日本経済の構造転換と国際競争力回復のため、高圧経済への移行による投資需要の拡大と、長期資金供給および設備投資減税の拡充を提言する。
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5:官民連携の長期投資の拡大には安定的な長期資金と高圧経済の良好な経済環境が必要 日本経済は設備投資・研究開発投資が実質横ばいで推移し、資本生産性も低迷する中、主要産業の国際競争力が低下している。AIトランスフォーメーション(AX)を巡る国際競争において、日本は供給・需要両面で出遅れており、企業経営から産業構造まで全レイヤーでのAX実現が喫緊の課題である。投資拡大には市場・技術・政策等の不確実性緩和、経済安全保障の確保、産業用地等インフラ整備が不可欠であり、企業の投資予見可能性を高める総合政策が求められる。スタートアップは25,000社に増加し対GDP比約4%の経済インパクトを創出したか、ユニコーン数や資金調達額は目標に遠く、特にディープテック・スタートアップへの大規模・長期資金供給の強化が課題である。賃金面では3年連続5%台の賃上げが実現したが、物価上昇を上回る実質賃金プラスの定着が課題である。雇用の7割、付加価値の5割を占める中小企業は、地域経済と成長産業サプライチェーンの基盤であり、その「稼ぐ力」強化が持続的成長の鍵となる。需給ギャップ0%を適正とする従来方針では、投資・賃上げ・消費の好循環を生み出す需要が不足する。投資を拡大した企業が収益を十分に確保できず、スタートアップの育成には逆風となる。言い換えれば、投資需要の上振れ余地を作るため、需給ギャップの0%からの上振れが必要である。需給ギャップ2%超の高圧経済への移行により、官民連携による戦略的投資需要を拡大し、企業の投資意欲を喚起することで、企業を貯蓄超過から投資超過に転換させ、AX実現と国際競争力回復を同時に達成できる。この実現には、年金基金による国内長期資金の大幅な増加と、日銀の安定的な成長通貨供給が不可欠である。高圧経済は投資収益の予見可能性を高め、持続的な賃上げと実質所得増加を実現し、日本経済の構造転換を加速させる。そのためにも、全ての設備投資の増加分に対して投資額の25%を法人税から差し引く税額控除など、設備投資減税の拡充が必要である。 CRÉDIT AGRICOLE CIB 41