労働市場の硬直性解消と、グローバル経済下における日本企業の賃上げ・投資促進に向けた課題を分析する。
タグ: 労働市場, 賃金, グローバル経済, 経常収支, 企業投資, 自由貿易
の一つとされる賃金の硬直性について、現時点においてどの程度解消が進んでいるのかを分析する。あわせて、過去30年程度の労働市場の変化を振り返るとともに、転職希望の高さに比して、転職を通じた労働移動が進まない背景を探り、労働市場のミスマッチの緩和に向け、賃金をシグナルとした市場のダイナミズムが機能するための課題等について分析する。 第3章では、第二次世界大戦後、国際社会が長年培ってきた自由で開かれた貿易・投資体制が大きな転換点を迎えている中で、我が国とグローバル経済との関わりの現状と課題を明らかにするとともに、米国の関税措置というリスクを乗り越え、賃上げと投資がけん引する成長型経済を実現するために必要な我が国の企業部門の課題を分析する。具体的には、過去30年程度の我が国の経常収支の長期的な変遷とその背景を概観するとともに、グローバルバリューチェーンと我が国経済との関わりに関する詳細な分析に基づき、米国の関税措置による各産業への潜在的影響を確認しつつ、経済連携協定等による自由貿易推進の重要性を示す。また、過去30年程度における我が国の企業行動の変化として、人への投資や設備投資を含めてコストカット志向が進んだ点を振り返りつつ、積極的な海外展開により利益を享受できた大企業、保守的な経営により現預金を蓄積することとなった中小企業において、豊富な資金を国内投資や賃金の引上げに結び付けるための課題について議論する。 2