過去30年間、日本企業は売上高の増加以上に経常利益を伸ばし収益力を向上させており、その背景にはコスト削減や海外展開等の要因がある。
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業の改善が著しい面があるが、企業規模を問わず利益率は向上している。このように、企業部門全体として、1993年度を底として、その後の約30年間において、企業は売上高の増加に比して経常利益を大きく増加させており、収益力を高めてきたと言える。 第3-2-2図 資本金別の売上高経常利益率 長期的にみると、売上高経常利益率は大中堅・中小企業でおおむね右肩上がりで推移 12 (%) 10 資本金10億円以上 資本金1億円〜10億円 全規模 8 資本金1,000万円未満 6 4 2 0 -2 1980 82 84 86 88 1990 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 16 18 20 22 (年度) (備考) 財務省「年次別法人企業統計調査」により作成。 (コストカットと海外展開が経常利益の増加に寄与) 以上のように、我が国の企業部門は過去30年間で収益力を大きく高めてきた一方で、企業部門の経常利益と設備投資との関係性は、1980年代や1990年代と比べて大きく変化し、利益に比べ投資が抑制されるようになっている。以下では、「法人企業統計」の年次別調査結果を基に、経常利益の増加がどのような形でもたらされてきたのかを確認する。 ここでは、1993年度を起点とした経常利益の変動を、①売上高要因(売上の増減によるもの)、②変動費要因(原材料費など変動費の増減によるもの)、③固定費要因(人件費、減価償却費、支払利子等の増減によるもの)、④営業外収益要因(海外子会社からの配当金などの増減によるもの)に分解し、利益の増加を生み出した要因をみる(第3-2-3図(1))。 まず、売上高要因は、時期によって1993年度対比でみてプラス・マイナスのいずれにも寄与するなど、景気動向によって変化している。これに対して、変動費要因は、リーマンショック前の原油等資源価格の高騰時を除き、総じてプラスに寄与しており、生産効率の改善などの企業努力を含め、企業が原材料コストを低く抑えてきたことが経常利益の増加を支えてきた様子がうかがえる。変動費の対売上高比率を業種別にみると、製造業では、リーマンショック前まで上昇傾向で推移し、その後は2010年代半ばまで総じて低下傾向となるなど、原油等資源価格の影響も大きく受けているとみられる一方、非製造業では、各年の変動はあるものの、一貫して低下傾向で推移している。我が国企業部門の変動費の面からのコスト削減の長期的傾向は、主に非製造業によってけん引されていたことが分かる(第3-2-3図)。 358