恒常所得仮説に基づき、一時的な所得増と継続的な所得増が消費行動に与える影響を比較・検証した分析結果。
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仮説の検証に資する「状況」としては、①「ボーナス以外の給料が継続的に増加し、今年以降の手取り収入が10%増加する」と②「今年のボーナスが増加し、今年のみ手取り収入が10%増加する」の二つを設定した12。この二つのシナリオに係る設問への回答結果から、消費に対する影響を確認すると(第2-1-6図)、まず、消費を「増やさない」と答えた人の割合は、①のボーナス以外の給料が継続増加するケースでは38%、②のボーナスが増加するケースでは51%と、②の方が高い。恒常所得仮説では、一時的な所得増よりも恒常的な所得増の方が消費に与える影響が大きくなると考えられるため、この結果は仮説と整合的であると言える。また、ボーナス以外の給料が増加するケースについて、消費を増やすと答えた人の増加幅をみると、例えば0~8%が45%程度、8%以上と答えた人は10%程度となっている。年齢階層別にみると、一時所得増、恒常所得増に対する反応共に、若年層の方が消費を増やす者の割合が高く、また消費の増加率も大きい傾向にある。恒常的な所得増加は、今後の人生が長い若年層の方が生涯所得の増加という形で恩恵を大きく受けることになるから、若年層の方が恒常所得の増加幅が大きく、結果として消費を大きく増やす、というメカニズムが働いていると考えられ、この点からも、恒常所得仮説とある程度整合的であると考えられる。第2-1-6図 一時的・継続的な所得増に対する消費増 一時的な所得増よりも恒常的な所得増の方が消費に与える影響が大きい(1)一時的・継続的な所得増に対する消費増 増やす 増やさない 減らす ボーナス ボーナス(増やす・内訳) ボーナス以外 ボーナス以外(増やす・内訳) 0 20 40 60 80 100 10%以上 8~10% 6~8% 4~6% 2~4% 0~2% (%) 12 厳密には、今年限りのボーナスの10%増と、今年以降手取り収入が10%継続的に増加することは、割引現在価値の観点からも等価ではないが、設問をなるべく簡素にするためにこのような設定とした。ボーナスによる一時的な所得増であっても、所得が増えていることに変わりはなく、「増やさない」と答える人の比率については大きく影響しないと考えられる。 173