大規模自然災害への対策と防災産業の振興を通じ、国土強靱化の推進と海外市場獲得を目指す。
タグ: 防災, 国土強靱化, 防災産業, インフラ老朽化, 海外展開, 経済成長
1. 現状認識と目指す姿【目標】 防災・国土強靱化 防災技術 (1)現状 ① 現状 ・切迫する巨大地震や、激甚化・頻発化する気象災害など大規模自然災害への対策や、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化対策などの事前投資の取組が急務。 ・世界的にも、気候変動、都市化により災害が激甚化・頻発化。 ② 取り巻く環境と構造変化 ・人口減少・少子高齢化の中、防災・国土強靱化の担い手が将来的に不足。例えば建設業については、処遇改善、働き方改革などの取組が必要。併せて、どの分野においても、限られた人材で最大限の対応が可能となるよう、デジタル等新技術の活用による生産性向上が必要。 ・世界的にも災害が頻発化・激甚化する中で、災害大国である日本が蓄積してきた防災技術・製品について、国連防災機関(UNDRR)からも高い期待。また、日本は国際的な防災の取組指針である「仙台防災枠組」の策定を主導。 ③ 経済的・戦略的な重要性 ・巨大災害が発生した際には、甚大な人的被害、資産被害、経済被害が見込まれる。一人でも多くの人命を守り、国民生活や社会経済活動・維持・早期復旧を図るため、防災庁設置に伴う環境整備、防災・国土強靱化の取組の推進が必要。 〇大規模地震による被害想定(推計) ・千島海溝地震、日本海溝地震:人的被害(死者)最大約19.9万人、資産等の直接被害約25.3兆円、生産・サービス低下による被害を含めた場合約31.3兆円 ・首都直下地震:人的被害(死者)最大約1.8万人、資産等の直接被害約45.1兆円、生産・サービス低下による被害を含めた場合約82.6兆円 ・南海トラフ巨大地震:人的被害(死者)最大約29.8万人、資産等の直接被害約224.9兆円、生産・サービス低下による被害を含めた場合約270.3兆円 <出典>「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の対策について 報告書」、「首都直下地震対策検討ワーキンググループ 報告書」、「南海トラフ巨大地震対策について(報告書)」 ※ 生産・サービス低下による被害については、発災後、1年間を対象に推計している。 ・今後の防災産業の市場については、世界の自然災害管理システムで、2024年の9.6兆円から2030年までに約19.4兆円(150円/米ドル換算)に拡大するとの民間予測もあり、海外から稼ぐ成長産業となるポテンシャルを有するとともに、国際協力における重要なコンテンツとなりうる。 ・世界において、災害対応関連資金(保険・財政)の96%が発災後の緊急対応・復旧に投入されているのが現状。リスクを低減させるための事前投資への抜本的な資金シフトが不可欠な状況。 ・G20南アフリカサミット:首脳宣言における「災害強靱性・対応の強化」では、以下が盛り込まれている。 ∨持続可能な強靱性への構築への投資、予防の優先及び先行的行動の重要性を強調する ∨事前の防災と備えを強化するため、負担可能で、包摂的で、アクセス可能な事前取決型資金調達メカニズムの拡大と更なる活用を含み得る (2) 目標 ・危機管理投資として、国土強靱化基本法に基づき、国土強靱化基本計画ならびに第1次国土強靱化実施中期計画に基づく取組を推進。 ・防災・国土強靱化の取組を着実に進めるとともに、日本の強みである自動・遠隔施工やインフラ老朽化対策、災害リスク関連技術、防災資機材等の防災技術について、技術開発から商品化、実装・需要の創出や、更なる技術開発につながる好循環を創出し、防災産業を振興する。こうしたことにより、災害大国である我が国で蓄積されたデータ・ノウハウ等を梃子に海外市場の獲得にもつなげる。 ・海外展開に当たっては、日本の強みである防災技術について、海外で「稼ぐ」という視点を重視しつつ官民が一体となった取組により、海外展開を促進し、日本企業の防災分野の海外売上総額を2024年の約1兆円から、2030年に約2兆円にすることを目標とする。 260