恒常所得仮説に基づき、一時的な所得増よりも継続的な所得増の方が消費への押し上げ効果が大きいことを検証する。
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②現金給与総額ベース 12 (%) 10 8 6 4 2 0 -2 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 (歳) ■2020~21年 ■21~22年 □22~23年 □23~24年 (備考) 1. 内閣府「家計の消費・貯蓄行動に関する調査」、「消費者の行動変化に関する調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」により作成。 2. (2)の賃金はフルタイム労働者。各期間の変化率の合計が全期間の変化率と一致するように、両者の差分を各期間の変化率に応じて按分している。 2. どのような所得増が消費を押し上げるのか (恒常所得の増加の方が、一時的な所得の増加よりも、消費の押上げ効果が大きい) 上述のとおり、給与所得が継続的に増加した場合には消費を増やすと答えた家計は全体の7割近くに達しており、消費の回復には、所得の持続的な増加が極めて重要である。ここで、マクロ的な賃金・所得環境については、雇用者数に一人当たり賃金を乗じた雇用者全体の賃金所得である総雇用者所得は実質でも前年同月比で2024年6月以降1年近く増加が続き、直接税や社会保険料を控除し、財産所得の純受取や社会給付や各種移転を加算した家計可処分所得も、実質でみても前年同期比で2024年1-3月期以降1年超にわたり増加が続いている(前掲第1-1-29図参照)。このように雇用・所得環境自体は改善の動きが続いているのに対し、個人消費の伸びは抑制的なものにとどまり、平均消費性向の低下傾向(家計貯蓄率の上昇傾向)が継続している背景として、以下では、いわゆる「恒常所得仮説」、予想物価上昇率の上昇に伴う消費者マインドの低下、老後不安など将来の不確実性に対する備えといった仮説について順次検証していく。 はじめに、「恒常所得仮説」とは、経済学の消費理論において、当期の消費の決定要因として、当期の所得だけでなく、生涯にわたっての所得によって決定されるという考え方である。この仮説の下では、例えばボーナスの増加や、1回限りの臨時収入といった一時的な所得増よりも、例えば月例賃金や時給など恒常的な所得増が期待される方が、消費に与える影響は大きくなると考えられる。 この仮説を確認するために、内閣府調査においては、「以下のような状況になったとき、あなたは今年の消費をどのくらい増やしますか」という仮想的な質問を設け、「以下のような状況」として、経済理論等に基づいた複数の状況を設定している。具体的には、恒常所得 172