告を受け取 るか、本店所在地を訪問し、実在しないことの報告が必要。さらに、被害 者救済のために秘密裡に行動する必要がある場合も多く、内容証明郵 便等の発出や本店所在地訪問は望ましくないこともある。 3 消費者被害の救済や犯罪対策等 (3)調査コスト(手間、負担) ア イ ウ エ 受領期間経過の場合、休日送達を試みる 事務所の現地調査 代表者住所の確認(住民票取得)、現地調査 調査報告書の提出 ★ 調査報告書で求められる内容 ① 住居表示、表札の有無 ② ポスト(郵便・新聞等)、宅配ボックス等の滞留状況 ③ 各メーター(電気・ガス・水道等)の稼働状況 ④ 聴取情報(同居者、居住者、近隣住民、郵便・新聞・宅配物等の配達員等) ⑤ その他、居住性(生活感)の有無を判別できる情報・画像 建物外観、玄関前、傘立て、洗濯物、駐車・駐輪状況等 第2 代表者住所を適時に把握可能とする制度改正の方向性 1 職務上請求の有用性 一般の利害関係人とは異なる、専門職に対する信頼を前提とする制度。 非表示措置の終了というドラスティックな手続ではなく、専門職だけに個別開示 をするという手続を導入することの相当性。 23条照会(弁護士照会)では、時間がかかり、費用負担が大きい。 2 オンデスクでの情報取得の有用性 法務局に出向くことなく、迅速に情報取得をするためのシステム構築の必要性。 民事訴訟法改正では、訴訟代理人に独自の当事者IDを付与する制度を導入。 当該IDは、弁護士または簡裁代理権を有する司法書士に取得者を限定。 当該IDを有する者のみがアクセス可能なシステムの構築。 3 民事訴訟法改正に伴うバックオフィス連携 裁判所が直接に代表者住所を取得する方法を構築。
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