人手不足感と企業業績の関係を分析し、人手不足が収益に与える影響は限定的だが、一部業種では負の影響も見られ、生産性向上が重要であると結論づけている。
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第2節 景気回復の進展と経済再生に向けた進捗 ●人手不足の収益や業種による影響 次に、同じ内閣府の企業意識調査を利用し、人手不足感と企業業績の関係を確認する。まず、人手不足感の違いによって回答企業を「非常に不足」、「やや不足」、「適正」、「過剰」の4つに分類し、その分類されたグループごとに2012年度から2016年度の売上高上昇率を見ると、人手が不足している企業ほど売上高上昇率が高くなっており、人手不足により売上高に悪影響を及ぼしているというよりは、売上高の増加により人手不足感が高まっていることがうかがえる(第1-2-17図(1))。人手不足感と経常利益上昇率の関係をみても、売上高と同じように人手不足感が高い企業ほど経常利益上昇率が高くなっており、総じてみれば現時点では人手不足感の高まりが企業収益に与える悪影響は限定的であると考えられる(第1-2-17図(2))。ただし、産業別に人手不足感と経常利益の関係を詳しくみると、製造業では人手不足感の高い企業の収益の伸びがそうでない企業と比べ高い傾向にあるが、運輸・郵便業や建設業では人手が非常に不足している企業が必ずしも経常利益上昇率が最も高いわけではない(第1-2-17図(3))。実際に、運輸・郵便業や建設業については、人手不足への対応策として「業務量の抑制、受注調整を行った」割合が相対的に高い(前掲付図1-9)ことから、産業によっては人手不足感の高まりが企業収益に悪影響をもたらしている可能性があり、一部の企業では人手不足による企業収益への負の影響がでているとみられる。なお、人手不足感と労働生産性の水準をみると、人手不足感が高い企業では労働生産性の水準が低い傾向がみられる(第1-2-17図(4))。これは、労働集団的な産業で人手不足感が高いことを反映している面もあるが、今後労働生産性を引き上げることで人手不足に対応する余地が大きいことも示唆される。限られた労働者を有効に活用し人手不足を解消するためにも、省力化投資などを通じた生産性向上の実現が重要である。 59