科学とビジネスの近接化に対応し、重要技術の特定、大学経営の柔軟化、スタートアップ育成、企業ガバナンス強化によるイノベーション政策を提言。
タグ: イノベーション政策, 科学技術, スタートアップ, 産学官連携, コーポレートガバナンス, 研究開発
イノベーション・環境分科会 「イノベーション小委員会中間とりまとめ~『科学とビジネスの近接化』時代のイノベーション政策~」 イノベーション小委員会(令和7年4月) 中間とりまとめの概要 科学に対して官民が巨額の資本を投下し、科学からビジネスに至るまでのスピードが加速している「科学とビジネスの近接化」の時代にあって、研究開発はグローバル化し、イノベーション拠点の誘致競争が世界各国で起こっている。そのような中、相対的に科学力が低迷している我が国はいかに国際競争に立ち向かうか、そのために政府、企業、大学、国立研究開発法人は何をすべきかという観点で議論を行い、提言として中間とりまとめ~「科学とビジネスの近接化」時代のイノベーション政策~を発表した。 ポイント (1) 重要技術領域の特定と一気通貫支援 「科学とビジネスの近接化」による必要投資の大規模化や、ビジネスに至るまでのスピードの加速に対応するためには研究開発、ビジネス化等に関する政策を個別に講じるのではなく、有機的に連動させていくことが不可欠となる。そこで、我が国にとって戦略的に重要な技術領域を特定し、人材育成から研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ支援、ルール形成等の政策を総動員して一気通貫で支援する体系を構築し、民間の投資を呼び込んでいく。 (2) 大学等の高度な研究・教育と戦略的投資の好循環の実現 文科省と連携し、産学官連携の大型化・国際化やスタートアップの活性化等を通じ、大学の強いシーズや人材を、社会価値の創造に繋げ、その貢献に応じた収入を、戦略的に次の研究・教育に再投資できる柔軟な経営を目指す。また、世界で競い成長を目指す大学としての経営を可能にするため、柔軟な会計制度や大学本部の資金・裁量確保等に向けて各大学が検討すべき事項への対応方針の提示を行う。また、海外大学・企業との連携も推進する。 (3) アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成 エコシステムの「裾野」の拡大に加えて、「高さ」の創出と「継続」に重点を置く。また、成長資金の供給、M&Aの促進、グローバル・エコシステムの連結強化、ディープテックの成長、地域エコシステムの形成により、持続的に発展するエコシステムの本格的な形成を目指す。 (4) デジタル化・グローバル化・コーポレートガバナンスへの対応 企業では、取締役会の監督機能の向上に加え、ファイナンス、人事、DXなどの分野でグローバル水準の経営執行能力が求められるとともに、適切に企業の価値創造ストーリーを資本市場に伝えることが必要。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すために、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードの実質化に向けた社会システムの構築について改めて検討を行う。 11