信託銀行の信託勘定における議決権保有規制を緩和し、事務負担の軽減と受益者利益の最大化を図るための提案。
タグ: 独占禁止法, 信託銀行, 議決権保有規制, スタートアップ, 働き方改革
提案内容に関する所管省庁の回答 スタートアップ・イノベーション促進 WG 番号:12 所管省庁への検討要請日 令和7年12月17日 回答取りまとめ日 令和8年1月21日 提案事項 独占禁止法第11条における信託勘定に対する議決権保有規制の見直し 具体的内容 独占禁止法第11条に定める銀行に対する議決権保有規制につき、信託銀行が信託勘定で保有する株式に係る議決権(委託者等が議決権を行使できる場合等を除く。以下同じ。)について、規制の対象から除外していただきたい。 提案理由 ・独占禁止法第11条に定める議決権保有規制については、平成26年4月1日付「独占禁止法第11条の規定による銀行又は保険会社の議決権の保有等の認可についての考え方」(以下、ガイドライン)の改正により、信託銀行が信託勘定で保有する株式に係る議決権について、認可要件の一部撤廃等の認可条件が緩和されたものの、依然事務負荷および信託勘定に係る株式に対する機動的・効率的な運用への支障が残ることから、更なる緩和をお願いするもの。 ・独占禁止法第11条は、「事業支配力の過度の集中の防止」および「競争上の問題の発生の防止」の観点から、豊富な資金量を有し、融資を通じて他の会社に大きな影響力を及ぼし得る銀行および保険会社に対して、株式に係る議決権の保有規制を課している(信託銀行は銀行勘定と信託勘定で保有する株式に係る議決権を合算し5%以内)。 ・信託勘定で保有する株式に係る議決権は、委託者又は受益者が指図を行うことができるものを除き、信託銀行が自己の意思に基づき行使することができるが、信託法等の法令に則り信託の目的に従って受益者の利益のために行使するものであり、その行使結果を公表している。また、銀行勘定で保有する株式に係る議決権とは分別して議決権行使を行う態勢を整えている。これにより、信託銀行の銀行勘定が信託勘定を利用して事業会社と結び付くことによる競争上の問題の発生のおそれはない。 ・一方で、当該規制を遵守するためには、銀行勘定・信託勘定間で部門の分離を図っているにもかかわらず、銀行勘定・信託勘定それぞれで保有する株式に係る議決権数の合計、および議決権を新たに保有する場合だけでなく発行会社の資本政策(自己株式の取得等)によっても変動する議決権保有割合を管理する必要があり、そのための事務負荷、システム・ルール等の整備負担には重いものがある。特に、議決権保有割合の管理事務のために職員が出社せざるを得ないケースもあり、アフターコロナにおける働き方改革に伴う在宅勤務推進の観点からも望ましくない状況(最大数千に及ぶ保有銘柄について管理するため、通信機器の環境等の問題により在宅での取扱いが困難)。 ・また、ガイドライン改正により認可要件は緩和されたものの、信託銀行が信託勘定で保有する株式に係る議決権が当該規制の対象から除外されない限り、依然、認可が得られず、信託銀行が信託勘定で運用する株式について意図しないタイミングでの処分を余儀なくされるリスクがあることから、認可申請が必要とならない範囲内での株式の取得にとどめる、すなわち、一部の株式の取得を断せざるを得ず、受益者の利益の極大化を図ることの障害になりかねない。 28