クラウドと蓄電池をデジタル・経済安全保障の基盤と位置づけ、市場拡大と戦略的自律性の確保を目指す。
タグ: クラウド, 蓄電池, 経済安全保障, データセンター, AI, デジタル基盤
1. 現状認識と目指す姿【目標】 デジタル・サイバーセキュリティ クラウド・データセンター、蓄電池 (1)現状 ① 現状 ・クラウドは、AIトランスフォーメーション(AX)の基盤として、企業・行政におけるデータ利活用、AI活用、業務高度化を支えるインフラとして不可欠な存在。あらゆる産業におけるAXを支え、成長産業の投資を促進する基盤となる。国内クラウド市場は、官民のデジタル関連需要を背景に足元で一層拡大中。国内4兆円規模・年20%超で拡大を続ける成長市場。 ・他方、いまだ多くの企業等において、データ利活用を円滑に行えるシステムのモダン化が進められていない状況であり、製造業等が蓄積してきた豊富な産業データ利活用のポテンシャルは大きい。 ・また、クラウド市場の増加に伴い、それを構成する計算資源(GPU等)、電力、通信などのインフラ基盤としてデータセンターやそれを支える蓄電池・電源システムの需要も拡大。 ② 取り巻く環境と構造変化 ・特にAIの普及により、データ量・計算需要が爆発的に増加。クラウドは単なるIT基盤から、AI・データ・業務・サプライチェーンを横断的につなぐ中枢基盤へと進化。 ・社会インフラ分野におけるデータ管理を中心に、クラウドの「信頼性・可用性・主権性」を重視する潮流が強まっており、その結果として、一極集中モデルと分散・信頼重視モデルの併存へと市場構造が変化しつつある。 ・また、クラウドを支える基盤であるデータセンターについて、立地ニーズに迅速に対応するための、電力・通信インフラの整備が課題に。加えて、将来の電力需要増加への対応や、安定稼働を支えるための蓄電池等の電源・通信システムの高度化も課題。 ・蓄電池は、足元で車載用(BEV等)・定置用(系統等)の投資計画が進行する一方、グローバル市場での過剰供給懸念やサプライチェーンリスクが顕在化。蓄電池を大規模に量産可能な国が限られる中、日本及び同志国の自律性・不可欠性の確保・向上が益々重要になっている。こうした中で、企業がサプライチェーン一体となって経済安全保障に資する投資を行うとともに、今後の成長分野で求められる高度な電気制御に対応可能な多角的な競争力を強化し、電源システムも含めた蓄電池ソリューション全体で競争力を向上させて、必要な製造基盤を確立することが喫緊の課題。 ③ 経済的・戦略的な重要性 ・経済的重要性:クラウドは、全産業のAXを支える基盤投資であり、製造、金融、流通、医療、公共などあらゆる産業における生産性向上・付加価値創出の波及効果が大きい。更に深層の基盤を構成する蓄電池・電源システムの多角的な競争力がアプリケーションで提供可能な品質を規定。 ・戦略的重要性:少子高齢化下での生産性向上、AI活用による社会課題解決の前提条件として戦略的意義が高い。蓄電池のサプライチェーンリスクが顕在化し、蓄電池を大規模に量産可能な国が限られる中、日本及び同志国の戦略的自律性・不可欠性を確保できる能力の獲得・向上が重要に。 (2) 目標 ① 国内外で獲得を目指す市場 (ここでは拡大を目指す国内市場とする) ・あらゆる産業においてAIを活用した生産性向上・成長投資が今後必須となる。こうしたAXを支えるデジタル基盤の整備が、成長産業の投資等の下支えとなる。 ・クラウドは、今後AI・データ利活用拡大により、グローバル市場規模は拡大する見込み。こうしたグローバルの市場拡大に国内も追随して、2035年までに30兆円の国内市場規模を目指す。 ・蓄電池は、2025年から2035年にグローバル市場規模が2倍に成長する見通し。日本が強みを有する出力性能等に優れる蓄電池・電源システムを中心に、車載用や定置用を含む全社で、日本企業の蓄電池関連売上高※を2035年に3倍に成長させることを目指す。 ※セル・パック・モジュール・蓄電池システム等 ② 達成すべき戦略的な目標 ・電力・通信インフラの効果的な整備等(ワット・ビット連携)を通じ、データセンターの立地環境を確保する。 ・先端技術(光電融合、低遅延通信等)による電源・通信システムの高度化を通じた、データセンター基盤を確保する。 ・デジタル・電化社会で国民生活・経済活動が依拠する重要物資である蓄電池について、同志国を含む戦略的自律性・不可欠性を確保・向上。 ・重要インフラなど経済安全保障上重要な領域においては国内事業者の運用による高い信頼性・可用性・主権性を備えたクラウドを確保する。 ・要求に応じて適切な情報処理機能を使える環境を確保する。 35