1990年代以降の各世代における事前想定賃金と事後経験賃金の乖離を、男女別のコーホート分析を通じて比較・検証している。
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るいは今後に賃金が継続的に上昇するという点に関して、肯定的な受け止めが難しくなっている可能性がある21。 なお、より生まれ年の遅いコーホートについては、例えば1990-94年生まれ世代では、25-29歳段階以降において、事後経験賃金が事前想定賃金を上回るようになっているなど、賃金上昇の持続性に対する受け止めが変化していてもおかしくはない22。この点については、近年になって物価上昇がみられるようになったことから、物価上昇分を割り引いた実質賃金水準としての評価も必要であり、この点は後に議論する。 第2-2-14図 コーホートの事前想定賃金と事後経験賃金 1990年〜2000年代にかけて、男性労働者では、実際に得た賃金が事前の予想を下回っていた (1) 各コーホートの賃金上昇率 ①男性 (20〜24歳時点の賃金比、倍) 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 20 25 30 35 40 45 50 55 (歳) 1995〜99年生まれ 1990〜94年生まれ 1985〜89年生まれ 1980〜84年生まれ 1975〜79年生まれ 1970〜74年生まれ 1965〜69年生まれ 1960〜64年生まれ ②女性 (20〜24歳時点の賃金比、倍) 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 20 25 30 35 40 45 50 55 (歳) 1995〜99年生まれ 1990〜94年生まれ 1985〜89年生まれ 1980〜84年生まれ 1975〜79年生まれ 1970〜74年生まれ 1965〜69年生まれ 1960〜64年生まれ 21 なお、本分析で用いた統計における賃金は、可処分所得ベースではなく、税や社会保険料等控除前のグロス賃金ベースであり、仮に、各世代において20〜24歳時点では想定されていなかった制度変更が事後的に行われるような場合には、可処分所得ベースでみた事前想定賃金に対する事後経験賃金の関係は変化しうることに留意が必要である。 22 また、女性のフルタイム労働者の場合は、1990年代以降全体的に賃金水準が高まったこともあり、全てのコーホートで事後経験賃金が事前想定賃金を上回っている(付図2-3)。 229