ワイヤレス技術の仮想化・オープン化の進展と、5G基地局市場における日本企業の競争力強化に向けた課題を分析している。
タグ: ワイヤレス技術, 仮想化, vRAN, Open RAN, 5G基地局, 産業競争力, サプライチェーン
2 我が国のワイヤレス分野を取り巻く現状と課題 38 3 キャリアの通信ネットワークに関するワイヤレス技術の現状と課題 主な事項 ヒアリングを通じて指摘された事項 1. 技術のトレンド、今後取り組むべき技術 仮想化、オープン化の一層の進展、AIとRANの融合(AI for/on/and RAN)が想定。また、AIも活用したゼロタッチプロビジョニングや、低消費電力化等オペレータのTCO削減に向けた技術も重要視。 2. 国内ベンダーの競争優位性、国内ベンダーと国内キャリアの関係性(国内キャリアの基地局等の調達ポリシー) 国内ベンダーが基地局等の製造開発に十分な投資ができず、グローバル市場で海外ベンダーに劣後している中で、国内ベンダーとして競争優位性をどのように確保するかが課題。国内ベンダーにとって、国内キャリアに依存し過ぎず、海外キャリアに向けた事業展開が求められる。一方、Open RAN、vRANを海外に展開するためには、国内での実績も重要。国内キャリアが海外ベンダーの製品を採用することについて、サプライチェーンをどのように考えるかの検討も必要。 【技術トレンド】仮想化への対応 従来、ハードウェア中心で構成されていたワイヤレス機器(基地局等)が、汎用サーバ上で動作するソフトウェアにより制御されるソフトウェア化(仮想化:vRAN)が進展。これにより、新たな機能、サービスの追加・拡充への対応が、ソフトウェアの改修により実現可能となる。 【市場動向】5G基地局の市場動向 2024年の世界の5G基地局のシェア(出荷額)は、海外の主要企業が高いシェアを占め、日本企業の国際競争力は低い状況。 日本の5G基地局(マクロセル)の市場規模(出荷額) 世界の5G基地局(マクロセル)のシェア(出荷額) 従来 vRAN DU/CU 専用ソフトウェア RU DU/CU 専用ハードウェア 処理機能を仮想化 DU/CUソフトウェア RU 汎用サーバ (億ドル) 30 25 20 15 10 5 0 2019 2020 2021 2022 2023 2024 26 23.1 22.5 16.7 12.6 2.7 日本企業合計 1.7% その他 3.8% Samsung 5.0% ZTE 13.8% Huawei 31.0% Nokia 18.1% Ericsson 26.6% 2024年 248.6億ドル (出典) 令和7年度情報通信白書