バイオものづくり産業の現状と課題を分析し、2040年に向けた市場獲得目標と技術開発・生産インフラ整備の戦略的目標を提示する。
タグ: バイオものづくり, 合成生物学, 経済安全保障, 脱炭素, 産業競争力
1. 現状認識と目指す姿【目標】 合成生物学・バイオ バイオものづくり (1)現状 ① 現状 ・バイオ製造技術の急速な発展を背景に、先行するバイオ医薬品等にとどまらない、幅広い分野への適用の可能性が拡大。新産業の創出・技術優位性獲得に向けた各国の競争が激化。 ② 取り巻く環境と構造変化 ・バイオものづくりの社会実装には、原料から技術・生産インフラ、市場ルールまで大きな転換が必要。米・欧・中など諸外国が研究開発や生産基盤の構築への投資を進めている。また、新技術に合わせた規制の更新や承認の迅速化に向けた新組織の設置及び大胆な制度改正も並行して実施されている。 ・安価な糖原料と労働力にアクセス可能な地域において、一部商用化が先行(米:トウモロコシ、南米:サトウキビ、中:大規模生産能力)。一方、バイオ製造技術の高度化により、更なる高付加価値領域も含め、広い市場ポテンシャルが示されており、米国や中国では技術開発を一元的に担うプラットフォームが台頭し、競争が熾烈化している。 ③ 経済的・戦略的な重要性 ・経済的重要性:バイオ産業がもたらす経済効果は約165兆円(2030~2040年)と見込まれる。(出典)2020 McKinsey Global Institute Analysisの数値を元に1ドル150円で経済産業省が計算。ホワイトバイオ分野のみ ・戦略的重要性:バイオものづくりは国内資源(再生可能なバイオマス資源、廃棄物などの未利用資源)を有効活用し、我が国技術により国内で生産・高付加価値化させることが可能。輸入資源依存、製造業の空洞化、地球温暖化といった課題を乗り越えながら経済安全保障を実現するとともにグローバルの成長を取り込む鍵となる。なお米中をはじめとする技術開発競争の中で、主導権を他国に握られた場合、国内で産業化・事業化する余地は急速に失われるおそれがある。 (2)目標 ① 国内外で獲得を目指す市場 ・基盤となるバイオ製造技術の優位性の確保及び高付加価値領域(高機能成分・素材等)を中心とするグローバルでの市場獲得を目指す。 ・併せて、経済安全保障確保、脱炭素等の観点から国内生産が肝要となる製品領域について、輸入製品に代わりバイオものづくりによる国内生産品の市場拡大を目指す。 ・2040年の我が国企業の売上(合計)目標は、11.9兆円(グローバルシェア10%)。 ② 達成すべき戦略的な目標 ・技術開発基盤の拡充と生産インフラの整備及び人材・ノウハウ・データの結集・高度化による、バイオ製造技術の高効率化。 ・国内資源の活用拡大及び国内バイオ製造設備の増加。 185