2007年から2022年にかけての産業別GVC参加度の変化を分析し、日米独の参加度上昇と中国の顕著な低下傾向およびその背景要因を解説している。
タグ: GVC, サプライチェーン, 産業構造, 国際分業, 内需拡大
(2)産業別GVC参加度(2022年) (%) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 全産業 製造業 非製造業 電気機械製造業 第一次金属製造業 化学製品製造業 水上輸送 ゴム・プラスチック製品製造業 輸送用機械製造業 窯業・土石製品製造業 石炭・石油製品製造業 繊維製品製造業 一般機械製造業 航空輸送 卸売 陸上輸送 宿泊・飲食 飲食料品製造業 金融 ■前方参加割合 ■中間参加割合(国内中間投入利用分) □中間参加割合(輸入中間投入利用分) □後方参加割合 ◇2007年時点のGVC参加度 (備考)1. ADB “Global Value Chains Indicators”により作成。 2. 生産面からみたGVC参加度は、各国・各産業における財・サービスの総生産のうち、直接的・間接的に国境を 2回以上通過するものを指す(国内のみで完結するもの及び国境を1回のみ通過するものを除いたもの)。 2007年から2022年における製造業の生産面からみたGVC参加度の変化を示したものが 第3-1-30図である。日本・米国・ドイツについては、水準には違いがあるものの、米国 の電気機械製造業を除けば、いずれの国・産業においても、輸入された付加価値分に伴うG VC参加度を表す後方参加割合と中間参加割合(輸入中間投入利用分)が増加している。こ れは、サプライチェーンの国際分業化が進む中、他国に生産プロセスの一部を移す動きが高 まり、輸入された付加価値の割合が上昇した結果であると言える。他方で、中国については、 GVC参加度が顕著に低下している。特に後方参加割合と中間参加割合(輸入中間投入利用 分)がその低下に寄与しており、日米独とは正反対の傾向を示している。生産面からみたG VC参加度の分母には伝統的輸出分だけでなく、国内需要分も含まれることを踏まえると、 中国国内での生産過程における付加価値創出の増加分は、直接最終市場に輸出される、又は 国内需要に回っているケースが増えていると言え、サプライチェーンの内製化と内需の拡大 が進んでいることが分かる。特に、前掲3-1-25図や前掲第3-1-26図、前掲第3-1 -29図も踏まえると、輸出面からみたGVC参加度と比較して、中国の生産面からみたGV C参加度の下落幅が大きいことから、経済成長に伴って中国国民の購買力が向上し、内需が 拡大したことが、サプライチェーンの内製化と並んで、中国のGVC参加度低下に影響した 可能性がある。 342